JP5420201B2 - Mriシステム - Google Patents

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Description

本発明は、複数のスライスからデータを収集するMRI(Magnetic
Resonance Imaging)システムに関する。
従来より、1回の撮影で複数枚のスライスを撮影することができるマルチスライス法が知られている(特許文献1参照)。
特開2007-330520号公報
しかし、従来のマルチスライス法では、複数枚のスライスの両端のスライスの画像と、両端のスライスに挟まれたスライスの画像とを比較すると、コントラストに差が現れ、高品質なMR画像を得ることができない場合がある。
本発明は、上記の事情に鑑み、コントラストの差を小さくすることができるMRIシステムを提供することを目的とする。
上記の問題を解決する本発明のMRIシステムは、
プリパレーションパルスと勾配パルスによって複数のスライスの各々を励起し、上記プリパレーションパルスと上記勾配パルスで励起されたスライスからデータを収集するMRIシステムであって、
送信コイルと、
勾配コイルと、
上記送信コイルが上記プリパレーションパルスを印加し、上記勾配コイルが上記勾配パルスを印加するように、上記送信コイルおよび上記勾配コイルを制御するコイル制御手段と、
上記複数のスライスのうちの任意のスライスの右隣にスライスが存在する場合、上記プリパレーションパルスと上記勾配パルスによって上記右隣のスライスを励起するときの励起領域が、上記任意のスライスの少なくとも一部に重なり、上記任意のスライスの左隣にスライスが存在する場合、上記プリパレーションパルスと上記勾配パルスによって上記左隣のスライスを励起するときの励起領域が、上記任意のスライスの少なくとも一部に重なるように、上記励起領域を決定する励起領域決定手段と、
上記複数のスライスのうちの左端のスライスの少なくとも一部に重なる第1のダミー励起領域と、上記複数のスライスのうちの右端のスライスの少なくとも一部に重なる第2のダミー励起領域とを決定するダミー励起領域決定手段と、
を有し、
上記コイル制御手段は、
上記第1のダミー励起領域を励起するための第1のダミープリパレーションパルスと第1のダミー勾配パルスが印加されるように、上記送信コイルおよび上記勾配コイルを制御し、上記第2のダミー励起領域を励起するための第2のダミープリパレーションパルスと第2のダミー勾配パルスが印加されるように、上記送信コイルおよび上記勾配コイルを制御する。
本発明では、左端のスライスの少なくとも一部に重なる第1のダミー励起領域と、右端のスライスの少なくとも一部に重なる第2のダミー励起領域とを決定している。したがって、左端のスライスには、右隣のスライスを励起するときの励起領域だけでなく、第1のダミー励起領域が重なり、右端のスライスには、左隣のスライスを励起するときの励起領域だけでなく、第2のダミー励起領域が重なる。このため、左端のスライスおよび右端のスライスに対する励起領域の重なり具合いを、他のスライス(左端のスライスと右端のスライスとの間に存在するスライス)に対する励起領域の重なり具合いに近づけることができ、スライス間のコントラストの差が低減される。
以下、図面を参照しながら、発明を実施するための最良の形態を詳細に説明する。尚、本発明は、発明を実施するための最良の形態に限定されるものではない。
(1)第1の実施形態
図1は、本発明の第1の実施形態のMRIシステム1を示す図である。
MRIシステム1は、MR装置10と、制御装置20と、操作装置40とを有している。
MR装置10は、ガントリ2とテーブル3とを有している。ガントリ2は、送信コイル4や勾配コイル5などが内蔵されている。テーブル3の上には、被検体7が寝ている。被検体7の頭部7aには受信コイル6が取り付けられている。受信コイル6は、被検体7からMR信号を受信し、制御装置20に伝送する。
第1の実施形態では、上記のMRIシステム1を用いて、被検体7の頭部7aを撮影する。
図2は、被検体7の頭部7aを撮影するときに設定されるスライスの一例を示す図である。
操作者50(図1参照)は、被検体7の頭部7aの灰白質GMおよび白質WMを撮影する場合、灰白質GMおよび白質WMの位置に対して、例えば、n枚のスライスS1〜Snを設定する。隣接するスライスとスライスとの間には、スペーシングSG1〜SGnが設定されている。スペーシングSG1〜SGnの値は、同じ値であっても異なる値であってもよく、また、ゼロであってもよい。MRIシステム1は、各スライスS1〜Snからデータを収集する。ただし、被検体7の頭部7aには、脳脊髄液CSFが流れており、画像に脳脊髄液CSFも描出されると、灰白質GMおよび白質WMの状態を診断する邪魔になることがある。したがって、画像には、灰白質GMおよび白質WMが強調して描出されるとともに、脳脊髄液CSFはできるだけ描出されないことが望ましい。そこで、灰白質GMおよび白質WMが強調され、脳脊髄液CSFが抑制された画像を撮影するために、以下のようなパルスシーケンスを実行する。
図3は、スライスS1〜Snからデータを収集するために実行されるパルスシーケンスの一例である。
パルスシーケンス50は、繰返し時間TR1、TR2、・・・TRxごとに実行される(図3(a))。パルスシーケンス50は、プリパレーション用パルスシーケンスが実行されるプリパレーション実行期間Aと、データ収集用パルスシーケンスが実行されるデータ収集実行期間Dとを有している。プリパレーション実行期間Aは、各スライスS1〜Sn内の組織の縦磁化成分を反転させるための期間である。データ収集実行期間Dは、各スライスS1〜Snからデータを収集するための期間である。
プリパレーション実行期間Aおよびデータ収集実行期間Dに実行されるパルスシーケンス50の具体的な一例が、図3(b)に示されている。
プリパレーション実行期間Aは、第1のダミー反転期間X1と、反転期間A1〜Anと、第2のダミー反転期間X2とを有している。
反転期間A1〜Anは、それぞれ、スライスS1〜Snに含まれる組織の縦磁化の向きを反転させるための期間である。各反転期間A1〜Anに、勾配コイル5は勾配パルスG#1〜G#nを印加し、一方、送信コイル4は反転パルスP180#1〜P180#nを印加する。この勾配パルスと反転パルスとの組合せによって、各スライスS1〜Sn内の組織の縦磁化が反転する。
