JP5434317B2 - エピタキシャルウェーハの製造方法 - Google Patents

エピタキシャルウェーハの製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP5434317B2
JP5434317B2 JP2009161572A JP2009161572A JP5434317B2 JP 5434317 B2 JP5434317 B2 JP 5434317B2 JP 2009161572 A JP2009161572 A JP 2009161572A JP 2009161572 A JP2009161572 A JP 2009161572A JP 5434317 B2 JP5434317 B2 JP 5434317B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
epitaxial
wafer
temperature
haze level
epitaxial growth
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2009161572A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2011018725A (ja
Inventor
直之 和田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumco Corp
Original Assignee
Sumco Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumco Corp filed Critical Sumco Corp
Priority to JP2009161572A priority Critical patent/JP5434317B2/ja
Priority to US13/380,982 priority patent/US8753962B2/en
Priority to DE112010004362T priority patent/DE112010004362T5/de
Priority to KR1020127001399A priority patent/KR101408913B1/ko
Priority to PCT/JP2010/004446 priority patent/WO2011004602A1/ja
Publication of JP2011018725A publication Critical patent/JP2011018725A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5434317B2 publication Critical patent/JP5434317B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Chemical Vapour Deposition (AREA)

Description

本発明は、エピタキシャルウェーハの製造方法に関し、詳しくは、ヘイズ(Haze)レベルが低く、ウェーハの平坦度(エッジロールオフ)が良好に維持されたエピタキシャルウェーハの製造方法に関する。
近年、高集積化によるデザインルールの微細化に伴い、レーザー面検装置にて測定保証するパーティクルのサイズも縮小化されてきている。その際に、エピタキシャルウェーハのヘイズレベルが高いとヘイズがパーティクル測定のノイズ成分となり、微小サイズのパーティクルの測定に支障をきたす。そこで、高集積化された半導体デバイスの基板として使用されるシリコンエピタキシャルウェーハのようなエピタキシャルウェーハにおいては、ヘイズレベルの低減が必要となってきている。
また、半導体デバイスの微細化に伴い、ウェーハには高い平坦度が要求される。特に、ウェーハのエッジ部が垂れ下がり、中心部よりも低くなりやすく、デバイスの製造可能な領域が狭められてデバイス製造歩留りが悪化する。この垂れ下がり現象は、エッジロールオフ(Edge Roll−off)と呼ばれている。エピタキシャルウェーハにおいてもこのエッジロールオフの問題はデバイス製造歩留りの観点から重要であり、エッジロールオフを僅少にとどめ、平坦度を良好に維持することが求められている。なお、エッジロールオフはウェーハのエッジ部が垂れ下がる場合だけではなく、条件によってはエッジ部が中心部よりも高くなる場合もある。
ところで、シリコン基板上にシリコンをエピタキシャル成長させるエピタキシャルウェーハの製造においては、エピタキシャル成長層の結晶性、量産性、装置の簡便さ等の観点から化学的気相成長(CVD)法が主として用いられている。CVD法では、シリコン(Si)を含んだ原料ガスをキャリアガス(通常はH2)とともに反応炉内に導入し、原料ガスの熱分解または還元により生成されたSiを高温に加熱されたシリコン基板上にエピタキシャル層として析出させる。
