JP5425053B2 - 微量物質検出装置 - Google Patents

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Description

本発明は、例えば、DNA(デオキシリボ核酸)等の微量物質を被検出対象物質として検出するための微量物質検出装置に係り、特に、被検出対象物質に結合させた標識物質を測定することによって微量物質の有無や量を測定するように構成したものにおいて、被検出対象物質への磁気ビーズと標識物質の結合から被検出対象物質の検出に至るまでの作業を自動化できるようにし、又、構造を簡素化し、安価且つ容易に製造できるように工夫したものに関する。
例えば、DNA等の微量物質を被検出対象物質として検出や定量を行う場合、被検出対象物質の単離や精製、標識物質の被検出対象物質への結合等の煩雑な作業が必要である。
例えば、DNAの場合は、例えば、特許文献1に開示されているように、標識物質である免疫反応材を被検出対象物質となるDNAに結合させ、そのDNAと相補的なDNAを結合させた支持体によって免疫反応剤を結合させたDNAを捕らえ、免疫反応によって上記免疫反応材に特異的に結合する蛍光物質等を標的となるDNAに結合させて、その蛍光を測定することで被検出対象物質の検出・定量を行う。
又、蛋白質の場合ではあるが、例えば、特許文献2に示すように、被検出対象物質である蛋白質に免疫反応を利用して標識物質を結合し、標識物質の測定により被検出対象物質の検出・定量を行っている。
このような、被検出対象物質の検出・定量のための作業は、手作業で行われる。
又、特許文献3、特許文献4には、DNAの検出・測定を行う装置が開示されている。
又、標識物質として、例えば、酸化還元酵素を用いる場合もある。この場合は、酸化還元反応により生じる電流等を測定することにより、被検出対象物質の検出や定量を行う。
特開平10−504962号公報 特開平10−276786号公報 特開平5−199898号公報 特開平2−23898号公報
上記従来の構成によると次のような問題があった。
まず、前述したように、被検出対象物質と標識物質との結合から検出・定量までの全ての作業を自動化した装置はなく、DNA等の被検出対象物質の検出・定量のための作業は全て手作業で行われていた。その為、検出に長い時間や多くの労力を要してしまい、且つ、正確な検出を行うためには作業者の熟練を要してしまうという問題があった。
また、例えば、特許文献3や特許文献4に記載されているような装置は、複数のセルや流路が設けられていること等により、複雑な構成となっている。
また、酸化還元反応によって発生する電流等を測定する方法の場合、2つの電極のうちの一方をイオン交換膜等で隔離されバッファ液が封入された内部に設置し、他方をその外部の酸化還元反応が行なわれる箇所に設置しておく必要がある。このように構成することにより 一方の電極側に酸化還元反応で発生したイオンのみが移動することになり、それによって、2つの電極間に酸化還元反応による電流を生じさせることができる。
本発明はこのような点に基づいてなされたものでその目的とするところは、DNA等の微量物質と標識物質との反応から検出・定量に至る作業を自動的に行うことができ、構成が簡素で、安価、且つ、容易に製造することができる微量物質検出装置を提供することにある。
上記目的を達成するべく本願発明の請求項1による微量物質検出装置は、チューブと、上記チューブに接続され上記チューブ内を吸引/加圧することにより上記チューブ内において上記試料溶液を移動させる吸引/加圧手段と、上記チューブに設けられ被検出対象物質が含まれる検体と磁気ビーズと標識物質とバッファ液を混合させ上記被検出対象物質と上記磁気ビーズと上記標識物質とを混合させる混合部と、上記チューブであって上記吸引/加圧手段と上記混合部との間にそれぞれバルブを介して連設され上記混合部で混合された被検出対象物質が含まれる検体と磁気ビーズと