JP5432228B2 - プリント配線板およびその製造方法 - Google Patents

プリント配線板およびその製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP5432228B2
JP5432228B2 JP2011248928A JP2011248928A JP5432228B2 JP 5432228 B2 JP5432228 B2 JP 5432228B2 JP 2011248928 A JP2011248928 A JP 2011248928A JP 2011248928 A JP2011248928 A JP 2011248928A JP 5432228 B2 JP5432228 B2 JP 5432228B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
base material
insulating resin
resin base
hole
opening
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2011248928A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2012060150A (ja
Inventor
大介 池田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Ibiden Co Ltd
Original Assignee
Ibiden Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Ibiden Co Ltd filed Critical Ibiden Co Ltd
Priority to JP2011248928A priority Critical patent/JP5432228B2/ja
Publication of JP2012060150A publication Critical patent/JP2012060150A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5432228B2 publication Critical patent/JP5432228B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Production Of Multi-Layered Print Wiring Board (AREA)
  • Printing Elements For Providing Electric Connections Between Printed Circuits (AREA)

Description

本発明は、絶縁性材料に形成した貫通孔内にめっき導体が形成されてなるプリント配線板に係り、更に詳しくは、めっき導体の導通不良を改善し、かつ基板強度を向上させたプリント配線板とその製造方法に関する。
従来のプリント配線板において、コアとなる絶縁性樹脂基材の表面および裏面にそれぞれ形成した導体回路を電気的に接続するためのめっきスルーホールとして、絶縁性樹脂基材に形成した貫通孔内に、めっきによって金属を充填してなるフィルドタイプのスルーホールがある。
例えば、特許文献1には、このようなスルーホールを形成する方法が、従来技術として記載されている。スルーホールを形成には、先ず、図9(a)に示す様に、絶縁性樹脂基材1に貫通孔2を形成した後、図9(b)に示す様に、貫通孔の内壁面を含む絶縁性樹脂基材2の表面に無電解めっきによって、金属から成るシード層3を形成する。
次いで、シード層3を給電層として電解めっきを施して、シード層3上に電解めっき層4を形成する。この電解めっき層4は、図9(c)に示す様に、貫通孔2の開口部の角部に形成された部分が、貫通孔2の内側部に形成された部分よりも厚くなる。
更に、電解めっき処理を施して、図9(d)に示す様に、貫通孔2を金属で充填してスルーホール6を形成すると共に、電解めっき層4を所望の厚さとすることができる。
その後、この電解めっき層4にパターニングを施すことによって、絶縁性樹脂基材1の表面および裏面に所望の配線パターンを形成し、このような配線パターンを電気的に接続するスルーホール6が形成された配線基板を得ることができる。
しかしながら、このような方法により形成されたスルーホール内には、図9(d)に示すように、内部にボイド8が形成され易いという問題があった。
そこで、ボイド等の欠陥のないスルーホールを形成し得る技術が提案されている(例えば、上記特許文献1参照)。この方法は、図10(a)〜(b)に示すように、絶縁性樹脂基材1に縦断面が鼓型をした貫通孔2を形成した後、貫通孔の内壁面に無電解めっきによって金属から成るシード層3を形成し、次いで、このシード層を給電層として電解めっき処理を施すことにより、鼓型の貫通孔内に金属4を充填し、ボイド等の欠陥が生じることが少ないスルーホール6を形成する方法である。
特開2004−311919号公報
ところが、上述したような縦断面が鼓型をしたスルーホールを有するプリント配線板では、めっき充填されてなるスルーホールが、表面開口から中央部に向かうにつれて縮径している、いわゆるネック部分を有すると共に、中心軸を挟んでほぼ対称な形状であるため、絶縁性樹脂基材に反りが発生した場合には、その応力がスルーホールのネック部分周辺に集中しやすくなる。その結果、ネック部分周辺にクラックが発生しやすくなるので、そのクラック発生により接続不良が生じたり、基板が折れやすくなって十分な機械的強度が得られないという問題がある。
そこで、本発明の目的は、ボイド等の欠陥を低減させるだけでなくクラックの発生をも低減させることによって、基板の接続不良を低減させ、かつ基板の機械的強度を向上させるようなスルーホール構造を有するプリント配線板を提供することにある。
本発明者は前記課題を解決すべく検討を重ねた結果、めっき充填されてなる断面鼓型のスルーホール構造、例えば、基板の一方の面に露出する第1の開口部と、基板の他方の面に露出する第2の開口部とが、基板の中央部付近に向かうにつれて縮径され、その中央部付近にて一体化されてなる形態、即ち、断面鼓型の形態を有するスルーホール構造において、第1の開口部の重心軸と、第2の開口部の重心軸とが所定範囲内で互いにずれた構造である場合に、めっきの充填性がよいこと及びめっき充填されたスルーホールが受ける応力が効果的に緩和されるということを見出し、本発明に到達した。
すなわち、本発明は、
(1)絶縁性樹脂基材に設けた貫通孔内にめっき充填してなるスルーホールを有するプリント配線板において、
前記絶縁性樹脂基材の表面および裏面から露出する部分における前記スルーホールの重心軸位置が互いにずれており、
前記絶縁性樹脂基材の表面および裏面から露出する部分における前記スルーホールの重心軸位置のずれ量は、5〜30μmであり、
前記スルーホールは、前記絶縁性樹脂基材の表面および裏面からそれぞれ内部に向かうにつれて縮径されてなる、ネック部を有する形状であり、
前記ネック部を結んだ線で囲まれる平面領域が前記絶縁性樹脂基材の表面と平行でなく、
前記スルーホールのネック部における接合断面の重心位置は、隣り合うスルーホールで前記絶縁性樹脂基材の断面方向においてずれていることを特徴とするプリント配線板である。
また、本発明は、
(2) 絶縁性樹脂基材に設けた貫通孔内にめっき充填してなるスルーホールを有し、かつそのスルーホールによって電気的に接続される内層の導体回路を前記絶縁性樹脂基材の表面および裏面に有するコア基板を具え、そのコア基板上に絶縁性樹脂層と外層の導体回路とを交互に形成してなる多層のプリント配線板において、
