JP4396220B2 - 可変減衰装置 - Google Patents

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Description

本発明は、各種構造物や機器に発生する衝撃や運動、振動を減衰させるための減衰装置
のうち、作動媒体である磁性流体の粘度を変化させて減衰力を可変とする可変減衰装置に
関するものである。
各種の構造物や機器に発生する衝撃や運動、振動のエネルギーを熱に変換して消散させ
ることにより、上記各種構造物や機器等の制震対象物の振幅を減衰させる減衰装置(ダン
パー)の一種として、減衰力を変化させることができるようにした可変減衰装置がある。
かかる可変減衰装置の一つとしては、磁性流体(MR流体)を作動媒体とする形式のもの
が知られている。
この種の磁性流体を用いた可変減衰装置は、図10にその一例として両ロッドタイプの
ものの概略を示す如く、以下のような構成としてある。すなわち、両端部の軸心位置にピ
ストンロッド3a,3bを通すための貫通孔2を設けてなる長尺シリンダ型のケーシング
1内に、ピストン4を軸心方向に往復移動可能に収納して、上記ケーシング1内の軸心方
向両端側に上記ピストン4にて仕切られた2つの流体室5a,5bを形成させるようにす
る。又、上記ピストン4の両端面には、それぞれケーシング1の貫通孔2にスライド自在
に貫通させたピストンロッド3a,3bを固定し、上記ピストン4の往復移動に伴い上記
各ピストンロッド3a,3bが、ケーシング1に対して軸心方向に相対変位できるように
する。更に、上記各流体室5aと5bとの間にて作動媒体となる磁性流体6を所要の抵抗
を生じさせながら相互移動できるようにするための通路7を、上記ピストン4の外周面と
ケーシング1の内壁面との間に設けた隙間により形成させるようにし、上記各流体室5a
,5bと通路7に、磁性流体6、たとえば、シリコンオイルのような粘性流体中に微少な
鉄粉のような磁性体粒子を均一に分散させて形成してなる磁性流体6を充填する。更に又
、上記ピストン4は、炭素鋼等の軟磁性材料製のピストンコア8に電磁コイル9を巻き付
けてなる構成としてあり、上記電磁コイル9に、外部の電源10を、一方のピストンロッ
ド3aの内部及び上記ピストンコア8の内部に導いた電線11を介し接続してある。その
ため、上記電磁コイル9に通電させることにより、該電磁コイル9にて磁場を発生させ、
上記ピストン4を電磁石として機能させることができるようにしてある。
かかる構成としてある可変減衰装置を用いる場合は、各種構造物又は機器等の衝撃や運
動、振動の減衰を望む減衰対象物(図示せず)と固定側12との間に上記可変減衰装置を
介在させるよう配置して、両ピストンロッド3aと3bの各外端部及びケーシング1を減
衰対象物と固定側12にそれぞれ取り付けるようにし、上記減衰対象物が、衝撃や運動、
振動に伴い固定側12に対し相対変位するときに、上記各ピストンロッド3a,3bと一
体のピストン4を、上記ケーシング1内にて往復移動させ、このピストン4の往復移動の
際、上記磁性流体6が、流体室5aと5bとの間にて通路7を通して相互移動させられる
ときの抵抗により、減衰作用が行われるようにしてある。
上記において、減衰力を変化させる場合は、上記外部電源10よりピストン4の電磁コ
イル9へ通電して磁場を発生させ、この電磁コイル9にて発生させた磁場を磁性流体6へ
作用させると共に、上記電磁コイル9における起磁力を制御して発生させる磁場の強度を
変化させることにより、上記磁性流体6を、磁場の作用していない初期状態の粘度から、
磁場の強度に応じて粘性が高まるように粘度を増加させ、更に、電磁コイル9への通電に
伴い電磁石化されるピストン4の外周面部分に、上記磁性流体6中の磁性体粒子を吸着さ
せるようにして、該ピストン4の外周面とケーシング1の内壁面との間に形成されている
通路7の断面積を減少させるようにする。これにより、上記ケーシング1内におけるピス
トン4の往復移動に伴い上記磁性流体6が、流体室5aと5bとの間にて通路7を通して
相互移動させられる際の抵抗を増加させることで、減衰力を高めることができるようにし
てある。
ところで、近年、磁界中において磁化された磁性体に応力を加えることにより内部磁化
を変化させる逆磁歪効果に着目し、電圧を磁化に変換する素子として、図11(イ)(ロ
)に概要を示す如き磁気力制御用の電磁変換素子が提案されている(たとえば、非特許文
献1参照)。これは、超磁歪素子13と、圧電素子(ピエゾ素子)14を、可動ヨーク1
5となる磁性ヨークを挟んで直列に配置し、且つ上記超磁歪素子13と圧電素子14を直
列方向の外側から2枚の磁性ヨーク16,17で挟み、該各磁性ヨーク16,17同士を
、上記超磁歪素子13に多少の歪みを生じさせた状態にて相対変位を拘束できるよう図示
しない非磁性ステンレスボルトで締め付け、更に、上記超磁歪素子13と並列となるよう
に、可動ヨーク15と磁性ヨーク16との間に長手方向に着磁された磁石(永久磁石)1
8を挿入してなる構成として、上記超磁歪素子13と磁石18による第1の磁気回路19
aと、磁石18とギャップ20による第2の磁気回路19bを並列に形成させてなる構成
としてある。
かかる構成とすることにより、通常は、図11(イ)に示す如く、磁石18の発する起
磁力により超磁歪素子13を磁化させて磁石18とギャップ20による第2の磁気回路1
9bにおいて適度な吸引力を発生させることができるようになる。又、図11(ロ)に示
す如く、上記圧電素子14に正の電圧を印加して該圧電素子14を伸長変形させるように
すると、この伸長変化の分、上記超磁歪素子13を圧縮して歪みを減少させて、逆磁歪効
果により該超磁歪素子13の磁化を減少させることができる。これにより、磁石18から
発生する磁束が一定だとすると、上記超磁歪素子13と磁石18による第1の磁気回路1
9aの磁束が減少した分、磁石18とギャップ20による第2の磁気回路19bの磁束を
増加させることができるようになって、ヨーク間に働く吸引力を増加できるようになる。
