本発明を実施するための形態について、以下に説明する。
〔第1の実施の形態〕
(タッチパネル)
第1の実施の形態におけるタッチパネルについて説明する。図5は本実施の形態におけるタッチパネルの上部電極基板における構造図であり、図6は本実施の形態におけるタッチパネルの下部電極基板における構造図であり、図7は本実施の形態におけるタッチパネルの断面図であり、図8は本実施の形態におけるタッチパネルの説明図である。
本実施の形態におけるタッチパネルは、フィルム11の一方の面に透明導電膜12が形成された略長方形状の上部電極基板10と、上部電極基板10と略同じ形状のガラス基板21の一方の面に透明導電膜22が形成された下部電極基板20により構成される。
上部電極基板10と下部電極基板20とは、上部電極基板10における透明導電膜12と下部電極基板20における透明導電膜22とが対向するように、スペーサ31等を介し、接着剤または両面テープにより接合されている。
本実施の形態では、上部電極基板10における透明導電膜12は、縦方向に6分割、横方向に4分割されており全体が24分割されている。透明導電膜12を各々の導電領域の分割する方法は、導電領域となる領域間の透明導電膜12を除去することにより行われる。これにより、分割された導電領域間では電気的に絶縁することができる。各々の分割された透明導電膜12は、上部電極基板10の縦方向の両端に設けられた引出電極部13における各々の引出電極と接続されており、上部電極基板10の周囲に配線され、上部電極基板10の端部においてフレキシブル基板14と接続されている。
また、下部電極基板20は、図8に示すように下部電極基板20を構成する4辺の端部において、透明導電膜22上に4つの電極23、24、25、26が設けられており、これら4つの電極23、24、25、26は引出線により、下部電極基板20の周囲より引出され、図6に示すように、下部電極基板20の端部においてフレキシブル基板27と接続されている。
フレキシブル基板14とフレキシブル基板27はともに不図示の制御回路に接続されており、更に不図示のホストコンピュータに接続されている。尚、透明導電膜12及び透明導電膜22を構成する材料としては、ITO(Indium Tin Oxide)、ZnO(酸化亜鉛)にAlまたはGa等が添加された材料、SnO2(酸化スズ)にSb等が添加された材料等が挙げられる。
また、フィルム11は、PET(ポリエチレンテレフタレート:polyethylene terephthalate)、PC(ポリカーボネート:Polycarbonate)及び、可視領域において透明の樹脂材料が挙げられる。更に、ガラス基板21に代えて、樹脂基板を用いてもよい。
本実施の形態におけるタッチパネルは、上部電極基板10を指等により押すことにより、上部電極基板10における透明導電膜12と、下部電極基板20における透明導電膜22とが接触し、接触した位置における電圧を検知することにより、上部電極基板10と下部電極基板20との接触位置、即ち、上部電極基板10が指等により押された位置が特定される。具体的には、上部電極基板10において、分割された透明導電膜12の各々について時分割による走査がされており、接触したタイミングにより接触位置が含まれる導電領域を特定することができる。尚、下部電極基板20における透明導電膜22上の4辺に設けられた電極23、24、25、26により、X軸方向、Y軸方向に交互に電圧が印加されている。
このように、上部電極基板10において透明導電膜12を分割し導電領域を形成することにより、上部電極基板10と下部電極基板20とが接触した接触位置が複数であっても、分割された透明導電膜12の導電領域ごとに接触位置を特定することができるため、各々の接触位置を独立して検出することが可能である。
即ち、図8に示すように、上部電極基板10における透明導電膜12と下部電極基板20における透明導電膜22との接触位置が、矢印A、B、C、D、Eに示すように5つの場合であっても、各々の接触位置は、分割された透明導電膜12の領域が異なるため、各々独立して接触位置が検出することが可能なのである。具体的には、上部電極基板10と下部電極基板20との接触位置が矢印Aに示す位置である場合、透明導電膜12の導電領域12aにおいて接触しており、接触位置が矢印Bに示す位置である場合、透明導電膜12の導電領域12bにおいて接触しており、接触位置が矢印Cに示す位置である場合、透明導電膜12の導電領域12cにおいて接触しており、接触位置が矢印Dに示す位置である場合、透明導電膜12の導電領域12dにおいて接触しており、接触位置が矢印Eに示す位置である場合、透明導電膜12の導電領域12eにおいて接触しているが、透明導電膜12の導電領域12a、12b、12c、12d、12eは相互に絶縁された異なる領域であることから、各々を独立して検出することができる。よって、上部電極基板10と下部電極基板20との接触位置が5つの場合であっても、各々の接触位置を特定することが可能である。
以上より、透明導電膜12と透明導電膜22との接触位置が複数であっても、接触した導電領域を特定することができるとともに、透明導電膜22における電位分布を検出することにより、より正確に座標位置も検出することが可能である。また、透明導電膜12と透明導電膜22との接触位置を移動させた場合においても、接触位置が移動したことを認識することができるとともに、透明導電膜22における電位分布を検出することにより、移動した接触位置の位置座標を検出することも可能である。
尚、透明導電膜12において各々の導電領域は、各々の導電領域の周辺部に沿って透明導電膜12を除去することにより形成する。これにより、隣接する導電領域との間において絶縁性を保つことが可能である。
透明導電膜12を除去する方法としては、透明導電膜12が除去される領域にレーザ光を照射し、レーザ光の照射された部分の透明導電膜12を熱又はアブレーションにより除去する方法、透明導電膜12上にフォトレジストを塗布し、露光装置により露光、現像を行うことにより導電領域となる領域上にレジストパターンを形成し、ドライエッチング又はウエットエッジングを行うことにより、レジストパターンの形成されていない領域の透明導電膜12を除去する方法、更には、透明導電膜12が除去される領域上にエッチングペーストを印刷等し除去する方法等が挙げられる。好ましくは、レーザ光の照射により透明導電膜12を除去する方法が好ましい。