前記絶縁性樹脂基材の表面および裏面からそれぞれ露出する各スルーホールの重心軸位置が互いにずれており、
前記絶縁性樹脂基材の表面および裏面から露出する部分における前記スルーホールの重心軸位置のずれ量は、5〜30μmであり、
前記スルーホールは、前記絶縁性樹脂基材の表面および裏面からそれぞれ内部に向かうにつれて縮径されてなる、ネック部を有する形状であり、
前記ネック部を結んだ線で囲まれる平面領域が前記絶縁性樹脂基材の表面と平行でなく、
前記スルーホールのネック部における接合断面の重心位置は、隣り合うスルーホールで前記絶縁性樹脂基材の断面方向においてずれていることを特徴とするプリント配線板である。
上記(1)および(2)に記載された発明において、
(1)前記ネック部を結んだ線で囲まれる平面領域は、前記絶縁性樹脂基材の表面と平行にならないこと、
(2)前記貫通孔は、前記絶縁性樹脂基材の表面に開口する第1開口部と、前記絶縁性樹脂基材の裏面に開口する第2開口部とからなること
(3)前記ずれ量は、5〜30μmであること、
(4)前記第1開口部と前記第2開口部との径は略同一であること、
(5)前記絶縁性樹脂基材は、ガラス布エポキシ樹脂基材、ガラス布ビスマレイミドトリアジン樹脂基材、ガラス布ポリフェニレンエーテル樹脂基材、アラミド不織布−エポキシ樹脂基材、アラミド不織布−ポリイミド樹脂基材からなる群から選ばれること、
(6)前記絶縁性樹脂基材の厚さは、100〜500μmであること、
(7)隣接する前記スルーホール間のピッチは、100〜400μmであること、
とすることができる。
また、本発明において、前記スルーホールは、絶縁性樹脂基材の表面および裏面のそれぞれから内部に向かうにつれて縮径されてネック部が形成されてなる形状、即ち、内部にネック部を有するような鼓型に形成することができ、絶縁性樹脂基材の表面および裏面側にそれぞれ露出する開口の直径を75〜300μmとし、絶縁性樹脂基材内部のネック部の直径を50〜250μmとすることができる。
ここで、「重心軸」とは、コア基板の表面(裏面)のスルーホールの開口部の重心点を通り、コア基板の表面(裏面)と実質的に垂直な直線のことを指す。
さらに、本発明は、
(3) 絶縁性樹脂基材を貫通する貫通孔にめっき充填されてなるスルーホールを有し、かつそのスルーホールによって電気的に接続される導体回路を前記絶縁性樹脂基材の表面および裏面に有するプリント配線板を製造するに当たって、
少なくとも以下の(1)〜(4)の工程、即ち、
(1) 絶縁性樹脂基材の両面に銅箔が貼付されてなる銅張積層板の一方の表面の所定位置にレーザ照射を行って、絶縁性樹脂基材の内部に向かうにつれて縮径されるような形状を有する第1の開口部を形成する工程、
(2) 前記絶縁性樹脂基材を挟んで前記所定位置と対面する前記銅張積層板の他方の表面の箇所から、前記第1の開口部の重心位置と重ならないような位置にレーザ照射を行って、前記絶縁性樹脂基材の内部に向かうにつれて縮径されるような形状を有し、かつ絶縁性樹脂基材の厚み方向中央部付近で前記第1の開口部と連通してネック部を形成し、前記ネック部を結んだ線で囲まれる平面領域が前記絶縁性樹脂基材の表面と平行にならないようにする第2の開口部を形成し、前記第1の開口部の重心位置に対する前記第2の開口部の重心位置のずれ量を5〜30μmとし、前記第1の開口部と前記第2の開口部との接合断面の重心位置が、隣り合うスルーホールで前記絶縁性樹脂基材の断面方向においてずれているようにする工程、
(3) 前記基板に対して無電解めっきを施して、前記第1および第2の開口部内壁に無電解めっき膜を形成する工程、
(4) 前記基板に電解めっきを施して、前記無電解めっき膜上に電解めっき膜を形成すると共に、前記第1および第2の開口部内部にめっき充填してスルーホールを形成する工程、
を含んでいることを特徴とするプリント配線板の製造方法である。
なお、上記(2)の工程と(3)の工程との間に、前記第1および第2の開口部内に残留する樹脂残渣を除去する工程を含んでもよい。
ボイド等の欠陥やクラックの発生を低減させることができるので、基板の接続不良を低減させ、かつ基板の機械的強度を向上させることができる。
本発明にかかるプリント配線板は、絶縁性樹脂基材に設けた貫通孔内にめっき導体を有するプリント配線板、または、そのようなプリント配線板をコア基板とし、そのコア基板上に導体層と樹脂絶縁層とを交互に形成してなる多層プリント配線板において、
前記絶縁性樹脂基材の表面から露出するスルーホールの重心軸位置と、前記絶縁性樹脂基材の裏面から露出するスルーホールの重心軸位置とが互いにずれていることを特徴とするものである。
このように、絶縁性樹脂基材の表面および裏面にそれぞれ露出するスルーホールの重心軸位置を互いにずれた状態に配置することによって、スルーホールのネック部、即ち、絶縁性樹脂基材の表面または裏面に平行な平面によって切断される部分の断面積が最小となるような箇所が、ずれた状態となるため、絶縁性樹脂基材に反りが発生しても、ネック部のずれた分だけその応力が加わる領域が広くなる、もしくは、コア基板の表面と各ネック部の重心をつないでできる面が互いに平行とならないので応力が緩和され、ネック部周辺にクラックが発生しにくくなる。その結果、クラックによる接続不良の発生が生じにくくなると共に、基板の機械的強度を向上させることができる。
また、隣接するスルーホールにおいて、ネック部における接合断面の重心位置が前記絶縁性樹脂基材の断面方向において異なるように形成する
また、スルーホールのネック部周辺の断面積が大きくなるので、導通抵抗が低下し、基板の電気特性を向上させることができる。
さらに、本発明にかかる多層プリント配線板において、最も外側の導体層の一部を、所定のピッチでバンプ接続用パッドに形成し、前記絶縁性樹脂基材の表面および裏面から露出する各スルーホールの表面の重心位置を、互いにずれた状態に保持すると共に、隣接するスルーホール間のピッチを、前記バンプ接続用パッドのピッチと同一に形成することが望ましい。
本発明において用いられる絶縁性樹脂基材としては、ガラス布エポキシ樹脂基材、ガラス布ビスマレイミドトリアジン樹脂基材、ガラス布ポリフェニレンエーテル樹脂基材、アラミド不織布−エポキシ樹脂基材、アラミド不織布−ポリイミド樹脂基材から選ばれる硬質基材が用いることが好ましく、ガラス布エポキシ樹脂基材がより好ましい。
前記絶縁性樹脂基材の厚さは、100〜500μm程度とすることが望ましい。その理由は、100μm未満の厚さでは、剛性が不十分であり、500μmを超えると、スルーホール内にめっきを充填しにくくなり、めっきボイドが生じることがあるからである。
かかる絶縁性樹脂基材の両面に形成される導体回路は、後述するように、スルーホールへのめっき充填の後に、絶縁性樹脂基材の両面に貼付された金属箔およびその上に形成されためっき層をエッチング処理することによって形成さることが望ましい。
前記絶縁性樹脂基材および金属箔にて構成される基板は、特に、エポキシ樹脂をガラスクロスに含浸させてBステージとしたプリプレグと、銅箔とを積層して加熱プレスすることにより得られる両面銅張積層板を用いることができる。このような基板は、銅箔がエッチングされた後の取扱中に、配線パターンやビア位置がずれることがなく、位置精度に優れている。
本発明の第1の実施形態によるスルーホールは、例えば、図1に示すように、絶縁性樹脂基材の一方の面から内部に向かうにつれて縮径されるような形状を有する第1の開口部と、絶縁性樹脂基材の他方の面から内部に向かうにつれて縮径されるような形状を有し、かつ前記絶縁性樹脂基材の厚み方向中央部付近で前記第1の開口部に連通している第2の開口部とからなり、第1の開口部と第2の開口部との交わる箇所にネック部が形成された形態である。即ち、全体として鼓型の貫通孔が所定の距離だけ基板表面方向にずれた形態の貫通孔に、めっき充填されてなるものであり、前記絶縁性樹脂基材の一方の面および他方の面にそれぞれ露出する第1の開口部および第2の開口部の重心軸(第1の開口部、第2の開口部の重心点を通り、基板表面(裏面)と実質的に垂直な直線)は、互いにずれた位置に配置されている。
