JP5426788B2 - 半導体発光装置 - Google Patents

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Description

本発明は、半導体発光装置に関する。
例えば、特許文献1には、p型コンタクト層及び発光半導体層の一部をエッチングによってn型コンタクト層が露出するまで除去することで、n型コンタクト層が露出した領域が発光半導体層の積層領域に隣接して形成された構造が開示されている。n型コンタクト層の露出領域にはn型電極が形成され、p型コンタクト層にはp型電極が形成される。n、p両電極を基板にボンディングするフリップチップ(フェイスダウン)タイプの発光素子として用いることができる。
特許第4311173号公報
本発明は、チップサイズの増大を抑えつつ電極面積の増大を図れる半導体発光装置を提供する。
本発明の一態様によれば、第1の主面と、前記第1の主面に対する反対側に設けられた第2の主面と、前記第2の主面に選択的に設けられた凸部と、前記第2の主面から前記第1の主面方向に形成された溝と、を有し、前記第1の主面側に基板を含まない第1の半導体層と、前記第1の半導体層の前記凸部に積層され、発光層を含む第2の半導体層と、前記第1の半導体層の前記第2の主面及び前記溝の側面に設けられた第1の電極と、前記第2の半導体層における前記第1の半導体層に対する反対側の面に設けられた第2の電極と、前記第1の電極における前記2の主面に対する反対側の面に設けられた第1の配線と、前記第2の電極における前記第2の半導体層に対する反対側の面に設けられた第2の配線と、前記第1の配線における前記第1の電極に対する反対側の面に設けられた第1の金属ピラーと、前記第2の配線における前記第2の電極に対する反対側の面に設けられた第2の金属ピラーと、前記第1の金属ピラーと前記第2の金属ピラーとの間に設けられるとともに、前記第1の半導体層における前記第1の主面に続く側面を覆う樹脂と、前記第1の半導体層の前記第1の主面側に、前記第1の半導体層との間に基板を介することなく設けられるとともに、前記第1の半導体層の前記側面を覆う前記樹脂の上に設けられた蛍光体層と、を備えたことを特徴とする半導体発光装置が提供される。
本発明によれば、チップサイズの増大を抑えつつ電極面積の増大を図れる半導体発光装置が提供される。
図4(a)におけるA−A断面に対応する実施形態に係る半導体発光装置の模式断面図。 図1に示す半導体層における発光層近傍の拡大断面図。 実施形態に係る半導体発光装置の要部模式斜視図。 実施形態に係る半導体発光装置の要部模式平面図。 実施形態に係る半導体発光装置の製造方法を示し、図4(a)におけるA−A断面に対応する模式断面図。 実施形態に係る半導体発光装置の製造方法を示し、図4(a)におけるB−B断面に対応する模式断面図。 図6に続く工程を示す模式断面図。 図7に続く工程を示す模式断面図。 実施形態に係る半導体発光装置の製造方法を示す模式平面図。 実施形態に係る半導体発光装置の他の製造方法を示す模式平面図。 図1の構造に対して基板を残した具体例を示す模式断面図。 実施形態に係る半導体発光装置の他具体例の要部模式平面図。
以下、図面を参照し、実施形態について説明する。
図1は、本実施形態に係る半導体発光装置の模式断面図である。
本実施形態に係る半導体発光装置は、半導体層の積層体と、配線、封止樹脂を含むパッケージ構造部と、蛍光体層とを有し、これらはウェーハ状態で一括して形成される。半導体層の積層体は、第1の半導体層11と第2の半導体層12を有する。第1の半導体層11は、例えばn型のGaN層であり、電流の横方向経路として機能する。但し、第1の半導体層11の導電型はn型に限らず、p型であってもよい。
第1の半導体層11の第1の主面11aから主として光が外部へと取り出される。第2の半導体層12は、第1の半導体層11の第1の主面11aの反対側の第2の主面11bに設けられている。
