以下に、添付図面を参照して本発明の実施の形態について詳細に説明する。尚、以下に説明する実施の形態は、本発明を実現するための一例であり、本発明が適用される装置の構成や各種条件によって適宜修正又は変更されるべきものであり、本発明は以下の実施の形態に限定されるものではない。
[実施形態1]先ず、図1を参照して、本発明の撮像装置を実現する実施形態1としての、マニュアルフォーカス機能を備えたハイビジョンデジタルビデオカメラについて説明する。なお、本発明は、マニュアルフォーカス機能を有する撮像装置と表示装置とを備えるあらゆる装置に適用可能であり、例えば、主として静止画を撮影するデジタルスチルカメラ、カメラ付き携帯情報端末、カメラ付き携帯電話などにも適用可能である。
図1において、レンズ部601は、被写体像を撮像素子602の撮像面上に結像する光学系を構成し、ズーム機能、焦点調節機能及び絞り調節機能を備える。撮像素子602は多数の光電変換素子が2次元的に配列された構成を有し、レンズ部601によって結像された被写体の光学像を画素単位の映像信号に変換する。撮像素子602は、例えばCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)イメージセンサや、CCD(Charge Coupled Device)イメージセンサであってよい。また、撮像素子602は、光電変換素子による電荷蓄積時間を調整することによる電子シャッター機能を備える。
撮像素子駆動部603は、カメラ信号処理部606の制御するタイミングに従って撮像素子602を駆動制御する。CDS/AGC部604は、撮像素子602からのアナログ映像信号を相関二重サンプリング(CDS)してノイズを削減し、システム制御部611の制御に従って信号レベルのゲイン制御(AGC)を行う。A/D(Analog to Digital)変換器605は、CDS/AGC部604からのアナログ映像信号をデジタル映像信号に変換し、カメラ信号処理部606に供給する。
カメラ信号処理部606は、システム制御部611と連携して、タイミング信号の生成、自動露出(AE)制御、ガンマ調整、AF制御など、カメラ撮像系の制御を行う。例えば、オートフォーカス時に合焦度合の判断基準となる「AF評価値」は、カメラ信号処理部606が算出する。
本実施形態では、焦点検出枠は画面中に3×3の格子状に配置された9点あるものとし、AF制御に用いる焦点検出枠の数や位置は撮像された映像又はユーザ設定に基づいて選択されるものとする。
本実施形態のビデオカメラは、用途に応じた第1〜第4記憶部607、612、616、619を有している。ここでは便宜上、それぞれカメラ信号処理用、システム制御用、ビデオ制御用、CODEC用として個別に設けられているものとして記載しているが、物理的には同じ記憶装置で実現されてもよい。第1〜第4記憶部607、612、616、619は、典型的には読み書き可能な半導体メモリによって構成されるが、少なくとも1つが他の記憶装置で構成されてもよい。
第1記憶部607は、撮像した画像を信号処理する際のフレームメモリ等としてカメラ信号処理部606が使用する。レンズ駆動部608はシステム制御部611の制御に従い、レンズ部601の図示しないモータやアクチュエータなどを駆動し、ズーム倍率やフォーカス調整、露出調整を行う。レンズ駆動部608の制御は、システム制御部611がカメラ信号処理部606での信号処理結果に基づいて行う。例えば、AF制御時には、カメラ信号処理部606が求めたAF評価値に基づいてシステム制御部611がレンズ駆動部608を制御し、レンズ部601のフォーカス調整用レンズを駆動制御することで、レンズ部601を被写体に合焦させる。
マニュアルフォーカスモードに設定されている場合、システム制御部611は、撮影者による焦点調節操作を検出する。具体的には、システム制御部611は、入力操作部613に含まれる、焦点距離の調整用スイッチやレバー、又はレンズ部601の鏡筒外周に設けられたフォーカスリングの操作を検出する。そして、システム制御部611は、検出した操作に応じた焦点の移動方向と移動量に基づいて、レンズ駆動部608を制御し、レンズ部601の焦点距離を変更させる。なお、撮影者が操作するスイッチやレバー等によって機械的にレンズ部601の焦点距離が変更可能である場合には、システム制御部611やレンズ駆動部608が介在する必要はない。
ストロボ609は、必要に応じて、あるいは撮影者の設定に応じて、静止画撮影時に補助光源として用いられる。マイク610は、周囲の音を記録する際に有効とされ、マイク610からの音声信号はカメラ信号処理部606に供給される。例えば撮像素子602で撮像した映像と併せてマイク610からの音声を記録する場合、カメラ信号処理部606は両者の時間軸の整合をとってビデオ制御部615に供給する。
システム制御部611は例えばCPUであってよく、例えば第3記憶部612に記憶されたプログラムを実行することにより、後述するマニュアルフォーカス時の補助表示処理を含む、本実施形態のビデオカメラの動作全般を制御する。第3記憶部612は、例えばROMやRAMを含み、システム制御部611が実行するプログラムや各種設定、初期値などを記憶する。また、第3記憶部612は、システム制御部611のワークエリアとしても用いられる。
入力操作部613は、撮影者がビデオカメラに指示を与えるためのユーザインタフェースであり、キー、ボタン、タッチパネル等の入力デバイスを備える。本実施形態において、入力操作部613は、拡大表示ON/OFFボタン、ゼブラパターンやピーキング表示ON/OFF、マニュアル・フォーカス・アシスト機能表示ON/OFFなど各種機能の選択ボタンや決定ボタンを含む。また、静止画撮影用のシャッターボタン、マニュアルフォーカスリング、ズームスイッチ、絞り調整ダイヤルなども入力操作部613に含まれる。計時部614は、リアルタイムクロック(RTC)とバックアップ電池を備え、システム制御部611からの要求に応じて、日時情報を返信する。
ビデオ制御部615は、第1表示部622及び第2表示部623への、色相、彩度、明度の調整を含む表示制御、アナログライン入出力部624の入出力制御、デジタルデータI/F部625への出力制御および、記録/再生部620の制御等を行う。第1表示部622及び第2表示部623を含む各映像出力系に対する映像信号の解像度変換や、ゼブラパターンやピーキング信号の生成および重畳、撮像映像からのエッジ成分抽出や波形生成なども、ビデオ制御部615が行う。ビデオ制御部615はさらに、撮影情報やユーザ設定メニューなどのOSD(On Screen Display)表示制御も行う。第2記憶部616はビデオ制御用の記憶部で、ビデオ制御部615がビデオベースバンド信号に関する信号処理を行う際のフレームメモリ、ワークメモリ等として使用する。