次に、反転期間A1〜Anに励起される領域について説明する。
図4は、各反転期間A1〜Anに励起される領域を示す図である。
反転期間A1では、勾配パルスG#1と反転パルスP180#1(図3(b)参照)によって、励起領域R1(斜線で示された領域)が励起される。励起領域R1はスライスS1の全体に重なるように選択されている。したがって、反転期間A1の間に、スライスS1の全領域において縦磁化が反転する。
他の反転期間A2、A3、・・・Anも、反転期間A1と同様である。反転期間A2、A3、・・・Anでは、それぞれ、励起領域R2、R3、・・・Rnが励起される。
ただし、励起領域R1〜Rnの励起幅Wrは、スライスS1〜Snのスライス幅Wsよりも大きくなるように設定されている。第1の実施形態では、各励起領域R1〜Rnは、各スライスS1〜Snに重なるだけでなく、隣りのスライスの一部にも重なっている。例えば、励起領域R1は、スライスS1に重なるだけでなく、隣りのスライスS2の一部にも重なっており、励起領域R2は、スライスS2に重なるだけでなく、左隣のスライスS1の一部と、右隣のスライスS3の一部にも重なっている。しかし、図5に示すように、各励起領域R1〜Rnが、各スライスS1〜Snにのみ重なり、隣りのスライスに重ならないようにすることも考えられる。
図5は、各励起領域R1〜Rnが、各スライスS1〜Snにのみ重なっている様子を示す図である。
図5では、各励起領域R1〜Rnの励起幅Wrが、各スライスS1〜Snのスライス幅Wsと同じであるので、各励起領域R1〜Rnは、各スライスS1〜Snにのみ重なっている。各スライスS1〜Sn内の組織の縦磁化を反転させるためには、各励起領域R1〜Rnは、理論上は、図5に示すように、各スライスS1〜Snにのみ重なっていればよい。しかし、図4と図5とを比較した場合、図4のように励起した方が、再構成された画像のコントラストが大きくなることが実験的に分かっている。したがって、コントラストの大きい画像が得られるように、通常、図4に示すように、各励起領域R1〜Rnは、各スライスS1〜Snに重なるだけでなく、隣りのスライスの一部にも重なるように設定される。
尚、図3(b)に示すように、反転期間A1の前には、第1のダミー反転期間X1が設けられており、反転期間Anの後には第2のダミー反転期間X2が設けられている。ダミー反転期間X1およびX2を設けている理由については、後述する。
また、パルスシーケンス50は、データ収集実行期間Dも有している。
データ収集実行期間Dは、データ収集期間D1〜Dnを有している。データ収集期間D1〜Dnは、それぞれ、スライスS1〜Snからデータを収集するための期間である。データ収集期間D1には、データを収集するために使用されるデータ収集用パルスシーケンスの一例が示されている。図3に示されているデータ収集用パルスシーケンス51は、既知のシーケンスであるので、詳しい説明は省略する。他のデータ収集期間D2〜Dnでも、データ収集用パルスシーケンス51が実行される。
図3(c)には、パルスシーケンス50が実行された場合の、スライスS1内の脳脊髄液CSF、灰白質GM、および白質WMの縦磁化回復曲線が示されている。
曲線C_CSF、C_GM、およびC_WMは、それぞれ脳脊髄液CSF、灰白質GM、および白質WMの縦磁化回復曲線である。
反転期間A1に勾配パルスG#1および反転パルスP180#1が印加されることによって、スライスS1内の脳脊髄液CSF、灰白質GM、および白質WMの縦磁化成分Mzが反転する。反転した縦磁化成分Mzは、縦緩和により次第に回復し、ヌルポイントに到達する。しかし、脳脊髄液CSF、灰白質GM、および白質WMは、T1値が異なるので、ヌルポイントに到達する時間が異なる。図6に、脳脊髄液CSF、灰白質GM、および白質WMのT1値の概略値を示す。脳脊髄液CSFのT1値は、灰白質GMおよび白質WMのT1値よりも大きい。したがって、脳脊髄液CSFの縦磁化成分Mzがヌルポイントに到達した時点で、灰白質GMおよび白質WMはヌルポイントよりも十分に大きくなっている。第1の実施形態では、脳脊髄液CSFの縦磁化成分Mzがヌルポイントに到達した時点で、スライスS1からデータを収集する。したがって、灰白質GMおよび白質WMが脳脊髄液CSFよりも強調されたMR画像が得られる。他のスライスS2〜Snにおける縦磁化成分Mzについても同様に説明することができる。したがって、スライスS1〜Snについて、灰白質GMおよび白質WMが脳脊髄液CSFよりも強調されたMR画像が得られる。
尚、上記のように、第1の実施形態では、反転期間A1の前には、第1のダミー反転期間X1が設けられており、反転期間Anの後には第2のダミー反転期間X2が設けられている。ダミー反転期間X1およびX2を設けることによって、スライスS1〜Sn相互間のコントラストのばらつきを低減できるという効果がある。この効果が得られる理由を説明するため、ダミー反転期間X1およびX2を有していないパルスシーケンスを用いた場合どのような問題が生じるかについて考察する。
図7は、ダミー反転期間X1およびX2を有していないパルスシーケンスを示す図である。
図7のパルスシーケンス50’は、ダミー反転期間X1およびX2を有していない点以外は、図3のパルスシーケンス50と同じである。図7パルスシーケンス50’を用いて、データを収集すると、以下のような問題が生じる。
図8は、ダミー反転期間X1およびX2を有していない場合に生じる問題点を説明する図である。図8には、各反転期間A1〜Anに励起される励起領域R1〜Rnが示されており、反転期間Anの下には、励起領域R1〜Rnのどの部分がスライスS1〜Snに重なっているかが示されている。
スライスS1は、反転期間A1の励起領域R1の中央部Z1によって励起されるが、スライスS1の右側縁部は、励起領域R1の中央部Z1だけでなく、次の反転期間A2の励起領域R2の端部Z2’によっても励起される。したがって、スライスS1には、励起領域R1の中央部Z1と励起領域R2の端部Z2’との組合せZ1+Z2’が重なる。