上記スルーホールは、第1の開口部および第2の開口部からなる貫通孔をレーザ加工によって形成した後、それらの貫通孔に金属めっきを充填することによって形成されることが望ましい。
なお、レーザ加工における照射レーザ光の吸収効率を高めるために、予め絶縁性樹脂基板上の金属箔に公知の黒化処理を施しておくことが望ましい。
レーザ加工によってスルーホール形成用の貫通孔を形成するには、まず、絶縁性樹脂基材の一方の表面に向けて、所定位置からレーザ照射を行って、絶縁性樹脂基材の一方の表面から内部に向かうにつれて縮径され、かつ絶縁性樹脂基材の一方の表面からその中央部付近まで延長された形態の第1の開口部を形成する。その後、前記所定位置に対向する絶縁性樹脂基材の他方の表面位置から所定の距離だけずれた位置から、その絶縁性樹脂基材の他方の表面に向けてレーザ照射を行って、絶縁性樹脂基材の他方の表面から内部に向かうにつれて縮径され、絶縁性樹脂基材の他方の表面からその中央部付近まで延長された形態の第2の開口部を形成すると共に、絶縁性樹脂基材の中央部付近で第1の開口部と第2の開口部とが連通してスルーホール形成用の貫通孔が形成されることが望ましい。
前記絶縁性樹脂基材にレーザを用いてスルーホール形成用貫通孔を形成させるには、レーザ照射により金属箔と絶縁性樹脂基材を同時に穿孔するダイレクトレーザ法と、金属箔の貫通孔に該当する金属箔部分をエッチングにより除去した後、レーザ照射により絶縁性樹脂基材に穿孔するコンフォーマル法があるが、本発明ではそのどちらを用いてもよい。
上記レーザ加工は、パルス発振型炭酸ガスレーザ加工装置によって行われることが望ましく、その加工条件は、絶縁性樹脂基材の表面から内部に向かうにつれて縮径されるようなスルーホール形成用貫通孔(第1の開口部および第2の開口部)の形状、即ち、絶縁性樹脂基材の表面と貫通孔の側壁とがなす角度(以下、「テーパ角」という)および貫通孔の深さによって決められる。
たとえば、パルス幅が10〜20μs、ショット数が1〜5の範囲内とすることによって、スルーホール形成用貫通孔のテーパ角および深さを調整することができる。
そして、前記加工条件のもとで形成され得るスルーホール形成用貫通孔は、絶縁性樹脂基材内部のネック部の直径(図1において符号Xで示す)が、50〜250μmであることが望ましい。直径が50μm未満では、細すぎるため、めっき充填されたスルーホールの接続信頼性が悪いためであり、直径が250μmを超えると、めっき充填されたスルーホール内にボイドが発生しやすくなるからである。したがって、上記範囲内であれば、ボイド発生が少なく接続信頼性に優れたスルーホールを形成することができる。
また、上記スルーホールを形成する貫通孔の重心軸の位置のずれ量は、5〜30μmの範囲とする。その理由は、ずれ量が5μm未満では、応力緩和の効果が小さいからであり、一方、ずれ量が30μmを超えると、貫通孔の形状が、図7(a)〜(b)に示すような奇形状になりやすいからである。
また、隣接するスルーホール間のピッチは、100〜400μmであることが望ましい。その理由は、ピッチが100μm未満では、絶縁信頼性が低いからであり、ピッチが400μmを超えると、ファイン化に適さないからである。
なお、レーザ照射によって形成された貫通孔の側面に残留する樹脂残滓を除去するために、デスミア処理を行うことが好ましい。このデスミア処理は、酸あるいは酸化剤(例えば、クロム酸、過マンガン酸)の薬液処理等の湿式処理や、酸素プラズマ放電処理、コロナ放電処理、紫外線レーザ処理またはエキシマレーザ処理等の乾式処理によって行う。
これらのデスミア処理方法からいずれの方法を選択するかは、絶縁基材の種類、厚み、バイアホールの開口径、レーザ照射条件などに応じて、残留が予想されるスミア量を考慮して選ばれる。
本発明において、前記貫通孔にめっき充填してスルーホールを形成するには、まず、貫通孔内壁に通常の無電解めっき処理によって無電解めっき膜を形成した後、めっき液を噴流にして基板にぶつけるスパージャめっき方法等の電解めっき方法によって、貫通孔内をめっき充填することが望ましい。
上記無電解めっきまたは電解めっきとしては、たとえば、銅、すず、銀、各種はんだ、銅/すず、銅/銀等の金属めっきが好ましく、とくに、無電解銅めっきまたは電解銅めっきが好適である。
本発明において、絶縁性樹脂基材の両面に形成される導体回路は、めっき充填スルーホールの形成と同時に形成された導体層をエッチング処理することによって形成されることが望ましい。
この導体回路形成工程は、先ず、前記導体層の表面に感光性ドライフィルムレジストを貼付した後、所定の回路パターンに沿って露光、現像処理してエッチングレジストを形成し、エッチングレジスト非形成部分の導体層をエッチングして、電極パッドを含んだ導体回路パターンとする。
前記処理工程において、エッチング液としては、硫酸一過酸化水素、過硫酸塩、塩化第二銅、塩化第二鉄の水溶液から選ばれる少なくとも1種の水溶液を用いることができる。
また前記導体層をエッチングして導体回路を形成する前処理として、ファインパターンを形成しやすくするため、あらかじめ、導体層の表面全面をエッチングして厚さを1〜10μm、より好ましくは2〜8μm程度まで薄くすることができる。
このようなプリント配線板をコア基板とし、そのコア基板上に、常法によって導体層と樹脂絶縁層とを交互に形成してなるビルドアップ配線層を形成してなる多層プリント配線板を形成することができる。、
このような多層プリント配線板においては、その最も外側の導体層の一部を、所定のピッチでバンプ接続用パッドに形成し、コア基板に形成した隣接するめっき充填スルーホール間のピッチを、前記バンプ接続用パッドのピッチと同一に形成することが望ましい。このような構成によれば、PKGに実装されるチップを介した配線抵抗を下げることができるので、電源供給確保の点で有利である。
以下、本発明にかかるプリント配線板を製造する方法の一例について、具体的に説明する。
(1)本発明にかかるプリント配線板を製造するに当たって、絶縁性樹脂基材の両面に銅箔が貼付されたものを出発材料として用いることができる。
この絶縁性樹脂基材は、たとえば、ガラス布エポキシ樹脂基材、ガラス布ビスマレイミドトリアジン樹脂基材、ガラス布ポリフェニレンエーテル樹脂基材、アラミド不織布−エポキシ樹脂基材、アラミド不織布−ポリイミド樹脂基材から選ばれる硬質な積層基材が使用され、特に、ガラス布エポキシ樹脂基材が最も好ましい。
前記絶縁性樹脂基材の厚さは、100〜500μm程度の範囲であることが望ましい。その理由は、厚さが100μm未満では、剛性が不十分なためであり、厚さが500μmを越えると、貫通孔内にめっき充填することが難しく、ボイドが発生することがあるからである。
前記絶縁性樹脂基材にレーザを用いてスルーホール形成用貫通孔を形成させるには、レーザ照射により銅箔と絶縁基材を同時に穿孔するダイレクトレーザ法と、銅箔の貫通孔に該当する部分をエッチングにより除去した後、レーザ照射により絶縁基材に穿孔するコンフォーマル法があるが、本発明ではそのどちらを用いてもよい。
この銅箔は、ハーフエッチングによってその厚みを調整してもよい。
前記絶縁性樹脂基材および銅箔としては、特に、エポキシ樹脂をガラスクロスに含潰させてBステージとしたプリプレグと、銅箔とを積層して加熱プレスすることにより得られる両面銅張積層板を用いることが好ましい。
その理由は、銅箔がエッチングされた後の製造工程中で、配線パターンの位置がずれることがなく、位置精度に優れるからである。
(2) 次に、レーザ加工によって絶縁性樹脂基材にスルーホール形成用貫通孔を設ける。
