JP5436689B2 - 混合微分代数プロセスモデルの状態変数をリアルタイムに計算する方法 - Google Patents

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Description

本発明はプロセスインタフェースを有するプロセス計算機上で混合微分代数プロセスモデル(DAP)の状態変数を連続する時間刻み幅でリアルタイムに計算する方法に関する。ただし、前記プロセス計算機は、プロセスインタフェースを介して物理的プロセスの少なくとも1つのプロセス変数を捕捉するように、および/または、物理的プロセスに影響を与える出力変数をプロセス計算機から出力することができるように構成されている。また、混合DAPは少なくとも積分器機能、条件評価機能によって、また条件の変化が確認された場合には、構造決定変数の整合性判定機能によって解かれ、混合DAPの一部は構造決定変数に依存して有効または無効である。
技術的な趣旨からして、プロセス計算機およびプロセス計算機上で実行される上記のような方法は、まったく一般的に、物理的プロセスの観測および/またはこの物理的プロセスを思うように制御するための物理的プロセスへの干渉に使用される。この種のプロセス計算機上には、プロセスモデル(すなわち、方程式によって記述可能な関数的な物理技術的関係)が構築されていることが多い。このプロセスモデルは、例えば制御目的で、関連する物理的プロセスの数学的モデルを表したもの、または、関連する物理的プロセスとは異なる、例えば「本物の」物理的プロセスを励起するために現実の一部を模倣した(これは例えばシミュレータから公知である)プロセスを数学的にモデル化したものである。この種のプロセス計算機および方法は特に制御器開発(ラピッドコントロールプロトタイピング、ハードウェアインザループ試験)の分野ではもはや不可欠である。
プロセス計算機上でモデル化され計算されるプロセスの種類に応じて、プロセスモデルは様々な数学的特性を有する。多くのプロセスモデルは(線形または非線形でない)微分方程式系から、最も単純なケースではただ1つの微分方程式から構成されている。これらの微分方程式は公知の数値的方法で解かれる。これを以下では積分器機能と呼ぶ。
プロセス計算機はふつう本当の物理的プロセスと接続されているので、関連する物理的プロセスのプロセス変数を(プロセス計算機上での連続する時間刻み幅によって決まる)所望の時間区間内に捕捉し処理することができるように、ないしは物理的プロセスに干渉するための出力変数をプロセス計算機から出力することができるように、プロセスモデルをリアルタイムに計算することが必要である。
多くのプロセスモデルは、微分方程式または微分方程式系の他に、一般にプロセスにおける保存量を記述する代数方程式も含んでいる。この種の単純な関係として、例えば、電気回路網のノードにおける電流、閉じた系におけるエネルギー不変、非圧縮性媒質の体積流量、多体系における力積保存、および他の動力学的な制約条件がある。このようなモデルは微分代数プロセスモデルと呼ばれ、以下では略して"DAP"と呼ばれる。
DAPは構造不変であることが多い。つまり、プロセスモデルの状態変数および状態変数間の関係がアプリオリに確定しており、数学的な枠組みそのものは時間的にも他の条件によっても変化しない。このような系はその構造不変性ゆえに計算実行前に(例えばCコードの形態で)完全なアルゴリズム的モデルに変換することができる。この構造不変なモデルは、計算開始前に、計算コストを最小化するために公知の数学的方法によって、例えばBLT変換、テアリングまたは疎行列法によって最適化することができる。そして、この実行時間の最適化されたアルゴリズム的モデルから、プロセス計算機上で実行可能なプロセスモデルを形成することができる。つまり、例えば上記Cコードをコンパイルすることによって、プロセス計算機上で実行可能なプロセスモデルを形成することができる。
