JP5429997B2 - 圧縮ガス充填方法、及び圧縮ガス充填装置 - Google Patents

圧縮ガス充填方法、及び圧縮ガス充填装置 Download PDF

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Description

本発明は、酸素、窒素、アルゴン等の圧縮ガスを圧力容器に充填するための圧縮ガス充填方法及び圧縮ガス充填装置に関する。
酸素や窒素、アルゴン等の圧縮ガスは、ガス充填工場で圧力容器に充填されている。ガス充填工場では作業の効率化が求められるため、複数本の圧力容器をガス充填装置に接続してガスの充填作業が行われている(例えば、特許文献1)。一般に、ガスの充填方法には、新規充填と増充填がある。新規充填は、新しく製造された圧力容器を使用する場合や、法定点検を受けた圧力容器を点検後に初めて使用する場合等のように、空の圧力容器に対して、ガス製造装置等のようなガス供給源から供給される圧縮ガスを充填する方法である。また、増充填は、消費者から回収した圧力容器等のように、内部に圧縮ガスが残存する圧力容器に対して圧縮ガスを追加充填する方法である。
また、ガス充填工場では、圧縮ガスの充填作業後に品質検査が行われる。この品質検査は、圧縮ガスの充填作業を行った圧力容器に対して、圧力容器内の圧縮ガスに含まれる不純物ガスの濃度が、製品として出荷できるものとして予め定められている不純物ガスの濃度(以下、製品合格値という。)以下か否かを検査するために行われる。この品質検査で、圧力容器内の圧縮ガスに含まれる不純物ガスの濃度が製品合格値を超えていた場合には、圧力容器内の圧縮ガスを全て廃棄した後に、充填するガスと同一のガスで圧力容器内の洗浄等を行い、新たに圧縮ガスを充填する作業が行われる。
通常は、圧力容器内には高圧の圧縮ガスが充填されているので、圧力容器内に不純物ガスが混入することはなく、消費者から回収した圧力容器に圧縮ガスを増充填しても、圧力容器内の圧縮ガスに含まれる不純物ガスの濃度が製品合格値を超えることはない。しかし、何らかの原因で圧力容器内の圧縮ガスに含まれる不純物ガスの濃度が上昇することがあった。
従来は、増充填後に品質検査を行っていたため、圧力容器内の圧縮ガスに含まれる不純物ガスの濃度が製品合格値以下か否かを、増充填前に知ることができないという問題があった。また、増充填後の品質検査によって圧力容器内の圧縮ガスに含まれる不純物ガスの濃度が製品合格値を超えていることが判明した場合には、圧力容器内に残存する圧縮ガスだけでなく増充填によって新たに充填した圧縮ガスも全て廃棄しなければならなかったため、圧縮ガスのロスが大きいという問題もあった。
このような問題を解決するために、増充填前に圧力容器内の圧縮ガスに含まれる不純物ガスの濃度を測定し、増充填した圧力容器内の圧縮ガスに含まれる不純物ガスの濃度が製品合格値以下か否かを予測することも行われている(例えば、特許文献2)。
特開平7−133896号公報 特開2002−71093号公報
しかしながら、特許文献2に記載された方法は、圧力容器内の圧縮ガスに含まれる不純物ガスの濃度を1本ずつ個別に予測するものであるため、複数本の圧力容器内の圧縮ガスに含まれる不純物ガスの濃度を同時に予測することができないという問題があった。また、特許文献2に記載された方法では、各圧力容器内の圧縮ガスに含まれる不純物ガスの濃度を1本ずつ予測することはできるものの、複数本の圧力容器内の圧縮ガスに含まれる不純物ガスの濃度を全て予測するには非常に手間がかかり、作業時間が大幅に増加するという問題があった。
本発明は、このような問題点を解決するためになされたもので、増充填後の不純物ガスの濃度が製品合格値(許容値)を超えるものであるか否かを増充填前の複数の圧力容器について迅速に予測することが可能であり、また、増充填した圧縮ガスを廃棄することに起因する圧縮ガスの廃棄量削減が可能な圧縮ガス充填方法及び圧縮ガス充填装置を提供することを目的とする。
本発明は、以下の(1)ないし(4)を要旨とする。
(1)圧縮ガス供給源から圧縮ガスが供給される主配管と、前記主配管から分岐して複数の圧力容器に圧縮ガスを供給するための各圧力容器との接続部を有する複数の充填用分岐配管と、前記主配管においていずれの充填用分岐配管よりも上流側に設けられた第1開閉弁と、前記主配管から延長または分岐した放出用配管と、前記放出用配管に設けられた第2開閉弁と、圧縮ガスに含まれる不純物ガスの濃度を測定する分析手段と、前記主配管から分岐して前記分析手段に接続された分析用分岐配管と、前記分析用分岐配管に設けられた第3開閉弁と、を備える圧縮ガス充填装置を用いて、前記圧縮ガス供給源から供給される圧縮ガスを前記複数の圧力容器に充填する圧縮ガス充填方法において、前記接続部に接続された前記圧力容器の元弁を開放するとともに前記第1開閉弁、第2開閉弁及び第3開閉弁を閉止し、前記第1開閉弁、第2開閉弁及び第3開閉弁で挟まれた系内の圧力を均圧化する第1の工程と、前記第2開閉弁を開放し、前記系内の圧縮ガスの一部を放出する第2の工程と、前記第2開閉弁を閉止するとともに前記第3開閉弁を開放し、前記系内の圧縮ガスに含まれる不純物ガスの濃度を前記分析手段で測定する第3の工程と、前記分析手段によって測定された前記不純物ガスの濃度が、圧縮ガス充填後の圧力容器内の圧縮ガスに含まれる不純物ガスの濃度の許容値と圧力容器への充填条件とから算出される充填前分析合格値以下であるか否かを判定する第4の工程と、前記分析手段で測定された不純物ガスの濃度が前記充填前分析合格値以下であると判定された場合に、前記第1開閉弁を開放して、前記複数の圧力容器に前記圧縮ガスを充填する第5の工程と、を有することを特徴とする圧縮ガス充填方法。