一方、圧電素子14に負の電圧を印加して該圧電素子14を収縮変形させることにより、
超磁歪素子13の歪みを増加させて磁化を増加させ、該超磁歪素子13と磁石18による
第1の磁気回路19aの磁束を増加させることに伴い、その増加分に対応させて磁石18
とギャップ20による第2の磁気回路19bの磁束を減少させてヨーク間に働く吸引力を
減少させることができるようになる。
特表2001−507434号公報 上野、裘、谷,「超磁歪・圧電の複合化による磁気力制御用電磁変換素子とその電気浮上への応用」,日本機械学会論文集(C編),2001年,67巻,658号,p.1897−1904
ところが、上記特許文献1に示された如き従来の可変減衰装置では、減衰力を変化させ
るべく磁性流体6に磁場を作用させるためには、電磁コイル9に通電する必要があり、こ
のため、長時間の作動では、上記電磁コイル9が、コイル抵抗により発熱し、熱としてエ
ネルギーが外部へ放出されるため、電力損失が大きいという問題がある。又、この電磁コ
イル9の発熱に伴い磁性流体6の温度が上昇すると、該磁性流体6の性状(特性)が変化
してしまい、減衰力の低下を招く虞が生じるという問題もある。
更に、たとえば、宇宙空間のような真空条件や真空に近い条件等、大気放熱ができない
条件の下で用いる機器や、極低温条件下で用いる機器では、熱の発生が不利なため、上記
従来の可変減衰装置を採用することが困難である。
更に又、電磁コイル9への印加電流を変化させて減衰力を可変制御するようにしてある
が、この場合、上記電磁コイル9に発生する逆起電力により、減衰力の可変応答が悪くな
る、すなわち、コイルによる電気回路を構成するため時定数を有し、ローパスフィルタの
特性を有することから、高周波応答が悪いという問題もある。
なお、上記非特許文献1に示されたものは、磁界中に配置された超磁歪素子13に応力
を加えることにより生じる逆磁歪効果を利用するものであるため、磁石18を超磁歪素子
13に対し並列に設ける必要がある。又、上記超磁歪素子13は、初期状態で多少の歪み
を生じさせた状態、すなわち、多少の磁場を発生させた状態となるようにして、圧電素子
14と可動ヨーク15を介し直列に配置して固定したものであるため、後述する本発明の
可変減衰装置のように、減衰力を変化させたい場合にのみ超磁歪素子により磁性流体に作
用させるための磁場を発生させるようにする考えは全く示されておらず、示唆すらなされ
るものではない。
そこで、本発明は、発熱を抑制できて、宇宙空間のような真空条件や真空に近い条件等
、大気放熱ができない条件の下で用いる機器や、極低温条件下で用いる機器に採用するの
に有利なものとすることができ、しかも、制御に対する応答性のよい可変減衰装置を提供
しようとするものである。
本発明は、上記課題を解決するために、ピストンロッド付きのピストンをケーシング内にスライド自在に収納して、該ケーシング内に上記ピストンにて仕切られる2つの流体室を形成し、且つ各流体室同士を所要の通路で連通させて、該各流体室内に充填した磁性流体が該通路を通し往来するようにすると共に、超磁歪素子と圧電素子とからなり且つ該圧電素子に電圧を供給して変形させることにより上記超磁歪素子に歪みを付与して磁場を発生させるようにしてなる磁力発生機構を、上記流体室の近傍位置又は上記通路の近傍位置に設け、更に、上記超磁歪素子に付与すべき歪み量を減衰力の指令値から算出して該歪み量の算出値と対応する変形量になるよう上記圧電素子に供給する電圧を制御する制御回路を設けた構成とする。
又、磁力発生機構は、圧電素子に電圧を供給して変形させる方向の一端側に、超磁歪素子を配置すると共に、上記圧電素子と超磁歪素子を両端側より拘束して、上記超磁歪素子に付与すべき歪み量を減衰力の指令値から算出する制御回路により上記歪み量の算出値と対応する変形量を与えるよう電圧を制御して上記圧電素子に供給して、該圧電素子を伸長変形させることにより、上記超磁歪素子に圧縮方向の歪みを付与して磁場を発生させることができる構成とする。
更に、磁力発生機構は、圧電素子に電圧を供給して変形させる方向に沿う面に、超磁歪素子を一体となるよう接合して、上記超磁歪素子に付与すべき歪み量を減衰力の指令値から算出する制御回路により上記歪み量の算出値と対応する変形量を与えるよう電圧を制御して上記圧電素子に供給して、該圧電素子変形させることにより、上記超磁歪素子に歪みを付与して磁場を発生させることができる構成とする。
更に又、超磁歪素子に付与すべき歪み量を減衰力の指令値から算出する制御回路により上記歪み量の算出値と対応する変形量を与えるよう制御された電圧が供給される圧電素子を平板形状とし、超磁歪素子を平板形状として、積層配置し且つ一体に接合して磁力発生機構を形成させるようにした構成とする。
更に又、超磁歪素子に付与すべき歪み量を減衰力の指令値から算出する制御回路により上記歪み量の算出値と対応する変形量を与えるよう制御された電圧が供給されたときに軸心方向に変形する筒型の圧電素子の内側に、棒状の超磁歪素子を挿入配置して、上記圧電素子の内側面と超磁歪素子の外側面を一体に接合して磁力発生機構を形成させるようにした構成、又は、筒型の超磁歪素子の内側に、該超磁歪素子に付与すべき歪み量を減衰力の指令値から算出する制御回路により上記歪み量の算出値と対応する変形量を与えるよう制御された電圧が供給されたときに軸心方向に変形する棒状の圧電素子を挿入配置して、該圧電素子の外側面と上記超磁歪素子の内側面とを一体に接合して磁力発生機構を形成させるようにした構成とする。
本発明の可変減衰装置によれば、以下の如き優れた効果を発揮する。
