以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではない。また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
図1は、本実施形態に係る光通信装置100の機能構成を概略的に示す。光通信装置100は、例えば、照明光によってデータを伝送する照明光通信装置である。光通信装置100は、発光部110、発光強度決定部120、発光制御部122、記憶部124、センサ126、調節部128、受光部130、判定部132及びタイマ134を備える。
発光部110は、第1発光部112、第2発光部114、及び第3発光部116を有する。第1発光部112は、第1の色の光を発光する。第2発光部114は、第1の色の光とは異なる第2の色の光を発光する。第3発光部116は、第1の色の光及び第2の色の光とは異なる第3の色の光を発光する。第1発光部112、第2発光部114、及び第3発光部116は、例えばLEDである。第1発光部112、第2発光部114、及び第3発光部116は、第1の色の光、第2の色の光、及び第3の色の光が混合されるべく、互いに近傍に配置されてよい。
第1発光部112、第2発光部114、及び第3発光部116は、それぞれ赤色LED、緑色LED、及び青色LEDであってよい。すなわち、第1の色が赤色、第2の色が緑色、第3の色が青色であってよい。例えば、第1発光部112、第2発光部114、及び第3発光部116を同一の発光強度で発光させることにより、混合光が白色光となる。同一の発光強度とは、RGB値が同一となる発光強度であってよい。例えば、第1発光部112、第2発光部114、及び第3発光部116を、R値、G値、B値がそれぞれ200となる発光強度で発光させてよい。
発光強度決定部120は、第1発光部112、第2発光部114、及び第3発光部116のそれぞれの発光強度を決定する。発光強度決定部120は、伝送する値に応じて、第1発光部112、第2発光部114、及び第3発光部116の発光強度を決定してよい。
例えば、発光強度決定部120は、第1発光部112、第2発光部114、及び第3発光部116のうちのいずれか1つの発光強度と他の2つの発光強度との差を第1閾値以上にし、他の2つの発光強度同士の差を第1閾値より小さくすべく、それぞれの発光強度を決定する。これにより、第1発光部112の発光強度のみに第1閾値以上の差がある状態、第2発光部114のみに第1閾値以上の差がある状態、第3発光部116のみに第1閾値以上の差がある状態の3つの状態によって、少なくとも3つの値を伝送できる。またさらに、第1発光部112、第2発光部114、及び第3発光部116のそれぞれの発光強度の差を、すべて第1閾値より小さくすべく、発光強度を決定してもよい。これにより、少なくとも4つの値を伝送できる。
発光制御部122は、発光強度決定部120が決定した発光強度で、発光部110を発光させる。例えば、第1発光部112の発光強度のみが第2発光部114及び第3発光部116の発光強度よりも第1閾値以上強くなるべく決定された発光強度で、発光制御部122が発光部110を発光させることにより、他の装置に第1の値が伝送される。また、第2発光部114の発光強度のみが第1発光部112及び第3発光部116の発光強度よりも第1閾値以上強くなるべく決定された発光強度で、発光制御部122が発光部110を発光させることにより、他の装置に第2の値が伝送される。
また、第3発光部116の発光強度のみが第1発光部112及び第2発光部114の発光強度よりも第1閾値以上強くなるべく決定された発光強度で、発光制御部122が発光部110を発光させることにより、他の装置に第3の値が伝送される。また、第1発光部112、第2発光部114、及び第3発光部116のそれぞれの発光強度のそれぞれの差が、すべて第1閾値より小さくなるべく決定された発光強度で、発光制御部122が発光部110を発光させることにより、他の装置に第4の値が伝送される。
第1の値から第4の値は、光通信装置100と他の光通信装置との間の通信プロトコルに従って、異なるデータを示してよい。例えば、第1の値から第4の値のそれぞれは、2値のデジタルデータのいずれかの値である。より具体的に、例えば、第1の値が「01」、第2の値が「10」、第3の値が「11」、第4の値が「00」であってよい。発光強度決定部120は、例えば「010011」というデータを伝送する場合に、第1の値、第4の値、第3の値の順にデータ伝送するべく、発光部110の発光強度を決定してよい。
