[実施例1に係るMRI装置の概要]
まず、図1を用いて、実施例1に係るMRI装置の概要を説明する。図1は、実施例1に係るMRI装置の概要を説明するための図である。
図1に示すように、実施例1に係るMRI装置には、被検体が撮像された生データに対して再構成処理を実行する再構成フローとして、フィルタA処理、FFT処理、位相補正処理およびFFT処理を内容とする一連の処理群が、該順序で設定されている。ここで、再構成フローとは、処理を実行する順序と実行結果とに相関がある一連の処理群である。すなわち、処理の内容や順序を変更することで再構成フローを変更すれば、異なる画像が再構成されるものである。
かかる再構成フローが設定されたMRI装置は、再構成フローに従って生データの再構成処理を実行する(図1の(1)を参照)。すなわち、MRI装置は、まず、生データを読み込み、次に、読みこんだ生データに対してフィルタA処理を実行する。そして、MRI装置は、フィルタA処理の実行結果に対してFFT処理を実行し、FFT処理の実行結果に対して位相補正処理を実行し、位相補正処理の実行結果に対してFFT処理を実行する。
この時、実施例1に係るMRI装置は、再構成フローに含まれる処理が実行される毎に、該処理の実行結果を実行結果記憶部に格納する(図1の(2)を参照)。すなわち、MRI装置は、フィルタA処理が実行されると、フィルタA処理の実行結果を実行結果記憶部に格納する。同様に、MRI装置は、FFT処理が実行されると、FFT処理の実行結果を実行結果記憶部に格納し、位相補正処理が実行されると、位相補正処理の実行結果を実行結果記憶部に格納し、FFT処理が実行されると、FFT処理の実行結果を実行結果記憶部に格納する。
そして、実施例1に係るMRI装置は、所定の処理の実行結果をモニタに表示することを指示する指示を受け付けると、指示にて指定された処理の実行結果を実行結果記憶部から取得し、取得した実行結果をモニタに表示する(図1の(3)を参照)。例えば、MRI装置は、FFT処理(1回目)の実行結果をモニタに表示することを指示する指示を受け付けると、フィルタA処理の実行結果とFFT処理(1回目)の実行結果とを実行結果記憶部から取得する。そして、MRI装置は、フィルタA処理の実行結果を「FFT before」としてモニタに表示し、FFT処理(1回目)の実行結果を「FFT after」としてモニタに表示する。なお、MRI装置は、FFT処理(2回目)の実行結果(最終画像)を「slice 3/10」としてモニタに表示する。
このようなことから、実施例1に係るMRI装置によれば、一連の処理群から成る再構成フローを扱い易くすることが可能になる。すなわち、開発者等は、処理の内容や順序を変更して再構成フローを変更するが、従来、再構成処理の実行結果として最終画像がモニタに表示されるにすぎなかったので、処理を実行する順序と実行結果との相関が明らかとならず、処理として何を選択すべきか、あるいは順序をどのように設計すべきかなどについて、試行錯誤しなければならなかった。
これに対し、実施例1に係るMRI装置によれば、一連の処理群に含まれる処理が実行される毎に該処理の実行結果が記憶部に格納され、任意の処理についての実行結果がモニタに表示されるので、開発者等は、処理を実行する順序と実行結果との相関関係を把握することができ、処理として何を選択すべきか、あるいは順序をどのように設計すべきかなどについて、円滑に決定することが可能になる。
例えば、実施例1に係るMRI装置によれば、FFT処理(1回目)の前後の実行結果を検証することができ、フィルタA処理とFFT処理(1回目)との相関や、FFT処理(1回目)と最終画像との相関などを把握することができるので、開発者等は、再構成フローの変更を円滑に決定することが可能になる。
なお、MRI装置は、FFT処理(1回目)の実行結果をモニタに表示することを指示する指示を受け付けた場合に、FFT処理(1回目)の実行結果のみを実行結果記憶部から取得し、FFT処理(1回目)の実行結果のみをモニタに表示してもよい。指示に対してどのように実行結果をモニタに出力するかについては、任意に変更することができる。
[実施例1に係るMRI装置の構成]
次に、図2〜図4を用いて、実施例1に係るMRI装置の構成を説明する。図2は、MRI装置の構成を示すブロック図である。
図2に示すように、実施例1に係るMRI装置100は、静磁場磁石1、傾斜磁場コイル2、傾斜磁場電源3、寝台4、寝台制御部5、送信RFコイル6、送信部7、受信RFコイル8、受信部9、シーケンス制御部10、収集制御部11、生データ入力部12、再構成部13および生データ記憶部14を備える。
静磁場磁石1は、中空の円筒形状に形成された磁石であり、内部の空間に一様な静磁場を発生する。例えば、静磁場磁石1は、永久磁石、超伝導磁石などで実現される。
傾斜磁場コイル2は、中空の円筒形状に形成されたコイルであり、静磁場磁石1の内側に配置される。具体的には、傾斜磁場コイル2は、互いに直交するX、Y、Zの各軸に対応する3つのコイルが組み合わされて形成されており、これら3つのコイルは、傾斜磁場電源3から個別に電流供給を受けて、X、Y、Zの各軸に沿って磁場強度が変化する傾斜磁場を発生させる。なお、Z軸方向は、静磁場と同方向とする。傾斜磁場電源3は、傾斜磁場コイル2に電流を供給する装置である。
ここで、傾斜磁場コイル2によって発生するX、Y、Z各軸の傾斜磁場は、例えば、スライス選択用傾斜磁場Gs、位相エンコード用傾斜磁場Geおよびリードアウト用傾斜磁場Grにそれぞれ対応している。スライス選択用傾斜磁場Gsは、任意に撮像断面を決めるために利用される。位相エンコード用傾斜磁場Geは、空間的位置に応じて磁気共鳴信号の位相を変化させるために利用される。リードアウト用傾斜磁場Grは、空間的位置に応じて磁気共鳴信号の周波数を変化させるために利用される。