(1)ピストンロッド付きのピストンをケーシング内にスライド自在に収納して、該ケーシング内に上記ピストンにて仕切られる2つの流体室を形成し、且つ各流体室同士を所要の通路で連通させて、該各流体室内に充填した磁性流体が該通路を通し往来するようにすると共に、超磁歪素子と圧電素子とからなり且つ該圧電素子に電圧を供給して変形させることにより上記超磁歪素子に歪みを付与して磁場を発生させるようにしてなる磁力発生機構を、上記流体室の近傍位置又は上記通路の近傍位置に設け、更に、上記超磁歪素子に付与すべき歪み量を減衰力の指令値から算出して該歪み量の算出値と対応する変形量になるよう上記圧電素子に供給する電圧を制御する制御回路を設けた構成としてあるので、圧電素子に通電して変形させることにより、上記超磁歪素子に歪みを付与して磁場を発生させ、この磁場を磁性流体に作用させることで、該磁性流体の粘性を増加させて、ケーシング内におけるピストンの往復移動の際に2つの流体室間にて通路を通して流通される磁性流体の抵抗を高めることができるため、減衰力を変化させることができる。
(2)上記減衰力の変化は、圧電素子に通電して変形させることにより実施でき、この圧電素子は、電気的にはコンデンサ素子として働くので、一定の歪みを発生させるための直流印加電圧に対して、電荷保持程度の消費電力で変形状態を維持できるため、超磁歪素子を所要の歪みを付与した状態で保持して所要の磁場を発生させ続ける場合に、電力をほとんど消費しないことから、エネルギー効率を、従来の電磁コイルを備えた可変減衰装置に比して大幅に高めることができる。
(3)又、電磁コイルを用いていないため、コイル発熱を防止することができ、且つ超磁歪素子及び圧電素子からは発熱がほとんどないため、発熱を、減衰対象物の振動エネルギーを熱に変換して消散させる場合の発熱量とほぼ等しくすることができ、このため、上記従来の電磁コイルを備えた可変減衰機構に比して、発熱量を大幅に引き下げることができて、真空中や宇宙空間のような熱の大気放散が期待できない環境で使用される各種機器や、極低温環境で用いられる機器等への適用を有利なものとすることができる。
(4)磁性流体が加熱される虞を抑制できるため、該磁性流体の性状が変化して減衰力が低下する虞を防止できる。
(5)電気回路を、コイルのない回路構成とすることができることから、従来の可変減衰機構において生じていた如きコイルによる逆起電力の発生がないため、電気的なローパスフィルタ特性がなく、減衰力の可変応答性が早いものとすることができる。
(6)又、磁力発生機構は、圧電素子に電圧を供給して変形させる方向の一端側に、超磁歪素子を配置すると共に、上記圧電素子と超磁歪素子を両端側より拘束して、上記超磁歪素子に付与すべき歪み量を減衰力の指令値から算出する制御回路により上記歪み量の算出値と対応する変形量を与えるよう電圧を制御して上記圧電素子に供給して、該圧電素子を伸長変形させることにより、上記超磁歪素子に圧縮方向の歪みを付与して磁場を発生させることができる構成とすることにより、圧電素子の伸長変形により超磁歪素子に歪みを付与して磁場を発生させることができる磁力発生機構を容易に構成することができる。
(7)更に、磁力発生機構は、圧電素子に電圧を供給して変形させる方向に沿う面に、超磁歪素子を一体となるよう接合して、上記超磁歪素子に付与すべき歪み量を減衰力の指令値から算出する制御回路により上記歪み量の算出値と対応する変形量を与えるよう電圧を制御して上記圧電素子に供給して、該圧電素子変形させることにより、上記超磁歪素子に歪みを付与して磁場を発生させることができる構成とすることにより、圧電素子と超磁歪素子を外部より拘束することなく上記圧電素子の通電時における伸縮変形に伴い超磁歪素子に歪みを付与して磁場を発生させることができる磁力発生機構を容易に構成できる。
(8)更に又、超磁歪素子に付与すべき歪み量を減衰力の指令値から算出する制御回路により上記歪み量の算出値と対応する変形量を与えるよう制御された電圧が供給される圧電素子を平板形状とし、超磁歪素子を平板形状として、積層配置し且つ一体に接合して磁力発生機構を形成させるようにした構成とすることにより、圧電素子と超磁歪素子を接合してなる磁力発生機構を容易に形成することができる。
(9)超磁歪素子に付与すべき歪み量を減衰力の指令値から算出する制御回路により上記歪み量の算出値と対応する変形量を与えるよう制御された電圧が供給されたときに軸心方向に変形する筒型の圧電素子の内側に、棒状の超磁歪素子を挿入配置して、上記圧電素子の内側面と超磁歪素子の外側面を一体に接合して磁力発生機構を形成させるようにした構成、又は、筒型の超磁歪素子の内側に、該超磁歪素子に付与すべき歪み量を減衰力の指令値から算出する制御回路により上記歪み量の算出値と対応する変形量を与えるよう制御された電圧が供給されたときに軸心方向に変形する棒状の圧電素子を挿入配置して、該圧電素子の外側面と上記超磁歪素子の内側面とを一体に接合して磁力発生機構を形成させるようにした構成とすることにより、圧電素子の変形により超磁歪素子に均等な歪みを付与することが可能な磁力発生機構を容易に構成することができる。
以下、本発明を実施するための最良の形態を図面を参照して説明する。
図1(イ)(ロ)は本発明の可変減衰装置の実施の一形態として、片ロッド式の可変減
衰装置に適用した場合を示すもので、一端部に貫通孔2を備えたケーシング1内に、ピス
トン4を軸心方向に往復移動可能に収納して、上記ケーシング1内に、ピストン4にて仕
切られた2つの流体室5a,5bを形成する。且つ上記ピストン4の片面には基端部を一
体に固定したピストンロッド3を、上記貫通孔2をスライド自在に挿通させてケーシング
1の外側へ突出させ、ピストン4とともにロッド3が長手方向に移動できるようにする。
又、上記ピストン4の外周面とケーシング1の内壁面との間には、磁性流体6の通路7と
なる所要間隔の隙間を形成させ、上記2つの流体室5a,5b及び通路7に、図10に示
したものと同様の磁性流体6を充填する。更に、上記ピストン4の軸心部を中空構造とし
て、その内部に、圧電素子22と超磁歪素子23とからなる磁力(磁場)発生機構21を
設け、該磁力発生機構21の上記圧電素子22に、外部の電源10(図10参照)を、ピ
ストンロッド3の内部を通して配設した電線11を介して接続する。
上記磁力発生機構21は、通電時における圧電素子22の伸長或いは収縮変形する方向
と、磁場を発生させるために超磁歪素子23を歪ませるべき方向とを同方向に揃えた状態