回路基板の形成に両面銅張積層板を用いる場合には、まず、絶縁性樹脂基材の一方の表面に貼付した金属箔に向けて、所定位置からレーザ照射を行って、金属箔を貫通すると共に、絶縁性樹脂基材の一方の表面から内部に向かうにつれて縮径され、かつ絶縁性樹脂基材の一方の表面からその中央部付近まで延長された形態の第1の開口部を形成する、あるいは、絶縁性樹脂基材に貼付された一方の銅箔表面の所定位置に、スルーホールの表面における径とほぼ同等な径の孔を予めエッチングにより形成(レーザ用マスク)した後、その孔を照射マークとして炭酸ガスレーザ照射を行って、絶縁性樹脂基材の内部に向かうにつれて縮径され、かつ絶縁性樹脂基材の一方の表面からその中央部付近まで延長された形態の第1の開口部を形成する。
次に、前記所定位置に対向する絶縁性樹脂基材の他方の表面位置から所定の距離だけずれた位置から、その絶縁性樹脂基材の他方の表面に貼付した金属箔に向けてレーザ照射を行って、絶縁性樹脂基材の他方の表面から内部に向かうにつれて縮径され、絶縁性樹脂基材の他方の表面からその中央部付近まで延長された形態の第2の開口部を形成する、あるいは、絶縁性樹脂基材に貼付された他方の銅箔表面の所定位置に、スルーホールの表面における径とほぼ同等な径の孔を予めエッチングにより形成(レーザ用マスク)した後、その孔を照射マークとして炭酸ガスレーザ照射を行って、絶縁性樹脂基材の内部に向かうにつれて縮径され、かつ絶縁性樹脂基材の他方の表面からその中央部付近まで延長された形態の第2の開口部を形成する。
この第2の開口部を形成する際に、絶縁性樹脂基材の中央部付近で第1の開口部と第2の開口部とが連通してスルーホール形成用の貫通孔が形成され、かつ、ネック部を結んだ線で囲まれる平面領域が基板表面と平行にならないように(図2参照)、第1の開口部と第2の開口部の重心間距離(ずれ量)をレーザ照射位置に応じて調整する。
上記レーザ加工は、パルス発振型炭酸ガスレーザ加工装置によって行われ、その加工条件は、絶縁性樹脂基材の表面から内部に向かうにつれて縮径されるようなスルーホール形成用貫通孔の形状によって決められ、たとえば、パルス幅が10〜20μs、ショット数が1〜5とする。
このようなレーザ加工条件にて、スルーホール形成用貫通孔の開口径(第1の開口部および第2の開口部の開口径)を75〜300μmとし、ネック部の最短径を50〜250μmとし、スルーホールを形成する貫通孔の重心位置のずれ量を5〜30μmの範囲とすることができる。
(3) 前記(2)の工程で形成された貫通孔の側壁に残留する樹脂残滓を除去するためのデスミア処理を行う。
このデスミア処理は、酸あるいは酸化剤(例えば、クロム酸、過マンガン酸)の薬液処理等の湿式処理や酸素プラズマ放電処理、コロナ放電処理、紫外線レーザ処理またはエキシマレーザ処理等の乾式処理によって行われる。
(4) 次いで、無電解めっき処理を施して、スルーホール用貫通孔の内壁および銅箔上に、無電解めっき膜を形成する。この場合、無電解めっき膜は、銅、ニッケル、銀等の金属を用いてもよい。
(5) さらに、上記(4)で形成した無電解めっき膜をリードとして、電解めっき処理を施して、基板の銅箔を被覆している無電解めっき膜上に電解めっき膜を形成すると共に、貫通孔内壁面に付着形成されるめっき層を次第に厚くして、貫通孔内に電解めっき膜を充填することによって鼓型のスルーホールを形成する。
(6)次いで、上記(5)において、基板上に形成された電解銅めっき膜上に、エッチングレジスト層を形成する。エッチングレジスト層は、レジスト液を塗布する方法あるいは予めフィルム状にしたものを貼付する方法のいずれの方法でもよい。このレジスト層上に予め回路が描画されたマスクを載置して、露光、現像処理することによってエッチングレジスト層を形成し、エッチングレジスト非形成部分の金属層をエッチングして、スルーホールランドを含んだ導体回路パターンを形成する。
このエッチング液としては、硫酸−過酸化水素、過硫酸塩、塩化第二銅、塩化第二鉄の水溶液から選ばれる少なくとも1種の水溶液が望ましい。
前記エッチング処理によって導体回路を形成する前処理として、ファインパターンを形成しやすくするため、あらかじめ、電解銅めっき膜の表面全面をエッチングすることによって厚さを調整してもよい。
前記(1)〜(6)の工程にしたがって作製された本発明にかかるプリント配線板をコアとして、そのコア基板の片面または両面に、絶縁性樹脂層と導体回路層とを交互に積層させてなるビルドアップ配線層を形成することによって、多層プリント配線板を形成することができる。
この多層プリント配線板においては、ビルドアップ配線層の最外層、即ち、最も外側の導体回路が形成された絶縁樹脂層の表面にソルダーレジスト層をそれぞれ形成する。この場合、基板の最外層表面全体にソルダーレジスト組成物を塗布し、その塗膜を乾燥した後、この塗膜に、接続パッドの開口部を描画したフォトマスクフィルムを載置して露光、現像処理することにより、接続パッド部分を露出させる。この場合、ソルダーレジスト層をドライフィルム化したものを貼り付けて、露光・現像もしくはレーザにより開口を形成させてもよい。
ソルダーレジスト層から露出した接続パッド上に、ニッケル−金などの耐食層を形成する。このとき、ニッケル層の厚みは、1〜7μmが望ましく、金層の厚みは0.01〜0.1μmが望ましい。これらの金属以外にも、ニッケル−パラジウム−金、金(単層)、銀(単層)等を形成してもよい。
その後、接続パッド上に、半田体を供給し、この半田体の溶融・固化によって半田バンプを形成して、多層回路基板が形成される。
上述したような工程により形成した多層プリント配線板においては、その最も外側の導体層の一部が所定のピッチで接続パッドとして形成され、この接続パッドのピッチをコア基板に形成した隣接するめっき充填スルーホール間のピッチと同一に形成することが、PKGに実装されるチップを介した配線抵抗を下げることができるので、電源供給確保という観点から有利である。
(実施例1−1)
(1) まず、多層プリント配線板を構成する一つの単位としての回路基板(コア)を製作する。この回路基板は積層されるべき複数の絶縁層のうち積層中心となるべき基板であり、エポキシ樹脂をガラスクロスに含浸させてBステージとしたプリプレグと銅箔とを積層して加熱プレスすることにより得られる両面銅張積層板10を出発材料として用いる(図4(a)参照)。
前記絶縁性樹脂基材12の厚さは300μm、銅箔14の厚さは3μmである。この積層板の銅箔を3μmよりも厚いものを用いて、エッチング処理により、銅箔の厚みを3μmに調整してもよい。
(2) 両面回路基板10の一方の表面の所定位置に対して炭酸ガスレーザ照射を行って、一方の銅箔14を貫通し、かつ絶縁性樹脂基材12の厚み方向の中央部から他方の表面に近い部分に至る第1の開口部16を形成する(図4(b)参照)と共に、両面回路基板10の他方の表面の前記所定位置に対応する位置から15μmずれた位置に炭酸ガスレーザ照射を行って、他方の銅箔14を貫通し、かつ絶縁性樹脂基材12の厚み方向の中央部から一方の表面に近い部分に至って、前記第1の開口部16に連通するような第2の開口部18を形成する。結果として、第1および第2の開口部16、18が連通することによってスルーホール形成用の貫通孔20を形成する。
なお、この実施例においては、スルーホール形成用の貫通孔20の形成には、例えば、日立ビア社製の高ピーク短パルス発振型炭酸ガスレーザ加工機を使用し、パルス幅:10〜20μs、ショット数:1〜5のレーザ加工条件にて行う。第1の開口部16および第2の開口部18の開口径がほぼ150μmであると共に、基板の厚み方向のほぼ中央部付近でのネック部の口径、即ち、最も縮径された部分の最短距離(図1中、Xで示される)がほぼ87μmであり、第1および第2の開口部16,18の重心軸のずれ量が15μmであるような貫通孔20を、ピッチ150μmで形成する。