寝台4は、被検体Pが載置される天板4aを備えた装置であり、寝台制御部5による制御のもと、被検体Pが載置された状態で、天板4aを傾斜磁場コイル2の空洞(撮像口)内へ挿入する。通常、寝台4は、長手方向が静磁場磁石1の中心軸と平行になるように設置される。寝台制御部5は、寝台4を制御する装置であり、寝台4を駆動して、天板4aを長手方向および上下方向へ移動する。
送信RFコイル6は、傾斜磁場コイル2の内側に配置されたコイルであり、送信部7から高周波パルスの供給を受けて高周波磁場を発生する。送信部7は、ラーモア周波数に対応する高周波パルスを送信RFコイル6に送信する装置である。
受信RFコイル8は、傾斜磁場コイル2の内側に配置されたコイルであり、上記の高周波磁場の影響によって被検体Pから放射される磁気共鳴信号を受信する。受信RFコイル8は、磁気共鳴信号を受信すると、受信した磁気共鳴信号を受信部9へ出力する。
受信部9は、受信RFコイル8から出力される磁気共鳴信号に基づいて生データを生成する。具体的には、受信部9は、受信RFコイル8から出力される磁気共鳴信号をデジタル変換することによって生データを生成する。生データには、スライス選択用傾斜磁場Gs、位相エンコード用傾斜磁場Geおよびリードアウト用傾斜磁場Grによって、PE方向、RO方向、SE方向の空間周波数の情報が対応付けられている。そして、生データを生成すると、受信部9は、生成した生データをシーケンス制御部10へ送信する。
シーケンス制御部10は、収集制御部11から送信されるシーケンス情報に基づいて、傾斜磁場電源3、送信部7および受信部9を駆動することによって、被検体Pのスキャンを行う。ここで、シーケンス情報とは、傾斜磁場電源3が傾斜磁場コイル2に供給する電源の強さや電源を供給するタイミング、送信部7がRFコイル6に送信するRF信号の強さやRF信号を送信するタイミング、受信部9が磁気共鳴信号を検出するタイミングなど、スキャンを行うための手順を定義した情報である。
なお、シーケンス制御部10は、傾斜磁場電源3、送信部7および受信部9を駆動して被検体Pをスキャンした結果、受信部9から生データが送信されると、送信された生データを生データ入力部12へ転送する。
収集制御部11は、MRI装置100のスキャンを制御する。具体的には、収集制御部11は、操作者から入力される撮像条件に基づいてシーケンス情報を生成し、生成したシーケンス情報をシーケンス制御部10に送信することによってスキャンを制御する。
生データ入力部12は、シーケンス制御部10から生データを受信する。具体的には、生データ入力部12は、生データを受信すると、各生データを被検体Pごとに生データ記憶部14に格納する。また、生データ入力部12は、再構成処理に必要な生データを生データ記憶部14に格納した旨を再構成部13に通知する。
再構成部13は、生データに対して再構成処理を実行し、画像を再構成する。具体的には、再構成部13は、再構成処理に必要な生データを格納した旨を生データ入力部12から通知されると、生データ記憶部14に記憶されている生データを用いて再構成処理を実行する。また、再構成部13は、一度再構成処理を実行した生データに対して、異なる再構成フローに従った再構成処理(再再構成処理)を実行する。
生データ記憶部14は、生データを記憶する。具体的には、生データ記憶部14は、生データ入力部12によって格納された生データを記憶する。生データ記憶部14が記憶する生データは、再構成部13による処理に利用される。
以上、実施例1に係るMRI装置100の構成を説明した。次に、図3を用いて、再構成部13の構成を詳細に説明する。図3は、再構成部の構成を示すブロック図である。
再構成部13は、図3に示すように、再構成処理モジュール群記憶部13a、再構成処理モジュール管理部13b、再構成フローリスト記憶部13c、再構成フローリスト管理部13d、再構成フロー設定部13e、イベントジェネレータ13f、スケジューラ13g、再構成処理実行部13h、実行結果記憶部13i、表示部13jおよび入力部13kを備える。
再構成処理モジュール群記憶部13aは、各々独立したプログラムモジュールとして、再構成処理のプログラムモジュールを記憶する。具体的には、再構成処理モジュール群記憶部13aは、再構成処理モジュール管理部13bと接続され、再構成処理モジュール群記憶部13aが記憶するプログラムモジュール群は、再構成処理モジュール管理部13bによる処理に利用される。
例えば、再構成処理モジュール群記憶部13aは、図4に示すようなプログラムモジュール群を記憶する。図4は、再構成処理モジュール群記憶部を説明するための図である。図4に示すように、再構成処理モジュール群記憶部13aは、演算処理用モジュール群、変換処理用モジュール群、入出力用モジュール群に分類されるプログラムモジュール群を記憶する。なお、演算処理用モジュール群は、データの値が変化するだけで、データの形やサイズは変化しない処理を示す。変換処理用モジュール群は、データの形やサイズの変化も伴う処理を示す。入出力用モジュール群は、生データ記憶部14などからのデータを再構成処理用メモリに入力したり、再構成処理によって作成された画像を実行結果記憶部13iに出力したりする処理を示す。
再構成処理モジュール管理部13bは、再構成処理モジュール群を管理する。具体的には、再構成処理モジュール管理部13bは、再構成処理モジュール群記憶部13aと再構成フロー設定部13eと接続され、再構成フロー設定部13eによる指示に従って、再構成処理モジュール群記憶部13aから再構成処理モジュールを取得する。また、再構成処理モジュール管理部13bは、再構成処理モジュール群記憶部13aに記憶されている再構成処理モジュール群の追加や削除を行う。