Siを含んだ原料ガス(シリコンソース)としては、四塩化シリコン(SiCl4)、トリクロロシラン(SiHCl3)、ジクロロシラン(SiH2Cl2)、モノシラン(SiH4)の4種があげられる。工業的に使用されている原料ガスは主として四塩化シリコンやトリクロロシランであり、一部ジクロロシランや低温成長が可能なモノシランも使用されている。
エピタキシャル成長速度は、原料ガスの種類、温度、圧力等に依存する。エピタキシャル成長が可能な温度領域(成長温度領域)は定性的に、反応律速と供給(拡散)律速の2領域に分けられる。反応律速領域は成長温度領域内の低温側にあって、温度が高いほど成長速度が速くなる領域である。一方、供給(拡散)律速領域(以下、「供給律速領域」と記す)は同領域内の高温側にあって、温度依存性が小さい領域であり、エピタキシャル成長は通常この供給律速領域で行われる。
現状の直径300mmのエピタキシャルウェーハの製造においては、成長速度が速いという観点から、トリクロロシランを原料ガスとしており、成長温度領域として供給律則領域である1100℃〜1130℃を使用している。その場合のヘイズレベルは、KLA−Tencor社のSP−1のパーティクルカウンターを用い、DWNモードで測定した場合、0.12〜0.18ppm程度であり、次世代保証規格ターゲットである粒径35nm以上のパーティクルを測定しようとする際のノイズ成分となる可能性がある。
ヘイズレベルが小さいエピタキシャルウェーハの製造方法についての研究、開発は従来からなされており、例えば、特許文献1では、エピタキシャル成長の際に、成長温度を通例の成長温度よりも50℃から100℃程度低くなるようにした方法が提案されている。具体的にはその実施例に示されるように、原料ガスとしてトリクロロシランを使用した場合、成長温度が950℃以上1050℃以下において、ヘイズレベルがほぼ極小値を示すことが記載されており、これによって、パーティクルカウンターの計測精度が向上し、また、ヘイズが少なく良好な品質のエピタキシャルウェーハを製造することが可能となるとしている。
特許文献1に記載される方法によれば、通常の成長温度(1100〜1130℃)を採用する場合に比べて、ヘイズレベルを大幅に低下させることが可能である。しかしながら、ここで採用している成長温度はエピタキシャル成長速度の温度依存性の大きい反応律速領域内の温度であって、エピタキシャル膜厚の精度よい制御が困難であると考えられる。また、同文献の実施例に記載されるヘイズレベルは、最も小さい場合でも、KLA−Tencor社製のパーティクルカウンター(SP−2)により、DWOモードで測定した結果で0.5ppmであり、必ずしも低レベルであるとはいえない。
特開2000−100737号公報
本発明は、ヘイズレベルが低く、さらに平坦度、特にデバイス製造歩留りを悪化させるエッジロールオフが低く維持された、半導体デバイスの高集積化に対応できるシリコンエピタキシャルウェーハの製造方法を提供することを目的としている。
CVD法によるエピタキシャルウェーハの製造においては、従来、原料ガスとしてトリクロロシランが使用される場合が多い。特に、直径300mmのエピタキシャルウェーハの製造においては、トリクロロシランを原料ガスとしている。
本発明者は、CVD法によりシリコン基板上にシリコンをエピタキシャル成長させるシリコンエピタキシャルウェーハの製造において、ジクロロシランを原料ガスとして使用することを試みた。ジクロロシランはトリクロロシランに比べてより低温で分解するので、エピタキシャル成長温度領域を、トリクロロシランを使用する場合よりも低温化することが可能であり、一方、エピタキシャル成長温度を低下させることによりヘイズレベルを低下させることができると考えられたからである。
このような着想の下に、ジクロロシランを原料ガスとして使用し、エピタキシャル成長温度を広範囲で変更して得られたエピタキシャルウェーハのヘイズレベルを測定した結果、ジクロロシランを使用することにより、ヘイズレベルをポリッシュドウェーハ(鏡面研磨したウェーハ)のヘイズレベルよりも悪化させず、良好に維持することが可能であることを確認した。さらに、1050℃を境にして高温側ではヘイズレベルの温度依存性が顕著で、高温になるほどヘイズレベルが高くなり、一方、成長温度が1050℃以下では温度に関係なく、ヘイズレベルは低い値を示すことが判明した。
また、エッジロールオフにより評価される平坦度についても、現状(すなわち、トリクロロシランを使用する場合)と同等の低い範囲内に維持できることを確認した。ジクロロシランを原料ガスとして使用する場合、その供給流量の影響が大きく、流量が増すほどエッジロールオフが増大するが、この流量を適正に制御することにより、エッジロールオフを低い範囲内に維持することができる。ここでいうエッジロールオフとは、エピタキシャル膜の厚みをフーリエ変換赤外分光法(FTIR法:Fourier Transform Infrared Spectroscopy)により測定した値であって、直径300mmのエピタキシャルウェーハの場合であれば、ウェーハ中心から144mm位置における値と148mm位置における値の差である。