このような条件で形成された貫通孔20は、中心軸が互いにずれて配置された第1および第2の開口部16,18が、その内壁が絶縁性樹脂基材12の表面に対してテーパ(内角)をなすような円錐台形の一部から形成され、基材の厚み方向の中央部付近で、共通の接合断面で接合された形態に形成されている。
この接合断面(図2参照)は、絶縁性樹脂基材の表面と平行ではない。また、隣り合う接合断面の重心位置は、絶縁性樹脂基材の断面方向においてずれていることが好ましい(図3参照)。
(3) その後、レーザ加工により形成した貫通孔20内を、Oプラズマや、CFプラズマ等の物理的方法によって、内壁に残存する樹脂や粒子の残渣を除去するデスミア処理を施す。さらに、デスミア処理を終えた基板を水洗、酸性脱脂した後、ソフトエッチング処理を施してもよい。
(4) 次に、デスミア処理を施した基板を、以下のような組成の無電解銅めっき水溶液中に浸漬して、基板の両面に貼付した銅箔14の表面全体および貫通孔20の内壁に、厚さ0.6μmの無電解銅めっき膜22を形成した。(図4(d))。
(無電解銅めっき液)
硫酸銅: 0.03mol/l
EDTA: 0.200mol/l
HCHO: 0.18g/l
NaOH: 0.100mol/L
α、α'−ビピリジル: 100mg/l
ポリエチレングリコール: 0.10g/l
(めっき条件)
液温:30〜50℃
時間:40〜60分
(5) 次いで、基板を50℃の水で洗浄して脱脂し、25℃の水で水洗後、さらに硫酸で洗浄してから、以下の条件で電解めっきを施し、電解めっき膜24を形成した(図5(a)参照)。
〔電解銅めっき液〕
硫酸 2.24mol/l
硫酸銅 0.26mol/l
添加剤 19.5ml/l
レベリング剤 50mg/l
光沢剤 50mg/l
〔電解めっき条件〕
電流密度 1.0A/dm2
時間 30〜90分
温度 22±2 ℃
(6) なお、図5においては、無電解めっき膜22の表示を簡単化のために省略した。前記電解銅めっき膜を形成した基板に、フィルム状レジスト膜を貼り付け、このレジスト膜上に予め回路が描画されたマスクを載置して、露光、現像処理することによってエッチングレジスト層28を形成した(図5(b)参照)。その後、エッチングレジスト非形成部分の金属層をエッチングして、絶縁性樹脂基材の表面および裏面に厚さが20〜30μmの内層の導体回路30を形成すると共に、スルーホール26の真上に位置してスルーホールランド32を形成することによって、コア基板を作製した(図5(c)参照)。
なお、導体回路30や、スルーホールランド32を介してスルーホールが100個連結した配線を形成してある。
次いで、コア基板上に層間樹脂絶縁層と導体層とを交互に積層してビルドアップ配線層を形成することによって多層化されたプリント配線板を形成する。
(7) 上記基板を水洗、酸性脱脂した後、ソフトエッチングし、次いで、エッチング液を基板の両面にスプレイで吹きつけて、内層導体回路30(スルーホールランド32を含む)の表面をエッチングすることにより、内層導体回路30(スルーホールランド32を含む)の全表面に粗化面(図示を省略)を形成した。
エッチング液としては、イミダゾール銅(II)錯体10重量部、グリコール酸7重量部、塩化カリウム5重量部からなるエッチング液(メック社製、メックエッチボンド)を使用した。
(8) 基板の両面に、基板より少し大きめの層間樹脂絶縁層用樹脂フィルム(例えば、味の素社製のABF)を基板上に載置し、圧力0.4MPa、温度80℃、圧着時間10秒の条件で仮圧着して裁断した後、さらに、以下の方法により真空ラミネーター装置を用いて貼り付けることにより層間樹脂絶縁層36を形成した。
すなわち、層間樹脂絶縁層用樹脂フィルムを基板上に、真空度67Pa、圧力0.4MPa、温度80℃、圧着時間60秒の条件で本圧着し、その後、170℃で30分間熱硬化させた。
(9) 次に、層間樹脂絶縁層36に、厚さ1.2mmの貫通孔が形成されたマスクを介して、波長10.4μmのCO2 ガスレーザにて、ビーム径4.0mm、トップハットモード、パルス幅8.0μ秒、マスクの貫通孔の径1.0mm、1〜3ショットの条件で層間樹脂絶縁層に、直径60μmのバイアホール用開口38を形成した(図5(d)参照)。
(10) バイアホール用開口38を形成した基板を、60g/lの過マンガン酸を含む80℃の溶液に10分間浸漬し、層間樹脂絶縁層36の表面に存在する粒子を除去することにより、バイアホール用開口38の内壁を含む層間樹脂絶縁層36の表面を粗化面(図示を省略)とした。
(11) 次に、上記処理を終えた基板を、中和溶液(シプレイ社製)に浸漬してから水洗いした。
さらに、粗面化処理(粗化深さ3μm)した該基板の表面に、パラジウム触媒を付与することにより、層間樹脂絶縁層36の表面およびバイアホール用開口38の内壁面に触媒核を付着させた(図示せず)。すなわち、上記基板を塩化パラジウム(PdCl2 )と塩化第一スズ(SnCl2 )とを含む触媒液中に浸漬し、パラジウム金属を析出させることにより触媒を付与した。
(12) 次に、以下の組成の無電解銅めっき水溶液中に、触媒を付与した基板を浸漬して、粗面全体に厚さ0.6〜3.0μmの無電解銅めっき膜を形成し、バイアホール用開口38の内壁を含む層間樹脂絶縁層36の表面に無電解銅めっき膜(図示を省略)が形成された基板を得た。
〔無電解銅めっき水溶液〕
硫酸銅: 0.03mol/l
EDTA: 0.200mol/l
HCHO: 0.18g/l
NaOH: 0.100mol/L
α、α'−ビピリジル: 100mg/l
ポリエチレングリコール: 0.10g/l
(めっき条件)
液温:30〜50℃
時間:40〜60分
(13) 無電解銅めっき膜が形成された基板に市販の感光性ドライフィルムを張り付け、マスクを載置して、100mJ/cm2 で露光し、0.8%炭酸ナトリウム水溶液で現像処理することにより、厚さ20μmのめっきレジスト(図示を省略)を設けた。
(14) 次いで、基板を50℃の水で洗浄して脱脂し、25℃の水で水洗後、さらに硫酸で洗浄してから、以下の条件で電解めっきを施し電解めっき膜を形成した。
〔電解めっき液〕
硫酸 2.24 mol/l
硫酸銅 0.26 mol/l
添加剤 19.5 ml/l
レベリング剤 50 mg/l
光沢剤 50 mg/l
〔電解めっき条件〕
電流密度 1 A/dm2
時間 65 分
温度 22±2 ℃
このめっき処理においては、めっきレジスト非形成部に、厚さ20μmの電解銅めっき膜を形成すると共に、バイアホール用開口38に電解めっき膜を充填した。
(15) さらに、めっきレジストを5%KOHで剥離除去した後、そのめっきレジスト下の無電解めっき膜を硫酸と過酸化水素との混合液でエッチング処理して溶解除去し、ビアランドを含んだフィルドビア40および独立の外層の導体回路44を形成した(図6(a)参照)。
(16) 次いで、上記(8)と同様の処理を行い、外層の導体回路44の表面、フィルドビア40の表面に粗化面(図示を省略)を形成した。
(17) 上記(8)〜(15)の工程を繰り返すことにより、さらに外層の層間絶縁層46、外層の導体回路48、フィルドビア50を形成し、多層配線板を得た(図6(b)参照)。
(18) 次に、多層配線基板の両面に、市販のソルダーレジスト組成物を20μmの厚さで塗布し、70℃で20分間、70℃で30分間の条件で乾燥処理を行った後、ソルダーレジスト開口部のパターンが描画された厚さ5mmのフォトマスクをソルダーレジスト層に密着させて1000mJ/cm2 の紫外線で露光した後、現像処理して、60μmの直径の開口54を形成した(図6(c)参照)。
そして、さらに、80℃で1時間、100℃で1時間、120℃で1時間、150℃で3時間の条件でそれぞれ加熱処理を行ってソルダーレジスト層を硬化させ、開口を有し、その厚さが20μmのソルダーレジストパターン層52を形成した。