再構成フローリスト記憶部13cは、再構成フローのリストを記憶する。具体的には、再構成フローリスト記憶部13cは、再構成フローリスト管理部13dと接続され、一つの撮像方法に対応づけて一つまたは複数の再構成フローを記憶する。また、再構成フローリスト記憶部13cは、デフォルトの再構成フローが指定されている場合には、どの再構成フローがデフォルトとして指定されているかを示す情報を記憶する。また、再構成フローリスト記憶部13cは、複数の撮像方法に関して再構成フローを記憶する。また、再構成フローリスト記憶部13cが記憶する再構成フローのリストは、再構成フローリスト管理部13dによる処理に利用される。
再構成フローリスト管理部13dは、再構成フローのリストを管理する。具体的には、再構成フローリスト管理部13dは、再構成フローリスト記憶部13cと再構成フロー設定部13eと接続され、再構成フロー設定部13eによる指示に従って、再構成フローリスト記憶部13cに記憶されている再構成フローにプログラムモジュールを追加したり、再構成フローからプログラムモジュールを削除したりする。また、再構成フローリスト管理部13dは、再構成フロー設定部13eによる指示に従って、プログラムモジュールの一部パラメータの変更を行う。
再構成フロー設定部13eは、再構成フローの設定を行う。具体的には、再構成フロー設定部13eは、再構成処理モジュール管理部13b、再構成フローリスト管理部13d、スケジューラ13g、表示部13jおよび入力部13kと接続され、『再構成処理の実行』、『再構成フロー編集』、『再再構成処理の実行』を制御する。
まず、再構成フロー設定部13eは、『再構成処理の実行』の際、所定の生データについて再構成処理を実行する旨をスケジューラ13gから通知されると、該生データの撮像方法に対応する再構成フローを、再構成フローリスト管理部13dを介して再構成フローリスト記憶部13cから取得し、取得した再構成フローをスケジューラ13gに送信する。
また、再構成フロー設定部13eは、『再構成フロー編集』または『再再構成処理の実行』の際、入力部13kから再構成フローの閲覧指示を受け付けると、受け付けた閲覧指示にて指定された再構成フローを、再構成フローリスト管理部13dを介して再構成フローリスト記憶部13cから取得し、取得した再構成フローを表示部13jに表示する。
また、再構成フロー設定部13eは、『再構成フロー編集』の際、入力部13kから再構成フローの編集指示を受け付けると、受け付けた編集指示を、再構成フローリスト管理部13dを介して再構成フローリスト記憶部13cに記憶されている再構成フローに反映するとともに反映後の再構成フローを表示部13jに表示する。例えば、編集指示が、プログラムモジュールの追加指示である場合、再構成フロー設定部13eは、再構成処理モジュール管理部13bを介して再構成処理モジュール群記憶部13aから該プログラムモジュールを取得する。そして、再構成フロー設定部13eは、取得したプログラムモジュールを、再構成フローリスト管理部13dを介して再構成フローリスト記憶部13cに記憶されている再構成フローに反映するとともに、反映後の再構成フローを表示部13jに表示する。
また、例えば、編集指示が、一部パラメータの変更である場合、再構成フロー設定部13eは、再構成フローリスト管理部13dを介して再構成フローリスト記憶部13cに記憶されている再構成フローに一部パラメータの変更を反映する。このように、再構成フロー設定部13eは、再構成フローを視覚的に閲覧・編集できるGUIエディターを実現する。
なお、再構成フロー設定部13eは、再構成フローの中に入力用モジュールが一つもない場合には、エラーを表示する。また、変換処理用モジュールは再構成処理の核となる処理であるので、撮像方法によって必須モジュールや順序が決まっている。このため、再構成フロー設定部13eは、変換処理用モジュールを削除したり順序を変更しようとする場合には、正常な再構成が行なわれない可能性がある旨の警告を表示する。なお、演算用処理は自由に追加、削除できる。
また、再構成フロー設定部13eは、『再再構成処理の実行』の際、所定の生データについて所定の内容で再再構成処理を実行する旨を入力部13kから受け付けると、対応する再構成フローを、再構成フローリスト管理部13dを介して再構成フローリスト記憶部13cから取得し、取得した再構成フローと指定された再再構成処理の内容とをスケジューラ13gに送信する。
イベントジェネレータ13fは、イベントを生成する。具体的には、イベントジェネレータ13fは、生データ入力部12とスケジューラ13gと接続され、再構成処理に必要な生データを格納した旨を生データ入力部12から通知されると、スケジューラ13gに通知する。
スケジューラ13gは、スケジュールを管理する。具体的には、スケジューラ13gは、イベントジェネレータ13f、再構成フロー設定部13e、再構成処理実行部13hおよび収集制御部11と接続され、スキャンのスケジュールや再構成処理のスケジュールを管理する。
例えば、スケジューラ13gは、再構成処理に必要な生データが生データ記憶部14に格納された旨をイベントジェネレータ13fから通知されると、再構成フロー設定部13eに通知して、該生データの撮像方法に対応する再構成フローを再構成フロー設定部13eから取得する。そして、スケジューラ13gは、再構成処理実行部13hを起動し、取得した再構成フローに従った再構成処理を再構成処理実行部13hに実行させる。
