JP5431110B2 - 血栓形成をモニタリングするためのシステム - Google Patents
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Description
一般に、遊離組織移植術後の血流の確認は、移植組織が体表から観察可能な場合には組織の色調、温度、弾性、毛細血管の再充血などを判断材料として、医師による診察によって行われることが多い。その他、レーザー温度計なども用いられるが、適応範囲は限られている。移植組織が体内に埋入されており、体表からの観察が困難である場合には、ドップラー超音波を利用して血流が確認されることが多い。しかしながら、医師による診察は客観性に乏しく、複数の医師の総合的判断で血栓形成の可能性が高いとされた場合に再手術を行い、吻合血管を直視下に確認して血栓形成の有無が判断されることも多い。また、ドップラー超音波を用いた観察では、観察対象である吻合血管ではなく、その周囲に存在する血管の血流を観察している場合も多く、結果として、血流音が確認されているにも関わらず、吻合血管は血栓を形成していたということも多く存在する。従って、現状においては、いずれの方法も熟練した医師による確認を必要とするものであり、かつ、手法自体に不確実性が存在することが否めない。また、先述したように、血栓が形成された場合には、2時間以内に再手術を行うことが望ましいが、そのためには頻回の観察作業を必要とするため、医療従事者の負担が大きい状況にある。
Wister系ラット(体重約300g)の鼡径部に3.5×7cm大の大腿動静脈を茎とする皮弁を挙上した。皮弁の皮下の肉眼的には無血管野に先端以外が絶縁された4端子電極(電極間の距離は1mm)を刺入した。LCRメータを用いて1kHz,0.1Vの設定で交流電流を印加して電圧を測定し、印加した交流電流と測定された電圧からインピーダンスの大きさと位相の数値を求め、パーソナルコンピュータを用いて両者の数値の経時的な推移を画面上に表示した。
皮弁挙上操作後約60〜120分でインピーダンスの大きさと位相の数値は経時的にほぼ安定し、インピーダンスの大きさは8000〜12000Ω、インピーダンスの位相は−60〜−30°の範囲にあった。その変動の割合はいずれも10分間で0.5%程度であった。次に、皮弁を栄養する動脈に血栓が形成することで血流が遮断された状態の模擬状態として動脈をクランプすると、インピーダンスの大きさと位相の数値はいずれも10分間で約7〜10%の割合で低下し、低下は1時間程度持続した(図1:時間0分が動脈をクランプした時点)。
以上の結果から、インピーダンスの大きさと位相の経時的に維持されていた数値の変動によって血栓形成が検知できることがわかった。特筆すべきは、クランプした動脈の近傍とは言えない皮弁の皮下の肉眼的には無血管野に交流電流を印加して電圧を測定しているにもかかわらず、血流の遮断を正確に検知できたことであり、従って、臨床上の吻合部トラブルの原因となりうる吻合部近傍への測定機器の留置の回避が期待できた。
動脈をクランプするかわりに静脈をクランプすること以外は実施例1と同様の実験を行ったところ、実施例1における結果と同様に、血流の遮断をインピーダンスの大きさと位相の数値の変動によって検知することができた(図2:時間0分が静脈をクランプした時点)。
実施例1と同様の実験動物を用い、動脈をクランプし、その2時間後にクランプを解除し、1時間経過した後、今度は静脈をクランプし、その1時間後にクランプを解除した。動脈をクランプする時点の1時間前の時点から静脈のクランプを解除して10分後の時点までのインピーダンスの大きさと位相の数値の変動を、インピーダンスベクトル(Z)の終点の軌跡として複素ベクトル平面上に表示した。5分毎にプロットした結果を図3に示す。
図3から明らかなように、動脈をクランプする前の安静時にはベクトルの終点の変動はそれほど認められず、血行動態が安定していたが、動脈をクランプすると、血流が遮断されたことでベクトルの終点は急激に変動し、グラフの右下方向に移動した。2時間後にクランプを解除すると、血流の回復によりベクトルの終点は上方向に移動した後、血行動態の安定に向かうべく下方向に転じ、1時間後、動脈をクランプする前の安静時のベクトルの終点に近づいた。次に、静脈をクランプすると、ベクトルの終点は、一過的に血液の貯留が起こることに起因すると考えられる変動としていったん左下方向に移動した後、右方向に移動した。1時間後にクランプを解除すると、血流の回復によりベクトルの終点は上方向に移動した。
以上の結果から、抵抗の要素を示す横軸(実数軸)と容量の要素を示す縦軸(虚数軸)からなる複素ベクトル平面上に、インピーダンスの大きさと位相の数値を組み合わせて表現されるベクトルの終点を表示することで、両者の変動をベクトルの終点の急激な変動(右〜右下への移動)として容易に読み取ることができた。
Claims (1)
- 血栓形成をモニタリングするためのシステムであって、血栓が形成される可能性のある部位の肉眼的に無血管野に交流電流を印加して電圧を測定することで取得されたインピーダンスの大きさと位相の計算値をデータ処理し、両者の経時的に維持されていた数値のある時点を境にした変動によって検知される血栓形成を表示するようにしたことを特徴とするシステム。
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JP2009242551A JP5431110B2 (ja) | 2009-10-21 | 2009-10-21 | 血栓形成をモニタリングするためのシステム |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2009242551A JP5431110B2 (ja) | 2009-10-21 | 2009-10-21 | 血栓形成をモニタリングするためのシステム |
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JP5431110B2 true JP5431110B2 (ja) | 2014-03-05 |
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JP2009242551A Expired - Fee Related JP5431110B2 (ja) | 2009-10-21 | 2009-10-21 | 血栓形成をモニタリングするためのシステム |
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