本発明はこのような知見に基づきなされたもので、下記(1)のエピタキシャルウェーハの製造方法を要旨とする。
(1)シリコンウェーハの表面にシリコン層をエピタキシャル成長させるエピタキシャルウェーハの製造方法において、原料ガスとしてジクロロシランを使用し、900〜1150℃の温度範囲内でエピタキシャル成長させ、得られるエピタキシャルウェーハのヘイズレベルをポリッシュドウェーハのヘイズレベルよりも悪化させず、かつ平坦度に優れたものとし、前記エピタキシャル成長の温度領域を供給律速領域とすることを特徴とするエピタキシャルウェーハの製造方法。
本発明のエピタキシャルウェーハの製造方法において、エピタキシャル成長の温度領域供給律速領域とされるので、エピタキシャル成長速度の温度依存性が小さく、エピタキシャル膜厚の制御を精度よく行える。
本発明のエピタキシャルウェーハの製造方法において、エピタキシャル成長の温度領域を1000〜1050℃の温度範囲内とし、得られるエピタキシャルウェーハのヘイズレベルを、KLA−Tencor社製パーティクルカウンター(SP−1)によりDWNモードで測定した場合に、0.050〜0.080ppmとし、かつ、平坦度を、エッジロールオフが−14nmから+14nmの範囲内となるように向上させることとすれば、ヘイズレベルが低減され、かつ平坦度に優れたエピタキシャルウェーハを安定して製造できるので望ましい。
前記の「エッジロールオフ」とは、エピタキシャルウェーハのエッジ部の下方または上方への“反り”をいう。例えば、シリコンウェーハのエッジ部は、研磨工程において中心部より多く研磨されること等により中心部よりも低くなりやすいが、このウェーハ上にエピタキシャル成長させたシリコン層を有するエピタキシャルウェーハにおいても同様にエッジ部が低くなりやすい。これは下方への“反り”であるが、ウェーハの研磨あるいはエピタキシャル成長の条件によっては、上方への“反り”が生じる場合もある。
本発明のエピタキシャルウェーハの製造方法において、エピタキシャル成長の前に、シリコンウェーハにプレアニール処理を施すこととすれば、エピタキシャル成長温度の低温化に伴うエピタキシャル成長層の結晶性の低下(結晶欠陥の生成、多結晶化等)を回避することが可能である。このプレアニール処理は、エピタキシャル成長温度よりも高い温度で行うことが望ましい。
エピタキシャルウェーハは、原料ガスとしてジクロロシランを使用し、シリコンウェーハの表面にシリコン層をエピタキシャル成長させたエピタキシャルウェーハであって、当該ウェーハのヘイズレベルがポリッシュドウェーハのヘイズレベルと同等であり、かつ平坦度に優れているものであってもよい
のエピタキシャルウェーハにおいて、ヘイズレベルが、KLA−Tencor社製パーティクルカウンター(SP−1)によるDWNモードでの測定で、0.050〜0.080ppmであり、平坦度が、エッジロールオフで−14nmから+14nmの範囲内であれば、ヘイズレベルが低いので、微小サイズのパーティクルの測定に支障をきたすことがなく、また、エッジロールオフが低く維持されているので、デバイスの製造可能な領域を広くとることができ、望ましい。
本発明のエピタキシャルウェーハの製造方法(実施形態を含む)は、原料ガスとしてジクロロシランを使用し、エピタキシャル成長温度と、得られるエピタキシャルウェーハの品質特性(ヘイズレベルおよびエッジロールオフで評価される平坦度)を規定した製造方法である。この方法によれば、エピタキシャル成長温度をトリクロロシラン使用の場合よりも低下させ得るので、ヘイズレベルを低くすることができ、また、ジクロロシランの供給流量等を適正に制御することによりエッジロールオフが低く維持された平坦度に優れるエピタキシャルウェーハを製造することができる。低温でのエピタキシャル成長に伴う昇温および降温時間の短縮により、生産性の向上、およびCVD反応炉等、関連装置での消費電力低減の効果も得られる。
本発明の製造方法により得られるエピタキシャルウェーハは、ヘイズレベルが低いので、微小サイズのパーティクルの測定に支障をきたすことがなく、高集積化された半導体デバイスに対応できる高品質のウェーハとして使用に供することができる。また、本発明の製造方法により得られるエピタキシャルウェーハはエッジロールオフ低く維持できるので、デバイスの製造可能な領域が広く、良好なデバイス製造歩留りを確保することができる
CVD法によるエピタキシャル成長の原料ガスとしてジクロロシランを使用した場合のエピタキシャル成長温度とヘイズレベルの関係を示す図である。 CVD法によるエピタキシャル成長の原料ガスとしてジクロロシランを使用した場合の原料ガス流量とエッジロールオフの関係を示す図である。
本発明のエピタキシャルウェーハの製造方法は、前記のとおり、シリコンウェーハの表面にシリコン層をエピタキシャル成長させるエピタキシャルウェーハの製造方法において、原料ガスとしてジクロロシランを使用し、900〜1150℃の温度範囲内でエピタキシャル成長させ、得られるエピタキシャルウェーハのヘイズレベルをポリッシュドウェーハのヘイズレベルよりも悪化させず、かつ平坦度に優れたものとし、前記エピタキシャル成長の温度領域を供給律速領域とすることを特徴とする製造方法である。