しかし、スライスS2は、スライスS1とは様子が異なる。スライスS2は、反転期間A2の励起領域R2の中央部Z2によって励起され、スライスS2の右側縁部は、励起領域R2の中央部Z2だけでなく、次の反転期間A3の励起領域R3の端部Z3’によっても励起される。しかし、スライスS2の場合、更に、スライスS2の左側縁部が、励起領域R2の中央部Z2だけでなく、前の反転期間A1の励起領域R1の端部Z1”によっても励起される。したがって、スライスS2には、励起領域R1の端部Z1”と励起領域R2の中央部Z2と励起領域R3の端部Z3’との組合せZ1”+Z2+Z3’が重なる。このため、スライスS1とスライスS2とを比較すると、スライスS1には、2つの励起領域の一部(Z1+Z2’)しか重なっていないが、スライスS2は、3つの励起領域の一部(Z1”+Z2+Z3’)が重なっていることがわかる。
スライスS3〜Sn-1は、スライスS2と同様に、3つの励起領域の一部が重なる。例えば、スライスS3には、反転期間A2の励起領域R2の端部Z2”と、反転期間A3の励起領域R3の中央部Z3と、反転期間A4の励起領域R4の端部Z4’とが重なる。つまり、スライスS3には、3つの励起領域の一部(Z2”+Z3+Z4’)が重なる。また、スライスSn-1には、3つの励起領域の一部(Zn-2”+Zn-1+Zn’)が重なる。
最後のスライスSnは、最初のスライスS1と同様に、2つの励起領域の一部しか重なっていない。具体的には、最後のスライスSnには、反転期間An-1の励起領域Rn-1の端部Zn-1”と、反転期間Anの励起領域Rnの中央部Znしか重なっていない。つまり、最後のスライスSnには、2つの励起領域の一部(Zn-1”+Zn)しか重なっていない。
上記のように、スライスS2〜Sn-1には、3つの励起領域の一部が重なっているが、左端のスライスS1と右端のスライスSnには、2つの励起領域の一部しか重なっていない。この結果、左端のスライスS1および右端のスライスSnの画像と、スライスS2〜Sn-1の画像との間に、コントラストの差が現れる。したがって、スライスS1〜Sn全体のコントラストを均一にすることができないという問題がある。
そこで、第1の実施形態では、スライス間に現れるコントランスの差を小さくするために、プリパレーション実行期間Aに、2つのダミー反転期間X1およびX2を設けている。2つのダミー反転期間X1およびX2(図3(b)参照)を設けることによって、スライスS1およびSnの画像のコントラストを、スライスS2〜Sn-1の画像のコントラストに近づけることができる。以下に、この理由について説明する。
図9は、第1の実施形態において、スライスS1およびSnの画像のコントラストをスライスS2〜Sn-1の画像のコントラストに近づけることができる理由を説明する図である。
第1の実施形態では、反転期間A1の前に、第1のダミー反転期間X1が設けられている。第1のダミー反転期間X1には、ダミー勾配パルスGdum1とダミー反転パルスP180d1(図3(b)参照)によって、ダミー励起領域Rd1(斜線で示された範囲)が励起される。ダミー励起領域Rd1の端部Zd1は、スライスS1の左側縁部に重なるように設定されている。ダミー励起領域Rd1の幅Wd1は、励起領域R1〜Rnの励起幅Wrと同じである。第1のダミー反転期間X1の後には、図8を参照しながら説明したように、反転期間A1〜Anが実行される。
反転期間Anの後には、第2のダミー反転期間X2が設けられている。第2のダミー反転期間X2には、ダミー勾配パルスGdum2とダミー反転パルスP180d2(図3(b)参照)によって、ダミー励起領域Rd2(斜線で示された範囲)が励起される。ダミー励起領域Rd2の端部Zd2は、スライスSnの右側縁部に重なるように設定されている。ダミー励起領域Rd2の幅Wd2は、励起領域R1〜Rnの励起幅Wrと同じである。
第1の実施形態では、反転期間A1の前に、ダミー励起領域Rd1の端部Zd1によって、スライスS1の左側縁部が励起される。したがって、スライスS1には、3つの励起領域の一部Zd1+Z1+Z2’が重なる。また、反転期間Anの後に、ダミー励起領域Rd2の端部Zd2によって、スライスSnの右側縁部が励起される。したがって、スライスSnには、3つの励起領域の一部Zn-1”+Zn+Zd2が重なる。
上記のように、第1の実施形態では、ダミー励起領域Rd1およびRd2によって、左端のスライスS1および右端のスライスSnも、スライスS2〜スライスSn-1と同様に、3つの励起領域の一部が重なる。したがって、どのスライスであっても、磁化の励起角度は、3つの励起領域の影響を受けることになるので、スライスS1およびSnの画像のコントラストを、スライスS2〜Sn-1の画像のコントラストに近づけることができる。
尚、ダミー励起領域Rd1の端部Zd1の幅と、励起領域R1〜Rnの端部Z1”〜Zn-1”の幅は、同じ値であることが好ましい。端部Zd1の幅と端部Z1”〜Zn-1”の幅を同じ値にすることによって、スライスS1およびSnの画像のコントラストを、スライスS2〜Sn-1の画像のコントラストに更に近づけることができる。ただし、ダミー励起領域Rd1の端部Zd1の幅と、励起領域R1〜Rnの端部Z1”〜Zn-1”の幅は、互いに異なる値であってもよい。端部Zd1の幅と端部Z1”〜Zn-1”の幅が異なる値であっても、ダミー励起領域Rd1およびRd2を設けることによって、スライスS1およびSnの画像のコントラストを、スライスS2〜Sn-1の画像のコントラストに近づけることができる。
同様の観点から、ダミー励起領域Rd2の端部Zd2の幅と、励起領域R1〜Rnの端部Z2’〜Zn’の幅も、同じ値であることが好ましいが、端部Zd2の幅と端部Z2’〜Zn’の幅は、互いに異なる値であってもよい。
次に、上記のパルスシーケンス50を実行することが可能な制御装置20(図1参照)の構成の一例を説明する。
図10は、上記のパルスシーケンス50を実行することが可能な制御装置20の機能ブロックの一例を示す図である。
制御装置20は、スライス決定手段21〜コイル制御手段27を有している。
スライス決定手段21は、操作者50の操作に応じて、スライスS1〜Sn(図2参照)を決定する。
励起領域決定手段22は、プリパレーション実行期間Aの反転期間A1〜An(図3(b)参照)にスライスS1〜Snを励起するときの励起領域R1〜Rn(図9参照)を決定する。
第1のダミー励起領域決定部23は、スライス決定手段21が決定したスライスS1〜Snに基づいて、プリパレーション実行期間Aのダミー反転期間X1(図3(b)参照)に励起される第1のダミー励起領域Rd1(図9参照)を決定する。