尚、タッチパネルにおいては、形成される導電領域の幅が広くなると、検出不能領域が多くなってしまい、タッチパネルとしての機能を十分に発揮することができない。よって、タッチパネルに接触が想定されるものが指またはペン等であり、ペン等の先端は半径0.8mm程度であることから、透明導電膜12が除去される領域の幅が所定の値以下であれば、タッチパネルとしての機能に支障をきたさないものと考えられる。
より詳細に本実施の形態におけるタッチパネルの上部電極基板10について説明する。図5に示されるように、本実施の形態におけるタッチパネルの上部電極基板10は、図9に示す導電領域ユニット40が、縦に2個、横に2個、計4個設けられている。導電領域ユニット40は、上部電極基板10における透明導電膜12を縦方向に3分割、横方向に2分割した6つの導電領域を一つの導電領域ユニット40とするものである。これにより上部電極基板10における透明導電膜12を縦方向に6分割、横方向に4分割されたものとすることができる。具体的には、一つの導電領域ユニット40は、6つの導電領域41、42、43、44、45、46により構成されており、上部電極基板10の端部側より内部側に向かって、導電領域41、42、43の順に、導電領域44、45、46の順に形成されている。また、上部電極基板10の端部側に接していない導電領域42、43、45、46には、上部電極基板10の端部近傍に設けられる引出電極と接続するための引出領域が各々設けられている。即ち、導電領域42は、導電領域本体部42aと引出領域42bとにより構成されており、導電領域43は、導電領域本体部43aと引出領域43b及び43cとにより構成されており、導電領域45は、導電領域本体部45aと引出領域45bとにより構成されており、導電領域46は、導電領域本体部46aと引出領域46b及び46cとにより構成されている。尚、導電領域41及び44は、導電領域41及び44の全体が導電領域本体部となるため、導電領域41は導電領域本体部41aと、導電領域44は導電領域本体部44aと記載する場合がある。また、引出領域43b及び43c、引出領域46b及び46cは一体化された引出領域であり、導電領域本体部43a、46aは、導電領域本体部42a、45aよりも、上部電極基板10の端部からみて、より内部に設けられているため、引出領域43b及び43cからなる引出領域と引出領域46b及び46cからなる引出領域は、引出領域42bまたは引出領域45bよりも長く形成されている。また、導電領域43と導電領域46とは、透明導電膜12が除去された領域である境界線40Aを介し接するよう形成されており、導電領域41、42、43からなる領域と導電領域44、45、46からなる領域とは、その境界線40Aを対称軸として線対称となるように形成されている。尚、後述するように、引出領域が密集する二点差線で囲まれた領域Gは、導電領域41と44との間に挟まれた引出領域42b、43b、45b、46bを含む領域であり、導電領域41及び44の一部も含まれる。また、引出領域が密集する二点差線で囲まれた領域Hは、導電領域本体部42aと45aとの間に挟まれた引出領域43c、46cを含む領域であり、導電領域本体部42a及び45aの一部も含まれる。
このような引出領域42b、43b及び43c、45b、46b及び46cは、幅が約0.5mm程度と細く形成されているため、例えば、導電領域41と導電領域46とにより挟まれた領域Gにおいて指等が接触した場合、6つの導電領域41、42、43、44、45、46のすべてより電位が検出される。同様に、導電領域本体部42aと導電領域本体部45aとにより挟まれた領域Hにおいて指等が接触した場合、4つの導電領域42、43、45、46のすべてより電位が検出される。このため、引出領域が密集する領域G及び領域Hにおいて指等が接触した場合には、指等が接触した位置の正確な位置の検出はできない。よって、これら領域を除外して位置検出を行うこととなる。
(位置検出方法)
次に、本実施の形態におけるタッチパネルの位置検出方法について説明する。本実施の形態におけるタッチパネルの位置検出方法は、複数の領域に分割され引出領域を有するタッチパネルにおいて、引出領域において指等が接触した場合や、引出領域を含む領域に複数の指等が接触した場合において、接触した複数の座標位置を検出することができるものである。尚、本実施の形態におけるタッチパネルの位置検出方法は、上述した導電領域ユニット40を一つの単位として行うものである。よって、図9に基づき、本実施の形態におけるタッチパネルの位置検出方法について説明する。
(領域Gにおける位置検出方法)
図10に基づき、領域Gにおいて指等が接触した場合について説明する。
最初に、ステップ102(S102)において、導電領域41〜46の全てから電位が検出されたか否かが判断される。即ち、導電領域41、42、43、44、45、46の全てから電位が検出された場合には、指等が領域Gにおいて接触している可能性が極めて高いため、領域Gにおいて指等が接触しているか否かの判断を行うことができる。よって、導電領域41、42、43、44、45、46の全てから電位が検出された場合には、ステップ106に移行する。一方、導電領域41、42、43、44、45、46の全てからは電位が検出されなかった場合には、ステップ104に移行する。尚、本実施の形態における説明では、導電領域41〜46の全てから電位が検出された場合について説明しているが、導電領域42、43、45、46の全てからと、導電領域41または44のどちらか一方から電位が検出された場合、即ち、導電領域42、43、45、46を含む5つの導電領域から電位が検出された場合においても、同様に考えることが可能である。
次に、ステップ104(S104)において、指等の接触している位置が検出される。具体的には、指等の接触位置は領域Gにはないものと判断されたため、導電領域41、44、導電領域本体部42a、43a、45a、46aにける指等による接触が1点または2点以上あったものと考えられ、通常の方法により指等の接触位置が検出される。この後、ステップ114に移行する。尚、導電領域41〜46のいずれの領域からも電位が検出されなかった場合には、この導電領域ユニット40においては、指等の接触がなかったものと判断され、指等の接触位置の検出がされることなく終了し、次の導電領域ユニット40における位置検出が行われる。