本発明のエピタキシャルウェーハの製造方法において、原料ガスとしてジクロロシランを使用するのは、ジクロロシランはトリクロロシランに比べてより低温で分解するので、エピタキシャル成長温度領域を、トリクロロシランを使用する場合よりも低温化することが可能であり、この低温化によって、ヘイズレベルを低下させることができるからである。
シリコンウェーハの表面へのシリコン層のエピタキシャル成長は、従来から使用されているCVD法を適用して行えばよい。
本発明のエピタキシャルウェーハの製造方法において、エピタキシャル成長温度を900〜1150℃の温度範囲内に規定するのは、得られるエピタキシャルウェーハのヘイズレベルをポリッシュドウェーハのヘイズレベルよりも悪化させず、低いレベルに維持することが可能だからである。エピタキシャル成長温度が900℃より低い場合は、原料ガスであるジクロロシランの熱分解または還元反応の進行に支障が生じ、円滑なエピタキシャル成長が妨げられる。一方、当該成長温度が1150℃を超えると、ヘイズレベルが悪化する。
原料ガスとしてジクロロシランを使用することにより、トリクロロシランを使用する場合よりもエピタキシャル成長温度領域を低くすることができ、ヘイズレベルを低下させることができる。しかし、ジクロロシランを使用しても、1080℃以上の高温領域では上記ヘイズレベルの悪化傾向が見られる。また、950℃以下では、ヘイズレベルはポリッシュドウェーハのヘイズレベルよりも悪化しない低い状態で維持されるが、反応律速領域にはいるため、エピタキシャル成長速度の温度依存性が大きく、エピタキシャル膜厚制御の精度が低下する。したがって、実操業においては、安定してヘイズレベルを低く維持できる温度領域を選定し、エピタキシャル成長を行わせることが望ましい。
本発明のエピタキシャルウェーハの製造方法においては、さらに、得られるエピタキシャルウェーハのヘイズレベルをポリッシュドウェーハのヘイズレベルよりも悪化させず、かつ平坦度に優れたものとする規定をおく。すなわち、得られるエピタキシャルウェーハの品質特性についての規定である。
ヘイズレベルについては、ポリッシュドウェーハのヘイズレベルよりも悪化させないことであり、これは、前述のように、操業面での配慮をしつつエピタキシャル成長を前記所定の温度範囲内で行わせることにより確保できる。一方、ポリッシュドウェーハの平坦度を優れたものとするには、エピタキシャル成長を前記所定の温度範囲内で行わせるとともに、原料ガスとして使用するジクロロシランの流量(CVD炉内への供給量)を適正に制御することにより確保することが可能である(詳細については後述する)。なお、前記の「平坦度に優れたもの」とは、平坦度をエッジロールオフで評価し、そのエッジロールオフが現状と同等程度に維持されていることを意味する。これについても、本発明の製造方法の実施形態についての説明において詳述する。
本発明のエピタキシャルウェーハの製造方法において、エピタキシャル成長の温度領域供給律速領域とされるので、エピタキシャル成長速度の温度依存性が小さくなり、エピタキシャル膜厚の制御を精度よく行うことができる。
原料ガスとしてジクロロシランを使用した場合の供給律速領域は、概ね1000℃から1150℃の温度範囲に該当する。エピタキシャル成長の温度領域をこの温度範囲とすることにより、後述する実施例に示すように、エッジロールオフを現状(すなわち、トリクロロシランを使用する場合)と同等の低い範囲内に維持することができ、平坦度をより一層向上させることができる。ただし、この場合も、1080℃以上では、ヘイズレベルが悪化する傾向が見られるので、前述のように、ヘイズレベルを低く維持できる温度領域を選定してエピタキシャル成長を行わせることが望ましい。
本発明のエピタキシャルウェーハの製造方法において、エピタキシャル成長の温度領域を1000〜1050℃の温度範囲内とし、得られるエピタキシャルウェーハのヘイズレベルを、KLA−Tencor社製パーティクルカウンター(SP−1)によりDWNモードで測定(以下、単に「DWNモードで測定」ともいう)した場合に、0.050〜0.080ppmとし、かつ、平坦度を、エッジロールオフが−14nmから+14nmの範囲内となるように向上させることとすれば、ヘイズレベルが低減され、かつ平坦度に優れたエピタキシャルウェーハを安定して製造することができるので望ましい。
エピタキシャル成長の望ましい温度領域を1000〜1050℃の温度範囲内とするのは、ヘイズレベルを低下させるとともに、当該成長温度をエピタキシャル成長に好適な供給律則領域内にとどめるためである。エピタキシャル成長温度が1000℃よりも低い場合は、反応律速領域にはいるため、エピタキシャル成長速度の温度依存性が大きく、膜厚制御の精度が低下する。一方、当該成長温度が1050℃を超えると、以下に示すようにヘイズレベルが高くなる傾向が見られる。
図1は、後述する実施例で得られた結果を図示したもので、CVD法によるエピタキシャル成長の原料ガスとしてジクロロシランを使用した場合のエピタキシャル成長温度とヘイズレベルの関係を示す図である。ヘイズレベルは、前記のDWNモードで測定した値で示している。