第2の半導体層12は、発光層(活性層)を含む複数の半導体層の積層構造を有する。その構造の一例を図2に示す。
第1の半導体層11の第2の主面11b上に、n型のGaN層31が設けられている。GaN層31上に、n型のInGaN層32が設けられている。InGaN層32上に、発光層33が設けられている。発光層33は、例えばInGaNを含む多重量子井戸構造を有する。発光層33上に、p型のGaN層34が設けられている。GaN層34上に、p型のAlGaN層35が設けられている。AlGaN層35上に、p型のGaN層36が設けられている。
第1の半導体層11の第2の主面11b側には、凸部21と凹部22が設けられている。第2の半導体層12は凸部21の表面に設けられている。したがって、凸部21は、第1の半導体層11と第2の半導体層12との積層構造を含む。
凹部22の底面は第1の半導体層11の第2の主面11bであり、その凹部22の第2の主面11bに、第1の電極としてn側電極14が設けられている。
凸部21の第2の半導体層12において第1の半導体層11と接する面の反対面には、第2の電極としてp側電極15が設けられている。
第1の半導体層11の第2の主面11bは、例えばシリコン酸化膜等の絶縁膜13で覆われている。n側電極14及びp側電極15は、絶縁膜13から露出している。n側電極14とp側電極15とは、絶縁膜13によって絶縁され、互いに電気的に独立した電極となっている。また、絶縁膜13は、発光層を含む凸部21の側面も覆っている。
絶縁膜13、n側電極14およびp側電極15を覆うように、の第2の主面11b側に絶縁膜16が設けられている。絶縁膜16は、例えば、シリコン酸化膜あるいは樹脂である。
絶縁膜16において、第1の半導体層11及び第2の半導体層12に対する反対側の面は平坦化され、その面に第1の配線としてのn側配線17と、第2の配線としてのp側配線18が設けられている。
n側配線17は、n側電極14に達して絶縁膜16に形成された開口16a内にも設けられ、n側電極14と電気的に接続されている。p側配線18は、p側電極15に達して絶縁膜16に形成された開口16b内にも設けられ、p側電極15と電気的に接続されている。
例えば、n側配線17とp側配線18は、開口16a、16bの内壁面も含めた絶縁膜16の表面に形成されたシード金属を電流経路として利用しためっき法によって同時に形成される。
n側電極14、p側電極15、n側配線17およびp側配線18は、いずれも第1の半導体層11の第2の主面11b側に設けられ、発光層に電流を供給するための配線層を構成する。
n側配線17においてn側電極14に対する反対側の面には、第1の金属ピラーとしてn側金属ピラー19が設けられている。p側配線18においてp側電極15に対する反対側の面には、第2の金属ピラーとしてp側金属ピラー20が設けられている。n側金属ピラー19の周囲、p側金属ピラー20の周囲、n側配線17およびp側配線18は、樹脂26で覆われている。
第1の半導体層11は、n側電極14及びn側配線17を介してn側金属ピラー19と電気的に接続されている。第2の半導体層12は、p側電極15及びp側配線18を介してp側金属ピラー20と電気的に接続されている。n側金属ピラー19及びp側金属ピラー20における樹脂26から露出する下端面には、例えばはんだボール、金属バンプなどの外部端子25が設けられ、その外部端子25を介して、半導体発光装置は外部回路と電気的に接続可能である。
本実施形態の構造によれば、第1の半導体層11及び第2の半導体層12の積層体が薄くても、n側金属ピラー19、p側金属ピラー20および樹脂26を厚くすることで機械的強度を保つことが可能となる。また、回路基板等に実装した場合に、外部端子25を介して半導体層に加わる応力をn側金属ピラー19とp側金属ピラー20が吸収することで緩和することができる。n側金属ピラー19及びp側金属ピラー20を補強する役目をする樹脂26は、回路基板等と熱膨張率が同じもしくは近いものを用いるのが望ましい。そのような樹脂26として、例えばエポキシ樹脂、シリコーン樹脂、フッ素樹脂などを一例として挙げることができる。
