JP5420290B2 - 感光性樹脂組成物、フレキソ印刷版、及びフレキソ印刷版の製造方法 - Google Patents

感光性樹脂組成物、フレキソ印刷版、及びフレキソ印刷版の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、感光性樹脂組成物、フレキソ印刷版、及びフレキソ印刷版の製造方法に関する。
フレキソ印刷版として一般的な感光性樹脂印刷版は、下記のようにして形成される。まず、版材となる固体状又は液体状の感光性樹脂組成物に活性光線が照射され、ラジカル重合反応によってレリーフ部分の感光層のみが硬化される(露光工程)。次に、レリーフ部分以外の未硬化樹脂が、所定の洗浄液(現像液)で溶解除去されるか、又は膨潤分散されて機械的に除去される(現像工程)。
上記露光工程と現像工程による感光性樹脂印刷版の形成方法は、硬化部分のみをレリーフとして版表面に出現させる方法である。当該形成方法は、短時間で微細レリーフを形成し得ることから好ましく用いられている。
該形成方法の中でも、液状感光性樹脂組成物を用いる方法は、印刷版製造に要する時間が短く短納期に対応できる。また、当該方法は、未硬化樹脂を回収して再利用できるので生産コストを低減することが可能である。
フレキソ印刷版には、被印刷体へのインク転移を良好とする柔軟性と、印刷中又は取り扱いの際に印刷版のレリーフ破壊が生じない機械的強度との要求がある。
これらの観点から、フレキソ印刷用版材としては、ポリウレタンプレポリマーを主成分とする液体状の感光性樹脂組成物が広く普及している。
しかしながら、当該ポリウレタンプレポリマーを主成分とする感光性樹脂組成物を用いたフレキソ印刷版では、印刷版レリーフの黄変があり、意匠性を付与するための色調選択に制限があった。
また、近年、フレキソ印刷版の大型化に対応すべく、接着剤や感光性樹脂組成物を用いて二つのレリーフ断面を接着し、紫外線照射によってレリーフを一体化する技術が開発されている。
しかしながら、紫外線照射によってレリーフを一体化する場合、接着のために紫外線照射して一体化させた領域とその他の領域との間でレリーフの色合いが異なることとなり問題となっている。
ポリウレタンプレポリマーを主成分とする感光性樹脂組成物の黄変化対策には紫外可視光線の波長領域に光吸収を有する化合物(光吸収化合物)を混合させることが一般的である。
しかしながら、感光性樹脂組成物に光吸収化合物を混合させた場合、感光性樹脂の光感度低下への影響が大きい。数ミリの厚さでの光硬化反応が必要なフレキソ印刷の用途では露光時間の延長となるばかりか、レリーフ形状の制御が困難となり微細レリーフが再現できないという問題がある。
特許文献1には、脂肪族ジイソシアネートとポリエーテルポリオールから成るポリウレタンプレポリマーと特定の光開始剤を含む感光性樹脂組成物が開示されている。
特許文献1に開示された技術によれば、該感光性樹脂組成物に対して露光処理を施した硬化物が、特定の光開始剤を使用しないもの、又は芳香族ジイソシアネートを使用したポリウレタンプレポリマーを使用するものに対して、紫外線照射及び太陽光暴露における黄変化を少なくさせることが開示されている。
特許文献2には、ポリエーテルウレタン系液状感光性樹脂組成物に対して露光処理を施した後、紫外線吸収安定剤を含む水性洗浄液で未硬化樹脂を除去し、さらに水中に浸漬した状態で活性光線と殺菌放射線を照射することにより印刷版を製造する方法が開示されている。
特許文献2に開示された技術によれば、紫外線吸収安定剤を含まない水性洗浄液で処理して得た印刷版に対して、紫外光やハロゲンランプから発せられる白色光照射において黄変化を少なくさせることが開示されている。
米国特許出願公開第2007/0099119号明細書 英国特許出願公開第2433052号明細書
しかしながら、特許文献1に開示された感光性樹脂組成物、又は特許文献2に開示された印刷版の製造方法を用いても、その変色抑制効果は十分でない。
本発明が解決しようとする課題は、ウレタン系感光性樹脂硬化物の変色抑制効果を実現する感光性樹脂組成物、当該硬化物を含有するフレキソ印刷版、及びフレキソ印刷版の製造方法を提供することにある。
本発明者らは、斯かる課題を解決するために鋭意研究した結果、驚くべきことに、ヒドロキシフェニル基を有さない含窒素複素環化合物を含む感光性樹脂組成物が、上記課題を解決し得ることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、下記の感光性樹脂組成物、フレキソ印刷版、及びフレキソ印刷版の製造方法を提供する。
[1]
エチレン性不飽和基を有するポリウレタンプレポリマー100質量部と、
エチレン性不飽和化合物10〜150質量部と、を含み、
前記エチレン性不飽和基を有するポリウレタンプレポリマーと前記エチレン性不飽和化合物の合計質量に対し、0.01〜10質量%の光重合開始剤と、0.005質量%以上のヒドロキシフェニル基を有さない含窒素複素環化合物と、を含む、感光性樹脂組成物。
[2]
前記含窒素複素環化合物は、含窒素複素芳香環化合物である、[1]に記載の感光性樹脂組成物。
[3]
前記含窒素複素環化合物は、ベンゼン環と含窒素複素芳香環の両方を含む含窒素縮合複素芳香環化合物である、[1]又は[2]に記載の感光性樹脂組成物。
[4]
前記ヒドロキシフェニル基を有さない含窒素複素環化合物は、イミダゾール、ベンズイミダゾール、及びそれらの誘導体からなる群から選択される少なくとも1種である、[1]〜[3]のいずれかに記載の感光性樹脂組成物。
[5]
前記ヒドロキシフェニル基を有さない含窒素複素環化合物は、1,2,3−トリアゾール、1,2,4−トリアゾール、1,2,3、−ベンゾトリアゾール、及びそれらの誘導体からなる群から選択される少なくとも1種である、[1]〜[3]のいずれかに記載の感光性樹脂組成物。
[6]
前記ポリウレタンプレポリマーは、ポリエーテル系のポリウレタンプレポリマー又はポリエーテルポリエステル系のポリウレタンプレポリマーを含有する、[1]〜[5]のいずれかに記載の感光性樹脂組成物。
[7]
前記ポリウレタンプレポリマーは、
ポリエーテルポリオール、又はポリエーテルポリオールとポリエステルポリオールとを含むポリオール混合物と、
ポリイソシアネートと、の反応生成物に対して(メタ)アクリル化剤を反応させて得られるプレポリマーを含有する、[1]〜[6]のいずれかに記載の感光性樹脂組成物。
[8]
前記ポリイソシアネートが芳香族系ポリイソシアネートを含有する、[7]に記載の感光性樹脂組成物。
[9]
熱重合安定剤をさらに含む、[1]〜[8]のいずれかに記載の感光性樹脂組成物。
[10]
ヒンダードアミン系光安定剤をさらに含む、[1]〜[9]のいずれかに記載の感光性樹脂組成物。
[11]
[1]〜[10]のいずれかに記載の感光性樹脂組成物の硬化物を含有するフレキソ印刷版。
[12]
[1]〜[10]のいずれかに記載の感光性樹脂組成物から形成された成型体の表面を露光し、当該成型体の表面に硬化部位を形成する硬化部位形成工程と、
洗浄液により前記硬化部位を現像する現像工程と、
現像された前記硬化部位の表面に活性光線を照射する活性光線照射工程と、
を含むフレキソ印刷版の製造方法。
本発明によれば、フレキソ印刷で求められる機械物性を有し、光照射による変色抑制を実現する感光性樹脂組成物、フレキソ印刷版、及びフレキソ印刷版の製造方法を提供することができる。
以下、本発明を実施するための形態(以下「本実施の形態」と略して記載する。)について詳細に説明する。なお、本発明は、以下の実施の形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で種々変形して実施することができる。
[感光性樹脂組成物]
本実施の形態の感光性樹脂組成物は、
(a)エチレン性不飽和基を有するポリウレタンプレポリマー100質量部と、
(b)エチレン性不飽和化合物10〜150質量部と、を含み、
前記エチレン性不飽和基を有するポリウレタンプレポリマーと前記エチレン性不飽和化合物の合計質量に対し、0.01〜10質量%の(c)光重合開始剤と、0.005質量%以上の(d)ヒドロキシフェニル基を有さない含窒素複素環化合物と、を含む。
感光性樹脂組成物は、液体状である液状感光性樹脂組成物であることが好ましい。
感光性樹脂組成物が液体状であることにより、未硬化の樹脂を回収して再使用でき、また、水性洗浄液による現像ができるなどの生産性及び作業環境の利点が得られる。
感光性樹脂組成物の20℃における粘度は、フレキソ印刷版とした場合に優れた厚み精度を発現する観点から、好ましくは10〜500Pa・s、より好ましくは20〜300Pa・sである。
本実施の形態において、「20℃における粘度」とは、以下の実施例に記載するように、市販の粘度計、例えば、B形粘度計形式B8H(東京計器(株)製)を用いて測定される値である。
(a)エチレン性不飽和基を有するポリウレタンプレポリマー(以下「ポリウレタンプレポリマー」と略して記載する場合がある。)は、その分子内にウレタン結合を複数有すると共に、エチレン性不飽和基を有し、重合反応によって他の化合物と結合可能な化合物である。
(a)ポリウレタンプレポリマーは1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いられる。
(a)ポリウレタンプレポリマーの製造方法としては、例えば、下記(i)及び(ii)の方法などが挙げられる。
(i)ポリオールと、ポリイソシアネートと、を反応させて、末端にイソシアネート基を有するポリウレタンを任意分子量でまず形成し、次いで、当該ポリウレタンと、分子内に活性水素とエチレン性不飽和基とを有する化合物とを反応させる方法。