(2)前記第1の工程の後、均圧化した系内の圧力が充填前分析合格値を算出する条件の一つとして設定される設定圧力よりも高い場合には第2開閉弁を開放して前記設定圧力まで低下させ、均圧化した前記系内の圧力が前記設定圧力よりも低い場合には前記第1開閉弁を開放して前記設定圧力まで圧縮ガスを充填し、前記系内の圧力が前記設定圧力に達した場合には、開放されている前記第1開閉弁又は第2開閉弁を閉止して、その後第2の工程を行う上記(1)記載の圧縮ガス充填方法。
(3) 圧縮ガス供給源から供給される圧縮ガスを複数の圧力容器に充填するための圧縮ガス充填装置であって、前記圧縮ガスが供給される主配管と、前記主配管から分岐して複数の圧力容器に前記圧縮ガスを供給するための各圧力容器との接続部を有する複数の充填用分岐配管と、前記主配管においていずれの充填用分岐配管よりも上流側に設けられた第1開閉弁と、前記主配管から延長または分岐した放出用配管と、前記放出用配管に設けられた第2開閉弁と、圧縮ガスに含まれる不純物ガスの濃度を測定する分析手段と、前記主配管から分岐して前記分析手段に接続された分析用分岐配管と、前記分析用分岐配管に設けられた第3開閉弁と、前記分析手段によって測定された前記不純物ガスの濃度が、圧縮ガス充填後の圧力容器内における不純物ガスの濃度の許容値と圧力容器への充填条件とから算出される充填前分析合格値以下であるか否かを判定する判定手段と、前記圧力容器の元弁を開放して、前記第1開閉弁、第2開閉弁及び第3開閉弁で挟まれた系内の圧力を均圧化し、前記系内における圧縮ガスの一部を放出する場合は、前記第1開閉弁及び第3開閉弁を閉止すると共に前記第2開閉弁を開放し、前記系内における前記不純物ガスの濃度を前記分析手段で測定する場合には、前記第1開閉弁及び第2開閉弁を閉止して前記第3開閉弁を開放し、前記系内における前記不純物ガスの濃度が圧縮ガス充填後の圧力容器内における不純物ガスの濃度の許容値と圧力容器への充填条件とから算出される充填前分析合格値以下であると前記判定手段が判定し、前記圧縮ガスを各圧力容器に充填する場合には、前記第2開閉弁及び第3開閉弁を閉止して前記第1開閉弁を開放するように制御する制御手段と、を備えたことを特徴とする圧縮ガス充填装置。
(4)前記制御手段は、均圧化した系内の圧力が充填前分析合格値を算出する条件の一つとして設定される設定圧力よりも高い場合には、前記第1開閉弁及び第3開閉弁を閉止すると共に前記第2開閉弁を開放して前記設定圧力まで低下させ、均圧化した前記系内の圧力が前記設定圧力よりも低い場合には、前記第2開閉弁及び第3開閉弁を閉止すると共に前記第1開閉弁を開放して前記設定圧力まで圧縮ガスを充填させ、前記系内の圧力が前記設定圧力に達した場合に、開放されている前記第1開閉弁又は第2開閉弁を閉止して、その後前記第2開閉弁を開放して前記系内における圧縮ガスの一部を放出するように制御する上記(3)記載の圧縮ガス充填装置。
本発明の圧縮ガス充填方法によれば、圧縮ガスを増充填する前の複数本の圧力容器について、増充填をした圧力容器内の圧縮ガスに含まれる不純物ガスの濃度が製品合格値(許容値)を超えるものであるか否かを予測するのに要する時間を大幅に短縮することができ、作業効率を大幅に向上させることが可能になる。また、各圧力容器に対して一本ずつ上記の処理を行わなくてもよいので、上記の処理を行う際の手間を飛躍的に軽減させることが可能になる。
また、本発明の圧縮ガス充填装置によれば、増充填をした圧力容器内の圧縮ガスに含まれる不純物ガスの濃度が製品合格値を超えるものであるか否かを複数の圧力容器について判定した上で増充填するため、不良品の発生が無くなる。このため、増充填後に、圧力容器内に残存した圧縮ガス及び増充填によって新たに充填した圧縮ガスを廃棄することが無くなり、充填した圧縮ガスの廃棄量を大幅に削減することが可能になる。
本発明の実施の形態である圧縮ガス充填装置の構成を表したブロック図である。 本発明の実施の形態である圧縮ガス充填装置における処理の流れを表したフローチャートである。
本発明の実施の形態である圧縮ガス充填装置を図1及び図2に基づいて説明する。なお、本明細書において、上流側とは、主配管に接続されている圧縮ガス供給源に近づく方向をいい、下流側とは、圧縮ガス供給源から遠ざかる方向をいう。
なお、本実施の形態においては、主成分が窒素の窒素ガス中に不純物ガスとして酸素ガスが含まれた圧縮ガスを用いて説明するが、例えば主成分が酸素、アルゴンのような、窒素以外の圧縮ガスにも適宜用いることができる。また、酸素以外の不純物ガスを特定する場合にも適宜特定することができる。
本発明における圧縮ガス充填装置1を図1に基づいて説明する。図1は、本発明のガス充填装置の一例を示す概略構成図である。本実施の形態の圧縮ガス充填装置1は、配管11、分析器12、圧力センサ13および制御装置14から概略構成されている。配管11は、例えば銅等の金属で形成された金属管で形成されており、主配管21、放出用配管22、充填用分岐配管23及び分析用分岐配管24から構成されている。
主配管21は、圧縮ガス供給源31からの窒素ガスを供給するための管状の部材である。主配管21は、上流側に例えば窒素ガス製造装置やコールドエバポレータ等の圧縮ガス供給源31が接続され、下流側に放出用配管22が接続されている。この主配管21は、上流側から下流側に向けて、複数本の充填用分岐配管23と、分析用分岐配管24とが分岐するように形成されている。なお、圧縮ガス供給源31と第1開閉弁32との間には、昇圧装置等が設置されていてもよい。