H.264コーデック部617は、動画像の符号化/復号化処理を行う動画像コーデックの一例である。符号化/復号化の形式はMPEG(Moving Picture Experts Group)−2方式を始め、他の形式であってよい。同様に、JPEG(Joint Photographic Experts Group)コーデック部618は、静止画像の符号化/復号化処理を行う静止画コーデックの一例である。やはり符号化/復号化の形式はJPEG2000やPNGなど、他の形式であってよい。なお、本実施形態では、H.264コーデック部617と回路を共用するためと、再生動画からの静止画撮影機能を実現するため、JPEGコーデック部618はビデオ制御部615に接続されている。しかし、JPEGコーデック部618はカメラ信号処理部606に直接接続されてもよい。第4記憶部619はコーデック用で、H.264コーデック部617およびJPEGコーデック部618が映像信号の符号化/復号化の際に用いる。
記録/再生部620は、ビデオ制御部615とH.264コーデック部617又はJPEGコーデック部618により符号化処理され、記録フォーマットとして処理された記録データをメモリカードなどの記録媒体621に書き込んだり、読み出したりする。なお、記録媒体621はメモリカードに限定されず、DVDや更に高容量の光ディスク、HDDなどでもよく、それぞれに応じた記録再生システムを、別途、構成可能である。
第1表示部622及び第2表示部623は表示装置であり、いずれも同様の情報を表示することができる。但し、本実施形態では、第2表示部623は第1表示部622よりも小型であり、ファインダ内に設けられている。一方、第1表示部622は、例えば筐体の側面などに開閉可能に設けられる比較的大型の表示装置である。
第1及び第2表示部622及び623には、撮影モードでは撮像素子602からの入力映像や拡大映像に加え、フォーカス枠表示などの補助表示が表示される。撮像素子602からの入力映像を順次表示することで、第1及び第2表示部622及び623は電子ビューファインダ(EVF)として機能する。補助表示には、ゼブラパターン表示をはじめ、ピーキング表示や撮像映像のエッジ成分の波形表示といったマニュアルフォーカス時の補助表示も含まれる。
一方、再生モード時、第1及び第2表示部622及び623には、記録媒体621に記録されている動画像や静止画像が表示される。また、入力操作部613からの撮影者による入力操作情報や、記録媒体621のメモリカード内の任意の画像情報(撮影情報)などを表示することも可能である。
アナログライン入出力部624は、アナログコンポーネント映像の出力や、S映像端子入出力、コンポジット映像入出力などのインタフェース群である。アナログライン入出力部624を外部モニタ等に接続して、ハイビジョンデジタルビデオカメラからの映像出力を外部モニタに表示したり、外部映像機器に接続して、外部映像機器からの映像入力を受け付けることができる。
デジタルデータI/F部625は、USB I/FやIEEE1394 I/F、HDMIなどのデジタルインタフェースを1つ以上含むことができる。
次に、図2を参照して、ゼブラパターンやピーキング信号の生成および重畳、撮像映像からのエッジ成分抽出や波形生成も行うことが可能なビデオ制御部615について、特にエッジ成分の波形表示に係る構成を説明する。
図2において、前処理部202は、領域指定回路214、エッジ抽出回路203、メモリコントローラA 204、波形制御部205を含んでいる。なお、領域指定回路214は、実施形態1では使用せず、後述する実施形態2で使用する。
エッジ抽出回路203は、FIR(Finite Impulse Response)型のバンドパフフィルタを用いて、撮像映像からエッジ成分の信号の大きさ(振幅)をエッジ情報として抽出する。エッジ抽出回路203の詳細は後述する。
メモリコントローラA 204は、映像信号のフィールド(又はフレーム)毎に、バンクメモリ部206内の波形保存メモリBank1 207と波形保存メモリBank2 208とのバンク切り替え制御を行うとともに、メモリアクセスのための制御を行う。メモリコントローラA 204は、映像信号の座標情報と、エッジ抽出回路203で抽出されたエッジ情報を、それぞれ直交座標系における情報として、メモリアクセスのためのアドレスを生成する。
例えば、図3(a)の画面を表示する際は、メモリのアドレス空間を、映像信号の水平座標を横軸に、エッジ情報を縦軸とした2次元空間と見なしてアクセス制御を行う。ここでのアクセス制御は、始めに該当アドレスのデータを読み出し、後述する波形制御部205で処理されたデータを、再びメモリコントローラA 204を通じて同一アドレスに書き戻す処理である。
波形制御部205は、メモリコントローラA 204が波形保存メモリBank1 207から読み出したデータに対して、エッジ抽出回路203で抽出したエッジ情報のデータに任意のゲインを乗じたものを加算して、メモリコントローラA 204に返す。波形制御部205がエッジ情報のデータに乗じるゲインをシステム制御部611で制御することで、頻度によるデータの増加割合を制御することができ、視認性を制御することが可能となる。
これらの処理、並びに後述する映像合成回路210での合成処理により、アクセス頻度が高いアドレスのデータ値、即ち同一レベルの頻度が大きい場合に表示輝度が大きく(明るく)なるように制御できる。なお、各アドレスの初期値は例えば最低輝度に対応する値であり、最初にアクセスされた際に所定値を書き込み、2度目のアクセスからは、上述した読み出し及び書き戻しを行うことができる。また、頻度制御を行う効果としては、エッジではない単発的なノイズ成分が、エッジであるかのように表示、認識されることなどを防止できる。
1フィールド(又は1フレーム)での処理が終了した後、メモリコントローラB 211によって各アドレスのデータを読み出し、読み出したアドレスとデータ、予め設定されたレベル範囲のエッジ情報に基づき波形表示画像(エッジ成分画像)が生成される。本実施形態では、図3(a)に示す表示(水平表示)の場合は、メモリのアドレス空間を、映像信号の水平座標を横軸に、エッジ情報を縦軸とした2次元空間と見なしてアクセス制御を行う。そのため、撮像映像に対応したエッジ情報、即ち合焦状態を視覚的に把握することができる。
また、上述のアクセス制御により、アクセス頻度の高いアドレスには大きなデータが書き込まれる。つまり、エッジ情報の抽出方向(水平方向又は垂直方向)における同一座標(位置)で同一レベルのエッジ情報が抽出された回数が多いほど、当該同一レベルを表す指標の輝度が高く(明るく)表示される。
また、上記エッジ情報の抽出方向における同一座標で異なるレベルのエッジ情報が異なる頻度で抽出された場合、その位置に対応した指標の輝度は一定でないため、抽出されたレベルに対応する位置により変化する。
他の表示態様として、メモリのアドレス空間を、映像信号の垂直座標を縦軸に、エッジ情報を横軸とした2次元空間と見なしてアクセス制御(垂直表示)を行うことも容易である。