にて、圧電素子22と超磁歪素子23とを、上記圧電素子22の通電時の変形により上記
超磁歪素子23を歪ませることができるように直列配置又は並列配置で取り付けてなる基
本構成を備えている。この構成により、上記圧電素子22の変形に伴って歪みの付与され
る超磁歪素子23により、ケーシング1内にてピストン4が移動させられるときに通路7
を流通させられる磁性流体6に対して作用させるための磁場を発生させることができるよ
うにしてある。
上記磁力発生機構21の具体的構成について説明すると、図1(ロ)は圧電素子22と
超磁歪素子23とを並列配置する形式のものの一例を示す。すなわち、長手方向に歪みを
与えることで磁場を発生させることができる平板状の超磁歪素子23の両面側に、通電に
より長手方向に伸長或いは収縮変形するようにしてある2枚の平板状の圧電素子22を配
置して、上記超磁歪素子23の両面に、各圧電素子22を、エポキシ系接着剤等により一
体に接合して固定してなる構成とする。かかる構成とすることにより、上記各圧電素子2
2に通電し、該各圧電素子22を同期して長手方向に伸長或いは収縮変形させることによ
り、各圧電素子22の間に挟んで一体化してある上記超磁歪素子23に対し長手方向に伸
長或いは収縮するような歪みを与えて、磁場を発生させることができるようにしてある。
上記圧電素子22は、結晶配向性を適宜調整することにより、通電方向と、該通電に伴
って伸長或いは収縮変形する方向とを、同じ方向或いは直交する方向に自在に設定できる
ものである。このため、上記において平板形状の圧電素子22を長手方向に伸長或いは収
縮変形させる場合に、該平板形状の圧電素子22に対し厚み方向への通電を行わせる必要
がある場合は、図1(ロ)に示す如く、各圧電素子22の超磁歪素子23との接合面側に
、電極の一部を超磁歪素子23との反接合面側へ回り込ませるようにしてある回り込み電
極24を一体に取り付けて、該回り込み電極24を介して超磁歪素子23と一体に固定す
る接合を行わせると共に、上記圧電素子22の反超磁歪素子23側の面と、上記回り込み
電極24における反超磁歪素子23側へ回り込ませた電極部分に、電線11を接続して、
上記外部電源10に接続するようにすればよい。
その他、図10に示したものと同一のものには同一符号が付してある。
上記構成としてある本発明の可変減衰装置を使用する場合は、各種構造物又は機器等の
衝撃や運動、振動の減衰を望む減衰対象物(図示せず)と、固定側(図示せず)との間に
ケーシング1を配置して、減衰対象物と固定側の一方にケーシング1の一端を、又、減衰
対象物と固定側の他方にピストンロッド3の外端部をそれぞれ取り付ける。この状態にお
いて、上記減衰対象物が、衝撃や運動、振動に伴い固定側に対し相対変位すると、上記ピ
ストンロッド3と一体のピストン4が、上記ケーシング1内にて往復移動させられ、この
ピストン4の往復移動に伴って、磁性流体6が、流体室5aと5bとの間にて通路7を通
して相互移動させられるときの抵抗により、減衰作用が行われるようになる。
上記において、外部電源10より磁力発生機構21の圧電素子22へ電線11を介した
通電を行なわせると、該圧電素子22は、上記外部電源10より供給される電圧に応じた
変形量で長手方向に伸長或いは収縮するように変形させられる。これにより、上記圧電素
子22の変形量に応じた強度で上記超磁歪素子23が長手方向に伸長或いは収縮方向への
歪みを与えられるようになるため、該超磁歪素子23により磁場が発生させられる。上記
磁力発生機構21の超磁歪素子23は、ピストン4の内部に設けられているものであるた
め、該ピストン4の周辺に存在する磁性流体6に対して上記超磁歪素子23により発生さ
せられた磁場が作用させられるようになる。このため、上記磁性流体6は、磁場の作用し
ていない初期状態の粘度から、磁場の強度に応じて粘性が高まるように粘度が増加させら
れると共に、ピストン4の外周面部分に、上記磁性流体6中の磁性体粒子が吸着されて、
該ピストン4の外周面とケーシング1の内壁面との間に形成されている隙間からなる通路
7の断面積が減少させられるようになる。このことから、上記ケーシング1内におけるピ
ストン4の往復移動に伴い上記磁性流体6が、流体室5aと5bとの間にて通路7を通し
て相互移動させられる際の抵抗が増加させられて、減衰力が高められるようになる。
このように、本発明の可変減衰機構によれば、磁力発生機構21の圧電素子22へ通電
することにより減衰力を変化させることができ、この際、上記圧電素子22は、電気的に
はコンデンサと同様に作用し、電荷保持程度(コンデンサの漏れ電流による電荷のリーク
を補う程度)の電力供給で変形状態を維持できるため、超磁歪素子23に所要の歪みを与
えた状態で保持して所要の磁場を発生させ続ける場合に、電力をほとんど消費しない。し
たがって、エネルギー効率を、従来の電磁コイルを備えた可変減衰装置に比して大幅に高
めることができる。
又、電磁コイルを用いていないため、コイル発熱を防止することができ、且つ超磁歪素
子23及び圧電素子22からは発熱がほとんどないため、本発明の可変減衰装置からの発
熱は、ピストンロッド3を経て外部より入力される減衰対象物の振動エネルギーが熱に変
換された発熱量とほぼ等しく、上記従来の電磁コイルを備えた可変減衰機構に比して、発
熱量を大幅に引き下げることができ、このため、真空中や宇宙空間のような熱の大気放散
が期待できない環境で使用される各種機器や、極低温環境で用いられる機器等への適用を
有利なものとすることができる。更には、磁性流体6が加熱される虞を抑制できて、該磁
性流体6の性状が変化して減衰力が低下する虞を防止できる。
更に、電気回路を、コイルのない回路構成とすることができるので、従来の可変減衰機
構において生じていた如きコイルによる逆起電力の発生がなく、そのため、電気的なロー
パスフィルタ特性がなく、減衰力の可変応答性が早いものとすることができる。
次に、図2(イ)(ロ)(ハ)は、上記実施の形態の応用例として、圧電素子22と超
磁歪素子23とを並列に取り付けた形式の磁力発生機構21の他の例を示すものである。