図1から明らかなように、1050℃を境にして高温側ではヘイズレベルの温度依存性が顕著であり、高温になるほどヘイズレベルが高くなるので、エピタキシャル成長温度の望ましい上限は1050℃とする。一方、1050℃以下では温度に関係なく、低いヘイズレベルを示す。しかし、エピタキシャル成長温度が1000℃よりも低い場合は、反応律速領域にはいるため、望ましい下限は1000℃とする。エピタキシャル成長温度が1000〜1050℃の温度範囲内であれば、ヘイズレベルを0.050〜0.080ppmとすることができる。
上記本発明のエピタキシャルウェーハの製造方法の一形態においては、さらに、得られるエピタキシャルウェーハの望ましい品質特性、すなわち、原料ガスとしてジクロロシランを使用し、エピタキシャル成長温度を1000〜1050℃の望ましい温度範囲内に設定して製造したエピタキシャルウェーハのヘイズレベルとエッジロールオフの望ましい範囲を具体的に定める。
ヘイズレベルについては、前記のDWNモードで測定した場合に、0.050〜0.080ppmであることとする。これは、ポリッシュドウェーハにおけるヘイズレベルに相当する。ヘイズレベルをこの範囲に規定するのは、この範囲を超えて高い場合は、エピタキシャルウェーハ表面のパーティクル測定の際に、ノイズ成分となり、微小サイズのパーティクルの測定に支障をきたすからである。また、高集積化された半導体デバイスの基板としての使用に供するためには、ヘイズレベルの低減が必要とされるからである。
エッジロールオフについては、−14nmから+14nmの範囲内とする。これは、原料ガスとしてトリクロロシランを使用し、エピタキシャル成長温度がエピタキシャル成長に好適な供給律則領域内にはいるように制御した場合のエッジロールオフの範囲に相当する。すなわち、エッジロールオフをこの現状のエッジロールオフと同等の低い範囲内に維持するように定める。
図2は、CVD法によるエピタキシャル成長の原料ガスとしてジクロロシランを使用した場合の原料ガス流量とエッジロールオフの関係を示す図である。この図は、直径300mmのウェーハについて、エピタキシャル成長温度を1000℃とし、ジクロロシランの流量を0.4〜2.8slmの範囲内で変化させたときのエッジロールオフに及ぼす影響を調査した結果である。なお、流量の単位の「slm」は、standard liter/min、すなわち、1気圧、0℃における1分間あたりの流量(リットル)を表す。
図2において、横軸のエッジロールオフの数値に付した「−」の符号は、エピタキシャルウェーハのエッジ部の下方への反り(エッジ部の垂れ下がり)を表し、「+」の符号は上方への反りを意味する。
図2から、エピタキシャル成長温度を1000℃とし、キャリアガスの流量を40〜80slmの範囲内で適宜調整する条件下では、ジクロロシランの流量を1.2以下とすることにより、エッジロールオフを−14nmから+14nmの範囲内に維持できることがわかる。
本発明のエピタキシャルウェーハの製造方法(実施形態を含む)において、エピタキシャル成長の前に、シリコンウェーハにプレアニール(水素ガスベーク)処理を施すことが望ましい。例えばLPD(Light Point Defect)としてカウントされる欠陥等はエピタキシャル成長温度が低温になるほど多くなる。また、成長温度の低温化により多結晶化も起こり易くなるが、プレアニール処理を施すことにより、このようなエピタキシャル成長層の結晶性の低下を回避することが可能である。本発明においては、原料ガスとしてジクロロシランを使用してエピタキシャル成長温度領域を低温化するので、プレアニール処理は特に有効である。
このプレアニール処理は、エピタキシャル成長温度よりも高い温度で行うことが望ましい。具体的には、エピタキシャル成長温度が1050℃の場合であれば、キャリアガス(H2)雰囲気中、1080℃で30秒間のプレアニール処理を行うことにより良好な結果が得られる。前記図1に示した結果を得るために行ったエピタキシャルウェーハの製造試験においても、エピタキシャル成長温度が1050℃の場合、1080℃でプレアニール処理を行っている。
以上説明したように、本発明のエピタキシャルウェーハの製造方法(実施形態を含む)は、原料ガスとしてジクロロシランを使用し、所定の温度(900〜1150℃の温度範囲内で、ジクロロシランの供給律速領域、より望ましくは1000〜1050℃)でシリコンウェーハの表面にシリコン層をエピタキシャル成長させ、かつ、得られるエピタキシャルウェーハが所定の品質特性(望ましくは、ヘイズレベルが前記DWNモードで0.050〜0.080ppm、エッジロールオフが−14nmから+14nmの範囲内)を具備するように製造する方法である。ジクロロシランを使用することによりエピタキシャル成長温度を低下させ、ヘイズレベルを鏡面研磨したウェーハにおけるヘイズレベル程度に小さくし、さらに、原料ガス流量等を調整することによりエッジロールオフを現状のエッジロールオフと同等の低い範囲に維持することができる。