バンクメモリ部206は、波形保存メモリBank1 207と、波形保存メモリBank2 208を含んでいる。波形保存メモリBank1 207と波形保存メモリBank2 208とは、映像信号のフィールド(又はフレーム)毎に、メモリコントローラA 204とメモリコントローラB 211のいずれかからアクセスされるように切り替えられている。
ここでは、波形保存メモリBank1 207がメモリコントローラA 204からアクセスされている時には、別バンクの波形保存メモリBank2 208がメモリコントローラB 211からアクセスされるように制御しているものとする。そして、次の映像フィールド(又はフレーム)では、メモリコントローラと波形保存メモリとのアクセス関係が入れ替わる。波形保存メモリBank2 208は、波形保存メモリBank1 207と等価で、バンク制御に使用される。
後処理部209は、映像合成回路210、メモリコントローラB 211を含んでいる。映像合成回路210は、映像信号と、メモリコントローラB 211によってバンクメモリ部206から読み出したエッジ情報に基づく波形表示画像とを合成し、第1表示部622及び/又は第2表示部623に表示する。この時に、予め設定したレベル範囲、例えば、エッジ情報の抽出方向である横軸毎に、抽出されたエッジ成分のうち、例えば最大値から予め設定されたレベル範囲までのエッジ情報に基づく波形表示画像を合成する。これにより、撮影映像を波形表示画像で覆い隠してしまう部分を少なくすることができる。
後述する図3(a)では、撮影映像を全画面表示し、画面下方に波形表示画像を重畳表示した様子を表している。ここでは、波形表示のうち、予め設定されたレベル範囲のエッジ情報のみが表示されるので、図3(c)のように全てのレベル範囲のエッジ情報を表示する場合と比較して、撮影映像と重なる範囲を少なくして、より多くの撮影映像が視認できる。
また便宜上、図3(a)では特に示していないが、波形表示画像を見やすくするために、波形表示画像の背景にバックグラウンドカラー(半透過の黒など)を表示するようにしても良い。その際には、映像信号にバックグラウンドカラーを重畳し、次いで、そのバックグラウンドカラーの上に波形表示画像を重畳するようにすると波形表示画像の視認性を向上することができる。
メモリコントローラB 211は、メモリコントローラA 204により波形保存メモリBank1 207又は波形保存メモリBank2 208に書き込まれたエッジ情報を読み出し、映像合成回路210に供給する。映像合成回路210は、エッジ情報と予め設定されたレベル範囲から、上述したように、エッジ情報と抽出された位置とを表す波形表示画像を生成し、撮像映像と位置合わせして合成して第1表示部622及び/又は第2表示部623に表示する。
システム制御部611の詳細な接続配線は記載していないが、ビデオ制御部615内の各種制御を行う。例えば、システム制御部611は、エッジ抽出回路203で抽出するエッジ成分の信号の中心周波数やゲインコントロール、波形制御部205でのゲイン制御を行う。また、システム制御部611は、映像合成回路210でのエッジ情報のレベル範囲の制御や、エッジ情報の波形表示画像の合成の有無、映像信号に対する合成位置制御なども行う。
エッジ抽出回路203は、撮像映像の所定方向(水平方向とする)の輝度成分に対し、周波数特性と通過ゲインを調整可能な構造のFIR(Finite Impulse Response)型バンドパスフィルタを適用し、エッジ成分の信号の大きさ(振幅)を抽出する。なお、他の方法でエッジ成分を抽出してもよい。
次に、図4を参照して、図2のエッジ抽出回路203の構成について説明する。図4に示すエッジ抽出回路203において、入力映像信号701は、D−FF(Delay type Flip Flop)702に入力される。D−FF702は映像信号のピクセルクロックで入力映像信号701をラッチし、次段のD−FF703へ渡す。D−FF702の出力信号は、入力信号に対してピクセルクロック1クロック分遅延する。ここで、ピクセルクロックは、第1表示部622の表示クロックであり、液晶表示パネル等の仕様(表示解像度)に依存するが、ここでは13.5〜33.75MHz程度とする。
D−FF703〜709はそれぞれD−FF702と同様の構成を有し、前段からのデータを映像信号のピクセルクロックによりラッチして、1ピクセルクロック分遅延させて後段に出力する。ここでは、FIR型水平フィルタのY(−4)からY(4)の9タップのうち、抽出するエッジ成分の信号周波数に応じて3つのタップを組み合わせる。具体的には、センタータップY(0)は共通で、前後のタップの組み合わせを変えて、
Y(−1)、Y(0)、Y(1)
Y(−2)、Y(0)、Y(2)
Y(−3)、Y(0)、Y(3)
Y(−4)、Y(0)、Y(4)
という組み合わせを考える。
また、それぞれの組み合わせにおいて、選択されていないタップは、選択されているがタップ係数が零に設定されているものと考えることができる。このようにタップの組み合わせを制御することで、エッジ情報として抽出する周波数帯域を可変としている。
なお、本実施形態において、組み合わせる3つのタップのタップ係数及びDCゲインは以下のようにする。
センタータップのタップ係数:2α
前後のタップのタップ係数:−α
DCゲイン:2α−α−α=0
ゲイン調整信号710はシステム制御部611から供給され、エッジ抽出回路203のFIR型水平フィルタの強調周波数帯域のレベルを制御する。ここでは、ゲイン調整信号710は4ビットの信号で、強調するゲインレベルを16段階に切り替えられる構成とする。具体的には、α=15:ゲイン最大〜α=0:OFF(ゲイン最小)とする。
ここで、α=0の場合、便宜上図4には示していないが、映像信号をFIR型水平フィルタで処理しない(スルーする)ものとする。
周波数調整信号711はシステム制御部611から供給され、エッジ抽出回路203で抽出するエッジ成分の信号の中心周波数を制御する。ここでは、周波数調整信号711は2ビットの信号とし、抽出するエッジ成分の信号の中心周波数を4通りに切り替え可能とする。
信号セレクタ712は、周波数調整信号711により制御され、周波数調整信号711に応じた1つの入力を選択して出力することにより、エッジ抽出回路203が抽出する中心周波数を切り替える。具体的には、2ビットの周波数調整信号711と、エッジ抽出回路203から出力される信号の中心周波数(強調中心周波数)との関係は以下の通りである。
サンプリング周波数:f(MHz)とすると、
周波数調整信号711:強調中心周波数(fc)
00:fc=f/2 MHz
(センタータップ及びセンタータップと隣り合う前後のタップ使用)
01:fc=f/4 MHz
(センタータップ及びセンタータップから前後に1つ飛ばしたタップ使用)
10:fc=f/6 MHz
(センタータップ及びセンタータップから前後に2つ飛ばしたタップ使用)
11:fc=f/8 MHz
(センタータップ及びセンタータップから前後に3つ飛ばしたタップ使用)
信号セレクタ712により選択された信号は、メモリコントローラA 204へ出力される。