また、n側配線17、p側配線18、n側金属ピラー19、p側金属ピラー20の材料としては、銅、金、ニッケル、銀などを用いることができる。これらのうち、良好な熱伝導性、高いマイグレーション耐性及び絶縁膜との優れた密着性を備えた銅がより好ましい。
第1の半導体層11の第1の主面11a上には、蛍光体層27が設けられている。蛍光体層27は、第1の主面11aの面方向にわたって略均一な厚さで設けられている。発光層から発光された光は、主に、第1の半導体層11中を進んで第1の主面11aから蛍光体層27に進入し、蛍光体層27を通過して、外部に放出される。
蛍光体層27は、発光層からの光を吸収し波長変換光を放出可能である。このため発光層からの光と、蛍光体層27における波長変換光との混合光が放出可能となる。例えば発光層を窒化物系とすると、その発光層からの青色光と、例えば黄色蛍光体層27における波長変換光である黄色光との混合色として白色または電球色などを得ることができる。
図3は、前述した半導体発光装置における主要要素の模式斜視図である。
図4(a)は、図3の平面図に対応する。
図4(b)は、n側配線17、p側配線18、n側金属ピラー19およびp側金属ピラー20の平面レイアウトの一例を示す平面図である。
図1は、図4(a)におけるA−A断面に対応する。また、図8(b)は、図4(a)におけるB−B断面に対応する。但し、図8(b)は基板10が除去される前の状態を表す。
凹部22は、相対的に幅が広い第1の凹部22aと、相対的に幅が狭い第2の凹部22bとを有する。第1の凹部22aと第2の凹部22bとの深さは同じである。第2の半導体層12を含む凸部21は、凹部22のまわりを囲んでいる。第2の半導体層12及び第1の半導体層11の一部が除去されて露出した第1の半導体層11の第2の主面11bが、凹部22の底面を構成する。
凹部22における第2の主面11bには、その第2の主面11bから第1の主面11aに達する溝40が形成されている。すなわち、溝40は、凹部22の下方の第1の半導体層11を貫通している。例えば、溝40は、第1の凹部22a及び第2の凹部22bにわたって直線状に延びている。溝40における幅方向の両側および長手方向の一端側に、凸部15が設けられている。プロセス上の理由から、溝40は凸部21の下には形成されていない。
凹部22の第2の主面11bには、n側電極14が形成されている。凸部21の第2の半導体層12上には、p側電極15が形成されている。平面的に見ると、図4(a)に示すように、n側電極14のまわりをp側電極15が囲んでいる。
相対的に幅が広い第1の凹部22aの第2の主面11bには、パッド状にn側電極14が形成されている。これにより、第2の主面11b上でのn側電極14とn側配線17との大きなコンタクト面積を確保できる。第2の凹部22bの第2の主面11bには、溝40の開口縁部近傍に、溝40の長手方向に沿ってn側電極14が形成されている。
さらに、図8(b)に示すように、溝40の内部(側面及び底部)にもn側電極14が形成されている。n側電極14は、凹部22の第2の主面11b上および溝40の内部に、図示しないレジストマスクを用いて例えば蒸着法で同時に一体形成される。
溝40の底部にもn側電極14を形成することで、後述する基板10を除去した後に第1の主面11a上に蛍光体層27を形成する際に、溝40内に蛍光体層27が入り込まず、均一な厚さで蛍光体層27を形成可能となる。
図8(b)に示すように、凹部22の周辺の凸部21の側面には絶縁膜13、16が設けられている。絶縁膜13、16により、n側電極14と第2の半導体層12との短絡、およびn側電極14とp側電極18との短絡を防止できる。
前述したように、n側配線17は例えばめっき法により形成される。このときのシード金属は、溝40内のn側電極14の側面及び底面にも形成される。したがって、図8(b)に示すように、溝40内におけるn側電極14の内側にもn側配線17が埋め込まれる。したがって、n側電極14とn側配線17とは、第2の主面11b上でだけでなく、溝40内でも接触するため、それら両者の接触面積が増大し接触抵抗を低減できる。