(ii)ポリオールと、ポリイソシアネートと、を反応させて、末端に水酸基を有するポリウレタンを任意分子量でまず形成し、次いで、当該ポリウレタンと、分子内にイソシアネート基とエチレン性不飽和基とを有する化合物とを反応させる方法。
ポリオールとしては、例えば、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリエステル共重合ポリオール、及び水添ポリブタジエンポリオールなどが挙げられる。
ポリオールは1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いられる。
ポリエーテルポリオールとしては、例えば、ポリオキシエチレングリコール、ポリオキシプロピレングリコール、ポリオキシテトラメチレングリコール、ポリ1,2−ブチレングリコール、ポリオキシエチレン/ポリオキシプロピレンランダム共重合体、ポリオキシエチレン/ポリオキシプロピレンブロック共重合体、ポリオキシエチレン/ポリオキシテトラメチレンランダム共重合体、及びポリオキシエチレン/ポリオキシテトラメチレンブロック共重合体などが挙げられる。
ポリエーテルポリオールは1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いられる。
ポリエステルポリオールとしては、例えば、縮合系ポリエステルポリオール、すなわちグリコール化合物とジカルボン酸化合物との重縮合反応、及びラクトン化合物の開環反応により得られるポリエステルセグメントの繰り返しを有するポリオールなどが挙げられる。
縮合系ポリエステルポリオールとしては、ジカルボン酸化合物がアジピン酸である場合を例示すると、ポリ(エチレングリコールアジペート)ジオール、ポリ(ジエチレングリコールアジペート)ジオール、ポリ(プロピレングリコールアジペート)ジオール、ポリ(1,4−ブタングリコールアジペート)ジオール、ポリ(1,6−へキサングリコールアジペート)ジオール、ポリ(2−メチルプロパングリコールアジペート)ジオール、ポリ(3−メチル−1,5−ペンタングリコールアジペート)ジオール、ポリ(ネオペンチルグリコールアジペート)ジオール、ポリ(1,9−ノナングリコールアジペート)ジオール、ポリ(2−メチルオクタングリコールアジペート)ジオールなどのアジピン酸エステル系ジオールなどが挙げられる。
ポリエステルセグメントを構成するジカルボン酸化合物としては、アジピン酸の他、例えば、コハク酸、グルタル酸、アゼライン酸、セバシン酸、マレイン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、及び1,5−ナフタレンジカルボン酸などが挙げられる。
ポリエステルセグメントを構成するグリコール化合物などのジオール化合物と、ジカルボン酸化合物が、それぞれ1種を単独で用いて縮合することが好ましいが、いずれか一方又は両方の化合物を、2種以上を組み合わせて用い、任意の割合で混合して重縮合することによりポリエステルセグメントを構成することも可能である。
ポリエステルポリオールとしては、縮合系ポリエステルポリオールの他に、ラクトン系ポリエステルポリオールやポリカーボネートジオールなども使用可能である。
ラクトン系ポリエステルポリオールとしては、ポリカプロラクトンジオール、及びポリ(β−メチル−δ−バレロラクトン)ジオールなどが挙げられる。
ポリカーボネートジオールとしては、4,6−ポリアルキレンカーボネートジオール、8,9−ポリアルキレンカーボネートジオール、5,6−ポリアルキレンカーボネートジオール等の脂肪族ポリカーボネートジオールなどが挙げられる
ポリエステルポリオールは1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いられる。
ポリエーテルポリエステル共重合ポリオールとしては、上述のポリエーテルポリオールの分子鎖を形成する繰り返しユニットと、上述のポリエステルポリオールの分子鎖を形成する繰り返しユニットとが、ブロック結合又はランダム結合した構造を有する共重合体などが挙げられる。
ポリエーテルポリエステル共重合ポリオールは1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いられる。
水添ポリブタジエンポリオールとしては、ポリ(1、4−ブタンジエン)グリコール及びその水添化物の混合物、ポリ(1、2−ブタジエン)グリコール及びその水添化物の混合物、ポリ(1,2−/1,4−ブタジエン)グリコール及びその水添加物の混合物などが挙げられる。
水添ポリブタジエンポリオールは1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いられる。
ポリイソシアネートとしては、例えば、トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、シクロヘキサンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、及びノルボルネンジイソシアネートなどが挙げられる。
ポリイソシアネートは1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いられる。
感光性樹脂組成物から得られる光硬化物が、良好な機械的物性と耐水性を実現する観点から、上記ポリイソシアネートの中でも、芳香族系ポリイソシアネートであることが好ましく、経済性の観点からも、より好ましくはトリレンジイソシアネートである。
分子内に活性水素とエチレン性不飽和基とを有する化合物としては、分子内に活性水素としてヒドロキシ基と、エチレン性不飽和基とを有する化合物が挙げられ、例えば、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ポリ(オキシプロピレン)グリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、グリセリンモノ(メタ)アクリレート、及びグリセリンジ(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
分子内にイソシアネート基とエチレン性不飽和基とを有する化合物としては、例えば、(メタ)アクリロイルオキシエチルイソシアネートなどが挙げられる。
本実施の形態において「(メタ)アクリル化剤」とは、上述のごとく、ポリウレタンの分子末端に反応して(メタ)アクリル基を付加することを可能とする化合物であり、分子内に活性水素とエチレン性不飽和基とを有する化合物および分子内にイソシアネート基とエチレン性不飽和基とを有する化合物などが挙げられる。
本実施の形態において、「(メタ)アクリレート」は「メタクリレート」と「アクリレート」とを包含する概念であり、同様に、「(メタ)アクリロイル」は「アクリロイル」と「メタクリロイル」とを、「(メタ)アクリル」は「アクリル」と「メタクリル」とを、包含する概念である。
本実施の形態において、ポリオールの構造がポリエーテルセグメントによって構成されたポリウレタンプレポリマーを「ポリエーテル系のポリウレタンプレポリマー」、ポリエステルによって構成されたポリウレタンプレポリマーを「ポリエステル系のポリウレタンプレポリマー」、ポリエーテルセグメントとポリエステルセグメントとによって構成されたポリウレタンプレポリマーを「ポリエーテルポリエステル系のポリウレタンプレポリマー」と記載することがある。
(a)ポリウレタンプレポリマーとしては、印刷版レリーフとして高い柔軟性と耐久性とを発現する観点から、ポリエーテルポリエステル系のポリウレタンプレポリマーが好ましい。
ポリエーテルポリエステル系のポリウレタンプレポリマーとして、ポリエーテルポリオール及びポリエステルポリオールを含むポリオール混合物とポリイソシアネートとの反応生成物であるポリウレタンに対して、(メタ)アクリル化剤を反応させて得られるものと、ポリエーテルポリエステル共重合ポリオールとポリイソシアネートとの反応生成物であるポリウレタンに対して、(メタ)アクリル化剤を反応させて得られるものなどが挙げられるが、ポリエーテルポリオール及びポリエステルポリオールを含むポリオール混合物とポリイソシアネートとの反応生成物であるポリウレタンに対して、(メタ)アクリル化剤を反応させて得られるものが好ましい。このポリウレタンプレポリマーは、水系洗浄液による現像性の観点から好ましく、また、その分子量を所定の分子量に制御しやすい観点からも好適である。
水系洗浄液による良好な現像性を発現させる観点から、(a)ポリウレタンプレポリマーは、ポリオキシエチレンセグメントを好ましくは5〜25質量%、より好ましくは10〜20質量%の割合で有する。
ポリオキシエチレンセグメントの割合を5質量%以上とすることは、水系洗浄液に対する感光性樹脂組成物の分散性を確保することに寄与し得る。
ポリオキシエチレンセグメントの割合を25質量%以下とすることは、印刷インクに対する感光性樹脂組成物の硬化物(以下「樹脂硬化物」と略して記載する場合がある。)の膨潤性を一定値以下に抑制し、印刷時にレリーフが膨れて印刷品質が低下するのを抑制することに寄与し得る。
(a)ポリウレタンプレポリマーの数平均分子量は、好ましくは5000〜70000であり、より好ましくは5000〜50000である。
当該数平均分子量を5000以上とすることは、その重合硬化物に良好な機械的強度を与え、フレキソ印刷版の繰り返し使用及び粗雑な取り扱いに対して高い耐久性を実現する観点から好適である。
当該数平均分子量を70000以下とすることは、感光性樹脂組成物に水系洗浄液による良好な現像性を与え、汎用的現像装置への対応が容易となる観点から好適である。