また、図5は、f=13.5MHzとした時の、エッジ抽出回路203の周波数特性を模式的に示している。図6(a)〜(d)は、それぞれ周波数調整信号711が00、01、10、11である場合に対応し、中心周波数fc(MHz)はf/2、f/4、f/6、f/8および、その高調周波数となる。
撮像映像信号を1水平ライン毎にエッジ抽出回路203に入力し、水平方向におけるエッジ成分の信号を抽出する。そして、メモリコントローラA 204及び波形制御部205は、抽出されたエッジ成分の信号に応じたメモリアクセス制御を行う。この処理を1ライン毎に繰り返すことで、1フィールド又は1フレーム分の映像信号について、水平方向における各ラインのエッジ成分のレベルを反映した値が波形保存メモリBank1 207又は波形保存メモリBank2 208に書き込まれる。例えば、映像中に垂直方向の縦線が存在する場合、その縦線が長いほど、同じ水平位置に同じレベルのエッジ成分が抽出される頻度が高くなる。同一レベルのエッジ成分が同一位置で複数回抽出された場合、抽出回数が多いほど波形保存メモリの同一アドレスにアクセスされる頻度が高くなり、上述のアクセス制御によってそのアドレスのデータ値は大きくなる。その結果、対応する指標は高輝度で表示されることになる。エッジ成分の信号の大きさを示す指標の最大値は、頻度には依存せず、抽出されるエッジ成分の信号の最大振幅を表しており、合焦度合の指標となっている。また、エッジ成分の信号の大きさを表す指標の長さは、頻度には依存しない。なお、垂直表示を行う場合には、垂直ライン毎に同様の動作を行う。
図3(a)は、本実施形態の撮像装置により、第1表示部622及び/又は第2表示部623に表示されている撮像映像に、エッジ情報の波形表示画像を重畳表示した画面を例示している。本実施形態においては、例えば撮影モードにおいて、入力操作部613を通じてマニュアルフォーカスモードに設定されている場合に、補助表示として、エッジ情報の波形表示画像を撮像映像に重畳表示する。撮影モードにおいて、第1表示部622及び/又は第2表示部623にはスルー画像が逐次表示され、電子ビューファインダとして機能している。上述のように、システム制御部611は、入力操作部613に含まれるスイッチやレバー等による焦点距離の調整操作に応じた焦点の移動方向と移動量に基づいて、レンズ駆動部608を制御し、レンズ部601の焦点距離を変更させる。
図3(a)の表示(水平表示)は、表示画面がアスペクト比16:9の横長であるとした場合に、撮像映像の水平方向のエッジ成分の信号を示す波形を、画面下端部に表示する。ここで、本実施形態では、波形表示されるエッジ成分が予め設定されたレベル範囲に制限されている。即ち、図3(a)の127、128、129、130で示した部分の波形表示が後述する波形表示処理により削除されて撮影映像が視認可能となっている。換言すると、本実施形態の波形表示処理を行っていない場合、図3(c)の137、138、139、140で示した部分のように、波形表示で撮影映像が隠れてしまう(又はαブレンドした場合でも撮影映像を確認しにくい)。
フォーカスの合わせ方としては、例えば撮影者がマニュアルフォーカス操作を行う場合、フォーカスが合ってくると、被写体のエッジ部分が合焦してくるので、その位置で抽出されるエッジ成分のレベルが大きくなる。そのため、画面下端部に波形表示されるエッジ成分のレベルも大きく(指標が高く)表示されるようになる。EVFを見ながら、波形表示画像のうち、所望の被写体に対応した指標が最も高く表示される状態となるようにマニュアルフォーカス操作を行うことで、所望の被写体に合焦させることができる。水平表示では、撮像映像と水平方向の位置を一致させて波形表示画像を重畳表示するので、映像中に含まれる水平方向の個々の被写体について、波形表示と撮像映像を垂直方向に見ながら合焦度合を確認することができる。
また、撮像映像を垂直方向に見た時には、同一レベルのエッジ成分の頻度が大きいほど、波形表示における表示強度(ここでは輝度のインテンシティとする)が大きくなるように制御される。
上記波形表示中で、エッジ成分の波形表示としては必ずしも全てのレベルが表示される必要はなく、ピークレベル(最大値)が判れば合焦度合を確認することが可能である。
そのため、設定した範囲内のレベル表示と範囲外のレベル表示を変えること、ここでは範囲内を表示、範囲外を非表示とすることで、撮影映像を波形表示で隠してしまう範囲を極力少なくし、撮影映像を確認可能にする。また、抽出されたエッジ成分のレベルを表す波形表示を行い、合焦度合を明確に把握可能としている。
有効表示面102には、撮像映像や各種撮影情報、マニュアルフォーカス時の補助表示としてのエッジ情報の波形表示画像などが表示される。
図3(a)に示す画面において、直方体形状の被写体103のうち、有効表示面102の垂直方向と平行な辺108及び斜めに見える辺109が、水平方向におけるエッジ成分として抽出される。
厳密には、被写体のエッジの傾きによって、必ずしもエッジ成分のレベルが変わるわけではないが、ここでは説明の便宜上、辺108は、辺109や三角形状の被写体104の辺106と比べてエッジ成分のレベルが大きいものとする。よって、対応する波形表示画像における指標123も長く(指標として高いレベルに)表示される。
また、辺109については、水平方向におけるエッジ成分のレベルが辺108ほど大きくないものとし、対応する波形表示画像の指標124、125、126も低く表示される。また、指標124、125、126は、それぞれ平行した辺109に対応するものであるため、抽出されるエッジ成分のレベルは同等であり、指標124、125、126の高さは同等であるものとする。しかしながら、指標124は、被写体103の底面と天面における2つの辺109で抽出されたエッジ成分のレベルを反映するため、抽出頻度が高く、指標125、126よりも高輝度となる。
また、底辺が有効表示面102の長辺と平行な三角形状の被写体104のうち、辺105、106が水平方向におけるエッジとして抽出される。そして、辺105に対応する水平位置に、指標120が表示される。更に、辺106に対応する水平位置の、他に高い指標がない部分(指標123、124、125を除いた部分)に指標121、122が表示される。
次に、図6(a)を参照して、上述したマニュアルフォーカス時の波形表示処理について説明する。本フローチャートに示した処理は、撮影モードにおいて、入力操作部613を通じてマニュアルフォーカスモードに設定されている時に実行される。この状態で第1表示部622及び/又は第2表示部623には所謂スルー画像(EE画とも呼ばれる)が逐次表示され、表示部はEVFとして機能しているものとする。さらに、予め任意のレベル範囲が設定されているものとする。
システム制御部611は、ビデオ制御部615に対してマニュアルフォーカス時の補助表示を開始するように指示する。この際、システム制御部611は、予め設定されたレベル範囲の情報を映像合成回路210に通知する。