次に、ステップ106(S106)において、導電領域41〜46から検出された電位の全てが、同じ電位であるか否かが判断される。即ち、導電領域41〜46から検出された電位の全てが、同じ値である場合、領域Gの一点において指等が接触している可能性が極めて高い。一方、導電領域41〜46から検出された電位のうち、異なる電位のものが存在している場合には、領域Gと、領域Gとは異なる領域の2点以上において指等が接触している可能性が極めて高い。このため、導電領域41、42、43、44、45、46からの電位の全てが、同じ電位であるものと判断された場合には、ステップ108に移行する。一方、導電領域41、42、43、44、45、46からの電位の全てが、同じ電位ではないものと判断された場合には、ステップ110に移行する。尚、上述したように、ステップ102において、導電領域42、43、45、46の全てからと、導電領域41または44のどちらか一方において電位が検出された場合、即ち、導電領域42、43、45、46を含む5つの導電領域から電位が検出された場合においても同様に考えるものとした場合においては、検出された導電領域42、43、45、46の全てからと、導電領域41または44のどちらか一方における電位が同じ電位であるか否か、即ち、検出された導電領域42、43、45、46を含む5つの導電領域の電位が、同じ電位であるか否かにより判断する。
次に、ステップ108(S108)において、領域Gにおける接触位置の位置検出がなされる。具体的には、図11に示すように、領域Gにおける1点において、指等51が接触しているものと判断されるため、導電領域41から46における電位に基づき、接触位置が検出される。尚、上述したように、導電領域42、43、45、46を含む5つの導電領域より電位が検出された場合においても同様に考えるものとした場合においては、検出された導電領域42、43、45、46を含む5つの導電領域の電位に基づき、領域Gにおける接触位置が検出される。この後、ステップ114に移行する。
一方、ステップ110(S110)において、領域Gにおける接触位置の位置検出がなされる。具体的には、領域Gと領域G以外の領域との2点以上において、指等が接触しているものと判断されるため、領域Gにおける接触位置と領域G以外の領域における接触位置を検出する。例えば、図12に示すように、領域Gにおいて指等51が接触し、導電領域43の導電領域本体部43aにおいて指等52が接触している場合では、導電領域43から検出される電位と導電領域43以外の導電領域41、42、44、45、46から検出される電位とが異なる。このため、ステップ110において、領域Gにおいて指等51が接触している位置の位置検出を行い、次に、ステップ112において、指等52が接触している位置の位置検出を行う。ステップ110における位置検出では、導電領域43以外の導電領域における電位は同じ電位となるため、導電領域43以外の導電領域41、42、44、45、46における電位に基づき、領域Gにおける指等51の接触位置の位置検出を行う。尚、上述したように、ステップ102において、導電領域42、43、45、46を含む5つの導電領域より電位が検出された場合においても同様に考えるものとした場合においては、検出された導電領域42、45、46を含む4つの導電領域の電位に基づき、領域Gにおける指等51の接触位置が検出される。
次に、ステップ112(S112)において、領域G以外の領域における接触位置の位置検出がなされる。例えば、図12に示すように、導電領域43の導電領域本体部43aにおいて指等52が接触している場合では、導電領域43から検出される電位は、導電領域43以外の導電領域41、42、44、45、46より検出される電位とは異なる。この場合、領域Gにおける導電領域43の引出領域43bにおいても接触しているため、導電領域43より検出される電位Vaは、引出領域43bにおいて指等51が接触している位置と、導電領域43の導電領域本体部43aにおいて指等52が接触している位置の中点の電位となる。従って、引出領域43bにおいて単独で指等51が接触している位置の電位をVbは、導電領域41、42、44、45、46より検出された電位に基づき得ることができるため、導電領域43の導電領域本体部43aにおいて単独で指等52が接触している位置の電位Vは、下記の(1)に示す式により得ることができる。
V=2×Va−Vb・・・・・(1)
この電位Vに基づき指等52が接触している接触位置を算出することにより、指等52が接触している接触位置の検出を行うことができる。
次に、ステップ114(S114)において、指等の接触位置として検出された位置座標等が出力される。これにより、指等の接触位置の位置座標等の情報を得ることができる。
尚、ステップ110において、領域Gと領域G以外の2点の計3点において、指等が接触していた場合、即ち、図13に示すように、領域Gにおいて指等51が接触し、導電領域43の導電領域本体部43aにおいて指等52が接触し、導電領域46の導電領域本体部46aにおいて指等53が接触している場合においても、同様に指等51、52、53の位置検出を行うことができる。具体的には、導電領域43から検出される電位と、導電領域46から検出される電位と、導電領域43及び46以外の導電領域41、42、44、45から検出される電位は各々異なる。よって、ステップ110においては、導電領域43及び46以外の導電領域における電位は同じ電位となるため、導電領域43及び46以外の導電領域41、42、44、45における電位に基づき、領域Gにおける指等51の接触位置の位置検出を行い。次に、ステップ112においては、導電領域43及び46より検出される電位に基づき、指等52及び53が接触している位置の位置検出を各々行うことができる。
(領域Hにおける位置検出方法)
次に、図9及び図14に基づき、領域Hにおいて指等が接触した場合について説明する。
最初に、ステップ202(S202)において、導電領域42、43、45、46の全てから電位が検出されたか否かが判断される。即ち、導電領域42、43、45、46の全てから電位が検出された場合には、図15に示すように、指等が領域Hにおいて接触している可能性が極めて高いため、領域Hにおいて指等が接触しているか否かの判断を行うことができる。よって、導電領域42、43、45、46の全てから電位が検出された場合には、ステップ206に移行する。一方、導電領域42、43、45、46の全てからは電位が検出されなかった場合には、ステップ204に移行する。尚、本実施の形態における説明では、導電領域42、43、45、46の全てから電位が検出された場合について説明しているが、導電領域43、46の全てからと、導電領域42または45のどちらか一方から電位が検出された場合、即ち、導電領域43、46を含む3つの導電領域から電位が検出された場合においても、同様に考えることが可能である。