すなわち、図2(イ)に示す磁力発生機構21は、上記図1に示す実施の形態における
圧電素子22と同様に、通電時に長手方向に伸長或いは収縮変形するようにしてある平板
形状の圧電素子22として、その両面側に、長手方向に沿って伸長或いは収縮方向へ歪み
を与えることで磁場を発生させることができるようにしてある平板形状の超磁歪素子23
をそれぞれ重ねるように配置して、上記圧電素子22の両面に、上記各超磁歪素子23の
重合面を、エポキシ系接着剤等により一体に接合して固定した構成としたものである。
又、図2(ロ)に示す磁力発生機構21は、所要寸法の内径を有する円筒形状として通
電時に軸心方向に伸長或いは収縮変形するようにしてある圧電素子22の内側に、該圧電
素子22の内径と対応する外径を備えた円柱形状とし且つ軸心方向に沿って伸長或いは収
縮方向へ歪みを与えることで磁場を発生できるようにしてある超磁歪素子23を、挿入し
て配置し、且つ超磁歪素子23の外周面と上記圧電素子22の内周面との重合部をエポキ
シ系接着剤等にて一体に接合して固定してなる構成としたものである。図2(ハ)に示す
磁力発生機構21は、所要寸法の外径を有する円柱形状として通電時に軸心方向に伸長或
いは収縮変形するようにしてある圧電素子22の外側に、該圧電素子の外径と対応する内
径を備えた円筒形状とし且つ軸心方向に沿って伸長或いは収縮方向へ歪みを与えることで
磁場を発生できるようにしてある超磁歪素子23を嵌合させて配置し、且つ該超磁歪素子
23の内周面と、上記圧電素子22の外周面との重合部をエポキシ系接着剤等にて一体に
接合して固定してなる構成としたものである。このように、図2(ロ)(ハ)に示す如く
、圧電素子22と超磁歪素子23を同心配置することにより、上記圧電素子22の通電時
の変形により、超磁歪素子23に均等な歪みを付与できるようにした構成としてもよい。
更に、図3(イ)(ロ)に示す磁力発生機構21は圧電素子22と超磁歪素子23とを
直列配置する例を示すもので、所要形状、たとえば、図3(イ)では所要の直方体形状、
図3(ロ)では円筒形状としてなる圧電素子22の通電時に伸長変形する方向に沿う一端
側に、該圧電素子22の変形方向に沿う方向より圧縮歪みを与えることで磁場を発生させ
ることができるように上記圧電素子22と対応する形状としてある超磁歪素子23を直列
配置し、且つ上記直列に並べた圧電素子22と超磁歪素子23の両端側に、押え板部材2
5をそれぞれ配置すると共に、該各押え板部材25同士を、ボルト26を介し連結して該
各押え板部材25同士の間隔を一定に保持できるようにした構成としたものである。この
ような構成として、上記圧電素子22に所要の電圧で通電させることにより該圧電素子2
2を伸長するよう変形させ、この圧電素子22の伸長変形に対応する分、上記超磁歪素子
23に対して圧縮方向への歪みを付与し、これにより、該超磁歪素子により磁場を発生さ
せることができるようにしたものとしてもよい。
なお、上記図3(イ)(ロ)に示した磁力発生機構21にて、ボルト26により各押え
板部材25同士を連結する際、該各押え板部材25により直列配置してある圧電素子22
と超磁歪素子23とを両端側より押圧して該圧電素子22と超磁歪素子23が離れないよ
うに、予圧縮力を作用させるようにする。しかし、この場合、圧電素子22に通電を行わ
ない初期状態のときに磁性流体6へ作用するほどの磁場が上記超磁歪素子23より発生し
ないように、超磁歪素子23にあまり大きな圧縮方向の応力が働かないようにしてある。
上記図2(イ)(ロ)(ハ)及び図3(イ)(ロ)に示したいずれの磁力発生機構21
においても、圧電素子22の通電時の変形により超磁歪素子23に歪みを付与できて、該
超磁歪素子23により磁性流体6へ作用させるための磁場を発生させるようにすることが
できる。
次いで、図4は本発明の実施の他の形態を示すもので、図1(イ)(ロ)に示したと同
様の構成において、各流体室5a,5b間における磁性流体6の通路7を、ピストン4の
外周面とケーシング1の内壁面との間に、隙間として形成することに代えて、ピストン4
に、軸心方向に貫通する単数又は複数のオリフィス27を設けて、該オリフィス27を、
各流体室5a,5b間における磁性流体6の通路とすることができるようにしたものであ
る。
その他の構成は図1(イ)(ロ)に示したものと同様であり、同一のものには同一符号
が付してある。
本実施の形態によれば、ピストン4の内部に設けた磁力発生機構21の圧電素子22に
対する通電のオフとオンを切換え且つ通電電圧を変化させることにより、上記圧電素子2
2の変形に伴って歪みの付与される超磁歪素子23より発生させる磁場を、上記ピストン
4のオリフィス27を流通する磁性流体6に作用させて、該磁性流体6がオリフィス27
を通過するときの抵抗を変えることができることから、減衰力を可変とさせることができ
て、図1(イ)(ロ)に示した実施の形態と同様の効果を得ることができる。
更に、図5は本発明の実施の更に他の形態を示すもので、図1(イ)(ロ)に示したと
同様の構成において、磁力発生機構21を、ピストン4の内部に設けることに代えて、ケ
ーシング1の外周部に取り付けるようにしたものである。
この場合、上記磁力発生機構21は、超磁歪素子23により発生させる磁場を、ピスト
ン4の外周面とケーシング1の内壁面との間に形成されている磁性流体6の通路7に対し
て効率よく作用させることができるようにするために、たとえば、図3(ロ)に示した磁
力発生機構21と同様に直列配置した圧電素子22、超磁歪素子23及び各押え板部材2
5を、いずれもケーシング1の外径に対応した内径を有するリング状にして、該各リング
状の圧電素子22と超磁歪素子23とを直列配置すると共に、軸心方向の両端側より抑え
板部材25にて軸心方向への変形を拘束してなる磁力発生機構21を、上記ケーシング1
の外周に嵌合させて、たとえば、一方の押え板部材25を介しケーシング1の外周面に取
り付けるようにする。
すなわち、超磁歪素子23をケーシング1の外形に対応した内径を有するリング形状と