しかし、より複雑なプロセスモデルは構造不変ではないことが多い。より複雑なプロセスモデルは様々なモードを備えている。これらのモードでは、例えば状態変数の異なる組合せ、または同数の選択された状態変数間の異なる関係がプロセスモデルの機能を記述する。なお、プロセスモデルのこれら異なるモードは所定の条件に依存して活動化または非活動化される。混合DAPが構造変化を被るか否かを決定する変数をここでは構造決定変数と呼ぶ。構造決定変数はふつう離散変数であり、その値は条件方程式に依存して変化する。なお、条件方程式は冒頭で述べた条件評価機能によって評価される。構造不変でない微分代数モデルは混合DAPと呼ばれる。混合DAPの様々な部分はプロセスモデルの構造決定変数に依存して活動化または非活動化されるので、混合DAPの所定のモードは、すべての可能なモード(つまり、混合DAPの可能な活動化された構造)を含む全能の混合DAPよりも(包括性という意味において)複雑でない。
混合DAPのモードを計算することができるように、公知の計算方法は積分器機能を有している、つまり微分方程式を解くためのそれ自体公知の数値的積分器を有している。
条件評価機能においては条件方程式が評価される。これにより、構造決定変数が変化しうる。1つの構造決定変数の変化(または複数の構造決定変数の変化)の結果、プロセスモデルのモードは変化しうる。しかし、これは単にモード変化に必要な前提条件に過ぎない。
エンジンとそれに属するパワートレインは混合DAPの一例である。この場合、異なる複数の変速段が混合DAPの複数の異なる構造であり、つねにそのうちの1つの変速段だけが有効となることができる。この例では、構造決定変数はエンジン回転数、運転者の出力要求およびトランスミッションにおける機械的負荷に依存するものとすることができる。これらの構造決定変数に依存して、1つの計算ステップ内でまたは1つの計算ステップから次の計算ステップにかけて構造変化が生じているかの否かが決まる。
条件評価機能だけでは、構造決定変数の安定集合、厳密には構造決定変数の値の安定集合が見つかることは保証されない。そのためには、冒頭で述べた整合性判定機能が用いられる。整合性判定機能は必要に応じて繰り返し実行される。その際、構造決定変数が、厳密には個々の構造決定変数の値がもはや変化しないならば、構造決定変数は整合的である。この整合性判定機能は、条件評価機能が少なくとも1つの構造決定変数の変化を検出した場合にはつねに実行される。整合性判定機能の内部では、状態変数の以前に計算された値と時間は「保持される」が、状態変数の微分、代数変数および条件方程式はつねに新たに評価し直される。最後に、構造決定変数の以前に求めた値が構造決定変数の新たに求めた値と一致しているか否かが確かめられる。一致している場合には、整合性検査は終了する。一致していなければ、理想的には安定集合に達するまで整合性検査が続行されなければならない。実際上は、整合性が達成されなければ、繰り返しを中断しなければならない。その場合、他の方法が有効であるが、それらはここでは考察の対象ではない。整合性判定機能の実行中、構造決定変数の変化の結果、混合DAPの変化する部分が有効となりうる。したがって、整合性検査は完全な混合DAPを使用できることを前提としている。
別のステップでは、構造決定変数が正確にどの時点において混合DAPの構造変化を生じさせる別の値をとったのか(つまり、条件方程式の評価が別の結果をもたらしたのか)を求めることができる。この時点は2つの離散的な計算時点の間の計算インターバル内のどこかに存在する。条件評価関数の計算はふつう方程式または不等式に基づいており、これらを評価することにより構造決定変数が変化する。その場合、数学的には関数の零交差が求められる。この関数の零交差の時点tcは条件変化の時点に相当する。条件変化のこの時点tcが既知ならば、整合性判定機能は開始される。整合性判定機能の目的は、条件変化の時点tcにおいて、差し当たり更なる変化をもたらさない安定した構造決定変数ないし構造決定変数の値の集合を求めることである。そのために、混合DAP全体は必ず少なくとも一度は新たに計算されなければならない。