次に、ステップ204(S204)において、指等の接触している位置が検出される。具体的には、指等の接触位置は領域Hにはないものと判断されたため、導電領域42、43、45、46における導電領域本体部42a、43a、45a、46aにおいて、指等による接触が1点または2点以上あったものと考えられ、通常の方法により指等の接触位置が検出される。この後、ステップ214に移行する。尚、導電領域42、43、45、46のいずれの領域からも電位が検出されなかった場合には、この導電領域ユニット40においては、指等の接触がなかったものと判断され、指等の接触位置の検出がされることなく終了し、次の導電領域ユニット40における位置検出が行われる。
次に、ステップ206(S206)において、導電領域42、43、45、46から検出された電位の全てが、同じ電位であるか否かが判断される。即ち、導電領域42、43、45、46から検出された電位の全てが同じ値である場合、領域Hの1点において指等が接触している可能性が極めて高い。一方、導電領域42、43、45、46から検出された電位のうち、異なる電位のものが存在している場合には、領域Hと、領域Hとは異なる領域の2点以上において指等が接触している可能性が極めて高い。このため、導電領域42、43、45、46から検出された電位の全てが、同じ電位であるものと判断された場合には、ステップ208に移行する。一方、導電領域42、43、45、46から検出された電位の全てが、同じ電位ではないものと判断された場合には、ステップ210に移行する。尚、上述したように、ステップ202において、導電領域43、46の全てからと、導電領域42または45のどちらか一方において電位が検出された場合、即ち、導電領域43、46を含む3つの導電領域から電位が検出された場合においても同様に考えるものとした場合においては、検出された導電領域43、46の全てからと、導電領域42または45のどちらか一方における電位が同じ電位であるか否か、即ち、検出された導電領域43、46を含む3つの導電領域の電位が、同じ電位であるか否かにより判断する。
次に、ステップ208(S208)において、領域Hにおける接触位置の位置検出がなされる。具体的には、図15に示すように、領域Hにおける1点において、指等51が接触しているものと判断されるため、導電領域42、43、45、46における電位に基づき、接触位置が検出される。尚、上述したように、導電領域43、46を含む3つの導電領域より電位が検出された場合においても同様に考えるものとした場合においては、検出された導電領域43、46を含む3つの導電領域の電位に基づき、領域Hにおける接触位置が検出される。この後、ステップ214に移行する。
一方、ステップ210(S210)において、領域Hにおける接触位置の位置検出がなされる。具体的には、領域Hと領域H以外の領域との2点以上において、指等が接触しているものと判断されるため、領域Hにおける接触位置と領域H以外の領域における接触位置を検出する。例えば、図16に示すように、領域Hにおいて指等51が接触し、導電領域43の導電領域本体部43aにおいて指等52が接触している場合では、導電領域43から検出される電位と導電領域43以外の導電領域42、44、45から検出される電位とが異なる。このため、ステップ210において、領域Hにおいて指等51が接触している位置の位置検出を行い、次に、ステップ212において、指等52が接触している位置の位置検出を行う。ステップ210における位置検出では、導電領域43以外の導電領域における電位は同じ電位となるため、導電領域43以外の導電領域42、45、46における電位に基づき、領域Hにおける指等51の接触位置の位置検出を行う。尚、上述したように、ステップ202において、導電領域43、46を含む3つの導電領域より電位が検出された場合においても同様に考えるものとした場合においては、検出された導電領域46を含む2つの導電領域の電位に基づき、領域Hにおける指等51の接触位置が検出される。
次に、ステップ212(S212)において、領域H以外の領域における接触位置の位置検出がなされる。例えば、図16に示すように、導電領域43の導電領域本体部43aにおいて指等52が接触している場合では、導電領域43より検出される電位は、導電領域43以外の導電領域42、45、46より検出される電位とは異なる。この場合、領域Hにおける導電領域43の引出領域43cにおいても接触しているため、導電領域43より検出される電位Vcは、引出領域43cにおいて指等51が接触している位置と、導電領域43の導電領域本体部43aにおいて指等52が接触している位置の中点の電位となる。従って、引出領域43cにおいて単独で指等51が接触している位置の電位Vdは、導電領域42、45、46より検出された電位に基づき得ることができるため、導電領域43の導電領域本体部43aにおいて単独で指等52が接触している位置の電位Vは、下記の(2)に示す式により得ることができる。
V=2×Vc−Vd・・・・・(2)
この電位Vに基づき指等52が接触している接触位置を算出することにより、指等52が接触している接触位置の検出を各々行うことができる。
次に、ステップ214(S214)において、指等の接触位置として検出された位置座標等が出力される。これにより、指等の接触位置の位置座標等の情報を得ることができる。
(領域G及び領域Hにおける位置検出方法)
次に、図9及び図17に基づき、領域G及び領域Hにおいて指等が接触した場合について説明する。
最初に、ステップ302(S302)において、導電領域41〜46の全てから電位が検出されたか否かが判断される。即ち、導電領域41、42、43、44、45、46の全てから電位が検出された場合には、指等が領域Gにおいて接触している可能性が極めて高いため、領域Gにおいて指等が接触しているか否かの判断を行うことができる。よって、導電領域41、42、43、44、45、46の全てから電位が検出された場合には、ステップ306に移行する。一方、導電領域41、42、43、44、45、46の全てからは電位が検出されなかった場合には、ステップ304に移行する。尚、本実施の形態における説明では、導電領域41〜46の全てから電位が検出された場合について説明しているが、導電領域42、43、45、46の全てからと、導電領域41または44のどちらか一方から電位が検出された場合、即ち、導電領域42、43、45、46を含む5つの導電領域から電位が検出された場合においても、同様に考えることが可能である。