また、例えば、スケジューラ13gは、再構成フローと再再構成処理の内容とを再構成フロー設定部13eから取得すると、再構成処理実行部13hを起動し、取得した再構成フローと内容とに従った再再構成処理を再構成処理実行部13hに実行させる。
再構成処理実行部13hは、再構成処理および再再構成処理を実行する。具体的には、再構成処理実行部13hは、スケジューラ13g、生データ記憶部14、実行結果記憶部13iおよび表示部13jと接続される。再構成処理実行部13hは、『再構成処理の実行』の際、スケジューラ13gによって起動されると、スケジューラ13gが再構成フロー設定部13eから取得した再構成フローに従って再構成処理を実行し、実行結果を実行結果記憶部13iに格納するとともに表示部13iに表示する。
また、再構成処理実行部13hは、『再再構成処理の実行』の際、スケジューラ13gによって起動されると、スケジューラ13gが再構成フロー設定部13eから取得した再構成フローと再構成処理の内容とに従って再再構成処理を実行し、実行結果を実行結果記憶部13iに格納するとともに表示部13jに表示する。
この時、再構成処理実行部13hは、再構成フローに含まれる所定の処理が実行される毎に、該処理の実行結果を実行結果記憶部13iに格納する。また、再構成処理実行部13hは、再再構成処理の内容として、所定の処理の実行結果をモニタに表示する指示を受け付けると、該指示にて指定された処理の実行結果を実行結果記憶部13iから取得し、取得した実行結果を表示部13jに表示する。
実行結果記憶部13iは、再構成処理用メモリであり、実行結果を記憶する。具体的には、実行結果記憶部13iは、再構成処理実行部13hと表示部13jと接続され、再構成処理実行部13hによって所定の処理が実行される毎に該処理の実行結果を格納され、記憶する。また、実行結果記憶部13iが記憶する実行結果は、再構成処理実行部13hによって表示部13jに表示される。
表示部13jは、再構成処理や再再構成処理の実行画面や、再構成フローの編集画面を表示する。具体的には、表示部13jは、再構成フロー設定部13e、再構成処理実行部13hおよび実行結果記憶部13iと接続され、液晶表示器などの表示デバイスで実現される。
入力部13kは、閲覧指示、編集指示、再再構成処理実行指示などの各種指示や情報入力を受け付ける。入力部13kは、マウスやトラックボールなどのポインティングデバイス、あるいはキーボードなどの入力デバイスで実現される。
[実施例1における再構成部による処理手順]
続いて、図5〜13を用いて、実施例1における再構成部による処理手順を説明する。図5は、再構成フロー選択手順を示すフローチャートであり、図6は、再構成フロー選択画面を説明するための図である。また、図7は、再構成フロー編集手順を示すフローチャートであり、図8〜10は、再構成フロー編集画面を説明するための図である。また、図11は、再構成処理実行手順を示すフローチャートであり、図12および13は、再構成処理実行画面を説明するための図である。
なお、実施例1における再構成部による処理としては、主に『再構成処理の実行』、『再構成フロー編集』および『再再構成処理の実行』があるが、以下では、『再構成フロー編集』および『再再構成処理の実行』を説明する。
まず、図5に示すように、再構成部13において、再構成フロー設定部13eが、操作者による撮像データの選択を入力部13kから受け付ける(ステップS101)。例えば、再構成フロー設定部13eは、複数の撮像データ(例えば一度再構成処理が実行された最終画像など)を表示部13jに表示し、複数の撮像データの内のいずれか一つを選択する指示を入力部13kから受け付ける。なお、実施例1においては、一つの撮像データが選択されると、該撮像データに関連する撮像データ全て(例えば1シリーズ分の生データ)が選択されたものとして扱う。
次に、再構成フロー設定部13eは、ステップS101にて選択された撮像データの撮像方法に対応する再構成フローリストを、再構成フローリスト管理部13dを介して再構成フローリスト記憶部13cから取得し、取得した再構成フローリストを表示部13jに表示する(ステップS102)。例えば、図6に示すように、再構成フロー設定部13eは、再構成フローリストとして、「リスト1」、「リスト2」および「リスト3」を表示部13jに表示する。
続いて、再構成フロー設定部13eは、デフォルトの再構成フローを表示する指示を入力部13kから受け付けると、再構成フローリストの内、デフォルトの再構成フローを表示部13jに表示する(ステップS103)。例えば、図6に示すように、再構成フロー設定部13eは、再構成フロー選択画面に「デフォルト」のアイコンを表示している。操作者が該アイコンを入力部13kを用いて押下すると、再構成フロー設定部13eは、デフォルトの再構成フローリストが「リスト3」であることをチェックボックスで表示するとともに、「リスト3」の再構成フローを表示部13jに表示する。
また、再構成フロー設定部13eは、再構成フローを選択する指示を入力部13kから受け付けると(ステップS104肯定)、再構成フローリストの内、選択された再構成フローを表示部13jに表示する(ステップS105)。例えば、図6に示すように、操作者が「リスト3」のアイコンを入力部13kを用いて押下すると、再構成フロー設定部13eは、「リスト3」の再構成フローを表示部13jに表示する。