記憶部124は、伝送用のデータを記憶する。記憶部124は、伝送用のデータとして光通信装置100を識別する識別情報を記憶してよい。識別情報は、光通信装置100毎に予め割り振られた情報であってよい。
センサ126は、温度、光、ガス、超音波、電磁波などをそれぞれ検知するセンサを少なくとも1つ有してよい。例えば、センサ126は人感センサを有する。センサ126は、赤外線、超音波及び可視光などを用いて人の存在を検知する。センサ126は、人の存在を検知した場合に、人の存在を示すセンサ値を発光強度決定部120に対して送信してよい。
センサ値を受信した発光強度決定部120は、センサ値に基づいて発光部110の発光強度を決定する。例えば、人の存在を示すセンサ値を第1の値とし、人の存在を示さないセンサ値を第4の値とした場合、受信したセンサ値が人の存在を示すセンサ値であるときに、発光強度決定部120は、第1の値を伝送すべく発光部110の発光強度を決定する。そして、発光制御部122が、決定された発光強度で発光部110を発光させることにより、人の存在を検知したことを、他の装置に伝えることができる。
また、発光強度決定部120は、センサ126から受信したセンサ値に加えて、記憶部124に記憶された識別情報を他の装置に伝送してもよい。この場合、発光強度決定部120は、センサ値と識別情報とを対応付けたデータ列を伝送するべく、発光部110の発光強度を決定してよい。これにより、人の存在が検知されたこと、及び人の存在を検知した光通信装置100を他の装置に伝えることができる。
また、センサ126は、複数のセンサを有する場合に、センサ値に加えてセンサを識別するセンサ識別情報を発光強度決定部120に送信してよい。これにより、発光強度決定部120は、センサ値を出力したセンサを識別することができる。発光強度決定部120は、センサ126から、センサ値及びセンサ識別情報を受信した場合に、センサ値とセンサ識別情報とを対応付けたデータ列を伝送するべく、発光部110の発光強度を決定してよい。
調節部128は、発光部110の発光強度を調節するべく、発光制御部122に発光部110を制御させる。調節部128は、光通信装置100を使用する使用者の指示に従って発光強度を調節するべく、発光制御部122に発光部110を制御させてよい。例えば、発光部110を照明光源として用いる場合に、使用者は、調節部128を介して、照明光の明るさを調節できる。
また、調節部128は、予め設定されたプログラムに基づいて、発光部110の発光強度を調節してもよい。例えば、調節部128は、夜の時間帯に近づくにつれて徐々に照明を明るくするプログラムに従って、徐々に照明を明るくするべく発光部110の発光強度を調節してよい。
受光部130は、他の光通信装置により発光された光を受光する。受光部130は、第1の光のみを透過する色フィルタを有する光電変換部、第2の光のみを透過する色フィルタを有する光電変換部、及び第3の光のみを透過する色フィルタを有する光電変換部を有してよい。
判定部132は、受光部130が受光した第1の光、第2の光、及び第3の光のそれぞれの受光強度のそれぞれの差に基づいて、他の光通信装置から伝送された値を判定する。例えば、判定部132は、第1の光の受光強度のみが、第2の光及び第3の光の受光強度よりも第1閾値以上強い場合に、他の光通信装置から第1の値が伝送されたと判定する。また、判定部132は、第2の光の受光強度のみが、第1の光及び第3の光の受光強度よりも第1閾値以上強い場合に、他の光通信装置から第2の値が伝送されたと判定してよい。
また、判定部132は、第3の光の受光強度のみが、第1の光及び第2の光の受光強度よりも第1閾値以上強い場合に、他の光通信装置から第3の値が伝送されたと判定してよい。また、判定部132は、第1の光、第2の光、及び第3の光のそれぞれの受光強度の、それぞれの差が、第1閾値より小さい場合に、他の光通信装置から第4の値が伝送されたと判定してよい。
判定部132は、判定結果を発光強度決定部120に送信してよい。発光強度決定部120は、判定部132の判定結果に従って、発光部110の発光強度を決定してよい。例えば、判定部132が第1の値を発光強度決定部120に送信した場合に、発光強度決定部120は、第1の値を伝送すべく、発光部110の発光強度を決定してよい。これにより、他の光通信装置から伝送されたデータを、さらに別の光通信装置に伝送することができる。すなわち、バケツリレー方式によってデータの伝送をすることができる。