標識物質とバッファ液を反応・結合させて試料溶液とする反応部と、上記チューブであって上記吸引/加圧手段と上記反応部との間にそれぞれバルブを介して迂回した状態で設けられ、上記試料溶液が導入され、上記被検出対象物質に結合された上記標識物質による化学反応を発生させ、それにより生じた電気的な変位を測定する測定部と、上記測定部に設置された一対の電極と、上記反応部と上記測定部に設けられ磁力により上記磁気ビーズと結合した被検出対象物質を吸着・保持する磁気制御部と、上記磁気制御部と上記吸引/加圧手段と上記バルブを制御する制御装置と、を具備し、上記一対の電極の一方には、樹脂のコーティングが施されていて、該コーティングにより設けられたコーティング部は上記標識物質による化学反応により荷電された物質のみを透過するものであることを特徴とするものである。
又、請求項2による微量物質検出装置は、請求項1記載の微量物質検出装置において、上記コーティングは、ゼオライト、イオン交換樹脂、イオン透過樹脂、含水樹脂、バッファ液を含んだ樹脂のうちの何れかによるものであることを特徴とするものである。
又、請求項3による微量物質検出装置は、請求項1又は請求項2記載の微量物質検出装置において、上記一対の電極は金属箔からなる薄板状の電極であることを特徴とするものである。
又、請求項4による微量物質検出装置は、請求項1〜請求項3の何れかに記載の微量物質検出装置において、上記測定部には、絶縁シートが設置されており、上記一対の電極は、上記絶縁シートに貼り付けられているものであることを特徴とするものである。
以上述べたように本願発明の請求項1による微量物質検出装置によると、被検出対象物質への磁気ビーズと標識物質の結合、被検出対象物質の精製、被検出対象物質の検出までの一連の作業を容易に自動化することができ、この一連の作業に要する労力を軽減することができると共に作業に要する時間を短縮することができる。又、上記測定部に設置された電極の一方は、標識物質による化学反応により荷電された物質のみを透過するコーティングが施されているため、上記測定部内をイオン交換膜等による隔壁で2つの部屋に区画し、それぞれの部屋内に電極を設置し、且つ、どちらか一方の部屋内にバッファを封入するという複雑な構成を採用する必要がなくなり、微量物質検出装置を安価且つ容易に製造することができる。
又、請求項2による微量物質検出装置は、上記測定部に設置された電極の一方に施されたコーティングが、ゼオライト、イオン交換樹脂、イオン透過樹脂、含水樹脂、バッファ液を含んだ樹脂のうちの何れかによるものであるため、前述のように、測定部を複雑な構成とする必要がなく、更に微量物質検出装置を安価且つ容易に製造することができる。
又、請求項3による微量物質検出装置は、上記電極は金属箔からなる薄板状の電極であるため、微量物質検出装置の構成を簡素化し、安価且つ容易に製造することができる。
又、請求項4による微量物質検出装置は、測定部に絶縁シートが設置されており、上記陽極及び上記陰極は上記絶縁シートに貼り付けられているものであるため、微量物質検出装置の構成をより簡素化し、安価且つ容易に製造することができる。
本願発明の一実施の形態を示す図で、本実施の形態による微量物質検出装置を示す系統図である。 本願発明の一実施の形態を示す図で、本実施の形態による微量物質検出装置の測定部に設置された電極のうち、コーティングがされている電極の横断面図である。 本願発明の一実施の形態を示す図で、本実施の形態による微量物質検出装置の測定部及び測定回路の構成を示す回路図である。 本願発明の一実施の形態を示す図で、本実施の形態による微量物質検出装置によって検出するために、被検出対象物質であるDNAに磁気ビーズと酸化還元酵素を結合した様子を表わす模式図である。 本願発明の一実施の形態を示す図で、測定チャンバ内の反応の様子を説明するための模式図である。