本実施の形態において「数平均分子量」とは、以下の実施例に記載するように、GPC測定におけるポリスチレン換算値として算出される値である。
(b)エチレン性不飽和化合物は、分子内にエチレン性不飽和基を有する化合物である。
(b)エチレン性不飽和化合物としては、例えば、(メタ)アクリル酸などの不飽和カルボン酸;当該不飽和カルボン酸のエステル化合物;(メタ)アクリルアミド及びその誘導体;アリル化合物;マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸及びそのエステル;などのエチレン性不飽和基を有する化合物が挙げられる。
エチレン性不飽和化合物は1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いられる。
不飽和カルボン酸のエステル化合物としては、例えば、アルキル(メタ)アクリレート、シクロアルキル(メタ)アクリレート、ハロゲン化アルキル(メタ)アクリレート、アルコキシアルキル(メタ)アクリレート、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート、アミノアルキル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、アリル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、及びフェノキシエチル(メタ)アクリレート;アルキレングリコール又はポリオキシアルキレングリコールのモノ又はジ(メタ)アクリレート;トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート;グリセリンモノ、ジ又はトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
(メタ)アクリル酸などの不飽和カルボン酸及び不飽和カルボン酸のエステル化合物は、それぞれ1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いられる。
(メタ)アクリルアミドの誘導体としては、例えば、アルキル基又はヒドロキシアルキル基でN−置換又はN,N’−置換した(メタ)アクリルアミド、ジアセトン(メタ)アクリルアミド、及びN,N’−アルキレンビス(メタ)アクリルアミドなどが挙げられる。
(メタ)アクリルアミド及びその誘導体は、それぞれ1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いられる。
アリル化合物としては、例えば、アリルアルコール、アリルイソシアナート、ジアリルフタレート、及びトリアリルシアヌレートなどが挙げられる。
アリル化合物は1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いられる。
マレイン酸及びフマル酸のエステルとしては、例えば、アルキル、ハロゲン化アルキル、アルコキシアルキルのモノ又はジマレエート及びモノ又はジフマレートなどが挙げられる。
マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸及びそのエステルは、それぞれ1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いられる。
(b)エチレン性不飽和化合物としては、上述した化合物以外に、例えば、スチレン、ビニルトルエン、ジビニルベンゼン、N−ビニルカルバゾール、及びN−ビニルピロリドンなどのエチレン性不飽和基を有する化合物が挙げられる。
当該エチレン性不飽和基を有する化合物は1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いられる。
(b)エチレン性不飽和化合物としては、フレキソ印刷版に求められる柔軟性、弾性特性、耐久性に必要な機械的強度、インクに対する膨潤性などを制御する観点から、プロピレングリコールモノメタクリレート、ポリ(オキシプロピレン)グリコールモノメタクリレート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルモノ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルモノ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールモノ2−エチルヘキシルエーテルモノ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールモノヘキシルエーテルモノ(メタ)アクリレート、テトラデシル(メタ)アクリレート、ペンタデシル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート及びポリオキシプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート;グリセリンモノ、ジ又はトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、及びジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレートよりなる群から選択される少なくとも1種の化合物が好ましい。
本実施の形態の感光性樹脂組成物において、(b)エチレン性不飽和化合物の配合量は、(a)ポリウレタンプレポリマー100質量部に対して、10〜150質量部であり、好ましくは10〜100質量部である。
(b)エチレン性不飽和化合物の配合量を上記範囲内にすることで、感光性樹脂組成物の20℃における粘度10〜500Pa・sを容易に実現することができる。感光性樹脂組成物の20℃における粘度が上記範囲内であることにより、感光性樹脂組成物は、フレキソ印刷版とする場合に良好な製版性を有し、優れた厚み精度を実現できる。
(c)光重合開始剤としては、例えば、ベンゾイン、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾイン−n−プロピルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテルなどのベンゾインアルキルエーテル類、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、ベンゾフェノン、ジベンジル、ジアセチル、ジフェニルスルフィド、及び9,10−アントラキノンなどが挙げられる。
光重合開始剤は1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いられる。
(c)光重合開始剤は、その反応性を高める観点から、増感剤と組み合わせて使用することが好ましい。
増感剤としては、例えば、トリエタノールアミン、メチルジエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン、ミヒラーズケトン、4,4’−ジエチルアミノフェノン、及び4−ジエチルアミノ安息香酸エチルエステルなどのアミン類;エオシン及びチオシンなどの染料などが挙げられる。
(c)光重合開始剤として、ベンゾフェノンなどの水素引き抜き型開始剤を使用する場合には、増感剤と組み合わせることが好ましい。
本実施の形態の感光性樹脂組成物において、(c)光重合開始剤の配合量は、(a)ポリウレタンプレポリマーと(b)エチレン性不飽和化合物の合計質量に対して、0.01〜10質量%であり、好ましくは0.1〜5質量%である。
(c)光重合開始剤の配合量を上記範囲内とすることで、感光性樹脂組成物の貯蔵安定性、所望の光硬化速度、及び樹脂硬化物における物性のバランスに優れる感光性樹脂組成物とすることができる。
(d)ヒドロキシフェニル基を有さない含窒素複素環化合物は、炭素原子及び窒素原子を含む環式構造を含む化合物のうち、分子内に置換又は無置換のヒドロキシフェニル基を有さない化合物である。
本実施の形態の感光性樹脂組成物は、紫外線吸収剤としての、分子内にヒドロキシフェニル基を有する含窒素複素環化合物を含まないことが好ましく、中でも、ヒドロキシフェニルベンゾトリアゾール誘導体を含まないことが好ましい。紫外線吸収剤は、紫外可視波長領域に高い吸光係数を有する化合物である。
紫外線吸収剤としての、分子内にヒドロキシフェニル基を有する含窒素複素環化合物としては、例えば、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−[2−ヒドロキシ−3,5−ビス(α、α−ジメチルベンジル)フェニル]−2H−ベンゾトリアゾール、2−(2'−ヒドロキシ−3'−t−ブチル−5'−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−t−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、メチル−3−[3−t−ブチル−5−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−ヒドロキシフェニル]プロピオネート−ポリエチレングリコール(分子量約300)との縮合物等のヒドロキシフェニルベンゾトリアゾール誘導体などが挙げられる。
紫外線吸収剤としての、分子内にヒドロキシフェニル基を有する含窒素複素環化合物を感光性樹脂組成物に添加して樹脂硬化物とする場合には、樹脂硬化物において紫外・可視光線の照射による変色抑制の効果を得るためには、感光性樹脂組成物において光硬化させる際に著しい感度低下を誘引する。