次に、ステップ304(S304)において、指等の接触している位置が検出される。具体的には、指等の接触位置は領域Gにはないものと判断されるため、導電領域41、44、導電領域本体部42a、43a、45a、46aにおいて、指等による接触が1点または2点以上あったものと考えられ、通常の方法により指等の接触位置が検出される。この後、ステップ318に移行する。尚、導電領域41〜46のいずれの領域からも電位が検出されなかった場合には、この導電領域ユニット40においては、指等の接触がなかったものと判断され、指等の接触位置の検出がされることなく終了し、次の導電領域ユニット40における位置検出が行われる。
次に、ステップ306(S306)において、導電領域41〜46から検出された電位の全てが、同じ電位であるか否かが判断される。即ち、導電領域41〜46から検出された電位の全てが、同じ値である場合、領域Gの一点において指等が接触している可能性が極めて高い。一方、導電領域41〜46から検出された電位のうち、異なる電位のものが存在している場合には、領域Gと、領域Gとは異なる領域の2点以上において指等が接触している可能性が極めて高い。このため、導電領域41、42、43、44、45、46からの電位の全てが、同じ電位であるものと判断された場合には、ステップ308に移行する。一方、導電領域41、42、43、44、45、46からの電位の全てが、同じ電位ではないものと判断された場合には、ステップ310に移行する。
次に、ステップ308(S308)において、領域Gにおける接触位置の位置検出がなされる。具体的には、図11に示すように、領域Gにおける1点において、指等51が接触しているものと判断されるため、導電領域41から46における電位に基づき、接触位置が検出される。
一方、ステップ310(S310)において、領域Gにおける接触位置の位置検出がなされる。具体的には、領域Gと領域G以外の領域との2点以上において、指等が接触しているものと判断されるため、領域Gにおける接触位置と領域G以外の領域における接触位置を検出する。このような場合としては、図12に示されるような場合と、図18に示されるように、領域Gと領域Hの2点において指等が接触している場合が考えられる。図12に示されるような場合は、ステップ110において説明した場合と同様の方法により領域Gにおける接触位置の位置検出がなされる。また、図18に示すように、領域Gにおいて指等51が接触し、領域Hにおいて指等52が接触している場合では、導電領域41及び44から検出される電位と導電領域41及び44以外の導電領域42、43、45、46より検出される電位とが異なる。よって、図18に示す場合では、ステップ310において、領域Gにおいて指等51が接触している位置の位置検出を行い、後述するステップ314において、領域Hにおいて指等52が接触している位置の位置検出を行う。ステップ310における位置検出では、導電領域41及び44から検出される電位は同じ電位となるため、導電領域41及び44から検出される電位に基づき、領域Gにおける指等51の接触位置の位置検出を行う。
次に、ステップ312(S312)において、導電領域41及び44より検出される電位と導電領域42、43、45、46より検出される電位との間に電位の差があるか否かが判断される。具体的には、図18に示すように、領域Gと領域Hとの2点において指等が接触している場合には、導電領域41より検出される電位と導電領域44より検出される電位は同じ値の電位となり、42、43、45、46より検出される電位はすべて同じ値の電位となり、導電領域41及び44より検出される電位と42、43、45、46より検出される電位との間には電位の差が生じる。よって、導電領域41及び44より検出される電位と42、43、45、46より検出される電位との間に電位の差があるものと判断された場合には、ステップ314に移行する。一方、導電領域41及び44より検出される電位と導電領域42、43、45、46より検出される電位との間に電位の差がないものと判断された場合には、ステップ316に移行する。
次に、ステップ314(S314)において、領域Hにおける接触位置の位置検出がなされる。具体的には、図18に示すように領域Gにおいて指等51が接触し、領域Hにおいて指等52が接触しているものと判断されるため、42、43、45、46より検出される電位に基づき領域Hにおいて指等52が接触している位置が検出される。
次に、ステップ316(S316)において、領域G以外の領域における接触位置の位置検出がなされる。例えば、図12に示すように、導電領域43の導電領域本体部43aにおいて指等52が接触している場合では、ステップ112の場合と同様の方法により、導電領域43から検出される電位に基づき指等52が接触している接触位置の検出を行う。
次に、ステップ318(S318)において、指等の接触位置として検出された位置座標等が出力される。これにより、指等の接触位置の位置座標等の情報を得ることができる。
以上より、引出領域を有するタッチパネルにおいて、引出領域部分における指等の接触位置の位置検出を行うことができる。また、指等による接触位置が、引出領域部分と引出領域部分以外の複数の接触位置の場合であっても、各々の接触位置を正確に検出することができる。
〔第2の実施の形態〕
次に、第2の実施の形態について説明する。本実施の形態は、第1の実施の形態に記載されているタッチパネルを用いた位置検出方法であって、第1の実施の形態とは異なる位置検出方法である。
本実施の形態におけるタッチパネルの位置検出方法は、検出される電位に基づき位置検出を行う位置検出方法である。具体的には、図19に示されるように、領域Gにおいて指等51が接触し、導電領域43の導電領域本体部43aにおいて指等52が接触している場合の2点で接触している場合、導電領域43より検出される電位Veは、領域Gにおいて指等51が接触している接触位置における電位と、導電領域本体部43aにおいて指等52が接触している接触位置における電位との中点の電位となる。導電領域本体部43aにおいては、取り得る電位の範囲が限られるため、領域Gにおいて指等51が接触し、導電領域43の導電領域本体部43aにおいて指等52が接触している場合では、導電領域43より検出される電圧は、導電領域本体部43aにおいて取り得る電位の範囲内には存在しない値となる。例えば、図19に示すように、電位Veは、導電領域42の導電領域本体部42aにおいて取り得る電位の範囲内の値となり、導電領域本体部43aにおいて取り得る電位の範囲には、存在し得ない値となる。このため、検出された電位Veが、導電領域本体部43aにおいて取り得る電位の範囲内になければ、2点で接触、即ち、領域Gにおいて指等51が接触し、導電領域43の導電領域本体部43aにおいて指等52が接触しているものと判断し、逆に、検出された電位Veが、導電領域本体部43aにおいて取り得る電位の範囲内にあれば、2点では接触していないものと判断する。本実施の形態における位置検出方法は、上記内容に基づくものである。