第1開閉弁32は、圧縮ガス供給源31から供給される窒素ガスが下流側へ流れるのを防止するためのもので、主配管21においていずれの充填用分岐配管23よりも上流側に設けられている。また、第1開閉弁32は、後述する制御装置14から開信号が入力されると開放動作を行い、制御装置14から閉信号が入力されると閉止動作を行うように構成されている。例えば、第1開閉弁32は、圧縮ガス供給源31から供給される窒素ガスを圧力容器B内に充填する場合に、制御装置14から開信号が入力されることによって開放され、窒素ガスの充填が完了した場合には、制御装置14から閉信号が入力されることによって閉止されるように構成されている。なお、第1開閉弁32としては、既に公知となっている種々の自動弁を適宜用いてもよく、また自動弁ではなくて手動で開閉操作を行うバルブ等を適宜用いてもよい。
充填用分岐配管23は、複数の圧力容器Bに窒素ガスを供給するために形成された管状部材である。この充填用分岐配管23は、本実施の形態では主配管21から10本の充填用分岐配管23が分岐するように構成されており、それぞれの充填用分岐配管23は、圧力容器Bと接続するための接続部23aを有している。
接続部23aは、圧力容器Bの図示しない圧縮ガス放出口に接続される部材であり、例えばナット状の部材で形成されている。
なお、主配管21から分岐配管11を分岐する本数は適宜決定してもよく、各充填用分岐配管23の途中にバルブを設けてもよい。また、充填用分岐配管23と圧力容器Bとの接続も、上述した構成以外の構成によって充填用分岐配管23と圧力容器Bとを接続できるものであってもよい。
圧力容器Bは、窒素ガスを充填するための容器で、鋼材等により形成されている。この圧力容器Bは、上端部に元弁B1が設けられている。また、この圧力容器Bは、圧力容器B内に充填された窒素ガスの噴出や、圧力容器B内への窒素ガスの充填を行うための接続口(図示せず)が設けられている。この接続口は、元弁B1の付近から若干延出された円筒状部材(図示せず)の先端に開口形成されている。また、この円筒状の部材の外周面側には雄ネジ部(図示せず)が形成されており、充填用分岐配管23の接続部23aがネジ嵌合されることによって、円筒状部材との間で接続できるようになっている。
本実施の形態における圧力容器Bは、消費者側から回収されたもので、圧力容器B内には窒素ガスが残存している。なお、圧力容器B内に残存する窒素ガスによる圧力容器B内の圧力は、各圧力容器Bともに全て同じ圧力になっていてもよいし、各圧力容器Bの圧力が異なっていてもよい。本実施の形態の圧縮ガス充填装置1に適用する圧力容器Bとしては、通常は消費者側から回収された圧力容器Bが用いられるが、圧力容器B内に窒素ガスが残留しているもの以外でもよく、例えば消費者側から回収された圧力容器Bと空の圧力容器を混在させてもよい。
放出用配管22は、主配管21内を流れる窒素ガスを圧縮ガス充填装置1外へ放出させるためのもので、主配管21を延長した配管として形成されている。この放出用配管22は、先端部が大気開放されており、この先端部の開口から圧縮ガス充填装置1外へ窒素ガスが放出されるように構成されている。また、放出用配管22には第2開閉弁33が設けられている。なお、本実施の形態では、放出用配管22は先端部が大気開放されているが、例えば、ガス処理装置へ案内するための配管11を接続して、放出された窒素ガスをガス処理装置へ供給するようにしてもよい。また、本実施の形態では、放出用配管22は主配管21を延長させて形成されているが、主配管21から分岐させてもよい。
第2開閉弁33は、主配管21中の窒素ガスの放出を防止するためのもので、放出用配管22に設けられている。なお、第2開閉弁33の動作及び構成は第1開閉弁32と同一であるため説明を省略する。
分析用分岐配管24は、主配管21内を流れる窒素ガスを後述する分析器12へ導くためのもので、分析器12と接続されるように構成されている。また、分析用分岐配管24には、分析器12よりも上流側に第3開閉弁34が設けられている。なお、この分析用分岐配管24は、充填用分岐配管23と放出用配管22との間において主配管21から分岐することが好ましい。分析用分岐配管24を主配管21のこの位置から分岐させることにより、各圧力容器Bから流出した窒素ガスが充填用分岐配管23から主配管21を経由して放出用配管22を通じて放出される際に、各圧力容器Bから流出された窒素ガスが主配管21内で混合され、この混合された窒素ガスが主配管21から放出用配管22へ流れるので、後述する第3開閉弁34を開放したときには確実に混合された窒素ガスを分析用分岐配管24へ流入させることができ、より正確な酸素ガスの濃度を測定することが可能になる。
第3開閉弁34は、分析器12への窒素ガスの流入を制御するためのもので、分析用分岐配管24において分析器12よりも上流側に位置するように設けられている。なお、第3開閉弁34の動作及び構成は第1開閉弁32と同一であるため説明を省略する。
分析手段としての分析器12は、分析用分岐配管24から導かれた窒素ガスに含まれる酸素ガスの濃度を測定するための装置である。この分析器12には、例えば黄燐発光式酸素分析計、磁気式酸素分析計、ジルコニア式酸素分析計等のようなものが用いられるが、これ以外にも公知のものを適宜用いることができる。
圧力センサ13は、主配管21に設けられており、一定の周期で主として圧力容器B内の圧力を検出し、圧力検出信号を制御装置14に出力するように構成されている。この圧力センサ13も、公知のものを適宜用いることが可能である。また、圧力センサ13は、主配管21に直接設けてもよいし、主配管21から圧力検出用の分岐配管を別途分岐させ、その分岐させた分岐配管に圧力センサ13に設けてもよい。また、圧力センサ13は機械式のものでもよく、例えばブルドン管式圧力計、ダイアフラム圧力計又はベローズ式圧力計等のような圧力計を用いてもよい。