したがって、(d)ヒドロキシフェニル基を有さない含窒素複素環化合物は、分子内に置換又は無置換のヒドロキシフェニル基を有さないことにより、フレキソ印刷用版材として優れた感度特性を有する感光性樹脂組成物の実現が可能であり、その樹脂硬化物が紫外・可視光線の照射による変色抑制の効果に優れる特徴を発現できる。
(d)ヒドロキシフェニル基を有さない含窒素複素環化合物は1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いられる。
(d)ヒドロキシフェニル基を有さない含窒素複素環化合物は、樹脂硬化物が紫外・可視光線の照射による変色抑制効果をより高いレベルで発揮する観点から、ヒドロキシフェニル基を有さない、ベンゼン環と含窒素複素芳香環の両方を含む含窒素縮合複素芳香環化合物であることがより好ましい。
含窒素複素芳香環化合物としては、窒素原子を環の構成原子として有し、含窒素複素環内に不飽和結合を有する化合物である。
(d)ヒドロキシフェニル基を有さない含窒素複素環化合物としては、例えば、ピロール、オキサゾール、チアゾール、イミダゾール、ピラゾール、チアジアゾール、トリアゾール、テトラゾール、インドリン、インドール、ベンズイミダゾール、インダゾール、ベンゾトリアゾール、ピリジン、ピペリジン、ピペラジン、ピリダジン、ピリミジン、ピラジン、キノリン、イソキノリンなどの含窒素複素環を有する化合物が挙げられる。
中でも、イミダゾール、ベンズイミダゾール、トリアゾール、ベンゾトリアゾールなどを基本骨格として有する化合物が、感光性樹脂組成物の感度特性への影響が少なく、樹脂硬化物の変色抑制効果を発現できる観点から、好適である。
(d)ヒドロキシフェニル基を有さない含窒素複素環化合物は、上述の含窒素複素環を有する化合物が置換基で置換されていてもよく、無置換であってもよい。
置換基としては、特に限定されるものではないが、例えば、直鎖状又は分岐状の、置換又は無置換の炭素数1〜20のアルキル基、アルケニル基、及びアルキニル基などの炭化水素基、アルコキシ基、アルキルチオ基、及びアルキルアミノ基などの酸素、硫黄、及び窒素などのヘテロ元素を介して炭化水素基が結合する基、置換又は無置換のフェニル基、ナフチル基などの炭素数6〜20のアリール基、置換又は無置換のアラルキル基、置換又は無置換の上記含窒素複素環化合物として上述した環構造を有するヘテロアリール基(窒素、硫黄、酸素、リンを環内に含んでいてもよく、単環でも縮合環でもよい。)、ヒドロキシル基、ニトロ基、カルボキシル基及びそのエステル基、クロロ基及びブロモ基などのハロ基などが挙げられる。
置換基は、1置換体であってもよく、2以上の置換体であってもよい。2以上の置換体の置換基としては、同じであってもよく、異なっていてもよい。
なお、(d)ヒドロキシフェニル基を有さない含窒素複素環化合物は、上述の置換基によって置換されていてもよいが、ヒドロキシフェニル基を有さない。
(d)ヒドロキシフェニル基を有さない含窒素複素環化合物としては、例えば、ピロール、オキサゾール、チアゾール、イミダゾール、ピラゾール、チアジアゾール、トリアゾール、テトラゾール、インドリン、インドール、ベンズイミダゾール、インダゾール、ベンゾトリアゾール、ピリジン、ピペリジン、ピペラジン、ピリダジン、ピリミジン、ピラジン、キノリン、イソキノリン及びそれらの誘導体が挙げられ、具体的には、イミダゾール、1−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、2−メチルイミダゾール、2−オクチルベンズイミダゾール、4−メチルイミダゾール、2−フェニル−(4−メチル)イミダゾール、2−アルキル(C=1〜4)−5−アルキル(C=1〜4)イミダゾール、1,2,3−トリアゾール、1,2,4−トリアゾール、3,5−ジメチル−1,2,4−トリアゾール、3,5−ジフェニル−1,2,4−トリアゾール、ベンズイミダゾール、2−メチルベンズイミダゾール、5−メチルベンズイミダゾール、2−ヒドロキシベンズイミダゾール、2−(1−ヒドロキシエチル)ベンズイミダゾール、5−ニトロベンズイミダゾール、2−ヒドロキシメチルベンズイミダゾール、2−(1−ナフチルメチル)ベンズイミダゾール、2−(4−チアゾリル)ベンズイミダゾール、5−ベンズイミダゾールカルボン酸、4,5,6,7−テトラヒドロベンゾトリアゾール、1,2,3−ベンゾトリアゾール、5−クロロベンゾトリアゾール、4−メチルベンゾトリアゾール、5−メチルベンゾトリアゾール、5−ニトロベンゾトリアゾール、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール、5−ベンゾトリアゾールカルボン酸などが挙げられる。
ヒドロキシフェニル基を有さない含窒素複素環化合物における誘導体としては、置換された、ヒドロキシフェニル基を有さない含窒素複素環化合物、置換又は無置換のヒドロキシフェニル基を有さない含窒素複素環化合物を誘導化した化合物などが挙げられる。
これらの化合物は1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いられる。
本実施の形態の感光性樹脂組成物において、(d)ヒドロキシフェニル基を有さない含窒素複素環化合物の配合量は、(a)ポリウレタンプレポリマーと(b)エチレン性不飽和化合物の合計質量に対して、0.005質量%以上であり、好ましくは0.01質量%以上、より好ましくは0.015質量%以上である。
当該値が0.005質量%以上であることにより、樹脂硬化物において紫外可視光線照射による変色抑制効果に優れる感光性樹脂組成物を得ることができる。
当該値の上限値は、樹脂硬化物において紫外可視光線照射による変色抑制効果を発現させる観点からは特に制限されるものではないが、当該値が3質量%以下であることにより、後述する[フレキソ印刷版の製造方法]の後露光工程を水中露光方式で行うとき、樹脂硬化物から(d)ヒドロキシフェニル基を有さない含窒素複素環化合物が後露光水に沁み出すことによる後露光液の汚染を防ぐことができる。
当該値は、より好ましくは2.5質量%以下、さらに好ましくは2質量%以下である。
後露光液への含窒素複素環化合物の混入は、200〜300nmの波長領域に分布を有する活性光線の透過率を減じるため、フレキソ印刷版表面を非粘着性とするためには、その混入を最小限とする範囲で(d)ヒドロキシフェニル基を有さない含窒素複素環化合物の使用量を設定することが好ましい。
また、当該値が3質量%以下であることにより、樹脂硬化物の機械的強度の低下や、フレキソ印刷版として繰り返し印刷に適用したときの(d)ヒドロキシフェニル基を有さない含窒素複素環化合物の抽出による版厚低下を防ぐことができる。
本実施の形態の感光性樹脂組成物には、必要に応じて、さらに、熱重合禁止剤、光安定剤、染料、顔料、滑剤、無機充填剤、及び可塑剤などを配合することができ、紫外線吸収剤についても感度設計の範囲で配合することができる。
熱重合禁止剤としては、熱重合反応(暗反応)を防止するための重合禁止剤であれば、特に限定されないが、例えば、ハイドロキノン、モノ−t−ブチルハイドロキノン、ベンゾキノン、2,5−ジフェニル−p−ベンゾキノン、ピクリン酸、ジ−p−フルオロフェニルアミン、p−メトキシフェノール、及び2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾールなどが挙げられる。
熱重合禁止剤は1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
本実施の形態の感光性樹脂組成物において、熱重合禁止剤の添加量は、(a)ポリウレタンプレポリマーと(b)エチレン性不飽和化合物の合計質量に対して、0.005〜5質量%であることが好ましい。
熱重合開始剤の配合量を上記範囲内とすることで、フレキソ印刷用版材として優れた感度特性が実現可能であり、長期保管時感度変化、ゲル化に対しても優れた安定を有する感光性樹脂組成物とすることができる。
光安定剤としては、感光性樹脂組成物に用いられる光安定剤であれば、特に限定されないが、樹脂硬化物に紫外可視光線が照射された際に生じる機械物性の低下を防止する、また、樹脂硬化物の変色抑制効果が向上する観点から、ヒンダードアミン系光安定剤が好ましい。
ヒンダードアミン系光安定剤としては、例えば、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、2−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−2−n−ブチルマロン酸ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)、コハク酸ジメチル−1−(2−ヒドロキシエチル)−4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン重縮合物、ポリ[〔6−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)アミノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル〕〔(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ〕ヘキサメチレン〔(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ〕]、テトラキス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート、1−[2−〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ〕エチル]−4−〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ〕−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジニルメタクリレート、及び4−ベンゾイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンなどが挙げられる。