尚、領域Gと導電領域46との2点において指等による接触があった場合も同様である。
次に、図20に基づき本実施の形態におけるタッチパネルの位置検出方法について説明する。尚、前述したように、本実施の形態に用いられるタッチパネルは、第1の実施の形態に記載されているものと同じものであり、図9に示される構成の導電領域ユニット40が複数設けられて構成されているものである。
最初に、ステップ402(S402)において、導電領域41、44から電位が検出され、かつ、導電領域43、46から電位が検出されたか否かが判断される。導電領域41、44からの電位の検出は、導電領域41及び導電領域44のいずれか一方から電位が検出された場合であっても、双方から電位が検出された場合であってもどちらでもよく、使用形態等により定めることも可能である。また、導電領域43、46からの電位の検出は、導電領域43及び導電領域46のいずれか一方から電位が検出された場合であっても、双方から電位が検出された場合であってもどちらでもよい。よって、導電領域41、44から電位が検出され、かつ、導電領域43、46から電位が検出された場合には、ステップ406に移行する。一方、導電領域41、44から電位が検出され、かつ、導電領域43、46から電位が検出された場合には該当しない場合には、ステップ404に移行する。尚、後述する導電領域42、45については、指等による接触位置が領域Gのみである場合には、導電領域42、45より検出される電位は、導電領域41及び導電領域44より検出される電位と同じ値の電位となる。
次に、ステップ404(S404)において、導電領域41〜46より電位が検出された場合には、各々の導電領域41〜46より検出された電位に基づき、通常の方法により指等の接触位置の位置検出が行われる。この後、ステップ416に移行する。尚、導電領域41〜46より電位が検出されない場合には、この導電領域ユニット40には、接触位置が存在しないため、次の導電領域ユニット40において位置検出が行われる。
次に、ステップ406(S406)において、導電領域41、44より検出された電位と、導電領域43、46より検出された電位とが異なる値であるか否かが判断される。例えば、図19に示すように、2点で接触していた場合、即ち、指等51が領域Gにおいて接触しており、指等52が導電領域43の導電領域本体部43aにおいて接触していた場合、導電領域41より検出された電位と、導電領域43より検出された電位とは異なる値となる。一方、指等による接触位置が領域Gの1点のみである場合には、導電領域41より検出された電位と、導電領域43より検出された電位とは同じ値となる(この場合、導電領域41、44より検出された電位と、導電領域43、46より検出された電位は同じ値となる)。よって、導電領域41、44より検出された電位と、導電領域43、46より検出された電位とが異なる値である場合には、ステップ410に移行する。一方、導電領域41、44より検出された電位と、導電領域43、46より検出された電位とが同じ値である場合には、ステップ408に移行する。
次に、ステップ408(S408)において、領域Gにおける接触位置が検出される。具体的には、導電領域41、44より検出された電位と、導電領域43、46より検出された電位とが同じ値である場合、指等による接触位置は、領域Gにおける一点であるものと判断されるため、導電領域41、44及び領域43、46より検出された電位に基づき、領域Gにおける指等の接触位置が検出される。この後、ステップ416に移行する。
次に、ステップ410(S410)において、導電領域43、46より検出される電位は、導電領域本体部43a、46aにおいて取り得る範囲内の値であるか否かが判断される。即ち、図19に示されるように、指等51が領域Gにおいて接触しており、また、指等52が導電領域43、46において接触している状態であるか否かが判断される。尚、導電領域本体部43a等において取り得る範囲内の値とは、導電領域本体部43a等において、単独で接触した場合に検出される範囲の電位の値である。導電領域本体部43a等は所定の位置に形成されているため、この位置により導電領域本体部43a等において取り得る範囲が定まる。上述のように、導電領域43、46より検出される電位が、導電領域本体部43a、46aにおいて取り得る電位の範囲である場合には、図19に示すように2点で接触しているものとは考えられない。一方、導電領域43、46より検出される電位が、導電領域本体部43a、46aにおいて取り得る電位の範囲外である場合には、図19に示すように2点で接触しているものと考えられる。よって、導電領域43、46より検出される電位は、導電領域本体部43a、46aにおいて取り得る範囲内の値である場合には、本実施の形態における指等の接触位置の位置検出は行うことができないため終了する。一方、導電領域43、46より検出される電位は、導電領域本体部43a、46aにおいて取り得る範囲外の値である場合には、ステップS412に移行する。
次に、ステップ412(S412)において、領域Gにおける接触位置が検出される。具体的には、導電領域41、44より検出された電位と、導電領域43、46より検出された電位とが異なる値である場合、例えば、図19に示されるように、指等による接触位置は領域Gと、導電領域43の2点であるものと判断される。このため、ステップ410において、導電領域41、44より検出された電位に基づき、領域Gにおける指等の接触位置が検出される。
次に、ステップ414(S414)において、他の領域となる導電領域43、46における接触位置の位置検出が行われる。具体的には、図19に示す場合において、領域Gにおける指等51による接触位置の電位をVfとした場合、導電領域43より検出される電位Veは、導電領域43における指等52による接触位置の電位Vの中点の値となる。よって、(3)に示す式に基づき、電位Vの値を算出し、この電位Vの値に基づき、導電領域43の導電領域本体部43aにおける接触位置を算出する。
V=2×Ve−Vf・・・・・・(3)
これにより、導電領域43における指等52による接触位置を検出することができる。
次に、ステップ416(S416)において、指等の接触位置として検出された位置座標等が出力される。これにより、指等の接触位置の位置座標等の情報を得ることができる。
