JP5418982B2 - 超音波流量計 - Google Patents
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Description
フィルタ手段31は、バンドパスフィルタ、ローパスフィルタ、ハイパスフィルタ等から構成され、トランスデューサ2が出力した電気信号を入力し、測定に使用する周波数帯域の電気信号を抽出する。
AD変換手段32は、フィルタ手段31が出力する電気信号を入力し、アナログデジタル変換してデジタル信号を出力する、
ウォールフィルタ手段33は、AD変換手段32が出力するデジタル信号を入力して、クラッタノイズを低減して出力する。クラッタノイズは定在波とも呼ばれ、超音波パルスが配管5の管壁等の固定物によって反射するノイズ成分のことで、配管5の外側から超音波パルスを入力するクランプオンタイプの超音波流量計で発生しやすい。ウォールフィルタ手段33の出力は、信号処理部3の出力となる。
図示しない表示部は、信号解析部4が出力した流体の流速分布および流量を表示する。
図6において、トリガ発生部1は、定められた時間T1、T2との少なくとも2つのタイミングにおいて、トリガを発生する(ここで、T2=T1+ΔTとする)。超音波出力手段21は、トリガ発生部からのトリガT1とT2に基づいて、それぞれ超音波パルスP1とP2を出力する。
実際には、P1とP2には、トランスデューサ2から出力された超音波パルスが流体中で拡散や反射等を繰り返すことで、測定に使用する周波数帯域外のノイズが重畳している。信号処理部3のフィルタ手段31は、トランスデューサ2から出力される電気信号から、測定に使用する周波数帯域の電気信号を抽出する。
フィルタ手段31によって抽出された電気信号は、AD変換手段32によって、デジタル信号に変換され出力される。さらにウォールフィルタ手段33は、AD変換手段32が出力するデジタル信号からクラッタノイズを低減し出力し、最終的に横軸を時間、縦軸を強度とする時間波形を得る。
このような流体中の粒子の速度を、配管5の断面全体にわたって求めたものが流速分布であり、この流速分布を断面全体にわたって積分したものが流量となる。
図示しない表示部は、必要に応じて信号解析部が出力した流体の流速分布および流量を表示する。
この多重反射波は、その周波数帯域は測定対象となる周波数帯域に含まれ、また固定的な定在波(クラッタノイズ)ではない。したがって従来の超音波流量計が備えるフィルタ手段31やウォールフィルタ手段33では、多重反射波を除去することが難しいという課題があった。
流体が流れる配管に超音波パルスを出力し、前記流体中の粒子によって反射された超音波パルスを入力して電気信号に変換するトランスデューサと、
このトランスデューサが出力する電気信号を入力し、測定に必要な周波数帯域の電気信号を抽出して出力する信号処理部と、
この信号処理部が出力した電気信号から、前記配管の管壁内に生じる多重反射波周波数を算出し、前記多重反射波周波数を含む周波数帯域の一部または全部における電気信号を選択的に取り除いて出力する多重反射波除去部と、
この多重反射波除去部が出力した電気信号に基づき、配管断面における流体の流速分布および流体の流量を解析する信号解析部と、を備えることを特徴とする。
前記多重反射波除去部は、
高速フーリエ変換により前記信号処理部が出力した電気信号の周波数分布を算出するFFT手段と、
このFFT手段が算出した周波数分布に基づいて特定の周波数帯域を選択的に取り除く周波数選択手段と、
この周波数選択手段によって特定の周波数帯域が選択的に取り除かれた周波数分布に対して逆高速フーリエ変換を行う逆FFT手段と、
を有することを特徴とする。
前記多重反射波除去部は、
フーリエ変換により前記信号処理部が出力した電気信号の周波数分布を算出するフーリエ変換手段と、
このフーリエ変換手段が算出した周波数分布に基づいて特定の周波数帯域を選択的に取り除く周波数選択手段と、
この周波数選択手段によって特定の周波数帯域が選択的に取り除かれた周波数分布に対して逆フーリエ変換を行う逆フーリエ変換手段と、
を有することを特徴とする。
前記多重反射波除去部は、無限インパルス応答フィルタまたは有限インパルス応答フィルタによって多重反射波周波数を含む周波数帯域の一部または全部を選択的に取り除いて出力することを特徴とする。
前記トランスデューサは、配管の外側に設置されるクランプオンタイプであることを特徴とする。
前記トランスデューサは、配管と一体に設置されるスプールピースタイプであることを特徴とする。
図1は本発明の一実施例を示した構成図である。ここで、図6と同一のものは、同一符号を付して説明を省略する。