制御手段及び判定手段としての制御装置14は、分析器12において酸素ガスの濃度の測定が行われた場合には、分析器12から出力される分析信号を受けるとともに、圧力センサ13から出力される圧力検出信号を一定の周期で受けている。制御装置14は、分析信号を受けると、窒素ガス中に含まれる酸素ガスの濃度が、窒素ガス充填後の圧力容器内の酸素ガスの濃度の製品合格値(許容値)と圧力容器への充填条件とから算出される充填前分析合格値として設定される濃度以下か否かを判定するように構成されている。また、制御装置14は、圧力検出信号を受けると、各圧力容器B内、各充填用分岐配管23内、第1開閉弁32及び第2開閉弁33の間における主配管21内及び放出用配管22内、並びに主配管21から分岐して第3開閉弁34に至るまでの分析用分岐配管24内(以下、「第1〜第3開閉弁32〜34で挟まれた系」という。)の圧力が、例えば、充填前分析合格値を算出する条件の一つとして設定される設定圧力に到達したか等を判定するように構成されている。また、制御装置14は、分析器12及び第1〜第3開閉弁32〜34に対して各種信号を出力し、圧縮ガス充填装置の一連の動作を制御するように構成されている。
次に、本実施の形態であるガス充填装置における処理の流れを図2に基づいて説明する。図2は、ガス充填装置における処理の流れを表したフローチャートである。
通常は、この圧縮ガス充填装置1には圧力容器Bが接続されておらず、また、第1開閉弁32、第2開閉弁33及び第3開閉弁34は全て閉止されている。圧縮ガス充填装置1で圧縮ガスを充填する場合には、操作者は、圧縮ガスを充填する前段階として、まず10本の圧力容器Bをそれぞれの充填用分岐配管23の接続部23aに接続して、これら圧力容器Bの元弁B1を開き、第1〜第3開閉弁32〜34で挟まれた系内の圧力を均圧化する。このとき、接続部23aに接続した10本の圧力容器B内の圧力にバラツキがある場合には、相対的に圧力が高い圧力容器Bから圧力が低い圧力容器Bへと充填用分岐配管23及び主配管21を経由して圧力容器B内の窒素ガスが移動し、第1〜第3開閉弁32〜34で挟まれた系の圧力が均圧化される。圧縮ガス充填装置1による充填工程はその後に開始される。
ステップS1では、圧縮ガスの充填工程開始処理を行う。この処理では、例えば操作者が圧縮ガス充填装置1の電源を投入した後の初期化処理や、スタートボタンが操作されたか否かなどのような各種判定処理等が行われる。圧縮ガス充填装置1は、ステップS1における各種処理を行った後に、ステップS2〜S10において第1〜第3開閉弁32〜34で挟まれた系内の圧力を設定圧力に調整する。ここで、設定圧力とは、後述する充填前分析合格値の算出に必要な充填条件の1つである。その値はその他の充填条件や充填装置等に応じて任意に定めることができ、例えば0.1〜2MPa、好ましくは0.5〜1.1MPaとすることができる。以下では、設定圧力として1MPaを設定した場合を例に挙げて説明する。
ステップS2では、第1〜第3開閉弁32〜34で挟まれた系内の圧力が1MPaを超えているか否かを判定する。圧力センサ13は、第1〜第3開閉弁32〜34で挟まれた系内の圧力を検出し、その圧力検出信号を制御装置14に出力する。制御装置14は、圧力センサ13から圧力検出信号が入力されると、第1〜第3開閉弁32〜34で挟まれた系内の圧力が1MPaを超えているか否かを判定する。制御装置14は、第1〜第3開閉弁32〜34で挟まれた系内の圧力が1MPa以下であると判定した場合には、その後の処理をステップS3へ移行させ、第1〜第3開閉弁32〜34で挟まれた系内の圧力が1MPaを超えていると判定した場合には、その後の処理をステップS7へ移行させる。
ステップS3〜S5では、第1〜第3開閉弁32〜34で挟まれた系内の圧力が1MPa以下の場合に、その圧力を1MPaとするための処理が行われる。ステップS3では、制御装置14は、第1開閉弁32に開信号を出力して、第1開閉弁32を開放する処理が行われる。ステップS4では、第1開閉弁32が開放されると、圧縮ガス供給源31から窒素ガスが供給され、主配管21及び充填用分岐配管23を介して各圧力容器Bに窒素ガスが供給される。
ステップS5では、第1〜第3開閉弁32〜34で挟まれた系内の圧力が1MPaに到達したか否かを判定する。圧力センサ13は、第1〜第3開閉弁32〜34で挟まれた系内の圧力を検出し、圧力検出信号を制御装置14に出力する。制御装置14は、圧力センサ13から圧力検出信号が入力されると、第1〜第3開閉弁32〜34で挟まれた系内の圧力が1MPaになったか否かを判定し、その圧力がまだ1MPaになっていないと判定した場合には処理をステップS3に移行させて窒素ガスの供給を継続する。この場合、第1開閉弁32は既に開放されているので、制御装置14は、ステップS3においては再度開信号を出力せずに第1開閉弁32が開放されている状態を維持する。一方、制御装置14は、第1〜第3開閉弁32〜34で挟まれた系内の圧力が1MPaになったと判定した場合には、処理をステップS6に移行する。
ステップS6では、制御装置14は、第1開閉弁32に閉信号を出力して、第1開閉弁32を閉止する処理が行われる。これにより、第1開閉弁32は閉止され、圧縮ガス供給源31から圧力容器Bへの窒素ガスの供給が停止される。
