JP5413892B2 - 有機・ナノ炭素複合系薄膜太陽電池 - Google Patents

有機・ナノ炭素複合系薄膜太陽電池 Download PDF

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Description

本発明は、有機・ナノ炭素複合系薄膜太陽電池に関する。
現在、化石燃料に代わる新たなエネルギー源として、太陽電池が注目されている。太陽電池は、光を直接電気エネルギーに変換するので、発電の際に二酸化炭素を全く排出しないクリーンなエネルギー源である。現在、市場で広く知られている太陽電池は、主に、シリコン系太陽電池に代表される、いわゆる無機太陽電池である。
シリコン系太陽電池などの無機太陽電池は、高効率・長寿命という利点を有するが、複雑な製造過程で製造されており、製造時のエネルギーコストが高く、しかも、それを上回るエネルギーの回収は今のところ困難である。
一方、有機半導体を用いた太陽電池、いわゆる有機太陽電池は、無機太陽電池に比べて、製造工程の容易さから、低コストで大面積化が可能であるという利点を有するが、現在のところ、エネルギー変換効率が低く、実用レベルには達していない。
現在までに知られている有機半導体としては、p型半導体特性を示すものが多い。これは有機分子が一般に酸化されやすく、空気中の酸素が電子受容性の不純物として働き、有機分子中に正のキャリアーを発生させるためである。
また、一方で、有機太陽電池に適用可能なn型半導体の例は非常に数が少なく、例えば、電子受容性を有するC60に代表されるフラーレン類から作製されたものなどが知られている。フラーレン類は、ナノ炭素と総称される新しい炭素であり、その電子構造が全く異なるので、シリコン系太陽電池などの無機太陽電池で使用するシリコン系半導体と比べると、太陽電池の構成素材として用いること自体が新しく、有機n型半導体としてその応用が期待される。
実際には、フラーレン類をn型半導体として応用した有機太陽電池の例としては、このようなフラーレン類のn型半導体と、p型半導体とのpn接合を利用したものが報告されている(特許文献1〜7)。
しかし、特許文献1〜7に開示の有機太陽電池において、電荷担体の移動性は比較的低く、光エネルギー吸収帯の幅は非常に狭いものであった。さらに、有機太陽電池において、p型半導体の材料として、フタロシアニン類を使用することが知られている(特許文献1、4、5、6および7)。しかし、フタロシアニン類をp型半導体の材料として使用しても、上述の通り、光エネルギー吸収帯の幅は非常に狭いものであった。
そこで、本発明者は、p型半導体としてフタロシアニン亜鉛(ZnPc)またはテトラキス(4−クミルフェノキシ)フタロシアニン銅(CuPc)を使用し、n型半導体としてC60を使用した有機太陽電池を作製したが、これらの有機太陽電池においても、光エネルギー吸収帯の幅は非常に狭いものであった(非特許文献1)。
また、一般に、ダイヤモンドは、優れた熱伝導率および硬度を有し、さらに、半導体としての性質をも有しているので、発光素子、トランジスタ、電子ペーパーなどの電子デバイスへとしての応用が検討されている。例えば、特許文献8は、p型半導体としてナノダイヤモンド層を使用した太陽電池を開示するが、これは無機太陽電池に該当するものであり、ナノダイヤモンドを有機太陽電池に利用した例はこれまでにない。また、特許文献8は、フラーレン類およびフタロシアニン類について、全く言及していない。さらに、特許文献8において、ナノダイヤモンド層の使用によって、光エネルギー吸収帯の幅が拡大されたとの記載もない。また、特許文献9には、超分散状態ナノ炭素およびその製造方法が開示されているが、有機太陽電池への応用は開示も教示もされていない。
特開平9−74216号公報 特開2000−261016号公報 特開2006−222429号公報 特開2007−59457号公報 特開2008−130889号公報 特開2009−76683号公報 特開2009−135237号公報 特開2009−88029号公報 特開2005−1983号公報
Takeo Oku et al., Materials Transactions, Vol. 49, No. 11 (2008) pp. 2457 to 2460
本発明は、簡便かつ安価に製造することができ、しかも、幅広い光エネルギー吸収帯を有する、有機・ナノ炭素複合系薄膜太陽電池(以下、有機太陽電池)の提供を目的とする。