ステップS104において再構成フローを選択する指示を受け付けなかった場合(ステップS104否定)や、ステップS105において選択された再構成フローを表示部13jに表示した後、再構成フローを編集する編集指示を受け付けると(ステップS106肯定)、再構成フロー設定部13eは、『再構成フロー編集』の制御に移行する(ステップS107)。例えば、図6に示すように、再構成フロー設定部13eは、再構成フロー選択画面に「編集」のアイコンを表示している。操作者が該アイコンを入力部13kを用いて押下すると、再構成フロー設定部13eは、『再構成フロー編集』の制御に移行する。
一方、ステップS106において編集指示を受け付けなかった場合(ステップS106否定)や、ステップS107において再構成フローの編集が行われた後、再構成処理を実行する指示を受け付けると(ステップS108肯定)、再構成フロー設定部13eは、『再再構成処理の実行』の制御に移行する(ステップS109)。例えば、図6に示すように、再構成フロー設定部13eは、再構成フロー選択画面に「再構成」のアイコンを表示している。操作者が該アイコンを入力部13kを用いて押下すると、再構成フロー設定部13eは、『再再構成処理の実行』の制御に移行する。
次に、図7を用いて、図6のステップS106において編集指示が受け付けられたものとして、『再構成フロー編集』を説明する。
まず、図7に示すように、再構成フロー設定部13eは、再構成フロー編集画面を表示部13jに表示する(ステップS201)。例えば、再構成フロー設定部13eは、図8〜図10に示すような再構成フロー編集画面を表示部13jに表示する。
そして、再構成フロー設定部13eは、再構成フローやパラメータの編集指示を入力部13kから受け付け、反映後の再構成フローを表示部13jに表示する(ステップS202)。
続いて、再構成フロー設定部13eは、編集の保存指示を受け付けると(ステップS203肯定)、再構成フローリスト記憶部13cに記憶されている再構成フローに編集指示を反映する(ステップS204)。なお、実施例1における再構成フロー設定部13eは、編集の保存指示を受け付けない場合には(ステップS203否定)、再構成フローリスト記憶部13cに記憶されている再構成フローに編集指示を反映しない。
例えば、図8の(A)に示すように、再構成フロー設定部13eは、編集指示としてプログラムモジュールの追加や削除を受け付ける画面を表示部13jに表示している。操作者が、表示部13jに表示されている図8の(A)の再構成フロー編集画面を見ながら、入力部13kを用いて「位相補正」のアイコンをクリックで選択し、ドラッグ&ドロップで、「生データ読込」のアイコンと「フィルタA」のアイコンとの間に移動したとする。すると、図8の(B)に示すように、再構成フロー設定部13eは、「生データ読込」のアイコンと「フィルタA」のアイコンとの間に「位相補正」のアイコンが挿入された画面を表示する。
ここで、図8の(A)に示すように、再構成フロー設定部13eは、再構成フロー編集画面に「保存」のアイコンを表示している。操作者が該アイコンを入力部13kを用いて押下すると、再構成フロー設定部13eは、「位相補正」のプログラムモジュールが、「生データ読込」のプログラムモジュールと「フィルタA」のプログラムモジュールとの間に挿入されるように、再構成フローリスト記憶部13cに記憶されている再構成フロー(図5のステップS104において選択されたもの)に反映する。
また、例えば、図9に示すように、再構成フロー設定部13eは、編集指示として一部パラメータの変更を受け付ける画面を表示部13jに表示している。操作者が、表示部13jに表示されている図9の再構成フロー編集画面を見ながら、入力部13kを用いて再構成フローの「FFT」を選択したとすると、再構成フロー設定部13eは、再構成フロー編集画面の「処理情報」にFFT処理のパラメータを変更するための画面を表示する。こうして、操作者は、入力部13kを用いて、処理情報の[TYPE]、[DIRECTION]、[SWAPFLAG]を編集する。
ここで、図9に示すように、再構成フロー設定部13eは、再構成フロー編集画面に「保存」のアイコンを表示している。操作者が該アイコンを入力部13kを用いて押下すると、再構成フロー設定部13eは、FFT処理のパラメータ変更を再構成フローリスト記憶部13cに記憶されている再構成フロー(図5のステップS104において選択されたもの)に反映する。
また、例えば、図10に示すように、再構成フロー設定部13eは、編集指示として実行対象となるスライスの変更を受け付ける画面を表示部13jに表示している。操作者が、表示部13jに表示されている図10の再構成フロー編集画面を見ながら、入力部13kを用いて再構成フローの「slice」を選択したとすると、再構成フロー設定部13eは、再構成フロー編集画面の「処理情報」に「slice」のパラメータを変更するための画面を表示する。こうして、操作者は、入力部13kを用いて、処理情報の[Start]、[end]を編集する。任意のスライスだけを再構成することもできるので、処理時間の短縮にも繋がる。
ここで、図10に示すように、再構成フロー設定部13eは、再構成フロー編集画面に「保存」のアイコンを表示している。操作者が該アイコンを入力部13kを用いて押下すると、再構成フロー設定部13eは、実行対象となるスライスの変更を再構成フローリスト記憶部13cに記憶されている再構成フロー(図5のステップS104において選択されたもの)に反映する。
図7に戻り、再構成フロー設定部13eは、デフォルトに設定する指示を受け付けると(ステップS205肯定)、再構成フローリスト記憶部13cに記憶されている再構成フローにデフォルト設定指示を反映する(ステップS206)。なお、デフォルト設定指示を受け付けない場合には(ステップS205否定)、再構成フロー設定部13eは、処理を終了する。
次に、図11を用いて、図6のステップS108において実行指示が受け付けられたものとして、『再再構成処理の実行』を説明する。