半導体層における一方の主面側にn側電極とp側電極が形成された構造において、p側電極の平面面積を相対的に大きくすれば、発光面積を大きくして輝度の向上が図れる。しかし、チップサイズ(平面サイズ)を変えずにp側電極の平面面積を大きくすると、相対的にn側電極の平面面積が縮小する。n側電極の平面面積が縮小するとn側電極への電流集中により、信頼性の低下が懸念される。
しかし、本実施形態では、n側電極14が形成される領域の第1の半導体層11に溝40を形成し、その溝40の側面、すなわち第1の半導体層11の側面にもn側電極14を形成している。これにより、平面的なp側電極15及びn側電極14の面積比率を変えることなく、第1の半導体層11と接触するn側電極14の面積を増大させることができる。したがって、チップサイズを増大させることなく、n側電極14の面積を増大させて信頼性を高め、且つp側電極15の面積縮小を抑えて高輝度化を図れる。
また、n側電極14が、平面方向の限られた表面とのみ第1の半導体層11と接触する構造では、第1の半導体層11における電界分布が表面側に集中し、発光効率、色度均一性の制御が困難になる。このため、蛍光体層やレンズへの設計負荷が増加し、チップサイズが大きくならざるを得ず、コストの増加となり、性能との両立が困難である。
これに対して、本実施形態では、n側電極14は、第1の半導体層11の表面に対してだけでなく、第1の半導体層11の側面に対しても接触している。これにより、第1の半導体層11とn側電極14との接触面積が増大するため、第1の半導体層11における電界分布の集中が抑制され、特性制御が容易になる。結果として、蛍光体層やレンズへの設計負荷が軽減され、小型化及び低コスト化が図れる。
なお、溝40の加工を第1の半導体層11の途中で停止させる場合、プロセス上、深さのばらつきが生じやすい。溝40の深さのばらつきは、n側電極14と、溝40の側面を構成する第1の半導体層11との接触面積のばらつきにつながる。これは、それら両者の接触抵抗のばらつきとなり、特性ばらつきにつながるおそれがある。
これに対して本実施形態では、溝40は、第1の半導体層11における第2の主面11bからその反対側の第1の主面11aに達して形成されている。具体的には、後述するように、第1の主面11aの下の基板10が、溝40を加工する際のストッパーとなり、一定深さの溝40を得ることができる。このため、溝40の側面を介したn側電極14と第1の半導体層11との接触面積のばらつきによる特性ばらつきを防ぐことができる。
次に、図5(a)〜図9(b)を参照して、本実施形態に係る半導体発光装置の製造方法について説明する。
図5(a)〜図5(c)は、図4(a)におけるA−A断面に対応する。図6(a)〜図8(b)は、図4(a)におけるB−B断面に対応する。
まず、図5(a)に示すように、基板10の主面上に第1の半導体層11を形成する。第1の半導体層11において基板10側の面が第1の主面11aに対応する。基板10において第1の主面11aの反対側の第2の主面11b上に、第2の半導体層12が形成される。例えば、発光層が窒化物系半導体の場合、第1の半導体層11及び第2の半導体層12の積層体は、サファイア基板上に結晶成長させることができる。
次に、例えば図示しないレジストを用いたRIE(Reactive Ion Etching)法で、第2の半導体層12及び第1の半導体層11の一部を選択的に除去する。図5(b)、図6(a)に示すように、第2の半導体層12及び第1の半導体層11の一部が除去された部分が凹部22となり、発光層を含む第2の半導体層12が残された部分が凸部21となる。凹部22の底部には、第1の半導体層11の第2の主面11bが露出する。