本発明者らは、鋭意研究の結果、親水性基を有する金属フタロシアニンおよびナノダイヤモンドを含む層と、フラーレンを含む層とを組み合わせて使用すると、親水性基を有する金属フタロシアニンおよびナノダイヤモンドを含む層がp型半導体として作用し、フラーレンを含む層がn型半導体層として作用し、これら2つの層が、pn接合によって、いわゆる有機太陽電池として作用することを見出し、本発明を完成するに至った。従って、本発明は以下の有機薄膜太陽電池を提供する。
導電性基板、
導電層、
p型半導体として、親水性基を有する金属フタロシアニンおよびナノダイヤモンドを含む層、
n型半導体として、フラーレンを含む層、および
金属電極層
をこの順で備える、太陽電池。
本発明の太陽電池において、好ましくは、前記ナノダイヤモンドは、爆轟法で得られたナノダイヤモンドである。
本発明の太陽電池において、好ましくは、前記ナノダイヤモンドの平均粒径は、4.8±0.7nmである。
本発明の太陽電池において、好ましくは、前記金属フタロシアニンの親水性基は、カルボキシル基、スルホン酸基、リン酸基からなる群から選択される。
本発明の太陽電池において、好ましくは、前記親水性基を有する金属フタロシアニンは、式:
Figure 0005413892
(式中、Mは、Fe、Co、Zn、PbまたはSnであり、nは、それぞれ独立して、1または2である)を有する金属フタロシアニンである。
本発明の太陽電池において、好ましくは、前記金属フタロシアニンの中心金属(M)は、Coである。
本発明の太陽電池において、好ましくは、前記フラーレンは、C60である。
本発明の太陽電池において、好ましくは、前記導電層は、導電性高分子層である。
本発明の太陽電池において、好ましくは、前記導電性高分子層は、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)−ポリ(スチレンスルホネート)(PEDOT:PSS)から形成される。
本発明の太陽電池において、好ましくは、前記導電性基板は、ITOガラス基板である。
本発明の太陽電池において、好ましくは、前記金属電極層は、アルミニウム電極層である。
本発明の太陽電池は、好ましくは、
ITOガラス基板、
前記ITOガラス基板のITO上に配置されたポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)−ポリ(スチレンスルホネート)(PEDOT:PSS)から形成された導電層、
p型半導体として、親水性基を有する金属フタロシアニンおよびナノダイヤモンドを含む層、
n型半導体として、C60フラーレンを含む層、および
アルミニウム電極層
をこの順で含む、太陽電池である。
本発明の太陽電池において、好ましくは、前記親水性基を有する金属フタロシアニンおよびナノダイヤモンドを含む層の厚さは、100〜200nmである。
また、本発明は、親水性基を有する金属フタロシアニンおよびナノダイヤモンドを塗布して、親水性基を有する金属フタロシアニンおよびナノダイヤモンドを含む層を形成する工程と、フラーレンを塗布または蒸着して、フラーレンを含む層を形成する工程とを含む、上記の太陽電池の製造方法に関する。
本発明の製造方法において、前記親水性基を有する金属フタロシアニンおよびナノダイヤモンドを含む層を形成する工程において、好ましくは、前記親水性基を有する金属フタロシアニンとナノダイヤモンドとを水中に含む混合液を塗布する。
本発明の製造方法において、好ましくは、前記混合液において、ナノダイヤモンドは分散状態で存在する。
本発明の製造方法において、好ましくは、前記ナノダイヤモンドの平均粒径は、4.8±0.7nmである。
太陽電池は、一般に、図1の概略図に示す通り、1組のp型半導体とn型半導体とを有し、太陽電池が光エネルギーを受けると、いわゆるpn接合領域において、光起電力効果によって、電力(電流および電圧)が発生する。なお、太陽電池ではn型半導体側の電極が陰極(−)となり、p型半導体側の電極が正極(+)となる。
本発明は、図2の概略図に示す通り、p型半導体として「親水性基を有する金属フタロシアニンおよびナノダイヤモンドを含む層」を有し、n型半導体として「フラーレンを含む層」を有する、いわゆる有機太陽電池(すなわち、非シリコン系太陽電池)に関する。
上述の通り、フタロシアニン類は、従来から、p型半導体の材料として使用され、C60などのフラーレン類も、また、n型半導体の材料として使用されてきたものである。
しかし、p型半導体としてフタロシアニン類を使用し、n型半導体としてフラーレン類を使用して作製した従来の有機太陽電池では、電荷担体の移動性が低く、なおかつ、光エネルギー吸収帯の幅が非常に狭いものであった。