ステップS7〜S10では、第1〜第3開閉弁32〜34で挟まれた系内の圧力が1MPaを超えている場合に、その圧力を1MPaとするための処理が行われる。ステップS7では、制御装置14は、第2開閉弁33に開信号を出力して、第2開閉弁33を開放する処理が行われる。ステップS8では、第2開閉弁33の開放によって第1〜第3開閉弁32〜34で挟まれた系内の窒素ガスの一部を圧縮ガス充填装置1外へ放出する処理が行われる。
ステップS9では、第1〜第3開閉弁32〜34で挟まれた系内の圧力が1MPaに到達したか否かを判定する。圧力センサ13は、第1〜第3開閉弁32〜34で挟まれた系内の圧力を検出し、圧力検出信号を制御装置14に出力する。制御装置14は、圧力センサ13から圧力検出信号が入力されると、第1〜第3開閉弁32〜34で挟まれた系内の圧力が1MPaになったか否かを判定する。制御装置14は、第1〜第3開閉弁32〜34で挟まれた系内の圧力がまだ1MPaになっていないと判定した場合には処理をステップS7に移行させて窒素ガスの放出を継続し、第1〜第3開閉弁32〜34で挟まれた系内の圧力が1MPaになったと判定した場合には、処理をステップS10に移行する。なお、この場合、第2開閉弁33は既に開放されているので、制御装置14は、ステップS7においては再度開信号を出力せずに第2開閉弁33が開放されている状態を維持する。
ステップS10では、制御装置14は、第2開閉弁33に閉信号を出力して、第2開閉弁33を閉止する処理を行う。これにより、第2開閉弁33は閉止され、第1〜第3開閉弁32〜34で挟まれた系内の窒素ガスの放出が停止される。
このように、第1〜第3開閉弁32〜34で挟まれた系内の圧力を均圧化した後に、圧力容器B内の圧力を設定圧力(例えば、本実施の形態においては1MPa)に調整することによって、後述するステップS17において行われる圧力容器B内の窒素ガス中に含まれる酸素ガスの濃度が充填前分析合格値以下か否かの判定を容易に行うことが可能になる。すなわち、後述するように、ステップS17での判定を行う場合には、圧力容器Bの圧力が充填前分析合格値を決定するための一つの要素となっているが、ステップS17での判定を行う際に第1〜第3開閉弁32〜34で挟まれた系内の圧力を1MPaに調整することで、ステップS17の判定を行う際に必要な充填前分析合格値をその都度算出する処理を省略でき、窒素ガスを充填する作業の処理効率を大幅に向上させることが可能になる。
また、窒素ガスを充填する作業の処理効率を向上させることによって、ステップS17において判定を行う際に要する時間を短縮化することができると共に、充填前分析合格値を算出するためのマイコンなどが不要になるため、部品点数の低減やコストの低下を図ることが可能になる。
ステップS11〜S14においては、配管11と圧力容器Bに残留しているガスの一部を放出する。
ステップS11では、制御装置14は、第2開閉弁33に開信号を出力して、第2開閉弁33を開く処理を行う。これにより、ステップS12において第1〜第3開閉弁32〜34で挟まれた系内の窒素ガスの一部が装置外に放出される。なお、本実施の形態では、ステップS2において第1〜第3開閉弁32〜34で挟まれた系内の圧力が1MPaを超えていたと判定された場合の処理として、ステップS10で第2開閉弁33を閉じる処理を行った後にステップS11において第2開閉弁33を開く処理を行っているが、この場合には、第2開閉弁33を開けた状態でステップS10からステップS11へ処理を移行させてもよい。
ステップS13では、第1〜第3開閉弁32〜34で挟まれた系内の圧力が0.9MPaに到達したか否かを判定する処理を行う。なお、本実施形態では、第1〜第3開閉弁32〜34で挟まれた系内の圧力を0.9MPaとしたが、この圧力の値はその他の充填条件や充填装置等に応じて任意に定めることができる。圧力センサ13は、第1〜第3開閉弁32〜34で挟まれた系内の圧力を検出し、その圧力検出信号を制御装置14に出力する。制御装置14は、圧力センサ13から圧力検出信号が入力されると、第1〜第3開閉弁32〜34で挟まれた系内の圧力が0.9MPaであるか否かを判定する。制御装置14は、第1〜第3開閉弁32〜34で挟まれた系内の圧力が0.9MPaであると判定した場合には、その後の処理をステップS14へ移行する。一方、制御装置14は、圧力容器B内の圧力が0.9MPaではないと判定した場合には、その後の処理をステップS11へ移行させ、窒素ガスを継続して放出させる。この場合、第2開閉弁33は既に開放されているので、制御装置14は、ステップS11においては再度開信号を出力せずに第2開閉弁33が開放されている状態を維持する。ステップS14では、制御装置14は、第2開閉弁33に閉信号を出力して、第2開閉弁33を閉じる処理を行う。これにより、第1〜第3開閉弁32〜34で挟まれた系内の窒素ガスの放出が停止される。このように、第1〜第3開閉弁32〜34で挟まれた系内における窒素ガスの一部を圧縮ガス充填装置1外へ放出する処理を行うことによって、複数の圧力容器Bから窒素ガスが確実に主配管21へ導出されるので、各圧力容器B内に残存する窒素ガスの残圧と、窒素ガスに含まれる酸素ガスの濃度がいかなる場合であっても、全ての圧力容器B内に残存する窒素ガスを確実に分析することができる。
ステップS15〜ステップS18においては、第1〜第3開閉弁32〜34で挟まれた系内における窒素ガスに含まれる酸素ガスの濃度を分析する。