以下、図1乃至図5を参照して本発明の一実施の形態を説明する。図1は本実施の形態による微量物質検出装置の構成を示す系統図である。まず、チューブ1がある。このチューブ1の一端側(図1中左端)には検体注入部3が設けられていて、この検体注入部3には検体注入器5が着脱可能に挿入されている。この検体注入器5の中には、被検出対象物質としてのDNAを含む検体7が充填されている。又、上記検体注入部3近傍のチューブ1には、バッファ液注入部9が設置されていて、このバッファ液注入部9内にはバッファ液11が充填されている。上記バッファ液11は、緩衝液に被酸化還元物質と電子メディエータを溶かした溶液である。緩衝液としては、例えば、リン酸水素二カリウムとリン酸二水素カリウムの混合物の水溶液等が用いられる。電子メディエータは、電子を移動させるための物質である。
上記バッファ液注入部9は分岐チューブ13を介してチューブ1に接続されていて、この分岐チューブ13には第1押当バルブ15が取り付けられている。この第1押当バルブ15は、上記分岐チューブ13を押さえ付けて液体が行き来できないようにするもので、これにより上記バッファ液注入部9から上記チューブ1内への上記バッファ液11の流入を制御している。
上記チューブ1には第1試薬注入部17、第2試薬注入部19が夫々分岐チューブ21、23を介して接続されている。上記第1試薬注入部17内には第1試薬25(磁気ビーズを含んだ試薬)が充填されている。又、第2試薬注入部19内には第2試薬27(標識物質としての酸化還元酵素を含んだ試薬)が充填されている。又、上記分岐チューブ21には第2押当バルブ29が取り付けられていると共に上記分岐チューブ23にも第3押当バルブ31が取り付けられている。上記第1押当バルブ15同様、第2押当バルブ29と第3押当バルブ31も、夫々、上記第1試薬注入部17から上記チューブ1内への上記第1試薬25の流入と、上記第2試薬注入部19から上記チューブ1内への上記第2試薬27の流入を制御している。
上記チューブ1の一端側の、上記バッファ液注入部9、上記第1試薬注入部17及び上記第2試薬注入部19が接続された部分が、混合部33となる。上記チューブ1には、上記混合部33に隣接して、反応部35が設けられている。この反応部35と上記混合部33の境界には第4押当バルブ37が設けられている。上記混合部33と上記反応部35が、請求項1における混合・反応部に相当する部分となる。
上記反応部35には、温度制御手段としての温度制御用ヒータ39と攪拌手段としての超音波振動装置41が設置されている。上記温度制御用ヒータ39は、上記反応部35内を、上記検体7に含まれるDNAと上記第1試薬25内の磁気ビーズ及び上記第2試薬内の酸化還元酵素を結合させる反応に適した温度に制御するためのものである。又、上記超音波振動装置41は、上記反応部35内を攪拌して上記DNAと磁気ビーズ及び酸化還元酵素の結合を効率よく行わせるためのものである。又、上記反応部35の、上記温度制御用ヒータ39と上記超音波振動装置41よりも他端側(図1中右側)には、第1磁気制御部43が設けられている。この第1磁気制御部43によって、磁気ビーズと結合したDNAを上記反応部35に吸着・保持するものである。
上記チューブ1の他端側には、測定部としての測定チャンバ45が設けられている。上記測定チャンバ45の室47には絶縁シート49が設置されている。上記絶縁シート49は、例えば、ポリプロピレン等によるフィルムから成るものである。上記絶縁シート49の一方の面(図1中表面側)には、電極51と電極53が貼り付けられている。上記電極51及び上記電極53は金属箔による薄板状の導電体である。また、上記電極51の露出される表面にはコーティングが施されている。
なお、コーティングが施された部分をコーティング部55とする。
上記コーティング部55は、本実施の形態においては、イオン交換樹脂によるコーティングを想定しているが、それ以外にも、ゼオライト、イオン透過樹脂、含水樹脂、バッファ液を含んだ樹脂等を用いることもできる。上記電極51の横断面図は図2に示す通りである。上記電極51は、その全体を上記絶縁シート49と上記コーティング部55によって覆われている。