基板10、第1の半導体層11及び第2の半導体層12の積層体はウェーハ状態であり、そのウェーハの一部を平面的に見た図9(a)に示すように、複数の凹部22が形成される。
次に、図5(b)、図6(b)に示すように、凸部21と凹部22との段差部分を含むウェーハ表面の全面を、絶縁膜13で覆う。絶縁膜13は、例えばCVD(chemical vapor deposition)法で形成される。絶縁膜13の形成後、熱処理により第2の半導体層12を活性化させる。
次に、図7(a)、図9(b)に示すように、凹部22の底部の第2の主面11bから基板10に達する溝40を形成する。さらに、図9(b)に示すように、ダイシング溝50を形成する。溝40及びダイシング溝50は、図示しないレジストを用いた例えばRIE法で同時に形成される。
ダイシング溝50は、第2の半導体層12及び第1の半導体層11を貫通し基板10に達する。あるいは、前述した凹部22の形成時に、ダイシング溝50の形成箇所にも凹部を形成しておき、ダイシング溝50はその凹部の底面から基板10に達して形成される。
ダイシング溝50は、第1の半導体層11を基板10上で複数に分離する。ダイシング溝50は、例えばウェーハ面内で格子状に形成される。これにより、ダイシング溝50によって周囲を囲まれた複数のチップ領域が形成される。なお、個々のチップ領域の平面形状は、矩形でも正方形でもよい。溝40を、ダイシング溝50の形成時に同時に形成することで、工程数の増加をまねかない。
次に、絶縁膜13を選択的に開口し、図5(c)、図7(b)に示すように、凸部21の第2の半導体層12上にp側電極15を、凹部22における第1の半導体層11の第2の主面11b上にn側電極14を形成する。さらに、図7(b)に示すように、溝40の内部(側面及び底部)にもn側電極14を形成する。凹部22の第2の主面11b上および溝40の内部に、n側電極14は同工程で一体に形成される。
次に、図1、図8(a)に示すように、n側電極14、p側電極15および絶縁膜13を覆う絶縁膜16を形成する。図8(a)に示すように、溝40内におけるn側電極14の内側にも絶縁膜16は埋め込まれる。絶縁膜16を形成した後、例えばフッ酸溶液を用いて、n側電極14に達する開口16aと、p側電極15に達する開口16bを絶縁膜16に形成する。また、溝40内の絶縁膜16も除去する。
次に、絶縁膜16の上面、開口16a、16bの内壁(側面及び底面)、および溝40内のn側電極14の内面に、図示しないシード金属(Cu)を形成し、さらに図示しないめっきレジストを形成した後、シード金属を電流経路としたCuめっきを行う。
これにより、図1、図8(b)に示すように、絶縁膜16の上面(第1の半導体層11及び第2の半導体層12に対する反対側の面)に、選択的にn側配線17とp側配線18が形成される。p側配線18は、開口16b内にも形成され、p側電極15と接続される。
n側配線17は、開口16a内にも形成され、n側電極14と接続される。さらに、n側配線17は、溝40内にも形成され、溝40内のn側電極14とも接続される。溝40内には、n側電極14及びn側配線17が埋め込まれ、溝40の側面である第1の半導体層11の側面と、n側配線17との間の抵抗を低減できる。
次に、n側配線17及びp側配線18のめっきに使っためっきレジストを薬液で除去した後、今度は金属ピラー形成用の別のめっきレジストを形成し、前述したシード金属を電流経路とした電解めっきを行う。これにより、図1に示すように、n側配線17にn側金属ピラー19が形成され、p側配線18にp側金属ピラー20が形成される。
その後、金属ピラー形成用のめっきレジストを薬液で除去し、さらにシード金属の露出している部分を除去する。これにより、n側配線17とp側配線18とのシード金属を介した電気的接続が分断される。
次に、図1に示すように、n側配線17、p側配線18、n側金属ピラー19、p側金属ピラー20および絶縁膜16を、樹脂26で覆う。また、このとき、前述したダイシング溝50内に樹脂26の一部を埋め込む。