ステップS15では、制御装置14は、第3開閉弁34に開信号を出力して、第3開閉弁34を開放する処理を行う。これにより、第3開閉弁34が開放され、第1〜第3開閉弁32〜34で挟まれた系内の窒素ガスの一部が分析器12内に流入する。ステップS16では分析用分岐配管24を経由して流入する窒素ガスに含まれる酸素ガスの濃度を分析し、その分析結果を分析信号として制御装置14に出力する。
ステップS17では、制御装置14は、分析器12により得られた窒素ガス中に含まれる酸素ガスの濃度と、充填前分析合格値とを対比して、酸素ガス濃度が充填前分析合格値以下か否かを判定する。ここで、充填前分析合格値とは、窒素ガス充填後の圧力容器Bに充填された窒素ガスに含まれる酸素ガス濃度の製品合格値と圧力容器Bへの充填条件とから算出される値のことをいい、下記の式(1)により求めることができる。
x=(A―B)/(C×P×10×n) (1)
但し、式(1)中、x(体積ppm(以下、体積ppmをppmと記す。))は充填前分析合格値である。A(L)は、大気圧下において、窒素ガス充填後の圧力容器B中に、製品合格値に相当する酸素ガスが含まれていると仮定した場合における酸素ガスの量である。B(L)は、大気圧下において、圧縮ガス供給源から供給された窒素ガスのみを充填した場合、充填後の容器中に含まれる酸素ガスの量である。C(L)は圧力容器Bの1本の容積である。P(kg/cm)は設定圧力(絶対圧力)である(本実施の形態においては11.2kg/cm)。また、n(本)は同時に分析を行う圧力容器Bの本数である。なお、充填条件とは、上記の式(1)中における変数のことで、具体的には、圧力容器Bの1本の容積(C)、設定圧力(P)、同時に分析を行う圧力容器Bの本数(n)、製品合格値に対応する酸素ガス(不純物ガス)量(A)、圧縮ガス供給源から供給される圧縮ガスに由来する不純物ガス量(B)により決定される条件を意味する。
制御装置14は、窒素ガスに含まれる酸素ガスの濃度が、上記した式(1)より得られた充填前分析合格値以下であると判定した場合には、ステップS18に処理を移行させ、第3開閉弁34を閉止する処理を行い、窒素ガスの分析器12への流入を遮断する。一方、制御装置14は、窒素ガスに含まれる酸素ガスの濃度が充填前分析合格値を超えていると判定した場合には、ステップS24に処理を移行させる。
ステップS19〜S23では、圧力容器Bに窒素ガスを充填する処理を行う。ステップS19では、制御装置14は、第1開閉弁32に開信号を出力し、第1開閉弁32を開放する処理が行われる。第1開閉弁32が開放されると、圧縮ガス供給源31から窒素ガスの供給が開始される。
ステップS20では、圧縮ガス供給源31から供給される窒素ガスを、主配管21及び充填用分岐配管23を経由して圧力容器B内に充填する。ステップS21では、制御装置14は、圧力容器B内の圧力が例えば35℃換算で14.7MPaになったか否かを判定する。ここで、制御装置14は、圧力容器B内の圧力がまだ14.7MPaになっていないと判定した場合には、処理をステップS19へ移行させ、圧力容器B内への窒素ガスの充填を継続して行う。この場合、第1開閉弁32は既に開放されているので、制御装置14は、ステップS19においては再度開信号を出力せずに第1開閉弁32が開放されている状態を維持する。一方、制御装置14は、圧力容器B内の圧力が14.7MPaになったと判定した場合には、処理をステップS22へ移行させる。
ステップS22では、制御装置14は、第1開閉弁32に閉信号を出力して、第1開閉弁32を閉止する処理を行う。これにより、第1開閉弁32は閉止され、圧縮ガス供給源31からの窒素ガスの供給が停止される。
ステップS23では、充填用分岐配管23に接続された各圧力容器Bの元弁B1を閉じて、充填用分岐配管23から各圧力容器Bを取り外す。
ステップS24では、制御装置14が第1〜第3開閉弁に挟まれた系内における酸素ガスの濃度が充填前分析合格値を超えていると判定した場合に、その旨を作業者に報知するための処理を行う。この処理における作業者への報知は既に公知となっている手法を適宜用いてもよい。例えば、作業コンピュータの画面上に「酸素ガスの濃度が充填前分析合格値を超えています。」と表示させてもよいし、その旨を音声メッセージで知らせてもよい。また、制御装置14が上記のように判定した場合にブザーを鳴らす等の方法を採用してもよい。その後、制御装置14は、ステップS25に処理を移行させる。ステップS25では、制御装置は、第3開閉弁34に閉信号を出力して、第3開閉弁34を閉止する処理を行う。これにより第3開閉弁34は閉止され、窒素ガスの分析器12への流入は遮断される。第3開閉弁34が閉止された後、例えば、作業者は、圧縮ガス充填装置1に接続された10本の圧力容器Bをガス充填装置1から順次取り外して、一本一本個別に窒素ガスに含まれる酸素ガスの濃度の測定を行い、酸素ガスの濃度が高い圧力容器Bの特定を行う。そして、特定された圧力容器Bに残留している窒素ガスを全て廃棄して圧力容器B内を窒素ガスで洗浄し、新規充填を行う。
このように、本実施の形態の圧縮ガス充填装置によれば、窒素ガスを充填する前に、充填後の品質検査に合格するか否かを、複数の圧力容器について同時に知ることができるので、窒素ガス中に含まれる酸素ガスの濃度が製品合格値を超えている圧力容器への増充填を回避し、窒素ガスの無駄な消費等を防止することができる。また、窒素ガス充填後の品質検査で窒素ガスに含まれる酸素ガスの濃度が充填前分析合格値を超えていることが判明した場合は、圧力容器内に残存している窒素ガスのみならず、増充填によって新たに充填した窒素ガスまでをも全て廃棄し、窒素ガスを無駄に消費する事を防止できるようになる。したがって、本実施の形態の圧縮ガス充填装置は、窒素ガスの充填効率を大幅に向上させることが可能になる。また、制御装置が、増充填を行う前の判定において窒素ガス中に含まれる酸素ガスの濃度が充填前分析合格値を満たさないと判定した場合には、新たに必要となる窒素ガスは圧力容器B内の洗浄に用いるもののみであるから、この場合にも廃棄する窒素ガスの量を大幅に減少させることが可能になる。