第2のダミー励起領域決定部24は、スライス決定手段21が決定したスライスS1〜Snに基づいて、プリパレーション実行期間Aのダミー反転期間X2(図3(b)参照)に励起される第2のダミー励起領域Rd2(図9参照)を決定する。
励起順序決定手段25は、スライス決定手段21が決定したスライスS1〜Snの励起順序を決定する。
ダミーパルス印加順序決定手段26は、励起順序決定手段25が決定したスライスS1〜Snの励起順序に対して、ダミー反転パルスP180d1およびP180d2の印加順序と、ダミー勾配パルスGdum1およびGdum2の印加順序とを決定する。
コイル制御手段27は、励起領域決定手段22〜ダミーパルス印加順序決定手段26の決定内容に従って、送信コイル4および勾配コイル5を制御する。
次に、図10に示す構成の制御装置20を有するMRIシステム1が、図3に示すパルスシーケンス50に従って各スライスS1〜Snからデータ収集する時の処理フローについて説明する。
図11は、MRIシステム1の処理フローの一例を示す図である。
ステップS11では、スライス決定手段21(図10参照)が、操作者50によってスライスS1〜Sn(図2参照)を決定するために必要なスライス決定用パラメータ(スライス位置、スライス幅Ws(図9参照)、およびスペーシングSG1〜SGnの値(図2参照)など)が入力されたか否かを判断する。操作者50は、操作装置40のキーボードおよび/又はマウスを使って、スライス決定用パラメータを入力する。ステップS11において、スライス決定用パラメータが入力されたと判断されると、ステップS12に進む。
ステップS12では、スライス決定手段21(図10参照)が、操作者50が入力したスライス決定用パラメータに応じて、n枚のスライスS1〜Snを決定する。n枚のスライスS1〜Snが決定されたら、ステップS13に進む。
ステップS13では、励起順序決定手段25(図10参照)が、複数のスライスS1〜Snのスライスの励起順序を決定する。第1の実施形態では、図9に示すように、スライスS1〜Snを、S1、S2、・・・Snのシーケンシャルの順で励起すると決定する。スライスS1〜Snの励起順序を決定した後、ステップS14に進む。
ステップS14では、励起領域決定手段22(図10参照)が、プリパレーション実行期間Aの反転期間A1〜AnにスライスS1〜Snを励起するときの励起領域R1〜Rnを決定する(図9参照)。第1の実施形態では、図9に示すように、励起領域R1は、左端のスライスS1の全体に重なるとともに、右隣のスライスS2の左側縁部に重なるように決定されている。また、励起領域Rnは、右端のスライスSnの全体に重なるとともに、左隣のスライスSn-1の右側縁部に重なるように決定されている。更に、励起領域Rp(2≦p≦n−1)は、p番目のスライスSpの全体に重なるとともに、右隣のスライスSp+1の左側縁部と左隣のスライスSp-1の右側縁部に重なるように、決定されている。励起領域R1〜Rnが決定された後、ステップS15に進む。
ステップS15では、第1のダミー励起領域決定部23(図10参照)が、プリパレーション実行期間Aのダミー反転期間X1におけるダミー励起領域Rd1(図9参照)を決定する。また、第2のダミー励起領域決定部24(図10参照)が、プリパレーション実行期間Aのダミー反転期間X2におけるダミー励起領域Rd2(図9参照)を決定する。第1の実施形態では、図9に示すように、ダミー励起領域Rd1の端部Zd1は、左端のスライスS1の左側縁部に重なるように決定され、ダミー励起領域Rd2の端部Zd2は、右端のスライスSnの右側縁部に重なるように決定されている。ダミー励起領域Rd1およびRd2が決定された後、ステップS16に進む。
ステップS16では、ダミーパルス印加順序決定手段26(図10参照)が、励起順序決定手段25が決定した複数のスライスS1〜Snの励起順序に対して、ダミー反転パルスP180d1およびP180d2の印加順序と、ダミー勾配パルスGdum1およびGdum2の印加順序とを決定する。第1の実施形態では、図3に示すように、反転期間A1〜Anの前後に印加されるように決定されている。ダミーパルスの印加順序を決定した後、ステップS17に進む。
ステップS17では、コイル制御手段25(図10参照)が、パルスシーケンス50(図3参照)が繰り返し実行されるように、送信コイル4および勾配コイル5(図1参照)を制御する。パルスシーケンス50を繰り返し実行し、画像再構成に必要な全データが収集されたら、フローを終了する。
上記のように、第1の実施形態では、ダミー励起領域Rd1およびRd2によって、左端のスライスS1および右端のスライスSnも、スライスS2〜スライスSn-1と同様に、3つの励起領域の一部が重なる。したがって、どのスライスであっても、磁化の励起角度は、3つの励起領域の影響を受けることになるので、スライスS1およびSnの画像のコントラストを、スライスS2〜Sn-1の画像のコントラストに近づけることができる。
尚、第1の実施形態では、励起領域R1〜Rnは隣のスライスの一部に重なるように設定されているが、励起領域R1〜Rnは隣のスライスの全体に重なるように設定されていてもよい。この場合、ダミー励起領域Rd1およびRd2は、それぞれ左端のスライスS1および右端のスライスSnの全体に重なるように設定することが望ましい。ダミー励起領域Rd1およびRd2が、それぞれ左端のスライスS1および右端のスライスSnの全体に重なることによって、スライスS1およびSnの画像のコントラストを、スライスS2〜Sn-1の画像のコントラストに近づけることができる。
(2)第2の実施形態
第1の実施形態では、全てのスライスS1〜Snの縦磁化を反転させた後に、データ収集を行っているが、第2の実施形態では、スライスの縦磁化を反転させた後、次のスライスの縦磁化を反転させる前に、データの収集を行う場合について説明する。
第2の実施形態の説明に当たっては、主に第1の実施形態との相違点を説明する。第2の実施形態では、説明の便宜上、3枚のスライスS1〜S3からデータを収集する場合について説明する。
図12は、第2の実施形態において、スライスS1〜S3からデータを収集するために実行されるパルスシーケンス60の概略を説明する図である。