なお、本実施の形態においては、上記絶縁シート49に上記電極51を貼り付けてからコーティングを施しているが、上記電極51の全体に予めコーティングを施したものを上記絶縁シート49に貼り付けることも考えられる。この場合、上記電極51と上記絶縁シート49の間にもコーティング部55が存在することになる。
上記反応部35であって、上記第1磁気制御部43と上記測定チャンバ45の間には、分岐チューブ57が接続されている。又、上記測定チャンバ45の反チューブ1側(図1中右側)には分岐チューブ59が接続されている。上記分岐チューブ57には第5押当バルブ61が設けられている。上記測定チャンバ45と上記反応部35の境界には第6押当バルブ63が設けられている。上記分岐チューブ59には第7押当バルブ65が設けられている。上記分岐チューブ57及び上記分岐チューブ59は集合されて、そこに吸引/加圧手段としてのポンプ67が接続されている。また、上記測定チャンバ45には、第2磁気制御部69が設置されている。この第2磁気制御部69によって、磁気ビーズと結合したDNAを上記測定チャンバ45に吸着・保持するものである。
又、制御装置71が設置されていて、この制御装置71には測定回路73が設けられている。既に説明した各種機器、第1押当バルブ15、第2押当バルブ29、第3押当バルブ31、第4押当バルブ37、第5押当バルブ61、第6押当バルブ63、第7押当バルブ65、温度制御用ヒータ39、超音波振動装置41、第1磁気制御部43、ポンプ67、第2磁気制御部69は、全てこの制御装置71によって制御される構成になっている。又、電極51、電極53を介しての電流測定等は上記制御装置71の測定回路73によって制御されるように構成されている。
上記測定回路73は図3に示すような構成になっている。まず、電流増幅部75があり、この電流増幅部75にはA/D変換器77が接続されている。上記電流増幅部75により増幅された信号は上記A/D変換器77によってアナログ/デジタル変換され、マイクロコンピュータ79に入力される。又、上記マイクロコンピュータ79にはI/O81、メモリ83が接続されている。又、上記I/O81には入力手段と投入センサ87が接続されている。
以上の構成に基づいてその作用を説明する。まず、第1押当バルブ15、第4押当バルブ37、第5押当バルブ61を開放し、ポンプ67を駆動する。それによって、チューブ1内に負圧が発生し、バッファ液注入部9内のバッファ液11が吸引されてチューブ1内に充満されることになる。その状態で、検体注入部3を介して検体注入器5より検体7が注入される。
次に、第2押当バルブ29、第3押当バルブ31、第4押当バルブ37、第5押当バルブ61を開放して、ポンプ67による負圧によって、第1試薬注入部17、第2試薬注入部19より、第1試薬25と第2試薬27を若干量引き出す。それと同時に、第1押当バルブ15を開放してバッファ液注入部9よりバッファ液11を引き出す。これによって、混合部33において、検体7、バッファ液11、第1試薬25、第2試薬27を混合させ、反応部35に導いたことになる。
次に、第4押当バルブ37、第5押当バルブ61を閉じて、検体7と第1試薬25、第2試薬27とを反応させる。その際、温度制御用ヒータ39によって温度調整を行うと共に、超音波振動装置41によって超音波振動を付与する。それによって、反応に適した温度環境が提供されると共に、攪拌・混合作用が働くことになる。上記検体7と第1試薬25、第2試薬27との反応により、被検出対象物質としてのDNAの一端に磁気ビーズが結合されると共に他端に酸化還元酵素が結合されることになる。その様子を図4に示す。図4はDNA89の一端に磁気ビーズ91が結合されると共に他端に酸化還元酵素93が結合されている様子を示す図である。