尚、上記説明では、領域Gと導電領域43の2点で接触している場合について説明したが、領域Gと導電領域43及び導電領域46の3点で接触している場合についても、同様に、指等による接触位置を算出することができる。
〔第3の実施の形態〕
次に、第3の実施の形態について説明する。本実施の形態は、第1の実施の形態に記載されているタッチパネルに抵抗測定部を付加した構成のタッチパネル、及び、この構成のタッチパネルを用いた位置検出方法である。
(タッチパネル)
図21に基づき、本実施の形態におけるタッチパネルについて説明する。本実施の形態におけるタッチパネルは、第1の実施の形態に記載されているタッチパネルに5個の抵抗測定部が接続されている。具体的には、導電領域41と導電領域42との間に抵抗測定部101が接続されており、導電領域41と導電領域43との間に抵抗測定部102が接続されており、導電領域41と導電領域46との間に抵抗測定部103が接続されており、導電領域41と導電領域45との間に抵抗測定部104が接続されており、導電領域41と導電領域44との間に抵抗測定部105が接続されている。尚、導電領域42と抵抗測定部101との接続は、引出領域42bにおいて接続されており、導電領域43と抵抗測定部102との接続は、引出領域43bにおいて接続されており、導電領域46と抵抗測定部103との接続は、引出領域46bにおいて接続されており、導電領域45と抵抗測定部104との接続は、引出領域45bにおいて接続されている。抵抗測定部101、102、103、104、105は、テスタ等の抵抗測定器であり、各々独立して、抵抗値を測定することが可能である。
尚、導電領域41〜46は、各々の導電領域を隔てる溝が形成されているため、各々の導電領域41〜46間は絶縁されている。このため、導電領域ユニット40内において、指等による接触位置がない場合、または、導電領域本体部41a〜46aのいずれか一点のみで接触している場合は、抵抗測定部101〜105において検出される抵抗値は極めて高く、理論上は無限大となる。
しかしながら、導電領域ユニット40内における導電領域41〜46において、指等による接触位置が所定の2点以上である場合、または、領域Gにおいて接触している場合には、抵抗測定部101〜105のいずれかにおいて、所定の値の低い抵抗値が検出される。指等による接触位置が所定の2点以上である場合、または、領域Gにおいて接触している場合には、下部電極基板20を介して電気的に接続されるからである。
具体的に説明すると、導電領域ユニット40内において、導電領域本体部41a〜46aのいずれか1点においてのみ指等が接触している場合、例えば、図22に示すように、導電領域本体部43aにおいて指等52が接触している場合では、導電領域本体部43aを有する導電領域43は、導電領域41、42、44、45、46のいずれの導電領域とも絶縁されており、抵抗測定部101〜105において、所定の抵抗値が検出されることはない。
一方、図23に示すように、導電領域本体部43aにおいて指等52が接触しており、導電領域41において指等51が接触している場合には、下部電極基板20を介し電気的に接続されるため、抵抗測定部102において、下部電極基板20により形成される抵抗121により所定の抵抗値が検出される。
また、図24に示すように、領域Gにおいて指等51が接触している場合、導電領域41、44、引出領域42b、43b、45b、46bにおいて接触している。即ち、導電領域41〜46のすべてが下部電極基板20と接続される。このため、抵抗測定部101〜105において、領域Gに指等51が接触した場合の所定の抵抗値が検出される。この際、検出される抵抗値は、導電領域41、44、引出領域42b、43b、45b、46bが極めて近い位置に存在しているため、下部電極基板20により形成される抵抗による抵抗値は低い値となる。例えば、導電領域41と引出領域43bとの間には、抵抗122が形成され、この抵抗122の取り得る値は、前述した抵抗121が取り得る値よりも低い値となる。
また、図25に示すように、領域Gにおいて指等51が接触しており、導電領域本体部43aにおいて指等52が接触している場合、図24の場合と同様に、抵抗測定部101、103、104、105において、領域Gに指等51が接触した場合の所定の抵抗値が検出される。また、抵抗測定部102においては、領域Gにおいて指等51が接触しており、導電領域本体部43aにおいて指等52が接触していることから、抵抗121と、領域Gにおいて形成される抵抗122が形成されるため、この合成抵抗の値が検出される。この合成抵抗の値は、抵抗121と抵抗122とを並列にしたものであり、抵抗121及び抵抗122の値よりも低い値となる。
以上より、抵抗値の関係は、(抵抗121)>(抵抗122)>(抵抗121と抵抗122の合成抵抗)となる。よって、これらの抵抗値の取り得る値は、各々概ね定まっているため、抵抗測定部101〜105において検出される抵抗値の値に基づき、指等による接触が、領域Gであるか否か、また、領域Gを含む複数の接触点であるか否かを判断することができる。
即ち、本実施の形態では、抵抗測定部101〜105において測定された抵抗値に基づき、指等が領域Gで接触しているか否かの判断をすることができ、また、図23に示すような指等が導電領域41及び導電領域本体部43aの2点で接触している場合と、図25に示すような指等が領域Gと導電領域本体部43aの2点で接触している場合とを判断をすることができる。
具体的には、指等が領域Gで接触しているか否かについては、抵抗測定部101、103、104、105のすべてにおいて抵抗値が検出されたか否か、または、抵抗測定部101、103、104、105のいずれかにおいて、領域Gで指等が接触した場合に検出されるべき範囲内の抵抗値が検出されたか否かにより判断することができる。
また、図23に示す場合と図25に示す場合との判別は、抵抗測定部102において検出される抵抗値が、抵抗121による抵抗値の範囲のものか、抵抗121と抵抗122との合成抵抗による抵抗値の範囲のものかにより判別することができる。
また、図24に示す場合と図25に示す場合との判別は、抵抗測定部102において検出される抵抗値が、抵抗122による抵抗値の範囲のものか、抵抗121と抵抗122との合成抵抗による抵抗値の範囲のものかにより判別することができる。
尚、上記説明では、領域Gと導電領域43とについて説明したが、領域Gと導電領域42、44、45、46とにおいても同様である。