すると共に軸心方向に圧縮応力を作用させることで磁場を発生できるものとし、且つ圧電
素子22も同様のリング形状とすると共に通電時に軸心方向に沿って伸長変形できるもの
としておき、上記ケーシング1の軸心方向所要位置における外周面に固定してある押え板
部材25の一側に、ケーシング1の外周に嵌合させた超磁歪素子23と圧電素子22とを
直列配置し、更にもう一方の押え板部材25をケーシング1の外周に嵌合させて、該押え
板部材25を、上記ケーシング1の外周面に固定してある押え板部材25に、ボルト26
等により連結することで、上記直列配置してある圧電素子22と超磁歪素子23の両端部
位置を拘束できるようにしてある。なお、ケーシング1内の磁性流体6及び通路7に対し
て上記超磁歪素子23より発生させる磁場を均等に作用させることができるようにする場
合は、上記超磁歪素子23をケーシング1の軸心方向の中間部に位置させるようにするこ
とが望ましい。
その他の構成は図1(イ)(ロ)に示したものと同様であり、同一のものには同一符号
が付してある。
本実施の形態によれば、圧電素子22に通電して該圧電素子22を伸長方向へ変形させ
ることで、超磁歪素子23に圧縮方向の歪みを与えて磁場を発生させることができると共
に、該超磁歪素子23により発生させる磁場を、ケーシング1内の磁性流体6に作用させ
て該磁性流体6の粘度を増加させるよう変化させ、且つ磁性流体6の通路7部分に上記超
磁歪素子23により発生させた磁場を作用させて、通路7部分に位置する磁性流体6中の
磁性体粒子の吸着作用により通路7の面積の縮小化を図ることができる。このことから、
ケーシング1内におけるピストン4の往復移動に伴い、通路7を流通させられることとな
る磁性流体6の通路7通過時の抵抗を高めて、減衰力を可変とすることができる。したが
って、本実施の形態においても図1(イ)(ロ)の実施の形態と同様の効果を得ることが
できる。
図6は本発明の実施の更に他の形態を示すもので、図1(イ)(ロ)に示したと同様の
構成において、磁力発生機構21を、ピストン4の内部に設けることに代えて、ケーシン
グ1のヘッド側となる一端部に取り付けるようにしたものである。
この場合、上記磁力発生機構21としては、磁場を発生させるための超磁歪素子23を
、できるだけケーシング1内の磁性流体に近接させて配置することができるようにするた
めに、ケーシング1のヘッド側端部に、図3(イ)に示したと同様に、直列配置した圧電
素子22と超磁歪素子23を両端側より押え板部材25で拘束する構成としてある磁力発
生機構21における超磁歪素子23側の押え板部材25の外側面を一体に取り付けた構成
としてある。
その他の構成は図1(イ)(ロ)に示したものと同様であり、同一のものには同一符号
が付してある。
本実施の形態によれば、圧電素子22に通電して該圧電素子22を伸長方向に変形させ
ると、その変化量に応じて超磁歪素子23が圧縮されて歪みを生じ、該歪んだ超磁歪素子
23により磁場が発生される。この発生された磁場がケーシング1内の磁性流体6に作用
することで、該磁性流体6が、粘度が増すように粘性が変化させられる。そのため、ピス
トン4の移動に伴い上記磁性流体6が通路7を流通させられる際の抵抗が高められ、これ
により、減衰力の変化が行なわれるようになる。
したがって、本実施の形態においても図1(イ)(ロ)に示した実施の形態と同様の効
果を得ることができる。
図7は本発明の実施の更に他の形態を示すもので、図1(イ)(ロ)に示した実施の形
態と同様の構成において、磁性流体6の通路7を、ピストン4の外周面とケーシング1の
内壁面との隙間として形成させることに代えて、ケーシング1の軸心方向両端部位置に、
所要口径としてあるバイパス管28の両端部をそれぞれ連通接続して、該バイパス管28
の内部を、ピストン4の両側に形成される流体室5a,5b同士を連通させる磁性流体6
の通路とさせるようにし、更に、上記バイパス管28内を流通する磁性流体6に磁場を効
率よく作用させることができるように、磁力発生機構21を、上記バイパス管28の中間
部の外周に取り付けたものである。
上記磁力発生機構21としては、たとえば、図2(ロ)に示したと同様に、軸心方向に
伸長或いは収縮歪みを与えることで磁場を発生できるようにしてある超磁歪素子23を中
心側に配置し、且つその外周に、通電時に軸心方向に伸長或いは収縮変形するようにして
ある円筒形状の圧電素子22を嵌合させて、上記超磁歪素子23の外周面と圧電素子22
の内周面とを、エポキシ系接着剤等により一体に接合するようにしてある構成において、
上記超磁歪素子23の軸心部に、上記バイパス管28の外径に対応した径の貫通孔29を
設けてなる構成とする。かかる構成の該超磁歪素子23の貫通孔29を、上記バイパス管
28の外周に嵌合させると共に、図示しない固定手段で該バイパス管28の外周面の所要
個所に固定することで、該バイパス管28への磁力発生機構21の取り付けを行うように
したものを用いるようにしてある。
その他の構成は図1(イ)(ロ)に示したものと同様であり、同一のものには同一符号
が付してある。
本実施の形態によれば、ピストンロッド3を介して外部より入力される減衰対象の振動
によりケーシング1内にてピストン4が往復移動されるときには、ピストン4両側の流体
室5a,5b間における磁性流体6の移動がバイパス管28を経て行なわれ、このバイパ
ス管28を磁性流体6が流通する際の抵抗により、減衰効果が発揮される。
この状態において、上記磁力発生機構21の圧電素子22に外部電源10より通電する
と、通電される電圧に応じて上記圧電素子22が軸心方向に伸長或いは収縮変形させられ
、この変形に伴い、上記超磁歪素子23が軸心方向へ伸長或いは収縮するように歪まされ
るようになることから、該超磁歪素子23により磁場が発生させられる。上記超磁歪素子
23は、バイパス管28の外周に配置されていることから、該超磁歪素子23により発生
させた磁場を、上記バイパス管28内の磁性流体6に効率よく作用させて、該磁性流体6