エピタキシャルウェーハは、前記のとおり、原料ガスとしてジクロロシランを使用し、シリコンウェーハの表面にシリコン層をエピタキシャル成長させたエピタキシャルウェーハであって、当該ウェーハのヘイズレベルがポリッシュドウェーハのヘイズレベルと同等であり、かつ平坦度に優れているものであってもよい
ピタキシャルウェーハの望ましい形態は、上述のエピタキシャルウェーハにおいて、ヘイズレベルが、前記DWNモードでの測定で、0.050〜0.080ppmであり、平坦度が、エッジロールオフで−14nmから+14nmの範囲内のエピタキシャルウェーハである。
すなわち、エピタキシャルウェーハ(実施形態を含む)は、原料ガスとしてジクロロシランを使用して得られたエピタキシャル層を有するウェーハであって、本発明のエピタキシャルウェーハの製造方法で規定する、エピタキシャルウェーハが備えるべき品質特性を構成要件として有するエピタキシャルウェーハであってもよい。したがって、のエピタキシャルウェーハは、例えば前述の本発明のエピタキシャルウェーハの製造方法を適用することにより得ることができる。
のエピタキシャルウェーハは、前述のように、ヘイズレベルが低いので、微小サイズのパーティクルの測定に支障をきたすことがなく、高集積化された半導体デバイスの基板用素材として好適に使用することができる。また、のエピタキシャルウェーハはエッジロールオフ現状と同程度に低く維持できるので、デバイスの製造可能な領域が広く、良好なデバイス製造歩留りを確保することができる。
原料ガスとしてジクロロシランを使用し、CVD法により、直径300mmのシリコンウェーハの表面にシリコン層をエピタキシャル成長させた。その際、エピタキシャル成長温度を900℃から1150℃の範囲内の種々の温度に設定し、それぞれの成長温度でエピタキシャル成長させて得られたエピタキシャルウェーハについて、ヘイズレベルおよびエッジロールオフを測定した。なお、ジクロロシランのCVD炉内への供給流量(原料ガス流量)は、1slmとした。この流量は、あらかじめ行った試験により、エッジロールオフを低く維持することが可能な流量として求めた流量範囲内に含まれる流量である(図2参照)。
調査結果を整理して表1に示す。なお、表1の「エッジロールオフ」の欄の数値に付した「−」符号はエピタキシャルウェーハのエッジ部の下方への反りを表す。また、「−」符号が付されていない場合は上方への反りを意味する。
Figure 0005434317
表1に示すように、原料ガスとしてジクロロシランを使用した比較例9〜11,および本発明例1〜では、ヘイズレベルが低く、ポリッシュドウェーハにおけるヘイズレベルに相当する範囲内(0.050〜0.080ppm)、もしくはそれに近い値にまで低下している。ただし、1080℃以上の高温領域では悪化傾向が見られた。
本発明のエピタキシャルウェーハの製造方法の望ましい一形態では、エピタキシャル成長の望ましい温度領域を1000〜1050℃(本発明例および)としているが、この場合のヘイズレベルは、ポリッシュドウェーハのヘイズレベルと同等である。また、この場合のヘイズレベルは、比較例4〜6(原料ガスとしてトリクロロシランを使用し、エピタキシャル成長温度を1100℃〜1130℃とする従来のエピタキシャル成長の条件に相当する)に比べて、明らかに低下していることがわかる。
比較例9〜11、および本発明例1〜では、エッジロールオフは、エピタキシャル成長温度が900〜950℃の反応律速領域(比較例9〜11)においては悪化しているものの、概ね現状のエッジロールオフと同等の低い範囲内(−14nmから+14nm)に維持されている。特に、本発明のエピタキシャルウェーハの製造方法の望ましい一形態である本発明例およびでは、エッジロールオフは、従来のエピタキシャル成長条件に相当する比較例4〜6におけるエッジロールオフと比べて同等であった。
表1の結果から、ヘイズレベルが低く、かつ、エッジロールオフが低く維持されたエピタキシャルウェーハを得るには、原料ガスとしてジクロロシランを使用し、かつその原料ガス流量等を適正に調整し、900〜1150℃の温度範囲内で、ジクロロシランの供給律速領域(1000〜1150℃)、より望ましくは1000〜1050℃の温度範囲内でシリコンウェーハの表面にシリコン層をエピタキシャル成長させればよいことが確認できた。
本発明のエピタキシャルウェーハの製造方法によれば、ヘイズレベルが低く、かつエッジロールオフが低く維持されたエピタキシャルウェーハを製造することができる。低温でのエピタキシャル成長に伴う昇温および降温時間の短縮により、生産性の向上、およびCVD反応炉等、関連装置での消費電力低減の効果も得られる。
記本発明の方法により製造したエピタキシャルウェーハは、ヘイズレベルが低いので、微小サイズのパーティクルの測定に支障をきたすことがなく、高集積化された半導体デバイスの基板用素材として好適に使用することができる。また、エッジロールオフが現状と同程度に低く維持されているのでデバイスの製造可能な領域が広く、良好なデバイス製造歩留りを確保することができる。
したがって、本発明は、シリコンウェーハならびに半導体デバイスの製造において広く利用することができる。