まず、図11に示すように、再構成フロー設定部13eは、再構成処理実行画面を表示部13jに表示する(ステップS301)。例えば、再構成フロー設定部13eは、図12に示すような再構成処理実行画面を表示部13jに表示する。なお、図12に示す「slice3/10」は、この段階では表示されていない。
そして、再構成フロー設定部13eは、再再構成処理の内容指示を入力部13kから受け付ける。すなわち、再構成フロー設定部13eは、再構成フローに含まれる処理毎に、実行(Do)の「On」または「Off」の設定を受け付け(ステップS302)、処理毎に、一時停止(Pause)の「On」または「Off」の設定を受け付ける(ステップS303)。
続いて、再構成部13において、ステップS304からステップS311に示す再構成処理のループが繰り返される。具体的には、再構成フロー設定部13eは、図5のステップS104において選択された再構成フローを再構成フローリスト記憶部13cから取得し、取得した再構成フローと、ステップS302およびS303において指定された再再構成処理の内容とをスケジューラ13gに送信する。スケジューラ13gは、再構成フローと再再構成処理の内容とを再構成フロー設定部13eから取得すると、再構成処理実行部13hを起動し、取得した再構成フローと内容とに従った再再構成処理を再構成処理実行部13hに実行させる。
すなわち、再構成処理実行部13hは、図11に示すように、再構成フローに含まれる処理毎に、実行(Do)が「On」に設定されているか否かを判断し(ステップS305)、「On」に設定されている場合には(ステップS305肯定)、再構成処理を実行し、実行結果を実行結果記憶部13iに格納する(ステップS306)。一方、「On」に設定されていない場合には(ステップS305否定)、再構成処理実行部13hは、ステップS307へと移行する。
次に、再構成処理実行部13hは、一時停止(Pause)が「On」に設定されているか否かを判断し(ステップS307)、「On」に設定されている場合には(ステップS307肯定)、処理を一時停止して(ステップS308)、ステップS306において実行した処理の前後の画像を実行結果記憶部13iから取得し、表示部13jに表示する(ステップS309)。
その後、再構成処理実行部13hは、処理を再開し(ステップS310)、ステップS304からステップS311に示す再構成処理のループを繰り返す。
例えば、図12に示すように、「生データ読込」、「FFT」、「位相補正」および「FFT」の処理について実行が「On」に設定され、いずれの処理にも一時停止が設定されていなかったとする。すると、再構成処理実行部13hは、「生データ読込」の処理を実行し、実行結果を実行結果記憶部13iに格納し、次に、「FFT」の処理を実行し、実行結果を実行結果記憶部13iに格納する。続いて、再構成処理実行部13hは、「位相補正」の処理を実行し、実行結果を実行結果記憶部13iに格納し、次に、「FFT」の処理を実行し、実行結果を実行結果記憶部13iに格納する。なお、最終画像は生データ記憶部14に生データと対応づけて格納してもよいし、他のデータベースに格納してもよい。
こうして、実行結果記憶部13iは、「生データ読込」処理の実行結果、「FFT」処理の実行結果、「位相補正」処理の実行結果、「FFT」処理の実行結果を記憶する。なお、2回目の「FFT」処理の実行結果は、最終画像と同じものになる。そして、再構成処理実行部13hは、図12に示すように、最終画像を表示部13jに表示して、処理を終了する。
また、例えば、図13に示すように、「生データ読込」、「フィルタA」、「FFT」、「位相補正」および「FFT」の処理について実行が「On」に設定され、「FFT」の処理について一時停止が「On」に設定されていたとする。すると、再構成処理実行部13hは、「生データ読込」の処理を実行し、実行結果を実行結果記憶部13iに格納し、次に、「フィルタA」の処理を実行し、実行結果を実行結果記憶部13iに格納し、「FFT」の処理を実行し、実行結果を実行結果記憶部13iに格納する。
ここで、「FFT」の処理について一時停止が「On」に設定されているので、再構成処理実行部13hは、「FFT」の処理の前後の画像を実行結果記憶部13iから取得し、表示部13jに表示する。すなわち、再構成処理実行部13hは、「FFT」の処理の前の画像として、実行結果記憶部13iから「フィルタA」の処理の実行結果を取得し、また、「FFT」の処理の後の画像として、実行結果記憶部13iから「FFT」の処理の実行結果を取得する。そして、再構成処理実行部13hは、図13に示すように、「フィルタA」の処理の実行結果を「FFT before」として表示し、「FFT」の処理の実行結果を「FFT after」として表示する。
続いて、操作者から再開を指示されるなどして、再構成処理実行部13hは、「位相補正」の処理を実行し、実行結果を実行結果記憶部13iに格納し、次に、「FFT」の処理を実行し、実行結果を実行結果記憶部13iに格納する。
こうして、実行結果記憶部13iは、「生データ読込」処理の実行結果、「フィルタA」処理の実行結果、「FFT」処理の実行結果、「位相補正」処理の実行結果、「FFT」処理の実行結果を記憶する。そして、再構成処理実行部13hは、図13に示すように、最終画像を表示部13jに表示して、処理を終了する。
[実施例1の効果]