タイマ134は、他の光通信装置が発光した光を受光部130が受光してからの経過時間を計測する。タイマ134は、特に、他の光通信装置がデータを伝送すべく発光した光の受光を開始してからの経過時間を計測してよい。
図2は、データAを伝送する場合における発光部110の発光強度の一例を概略的に示す。縦軸が発光強度を示し、横軸が時間を示す。図2では、時刻t1に、調節部128によって発光部110の発光強度が強度aから強度bに強められた場合を例に挙げて説明する。ここでは、第1の値が「01」、第2の値が「10」、第3の値が「11」、第4の値が「00」である場合を例に挙げる。
発光強度決定部120は、「01」の値を伝送する場合に、第1発光部112の発光強度と、第2発光部114及び第3発光部116の発光強度との差が第1閾値以上になるべく、発光部110の発光強度を決定する。例えば、第1閾値をRGB値を10とした場合に、発光強度決定部120は、第1発光部112の発光強度を、R値が210となる発光強度とし、第2発光部114及び第3発光部の発光強度をそれぞれG値が200、B値が200となる発光強度として決定してよい。
ここで、発光強度決定部120は、現在の発光強度に対して、第1発光部112の発光強度のみ変化させることにより、発光部110の発光強度を決定してよい。これにより、発光強度を変化させる発光部の数を最小限にすることができる。
また、発光強度決定部120は、第1発光部112、第2発光部114、及び第3発光部116の発光強度を相対的に変化させることにより、差が第1閾値以上になるべく発光部110の発光強度を決定してよい。すなわち、第1発光部112の発光強度を強め、第2発光部114及び第3発光部116の発光強度を弱めることによって、差が第1閾値以上になるべく発光部110の発光強度を決定してよい。これにより、現在の発光強度に対する変動を小さくすることができる。
発光強度決定部120は、時刻t1に、調節部128によって発光部110の発光強度が強められた場合に、強められた状態で第1閾値以上の差がつくべく、発光部110の発光強度を決定する。これにより、発光部110の明るさが調節部128を介して調節された場合であっても、発光部110の光を受光する装置に対して、発光強度の差が第1閾値以上か否かという同じ判定基準によって、第1の値から第4の値の何れが伝送されたかを判定させることができる。
なお、図2では、データ伝送を開始してからの発光強度の一例を示したが、光通信装置100は、データ伝送を開始するまえに、データ伝送の開始を示す開始データを伝送してよい。これにより、光を受光する装置に対して、データ伝送の開始を知らせることができる。また、光通信装置100は、データ伝送が終了した場合に、データ伝送の終了を示す終了データを伝送してよい。
第1閾値は、発光部110の光を受光する装置が、受光強度の差を解析できる値以上であることが求められる。ここで、第1閾値は、光通信装置100が備える受光部130の解析能力に合わせて設定されてよい。これにより、光通信装置100が発光する光を、他の光通信装置100が受光する場合に、適切にデータ伝送を実行することができる。また、データを伝送する伝送先の装置が特定されている場合には、伝送先の装置の解析能力に合わせて設定されてよい。
発光強度決定部120は、第1発光部112、第2発光部114、及び第3発光部116のそれぞれの発光強度のそれぞれの差が、第2閾値以下となるようにすべく、発光部110の発光強度を決定してよい。ここで、第2閾値は、人間の色覚に基づいて決定されてよい。第2閾値は、データ伝送をしていない状態の第1の光、第2の光、及び第3の光の混合色と、データ伝送をしている状態の第1の光、第2の光、及び第3の光の混合色とが、異なる色であると人間が認識できないように設定されることが望ましい。
例えば、第1の光が赤色光、第2の光が緑色光、第3の光が青色光である場合に、人間が白色光以外の光(例えば、赤色光、緑色光又は青色光)に感じない値に設定されることが望ましい。これにより、データ伝送による発光強度の切り替えが、光通信装置100の近傍に位置する人間に不快感を与えてしまうことを防止できる。
第2閾値は、第1の色、第2の色、及び第3の色の組み合わせ毎に、異なる値が決定されてよい。これにより、異なる色に対する人間の色覚の特性に適合させることができる。また、第2閾値は、使用者の色覚に合わせて決定されてもよい。これにより、色覚の個人差に合わせることができる。
図3は、CIE標準色度図を示す。ここでは、特に、第1発光部112、第2発光部114、及び第3発光部116が、赤色光、緑色光、及び青色光を発光する場合であって、混合光として白色光を発光する場合について説明する。