開始指示に応答して、エッジ抽出回路203はエッジ情報の抽出を開始する(S102)。また、メモリコントローラA 204及び波形制御部205は、バンクメモリ部206の波形保存メモリ(ここでは波形保存メモリBank2 208とする)の、エッジ抽出回路203の抽出結果に応じたアドレスへアクセスし、波形生成を行う(S103)。この際、メモリコントローラA 204は、領域指定回路214から領域指定信号で通知された指定領域で抽出されたエッジ情報に対応するアドレスのデータには、フラグ情報を付加する。
前処理部202では、映像信号の1フィールド(又は1フレーム)分について、エッジ成分の抽出及び波形生成処理を順次行う(S102〜S104)。そして、1フィールド(又は1フレーム)分の波形生成処理が終了すると、メモリコントローラB 211が、波形保存メモリBank2 208からデータを読み出し、映像合成回路210へ供給する。そして、映像合成回路210は、波形表示画像を生成し、生成した波形表示画像をスルー画像に重畳して、第1表示部622及び/又は第2表示部623に表示する(S105)。この際、映像合成回路210は、通知されたレベル範囲内と範囲外のデータに対して、表示態様を変えて、波形表示画像を生成する。ここでは、予め、ピークレベルから一定範囲内のデータを表示して範囲外のデータは非表示とする。無論、表示態様には、αブレンド値を制御するなどの方法も考えられる。
一方、メモリコントローラA 204は、次のフィールド(又はフレーム)に対して用いる波形保存メモリのバンク切り替え処理を行う(S106)。実際には、メモリコントローラB 211によるデータの読み出し、波形表示画像の生成及び表示という一連の処理と、メモリコントローラA 204によるバンク切り替え及び次フィールド(又はフレーム)のエッジ抽出処理とが並行して行われる。このように、スルー画像に加えてその時点における合焦状態を表すエッジ情報の波形表示画像を表示することで、撮影者はEVFを見ながらマニュアルフォーカス操作を容易に行うことができる。また、ここでは、波形表示画像で、フォーカスアシストに必要なピーク部の波形以外を表示しないので、撮影映像の視認性を極力損なうことなく、合焦度合を容易に確認可能となる。
本実施形態によれば、撮影者のマニュアルフォーカス操作を支援するための補助表示として、撮像映像信号から抽出した被写体のエッジ情報を、撮像映像中の被写体の位置と一致させて表示する。これにより、撮影者は、エッジ成分のレベルが最も大きくなるように焦点調整を行うことで、マニュアルフォーカス操作を正確かつ且つ容易に行うことができる。
更に、エッジ成分が、エッジ成分を抽出した撮像映像中の位置と一致した位置に表示されるため、撮像映像中のどの位置で抽出されたエッジ成分なのかを容易に把握することができる。その際に、エッジ成分を予め設定されたレベル範囲に応じて表示することで、波形表示画像が撮影映像を覆い隠す範囲を極力少なくできるので、被写体を視認しつつ、所望の被写体に合焦させる操作が容易となる。
[実施形態2]次に、実施形態2について説明する。なお、実施形態2は、撮像装置の構成も含めて、エッジ成分の波形表示処理以外は実施形態1と同様であるため、重複する説明は省略し、相異点についてのみ説明する。
本実施形態が実施形態2と異なる点は、撮像映像の予め設定された指定領域から抽出されたエッジ成分のレベルを反映した波形表示を、予め指定された領域ごとに判別可能に表示する点である。図2ではビデオ制御部615の領域指定回路214が実施形態1と異なっている。
領域指定回路214は、撮像映像信号で表される画像のうち、システム制御部611を通じて指定された領域の情報を、領域指定信号によってメモリコントローラA 204に通知する機能を有している。システム制御部611を領域指定回路214に指定可能な領域の大きさ、数及び位置に特に制限はない、ここでは、図3(b)の点線で示す2つの矩形状の領域(指定領域301、302)が設定されているものとする。
撮影者に領域指定を許可する場合、一般的に画像中の矩形領域を指定する際に使用できるように、領域の大きさや位置が可変な矩形枠を方向キーなどによって調節し、決定ボタンなどの押下により設定できるようになっている。なお、領域指定を行うためのGUI(Graphical User Interface)や指定領域を表す枠などは、波形表示画像と同様に、映像合成回路210により撮像映像と合成して重畳表示できる。これらの表示に関するデータは、システム制御部611から映像合成回路210に供給される。
メモリコントローラA 204は、領域指定回路214からの領域指定信号により通知される指定領域において抽出されたエッジ情報をバンクメモリ部206へ書き込む際、指定領域ごとに異なるフラグ情報を付加する。そして、メモリコントローラB 211でフラグ情報も含めて読み出し、映像合成回路210では、フラグ情報に基づいて、指定領域に対するエッジ情報の表示態様(例えば表示色)を、指定領域外のエッジ情報と異なるように波形表示画像が生成される。
例えば、フラグ情報の有無と、フラグ情報の値とに応じて、それぞれ異なる色を有する指標から構成される波形表示画像を生成する。なお、指定領域外で抽出されたエッジ成分のみを反映した指標と、個々の指定領域で抽出されたエッジ成分を反映した指標とが視覚的に判別可能であれば、色を異ならせる以外の方法で波形表示画像を生成及び/又は表示してもよい。映像合成回路210は、読み出されたエッジ情報のデータにフラグ情報が含まれる場合には、フラグ情報を含まないエッジ成分と視覚的に判別できるように表示する。
図3(b)は、映像信号を全画面表示し、画面下方に波形表示画像を重畳表示した様子を示している。なお、図3(b)では白黒であるが、指定領域301、302内で抽出されたエッジ成分の波形表示を、指定領域外で抽出されたエッジ成分の波形表示と異なる色で表示している様子を示している。指定領域についてのエッジ成分の表示色は、システム制御部611で指定可能である。また、指定領域とそれ以外の領域とに跨るエッジ部分に対応する波形表示は水平方向に対して同じ位置に表示されることになるが、レベルが異なる部分は視認可能である。また、レベルが同じ部分は、システム制御部611に従った優先順位で映像合成回路210で合成して表示できる。
システム制御部611は、詳細な接続配線は記載されていないが、実施形態1と同様、ビデオ制御部615内の各種制御を行い、例えば、実施形態1に加えて、指定領域とそれ以外の領域に対応する波形表示処理なども行う。
図3(b)は、実施形態1で説明した図3(a)と同様、「水平表示」の例を示している。図3(b)の例では、新たに指定領域301、302が設定されているものとする。なお、指定領域の大きさや数、位置に特段の制限はない。
図3(b)の例において、指定領域301に含まれる辺108の一部に対応しているのは指標305、306であり、辺109の一部に対応しているのは指標307である。ここで、指定領域301に含まれるエッジ成分の指標305、306、307を他の指標とは異なる表示態様、例えば異なる表示色で表示する。一方、指定領域302に含まれる辺106の一部に対応しているのは指標308、309、310であり、これらも他の指標とは異なる表示態様、例えば異なる表示色で表示される。