上記してきたように、実施例1に係るMRI装置100によれば、再構成処理実行部13hが、処理を実行する順序と実行結果とに相関がある一連の処理群の該順序が設定された再構成フローに従って、被検体が撮像されたデータの処理を実行する。また、再構成処理実行部13hが、処理群に含まれる所定の処理が実行される毎に、該処理の実行結果を実行結果記憶部13iに格納する。そして、再構成処理実行部13hが、所定の処理の実行結果を表示部13jに表示することを指示する指示を受け付けると、実行結果記憶部13iから取得した実行結果を表示部13jに表示する。
このようなことから、実施例1に係るMRI装置100によれば、一連の処理群から成る再構成フローを扱い易くすることが可能になる。すなわち、開発者等は、処理の内容や順序を変更して再構成フローを変更するが、従来、再構成処理の実行結果として最終画像がモニタに表示されるにすぎなかったので、処理を実行する順序と実行結果との相関が明らかとならず、処理として何を選択すべきか、あるいは順序をどのように設計すべきかなどについて、試行錯誤しなければならなかった。
これに対し、実施例1に係るMRI装置100によれば、開発者等は、処理を実行する順序と実行結果との相関関係を把握することができ、処理として何を選択すべきか、あるいは順序をどのように設計すべきかなどについて、円滑に決定することが可能になる。
また、実施例1に係るMRI装置100によれば、再構成フロー設定部13eが、再構成フローに設定された一連の処理群の内容および順序を表示部13jに表示するとともに該設定の変更指示を受け付ける受付画面を表示部13jに表示する。また、再構成フロー設定部13eが、変更指示を入力部13kにて受け付けると、受け付けた該変更指示を該再構成フローの設定に反映するとともに反映後の再構成フローの設定を表示部13jに表示する。
このようなことから、実施例1に係るMRI装置100によれば、再構成フローを視覚的に閲覧、編集できるGUIエディターが実現し、開発者等は、撮像方法によってどのような再構成処理を行っているかを容易に理解できる。また、一部の処理の追加、削除、置換、順序入れ替えなどがドラッグ&ドロップで容易に行なえる。また、処理の一部のパラメータを変更することもできる。また、処理の途中で再構成処理を停止することもでき、途中の画像を閲覧、保存することもできる。
[他の実施例]
さて、これまで本発明の実施例について説明したが、本発明は上述した実施例以外にも、種々の異なる形態にて実施されてよいものである。
[実行結果の他の表示例]
実施例1において説明したように、MRI装置100は、再構成フローに含まれる所定の処理が実行される毎に処理の実行結果を実行結果記憶部13iに格納する。このため、実行結果記憶部13iは、処理毎の実行結果を記憶しているので、再構成フロー設定部13eは、実行結果を様々な形で表示部13jに表示することができる。以下では、図14を用いて、実行結果の他の表示例を説明する。
例えば、MRI装置100の操作者が、新規の撮像手法を開発したり既存の撮像手法を改善したりすることを目的として、再構成フローを変更しようとしているとする。例えば、図14の(A)に示すように、「A」、「B」、「C」、「D」の順序で行なわれている再構成フローの内、「B」の処理を「B2」の処理に変更し、「A」、「B2」、「C」、「D」の順序で行なわれる再構成フローとしたとする。
従来では、操作者は、実行結果として、変更前の再構成フローに従って実行された再構成処理の最終画像、および変更後の再構成フローに従って実行された再構成処理の最終画像のみを、表示部13jで確認していた。ここで、両最終画像間に大きな差異がみられない場合、「B」の処理を「B2」の処理に変更することで画像に何らかの影響があったのか、あるいはなかったのかを操作者は知ることができない。
これに対し、例えば、MRI装置100は、図14の(B)に示すように、実行結果を表示する。すなわち、実行結果記憶部13iは、変更前の再構成フローを実行した実行結果として、「A」処理の実行結果、「B」処理の実行結果、「C」処理の実行結果、および「D」処理の実行結果(最終画像)を記憶している。また、実行結果記憶部13iは、変更前の再構成フローを実行した実行結果として、「A」処理の実行結果、「B2」処理の実行結果、「C」処理の実行結果、および「D」処理の実行結果(最終画像)を記憶している。
例えば、操作者が、変更前の再構成フローの実行結果と変更後の再構成フローの実行結果との比較を、「B」処理以降(「B2」処理以降)について表示するよう指示を入力したとする。すると、再構成処理実行部13hは、図14の(B)に示すように、変更前の「B」処理の実行結果と変更後の「B2」処理の実行結果とを対比するように、変更前の「C」処理の実行結果と変更後の「C」処理の実行結果とを対比するように、変更前の最終画像と変更後の最終画像とを対比するように、表示部13jに表示する。
すると、操作者は、この表示を見て、「B」処理の実行結果と「B2」処理の実行結果との間には大きな差異があるが、「C」処理の実行結果と「C」処理の実行結果との間には大きな差異がなく、結局、両最終画像間に大きな差異がみられない(改善がみられない)ことを知る。そして、操作者は、最終画像の改善のためには、「C」処理の変更がさらに必要であることを容易に判断することができる。
[再構成フローの共有]
ところで、実施例1に係るMRI装置のように、本発明によれば、新規の撮像手法の開発や既存の撮像手法の改善が円滑かつ容易に行なわれる結果、撮像手法に対応づけられた再構成フローも多数開発されるようになる。そこで、例えば、MRI装置や画像処理装置によって開発された再構成フローが有効活用されるように、再構成フローを共有するシステムを構築してもよい。