発光強度決定部120は、第1発光部112、第2発光部114及び第3発光部116の発光強度の比率が、白色を示す範囲内になるべく、第1発光部112、第2発光部114及び第3発光部116の発光強度を決定してよい。これにより、データ伝送を実行している場合と実行していない場合とで、使用者に対して違和感を与えてしまうことを防止できる。
発光強度決定部120は、第1発光部112、第2発光部114、及び第3発光部116の混合光が白色を示すべく、赤色光、緑色光、青色光の光度比が3:7:1となるように発光部110の発光強度を決定してよい。また、発光強度決定部120は、第1発光部112、第2発光部114、及び第3発光部116の発光強度の比率が、CIE標準色度図における(0.296、0.276)、(0.283、0.305)、(0.330、0.360)、(0.330、0.318)の4点で囲まれる範囲内になるべく、発光部110の発光強度を決定してよい。これにより、データ伝送を実行している場合と実行していない場合とで、さらに使用者に対して違和感を与えてしまうことを防止できる。
また、発光強度決定部120は、第1発光部112、第2発光部114及び第3発光部116の発光強度の比率が、黄みの白、緑みの白、青みの白、紫みの白及びうすいピンクを示す範囲内になるべく、発光強度を決定してよい。これにより、使用者の違和感が少ない範囲で、データ伝送を実行できる。
図4は、光通信装置100による受光処理のフローチャートの一例を示す。本フローチャートは、データ伝送の開始を示す開始データを光通信装置100が受光した場合に開始する。ステップS402では、タイマ134が、経過時間の計測を開始する。ステップS404では、受光部130が、他の光通信装置が発光する第1の光、第2の光、及び第3の光を受光する。
ステップS406では、判定部132が、第1の光、第2の光、及び第3の光のそれぞれの受光強度のそれぞれの差について、第2閾値以下であるか否かを判定する。判定部132により、第2閾値以上であると判定された場合、ステップS408に進む。判定部132により、第2閾値以上でないと判定された場合、ステップS418に進む。
ステップS408では、判定部132が、第1の光、第2の光、及び第3の光のそれぞれの受光強度のそれぞれの差に基づいて、他の光通信装置によって伝送された値を判定する。ステップS410では、記憶部124が、判定された値を記憶する。記憶部124は、すでに記憶している値がある場合は、すでに記憶している値に対して判定された値を結合してよい。
ステップS412では、記憶部124に記憶された値が終了データを含むか否かを判定部132が判定する。判定部132により、終了データを含まないと判定された場合、ステップS404に戻る。判定部132によって、終了データを含むと判定された場合、ステップS414に進む。
ステップS414では、発光強度決定部120が、記憶部124に記憶された値を伝送すべく、発光部110の発光強度を決定する。発光強度決定部120は、記憶部124に記憶されたデータが、複数の値が結合されたデータ列である場合には、データ列を伝送するべく、連続する複数の発光強度を決定する。
ステップS416では、ステップS402で計測を開始した時間が予め定められた時間を経過したタイミングで、発光制御部122が、開始データを伝送すべく発光部110を発光させる。そして、開始データの伝送後に、ステップS414で決定された発光強度に従って発光部110を発光させる。これにより、例えば、複数の光通信装置100がバケツリレー方式によりデータを伝送する場合に、複数の光通信装置100のうち、いずれの光通信装置100がデータ伝送を実行したのかを、各光通信装置100が把握することができる。ここで、予め定められた時間としては、例えば、秒単位で設定されていてよい。また、使用者によって任意の時間が設定されてよい。
ステップS406で、判定部132により差が第2閾値以下でないと判定された場合に、ステップS418に進む。ステップS418では、判定部132が、伝送エラーと判定する。第1の光、第2の光、及び第3の光のそれぞれの受光強度のそれぞれの差のいずれかが、第2閾値以上である場合、受光部130に、第1の光、第2の光、及び第3の光以外の光が混入している可能性が高い。よって、判定部132が伝送エラーと判定することにより、伝送されたデータの誤認識を防止することができる。ステップS416で発光制御部122が発光部110を発光させた後、又は、ステップS418で判定部132が伝送エラーと判定した後に、処理が終了する。