パルスシーケンス60は、後述する図13を参照しながら説明するように、スライスS1〜S3を、スライスS1、S3、およびS2のインターレースの順序で励起するためのシーケンスである。
パルスシーケンス60は、繰返し時間TR1、TR2、・・・TRxごとに実行される。図12では、繰返し時間TR1およびTR2のパルスシーケンス60が示されているが、他の繰返し時間におけるパルスシーケンス60も、繰返し時間TR1およびTR2のパルスシーケンス60と同じである。パルスシーケンス60は、3つの反転期間A1、A2、およびA3を有している。反転期間A1、A2、およびA3は、それぞれスライスS1、S2、およびS3内の組織の縦磁化成分を反転させるための期間である。また、パルスシーケンス60は、3つのデータ収集期間D1、D2、およびD3を有している。データ収集期間D1、D2、およびD3は、それぞれスライスS1、S2、およびS3からデータを収集するための期間である。データ収集期間D1、D2、およびD3は、それぞれ反転期間A1、A2、およびA3の直後に設けられている。データ収集期間D1〜D3に実行されるパルスシーケンスは、図3に示すデータ収集用パルスシーケンス51と同じである。
また、パルスシーケンス60は、第1のダミー反転期間X1および第1の待ち期間W1と、第2のダミー反転期間X2および第2の待ち期間W2とを有している。第1のダミー反転期間X1および第1の待ち期間W1は、データ収集期間D3と反転期間A2との間に設けられており、第2のダミー反転期間X2および第2の待ち期間W2は、データ収集期間D2の後に設けられている。
反転期間A1〜A3の長さは、互いに同じ長さ(Ti)である。データ収集期間D1〜D3の長さも互いに同じ長さ(Td)である。また、ダミー反転期間X1およびX2の長さは、反転期間A1〜A3と同じ長さ(Ti)であり、待ち期間W1およびW2の長さは、データ収集期間D1〜D3と同じ長さ(Td)である。
ダミー反転期間X1およびX2の他に、待ち期間W1およびW2を設けている理由については、後述する。
図13は、パルスシーケンス60の各期間についての説明図である。
反転期間A1に、励起領域R1(斜線で示された範囲)が励起される。励起領域R1は、中央部Z1がスライスS1の全体に重なるとともに、端部Z1”がスライスS2の一部に重なるように選択されている。反転期間A1の後、データ収集期間D1に、スライスS1からデータが収集される。データ収集期間D1の後、反転期間A3が開始される。
反転期間A3には、励起領域R3(斜線で示された範囲)が励起される。励起領域R3は、中央部Z3がスライスS3の全体に重なるとともに、端部Z3’がスライスS2の一部に重なるように選択されている。反転期間A3の後、データ収集期間D3に、スライスS3からデータが収集される。データ収集期間D3の後、第1のダミー反転期間X1が開始される。
第1のダミー反転期間X1には、ダミー励起領域Rd1(斜線で示された範囲)が励起される。ダミー励起領域Rd1の端部Zd1は、スライスS1の一部に重なるように設定されている。第1のダミー反転期間X1の後、待ち期間W1だけ待ってから、反転期間A2が開始される。
反転期間A2には、励起領域R2(斜線で示された範囲)が励起される。励起領域R2は、中央部Z2がスライスS2の全体に重なり、端部Z2’がスライスS1の一部に重なり、反対側の端部Z2”がスライスS3の一部に重なるように設定されている。反転期間A2の後、データ収集期間D2に、スライスS2からデータが収集される。データ収集期間D2の後、第2のダミー反転期間X2が開始される。
第2のダミー反転期間X2には、ダミー励起領域Rd2(斜線で示された範囲)が励起される。ダミー励起領域Rd2の端部Zd2は、スライスS3の一部に重なるように選択されている。第2のダミー反転期間X2の後、待ち期間W2だけ待ち、パルスシーケンス60が終了する。パルスシーケンス60が終了したら、次の繰返し時間TR3において、再度パルスシーケンス60が実行される。
繰返し時間TR1を参照すると、スライスS2は、データ収集期間D2にデータが収集されるまでに、励起領域R1の端部Z1”(反転期間A1)、励起領域R3の端部Z3’(反転期間A3)、および励起領域R2の中央部Z2(反転期間A2)の組合せZ1”+Z3’+Z2によって励起される。しかし、スライスS1は、データ収集期間D1にデータが収集されるまでに、励起領域R1の中央部Z1(反転期間A1)のみによって励起され、スライスS3は、データ収集期間D3にデータが収集されるまでに、励起領域R3の中央部Z3(反転期間A3)のみによって励起される。したがって、ダミー反転期間X1およびX2を設けても、スライスS1〜S3のコントラストを実質的に均一にすることができないようにも思える。しかし、ダミー反転期間X1およびX2を設けることにより、やはり、スライスS1〜S3全体のコントラストを実質的に均一にすることができる。以下に、この理由について説明する。
繰返し時間TR1の後、次の繰返し時間TR2でも、前の繰返し時間TR1と同様のやり方で、スライスS1〜S3からデータが収集される。繰返し時間TR2内だけで考えると、スライスS1は、データ収集期間D1にデータが収集されるまでに、励起領域R1の中央部Z1(反転期間A1)のみによって励起される。しかし、前の繰返し時間TR1において、スライスS1の一部は、ダミー励起領域Rd1の端部Zd1(ダミー反転期間X1)と、励起領域R2の端部Z2’(反転期間A2)によって励起されている。したがって、2つの繰返し時間TR1およびTR2の全体で考えると、繰返し時間TR1においてスライスS1からデータが収集された後(データ収集期間D1)、繰返し時間TR2のデータ収集期間D1にスライスS1からデータが収集されるまでに、スライスS1は、3つの励起領域の一部Zd1+Z2’+Z1によって励起される。このため、繰返し時間TR2におけるスライスS1のコントラストを、前の繰返し時間TR1におけるスライスS2のコントラストに近づけることができる。
また、繰返し時間TR2におけるスライスS3についても、スライスS1と同様に考えることができる。前の繰返し時間TR1において、スライスS3の一部は、励起領域R2の端部Z2”(反転期間A2)と、ダミー励起領域Rd2の端部Zd2(ダミー反転期間X2)とによって励起されている。したがって、2つの繰返し時間TR1およびTR2の全体で考えると、繰返し時間TR1においてスライスS3からデータが収集された後(データ収集期間D3)、繰返し時間TR2のデータ収集期間D3にスライスS3からデータが収集されるまでに、スライスS3は、3つの励起領域の一部Z2”+Zd2+Z3によって励起される。このため、繰返し時間TR2におけるスライスS3のコントラストを、前の繰返し時間TR1におけるスライスS2のコントラストに近づけることができる。