Claims (3)

  1. シリコンウェーハの表面にシリコン層をエピタキシャル成長させるエピタキシャルウェーハの製造方法において、
    原料ガスとしてジクロロシランを使用し、900〜1150℃の温度範囲内でエピタキシャル成長させ、
    得られるエピタキシャルウェーハのヘイズレベルをポリッシュドウェーハのヘイズレベルよりも悪化させず、かつ平坦度に優れたものとし、
    前記エピタキシャル成長の温度領域を供給律速領域とすることを特徴とするエピタキシャルウェーハの製造方法。
  2. 前記エピタキシャル成長の温度領域を1000〜1050℃の温度範囲内とし、
    得られるエピタキシャルウェーハのヘイズレベルを、KLA−Tencor社製パーティクルカウンター(SP−1)によりDWNモードで測定した場合に、0.050〜0.080ppmとし、かつ、平坦度を、エッジロールオフが−14nmから+14nmの範囲内となるように向上させることを特徴とする請求項1に記載のエピタキシャルウェーハの製造方法。
  3. 前記エピタキシャル成長の前に、シリコンウェーハにプレアニール処理を施すことを特徴とする請求項1または2に記載のエピタキシャルウェーハの製造方法。
JP2009161572A 2009-07-08 2009-07-08 エピタキシャルウェーハの製造方法 Active JP5434317B2 (ja)