上記の手続きから、計算ステップ中に条件変化が検出された場合、条件変化が生じていない場合の混合DAPの有効部分の「通常」の積分に対して、混合DAPの少なくとも1つの付加的な積分が必要であることが容易に分かる。(前述のように)2つの計算ステップの間の正確な時点への逆向き計算が行われる場合には、条件変化が生じた場合、混合DAPのさらに別の少なくとも1つの(つまり第3の)積分も必要である。この追加コストがリアルタイム計算において重大な問題をもたらし兼ねないことは直ちに明らかである。というのも、おそらく時間的な追加コストが非常に高いために、所望の時間区間(リアルタイム計算のサンプリング周期)内に計算ができず、プロセスインタフェースを介して物理的プロセスと直接的な関係を有している今考察している系において、重大な結果をもたらし兼ねない時間超過が生じてしまうからである。混合DAPの状態変数のリアルタイム計算の実行時特性は上述の方法によっては良く計算できず、混合DAPの条件が変化した場合の計算時間は条件変化が生じていない場合の計算時間を何倍も上回ってしまう。
それゆえ本発明の課題は、混合DAPの条件が変化した場合でも迅速な計算が可能であり、構造決定変数が変化した場合の所要計算時間が公知の方法に比べて短縮された、混合DAPの状態変数を計算する方法を提供することである。
上で導き出された課題は、混合微分代数プロセスモデルの状態変数を計算する上述の方法において、整合性検査機能をソートされた整合性管理関数(KHF)によって実現することによって解決される。ただし、ソートされたKHFの第1部分は混合DAPの条件非依存的なすべての部分を含んでおり、ソートされたKHFの第2部分は、混合DAPの条件依存的な部分のうち、構造決定変数に影響を与える部分のすべてを含んでおり、ソートされたKHFの第3部分は混合DAPの条件依存的な部分のうち、構造決定変数に影響を与えない部分のすべてを含んでおり、条件の変化が生じた場合、構造決定変数の整合的集合を識別するために、ソートされたKHFの第1部分および第3部分は1回だけ実行され、構造化されたKHFの第2部分だけが必要に応じて複数回実行される。積分器機能が実行されるたびに、ソートされたKHFも共に実行される。
本発明による方法では、混合DAPのすべての方程式に適用される積分器機能と混合DAP全体をさらに少なくとも一回評価する条件評価機能(構造決定変数が変化した場合には整合性判定機能も伴う)とへの従来式の分割は不要となる。それだけでなく、完全な混合DAPの大部分をソートし、整合性管理関数において計算することにより、混合DAPの大部分を複数回計算する必要がなくなる。ソートされたKHFの第1部分は各計算ステップにおいて実行される。しかも、KHFの第1部分の計算結果は条件の変化が生じているか否かには依存しない。というのも、ソートされたKHFの第1部分は混合DAPの条件非依存的なすべての部分を含んでいるからである。
ソートされたKHFの第2部分は混合DAPの条件変化が生じているか否かにとって決定的である。なぜかと言えば、ソートされたKHFの第2部分には、意図した通り、混合DAPの条件依存的なすべての部分がまとめられているからである。なお、この混合DAPの条件依存的なすべての部分は構造決定変数にも影響を与えることができる、つまり、構造決定変数がどのように発展するかにとって決定である。それゆえ、条件が変化した場合、ソートされたKHFのこの第2部分が計算されなければならず、場合によっては複数回計算されなければならず、また、それ以降に有効となる、混合DAPの構造決定変数ないし構造決定変数の値の整合的かつ安定した集合が計算されなければならない。構造決定変数ないし構造決定変数の値の集合の安定性は、KHFの第2部分の次の積分ステップにおいてこれら値が変化しないことによって判定される。つまり、条件が変化した場合、ソートされたKHFの第2部分だけが繰り返されるのであって、(先行技術から公知のように)混合DAPの全体または整合性判定機能の全体は繰り返されない。その結果、従来の方法に比べて大幅に時間が節約される。
ソートされたKHFの第3部分は、ソートされたKHFの第1部分とまったく同様に、各計算ステップにおいて1回だけ計算すればよい。なぜならば、以前に、つまりソートされたKHFの第2部分の計算のときに、構造決定変数の安定集合は求められており、また、これ以降の、構造決定変数に影響を与えない混合DAPの条件依存的なすべての部分の計算は、条件方程式をもはや変化させることができない、したがってまた混合DAPの構造決定変数ひいては混合DAPの構造を変化させることができないからである。