の粘度を高めるよう粘性を変化させることができると共に、上記バイパス管28の内面に
磁性流体6中の磁性体粒子を付着させるようにして該バイパス管28の口径を狭めること
ができることから、磁性流体6がバイパス管28を流通する際の抵抗を高めることができ
、これにより、減衰力を増加させるように変化させることができる。
したがって、本実施の形態によっても、図1(イ)(ロ)に示した実施の形態と同様の
効果を得ることができる。
図8は、本発明の可変減衰装置による減衰力をコントロールする場合に用いる制御系の
一例として、超磁歪素子23の歪み量に基くフィードバック制御系のブロック図を示すも
ので、以下のような構成としてある。
すなわち、たとえば、図2(イ)に示したと同様に、圧電素子22と超磁歪素子23と
を並列配置して一体化させてなる磁力発生機構21の上記圧電素子22に、電源10とし
ての圧電素子駆動用アンプ10aを電線11を介し接続し、且つ上記圧電素子駆動用アン
プ10aに、制御回路30を接続する。
上記制御回路30は、超磁歪素子23の歪み量と、本発明の可変減衰装置における減衰
力との相関性のデータを予め蓄積して保有するようにしておき、減衰力の指令値31が与
えられたときに、該指令値31に基づいてアンプ32より入力される指令信号33に応じ
て、超磁歪素子23に与えるべき歪み量を算出し、該超磁歪素子23の歪み量と対応する
変形量となるよう圧電素子22を変形させるために要求される電圧を圧電素子駆動アンプ
10aより圧電素子22へ出力させるようにしてある。
更に、上記超磁歪素子23の所要位置に、歪みゲージ34を取り付け、該歪みゲージ3
4に接続した動歪アンプ35より、上記超磁歪素子23の歪み量の検出信号を、上記制御
回路30へ補正信号36として出力できるようにしてある。
上記構成としてある制御ブロックにて、減衰力の指令値31が与えられると、該指令値
31に応じた指令信号33がアンプ32より制御回路30へ入力される。制御回路30で
は、この入力された指令信号33に応じた減衰力が得られるようになるときの超磁歪素子
23の歪み量を算出して、該歪み量の算出値と対応した変形量となるように圧電素子22
を変形させるために必要な電圧を算出し、該算出された電圧値の指令を、圧電素子駆動用
アンプ10aへ出力する。その後、該圧電素子駆動用アンプ10aが、上記制御回路30
からの指令に基づいた所望の電圧となるように圧電素子22に通電を行なう。これにより
、該圧電素子22は、通電された電圧に応じて変形され、この圧電素子22の変形に伴い
、一体に取り付けられている超磁歪素子23が歪みを与えられ、該歪み量に応じた磁場が
発生されることから、ケーシング1内の磁性流体6の粘性が、上記超磁歪素子23の発生
する磁場の強度に応じて高まることで、本発明の可変減衰装置の減衰力が変化させられる
この際、上記歪みゲージ34により検出される超磁歪素子23の歪み量が、上記制御回
路30にて減衰力の指令値31に基づいて算出される歪み量と相違する場合には、動歪ア
ンプ35より入力される補正信号36を基に、上記歪みゲージ34によって検出される超
磁歪素子23の歪み量の値が、制御回路30にて減衰力の指令値31に基づいて算出され
る歪み量の値と一致するように、該制御回路30より圧電素子駆動アンプ10aへ出力す
る電圧値の指令の値を補正させるようにすればよい。
更に、図9は、本発明の可変減衰装置による減衰力をコントロールする場合に用いる制
御系の他の例として、超磁歪素子23より発生させる磁力の強度を基にしたフィードバッ
ク制御を行わせることができるようにするための制御系のブロック図を示すものである。
この場合、図8に示したと同様の構成において、制御回路を、上記超磁歪素子23の歪
み量と発生する磁場の強度の相関性のデータ、及び、超磁歪素子23より発生させる磁場
の強度と、本発明の可変減衰装置における減衰力との相関性のデータを予め蓄積して保有
する機能を有すると共に、減衰力の指令値31が与えられたときに、該指令値31に基づ
いてアンプ32より入力される指令信号33に応じて、超磁歪素子23にて発生させるべ
き磁場の強度、並びに、該強度の磁場を発生させるために上記超磁歪素子23に付与すべ
き歪み量を算出し、この超磁歪素子23に付与すべき歪み量と対応する変形量となるよう
圧電素子22を変形させるために要求される電圧を圧電素子駆動アンプ10aより圧電素
子22へ出力させるようにする機能を有する制御回路30aとしてある。
更に、上記超磁歪素子23の近傍位置に、該超磁歪素子23より発生する磁場の強度を
計測するための磁力計37を設けて、該磁力計37により、上記超磁歪素子23にて発生
する磁場の強度の計測値を、上記制御回路30aへ補正信号36として出力できるように
してある。
上記構成としてある制御ブロックでは、減衰力の指令値31が与えられると、該指令値
31に応じた指令信号33がアンプ32より制御回路30aへ入力される。制御回路30
aは、この入力された指令信号33に応じた減衰力が得られるようになるときの超磁歪素
子23にて発生させるべき磁場の強度、並びに、該強度の磁場を発生させるために要求さ
れる超磁歪素子23の歪み量を算出して、該歪み量の算出値と対応した変形量となるよう
に圧電素子22を変形させるために必要な電圧を算出し、該算出された電圧値の指令を、
圧電素子駆動用アンプ10aへ出力する。その後、該圧電素子駆動用アンプ10aが、上
記制御回路30aからの指令に基づいた所望の電圧となるように圧電素子22に通電を行
なう。これにより、該圧電素子22は、通電された電圧に応じて変形されて、この圧電素
子22の変形に伴い、一体に取り付けられている超磁歪素子23が歪みを与えられ、該歪
み量に応じた磁場が発生されることから、ケーシング1内の磁性流体6の粘性が、上記超
磁歪素子23の発生する磁場の強度に応じて高められて、本発明の可変減衰装置の減衰力
が変化させられる。
この際、上記磁力計37にて計測される超磁歪素子23より発生する磁場の強度が、上
記制御回路30aにて減衰力の指令値31に基づいて算出される超磁歪素子23にて発生