Priority Applications (5)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009161572A JP5434317B2 (ja) 2009-07-08 2009-07-08 エピタキシャルウェーハの製造方法
US13/380,982 US8753962B2 (en) 2009-07-08 2010-07-08 Method for producing epitaxial wafer
DE112010004362T DE112010004362T5 (de) 2009-07-08 2010-07-08 Epitaxialwafer und verfahren zur herstellung desselben
KR1020127001399A KR101408913B1 (ko) 2009-07-08 2010-07-08 에피택셜 웨이퍼 및 그 제조 방법
PCT/JP2010/004446 WO2011004602A1 (ja) 2009-07-08 2010-07-08 エピタキシャルウェーハおよびその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009161572A JP5434317B2 (ja) 2009-07-08 2009-07-08 エピタキシャルウェーハの製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2011018725A JP2011018725A (ja) 2011-01-27
JP5434317B2 true JP5434317B2 (ja) 2014-03-05

Family

ID=43596305

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2009161572A Active JP5434317B2 (ja) 2009-07-08 2009-07-08 エピタキシャルウェーハの製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5434317B2 (ja)

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE10025871A1 (de) * 2000-05-25 2001-12-06 Wacker Siltronic Halbleitermat Epitaxierte Halbleiterscheibe und Verfahren zu ihrer Herstellung
EP2337062A3 (en) * 2003-01-27 2016-05-04 Taiwan Semiconductor Manufacturing Company, Limited Method for making semiconductor structures with structural homogeneity
DE102005045339B4 (de) * 2005-09-22 2009-04-02 Siltronic Ag Epitaxierte Siliciumscheibe und Verfahren zur Herstellung von epitaxierten Siliciumscheiben

Also Published As

Publication number Publication date
JP2011018725A (ja) 2011-01-27

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5152435B2 (ja) エピタキシャル炭化珪素単結晶基板の製造方法
TWI727849B (zh) β-Ga2O3系單晶膜的成長方法及結晶積層構造體
EP1374290B1 (en) Improved process for deposition of semiconductor films
TWI424476B (zh) 磊晶塗覆的矽晶圓及製造磊晶塗覆的矽晶圓的方法
JP4899445B2 (ja) エピタキシャルウェーハの製造方法及びエピタキシャルウェーハ
US11164744B2 (en) Method of manufacturing semiconductor device, substrate processing apparatus, and recording medium
KR20230006435A (ko) 기판 처리 방법, 반도체 장치의 제조 방법, 기판 처리 장치, 및 프로그램
JP5151674B2 (ja) エピタキシャルウエーハの製造方法
KR101408913B1 (ko) 에피택셜 웨이퍼 및 그 제조 방법
JP5516158B2 (ja) エピタキシャルウェーハの製造方法
CN110896052B (zh) 半导体器件的制造方法、衬底处理装置及记录介质
JP5434317B2 (ja) エピタキシャルウェーハの製造方法
JP7273267B2 (ja) 炭化ケイ素多結晶基板の製造方法
JP5453967B2 (ja) エピタキシャルウェーハおよびその製造方法
JP5316487B2 (ja) シリコンエピタキシャルウェーハの製造方法
JP7457486B2 (ja) エピタキシャルウェーハの製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20120120

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20130910

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20131022

RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20131022

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20131112

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20131125

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Ref document number: 5434317

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250