したがって、繰返し時間TR1〜TRxに渡ってデータを収集すると、スライスS1〜S3のコントラスト差を十分に小さくすることができる。
また、図12のパルスシーケンス60には、2つの待ち期間W1およびW2が設けられている。2つの待ち期間W1およびW2を設けることにより、スライスS1〜S3のコントラストの差を更に小さくすることができる。この理由について説明するため、以下に、待ち期間W1およびW2が無い場合にスライスS1〜S3からどのようにしてデータを収集するかについて、図14を参照しながら説明する。
図14は、待ち期間W1およびW2が無い場合のパルスシーケンスの各期間の説明図である。
スライスS2は、データ収集期間D2にデータが収集されるまでに、励起領域R1の端部Z1”(反転期間A1)、励起領域R3の端部Z3’(反転期間A3)、および励起領域R2の中央部Z2(反転期間A2)の組合せZ1”+Z3’+Z2によって励起される。図14では、スライスS2の一部が励起領域R1の端部Z1”で励起されてから、スライスS2のデータを収集し始めるまでの時間間隔T21は、2Td+3Tiである。また、スライスS2の一部が励起領域R3の端部Z3’で励起されてから、スライスS2のデータを収集し始めるまでの時間間隔T23は、Td+2Tiである。
これに対し、スライスS1の場合、スライスS1の一部がダミー励起領域Rd1の端部Zd1で励起されてから、データ収集が開始されるまでの時間間隔T1dは、Td+3Tiである。また、スライスS1の一部が励起領域R2の端部Z2’で励起されてから、データ収集が開始されるまでの時間間隔T12は、Td+2Tiである。
更に、スライスS3の場合、スライスS3の一部が励起領域R2の端部Z2”で励起されてからデータ収集されるまでの時間間隔T32は、2Td+3Tiである。また、スライスS3の一部がダミー励起領域Rd2の端部Zd2により励起されてからデータ収集されるまでの時間間隔T3dは、Td+2Tiである。
したがって、スライスS1の時間間隔T12、スライスS2の時間間隔T23、およびスライスS3の時間間隔T3dを比較すると、互いに同じ値である。しかし、スライスS1の時間間隔T1d、スライスS2の時間間隔T21、およびスライスS3の時間間隔T32を比較すると、スライスS1の時間間隔T1dが、スライスS2の時間間隔T21およびスライスS3の時間間隔T32と異なっている。スライスS1〜S3のコントラストの差を小さくするには、T12=T23=T3dであり、且つT1d=T21=T32であることが好ましい。しかし、図14では、T12=T23=T3dであるものの、T1dはT21およびT32とは異なる値になっている。そこで、上記のパルスシーケンス60では、T12=T23=T3d、且つT1d=T21=T32になるように、2つの待ち期間W1およびW2を設けている(図13参照)。2つの待ち期間W1およびW2の時間的な長さはTdであるので、図13に示すように、T12=T23=T3d(=2Td+2Ti)となり、T1d=T21=T32(=3Td+3Ti)となる。したがって、スライスS1〜S3のコントラストの差を更に小さくすることができる。
尚、上記のパルスシーケンス60は、3枚のスライスS1〜S3を励起するシーケンスであるが、上記のシーケンス60を、3枚より多い奇数枚のスライスを励起する場合にも拡張することができる。3枚より多い奇数枚のスライスを励起する場合は、奇数番号のスライスS1、S3、S5、・・・を励起した後、ダミー反転期間X1および待ち期間W1を設け、その後に、偶数番号のスライスS2、S4、・・・を励起し、最後に、ダミー反転期間X2および待ち期間W2を設ければよい。このように、ダミー反転期間X1および待ち期間W1と、ダミー反転期間X2および待ち期間W2とを設けることによって、やはり、コントランスとの差を小さくすることができる。
また、上記のパルスシーケンス60は、スライスS1〜S3を励起する場合、先に奇数番号のスライスS1およびS3から励起し、その後、偶数番号のスライスS2を励起している。しかし、先に偶数番号のスライスS2から励起し、その後、奇数番号のスライスS1およびS3を励起することもできる。偶数番号のスライスS2から先に励起する場合、以下のようなパルスシーケンスを使用することができる。
図15は、スライスS1〜S3を、スライスS2、S1、およびS3の順で励起する場合のパルスシーケンスの一例である。図15のパルスシーケンス70の説明に当たっては、図15のパルスシーケンス60との相違点を主に説明する。
パルスシーケンス70は、パルスシーケンス60における反転期間A1、データ収集期間D1、反転期間A3、およびデータ収集期間D3が、待ち期間W2の直後に続く点以外は、パルスシーケンス60と同じである。
図16は、パルスシーケンス70の各期間の説明図である。
パルスシーケンス70は、反転期間A1、データ収集期間D1、反転期間A3、およびデータ収集期間D3の順番以外は、パルスシーケンス60と同じである。したがって、パルスシーケンス70を用いた場合でも、T12=T23=T3d(=2Td+2Ti)、且つT1d=T21=T32(=3Td+3Ti)とすることができ、やはり、スライスS1〜S3のコントラスとの差を更に小さくすることができる。
尚、上記のパルスシーケンス70は、3枚のスライスS1〜S3を励起するシーケンスであるが、上記のシーケンス70を、3枚より多い奇数枚のスライスを励起する場合にも拡張することができる。3枚より多い奇数枚のスライスを励起する場合は、ダミー反転期間X1および待ち期間W1を設けた後、偶数番号のスライスS2、S4、S6、・・・を励起し、その後、ダミー反転期間X2および待ち期間W2を設け、最後に、奇数番号のスライスS1、S3、・・・を励起すればよい。このように、ダミー反転期間X1および待ち期間W1と、ダミー反転期間X2および待ち期間W2とを設けることによって、やはり、コントランスとの差を小さくすることができる。