(19)次に、ソルダーレジスト層52を形成した基板を、塩化ニッケル(2.3×10-1mol/l)、次亜リン酸ナトリウム(2.8×10-1mol/l)、クエン酸ナトリウム(1.6×10-1mol/l)を含むpH=4.5の無電解ニッケルめっき液に20分間浸漬して、開口部54に厚さ5μmのニッケルめっき層(図示を省略)を形成した。さらに、その基板をシアン化金カリウム(7.6×10-3mol/l)、塩化アンモニウム(1.9×10-1mol/l)、クエン酸ナトリウム(1.2×10-1mol/l)、次亜リン酸ナトリウム(1.7×10-1mol/l)を含む無電解金めっき液に80℃の条件で7.5分間浸漬して、ニッケルめっき層上に、厚さ0.03μmの金めっき層(図示を省略)を形成した。
(20)さらに、基板のICチップを載置する面のソルダーレジスト層52の開口54に、スズ−鉛を含有するはんだペーストを印刷し、さらに他方の面のソルダーレジスト層52の開口54にスズ−アンチモンを含有するはんだペーストを印刷した後、230℃でリフローすることによりはんだバンプ56を形成して、多層プリント配線板とした(図6(d)参照)。
(実施例1−2)
第1の開口部16および第2の開口部18の重心軸のずれ量が5μm、ネック部の口径が76μmであるような貫通孔20をレーザビーム照射によって形成した以外は、実施例1−1と同様にして多層プリント配線板を製造した。
(実施例1−3)
第1の開口部16および第2の開口部18の重心軸のずれ量が10μm、ネック部の口径が80μmであるような貫通孔20をレーザビーム照射によって形成した以外は、実施例1−1と同様にして多層プリント配線板を製造した。
(実施例1−4)
第1の開口部16および第2の開口部18の重心軸のずれ量が20μm、ネック部の口径が91μmであるような貫通孔20をレーザビーム照射によって形成した以外は、実施例1−1と同様にして多層プリント配線板を製造した。
(実施例1−5)
第1の開口部16および第2の開口部18の重心軸のずれ量が25μm、ネック部の口径が97μmであるような貫通孔20をレーザビーム照射によって形成した以外は、実施例1−1と同様にして多層プリント配線板を製造した。
(実施例1−6)
第1の開口部16および第2の開口部18の重心軸のずれ量が30μm、ネック部の口径が110μmであるような貫通孔20をレーザビーム照射によって形成した以外は、実施例1−1と同様にして多層プリント配線板を製造した。
(参考例1−1)
第1の開口部16および第2の開口部18の重心軸のずれ量が3μm、ネック部の口径が74μmであるような貫通孔20をレーザビーム照射によって形成した以外は、実施例1−1と同様にして多層プリント配線板を製造した。
(参考例1−2)
第1の開口部16および第2の開口部18の重心軸のずれ量が35μm、ネック部の口径が95μmであるような貫通孔20をレーザビーム照射によって形成した以外は、実施例1−1と同様にして多層プリント配線板を製造した。
実施例1−1〜1−6および参考例1−1〜1−2において、絶縁性樹脂基材の厚さが100μmであるような両面銅張積層板を用い、レーザ用マスクの開口径、炭酸ガスレーザ照射条件を変えて、第1の開口部16および第2の開口部18の直径を75μmとする以外は、同様にして多層プリント配線板を製造し、これらを実施例2−1〜2−6および参考例2−1〜2−2とする。
このときの重心軸のずれ量とネック部の口径を表1、表2に記載する。
同様に、実施例1−1〜1−6および参考例1−1〜1−2において、絶縁性樹脂基材の厚さが500μmであるような両面銅張積層板を用い、レーザ用マスクの開口径、炭酸ガスレーザ照射条件を変えて第1の開口部16および第2の開口部18の直径を300μmとする以外は、同様にして多層プリント配線板を製造し、これらを実施例3−1〜3−6および参考例3−1〜3−2とする。
このときの重心軸のずれ量とネック部の口径を表2に記載する。
上記実施例1−1〜3−6および参考例1−1〜3−2にしたがって製造された多層プリント配線板について、以下のAのような評価試験を行った。それらの評価試験の結果を、表1および表2に示す。
A.ヒートサイクル試験
多層プリント配線板のコア基板の表裏の導体回路で、スルーホールを100個連結した配線の接続抵抗を測定し(初期値)、その後、−55℃×5分⇔125℃×5分を1サイクルとするヒートサイクル条件下で、1000回のサイクル試験を繰り返して行ない、再度、接続抵抗を測定する。
ここで、接続抵抗の変化量(100×(ヒートサイクル後の接続抵抗値−初期値の接続抵抗値)/初期値の接続抵抗値)が10%以内ならば、合格(○で示す)とし、10%を越えたものを不良(×で示す)とする。
測定結果は、各実施例では全て合格であり、各参考例では全て不合格である。
各参考例の多層プリント配線板のコア基板について、貫通孔に充填されためっき(スルーホール)内にボイドが存在するかどうかを、X線テレビシステム(島津製作所製、商品名「SMX−100」)を用いて観察した。スルーホールはランダムに100個選んで観察した。
各参考例のコア基板では、ボイドの存在が多数確認された。ずれ量が少ないと、ボイドが発生するのは、コア基板の表裏からスルーホール内に入ってくるめっき液が、正面衝突するからではないかと推察している。一方、ずれ量が30μmを超えると、ずれ量が大きすぎるため、貫通孔が図7(a)〜(b)に示すような奇形状となり易いからではないかと推察している。
Figure 0005432228
Figure 0005432228
上記評価試験Aの結果から、各実施例にしたがって製造されたプリント配線板では、めっき充填スルーホールの縮径された中央部周辺でのクラック発生が阻止され、良好な電気的接続性や機械的強度が得られることが確認された。
上記各実施例では、絶縁性樹脂基材(コア基板)に設けた貫通孔内にめっき充填しているが、貫通孔の内壁にスルーホール導体を形成し、さらにスルーホール導体で囲まれた空隙に充填材を充填してなるスルーホール(図8参照)としても、ずれ量に対するヒートサイクル試験結果は同様である。
以上説明したように、本発明は、ボイド等の欠陥やクラックの発生を低減させて、基板の接続不良を低減させ、かつ基板の機械的強度の向上に有利なプリント配線板を提供する。
本発明のプリント配線板におけるスルーホールの形状を説明するための概略図である。 スルーホールのネック部の接合断面を示す概略図である。 隣接するスルーホールの重心位置が異なる例を示す概略図である。 (a)〜(d)は、本発明の一実施例にかかるプリント配線板を製造する工程の一部を示す図である。 (a)〜(d)は、本発明の一実施例にかかるプリント配線板を製造する工程の一部を示す図である。 (a)〜(d)は、本発明の一実施例にかかるプリント配線板を製造する工程の一部を示す図である。 (a)〜(b)は、スルーホールの重心位置のずれ量が大きい場合の奇形状を示す概略図である。 貫通孔の内壁にスルーホール導体を形成し、さらにスルーホール導体で囲まれた空隙に充填材を充填してなるスルーホールを示す概略図である。 (a)〜(d)は、従来技術にかかるプリント配線板の製造工程を示す図である。 (a)〜(b)は、従来技術にかかる他のプリント配線板のスルーホール形状を説明するための図である。
10 両面銅張積層板
12 絶縁性樹脂基材
14 銅箔
16 第1の開口部
18 第2の開口部
20 貫通孔
22 無電解めっき膜
24 電解めっき膜
26 めっき充填スルーホール
30 内層の導体回路
32 スルーホールランド
36 層間樹脂絶縁層
40 ビアホール
44 外層の導体回路
46 層間樹脂絶縁層
50 ビアホール
52 ソルダーレジスト層
56 バンプ