させるべき磁場の強度と相違する場合には、上記磁力計37より入力される補正信号36
を基に、上記磁力計37によって計測される超磁歪素子23より発生する磁場の強度の値
が、制御回路30aにて減衰力の指令値31に基づいて算出される超磁歪素子23にて発
生させるべき磁場の強度の値と一致するように、該制御回路30aより圧電素子駆動アン
プ10aへ出力する電圧値の指令の値を補正させるようにすればよい。
なお、本発明は上記実施の形態のみに限定されるものではなく、図4の実施の形態にお
ける磁力発生機構21として、図2(イ)(ロ)(ハ)及び図3(イ)(ロ)に示した如
き形式の磁力発生機構21を採用してもよい。又、圧電素子22の変形に伴って超磁歪素
子23に歪みを付与して該超磁歪素子23により磁性流体6へ作用させるための磁場を発
生させることができるようにすれば、圧電素子22及び超磁歪素子23の形状、圧電素子
22と超磁歪素子23との接合方法等は、取り付け個所の形状や配置等に応じて自在に決
定してもよい。上記各実施の形態ではいずれも片ロッド式の可変減衰装置として説明した
が、ピストン4の両面に、先端側がそれぞれケーシング1の端部を摺動自在に貫通して外
部に突出するピストンロッドを取り付けてなる両ロッド式の可変減衰装置にも適用できる
こと、その他本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論で
ある。
本発明の可変減衰装置の実施の一形態を示すもので、(イ)は概略切断側面図、(ロ)は磁力発生機構を拡大して示す斜視図である。 (イ)(ロ)(ハ)はいずれも図1の装置における磁力発生機構の他の形式のものを示す斜視図である。 (イ)(ロ)はいずれも図1の装置における磁力発生機構の更に他の形式のものを示す斜視図である。 本発明の実施の他の形態を示す概略切断側面図である。 本発明の実施の更に他の形態を示す概略切断側面図である。 本発明の実施の更に他の形態を示す概略切断側面図である。 本発明の実施の更に他の形態を示す概略切断側面図である。 本発明の可変減衰装置における減衰力を制御するための制御系の一例として、超磁歪素子の歪み量に基くフィードバック制御系を示すブロック図である。 本発明の可変減衰装置における減衰力を制御するための制御系の他の例として、超磁歪素子より発生させる磁場の強度に基くフィードバック制御系を示すブロック図である。 従来用いられている可変減衰装置の一例の概略を示す切断側面図である。 従来提案されている逆磁歪効果に基いた磁気力制御用電磁変換素子を示すもので、(イ)は初期状態を、(ロ)は圧電素子に通電して伸長変形させた状態をそれぞれ示す概要図である。
符号の説明
1 ケーシング
3 ピストンロッド
4 ピストン
5a,5b 流体室
6 磁性流体
7 通路
21 磁力発生機構
22 圧電素子
23 超磁歪素子
27 オリフィス(通路)
28 バイパス管(通路)
30,30a 制御回路
31 減衰力の指令値

Claims (6)

  1. ピストンロッド付きのピストンをケーシング内にスライド自在に収納して、該ケーシング内に上記ピストンにて仕切られる2つの流体室を形成し、且つ各流体室同士を所要の通路で連通させて、該各流体室内に充填した磁性流体が該通路を通し往来するようにすると共に、超磁歪素子と圧電素子とからなり且つ該圧電素子に電圧を供給して変形させることにより上記超磁歪素子に歪みを付与して磁場を発生させるようにしてなる磁力発生機構を、上記流体室の近傍位置又は上記通路の近傍位置に設け、更に、上記超磁歪素子に付与すべき歪み量を減衰力の指令値から算出して該歪み量の算出値と対応する変形量になるよう上記圧電素子に供給する電圧を制御する制御回路を設けた構成を有することを特徴とする可変減衰装置。
  2. 磁力発生機構は、圧電素子に電圧を供給して変形させる方向の一端側に、超磁歪素子を配置すると共に、上記圧電素子と超磁歪素子を両端側より拘束して、上記超磁歪素子に付与すべき歪み量を減衰力の指令値から算出する制御回路により上記歪み量の算出値と対応する変形量を与えるよう電圧を制御して上記圧電素子に供給して、該圧電素子を伸長変形させることにより、上記超磁歪素子に圧縮方向の歪みを付与して磁場を発生させることができるものとした請求項1記載の可変減衰装置。
  3. 磁力発生機構は、圧電素子に電圧を供給して変形させる方向に沿う面に、超磁歪素子を一体となるよう接合して、上記超磁歪素子に付与すべき歪み量を減衰力の指令値から算出する制御回路により上記歪み量の算出値と対応する変形量を与えるよう電圧を制御して上記圧電素子に供給して、該圧電素子変形させることにより、上記超磁歪素子に歪みを付与して磁場を発生させることができるものとした請求項1記載の可変減衰装置。
  4. 超磁歪素子に付与すべき歪み量を減衰力の指令値から算出する制御回路により上記歪み量の算出値と対応する変形量を与えるよう制御された電圧が供給される圧電素子を平板形状とし、超磁歪素子を平板形状として、積層配置し且つ一体に接合して磁力発生機構を形成させるようにした請求項3記載の可変減衰装置。
  5. 超磁歪素子に付与すべき歪み量を減衰力の指令値から算出する制御回路により上記歪み量の算出値と対応する変形量を与えるよう制御された電圧が供給されたときに軸心方向に変形する筒型の圧電素子の内側に、棒状の超磁歪素子を挿入配置して、上記圧電素子の内側面と超磁歪素子の外側面を一体に接合して磁力発生機構を形成させるようにした請求項3記載の可変減衰装置。
  6. 筒型の超磁歪素子の内側に、該超磁歪素子に付与すべき歪み量を減衰力の指令値から算出する制御回路により上記歪み量の算出値と対応する変形量を与えるよう制御された電圧が供給されたときに軸心方向に変形する棒状の圧電素子を挿入配置して、該圧電素子の外側面と上記超磁歪素子の内側面とを一体に接合して磁力発生機構を形成させるようにした請求項3記載の可変減衰装置。
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