JP5418379B2 - 防振装置 - Google Patents
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Description
このような防振装置としては、例えば、複数の防振ゴムによって防振対象物を支持するものや、防振対象物の振動を早く減衰させるための可変減衰装置が用いられている。
そして、防振ゴムには加速度に応じて静的あるいは準静的な荷重が作用することとなり、加速度の大きさや方向が様々に変化するため、防振ゴムの剛性も防振対象物にかかる加速度に応じて様々に変化してしまう。
この結果、防振対象物の共振振動数が想定外に変化してしまい、十分な防振効果が得らない、防振対象物の変位量が大きくなってしまうなどといった弊害が生じる場合がある。
なお、特許文献1に示す可変減衰装置は、防振対象物の振動を減衰させることはできるが、自らの剛性を変化させることはできない。このため、可変減衰装置では、防振対象物の共振振動数を変化させることはできない。
このため、圧電変換部に供給される電力に応じて圧電変換部が伸縮し、これによって超磁歪部が圧電変換部から受ける歪みの大きさが変化する。そして、超磁歪部が受ける歪みが変化することによって当該超磁歪部によって形成される磁界の強さが変化する。この結果、磁性エラストマからなる剛性変化部の剛性が変化する。
つまり、本発明によれば、圧電変換部に供給する電力に応じて剛性変化部の剛性が変化して防振部材自体の剛性が変化する。そして、防振部材の剛性が変化することによって防振対象物の共振振動数を変化させることができる。
つまり、本発明によれば、防振対象物にかかる加速度に応じて、防振対象物の共振振動数を調節することができる。このため、防振対象物を適切に防振することができ、防振対象物が予想外に大きく変位することを防止することができる。
図1は、本実施形態の防振装置S1の概略構成を示す斜視図である。また、図2は、本実施形態の防振装置S1の機能構成を示すブロック図である。
これらの図に示すように、本実施形態の防振装置S1は、防振部材1と、センサ2(加速度センサ)と、供給電力制御部3とを備えている。
より詳細には、剛性変化層4は、晒される磁界の強さが強くなるほど剛性が高くなり、晒される磁界の強さが弱くなるほど剛性が低くなる。
より詳細には、超磁歪層5は、受ける荷重が大きくなって歪み量が大きくなるほど強い磁界を発生し、受ける荷重が小さくなって歪み量が小さくなるほど弱い磁界を発生する。つまり、超磁歪層5は、受ける荷重の大きさの変化方向と同じ方向に発生する磁界の強さを変化するものである。
より詳細には、圧電変換層6は、供給される電力(電圧)が大きくなるほど、大きく変化する。
このため、圧電変換層6に供給される電力に応じて圧電変換層6が伸縮し、これによって超磁歪層5が圧電変換層6から受ける歪みの大きさが変化する。そして、超磁歪層5が受ける歪みが変化することによって当該超磁歪層5によって形成される磁界の強さが変化する。この結果、磁性エラストマからなる剛性変化層4の剛性が変化する。
つまり、以上のような防振部材1によれば、圧電変換層6に供給する電力に応じて剛性変化層4の剛性が変化して防振部材1自体の剛性が変化する。そして、防振部材1の剛性が変化することによって防振対象物Aの共振振動数を変化させることができる。
なお、図2に示すように、センサ2は、供給電力制御部3に対して電気的に接続されており、検出結果として検出信号を出力する。このため、供給電力制御部3には、センサ2の検出信号が入力される。
この供給電力制御部3は、予め、圧電変換層6に印加する電圧値を切り替える閾値である剛性切替値を記憶する記憶部3aを有している。そして、供給電力制御部3は、センサ2から入力される検出信号(入力信号)が示す値から加速度を算出し、この値が記憶部3aに記憶する剛性切替値を超えているかいないかを判定し、この判定結果に基づいて圧電変換層6に印加する電圧値を切り替える。
なお、本実施形態において供給電力制御部3は、加速度が剛性切替値を超えている場合には、防振部材1の剛性が高まるように電圧値を設定し、加速度が剛性切替値を超えていない場合には、防振部材1の剛性が低くなるように電圧値を設定する。