ヒンダードアミン系光安定剤は1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
本実施の形態の感光性樹脂組成物において、光安定剤の添加量は(a)ポリウレタンプレポリマーと(b)エチレン性不飽和化合物の合計質量に対して、0.05〜10質量%であることが好ましく、より好ましくは0.1〜5質量%である。
当該量が0.05質量%以上であることにより、樹脂硬化物において紫外可視光線照射による機械物性に優れる感光性樹脂組成物を得ることができる。
当該量が10質量%以下であることにより、(a)エチレン性不飽和基を有するポリウレタンプレポリマーと(b)エチレン性不飽和化合物との相溶性に優れ、透明な感光性樹脂組成物とすることができる。
本実施の形態のフレキソ印刷版は、本実施の形態の感光性樹脂組成物を用いて製造されるフレキソ印刷版であり、樹脂硬化物を含有するフレキソ印刷版である。
フレキソ印刷版は、特に、段ボール用フレキソ印刷版、一般印刷用フレキソ印刷版、及びスタンプ用フレキソ印刷版などとして好ましく用いられる。
[フレキソ印刷版の製造方法]
本実施の形態におけるフレキソ印刷版の製造方法は、
(A)本実施の形態の感光性樹脂組成物から形成された成型体の表面を露光し、当該成型体の表面に硬化部位を形成する硬化部位形成工程(「露光工程」と呼ばれることがある。)、
(B)上記硬化部位形成工程の後、洗浄液により上記硬化部位を現像する現像工程、
(C)上記現像工程の後、現像された上記硬化部位の表面に活性光線を照射する活性光線照射工程(「後露光工程」と呼ばれることがある。)、を含む。
フレキソ印刷版の製造方法は、上記活性光線照射工程の後、さらに、(D)上記硬化部位を乾燥する乾燥工程を含んでもよい。
(A)工程において、本実施の形態の感光性樹脂組成物から形成された成型体の表面に対して、その表面上に設けられたマスク層(例えば、ネガフィルム層や赤外レーザーなどでアブレーション層を施した層)を介して活性光線を照射することで、レリーフ層を形成させるべき部位が選択的に光硬化される。
マスク層は、成型体表面のレリーフ層を形成させるべき部位に、活性光線を選択的に照射できるような形状を有し配置されている。
(A)工程において用いられる活性光線源としては、例えば、低圧水銀灯、高圧水銀灯、紫外線蛍光灯、カーボンアーク灯、キセノンランプ、ジルコニウムランプ、及び太陽光などが挙げられる。
(A)工程には、感光性樹脂組成物が、専用の装置(製版機)の内部で基材上に一定厚みの膜状に成型される成型工程が含まれてもよい。
この場合、(A)工程は、成型・露光工程と呼ばれることがある。
成型・露光工程は、例えば、以下の(A1)〜(A3)の各工程を含む。
(A1)紫外線透過性のガラス板(下部ガラス板)上にネガフィルムを載置し、そのネガフィルムを薄い保護フィルムでカバーした後、その上に液体状の感光性樹脂組成物を流し、これが一定の版厚になるようスペーサーを介して支持体となるベースフィルムを貼りあわせ、さらにその上から紫外線透過性のガラス板(上部ガラス板)で押さえつけて感光層を形成する感光層成型工程。
段ボール印刷に用いるような印刷版(厚みが4mm以上)を形成する場合、印刷時の印圧に対するレリーフの強度を補填するために、上部ガラス板側の感光層の部分に土台となるシェルフ層を形成することが好ましい。この場合、レリーフ露光前に、上部ガラス板とベースフィルムとの間に専用のネガフィルム(マスキングフィルム)を挟んで感光層を成型することが好ましい。
(A2)上記感光層成型工程の後、紫外線蛍光灯などを活性光線源とする活性光線(例えば、300nm以上に波長分布を有する光線)を上部ガラス板側からベースフィルムを介して照射することにより、版のベースフィルム側全面に均一な薄い樹脂硬化物層(すなわち床部形成層(バック析出層))を析出させるバック露光工程。
感光層形成工程でマスキングフィルムが設けられた場合、同様の露光によりシェルフ層が形成される。この場合、マスキング露光工程と呼ばれることがある。
(A3)上記バック露光工程又はマスキング露光工程の後、上記感光層に対し、下部ガラス側からネガフィルムを介して上部と同様の活性光線を照射し、画像形成を行うレリーフ形成露光工程。
なお、マスキング露光工程によりシェルフ層を形成した場合、レリーフ形成露光工程の後にマスキングフィルムを除去し、さらにバック露光工程を経ることで、ベースフィルム上の全面にバック析出層を形成することも好ましい態様の一つである。
上述のマスキング露光工程、レリーフ形成露光工程、バック露光工程における活性光線の照射量は、特に限定されるものではなく、感光性樹脂組成物の感度特性と所望するレリーフ形状に応じて調整して実施される。
(B)工程において、上記硬化部位形成工程の後、洗浄液により硬化部位形成工程により形成された硬化部位を現像することで、未硬化部分が現像される。
(B)工程において用いられる洗浄液としては、例えば、界面活性剤水溶液などが挙げられる。
界面活性剤水溶液に用いられる界面活性剤の種類や組成は、使用する感光性樹脂組成物の性質に合わせて最適なものを選択すればよく、特に限定されるものではない。
現像方法としても、露光して得られた感光性樹脂硬化版を現像液中に浸漬する方法、露光して得られた感光性樹脂硬化版面上に現像液をスプレーノズルから吹き付ける方法、又は浸漬、スプレーにより膨潤した未硬化樹脂をブラシで掻き取る方法などが適用可能である。
界面活性剤としては、微細部分の洗浄性、洗浄液のスタミナ性の観点から、アニオン界面活性剤及び/又はノニオン界面活性であることが好ましい。
アニオン界面活性剤におけるアニオン成分としては、例えば、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸、α−オレフィンスルホン酸、ジアルキルスルホコハク酸、脂肪酸低級アルキルエステルのスルホン酸、アルキル硫酸、アルキルエーテル硫酸、飽和若しくは不飽和脂肪酸など、又はこれらのポリオキシアルキレン付加物などが挙げられる。
アニオン界面活性剤におけるアニオン成分に対するカウンターカチオン成分としては、例えば、ナトリウム及びカリウムなどのアルカリ金属イオン、アンモニウム、モノエタノールアミン、及びジエタノールアミンなどのアルカノールアミンイオンなどが挙げられる。
ノニオン界面活性剤としては、例えば、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシアルキレンアルケニルエーテル、ポリオキシアルキレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシアルキレンアルケニルフェニルエーテル、ポリオキシアルキレンスチリルフェニルエーテル、ポリオキシアルキレンアルキルアミン、ポリオキシアルキレンアルケニルアミン、ポリオキシアルキレンアルキルアミド、ポリオキシアルキレンアルケニルアミド、及びエチレンオキシド/プロピレンオキシドブロック付加物(プルロニック型界面活性剤)などが挙げられる。
界面活性剤の洗浄液中に占める割合は、好ましくは0.2〜4質量%、より好ましくは0.5〜3質量%である。
当該割合を0.2質量%以上とすることにより、印刷に供し得る印刷版を提供するための十分な洗浄能力を確保する観点から好適である。
当該割合を4質量%以下とすることにより、樹脂硬化物表面に浸透した界面活性剤が後露光による硬化反応を阻害する働きを低減し、印刷版表面の粘着性を低減することに寄与し得る。
洗浄液には、本実施の形態の感光性樹脂組成物から表面粘着性の少ないフレキソ印刷版を製造する観点から、特許3586990号公報に開示された感光性樹脂印刷版用現像液を用いることが好ましい。
当該感光性樹脂印刷版用現像液は、活性光線を照射されることによって化合物中の水素原子を引き抜くことのできる水素引き抜き剤を含有する。
また、上記(B)工程において現像された硬化部位の表面に、上記(C)工程において水素引き抜き剤を効果的に活性化する波長領域に分布を有する活性光線を照射することにより、フレキソ印刷版表面を非粘着化する製版方法である。
(C)工程において、上記現像工程の後、印刷版の機械的強度促進、表面粘着性除去を主目的として、樹脂の硬化部位へ活性光線を照射する。
(C)工程において用いられる活性光線源としては、例えば、レリーフ露光に用いる300nm以上の波長領域に分布を有する活性光線源(例えば、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、紫外線蛍光灯、カーボンアーク灯、キセノンランプなど)、200〜300nmの波長領域に分布を有する活性光線源(例えば、低圧水銀灯、殺菌灯、重水素ランプなど)、又はこれらを組み合わせた光線源が挙げられる。
(C)工程における露光方式としては、例えば、空気中の酸素による重合反応阻害の防止を目的とした水中露光方式や、空気中、すなわち酸素阻害への対策を行わない空中露光方式などが挙げられる。
中でも、版表面の摩耗による粘着性の発現を良好に抑制する観点から、水中露光方式が好ましい。