本発明による方法の1つの有利な実施形態によれば、ソートされた整合性管理関数の第2部分において、混合DAPの複数の部分が構造決定変数の因果連鎖に従って細分される。これはどういうことかと言うと、所定の構造決定変数が変化した場合、混合DAPのその部分だけ、またはそもそもこの所定の構造決定変数の変化によって影響を受ける別の条件方程式だけが評価されるということである。これにより因果連鎖が形成されるので、まさに構造決定変数が変化した因果連鎖だけが新たに計算される。ソートされた整合性管理関数を実行する際に、さらに特別な、より小さな部分においてだけ繰り返しを行うことにより、従来の方法に比べてさらに大きな時間の節約が達成される。
本発明はさらに、データ処理装置上で走らせたときに、前記プロセス計算機を用いて実行される本発明のすべての方法ステップを実行するプログラムコード手段を有するコンピュータプログラムに関する。本発明はまたコンピュータ可読データ媒体に記憶されたプログラムコード手段を有するコンピュータプログラムにも関する。
以下では、図面を参照しながら、混合微分代数プロセスモデルの状態変数を計算する本発明による方法を以下の実施例の説明に基づいて解説する。
混合DAPの条件の変化を検出する、先行技術から公知の方法を示す。 混合DAPの状態変数を計算する従来の方法のフローチャートを示す。 本発明の方法による、混合DAPの状態変数を計算するためのフローチャートを示す。
図1および2には、混合微分代数プロセスモデル(DAP)の状態変数を計算する公知の方法の異なる態様が示されている。図1には、それぞれ時点tk-1、tk、tk+1等によって区切られた等間隔の連続する計算期間が示されている。冒頭で述べたように、混合DAPは、混合DAPの有効な部分が構造決定変数に依存して変化しうるということを特徴としている。
条件の変化とそれに伴って生じうる混合DAP内での構造の変化を検出するために、先行技術から公知の混合DAPの状態変数を計算する方法は、先ずそもそも条件方程式の評価中に変化が生じたことを検出する条件評価機能を備えている。
さらに、公知の方法は、構造決定変数の安定した値を求めることのできる整合性判定機能も備えている。このことは図1a)から図1d)に示されている。
それぞれ時間tに対して混合DAPの条件方程式のグラフが示されている。条件変化はこのグラフの零交差において生じるので、条件変化を確認するためには零交差が検出されなければならない。このような零交差はここでは時点tkから時点tk+1までの計算期間内に存在している。混合DAPの方程式はふつう離散的な時点tk-1、tk、tk+1においてのみ評価されるので、条件方程式の零交差の正確な時点tcは零点を求めるための公知の反復法によって求められなければならない(図1b))。図1a)に示されている条件方程式の零交差の検出は条件評価機能の仕事である。
条件の変化が起こった時点tcが既知ならば、次には構造決定変数のどの値が安定的かつ整合的であるかを求めなければならない。このステップでは、構造決定変数がもはや変化しない混合DAPの安定した変化状態が見つかるまで、混合DAPの全体、すなわち条件方程式と状態変数の導関数を複数回計算しなければならない場合がある。1つの構造決定変数または複数の構造決定変数の変化のため、混合DAPの他の部分が有効となる場合があるが、それは必ずではない。構造決定変数の変化は構造の変化にとって必要条件ではあるが、十分条件ではない。混合DAPの新しい有効部分が安定して求められた場合には、tcから時点tk+1までの中間ステップ領域において混合DAPの現在有効な部分のさらなる積分が行われる(図1d))。