そして、供給電力制御部3は、算出した加速度が剛性切替値を超えている場合には、防振部材1の剛性が高まるように圧電変換層6に印加する電圧値を設定することによって、防振部材1の剛性が高く防振対象物Aの共振振動数が高くなるハードモード(ステップS12)に設定する。
一方、供給電力制御部3は、算出した加速度が剛性切替値を超えていない場合には、防振部材1の剛性が低くなるように圧電変換層6に印加する電圧値を設定することによって、防振部材1の剛性が低く防振対象物Aの共振振動数が低くなるソフトモード(ステップS13)に設定する。
つまり、本実施形態の防振装置S1によれば、防振対象物Aにかかる加速度に応じて、防振対象物Aの共振振動数を調節することができる。このため、防振対象物Aを適切に防振することができ、防振対象物Aが予想外に大きく変位することを防止することができる。
次に、本発明の第2実施形態について説明する。なお、本第2実施形態の説明において、上記第1実施形態と同様の部分については、その説明を省略あるいは簡略化する。
つまり、本実施形態の防振装置S2において供給電力制御部3は、入力される指令信号が示す回転数が剛性切替値を超えているかを判定する(ステップS21)。
これに対して、本実施形態の防振装置S2では、防振部材1の剛性を変化させることによってエンジンの共振振動数を変化させることができるため、エンジンの共振振動数を共振周波数を避けるように調節することによって、エンジンの共振振動数が共振周波数と一致することに起因するエンジンの大きな振動自体を避けることができる。
具体的には、剛性切替値をエンジンの共振振動数が共振周波数に到達するよりも低い値に設定し、回転数が剛性切替値を超えない場合にハードモード(ステップS22)に設定し、超えた場合に共振周波数が剛性切替値の回転数を下回るソフトモード(ステップS13)に設定することでエンジンの大きな振動自体を避けることができる。
ロケットにおいては、その進行工程が予め綿密に計画されているため、精密機器にかかる加速度も予め予測することができる。このため、供給電力制御部3は、経過時間に基づいて精密機器にかかる加速度を実質的に判定することができる。
つまり、防振装置S2において供給電力制御部3は、経過時間が剛性切替値を過ぎているかを判定する(ステップS31)。
このため、経過時間が剛性切替値を超えていない場合には外部からの振動が入り難くソフトモード(ステップS32)に設定し、経過時間が剛性切替値を超えていない場合に精密機器が変位し難いハードモード(ステップS33)に以降することが好ましい。
しかしながら、本発明はこれに限定されるものではなく、剛性変化部、超磁歪部及び圧電変換部の形状やそれぞれの要素の配置は、製造の容易性や配置の容易性を考慮して任意に設定することが可能である。
しかしながら、本発明はこれに限定されるものではなく、剛性変化層4と超磁歪層5と圧電変換層6とが防振対象物Aから固定部Wに向かう方向と直交する方向に配列された構成を採用することも可能である。
Claims (5)
- 防振対象物の振動を抑制する防振装置であって、
磁性エラストマからなる剛性変化部、供給される電力の大きさに応じて伸縮する圧電変換部及び該圧電変換部から受ける歪みの大きさに応じた強さの磁界を形成する超磁歪部を有すると共に前記防振対象物を支持する防振部材と、
前記防振対象物にかかる加速度に応じて前記圧電変換部に供給する電力を制御することで前記防振対象物の共振振動数を調節する供給電力制御部と
を備えることを特徴とする防振装置。 - 前記供給電力制御部は、前記防振対象物の共振周波数が該防振対象物に入力される振動の振動数から外れるように前記防振対象物の共振振動数を調節することを特徴とする請求項1記載の防振装置。
- 前記防振対象物の姿勢を検出するセンサを備え、前記供給電力制御部は、前記センサからの入力信号に基づいて前記防振対象物にかかる加速度を判定することを特徴とする請求項1または2記載の防振装置。
- 前記供給電力制御部は、前記防振対象物に外部から入力される指令信号に基づいて前記防振対象物にかかる加速度を判定することを特徴とする請求項1または2記載の防振装置。
- 前記供給電力制御部は、経過時間に基づいて前記防振対象物にかかる前記加速度を判定することを特徴とする請求項1または2記載の防振装置。
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