FFT手段61は、信号処理部3から出力された時間波形に対して高速フーリエ変換(FFT)演算を行い、周波数分布を算出する。
周波数選択手段62は、FFT手段61が算出した周波数分布に基づいて特定の周波数帯域を選択的に取り除く。
逆FFT手段63は、周波数選択手段62によって特定の周波数帯域が選択的に取り除かれた周波数分布に対して逆高速フーリエ変換(逆FFT)演算を行い、時間波形を出力する。
図1において、トリガ発生部1は、定められた時間T1とT2との少なくとも2つのタイミングにおいて、トリガを発生する。トランスデューサ2の超音波出力手段21は、トリガ発生部1からのトリガに基づいて、超音波パルスP1とP2をそれぞれT1とT2において出力する。
したがって、正規波S1が粒子に反射しトランスデューサ2へ戻る反射波と、多重反射波S2が別の位置の粒子に反射しトランスデューサ2へ戻る反射波が存在することになり、また正規波S1と多重反射波S2とは、周波数帯域が混在している。
フィルタ部31によって抽出された電気信号は、AD変換器32によって、デジタル信号に変換され出力される。
ウォールフィルタ手段33は、AD変換器が出力するデジタル信号からクラッタノイズを低減した時間波形を出力する。
f=m・V/2d・cosθ
V:配管中音速(金属管では通常は横波音速)
d:配管肉厚
θ:配管内での屈折角
m:整数なら共鳴条件(整数+0.5で非共鳴条件)
そこで周波数選択手段62により、FFT手段61により算出された周波数分布から、共鳴条件を満たすf1、f2、f3、f4の周波数を避けて(例えば図4の実線で表されるf2とf3の中間部分を)周波数帯域を抽出した周波数分布を得る。
多重反射除去部6により、多重反射波の影響が取り除かれているので、配管5の広い断面範囲に渡って、正規波が粒子に反射した波形を主成分とする時間波形が得られることになる。
この流速分布を断面全体にわたって積分したものが流量となる。
図示しない表示部は、必要に応じて信号解析部4が出力した流体の流速分布および流量を表示する。
21 超音波出力手段
22 超音波入力手段
3 信号処理部
4 信号解析部
5 配管
6 多重反射波除去部
61 FFT手段
62 周波数選択手段
63 逆FFT手段
Claims (6)
- 流体が流れる配管に超音波パルスを出力し、前記流体中の粒子によって反射された超音波パルスを入力して電気信号に変換するトランスデューサと、
このトランスデューサが出力する電気信号を入力し、測定に必要な周波数帯域の電気信号を抽出して出力する信号処理部と、
この信号処理部が出力した電気信号から、前記配管の管壁内に生じる多重反射波周波数を算出し、前記多重反射波周波数を含む周波数帯域の一部または全部における電気信号を選択的に取り除いて出力する多重反射波除去部と、
この多重反射波除去部が出力した電気信号に基づき、配管断面における流体の流速分布および流体の流量を解析する信号解析部と、を備えることを特徴とする超音波流量計。 - 前記多重反射波除去部は、
高速フーリエ変換により前記信号処理部が出力した電気信号の周波数分布を算出するFFT手段と、
このFFT手段が算出した周波数分布に基づいて特定の周波数帯域を選択的に取り除く周波数選択手段と、
この周波数選択手段によって特定の周波数帯域が選択的に取り除かれた周波数分布に対して逆高速フーリエ変換を行う逆FFT手段と、
を有することを特徴とする請求項1記載の超音波流量計。 - 前記多重反射波除去部は、
フーリエ変換により前記信号処理部が出力した電気信号の周波数分布を算出するフーリエ変換手段と、
このフーリエ変換手段が算出した周波数分布に基づいて特定の周波数帯域を選択的に取り除く周波数選択手段と、
この周波数選択手段によって特定の周波数帯域が選択的に取り除かれた周波数分布に対して逆フーリエ変換を行う逆フーリエ変換手段と、
を有することを特徴とする請求項1記載の超音波流量計。 - 前記多重反射波除去部は、無限インパルス応答フィルタまたは有限インパルス応答フィルタによって多重反射波周波数を含む周波数帯域の一部または全部を選択的に取り除いて出力することを特徴とする請求項1記載の超音波流量計。
- 前記トランスデューサは、配管の外側に設置されるクランプオンタイプであることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の超音波流量計。
- 前記トランスデューサは、配管と一体に設置されるスプールピースタイプであることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の超音波流量計。
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