(C)工程における活性光線の照射量は、200〜300nmの波長領域に分布を有する活性光線を用いる場合、好ましくは500〜5000mJ/cm2であり、より好ましくは1000〜5000mJ/cm2であり、さらに好ましくは2000〜3500mJ/cm2である。
活性光線の照射量を500mJ/cm2以上とすることにより、十分に表面粘着性を除去し、繰り返し印刷での使用でも非粘着性を維持する観点から好適である。
活性光線の照射量を5000mJ/cm2以下とすることにより、印刷版表面に微少なクラックが生じて粘着性が現れる可能性を低減する観点から好適である。
本実施の形態における「活性光線の照射量」は、オーク製作所社製の紫外線測定器である「UV−M02」により測定した250nmの波長における照射量と照射時間とから算出した値である。
(D)工程において、上記活性光線照射工程の後、(B)工程や水中露光方式による(C)工程において感光性樹脂硬化版の表面に付着した水分を乾燥する。
乾燥工程における乾燥は、専用の収納式熱風乾燥機を用いて行われることが好ましい。
本実施の形態のフレキソ印刷版の製造方法は、さらに、他の工程を含んでもよい。例えば、(B)工程の後に水素引き抜き剤を版表面に浸透する工程を経て、さらに、(C)工程を経る特許3592336号公報に開示された製版方法も好適に適用可能である。
樹脂硬化物の硬度は、JIS定圧荷重器GS−710((株)テクロック社製 ASTM:D2240A、JIS:K6253A、ISO:7619Aに準拠)で測定される値で示される。
フレキソ印刷版に求められる柔軟性は、温度20℃、相対湿度70%で測定されるショアA硬度が、好ましくは10〜50度、より好ましくは10〜40度である。
当該硬度は、非印刷体の材質、要求される印刷品質に応じて適切に選択すればよい。
ショアA硬度を10度以上に設定することは、印圧に対するレリーフの歪みを抑制し、印刷画像が太くなって文字の判読が困難となる虞を低減する観点から好適である。
ショアA硬度を50度以下とすることは、インクを十分に転写する観点から好適である。
本実施の形態において「ショアA硬度」とは、以下の実施例に記載するように、「ショアA硬度」により測定される値である。
樹脂硬化物の紫外可視光線照射による変色は、変色評価の△E*値で示される。
感光性樹脂組成物をフレキソ印刷版として使用する場合、当該値を0〜8の範囲とすることが好ましく、0〜5であることがより好ましい。
当該値が8以下のフレキソ印刷版では、日中室内照明を点灯するような作業環境下で6ヶ月間程度保管しても元の色調を維持することが可能であり、また、実施例で述べる版つなぎ法を行った箇所とその他の領域での色調差異も目視困難となる観点から好ましい。
本実施の形態において、「△E*値」とは、以下の実施例に記載するように、「変色性評価」により測定される値である。
樹脂硬化物のフレキソ印刷版に要求される機械的強度は、耐ノッチ亀裂性で示される。
耐ノッチ亀裂性が20秒以上であることが好ましく、30秒以上であることがより好ましく、40秒以上であることがさらに好ましい。
当該値を20秒以上とすることにより、段ボール印刷で求められる耐久性を良好に実現する観点から好適である。すなわち、フレキソ印刷版表面の僅かな擦過傷(ノッチ)が、その取り扱い時の屈曲によりレリーフの欠けに発展する場合がある。段ボール印刷版は一般に大きく、版の取り扱い時の屈曲、湾曲の程度が大きい。したがって、フレキソ印刷版を段ボール印刷版として用いる場合は、特に良好な耐ノッチ性を有することが求められる。耐ノッチ亀裂性が45秒以上の耐ノッチ亀裂性の領域では、実使用においてその有意差が判断できないほどに良好な耐久性を示す。
本実施の形態において、「耐ノッチ亀裂性」とは、特開平04−95959号公報に記載された方法に準じて、以下の実施例に記載する方法により測定される値である。
特に限定されるものではないが、例えば、感光性樹脂組成物において、(a)ポリウレタンプレポリマーとして、数平均分子量が5000〜70000の範囲の高分子量体を選択する方法、(a)ポリウレタンプレポリマーに係るポリオールとしてポリエステルポリオールを使用する方法、(a)ポリウレタンプレポリマーに係る、数平均分子量がそれぞれ1000以上のポリエーテルジオールとポリエステルジオールとを、それらのモル比(ポリエーテルジオール/ポリエステルジオール)として1/2〜2/1の範囲で混合して使用する方法などを採用することにより、耐ノッチ亀裂性を20秒以上とすることができ、機械的強度に優れる樹脂硬化物を得ることができる。
以下、本実施の形態を実施例及び比較例により具体的に説明するが、本実施の形態は、以下の実施例のみに限定されるものではない。
なお、本実施の形態で用いた測定方法は以下のとおりである。
[GPC測定]
製造したポリウレタンプレポリマーについて、以下の条件でGPC測定を行い、ポリスチレン換算による高分子量体の数平均分子量を求めた。また、GPC測定により得られるピーク面積比(%)により、製造時に過剰に加えたHP及びPPMの未反応物を除外したポリウレタンプレポリマー成分に由来する高分子量体の含有量を求めた。
機器 :東ソー(株)製「HLC−8220GPC」
カラム :東ソー(株)製「TSLgelGMHXL」
溶媒 :テトラヒドロフラン
流速 :1ミリリットル/分
注入量 :100マイクロリットル
検出器 :RI検出器
検量線標品:ポリスチレン(分子量500〜1260000)
試料 :0.3質量%テトラヒドロフラン溶液
[20℃における粘度]
得られた液体状の感光性樹脂組成物を温度20℃、相対湿度70%の恒温恒湿室内に一日放置し、同室内においてB形粘度計形式B8H((株)東京計器製)を用いて、20℃における粘度を測定した。
[ショアA硬度]
得られたフレキソ印刷版を温度20℃、相対湿度70%の恒温恒湿室内に一日放置し、フレキソ印刷版の15cm角正方画像印刷面のショアA硬度を測定した。測定は、同室内に設置されたJIS定圧荷重器GS−710((株)テクロック社製 ASTM:D2240A、JIS:K6253A、ISO:7619Aに準拠)を1kg荷重で用いて、測定開始後15秒後の値を読み取った。
[耐ノッチ亀裂性評価]
(1)15cm角以上のべた画像(全面が平滑で凹部の存在しない印刷用レリーフ)領域を有し、支持体(ベースフィルム)上に形成された厚さ7mmのフレキソ印刷版について、幅2cm、長さ5cmの短冊状のサンプル版3個を切り出し、長さ方向の中央部分にカッターで深さ0.8〜1.2mmの切筋(ノッチ)を入れた。
(2)サンプル版の長さ方向両端を該切筋が外側になるようにやや湾曲させて軽く一方の手の指でつまみ、サンプル版の切筋の裏側に位置する支持体が該切筋の真下で折れ曲がるように、もう一方の手の指をその支持体にあてがい、サンプル版を素早く折り曲げて支持体同士が密着した形状を保持するようサンプル版を支持した。
(3)サンプル版を折り曲げた瞬間から該切筋から生じた亀裂が支持体に到達するまでの時間を秒単位で測定した。
(4)サンプル版3個について同様の測定を行い、測定結果の相加平均値に近い5秒単位の整数を耐ノッチ亀裂性(秒)として求めた。
[変色性評価]
(1)15cm角のべた画像(全面が平滑で凹部の存在しない印刷用レリーフ)領域を有し、支持体(ベースフィルム)上に形成された厚さ7mmのフレキソ印刷版について、一方のサンプル版を蛍光灯(日本電気(株)製、FHF32EX−DHX)下120cmの位置に配置して10日間保存し、他方のサンプルは遮光して保存した。
(2)変色試験は、分光色差計(日本電色工業(株)製、SE6000)を30mmφ見口の反射モード、光源/視野:C/2、標準白板(X:94.05、Y:96.00、Z:113.14)校正で使用し、遮光サンプルと蛍光灯下保存サンプルのL*、a*、b*値測定に基づく色差△E*(JIS Z 8730)を測定した。
〔製造例1〕ポリウレタンプレポリマーAの製造
2000gのポリオキシエチレン(EO)−オキシプロピレン(PO)ブロック共重合ジオール(サンニックス(登録商標)PL−2100、三洋化成工業(株)製、水酸基価44KOHmg/g、EO含量30質量%、以下「PL2100」と略して記載する。)に対して、40質量ppmのジブチル錫ジラウレート(以下「BTL」と略して記載する。)を加え、40℃で均一になるまで攪拌した。
得られた混合物に149gのトリレンジイソシアネート(商品名「コロネート(登録商標)T−80」、日本ポリウレタン(株)製、以下「TDI」と略して記載する。)を加えてさらに攪拌した。均一となったところでその混合物を80℃まで昇温した後、約4〜5時間反応させて両末端にイソシアネート基を有するポリウレタンAを調製した。
得られたポリウレタンAに137gのポリ(オキシプロピレン)グリコールモノメタアクリレート(商品名「PPM」、日油(株)製、数平均分子量380)と69gのヒドキシプロピルメタアクリレート(商品名「HP」、日油(株)製)とを加えて約2時間反応させた。得られた組成物中の反応生成物を一部取り出してIR分光測定器によりイソシアネート基消失を確認した。こうして、ポリウレタンプレポリマーAを得た。
ポリウレタンプレポリマーAについてGPC測定を行った結果、ポリウレタンプレポリマー成分に由来する高分子量体の数平均分子量は33500であり、組成物中の高分子量体の含有量は93質量%であった。
〔製造例2〕ポリウレタンプレポリマーBの製造
900gのポリ(プロピレングリコールアジペート)ジオール(タケラック(登録商標)U2320、三井化学ポリウレタン(株)製、水酸基価:44KOHmg/g)と1100gのPL2100との混合物に対して、30質量ppmのBTLを加え、40℃で均一になるまで攪拌した。