公知の計算法の場合、混合DAPの計算ステップにおいて条件変化が検出されると、そうでなければ計算ステップにおいてつねに必要とされる、混合DAPの有効部分の積分の他に、条件変化後の混合DAPの有効部分を安定して求めるために、混合DAP全体の少なくとも1つの別の評価が必要となる。場合によってはこの場合にもさらなる積分が必要となる(図1c))。中間ステップ計算が行われる場合には、図1に示されているように、1つの時間刻み幅内で第3の評価が必要となる。全体として、これが混合DAPのリアルタイム計算における問題である。条件が変化した場合の計算の追加コストは容易に混合DAPの計算時間の倍増につながるので、計算に必要な時間がサンプリング期間を超えてしまい、混合DAPをもはやリアルタイム条件のもとで計算することができなくなってしまう。
図2には、先行技術から公知の、混合DAPの状態変数をリアルタイム計算する方法がフローチャートで示されている。混合DAPの有効部分が確定されている場合には、混合DAPのこの部分(DAPalt)がそれ自体は公知である積分器機能(積分器)によって計算される。図2の一番上のブロックに示されている積分器は、構造変化を検出するための方程式を除く、混合DAPのすべての方程式に作用する。したがって、この積分器によって計算されるのは混合DAPの有効であると判定された部分だけである。続く方法ステップ(状態変化?)では、構造決定変数の変化を示す条件方程式が評価される。これはふつう条件方程式の零交差の検出である。条件の変化が検出されなければ、積分器の形態で一番上に図示されている積分器機能が、混合DAPの変わらない有効部分に基づいて、リアルタイム計算の次のサンプリングステップのために混合DAPの状態変数を計算する。この計算ループにおいて、積分器機能は各計算ステップにおいて1回呼び出される。
しかし、条件の変化が検出された場合には、条件方程式の零交差の時点tcの正確な計算(tc=?)と、この時点において以前有効であった混合DAPの部分(DAPalt(tc))の計算が行われるので、積分器機能は条件が変化した場合にはさらにもう1回呼び出される。最後に、一番下に図示されているブロックでは、整合性判定機能によって、将来に有効となる安定した構造決定変数(記号sで表される)の集合が求められる。この整合性判定機能は混合DAPのすべての方程式にアクセスしなければならない、したがって条件方程式にもアクセスしなければならない。結果として、混合DAPは少なくとも1回は計算される。構造決定変数の安定集合を求める
Figure 0005436689
ためには、おそらく、反復つまり混合DAPの複数回の計算も必要である。整合性判定機能の結果として、混合DAPの新しい有効部分(DAPneu)が得られるかもしれないが、必ずそうなるわけではない。条件が変化する場合には計算時間が著しく増大しうることがあらためて明らかとなる。すなわち、条件変化がない場合の計算ステップに比べて、計算時間は何倍にもなりうる。
最後に、図3には、混合DAPの状態変数をリアルタイム計算する本発明による方法が示されている。先行技術から公知の、積分器機能と条件評価機能と整合性判定機能との分離はここでは崩されている。本方法はまず第1に、整合性判定機能がソートされた共通の1つの整合性管理関数(KHF)1において実行されるということに基づいている。ソートは、混合DAPの構造決定変数の整合的な集合を求め計算するために、混合DAPの内部で条件が変化した場合でも全体として比較的短い計算時間しか必要としないように巧妙に選択される。
そのために、ソートされた整合性管理関数1は全部で3つの部分2,3,4に分割される。ソートされた整合性管理関数1の第1部分2は混合DAPの構造非依存的なすべての部分を含む。したがって、混合DAPのこれらの部分はつねに、混合DAPのどの部分が有効であり、かつ個々の構造決定変数のどの値を有しているかに依存せずに計算されなければならない。それゆえ、混合DAPのこれら構造非依存的な部分の計算はつねに必要である。
さらに、ソートされたKHFの第2部分3は、混合DAPの条件依存的な部分のうち、構造決定変数に影響を与える部分のすべてを含む。構造決定変数はソートされたKHFのこの第2部分3においてしか影響を受けることができないので、構造決定変数の値の安定集合を見つけるには、この第2部分3だけが重要である。
最後に、ソートされたKHF1の第3部分4には、混合DAPの条件依存的な部分のうち、構造決定変数に影響を与えない部分のすべてが含まれている。したがって、この第3部分4に含まれているプロセスモデルの部分の計算は、整合性判定機能が実行される場合には意味がない。というのも、この計算の結果は可能な構造決定変数に何の影響も与えないからである。