図5は、複数の発光部110を備える光通信装置100を概略的に示す。発光強度決定部120は、複数の発光部110に対して同一の発光強度を決定してよい。光通信装置100は、複数の発光部110によって、広範囲に照明光を提供しつつ、データ伝送を実行することができる。
図6は、複数の光通信装置を備える光通信システム200を概略的に示す。光通信システム200は、光通信により直列に接続された第1光通信装置300、第2光通信装置400及び第3光通信装置500と、第1光通信装置300、第2光通信装置400及び第3光通信装置500により伝送された情報を処理する情報処理装置210とを備える。
第1光通信装置300、第2光通信装置400、及び第3光通信装置500は、光通信装置100と同一の構成を備える。情報処理装置210は、受光部212を備える。受光部212は、隣接する第3光通信装置500が発光する光を受光する。
第1光通信装置300は、センサにより検知したセンサ値を隣接する第2光通信装置400に伝送する。例えば、第1光通信装置300は、人感センサによって検知した人の存在を示すセンサ値と第1光通信装置300の識別情報とを対応付けたデータ列を伝送するべく、発光部を制御する。
第1光通信装置300に隣接する第2光通信装置400は、第1光通信装置300が発光した光を受光することにより、データ列を受信する。データ列は第2光通信装置400の記憶部に記憶される。そして、第2光通信装置400は、記憶部に記憶されたデータ列を伝送するべく、発光部を制御する。
第2光通信装置400に隣接する第3光通信装置500は、第2光通信装置400が発光した光を受光することにより、データ列を受信する。データ列は第3光通信装置500の記憶部に記憶される。そして、第3光通信装置500は、記憶部に記憶されたデータ列を伝送するべく、発光部を制御する。
第3光通信装置500に隣接する情報処理装置210は、第3光通信装置500が発光した光を受光することにより、データ列を受信する。このような構成により、第1光通信装置300、第2光通信装置400及び第3光通信装置500のそれぞれから、情報処理装置210に情報が伝送される。情報処理装置210は、データ列に含まれる人の存在を示すセンサ値及び第1光通信装置300の識別情報から、第1光通信装置300の近傍に人が存在することを把握することができる。
例えば、光通信システム200を店舗の販売エリアに導入することによって、販売エリアにおける人の流動情報を取得することができる。この場合、光通信システム200は、販売エリア全体をカバーするべく、直列に接続された複数の光通信装置及び情報処理装置210の組を複数備えてよい。そして、各組の情報処理装置210は、ネットワークを介してサーバ装置に接続されてよい。
複数の光通信装置のそれぞれは、人感センサによって人の存在を検知した場合に、人の存在を示すセンサ値と識別情報とを対応付けたデータ列を、バケツリレー方式により情報処理装置210に伝送する。情報処理装置210は、受信したデータ列から識別情報及びセンサ値を取得して、複数の光通信装置のそれぞれの識別情報と人の存在を示すセンサ値とを対応付ける。そして、情報処理装置210は、対応付けたデータをサーバ装置に送信する。
サーバ装置は、各情報処理装置210から、識別情報とセンサ値とが対応付けられたデータを取得することにより、複数の光通信装置のそれぞれについて、光通信装置の近傍に人が存在するか否かを把握することができる。なお、複数の情報処理装置210のいずれかがサーバ装置の役割を担ってもよい。
また、光通信システム200は、情報処理装置210として防犯カメラを備えてもよい。情報処理装置210は、人の存在を検知した光通信装置により伝送されたデータ列から、識別情報及びセンサ値を取得する。そして、情報処理装置210は、識別情報から光通信装置の位置を特定して、光通信装置の方向に、防犯カメラをズームアップさせる。これにより、不審人物の検出及び特定を効率的に実行できる。
また、光通信システム200は、情報処理装置210として火災報知機を備えてもよい。光通信システム200は、複数の光通信装置のいずれかが高温を検知した場合に、高温を検知したことを、バケツリレー方式によって火災報知機に伝送させて、火災報知機を作動させてよい。これにより、火災発生を迅速に報知することができる。