更に、図26に示すような構成にすることにより、領域Gに加えて領域Hにおいても領域Gと同様に位置検出を行うことができる。この場合には、第1の実施の形態に記載されているタッチパネルに8個の抵抗測定部が接続されている。具体的には、図26に示すタッチパネルは、図21に示す構成のタッチパネルに更に3個の抵抗測定部を接続したものであり、導電領域42と導電領域43との間に抵抗測定部106が接続されており、導電領域42と導電領域44との間に抵抗測定部107が接続されており、導電領域42と導電領域45との間に抵抗測定部108が接続されている。尚、導電領域42と抵抗測定部106、107、108との接続は、引出領域42bにおいて接続されており、導電領域43と抵抗測定部106との接続は、引出領域43bにおいて接続されており、導電領域44と抵抗測定部107との接続は、引出領域44bにおいて接続されており、導電領域45と抵抗測定部108との接続は、引出領域45bにおいて接続されている。抵抗測定部106、107、108は、抵抗測定部101〜105と同様に、各々独立して、抵抗値を測定することが可能である。
よって、導電領域ユニット40内における導電領域42、43、45、46において、指等による接触位置が所定の2点以上である場合、または、領域Hにおいて接触している場合には、抵抗測定部106〜108のいずれかにおいて、所定の値の低い抵抗値が検出される。即ち、指等による接触位置が所定の2点以上である場合、または、領域Hにおいて接触している場合には、下部電極基板20を介して電気的に接続されるからである。
具体的に説明すると、図27に示すように、導電領域本体部42aにおいて指等51が接触しており、導電領域本体部43aにおいて指等52が接触している場合には、下部電極基板20を介し電気的に接続されるため、抵抗測定部106において、下部電極基板20により形成される抵抗123により所定の抵抗値が検出される。
また、図28に示すように、領域Hにおいて指等51が接触している場合、引出領域42c、43c、45c、46cにおいて接触している。即ち、導電領域42、43、45、46のすべてが下部電極基板20と接続される。このため、抵抗測定部106〜108において、領域Hに指等51が接触した場合の所定の抵抗値が検出される。この際、検出される抵抗値は、引出領域42c、43c、45c、46cが極めて近い位置に存在しているため、下部電極基板20により形成される抵抗による抵抗値は低い値となる。例えば、領域Hに指等51が接触した場合においては、引出領域42cと引出領域43cとの間には、抵抗124が形成され、この抵抗124の取り得る値は、前述した抵抗123が取り得る値よりも低い値となる。
また、図29に示すように、領域Hにおいて指等51が接触しており、導電領域本体部43aにおいて指等52が接触している場合、図28の場合と同様に、抵抗測定部107、108において、領域Hに指等51が接触した場合の所定の抵抗値が検出される。また、抵抗測定部106においては、領域Hにおいて指等51が接触しており、導電領域本体部43aにおいて指等52が接触していることから、抵抗123と、領域Hにおいて形成される抵抗124とが形成され、これらの合成抵抗の値が検出される。この合成抵抗の値は、抵抗123と抵抗124とを並列にしたものであり、抵抗123及び抵抗124の値よりも低い値となる。
以上より、抵抗値の関係は、(抵抗123)>(抵抗124)>(抵抗123と抵抗124の合成抵抗)となる。よって、これらの抵抗値の取り得る値は、各々概ね決まっていることから、抵抗測定部106〜108において検出される抵抗値の値に基づき、指等による接触が、領域Hであるか否か、また、領域Hを含む複数の接触点であるか否かを判断することができる。
即ち、抵抗測定部106〜108において測定された抵抗値に基づき、指等が領域Hで接触しているか否かの判断をすることができ、また、図27に示すような指等が導電領域本体部42a及び導電領域本体部43aの2点で接触している場合と、図28に示すような指等が領域Hと導電領域本体部43aの2点で接触している場合とを判断をすることができる。
具体的には、指等が領域Hで接触しているか否かについては、抵抗測定部106〜108のすべてにおいて抵抗値が検出されたか否か、または、抵抗測定部106〜108のいずれかにおいて、領域Hで指等が接触した場合に検出されるべき範囲内の抵抗値が検出されたか否かにより判断することができる。
また、図27に示す場合と図29に示す場合との判別は、抵抗測定部106において検出される抵抗値が、抵抗123による抵抗値の範囲のものであるか、抵抗123と抵抗124との合成抵抗による抵抗値の範囲のものであるか、により判別することができる。
また、図28に示す場合と図29に示す場合との判別は、抵抗測定部106において検出される抵抗値が、抵抗124による抵抗値の範囲のものであるか、抵抗123と抵抗124との合成抵抗による抵抗値の範囲のものであるか、により判別することができる。
尚、上記説明では、領域Hと導電領域43とについて説明したが、領域Hと導電領域45、46とにおいても同様である。
更に、本実施の形態におけるタッチパネルでは、図30に示すように、接続部140と抵抗測定部160により構成したものとすることも可能である。具体的には、接続部140はマルチプレクサとしての機能を有するものを2つ設けた構成のものであり、入力端子141〜146と、入力端子141〜146と接続される出力端子151及び152を有している。接続部140における入力端子141から146は、導電領域41から46と各々接続されている。即ち、導電領域41には入力端子141が接続されており、導電領域42の引出領域42bには入力端子142が接続されており、導電領域43の引出領域43bには入力端子143が接続されており、導電領域44には入力端子144が接続されており、導電領域45の引出領域45bには入力端子145が接続されており、導電領域46の引出領域46bには入力端子146が接続されている。また、接続部140における出力端子151及び出力端子152は、抵抗測定部160に接続されている。接続部140では、出力端子151及び出力端子152は、入力端子141〜146より選択されたいずれか2つの入力端子と接続される。この接続は不図示の制御系による制御により、時分割して順次接続することが可能であり、入力端子141〜146から選択された2つの入力端子の全てを出力端子151及び出力端子152と接続、即ち、15通りの接続をすることができる。これにより、一つの抵抗測定部140において、導電領域41〜46から選択された2つの抵抗値のすべてを測定することが可能である。
以上、本発明の実施に係る形態について説明したが、上記内容は、発明の内容を限定するものではない。