混合微分代数プロセスモデルの開示されたソートは、混合DAPの内部で条件の変化があった場合に、構造決定変数の安定集合を検出するにはソートされたKHF1の第1部分2と第3部分4を1回計算するだけでよいという利点を有している。(混合DAP全体において必ず測定される)構造化されたKHF1のふつうは非常に小さな第2部分3は、条件の変化が起こった場合には、整合的で安定した値を有する構造決定変数が見つかるまで、必要に応じて複数回実行される。この場合、ソートされたKHF1によって同時に積分器機能もつねに実行されなければならないこと、または積分器機能を実行するたびにソートされたKHF1も実行されることは直ちに明らかである。
図3から分かるように、条件変化の検出または無検出に関して、計算の場合分けはもはや存在せず、つねにすべての計算ステップが実行される。それゆえ、全体として、図3に示されている方法における計算のベース負荷は条件変化が生じていない場合の公知の方法におけるよりも高い。しかし、絶対的に見て、条件変化が起こった場合の計算時間の増大は従来の方法におけるよりも著しく小さい。なぜかというと、構造決定変数の値の新しい安定した整合的集合を見つけるには、そもそも混合DAPの選択された部分しか含んでいない、ソートされた整合性管理関数1の第2部分3だけを計算すればよいからである。一方、公知の方法では、整合性判定機能の計算は各反復において混合DAP全体に基づいて実行される、つまり、条件変化を検出するための条件方程式を含めて混合DAPのすべての方程式が計算される。したがって本方法は公知の方法における整合性判定機能の計算に比べて計算集約度が低い。

Claims (4)

  1. プロセスインタフェースを有するプロセス計算機上で混合微分代数プロセスモデル(DAP)の状態変数を連続する時間刻み幅でリアルタイムに計算する方法であって、前記プロセス計算機は、前記プロセスインタフェースを介して物理的プロセスの少なくとも1つのプロセス変数を捕捉するように、および/または、物理的プロセスに影響を与える出力変数を該プロセス計算機から出力することができるように構成されており、前記混合DAPは少なくとも積分器機能と条件評価機能とによって、条件の変化が確認された場合には、さらに構造決定変数の整合性判定機能とによって解かれ、前記混合DAPの一部が前記構造決定変数に依存して有効または無効とされる、方法において、
    前記整合性検査機能をソートされた整合性管理関数(KHF、1)によって実行し、ただし、前記ソートされたKHF(1)の第1部分(2)は前記混合DAPの非条件依存的なすべての部分を含んでおり、前記ソートされたKHF(1)の第2部分(3)は、前記混合DAPの条件依存的な部分のうち、前記構造決定変数に影響を与える部分のすべてを含んでおり、前記ソートされたKHF(1)の第3部分(4)は、前記混合DAPの条件依存的な部分のうち、構造決定変数に影響を与えない部分のすべてを含んでおり、
    条件の変化が生じた場合には、前記構造決定変数の整合的な集合を判定するために、前記ソートされたKHF(1)の第1部分(2)および第3部分(4)を1回だけ実行し、前記構造化されたKHF(1)の第2部分だけは必要に応じて複数回実行し、前記積分器機能が実行されるたびに前記ソートされたKHF(1)も共に実行することを特徴とする、混合微分代数プロセスモデル(DAP)の状態変数をリアルタイムに計算する方法。
  2. 前記ソートされた整合性管理関数(1)の第2部分(3)において、前記混合DAPの部分を前記構造決定変数の因果連鎖に従って分割し、前記構造決定変数が変化した因果連鎖だけを新たに計算する、請求項1記載の方法。
  3. プロセス計算機に、請求項1または2記載のすべての手順を実行させるためのコンピュータプログラム。
  4. 求項3記載のコンピュータプログラムを記録したコンピュータ可読データ媒体
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