その後、樹脂26の表面を研削してn側金属ピラー19及びp側金属ピラー20の端面を露出させる。そして、その露出面に、はんだボール、金属バンプなどの外部端子25を設ける。
次に、基板10が除去される。基板10は、例えばレーザーリフトオフ法により第1の半導体層11から除去される。具体的には、基板10における第1の半導体層11が形成された主面の反対面である裏面側から第1の半導体層11に向けてレーザ光が照射される。レーザ光は、基板10に対して透過性を有し、第1の半導体層11に対しては吸収領域となる波長を有する。
レーザ光が基板10と第1の半導体層11との界面に到達すると、その界面付近の第1の半導体層11はレーザ光のエネルギーを吸収して分解する。例えば、第1の半導体層11がGaNの場合、Gaと窒素ガスに分解する。この分解反応により、基板10と第1の半導体層11との間に微小な隙間が形成され、基板10と第1の半導体層11とが分離する。レーザ光の照射を、設定された領域ごとに複数回に分けてウェーハ全体にわたって行い、基板10を除去する。
基板10の除去後、図1に示すように、第1の半導体層11の第1の主面11a上に蛍光体層27を形成する。例えば、蛍光体粒子が混合された液状の樹脂をスピンコート法で塗布した後、熱硬化させることで、蛍光体層27が形成される。
このとき、図8(b)に示すように、溝40における第1の主面11a側の開口は閉塞されているため、溝40内に蛍光体層27が入り込まない。また、ダイシング溝50内には樹脂26が埋め込まれているため、ダイシング溝50内にも蛍光体層27が入り込まない。この結果、蛍光体層27を均一な厚さで形成することができ、色度特性のばらつきを抑制できる。
第1の主面11a上から基板10を除去した後に蛍光体層27を形成することで、光取り出し面である第1の主面11aと蛍光体層27との間に基板10が存在せず、光取り出し効率の向上を図れる。
その後、ダイシング溝50の位置で切断し、個片化された半導体発光装置が得られる。基板10はすでに除去され、さらにダイシング溝50に樹脂26が埋め込まれているため、容易にダイシングでき生産性を向上できる。また、ダイシング溝50には、第1の半導体層11及び第2の半導体層12が存在しないため、ダイシング時にそれら半導体層が受けるダメージを回避することができる。樹脂26が埋め込まれたダイシング溝50で切断することで、図1に示すように、個片化されたデバイスにおける第1の半導体層11の端面は樹脂26で覆われる。
図9(b)に示すようなダイシング溝50によって囲まれた複数のチップ領域のうち、少なくとも1つのチップ領域を含む位置で切断して個片化する。すなわち、複数のチップ領域を囲むダイシング溝50で切断して個片化してもよい。
ダイシングされる前までの前述した各工程は、ウェーハ状態で一括して行われるため、個片化された個々のデバイスごとに、配線及びパッケージングを行う必要がなく、大幅な生産コストの低減が可能になる。すなわち、個片化された状態で、すでに配線及びパッケージングが済んでいる。また、個々のデバイスの平面サイズをベアチップ(第1の半導体層11及び第2の半導体層12の積層体)の平面サイズに近くした小型化が容易になる。
いずれも基板10に達する溝40及びダイシング溝50の形成は、凹部22を形成する工程より前に行ってもよい。すなわち、図5(a)に示すように、基板10上に第1の半導体層11及び第2の半導体層12を順に形成した後、図10(a)に示すように、溝40及びダイシング溝50を形成する。溝40及びダイシング溝50は、例えばレジストを用いたRIE法で同時に形成され、第2の半導体層12及び第1の半導体層11を貫通して基板10に達する。
その後に、溝40の周辺の第2の半導体層12及び第1の半導体層11の一部を選択的に除去し、図10(b)に示すように、溝40の周辺で第1の半導体層11の第2の主面11bが露出された凹部22を形成する。このとき、凸部21となる部分、溝40及びダイシング溝50はレジストで覆われ、エッチングされない。