また、分析器により分析する工程からガスを充填するまでの工程を制御装置14により制御することができ、各工程毎に人手を必要としないので、より作業時間を短縮することが可能になる。
なお、本実施の形態のガス充填装置においては、第1開閉弁32、第2開閉弁33、第3開閉弁34等を全て制御装置14で制御するようにしているが、これらの弁の操作は手動で行ってもよい。また、本実施の形態のガス充填装置は、主配管21において最下流側の充填用分岐配管23と分析用分岐配管24との間には開閉弁を設けていないが、この間に開閉弁をさらに追加してもよい。
(実施例1)
実施例1では、容積が47Lの圧力容器Bを10本用い、これらの圧力容器Bを図1のように構成されるガス充填装置に取り付けて、図2に示すステップに基づいて処理を行った。これらの圧力容器Bには、それぞれ窒素ガスが残留しており、圧力容器B内における窒素ガスの圧力は1MPaであった。
また、本実施例において、圧縮ガス供給源31から供給される窒素ガスに含まれる不純物ガスとしての酸素ガスの濃度は1ppm以下である。圧力容器Bの充填圧力は14.7MPaであり、上記したステップS2における設定圧力は1MPaである。このような条件で、充填後の圧力容器Bにおける酸素ガス濃度が20ppm以下であるものを合格とした。すなわち、製品合格値は20ppmとした。
(充填前分析合格値の算出)
上述した式(1)を用いて充填前分析合格値を求めた結果、充填前分析合格値は25.6ppmとなった。
(0.142−0.007)/(47×(1+0.1)×10×0.000010197×10)×10=25.6ppm
但し、式中、0.142(L)は、窒素ガス充填後の圧力容器B(充填圧力14.7MPa、容積47L)に不純物ガスとして製品合格値(20ppm)相当の酸素ガスが含まれていると仮定した場合における当該酸素ガスの体積である。0.007(L)は、圧縮ガス供給源31から供給される窒素ガス(不純物ガスとしての酸素ガスの濃度は1ppmと仮定)を圧力容器Bに充填(充填圧力14.7MPa、容積47L)した場合における当該酸素ガスの体積である。47(L)は、1本当たりの圧力容器Bの容積である。1+0.1(MPa)は、設定圧力(絶対圧)である。分母中の10×0.00001019は、単位系をMPaからkg/cmに換算するための定数である。10(本)は、本実施例で取付けられた圧力容器Bの本数である。左辺における最右側の10は、ppmに換算するための定数である。
したがって、本実施例では、窒素ガスを増充填する前の事前分析による酸素ガスの濃度が充填前分析合格値である25.6ppm以下であれば、14.7MPaまで窒素ガスを増充填した圧力容器内の窒素ガスに含まれる酸素ガスの濃度は20ppm以下になると予測される。
本実施例では、残留窒素ガスに含まれる酸素ガスの濃度が15ppmである圧力容器を10本、圧縮ガス充填装置1に取り付けて、窒素ガスの充填前に酸素ガスの濃度の分析を行った。この結果、充填前の酸素ガスの濃度の測定結果は15ppmであった。その後、圧縮ガス供給源1から窒素ガスを供給して圧力容器B内に14.7MPaの窒素ガスを充填し、その後の品質検査において窒素ガスに含まれる酸素ガスの濃度の測定結果は15ppmであった。
(実施例2)
本実施例では、圧縮ガス充填装置1に取り付けた10本の圧力容器Bのうち、残留窒素ガスに含まれる酸素ガスの濃度が15ppmであるものを9本、該酸素ガスの濃度が3000ppmであるものを1本使用して行った。測定方法は実施例1と同様とした。
これら圧力容器Bを圧縮ガス充填装置1に取り付けて、窒素ガスを充填する前に酸素ガスの濃度の分析を行った結果、該酸素ガスの濃度の測定結果は、充填前分析合格値である25.6ppmを超えた30ppm以上となり、不合格と判定された。そのため、その後の窒素ガスの充填は行わず、圧力容器Bに残留した窒素ガスを全て放出し、圧力容器B内を洗浄した後に窒素ガスの再充填を行った。本実施例では、圧力容器B内に残留した窒素ガス(1MPa)10本分の放出により約5mの窒素ガスをロスし、さらに窒素ガスを1MPaまで充填し、放出する作業を2回繰り返して圧力容器B内を洗浄する際に約10mの窒素ガスをロスしたため、全ガスロス量は約15mであった。
(比較例1)
本比較例では、圧縮ガス充填装置に取り付けた10本の圧力容器Bのうち、残留窒素ガスに含まれる酸素ガスの濃度が15ppmであるものを9本、該酸素ガスの濃度が3000ppmであるものを1本使用して行った。また、本比較例では、窒素ガスを充填する前には分析を実施せず、窒素ガスを充填した後の品質検査時に酸素ガスの濃度を測定した。その結果、窒素ガスを充填した後の品質検査において窒素ガスに含まれる酸素ガスの濃度が30ppm以上であることが判明し、窒素ガスを14.7MPa(150kg/cmG)まで充填した時の窒素ガスに含まれる酸素ガスの濃度が20ppmであるものを合格とする基準を満たさなかった。そのため、本比較例では、10本分の圧力容器B内に残留した窒素ガスの放出により約70mの窒素ガスをロスし、さらに窒素ガスを1MPaまで充填し、放出する作業を2回繰り返して圧力容器B内を洗浄する際に約10mの窒素ガスをロスしたため、全ガスロス量は約80mであった。