このように、上記指定領域301、302のそれぞれに含まれるエッジ成分のうち、予め設定されたレベル範囲内を表示し、かつレベル範囲外を非表示にすると共に表示色を変える。これにより、図3(a)の指標123、124のように単に最大値から設定レベル範囲が表示されるだけではなく、図3(b)の指標305、306、307と、指標308、309、310が独立して表示されるようになる。よって、撮影映像中の、それぞれの指定領域に入る被写体に対する合焦状態が容易に判別できる。
また、指標305、306、307と、指標308、309、310の中で、水平方向における同じ位置で同じレベルのエッジ成分が抽出されて、指標として重なりを有する場合の表示態様は任意に設定可能である。例えば、表示優先順位の高い順に、指定領域301、指定領域302であるとする。これにより、表示画面の下側にある指定領域で抽出されたエッジ成分が、指標の下から表示されるようになっている。但し、フォーカスを合わせる際に、撮像映像の中心部に注目したい場合には、中央の指定領域302の優先順位を高くしてもよい。
次に、図6(b)を参照して、実施形態2のマニュアルフォーカス時の波形表示処理について説明する。このフローチャートに示す処理は、撮影モードにおいて、入力操作部613を通じてマニュアルフォーカスモードに設定されている場合に実行される。この状態で第1表示部622及び/又は第2表示部623には所謂スルー画像(EE画とも呼ばれる)が逐次表示され、表示部はEVFとして機能しているものとする。さらに、予め任意のレベル範囲が設定されているものとする。
システム制御部611は、ビデオ制御部615に対してマニュアルフォーカス時の補助表示を開始するように指示する。この際、システム制御部611は、設定されている指定レベル範囲の情報を映像合成回路210に通知する。また、設定されている指定領域の情報を領域指定回路214に通知する。
開始指示に応答して、エッジ抽出回路203はエッジ情報の抽出を開始する(S202)。また、メモリコントローラA 204及び波形制御部205は、バンクメモリ部206内の波形保存メモリ(ここでは波形保存メモリBank2 208とする)の、エッジ抽出回路203の抽出結果に応じたアドレスへアクセスし、波形生成を行う(S203)。この際、メモリコントローラA 204は、領域指定回路214から領域指定信号で通知された指定領域で抽出されたエッジ情報に対応するアドレスのデータには、フラグ情報を付加する。
前処理部202では、映像信号の1フィールド(又は1フレーム)分について、エッジ情報の抽出及び波形生成処理を順次行う(S202〜S204)。そして、1フィールド(又は1フレーム)分の波形生成処理が終了すると、メモリコントローラB 211が、波形保存メモリBank2 208からデータを読み出し、映像合成回路210へ供給する。そして、映像合成回路210は、波形表示画像を生成し、生成した波形表示画像をスルー画像に重畳して、第1表示部622及び/又は第2表示部623に表示する(S205)。この際、映像合成回路210は、通知されたレベル範囲内と範囲外のデータに対して、表示態様を変えて、波形表示画像を生成する。ここでは、予め、ピークレベルから一定範囲内のデータを表示して範囲外のデータは非表示とする。もちろん、表示態様には、αブレンド値を制御するなどの方法も考えられる。
フラグ情報が付加されているデータについては、フラグ情報のないデータと視覚的に判別できるような波形表示画像を生成する。フラグ情報と表示態様との対応は予め定めておくことができる。
一方、メモリコントローラA 204は、次のフィールド(又はフレーム)に対して用いる波形保存メモリのバンク切り替え処理を行う(S206)。実際には、メモリコントローラB 211によるデータの読み出し、波形表示画像の生成及び表示という一連の処理と、メモリコントローラA 204によるバンク切り替え及び次フィールド(又はフレーム)のエッジ抽出処理とが並行して行われる。このように、スルー画像に重畳してその時点における合焦状態を表すエッジ情報の波形表示画像を表示することで、撮影者はEVFを見ながらマニュアルフォーカス操作による合焦調節を容易に行うことができる。また、ここでは、波形表示画像で、フォーカスアシストに必要なピーク部の波形映像以外を表示しないので、撮影映像の視認性を極力損なうことなく、合焦度合を容易に確認することが可能となる。
また、波形表示画像のうち、指定領域中のエッジ成分のレベルを反映した部分を他の部分と視覚的に判別可能に表示するので、指定領域での合焦度合を容易に確認することができる。
本実施形態によれば、撮像映像から抽出されたエッジ成分の位置と大きさを示す指標を、指定領域と指定領域外とで異なる態様で表示することで、実施形態1の効果に加え、所望の指定領域における合焦度合を一層明確かつ容易に把握することができる。
[実施形態3]次に、実施形態3について説明する。なお、実施形態3は、撮像装置の構成も含めて、エッジ成分の波形表示処理以外は実施形態1と同様であるため、重複する説明は省略し、相異点についてのみ説明する。
本実施形態が実施形態3と異なる点は、図2(b)に示すビデオ制御部615がピーキング処理回路212を有する点である。また、メモリコントローラA 204は、領域指定回路214から領域指定信号により指定された領域について、抽出されたエッジ情報にフラグ情報を付加して波形保存メモリに書き込む。そして、メモリコントローラB 211がフラグ情報を含むエッジ情報を読み出し、映像合成回路210はフラグ情報に基づいて、指定領域に対するエッジ情報の表示態様(例えば表示色)を、指定領域外のエッジ情報と異ならせる制御を行う。
本実施形態では、フラグ情報に基づき、指定領域に対応するエッジ成分を指定領域外のエッジ成分とは異なる表示態様とするので、どの部分に対応したエッジ成分であるのかを容易に把握することができる。
領域指定回路214は、撮像映像信号で表される画像のうち、システム制御部611を通じて指定された領域の情報を、領域指定信号によってメモリコントローラA 204に通知する機能を有している。システム制御部611が領域指定回路214により指定可能な領域の大きさ、数及び位置に特に制限はない、ここでは、図7(a)のように、一点鎖線で示す3つの矩形状の領域(指定領域1115、1116、1117)が設定されているものとする。
図7(a)は白黒であるが、指定領域1115〜1117内で抽出されたエッジ成分の波形表示を、指定領域外で抽出されたエッジ成分と異なる色で表示し、かつ、当該指定領域内の撮像映像に対してピーキング処理を施した様子を示している。指定領域に対するエッジ成分の表示色や、指定領域でのピーキング処理のエッジ表示色は、システム制御部611において設定可能である。