尚、この磁気ビーズ91と酸化還元酵素93は、DNA89と特異的に結合するように処理されているものである。
次に、第1磁気制御部43を「オン」して、第1押当バルブ15、第4押当バルブ37、第5押当バルブ61を開放し、且つ、温度制御用ヒータ39によって温度調整を行うと共に、超音波振動装置41によって超音波振動を付与しながら、バッファ液11を流し続ける。それによって、磁気ビーズ91に結合したDNA89のみが第1磁気制御部43によって吸着・保持され、その他のものは洗い流されることになる。そのため、被検出対象物質であるDNA89が精製されることになる。
次に、上記第1磁気制御部43を「オフ」にして、第2磁気制御部69を「オン」にする。その後、第1押当バルブ15、第6押当バルブ63、第7押当バルブ65を開放し、ポンプ67の負圧によって吸引することにより、上記第1磁気制御部43によって吸着・保持されていた磁気ビーズ91に結合したDNA89を測定チャンバ45の室47内に導き、上記第2磁気制御部69によって、吸着・保持する。そして、第6押当バルブ63、第7押当バルブ65を閉じて、計測を行なう。
本実施の形態の場合、被検出対象物質の検出・定量は、電極51と電極53間の電流を測定することによって行う。図4に示すように、上記DNA89には標識物質として上記酸化還元酵素93が結合されている。この酸化還元酵素93が上記バッファ液11に含まれる被酸化還元物質を酸化又は還元し、上記バッファ液11に含まれる電子メディエータは、その酸化還元反応による電子の受け取り又は被酸化還元物質への電子の供給により、「正」又は「負」に荷電される。そして、「正」又は「負」に荷電された電子メディエータは上記電極51又は上記電極53へと移動する。これが、電流として上記測定回路73によって測定され、その電流値に基づいて被検出対象物質である上記DNA89を検出・定量することができる。
ここで、図5を参照して、上記酸化還元酵素93として酸化酵素(例えば、グルコースオキシダーゼ)を用いた場合の、上記測定チャンバ45内での化学反応を具体的に説明する。上記測定チャンバ45の室47内には、上記DNA89に結合した酸化酵素95が存在している。又、上記測定チャンバ45内にはバッファ液11に添加された被酸化物質97と電子メディエータ99も存在している。上記被酸化物質97は、上記酸化酵素95によって酸化され、電子101と陽イオン103を放出する。上記電子101は上記電子メディエータ99に捕らえられ、その結果、上記電子メディエータ99は「負」に荷電される。「負」に荷電された上記電子メディエータ99は、相対的に「正」電位となる上記電極53側に移動する。一方、上記陽イオン103及び上記バッファ液11はコーティング部55を通過して、相対的に「負」電位となる上記電極51側へと移動し、電子101を受け取る。その結果、上記室47と上記電極51との間には上記コーティング部55を隔てて電位差が発生し、上記電極51と上記電極53の間に電流が流れる。この電流を測定することにより上記DNA89の検出・定量を行うものである。
なお、上記陽イオン103以外の物質は上記コーティング部55を通過することはない。
又、上記した例に限らず、上記酸化還元酵素93として上記酸化酵素95の代わりに還元酵素を使用することも考えられる。この場合は、上記被酸化物質97の代わりに被還元物質が使用され、上記電極53から電子メディエータを介して電子が還元酵素へ移動して還元反応が起こる。このため電子を外部から受け取る上記電極53が「正」極、電子を外部に放出する電極51が「負」極となる。
尚、この被検出対象物質の測定は、上記電極51・53間の電圧を測定することでも行うことができる。
そして、計測後は、第1押当バルブ15と第7押当バルブ65を開放して、ポンプ67による負圧によって計測後の検体7等を吸引して洗い流す。それによって、ポンプ67自身も洗浄されることになる。
以上、本実施の形態によると、次のような効果を奏することができる。