上記のパルスシーケンス60および70は、奇数枚のスライスを励起する場合についてのシーケンスであるが、次に、偶数枚のスライスを励起する場合のシーケンスについて説明する。
図17は、4枚のスライスからデータを収集する場合のパルスシーケンスの一例を示す図、図18は、パルスシーケンス80の各期間についての説明図である。
パルスシーケンス80は、スライスS1、S3、S2、およびS4の順に励起する。データ収集期間D3と反転期間A2との間には、2つのダミー反転期間X2およびX1と、1つの待ち期間W1とが設けられている。また、データ収集期間D4の後には、待ち期間W2が設けられている。
図17のパルスシーケンス80では、待ち期間W1の長さはTdであるが、一方、待ち期間W2の長さはTiである。このように待ち期間の長さが異なるようにすることによって、T1d=T21=T32=T43(=3Td+4Ti)、T12=T22=T34=T4d(=2Td+3Ti)とすることができ、やはり、スライスS1〜S4のコントラスとの差をより小さくすることができる。
尚、上記のパルスシーケンス80は、4枚のスライスS1〜S3を励起するシーケンスであるが、上記のシーケンス80を、4枚より多い偶数枚のスライスを励起する場合にも拡張することができる。4枚より多い偶数枚のスライスを励起する場合は、奇数番号のスライスS1、S3、・・・を励起した後、ダミー反転期間X2およびX1並びに待ち期間W1を設け、その後、偶数番号のスライスS2、S4、S6、・・・を励起し、最後に待ち期間W2を設ければよい。このように、ダミー反転期間X2およびX1、待ち期間W1、待ち期間W2を設けることによって、やはり、コントランスとの差を小さくすることができる。
また、上記のパルスシーケンス80は、奇数番号のスライスを励起した後、偶数番号のスライスを励起しているが、最初に偶数番号のスライスを励起し、その後、奇数番号のスライスを励起してもよい。この場合は、ダミー反転期間X2およびX1並びに待ち期間W1を設けた後、偶数番号のスライスを励起し、その後、待ち期間W2を設け、最後に、奇数番号のスライスを励起すればよい。このように、ダミー反転期間X2およびX1、待ち期間W1、待ち期間W2を設けることによって、やはり、コントランスとの差を小さくすることができる。
図19は、第2の実施形態における制御装置20(図1参照)の機能ブロックを示す図である。
第2の実施形態では、第1の実施形態における制御装置20が有するスライス決定手段21〜コイル制御手段27に加えて、待ち期間決定手段28を備えている。待ち期間決定手段28は、励起順序決定手段25とダミーパルス印加順序決定手段26の決定に従って、パルスシーケンスのどこに待ち期間を設けるかを決定する。
次に、MRIシステム1が図19に示す制御装置20を備えている場合に、どのような順序で各スライスからデータを収集するかについて説明する。
図20は、第2の実施形態における処理フローを示す図である。
第2の実施形態におけるステップS11〜S16は、第1の実施形態におけるステップS11〜S16と基本的に同じである。ステップS13では、例えば、図12のパルスシーケンス60が実行される場合、励起順序は、スライスS1、S3、S2の順に決定される。図15のパルスシーケンス70が実行される場合、励起順序は、スライスS2、S1、S3の順に決定される。また、図17のパルスシーケンス80が実行される場合、励起順序は、スライスS1、S3、S2、S4の順に決定される。その後、ステップS14〜S16が実行される。ステップS16では、ダミーパルスの印加順序が決定される。例えば、図12のパルスシーケンス60が実行される場合、データ収集期間D3の後と、データ収集期間D2の後に、ダミーパルスが印加されるように決定される(ダミー反転期間X1およびX2)。図15のパルスシーケンス70が実行される場合、シーケンスの一番最初と、データ収集期間D2の後に、ダミーパルスが印加されるように決定される(ダミー反転期間X1およびX2)。また、図17のパルスシーケンス80が実行される場合、データ収集期間D3の後に、ダミーパルスが印加されるように決定される(ダミー反転期間X2およびX1)。ステップS16の後、ステップS21に進む。
ステップS21では、待ち期間決定手段28(図19参照)が、パルスシーケンスのどこに待ち期間を設けるかを決定する。待ち期間は、例えば、図12に示すパルスシーケンス60が実行される場合は、T12=T23=T3d、且つT1d=T21=T32(図13参照)となるように、待ち期間W1およびW2を決定する。また、図15に示すパルスシーケンス70が実行される場合も、T12=T23=T3d、且つT1d=T21=T32(図16参照)となるように、待ち期間W1およびW2を決定する。更に、図17に示すパルスシーケンス80が実行される場合は、T1d=T21=T32=T43、且つT12=T22=T34=T4d(図18参照)となるように、待ち期間W1およびW2を決定する。その後、ステップS17に進み、パルスシーケンスが実行される。
第2の実施形態でも、第1の実施形態と同様に、ダミー励起領域Rd1およびRd2が設定される。したがって、どのスライスであっても、磁化の励起角度は、3つの励起領域の影響を受けることになるので、スライス全体のコントラストを均一に近づけることができる。
また、第2の実施形態では、待ち期間W1およびW2を設けることによって、どのスライスであっても、T12=T23=T3d、且つT1d=T21=T32(図13参照)となり、T1d=T21=T32=T43、且つT12=T22=T34=T4d(図18参照)となる。したがって、スライス間のコントラストの差を更に小さくすることができる。だたし、スライス間のコントラストの差を十分に小さくできるのであれば、必ずしも待ち期間W1およびW2を設ける必要はない。
第1の実施形態では、複数のスライスをシーケンシャルに励起しており、第2の実施形態では、複数のスライスをインターレースで励起している。しかし、本発明は、複数のスライスを、シーケンシャルやインターレース以外の別の順番で励起する場合にも適用することができる。複数のスライスを、シーケンシャルやインターレース以外の別の順番で励起する場合でも、ダミー励起領域を設けることによって、コントラストの差を十分に小さくすることができる。