得られた混合物に155gのTDIを加えてさらに攪拌した。均一となったところでその混合物を80℃まで昇温した後、約4〜5時間反応させて両末端にイソシアネート基を有するポリウレタンBを調製した。
得られたポリウレタンBに259gのPPMと136gのHPとを加えて約2時間反応させた。得られた組成物中の反応生成物を一部取り出してIR分光測定器によりイソシアネート基消失を確認した。こうして、ポリウレタンプレポリマーBを得た。
ポリウレタンプレポリマーBについてGPC測定を行った結果、ポリウレタンプレポリマー成分に由来する高分子量体の数平均分子量は21000であり、組成物中の高分子量体の含有量は87質量%であった。
〔製造例3〕ポリウレタンプレポリマーCの製造
1000gのポリ(3−メチル−1,5−ペンタンジオールアジペート)ジオール(クラポールP−3010、(株)クラレ製、水酸基価:37KOHmg/g)と1000gのPL2100との混合物に対して、30質量ppmのBTLを加え、40℃で均一になるまで攪拌した。得られた混合物に144gのTDIを加えてさらに攪拌した。均一となったところでその混合物を80℃まで昇温した後、約4〜5時間反応させて両末端にイソシアネート基を有するポリウレタンCを調製した。
得られたポリウレタンCに206gのPPMと181gのHPとを加えて約2時間反応させた。得られた組成物中の反応生成物を一部取り出してIR分光測定器によりイソシアネート基消失を確認した。こうして、ポリウレタンプレポリマーCを得た。
ポリウレタンプレポリマーCについてGPC測定を行った結果、ポリウレタンプレポリマー成分に由来する高分子量体の数平均分子量は23000であり、組成物中の高分子量体の含有量は89質量%であった。
〔製造例4〕ポリウレタンプレポリマーDの製造
2000gのPL2100に対して、40質量ppmのBTLを加え、40℃で均一になるまで攪拌した。得られた混合物に144gのヘキサメチレンジイソシアネート(東京化成(株)製)を加えてさらに攪拌した。均一となったところでその混合物を80℃まで昇温した後、約4〜5時間反応させて両末端にイソシアネート基を有するポリウレタンDを調製した。
得られたポリウレタンDに136gのPPMと69gのHPとを加えて約2時間反応させた。得られた組成物中の反応生成物を一部取り出してIR分光測定器によりイソシアネート基消失を確認した。こうして、ポリウレタンプレポリマーDを得た。
ポリウレタンプレポリマーDについてGPC測定を行った結果、ポリウレタンプレポリマー成分に由来する高分子量体の数平均分子量は32500であり、組成物中の高分子量体の含有量は93質量%であった。
〔製造例5〕ポリウレタンプレポリマーEの製造
2000gのPL2100に対して、40質量ppmのBTLを加え、40℃で均一になるまで攪拌した。得られた混合物に215gのジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジイソシアネート(東京化成(株)製)を加えてさらに攪拌した。均一となったところでその混合物を80℃まで昇温した後、約4〜5時間反応させて両末端にイソシアネート基を有するポリウレタンEを調製した。
得られたポリウレタンEに141gのPPMと71gのHPとを加えて約2時間反応させた。得られた組成物中の反応生成物を一部取り出してIR分光測定器によりイソシアネート基消失を確認した。こうして、ポリウレタンプレポリマーEを得た。
ポリウレタンプレポリマーEについてGPC測定を行った結果、ポリウレタンプレポリマー成分に由来する高分子量体の数平均分子量は33500であり、組成物中の高分子量体の含有量は93質量%であった。
〔実施例1〕
ポリウレタンプレポリマーA:70質量部、脂肪族アルコールのメタクリレートエステル(商品名「ライトエステルL−45」、油脂製品(株)製、以下「L−45」と略して記載する。):14質量部、PPM:14質量部、トリメチロールプロパントリメタクリレート(商品名「SR350J」、サートマー社製、以下「SR350J」と略して記載する。):2質量部、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン(以下「DMPAP」と略して記載する):0.6質量部、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール(以下「BHT」と略して記載する):0.6質量部、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート(商品名「サノール(登録商標)LS−765」、三共ライフテック(株)性、以下「LS−765」と略して記載する。):1質量部、及びベンズイミダゾール(東京化成(株)製):0.1質量部を60℃の加温状態で攪拌混合して液体状の感光性樹脂組成物を得た。
得られた液体状の感光性樹脂組成物を用いて、下記に示す成型・露光工程、現像工程、後露光工程、乾燥工程を順次経ることによりフレキソ印刷版を作製した。
1)成型・露光工程
ALF−213E型製版機(旭化成ケミカルズ(株)製)を版厚7mmの設定で用いて成型・露光を行った。
まず、下部ガラス板上に15cm角正方形の透過部分を有するネガフィルムを載置し、そのネガフィルムをカバーフィルムCF−84(旭化成ケミカルズ(株)製)で覆い、真空密着させた。
準備した液体状の感光性樹脂組成物をネガ上画像領域に塗布し、その上からベースフィルムBF−444(旭化成ケミカルズ(株)製)をラミネートした。
更に、17cm角正方形の透過部分を有するマスキングフィルムをネガフィルムの画像に合わせてベースフィルム上に配置した後に、上部ガラスを含む光源ボックスを降下させた。
その後、上部光源露光(マスキング露光)量:500mJ/cm2、下部光源露光(レリーフ露光)量:650mJ/cm2で順じ露光を行い、15cm角正方形の印刷レリーフを有する厚み7mmの感光性樹脂硬化版を得た。
2)現像工程
未硬化樹脂を常法により回収した後に、該感光性樹脂組成物を乳化し得るAPR(登録商標)洗浄剤タイプW−10(主剤:アニオン系界面活性剤、旭化成ケミカルズ(株)製):2質量%と、消泡剤SH−4(シリコーン混和物、旭化成ケミカルズ(株)製):0.3質量%とを含む水溶液を現像液として用い、露光後の上記感光性樹脂硬化版を現像した。AL−400W型現像機(ドラム回転スプレー式、旭化成ケミカルズ(株)製、ドラム回転数:20回転/分、スプレー圧:0.15Pa)を用いて液温40℃、現像時間10分間の条件で現像した後、水道水で現像液による泡が落ちる程度に洗浄した。
3)後露光工程
紫外線蛍光灯、殺菌灯の双方を装備したAL−200UP型後露光機(旭化成ケミカルズ(株)製)を用い、水中露光方式により露光を行った。それぞれの光源から照射される露光量が、感光性樹脂硬化版表面で紫外線蛍光灯:1500mJ/cm2、殺菌灯:4500mJ/cm2となる露光時間で露光を行った。
4)乾燥工程
ALF−DRYER(旭化成ケミカルズ(株)製)を用い、後露光後の版を、その表面の水分がなくなるまで約30分間乾燥した。こうして、フレキソ印刷版を得た。
〔比較例1〕
ベンズイミダゾール(東京化成(株)製):0.1質量部を加えない以外は実施例1と同様にして液体状の感光性樹脂組成物を得、フレキソ印刷版を作製した。
〔実施例2〕
ポリウレタンプレポリマーB:75質量部、L−45:5質量部、PPM:9質量部、ジエチレングリコール−2−エチルヘキシルエーテルアクリレート(商品名:アロニックスM−120、東亞合成(株)製、以下「M−120」と略して記載する。):9質量部、SR350J:2質量部、DMPAP:0.6質量部、BHT:0.6質量部、LS−765:1質量部、及びベンズイミダゾール(東京化成(株)製):0.1質量部を60℃の加温状態で攪拌混合して液体状の感光性樹脂組成物を得た。
得られた液体状の感光性樹脂組成物を用いて、現像工程における現像液に、さらにベンゾフェノン/界面活性剤水溶液(APR(登録商標)表面処理剤タイプA−10、旭化成ケミカルズ(株)製)を0.5質量%加え、後露光工程における殺菌灯照射露光量を3000mJ/cm2に変更すること以外は実施例1と同様にして、フレキソ印刷版を作製した。
〔比較例2〕
ベンズイミダゾール(東京化成(株)製):0.1質量部を加えないこと以外は実施例2と同様にして液体状の感光性樹脂組成物を得、フレキソ印刷版を作製した。
〔実施例3〕
ポリウレタンプレポリマーC:74質量部、PPM:12質量部、M−120:12質量部、SR350J:2質量部、DMPAP:0.6質量部、BHT:0.6質量部、LS−765:1質量部、及びベンズイミダゾール(東京化成(株)製):0.1質量部を60℃の加温状態で攪拌混合して液体状の感光性樹脂組成物を得た。
得られた液体状の感光性樹脂組成物を用いて、実施例2と同様にして、フレキソ印刷版を作製した。
〔比較例3〕
ベンズイミダゾール(東京化成(株)製):0.1質量部を加えないこと以外は実施例3と同様にして液体状の感光性樹脂組成物を得、フレキソ印刷版を作製した。
〔実施例4〕
ポリウレタンプレポリマーD:70質量部、L−45:14質量部、PPM:14質量部、SR350J:2.2質量部、DMPAP:0.6質量部、BHT:0.6質量部、LS−765:1質量部、及びベンズイミダゾール(東京化成(株)製):0.1質量部を60℃の加温状態で攪拌混合して液体状の感光性樹脂組成物を得た。
得られた液体状の感光性樹脂組成物を用いて、実施例1と同様にして、フレキソ印刷版を作製した。
〔比較例4〕
ベンズイミダゾール(東京化成(株)製):0.1質量部を加ないこと以外は実施例4と同様にして液体状の感光性樹脂組成物を得、フレキソ印刷版を作製した。
〔実施例5〕