まず、本実施の形態による微量物質検出装置によると、被検出対象物質であるDNA89への磁気ビーズ91と標識物質としての酸化還元酵素93の結合、DNA89の精製、DNA89の検出・定量までの一連の作業を、比較的簡単な構成の装置で自動的に行うことができ、微量物質の検出のための労力を大幅に軽減することができると共に作業に要する時間を大幅に短縮することができる。これは、第1〜第7押当式バルブ15、29、31、37、61、63、65によって試料溶液を混合する混合部33、試料溶液を反応させる反応部35、試料溶液から精製された被検出対象物質の測定を行う測定チャンバ45等をチューブ1に連続的に設け、又、試料溶液を移動させるための負圧を発生させるポンプ67と、磁気ビーズ91に結合した被検出対象物質を吸着・保持する第1、第2磁気制御部43、69と、反応部の温度制御を行う温度制御用ヒータ39及び反応部内の攪拌を行う超音波振動装置41を設け、上記第1〜第7押当式バルブ15、29、31、37、61、63、65、ポンプ67、第1、第2磁気制御部43、69、温度制御ヒータ39、超音波振動装置41は制御装置71によって制御するように構成したからである。
又、上記一連の作業を自動的に行うことができるため、熟練者でなくとも正確且つ迅速な微量物質の検出・定量を行うことができる。
又、上記磁気ビーズ91と被検出対象物質であるDNA89を結合させているので、上記第1、第2磁気制御部43、69とポンプ67を利用した上記DNA89のチューブ1内での移動の制御や精製が容易に可能となる。
又、上記反応部35には、上記温度制御ヒータ39と上記超音波振動装置41が設置されているため、被検出対象物質であるDNA89への磁気ビーズ91と酸化還元酵素93の結合を、効率よく行うことができる。
又、第1〜第7押当式バルブ15、29、31、37、61、63、65を用いているため、複雑な機械的構成を要することなく、自動的な制御が可能な微量物質検出装置を実現することができる。
又、電流や電圧を測定することで、被検出対象物質の検出・定量を行うため、安価で簡単な構成の装置で測定を行うことができる。特に、ラジオアイソトープ等を用いない構成であるため、被曝の心配がなく安全に測定を行うことができる。
又、測定チャンバ45内には、イオン交換樹脂等によるコーティングを施された電極51とコーティングを施されていない電極53が設置され、これら電極51及び電極53は絶縁シートに貼り付けられている。そのため、上記測定チャンバ45内をイオン交換膜等による隔壁で2つの室に仕切り、夫々の室に電極を設置し、一方の部屋にバッファ液を封入するような複雑な構成としなくても、酸化還元反応によって上記電極51と上記電極53との間に電位差を生じさせることができ、被検出対象物質の検出・定量が可能となる。また、このような簡易な構成であるため、微量物質検出装置の製造を安価に且つ容易に行うことができる。
なお、本発明は前記一実施の形態に限定されるものではない。
例えば、標識物質としては、酸化還元酵素以外のものを使用する場合も考えられる。
又、被検出対象物質もDNAに限られず、その他核酸やたんぱく質など、様々な種類のものが考えられる。
又、押当式以外にゲートバルブ等のバルブを使用することが考えられる。
又、混合部と反応部と測定部を一本のチューブとせず、それぞれの部材がバルブによって接続されている構成も考えられる。
又、バッファ液に使用する緩衝液も、被検出対象物質や標識物質の種類などに応じて、様々な種類のものを使用する場合が考えられる。
又、陽極及び陰極の形状や位置、コーティングの材料は、様々なものが考えられる。例えば、コーティングの材料は、ゼオライト、イオン透過樹脂、含水樹脂、バッファ液を含んだ樹脂等でもよい。
又、本実施の形態では、絶縁シートの同じ面に陽極と陰極を配置したが、絶縁シートの一方の面に陽極を配置し、他方の面に陰極を配置する場合も考えられる。このような場合は、測定チャンバを小型化することができる。又、絶縁シートを筒状にして、その内側に電極を貼り付けるような構成も考えられる。