第1および第2の実施形態では、データ収集期間の前に印加されるプリパレーションパルスの例として、反転パルスが示されている。しかし、本発明では、プリパレーションパルスは、反転パルスに限られることはなく、反転パルス以外のα°パルスであってもよい。プリパレーションパルスが反転パルス以外のα°パルスであっても、本発明を用いることにより、スライス間のコントラストの差を低減することができる。
第1および第2の実施形態では、被検体7の頭部7aを撮影しているが、本発明は、頭部7a以外の別の部位でも適用することができる。
本発明の第1の実施形態のMRIシステム1を示す図である。 被検体7の頭部7aを撮影するときのスライスの一例を示す図である。 スライスS1〜Snからデータを収集するために実行されるパルスシーケンスの一例である。 各反転期間A1〜Anに励起される領域を示す図である。 各励起領域R1〜Rnが、各スライスS1〜Snにのみ重なっている様子を示す図である。 脳脊髄液CSF、灰白質GM、および白質WMのT1値の概略値を示す図である。 ダミー反転期間X1およびX2を有していないパルスシーケンスを示す図である。 ダミー反転期間X1およびX2を有していない場合に生じる問題点を説明する図である。 第1の実施形態において、スライスS1およびSnの画像のコントラストをスライスS2〜Sn-1の画像のコントラストに近づけることができる理由を説明する図である。 上記のパルスシーケンス50を実行することが可能な制御装置20の機能ブロックの一例を示す図である。 MRIシステム1の処理フローの一例を示す図である。 第2の実施形態において、スライスS1〜S3からデータを収集するために実行されるパルスシーケンス60の概略を説明する図である。 パルスシーケンス60の各期間についての説明図である。 待ち期間W1およびW2が無い場合のパルスシーケンスの各期間の説明図である。 スライスS1〜S3を、スライスS2、S1、およびS3の順で励起する場合のパルスシーケンスの一例である。 パルスシーケンス70の各期間の説明図である。 4枚のスライスからデータを収集する場合のパルスシーケンスの一例を示す図である。 パルスシーケンス80の各期間についての説明図である。 第2の実施形態における制御装置20(図1参照)の機能ブロックを示す図である。 第2の実施形態における処理フローを示す図である。
符号の説明
1 MRIシステム
2 ガントリ
3 テーブル
4 送信コイル
5 勾配コイル
6 受信コイル
7 被検体
7a 頭部
20 制御装置
21 スライス決定手段
22 励起領域決定手段
23 第1のダミー励起領域決定部
24 第2のダミー励起領域決定部
25 励起順序決定手段
26 ダミーパルス印加順序決定手段
27 コイル制御手段
28 待ち期間決定手段
40 操作装置
50 操作者

Claims (9)

  1. RFパルスと勾配パルスによって複数のスライスの各々を励起るMRIシステムであって、
    送信コイルと、
    勾配コイルと、
    前記送信コイルが前記RFパルスを印加し、前記勾配コイルが前記勾配パルスを印加するように、前記送信コイルおよび前記勾配コイルを制御するコイル制御手段と、
    前記複数のスライスの各々を励起するときの励起幅がスライス幅よりも大きくなるように、スライスの励起領域を決定する励起領域決定手段であって、前記複数のスライスのうちの任意のスライスの右隣にスライスが存在する場合、前記任意のスライスの右隣のスライスの励起領域が、前記任意のスライスの少なくとも一部に重なり、前記任意のスライスの左隣にスライスが存在する場合、前記任意のスライスの左隣のスライスの励起領域が、前記任意のスライスの少なくとも一部に重なるように、スライスの励起領域を決定する励起領域決定手段と、
    前記複数のスライスのうちの左端のスライスの少なくとも一部に重なる第1のダミー励起領域と、前記複数のスライスのうちの右端のスライスの少なくとも一部に重なる第2のダミー励起領域とを決定するダミー励起領域決定手段と、
    を有し、
    前記コイル制御手段は、
    前記第1のダミー励起領域を励起するための第1のダミーRFパルスと第1のダミー勾配パルスが印加されるように、前記送信コイルおよび前記勾配コイルを制御し、前記第2のダミー励起領域を励起するための第2のダミーRFパルスと第2のダミー勾配パルスが印加されるように、前記送信コイルおよび前記勾配コイルを制御し、
    前記複数のスライスの励起順序はインターレースである、MRIシステム。
  2. 操作者の操作に応じて、前記複数のスライスを決定するスライス決定手段、
    を有する請求項1に記載のMRIシステム。
  3. 前記第1のダミーRFパルスおよび前記第2のダミーRFパルスの印加順序と、前記第1のダミー勾配パルスおよび前記第2のダミー勾配パルスの印加順序とを決定するダミーパルス印加順序決定手段を有する、請求項1又は2に記載のMRIシステム。
  4. 前記コイル制御手段は、
    前記ダミーパルス印加順序決定手段が決定した印加順序に従って、前記第1のダミーRFパルスと前記第2のダミーRFパルスが印加されるとともに、前記第1のダミー勾配パルスおよび前記第2のダミー勾配パルスが印加されるように、前記送信コイルおよび前記勾配コイルを制御する、請求項に記載のMRIシステム。
  5. 前記第1のダミー励起領域又は前記第2のダミー励起領域を励起してから待ち期間を設けて、前記複数のスライスのうちのいずれかのスライスを励起する、請求項1〜4のうちのいずれか一項に記載のMRIシステム。
  6. 前記待ち期間を決定する待ち期間決定手段を有する、請求項に記載のMRIシステム。
  7. 前記複数のスライスは同じスライス幅を有しており、隣接するスライスとスライスとの間には所定のスペーシングが設けられている、請求項1〜のうちのいずれか一項に記載のMRIシステム。
  8. 前記第1のダミー励起領域の励起幅および前記第2のダミー励起領域の励起幅が、前記複数のスライスの各々励起領域の励起幅と同じである、請求項1〜7のうちのいずれか一項に記載のMRIシステム。
  9. 前記RFパルス、前記第1のダミーRFパルス、および前記第2のダミーRFパルスは、反転パルスである、請求項1〜8のうちのいずれか一項に記載のMRIシステム。
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