また、指定領域とそれ以外の領域とに跨るエッジ成分の波形表示は水平方向に対して同じ位置に表示されるが、レベルが異なる部分は視認可能であり、レベルが同じ部分は、システム制御部611に従った優先順位で映像合成回路210で合成して表示できる。また、図7(b)に示す垂直表示の場合は、バンクメモリ部206のアドレス空間を、映像信号の垂直座標を縦軸に、エッジ成分のレベルを横軸とした2次元空間と見なしてアクセス制御を行えばよい。
システム制御部611は、領域指定回路214への領域指定、エッジ抽出回路203で抽出するエッジ成分の信号の中心周波数やゲインコントロール、波形制御部205でのゲイン制御などを行う。また、システム制御部611は、ピーキング処理回路212でのピーキング処理のオン/オフやピーキング処理のゲイン、表示色制御などを行う。さらに、システム制御部611は、映像合成回路210による波形表示画像の合成の有無や映像信号に対する合成位置制御、指定領域とそれ以外の領域に対応する波形表示処理なども行う。
撮影者がマニュアルフォーカス操作を行う場合、フォーカスが合ってくると、被写体のエッジ部分が合焦してくるので、その位置で抽出されるエッジ成分のレベルが大きくなる。そのため、画面下端部に波形表示されるエッジ成分のレベルも大きく(指標が高く)なる。EVFを見ながら、波形表示画像のうち、所望の被写体に対応した指標が最も高く表示される状態となるようにマニュアルフォーカス操作を行うことで、所望の被写体に合焦させることができる。水平表示では、撮像映像と水平方向における位置を一致させて波形表示画像を重畳表示するので、映像中に含まれる個々の被写体について、波形表示と撮像映像を垂直方向に見ながら合焦度合を確認することができる。
また、撮像映像を垂直方向に見た時には、同一レベルのエッジ成分の頻度が大きいほど、波形表示における表示強度(ここでは輝度のインテンシティとする)が大きくなるように制御される。
同時に、指定領域に対してピーキング表示を行うことで、フォーカスが合ってくると、領域内の映像がピーキング処理され、映像中のどの部分のエッジ成分を波形表示しているのかを視覚的に確認することが可能である。図8(a)に示す表示1301、1302、1303のように定常的に映像に重ねて表示されるものではないため、被写体確認の妨げにならず、指定領域と合焦状態の確認が同時に行える。
一方、図7(b)の「垂直表示」は、表示画面がアスペクト比16:9の横長であるとした場合に、撮像映像の垂直方向の波形表示画像を、画面右端部に表示する。水平表示と同様、撮影者は、波形表示画像のうち、所望の被写体に対応した指標が最も高く表示される状態となるようにマニュアルフォーカス操作を行うことで、所望の被写体に合焦させることができる。垂直表示では、撮像映像と垂直方向の位置を一致させて波形表示画像を重畳表示するので、映像中に含まれる個々の被写体について、波形表示と撮像映像を水平方向に見ながら合焦度合を確認することができる。
このように撮像映像中の指定領域内で抽出されたエッジ成分のレベルを表す波形表示を、指定領域外で抽出されたエッジ成分とは異なる態様(例えば異なる表示色)で表示し、指定領域における合焦度合を明瞭に把握可能としている。指定された領域の表示態様についても、同様に、領域に対してピーキング処理を行うことで、把握可能としている。
図7(a)に示す水平表示において、直方体形状の被写体1103のうち、有効表示面102の垂直方向と平行な辺1106及び、斜めに見える辺1107が、水平方向におけるエッジとして抽出される。厳密には、被写体のエッジの傾きによって、必ずしもエッジ成分のレベルが変わるわけではないが、ここでは説明の便宜上、辺1106は、辺1107や辺1110、1111に比べてエッジ成分のレベルが高いものとする。よって、対応する波形表示画像の指標1108及び1118も高く(長く)表示される。
また、一部が指定領域1115に含まれる辺1106に対応する指標1118は、指標1108と異なる表示がなされている。なお、図7(a)では、色の違いが表現できないため指標1118を点線で表現しているが、実際には表示色を異ならせたり、点滅させたり、輝度を変えるといった、視覚的に判別可能な任意の表示態様を採用することができる。
例えば、指定領域1115及び1116で抽出されたエッジ成分のレベルを反映した指標1118及び1119を「赤」、指定領域外で抽出されたエッジ成分のレベルを反映した指標1108、1109、112、114を「緑」で表示する。これにより、撮像映像全体の合焦度合確認しつつ、注目する領域の合焦度合容易に確認可能となる。
なお、指標1118は、指定領域1115から抽出されたエッジ成分と、指定領域外から抽出されたエッジ成分の両方を反映した指標であるが、ここでは指定領域1115のエッジ成分を優先して表示するような設定がなされているものとする。
また、辺1107については、水平方向におけるエッジ成分のレベルが辺1106ほど高くないものとし、対応する波形表示画像の指標1109も低く表示される。また、左右の指標1109は、平行した辺1107に関するものであるため、抽出されるエッジ成分のレベルは等しく、指標1109の高さは等しい。しかし、右側の指標は、被写体1103の底面と天面における2つの辺1107で抽出されたエッジ成分のレベルを反映するため、抽出頻度が高く、左側の指標よりも高輝度となる。
また、底辺が有効表示面1102の長辺と平行な三角形状の被写体1104のうち、辺1110、1111が水平方向におけるエッジとして抽出される。そして、辺1110、1111に対応する水平位置に、指標1112及び1119が表示される。
指標1112及び1119はいずれも辺1110、1111に対応する指標であるが、指標1119は辺1110のうち指定領域1116に含まれる部分に対応するため、指標1112と表示態様が異なっている。
被写体1105は、長辺が有効表示面102の長辺と平行で、短辺1113が有効表示面102の短辺と平行な長方形状である。短辺1113に対応するエッジ成分の指標1114が表示される。なお、短辺1113のうち、図中の左の辺に対応する指標1114は、被写体1104の辺1110に対応する指標1112と重なる部分の輝度が高く表示される。
指定領域1115〜1117の位置は表示しないこともできるが、ここでは指定領域内の映像をピーキング処理し、例えば図7(a)に示す指標1120、1121を映像上に合成表示し、マニュアルフォーカス操作の指標として撮影者に表示する。指定領域の表示/ピーキングは、システム制御部611から、領域指定回路214及びピーキング処理回路212へ表示位置や表示色等を指示することにより実行される。
また、図7(b)は、図7(a)と同じ被写体を撮像している状態で、1つの指定領域1116が存在する場合に垂直表示を行った様子を示している。水平表示時と同様、説明の便宜上、被写体1103〜1105のうち、水平方向の辺1122、1125及び1129のエッジ成分が高いレベルを有するものとする。そのため、対応する指標1123、1126及び1130が高く(長く)表示される。また、斜めの辺1107、1110及び1111については、指標1124、1127及び1128が表示される。