Claims (12)

  1. 絶縁性樹脂基材に設けた貫通孔内にめっき充填してなるスルーホールを有するプリント配線板において、
    前記スルーホールはネック部を有する形状であり、
    前記絶縁性樹脂基材の表面および裏面から露出する部分における前記スルーホールの重心軸の位置が互いにずれており、
    前記スルーホールのネック部における接合断面の重心位置は、隣り合うスルーホールで前記絶縁性樹脂基材の断面方向においてずれていることを特徴とするプリント配線板。
  2. 絶縁性樹脂基材に設けた貫通孔内にめっき充填してなるスルーホールを有し、かつそのスルーホールによって電気的に接続される内層の導体回路を前記絶縁性樹脂基材の表面および裏面に有するコア基板と、そのコア基板上に交互に形成された樹脂絶縁層および外層の導体回路と、を備えてなる多層プリント配線板において、
    前記スルーホールはネック部を有する形状であり、
    前記絶縁性樹脂基材の表面および裏面から露出する部分における前記スルーホールの重心軸の位置が互いにずれており、
    前記スルーホールのネック部における接合断面の重心位置は、隣り合うスルーホールで前記絶縁性樹脂基材の断面方向においてずれていることを特徴とする多層プリント配線板。
  3. 前記ネック部を結んだ線で囲まれる平面領域は、前記絶縁性樹脂基材の表面と平行にならないことを特徴とする請求項1または2に記載のプリント配線板。
  4. 前記貫通孔は、前記絶縁性樹脂基材の表面に開口する第1開口部と、前記絶縁性樹脂基材の裏面に開口する第2開口部とからなることを特徴とする請求項1または2に記載のプリント配線板。
  5. 前記絶縁性樹脂基材の表面および裏面から露出する部分における前記スルーホールの重心軸の位置のずれ量は、5〜30μmであることを特徴とする請求項1または2に記載のプリント配線板。
  6. 前記第1開口部と前記第2開口部との径は略同一であることを特徴とする請求項4に記載のプリント配線板。
  7. 前記絶縁性樹脂基材は、ガラス布エポキシ樹脂基材、ガラス布ビスマレイミドトリアジン樹脂基材、ガラス布ポリフェニレンエーテル樹脂基材、アラミド不織布−エポキシ樹脂基材、アラミド不織布−ポリイミド樹脂基材からなる群から選ばれることを特徴とする請求項1または2に記載のプリント配線板。
  8. 前記絶縁性樹脂基材の厚さは、100〜500μmであることを特徴とする請求項1または2に記載のプリント配線板。
  9. 隣接する前記スルーホール間のピッチは、100〜400μmであることを特徴とする請求項1または2に記載のプリント配線板。
  10. 絶縁性樹脂基材を貫通する貫通孔にめっき充填されてなるスルーホールを有し、かつそのスルーホールによって電気的に接続される導体回路を前記絶縁性樹脂基材の表面および裏面に有するプリント配線板を製造するに当たって、
    少なくとも以下の(1)〜(4)の工程、即ち、
    (1) 絶縁性樹脂基材の両面に銅箔が貼付されてなる銅張積層板の一方の表面の所定位置にレーザ照射を行って、絶縁性樹脂基材の内部に向かうにつれて縮径されるような形状を有する第1の開口部を形成する工程、
    (2) 前記絶縁性樹脂基材を挟んで前記所定位置と対面する前記銅張積層板の他方の表面の箇所から、前記第1の開口部の重心位置と重ならないような位置にレーザ照射を行って、前記絶縁性樹脂基材の内部に向かうにつれて縮径されるような形状を有し、かつ絶縁性樹脂基材の厚み方向中央部付近で前記第1の開口部と連通してネック部を形成し、前記ネック部を結んだ線で囲まれる平面領域が前記絶縁性樹脂基材の表面と平行にならないようにする第2の開口部を形成し、前記第1の開口部と前記第2の開口部との接合断面の重心位置が、隣り合うスルーホールで前記絶縁性樹脂基材の断面方向においてずれている工程、
    (3) 前記基板に対して無電解めっきを施して、前記第1および第2の開口部の内壁に無電解めっき膜を形成する工程、
    (4) 前記基板に電解めっきを施して、前記無電解めっき膜上に電解めっき膜を形成すると共に、前記第1および第2の開口部内部にめっき充填してスルーホールを形成する工程、
    を含んでいることを特徴とするプリント配線板の製造方法。
  11. 前記第1開口部は、前記絶縁性樹脂基材の厚み方向の中央部から裏面に近い部分に至るように設けられ、
    前記第2開口部は、前記絶縁性樹脂基材の厚み方向の中央部から表面に近い部分に至るように設けられることを特徴とする、請求項10記載のプリント配線板の製造方法。
  12. 前記第1開口部を形成するレーザ加工条件と、前記第2開口部を形成するレーザ加工条件とは同一であることを特徴とする、請求項10または11記載のプリント配線板の製造方法。
JP2011248928A 2011-11-14 2011-11-14 プリント配線板およびその製造方法 Active JP5432228B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2011248928A JP5432228B2 (ja) 2011-11-14 2011-11-14 プリント配線板およびその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2011248928A JP5432228B2 (ja) 2011-11-14 2011-11-14 プリント配線板およびその製造方法