又、絶縁シートの材質も、絶縁性のものであればよく、ポリプロピレン以外にも様々なものが考えられる。
本発明は、微量物質を検出するための微量物質検出装置に係り、特に、被検出対象物質の分離・精製から検出までの一連の作業を自動的に行うことができるように構成したものにおいて、吸引/加圧手段により試料溶液を移動できるようにし、被検出対象物質に磁気ビーズ及び標識物質を結合させ、磁気制御部により被検出対象物の移動を制御できるようにして、被検出対象物質への磁気ビーズと標識物質の結合から被検出対象物質の検出に至るまでの作業を自動的に行うことができるように構成し、測定部に設けられた一対の電極のうちの一方に上記標識物質による化学反応で荷電された物質のみを透過するコーティングを施し、それによって、安価で簡易な構成による微量物質検出装置を実現できるように工夫したものに関し、例えば、DNA(デオキシリボ核酸)の検出装置に好適である。
1 チューブ
7 検体
11 バッファ液
15 第1押当バルブ
25 第1試薬
27 第2試薬
29 第2押当バルブ
31 第3押当バルブ
33 混合部
35 反応部
37 第4押当バルブ
39 温度制御用ヒータ
41 超音波振動装置
43 第1磁気制御部
45 測定チャンバ
49 絶縁シート
51 陽極
53 陰極
55 コーティング部
61 第5押当バルブ
63 第6押当バルブ
65 第7押当バルブ
67 ポンプ
69 第2磁気制御部
71 制御装置
89 DNA
93 酸化還元酵素
95 酸化酵素
97 被酸化物質

Claims (4)

  1. チューブと、
    上記チューブに接続され上記チューブ内を吸引/加圧することにより上記チューブ内において上記試料溶液を移動させる吸引/加圧手段と、
    上記チューブに設けられ被検出対象物質が含まれる検体と磁気ビーズと標識物質とバッファ液を混合させ上記被検出対象物質と上記磁気ビーズと上記標識物質とを混合させる混合部と、
    上記チューブであって上記吸引/加圧手段と上記混合部との間にそれぞれバルブを介して連設され上記混合部で混合された被検出対象物質が含まれる検体と磁気ビーズと標識物質とバッファ液を反応・結合させて試料溶液とする反応部と、
    上記チューブであって上記吸引/加圧手段と上記反応部との間にそれぞれバルブを介して迂回した状態で設けられ、上記試料溶液が導入され、上記被検出対象物質に結合された上記標識物質による化学反応を発生させ、それにより生じた電気的な変位を測定する測定部と、
    上記測定部に設置された一対の電極と、
    上記反応部と上記測定部に設けられ磁力により上記磁気ビーズと結合した被検出対象物質を吸着・保持する磁気制御部と、
    上記磁気制御部と上記吸引/加圧手段と上記バルブを制御する制御装置と、を具備し、
    上記一対の電極の一方には、樹脂のコーティングが施されていて、該コーティングにより設けられたコーティング部は上記標識物質による化学反応により荷電された物質のみを透過するものであることを特徴とする微量物質検出装置。
  2. 請求項1記載の微量物質検出装置において、
    上記コーティングは、ゼオライト、イオン交換樹脂、イオン透過樹脂、含水樹脂、バッファ液を含んだ樹脂のうちの何れかによるものであることを特徴とする微量物質検出装置。
  3. 請求項1又は請求項2記載の微量物質検出装置において、
    上記一対の電極は金属箔からなる薄板状の電極であることを特徴とする微量物質検出装置。
  4. 請求項1〜請求項3の何れかに記載の微量物質検出装置において、
    上記測定部には、絶縁シートが設置されており、
    上記一対の電極は、上記絶縁シートに貼り付けられているものであることを特徴とする微量物質検出装置。
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