例えば、MRI装置や画像処理装置において開発された再構成フローを、外部の開発者等が利用可能なネットワークに接続されたサーバにアップロードする。このアップロードは、再構成フローが開発される度に実施されてもよいし、定期的に実施されてもよい。サーバは、撮影方法と対応づけて再構成フローを記憶する。また、サーバは、単に再構成フローを記憶するだけでなく、デフォルトの設定や開発時の実行結果(処理毎の画像や最終画像など)を併せて記憶してもよい。
すると、外部の開発者等は、ネットワークを介してサーバにアクセスすることで、サーバに記憶されている再構成フローを閲覧することができる。また、外部の開発者等は、撮影方法と対応づけて再構成フローを閲覧することができ、デフォルトの再構成フローがどれであるのか、あるいは開発時の実行結果なども併せて閲覧することができる。そして、外部の開発者等は、サーバに記憶されたこれらの再構成フローをダウンロードしたり、あるいはダウンロードした再構成フローをさらに編集したりすることができる。
なお、再構成フロー編集のためのGUIツールもダウンロードできるようにすることで、外部の開発者等は、実施例1と同様の画面でダウンロードした再構成フローを編集することも可能になる。
[自動後処理]
また、上記の実施例1においては、一連の処理群から成る処理フローとして再構成フローを例に挙げて説明したが、本発明はこれに限られるものではなく、自動後処理フローにも同様に適用することができる。従来、自動後処理に関しては、撮像ごとに作成する画像の種類や転送する画像の種類などが異なり、処理内容を把握することが容易ではなかった。
これに対し、例えば、本発明に係る自動後処理を行なう画像処理装置(もしくはMRI装置)においては、操作者が、処理の対象とする処理画像を選択すると、選択された処理画像から、必要な原画像(収集画像)が自動的に選ばれる。すると、画像処理装置は、例えば図15に示すような自動後処理フロー設定画面をモニタに表示する。
ここで、操作者は、アイテムリストとして表示されているアイコンをマウスでクリックするなどして選択し、ドラッグ&ドロップで移動させることで、後処理フローを編集することができる。例えば、「画像強調フィルタ」や「位置補正」などの処理を追加したり削除したりすることができる。また、図15においては、操作者が、処理の実行結果を記憶部に格納するものとして選択した画像(画像登録する画像の種類)が縁取りの太線で示されている。さらに、操作者は、画像登録する画像と、CDなどの記録媒体やDICOM(Digital Imaging and Communications in Medicine)による転送先とを線で結ぶことで、転送先を指定することができる。
すると、画像処理装置(もしくはMRI装置)は、処理を実行する順序と実行結果とに相関がある一連の処理群の該順序が設定された自動後処理フローに従って、原画像の処理を実行し、自動後処理フローに含まれる所定の処理が実行される毎に、該処理の実行結果を記憶部に格納する。すなわち、画像処理装置は、「歪み補正」処理を実行すると、「歪み補正」処理の実行結果を記憶部に格納し、「位置補正」処理を実行すると、「位置補正」処理の実行結果を記憶部に記憶するなどする。
また、画像処理装置は、所定の処理の実行結果を所定の外部装置に転送することを指示する指示を受け付けると、指示にて指定された処理の実行結果を記憶部から取得し、取得した実行結果を該指示にてCDに記録したり、PACS(Picture Archiving and Communication System)ネットワークを介して転送先に転送したりする。
このようなことから、本発明によれば、自動後処理を扱い易くすることが可能になり、また、処理過程を確認することも可能になる。
[システム構成等]
上記の実施例においては、一連の処理群に含まれる処理全ての実行結果を実行結果記憶部に格納する手法を説明したが、本発明はこれに限られるものではなく、予め一部の処理を指定するなどして、一部の処理の実行結果を実行結果記憶部に格納する手法でもよい。
また、上記の実施例においては、再再構成処理や自動後処理等の機能がMRI装置の一部として備えられる事例を説明したが、本発明はこの構成に限られるものではなく、PACSのネットワークを介して接続された画像処理装置に備えられてもよい。この場合には、画像処理装置は、被検体が撮像されたデータを受け付けるデータ受付部と、処理を実行する順序と実行結果とに相関がある一連の処理群の該順序が設定された処理フローに従って、データ受付部によって受付けられたデータの処理を実行する処理実行部と、処理実行部によって処理群に含まれる所定の処理が実行される毎に、該処理の実行結果を記憶部に格納する実行結果格納部と、所定の指示を受け付けると、該指示にて指定された処理の実行結果を記憶部から取得し、取得した実行結果に対して該指示を実行する指示実行部とを備える。
また、実施例において説明した各処理のうち、自動的におこなわれるものとして説明した処理の全部または一部を手動的におこなうこともでき、あるいは、手動的におこなわれるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的におこなうこともできる。この他、上記文書中や図面中で示した処理手順、制御手順、具体的名称、各種のデータやパラメータを含む情報については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。
また、図示した各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。さらに、各装置にて行なわれる各処理機能は、その全部または任意の一部が、CPUおよび当該CPUにて解析実行されるプログラムにて実現され、あるいは、ワイヤードロジックによるハードウェアとして実現され得る。