図7は、導光部142を備える光通信装置100を概略的に示す。導光部142は、発光部110により発光された光を、他の光通信装置100の受光部130の方向に導く。図7では、導光部142として、光ファイバを含む形状変更可能なチューブ状部材を備えた例を示す。光通信装置100が導光部142を備えることにより、2つの光通信装置の間に遮蔽物が存在する場合であっても、発光部110が発光する光を他の光通信装置100に受光させることができる。
なお、ここでは、導光部142として光ファイバを用いた例を挙げて説明したが、これに限らない。光通信装置100は、発光部110により発光された光を他の光通信装置100の受光部130の方向に向けて反射させる反射鏡を備えてもよい。
図8は、受光部130を移動可能に支持する支持部144を備える光通信装置100を概略的に示す。光通信装置100が支持部144を備えることにより、他の光通信装置100との間に遮蔽物が存在する場合であっても、他の光通信装置100が発光する光を受光可能な位置に受光部130を移動させることができる。
本実施形態では、発光部110が、第1発光部112、第2発光部114、及び第3発光部116を備える例を挙げて説明したが、これに限らない。発光部110は、4つ以上の発光部を備えてもよく、また、第1発光部112及び第2発光部114の2つを備えてもよい。また、本実施形態では、発光部110が、赤色、緑色、及び青色を発光する場合について主に説明したが、発光部110は、任意の異なる色を発光してよい。
図9は、代表的な色のLEDの発光波長特性を概略的に示す。発光部110が、第1発光部112及び第2発光部114を備える場合において、例えば、第1発光部112が赤色光、第2発光部114が緑色光を発光してよい。これにより、第1発光部112及び第2発光部114の混合光が黄色光となる。
また、第1発光部112及び第2発光部114が、黄色光及び青色光をそれぞれ発光する場合、第1発光部112と第2発光部114との混合光は白色光となる。なお、発光部110は、波長範囲の重複がより少ない色をそれぞれ発光する複数の発光部を備えてよい。これにより、発光部110が発光する複数の光を受光する装置による、光の分離精度を向上させることができる。
発光部110が第1発光部112及び第2発光部114を備える場合、発光強度決定部120は、第1の値を伝送するときに、第1発光部112の発光強度と第2発光部114の発光強度との差を第1閾値以上にすべく、第1発光部112及び第2発光部114のそれぞれの発光強度を決定してよい。また、発光強度決定部120は、第1の値とは異なる第2の値を伝送する場合、第1発光部112の発光強度と第2発光部114の発光強度との差を第1閾値より小さくすべく、第1発光部112及び第2発光部114の発光強度を決定してよい。
また、発光強度決定部120は、判定部132により第1の値が伝送されたと判定された場合に、第1発光部112の発光強度と第2発光部114の発光強度との差を第1閾値以上にすべく、第1発光部112及び第2発光部114のそれぞれの発光強度を決定してよい。そして、発光制御部122は、受光部130が第1の光及び第2の光を受光してから予め定められた時間を経過したタイミングで、発光強度決定部120が決定した発光強度で、第1発光部112及び第2発光部114を発光させてよい。
また、判定部132は、受光部130により受光した第1の光の受光強度と第2の光の受光強度との差が第1閾値以上である場合に、第1の値が伝送されたと判定してよい。また、判定部132は、受光部130により受光した第1の光の受光強度と第2の光の受光強度との差が第1閾値より小さい場合に、第2の値が伝送されたと判定してよい。
本実施形態では、発光部110の発光強度としてRGB値を例に挙げて説明したが、発光強度を示す値であれば、他の値を用いてもよい。例えば、第1発光部112、第2発光部114及び第3発光部116を駆動する電圧値を発光強度としてもよい。また、相対発光出力を発光強度としてもよい。
また、本実施形態では、第1発光部112、第2発光部114、及び第3発光部116のそれぞれの発光強度のそれぞれの差を、第1閾値以上とするか第1閾値より小さくするかによって、異なる値の伝送を実行する例を挙げて説明した。しかし、これに限らない。第1発光部112、第2発光部114、及び第3発光部116のそれぞれの発光強度のそれぞれの差が、第1閾値以上強いか、弱いかによってさらに異なる値を伝送するように構成してもよい。
例えば、第1発光部112の発光強度のみが第2発光部114及び第3発光部116の発光強度よりも第1閾値以上強くなるべく決定された発光強度で、発光制御部122が発光部110を発光させることにより、他の装置に第1の値が伝送されてよい。また、第2発光部114の発光強度のみが第1発光部112及び第3発光部116の発光強度よりも第1閾値以上強くなるべく決定された発光強度で、発光制御部122が発光部110を発光させることにより、他の装置に第2の値が伝送されてよい。