以上のように、窒素ガスを充填する前に所定の弁の開閉操作を行うとともに分析器によって測定した結果が充填前分析合格値を満たしているか否かの判定を行うことにより、充填後に製品合格値を満たすか否かを複数の圧力容器Bについて事前かつ同時に知ることができ、ガスロス量を大幅に低減できることが分かった。
1 圧縮ガス充填装置
11 配管
12 分析器
14 制御装置
21 主配管
22 充填用分岐配管
23 放出用配管
23a 接続部
24 分析用分岐配管
31 圧縮ガス供給源
32 第1開閉弁
33 第2開閉弁
34 第3開閉弁
B 圧力容器
B1 元弁

Claims (4)

  1. 圧縮ガス供給源から圧縮ガスが供給される主配管と、
    前記主配管から分岐して複数の圧力容器に圧縮ガスを供給するための各圧力容器との接続部を有する複数の充填用分岐配管と、
    前記主配管においていずれの充填用分岐配管よりも上流側に設けられた第1開閉弁と、
    前記主配管から延長または分岐した放出用配管と、
    前記放出用配管に設けられた第2開閉弁と、
    圧縮ガスに含まれる不純物ガスの濃度を測定する分析手段と、
    前記主配管から分岐して前記分析手段に接続された分析用分岐配管と、
    前記分析用分岐配管に設けられた第3開閉弁と、を備える圧縮ガス充填装置を用いて、前記圧縮ガス供給源から供給される圧縮ガスを前記複数の圧力容器に充填する圧縮ガス充填方法において、
    前記接続部に接続された前記圧力容器の元弁を開放するとともに前記第1開閉弁、第2開閉弁及び第3開閉弁を閉止し、前記第1開閉弁、第2開閉弁及び第3開閉弁で挟まれた系内の圧力を均圧化する第1の工程と、
    前記第2開閉弁を開放し、前記系内の圧縮ガスの一部を放出する第2の工程と、
    前記第2開閉弁を閉止するとともに前記第3開閉弁を開放し、前記系内の圧縮ガスに含まれる不純物ガスの濃度を前記分析手段で測定する第3の工程と、
    前記分析手段によって測定された前記不純物ガスの濃度が、圧縮ガス充填後の圧力容器内の圧縮ガスに含まれる不純物ガスの濃度の許容値と圧力容器への充填条件とから算出される充填前分析合格値以下であるか否かを判定する第4の工程と、
    前記分析手段で測定された不純物ガスの濃度が前記充填前分析合格値以下であると判定された場合に、前記第1開閉弁を開放して、前記複数の圧力容器に前記圧縮ガスを充填する第5の工程と、
    を有することを特徴とする圧縮ガス充填方法。
  2. 前記第1の工程の後、均圧化した系内の圧力が充填前分析合格値を算出する条件の一つとして設定される設定圧力よりも高い場合には第2開閉弁を開放して前記設定圧力まで低下させ、均圧化した前記系内の圧力が前記設定圧力よりも低い場合には前記第1開閉弁を開放して前記設定圧力まで圧縮ガスを充填し、
    前記系内の圧力が前記設定圧力に達した場合には、開放されている前記第1開閉弁又は第2開閉弁を閉止して、その後第2の工程を行う請求項1記載の圧縮ガス充填方法。
  3. 圧縮ガス供給源から供給される圧縮ガスを複数の圧力容器に充填するための圧縮ガス充填装置であって、
    前記圧縮ガスが供給される主配管と、
    前記主配管から分岐して複数の圧力容器に前記圧縮ガスを供給するための各圧力容器との接続部を有する複数の充填用分岐配管と、
    前記主配管においていずれの充填用分岐配管よりも上流側に設けられた第1開閉弁と、
    前記主配管から延長または分岐した放出用配管と、
    前記放出用配管に設けられた第2開閉弁と、
    圧縮ガスに含まれる不純物ガスの濃度を測定する分析手段と、
    前記主配管から分岐して前記分析手段に接続された分析用分岐配管と、
    前記分析用分岐配管に設けられた第3開閉弁と、
    前記分析手段によって測定された前記不純物ガスの濃度が、圧縮ガス充填後の圧力容器内における不純物ガスの濃度の許容値と圧力容器への充填条件とから算出される充填前分析合格値以下であるか否かを判定する判定手段と、
    前記圧力容器の元弁を開放して、前記第1開閉弁、第2開閉弁及び第3開閉弁で挟まれた系内の圧力を均圧化し、前記系内における圧縮ガスの一部を放出する場合は、前記第1開閉弁及び第3開閉弁を閉止すると共に前記第2開閉弁を開放し、前記系内における前記不純物ガスの濃度を前記分析手段で測定する場合には、前記第1開閉弁及び第2開閉弁を閉止して前記第3開閉弁を開放し、前記系内における前記不純物ガスの濃度が圧縮ガス充填後の圧力容器内における不純物ガスの濃度の許容値と圧力容器への充填条件とから算出される充填前分析合格値以下であると前記判定手段が判定し、前記圧縮ガスを各圧力容器に充填する場合には、前記第2開閉弁及び第3開閉弁を閉止して前記第1開閉弁を開放するように制御する制御手段と、
    を備えたことを特徴とする圧縮ガス充填装置。
  4. 前記制御手段は、
    均圧化した系内の圧力が充填前分析合格値を算出する条件の一つとして設定される設定圧力よりも高い場合には、前記第1開閉弁及び第3開閉弁を閉止すると共に前記第2開閉弁を開放して前記設定圧力まで低下させ、均圧化した前記系内の圧力が前記設定圧力よりも低い場合には、前記第2開閉弁及び第3開閉弁を閉止すると共に前記第1開閉弁を開放して前記設定圧力まで圧縮ガスを充填させ、
    前記系内の圧力が前記設定圧力に達した場合に、開放されている前記第1開閉弁又は第2開閉弁を閉止して、その後前記第2開閉弁を開放して前記系内における圧縮ガスの一部を放出するように制御する請求項3記載の圧縮ガス充填装置。
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