Related Parent Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2006044968A Division JP5021216B2 (ja) 2006-02-22 2006-02-22 プリント配線板およびその製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2012060150A JP2012060150A (ja) 2012-03-22
JP5432228B2 true JP5432228B2 (ja) 2014-03-05

Family

ID=46056788

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2011248928A Active JP5432228B2 (ja) 2011-11-14 2011-11-14 プリント配線板およびその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5432228B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016054245A (ja) * 2014-09-04 2016-04-14 凸版印刷株式会社 多層印刷配線板及びその製造方法
JP7302318B2 (ja) * 2019-06-13 2023-07-04 セイコーエプソン株式会社 配線基板、配線基板の製造方法、インクジェットヘッド、memsデバイスおよび発振器

Family Cites Families (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6211468B1 (en) * 1998-08-12 2001-04-03 3M Innovative Properties Company Flexible circuit with conductive vias having off-set axes
JP5021216B2 (ja) * 2006-02-22 2012-09-05 イビデン株式会社 プリント配線板およびその製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2012060150A (ja) 2012-03-22

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5021216B2 (ja) プリント配線板およびその製造方法
US8966750B2 (en) Method of manufacturing a multilayered printed wiring board
TWI387424B (zh) Multilayer printed wiring board
US7832098B2 (en) Method of manufacturing a multilayered printed circuit board
JP5432228B2 (ja) プリント配線板およびその製造方法
WO2014024754A1 (ja) 半導体パッケージ用回路基板及びその製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20130125

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20130205

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20130408

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20131203

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20131205

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5432228

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250