なお、基板10をすべて除去しないで、図11に示すように、薄く研削した上で第1の半導体層11の第1の主面11a上に残してもよい。蛍光体層27は基板10上に設けられ、基板10を介して第1の主面11aに対向する。
基板10を薄層化して残すことにより、基板10をすべて除去する構造よりも機械的強度を高めることができ、信頼性の高い構造とすることができる。また、基板10が残っていることで、個片化した後の反りを抑制でき、回路基板等への実装が容易になる。
1つのチップ領域において、凸部21は、図12(a)に示すように、凹部22及び溝40によって分断されていてもよい。p側電極15が分断されていても、それぞれにp側配線18及びp側金属ピラー20を設けることができる。
図12(b)は、溝41、n側電極14及びp側電極15の平面レイアウトの他の具体例を示す。この具体例における溝41は、図4(a)におけるB−B方向に延びて形成されている。この溝41も凹部22の底面(第2の主面11b)から反対側の第1の主面11aに達し、その溝41の側面にn側電極14が形成されている。なお、複数方向に延びて交差する複数の溝を形成してもよい。また、図4(a)には、凹部22及びn側電極14の一部が凸部21側に延びて食い込むようなレイアウトが例示されているが、図12(b)に示すように、凹部22は矩形もしくは正方形状の平面レイアウトであってもよい。
以上、具体例を参照しつつ実施形態について説明した。しかし、実施形態は、それらに限定されるものではなく、本発明の技術的思想に基づいて種々の変形が可能である。基板、半導体層、電極、配線、金属ピラー、絶縁膜、樹脂の材料、サイズ、形状、レイアウトなどに関して当業者が各種設計変更を行ったものであっても、本発明の主旨を逸脱しない限り本発明の範囲に包含される。
10…基板、11…第1の半導体層、12…第2の半導体層、13,16…絶縁膜、14…n側電極、15…p側電極、17…n側配線、18…p側配線、19…n側金属ピラー、20…p側金属ピラー、21…凸部、22…凹部、26…樹脂、27…蛍光体層、40,41…溝、50…ダイシング溝

Claims (4)

  1. 第1の主面と、前記第1の主面に対する反対側に設けられた第2の主面と、前記第2の主面に選択的に設けられた凸部と、前記第2の主面から前記第1の主面方向に形成された溝と、を有し、前記第1の主面側に基板を含まない第1の半導体層と、
    前記第1の半導体層の前記凸部に積層され、発光層を含む第2の半導体層と、
    前記第1の半導体層の前記第2の主面及び前記溝の側面に設けられた第1の電極と、
    前記第2の半導体層における前記第1の半導体層に対する反対側の面に設けられた第2の電極と、
    前記第1の電極における前記2の主面に対する反対側の面に設けられた第1の配線と、
    前記第2の電極における前記第2の半導体層に対する反対側の面に設けられた第2の配線と、
    前記第1の配線における前記第1の電極に対する反対側の面に設けられた第1の金属ピラーと、
    前記第2の配線における前記第2の電極に対する反対側の面に設けられた第2の金属ピラーと、
    前記第1の金属ピラーと前記第2の金属ピラーとの間に設けられるとともに、前記第1の半導体層における前記第1の主面に続く側面を覆う樹脂と、
    前記第1の半導体層の前記第1の主面側に、前記第1の半導体層との間に基板を介することなく設けられるとともに、前記第1の半導体層の前記側面を覆う前記樹脂の上に設けられた蛍光体層と、
    を備えたことを特徴とする半導体発光装置。
  2. 前記第1の電極は、前記溝の底部にも設けられたことを特徴とする請求項1記載の半導体発光装置。
  3. 前記溝は、直線状に延在することを特徴とする請求項1または2に記載の半導体発光装置。
  4. 前記第1の半導体層は、基板を用いて、結晶成長された請求項1〜のいずれか1つに記載の半導体発光装置。
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