指標1127及び1128はいずれも辺1110と1111のエッジ成分を合わせて反映した指標であるが、辺1110のうち、指定領域1116に含まれる部分を反映した指標1128は、1127と異ならせて表示している。
ここでも、水平表示と同様、例えば、指定領域1116で抽出されたエッジ成分のレベルを反映した指標1128を「赤」、指定領域外で抽出されたエッジ成分のレベルを反映した指標1123、1124、1126、1127、1130を「緑」で表示する。これにより、撮像映像全体の合焦度合を確認しつつ、注目する領域の合焦度合を容易に確認可能となる。
図7(b)においても、被写体1103の波形表示画像のうち、斜めの辺1122に対する左右の指標1124は、下側の方が高輝度で表示される(反映される辺1122の数が多いため)。また、指標1124のうち、指標1127と重なる部分は、重なっていない部分よりも輝度が高く表示される。
なお、図7(b)の例では、説明を簡単にするため、指定領域が1つであるものとしたが、複数であってもよいことは言うまでもない。
水平表示と垂直表示は、例えば入力操作部613に含まれる切り替えキーが押下される毎に切り替えて表示するように構成することができる。また、水平表示と垂直表示の両方を行ってもよい。さらに、波形表示画像は、撮像映像上に重畳表示する必要はなく、撮像映像が全画面表示されていなければ、撮像映像の周囲に表示してもよい。この場合も、波形表示画像の位置と、撮像映像の位置とを対応させることは言うまでもない。
なお、図7に示した例では、撮像映像全体についてのエッジ成分の波形表示を行い、波形表示の中で、指定領域内で抽出されたエッジ成分のレベルを反映している指標を、他の指標と視覚的に判別できるように表示した。しかしながら、指定領域で抽出されたエッジ成分のみに基づく波形表示を行うようにしても、指定領域における合焦度合を容易に判別できる。また、どちらの表示を行うか、撮影者が任意かつ動的に切り替えられるよう、入力操作部613などに機能を割り当てても構わない。
次に、図9を参照して、上述したマニュアルフォーカス操作時の波形表示処理について説明する。以下では、図9に示すフローチャートにおいて、図7(b)と同様の処理には同一のステップ番号を付して説明を省略する。また、予め任意のレベル範囲が設定されているものとする。
図9において、システム制御部611は、予め設定されているレベル範囲の情報を映像合成回路210に通知し、この開始指示に応答して、エッジ抽出回路203はエッジ情報の抽出を開始する(S202)。システム制御部611は、抽出されたエッジ情報と、予め指定された領域情報とに基づき、ピーキング処理回路212へ、指定領域に対するピーキング処理を指示する(S301)。その後、ステップS203〜S206の処理を実行する。
本実施形態によれば、マニュアルフォーカス操作時に被写体毎に合焦度合を表す情報が各被写体と対応した位置に表示される。このため、撮像映像中のどの被写体のどの位置に対する合焦度合なのかを把握することができ、撮影映像中に焦点距離の異なる複数の被写体が存在する場合であっても、所望の被写体へのフォーカス操作が容易となる。
また、波形表示画像のうち、指定領域中のエッジ成分のレベルを反映した部分を他の部分と視覚的に判別可能に表示するので、指定領域での合焦度合を容易に確認することができる。
同時に、指定領域自体の位置表示において、指定領域に対応する映像にピーキング処理を行うことで、撮影映像を隠すことなく、映像中の何処の部分が指定された領域なのかを容易に把握しながら合焦操作を行うことができる。
また、水平方向や垂直方向といったように、撮像映像中の異なる方向におけるエッジ成分を波形表示することができるため、被写体が有するエッジの方向などに応じて表示を切り替えることで、フォーカス操作がより一層容易になる。
[実施形態4]次に、実施形態4について説明する。なお、実施形態4は、撮像装置の構成も含めて、エッジ成分の波形表示処理以外は実施形態3と同様であるため、重複する説明は省略し、相異点についてのみ説明する。
実施形態3では指定領域の映像に対してピーキング処理を行うことで、指定領域の映像上の位置を示していたが、これに加えて、実施形態4では、映像中の指定領域と指定領域外において、ピーキング処理だけでなく元映像の表示態様を変えている。
具体的には、図8(b)に示すように、矩形領域1401、1402、1403(図7(a)の矩形領域1115、1116、1117に対応)において、矩形領域内の映像を白黒で表示している。図8(b)では便宜上、矩形領域1401、1402、1403内を水平線で示しているが、実際には領域内を白黒、領域外をカラー表示(通常表示)とする。これにより、フォーカスが合っていない状態で、ピーキング表示によりエッジ成分が十分に見えない場合や、元々エッジ成分の少ない被写体を撮影する場合などに指定領域を明示することができる。更に、ピーキング処理において、エッジ部分に色付けを行う表示を併用することなどで、指定領域を表しつつピーキング表示も明瞭に、かつ、エッジ成分の波形表示も同時に視認可能である。
本実施形態によれば、映像中の指定領域を示す表示を、合焦度合に依存しない態様で表示するため、実施形態3の効果に加えて、撮影者は、エッジ成分の波形表示と対応した指定領域の映像中の位置を容易に把握することができる。
上述の実施形態では、撮像素子に被写体像を結像するレンズ(レンズ部601)を備える撮像装置についてのみ説明したが、本発明においてレンズは必須ではなく、例えばレンズ交換式デジタルカメラにおいても適用可能である。
また、上述の実施形態においては、エッジ成分の波形表示を、撮像映像と位置を対応させて(一致させて)合成したが、両者の位置関係が把握可能であれば、必ずしも位置を完全に一致させて合成しなくてもよい。例えば、例えば水平方向のエッジ成分の波形表示を撮像映像の横幅よりも短い範囲に縮小表示しても、撮像映像と波形表示との対応関係は把握可能であるため、同様の効果が期待できる。
さらに、上述の実施形態では、エッジ成分の波形表示を、マニュアルフォーカス時の補助表示として表示する場合についてのみ説明したが、オートフォーカス時においても撮影者の指示に応じて、あるいは常時、エッジ成分の波形表示を行ってもよい。これにより、オートフォーカス時の合焦状態や合焦位置の確認が一層容易になる。
[他の実施形態]本発明は、以下の処理を実行することによっても実現される。即ち、上記実施形態の機能を実現するソフトウェア(プログラム)をネットワーク又は各種記憶媒体を介してシステム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(又はCPUやMPU等)がプログラムコードを読み出して実行する処理である。この場合、そのプログラム、及び該プログラムを記憶した記憶媒体は本発明を構成することになる。