ポリウレタンプレポリマーE:70質量部、L−45:14質量部、PPM:14質量部、SR350J:2.2質量部、DMPAP:0.6質量部、BHT:0.6質量部、LS−765:1質量部、及びベンズイミダゾール(東京化成(株)製):0.1質量部を60℃の加温状態で攪拌混合して液体状の感光性樹脂組成物を得た。
得られた液体状の感光性樹脂組成物を用いて、実施例1と同様にして、フレキソ印刷版を作製した。
〔比較例5〕
ベンズイミダゾール(東京化成(株)製):0.1質量部を加えないこと以外は実施例5と同様にして液体状の感光性樹脂組成物を得、フレキソ印刷版を作製した。
〔実施例6〜12〕
ベンズイミダゾール:0.1質量部に代えて、以下に示す含窒素複素環化合物:0.1質量部を用いた以外は実施例3と同様にして液体状の感光性樹脂組成物を得、フレキソ印刷版を作製した。
実施例6:2−メチルベンズイミダゾール(東京化成(株)製)
実施例7:5−メチルベンズイミダゾール(東京化成(株)製)
実施例8:2−(1−ヒドロキシエチル)ベンズイミダゾール(東京化成(株)製)
実施例9:1,2,3−ベンゾトリアゾール(東京化成(株)製)
実施例10:1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(東京化成(株)製)
実施例11:5−ベンゾトリアゾールカルボン酸(商品名「CBT−1」、城北化学(株)製)
実施例12:1,2,4−トリアゾール(東京化成(株)製)
〔実施例13〕
ベンズイミダゾール:0.1質量部に代えて、0.02質量部を用いた以外は実施例3と同様にして液体状の感光性樹脂組成物を得、フレキソ印刷版を作製した。
〔実施例14〕
ベンズイミダゾール:0.1質量部に代えて、2質量部を用いた以外は実施例3と同様にして液体状の感光性樹脂組成物を得、フレキソ印刷版を作製した。
〔比較例6〕
ベンズイミダゾール:0.1質量部に代えて、0.001質量部を用いた以外は実施例3と同様にして液体状の感光性樹脂組成物を得、フレキソ印刷版を作製した。
〔比較例7〕
ベンズイミダゾール:0.1質量部に代えて、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール(商品名「Viosorb−520」、共同薬品(株)製)を用いた以外は実施例3と同様にして液体状の感光性樹脂組成物を得、フレキソ印刷版を作製した。
しかし、フレキソ印刷版のレリーフは形成されず、支持体上に厚み1mm程度の樹脂硬化物が形成されただけであった。
〔比較例8〕
ベンズイミダゾール:0.1質量部に代えて、Viosorb−520:0.001質量部を用いた以外は実施例3と同様にして液体状の感光性樹脂組成物を得、フレキソ印刷版を作製した。
実施例1〜5及び比較例1〜5で得られた液体状の感光性樹脂組成物の20℃における粘度、ショアA硬度、耐ノッチ亀裂性、変色評価ΔE*の測定結果を表1に示す。
含窒素複素環化合物以外の組成が実施例3と同一である実施例6〜14及び比較例6〜8について、使用した含窒素複素環化合物と変色性評価の測定結果を表2に示す。
Figure 0005420290
Figure 0005420290
〔実施例15〕
ベンズイミダゾール:0.1質量部に代えて、3.5質量部を用いた以外は実施例3と同様にして液体状の感光性樹脂組成物を得、フレキソ印刷版を作製した。
変色性評価の結果、△E*値は1であった。
〔実施例16〕
銅フタロシアニン系青色顔料(商品名「EMF BLUE NCB−2」、東洋インキ製造(株)製):0.002質量部を、さらに加えること以外は実施例3と同様にして液体状の感光性樹脂組成物を得、フレキソ印刷版を作製した。
変色性評価の結果、△E*値は3であった。
〔実施例17〕
ペリノン系赤色染料(商品名「Kayaset Red A−2G」、日本化薬(株)製):0.01質量部を、さらに加えること以外は実施例3と同様にして液体状の感光性樹脂組成物を得、フレキソ印刷版を作製した。
変色性評価の結果、△E*値は2であった。
〔比較例9〕
「EMF BLUE NCB−2」:0.002質量部を、さらに加えること以外は比較例3と同様にして液体状の感光性樹脂組成物を得、フレキソ印刷版を作製した。
変色性評価の結果、△E*値は21であった。
〔比較例10〕
「Kayaset Red A−2G」:0.01質量部を、さらに加えること以外は比較例3と同様にして液体状の感光性樹脂組成物を得、フレキソ印刷版を作製した。
変色性評価の結果、△E*値は16であった。
上述の実施例1〜17及び比較例1〜10の結果から、下記の内容が読み取れる。
(1)ヒドロキシフェニル基を有さない含窒素複素環化合物を所定量含有する実施例1〜17の感光性樹脂組成物から得られるフレキソ印刷版は、変色性評価の結果、△E*値が0〜8の範囲を実現している。
(2)一方、実施例1〜5に対して、ヒドロキシフェニル基を有さない含窒素複素環化合物を含まない比較例1〜5の感光性樹脂組成物から得られるフレキソ印刷版の変色性は、△E*値が15を超える値を示している。
(3)実施例1〜5、比較例1〜5の対比として、不飽和ポリウレタンプレポリマーのポリイソシアネート成分に着目すれば、芳香族系ポリイソシアネート、脂肪族系ポリイソシアネートの何れのプレポリマーにおいても、ヒドロキシフェニル基を有さない含窒素複素環化合物を含むことに依る変色抑制効果が発現している。
(4)着色された感光性樹脂組成物の事例である比較例9及び10に対して、ヒドロキシフェニル基を有さない含窒素複素環化合物を含む実施例16及び17では、フレキソ印刷版の変色性は△E*値0〜8の範囲を実現している。
(5)比較例6は、ヒドロキシフェニル基を有さない含窒素複素環化合物を含む感光性樹脂である。0.001質量部の混合量である比較例6では変色抑制効果が十分でない。また、3.5質量部の混合量である実施例9では変色抑制効果は発現された。しかしながら、製造後の後露光水は褐色に変色しており、製造後のフレキソ印刷版の版表面は手で触ってべたつき感の大きな版となった。
(6)比較例7及び8は、ヒドロキシフェニル基を有する含窒素複素環化合物(Viosorb−520)を含む感光性樹脂組成物であり、当該化合物が紫外線吸収性を示すためにフレキソ印刷版作成に必要な感度の実現と変色抑制効果を両立することができなかった。
(7)以上の結果から、各種ウレタン系プレポリマーから成るフレキソ印刷版の変色性を目標レベルに維持するために、ヒドロキシフェニル基を有さない含窒素複素環化合物を0.005質量%以上で配合することが、変色抑制効果に効果的であることが明らかになった。
本発明の感光性樹脂組成物は、特に段ボール印刷用のフレキソ印刷版の分野で好適に利用できる。

Claims (11)

  1. エチレン性不飽和基を有するポリウレタンプレポリマー100質量部と、
    エチレン性不飽和化合物10〜150質量部と、を含み、
    前記エチレン性不飽和基を有するポリウレタンプレポリマーと前記エチレン性不飽和化合物の合計質量に対し、0.01〜10質量%の光重合開始剤と、0.005質量%以上のヒドロキシフェニル基を有さない含窒素複素環化合物と、を含み、
    ヒンダードアミン系光安定剤を含む、感光性樹脂組成物。
  2. 前記含窒素複素環化合物は、含窒素複素芳香環化合物である、請求項1に記載の感光性樹脂組成物。
  3. 前記含窒素複素環化合物は、ベンゼン環と含窒素複素芳香環の両方を含む含窒素縮合複素芳香環化合物である、請求項1又は2に記載の感光性樹脂組成物。
  4. 前記ヒドロキシフェニル基を有さない含窒素複素環化合物は、イミダゾール、ベンズイミダゾール、及びそれらの誘導体からなる群から選択される少なくとも1種である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の感光性樹脂組成物。
  5. 前記ヒドロキシフェニル基を有さない含窒素複素環化合物は、1,2,3−トリアゾール、1,2,4−トリアゾール、1,2,3、−ベンゾトリアゾール、及びそれらの誘導体からなる群から選択される少なくとも1種である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の感光性樹脂組成物。
  6. 前記ポリウレタンプレポリマーは、ポリエーテル系のポリウレタンプレポリマー又はポリエーテルポリエステル系のポリウレタンプレポリマーを含有する、請求項1〜5のいずれか一項に記載の感光性樹脂組成物。
  7. 前記ポリウレタンプレポリマーは、
    ポリエーテルポリオール、又はポリエーテルポリオールとポリエステルポリオールとを含むポリオール混合物と、
    ポリイソシアネートと、の反応生成物に対して(メタ)アクリル化剤を反応させて得られるプレポリマーを含有する、請求項1〜6のいずれか一項に記載の感光性樹脂組成物。
  8. 前記ポリイソシアネートが芳香族系ポリイソシアネートを含有する、請求項7に記載の感光性樹脂組成物。
  9. 熱重合安定剤をさらに含む、請求項1〜8のいずれか一項に記載の感光性樹脂組成物。
  10. 請求項1〜のいずれか一項に記載の感光性樹脂組成物の硬化物を含有するフレキソ印刷版。
  11. 請求項1〜のいずれか一項に記載の感光性樹脂組成物から形成された成型体の表面を露光し、当該成型体の表面に硬化部位を形成する硬化部位形成工程と、
    洗浄液により前記硬化部位を現像する現像工程と、
    現像された前記硬化部位の表面に活性光線を照射する活性光線照射工程と、
    を含むフレキソ印刷版の製造方法。
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