また、第3発光部116の発光強度のみが第1発光部112及び第2発光部114の発光強度よりも第1閾値以上強くなるべく決定された発光強度で、発光制御部122が発光部110を発光させることにより、他の装置に第3の値が伝送されてよい。また、第1発光部112の発光強度のみが第2発光部114及び第3発光部116の発光強度よりも第1閾値以上弱くなるべく決定された発光強度で、発光制御部122が発光部110を発光させることにより、他の装置に第4の値が伝送されてよい。
また、第2発光部114の発光強度のみが第1発光部112及び第3発光部116の発光強度よりも第1閾値以上弱くなるべく決定された発光強度で、発光制御部122が発光部110を発光させることにより、他の装置に第5の値が伝送されてよい。また、第3発光部116の発光強度のみが第1発光部112及び第2発光部114の発光強度よりも第1閾値以上弱くなるべく決定された発光強度で、発光制御部122が発光部110を発光させることにより、他の装置に第6の値が伝送されてよい。
そして、第1発光部112、第2発光部114、及び第3発光部116のそれぞれの発光強度同士の差が第1閾値より小さくなるべく決定された発光強度で、発光制御部122が発光部110を発光させることにより、他の装置に第7の値が伝送されてよい。これにより、少なくとも7つの値の伝送を実行することができる。
また、第1発光部112、第2発光部114、及び第3発光部116のそれぞれの発光強度のそれぞれの差を、第1閾値以上とするか第1閾値より小さい他の閾値よりも小さくするかによって、異なる値の伝送を実行してもよい。
図10は、本実施形態に係る光通信装置100のハードウェア構成の一例を示す。光通信装置100は、ホストコントローラ702により相互に接続されるCPU704、RAM706を有するCPU周辺部と、入出力コントローラ708によりホストコントローラ702に接続されるLED710、光電変換器712、及びセンサ716を有する入出力部とを備える。
ホストコントローラ702は、RAM706と、高い転送レートでRAM706をアクセスするCPU704とを接続する。CPU704は、RAM706に格納されたプログラムに基づいて動作して、各部を制御する。
LED710は、少なくとも2つのLEDを備える。LED710は発光部110の一例であってよい。光電変換器712は、色フィルタ714を有する。光電変換器712及び色フィルタ714は、少なくとも第1の色のみを透過させる色フィルタを有する光電変換器、及び第2の色のみを透過させる色フィルタを有する光電変換器を備える。光電変換器712及び色フィルタ714は、受光部130の一例であってよい。
入出力コントローラ708は、光電変換された電圧値を光電変換器712から受信する。また入出力コントローラ708は、センサ716からセンサ値を受信する。また、入出力コントローラ708は、LED710の発光強度を調節する指示を受け付け、LED710に対して出力する。入出力コントローラ708は、調節部128の一例であってよい。
光通信装置100にインストールされて実行されるプログラムは、CPU704等に働きかけて、光通信装置100を、図1から図9にかけて説明した発光部110、発光強度決定部120、発光制御部122、記憶部124、センサ126、調節部128、受光部130、判定部132、及びタイマ134として機能させる。
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更又は改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。その様な変更又は改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
特許請求の範囲、明細書、及び図面中において示した装置、システム、プログラム、及び方法における動作、手順、ステップ、及び段階等の各処理の実行順序は、特段「より前に」、「先立って」等と明示しておらず、また、前の処理の出力を後の処理で用いるのでない限り、任意の順序で実現しうることに留意すべきである。特許請求の範囲、明細書、及び図面中の動作フローに関して、便宜上「まず、」、「次に、」等を用いて説明したとしても、この順で実施することが必須であることを意味するものではない。