また、従来では、無機p型半導体の材料として、ナノダイヤモンドが知られていた(特許文献8)。しかし、特許文献8では、ナノダイヤモンドは、一般的な無機半導体材料であるシリコン(Si)の代替材料として、検討されており、特許文献8は、ナノダイヤモンドの有機太陽電池のp型半導体への適用を検討したものではない。また、これまで、ナノダイヤモンドを有機太陽電池に適用した例は1つもなく、さらに、ナノダイヤモンドをフタロシアニン類、フラーレン類などの材料と組み合わせて使用した例もなかった。
そこで、本発明では、p型半導体として「親水性基を有する金属フタロシアニンおよびナノダイヤモンドを含む層」を使用し、n型半導体として「フラーレンを含む層」を使用すると、驚くべきことに、幅広い光エネルギー吸収帯を達成することができた。
太陽電池の概略図である。 本発明の有機太陽電池の好ましい実施態様の概略図である。 本発明の有機太陽電池のさらに好ましい実施態様の概略図である。 実施例1および比較例1で作製した太陽電池素子の光吸収スペクトルである。 実施例2および比較例2で作製した太陽電池素子の光吸収スペクトルである。
以下に本発明を実施するための形態を詳細に説明するが、これらは本発明を限定するものではない。
一般に、太陽電池は、図1の概略図に示す通り、1組のp型半導体とn型半導体とを備え、太陽電池は、光エネルギーを受けると、p型半導体とn型半導体との接合領域、いわゆるpn接合領域において、光起電力効果によって、電力(電流および電圧)が発生する。なお、太陽電池では、n型半導体に配置した電極が陰極(−)となり、p型半導体に配置した電極が正極(+)となる。
本発明の太陽電池は、p型半導体として作用する「親水性基を有する金属フタロシアニンおよびナノダイヤモンドを含む層」(本明細書中、以下、光吸収層(または光電変換層)と称する場合もある)と、n型半導体として作用する「フラーレンを含む層」とを含み、従来のシリコン(Si)などの無機材料を用いた無機太陽電池とは明確に区別することができる。また、本発明の太陽電池は、親水性基を有する金属フタロシアニンおよびナノダイヤモンドを導電性基板またはその上に形成された導電層の上に塗布して、「親水性基を有する金属フタロシアニンおよびナノダイヤモンドを含む層」をp型半導体として形成する工程と、フラーレンを塗布または蒸着して「フラーレンを含む層」をn型半導体として形成する工程とを含む方法によって、製造することができる。以下に本発明の太陽電池に含まれる各構成要素および製造方法を詳細に説明する。
光吸収層(光電変換層)
本発明の有機太陽電池において、p型半導体として作用する光吸収層(光電変換層)は、有機化合物として「親水性基を有する金属フタロシアニン」を含み、さらに「ナノダイヤモンド」を含むことを特徴とする。本発明の太陽電池では、光吸収層に「親水性基を有する金属フタロシアニン」と「ナノダイヤモンド」とを組み合わせて配合することによって、好適な幅広い光エネルギー吸収帯を実現することができる。
親水性基を有する金属フタロシアニン
フタロシアニンは、一般に、電子供与性の有機化合物であり、有機太陽電池において、p型半導体として作用することが知られている。本発明では、フタロシアニンのなかでも、親水性基を有するフタロシアニン類と金属原子とが錯体を形成した、親水性基を有する金属フタロシアニンを使用することを特徴とする。本発明に用いる親水性基を有する金属フタロシアニンとしては、特に限定はなく、例えば、テトラカルボン酸金属フタロシアニン、オクタカルボン酸金属(Me=Cu、Co、Fe、Ni、Al及びCrのような多価金属)フタロシアニン、テトラスルホン酸金属(Me=Cu、Co、Fe、Ni、Al及びCrのような多価金属)フタロシアニン、オクタスルホン酸金属(Me=Cu、Co、Fe、Ni、Al及びCrのような多価金属)フタロシアニンなどの特開平10−101673号公報などに記載のものを使用することができる。本発明の金属フタロシアニンが有する親水性基の種類および数には特に限定はなく、また、親水性基を有する金属フタロシアニンは、異なる種類の親水性基を有していてもよい。
本発明の金属フタロシアニンが有する親水性基としては、例えば、カルボキシル基、スルホン酸基、リン酸基などが挙げられ、なかでも、汎用性、価格、安全性、製造上の簡便性及び親水性の制御の観点から、カルボキシル基およびスルホン酸基が特に好ましい。親水性基を有する金属フタロシアニンは優れた水溶性を示すので、金属フタロシアニンを含む水溶液として取り扱うことができ、塗布工程が容易にでき、太陽電池の製造方法が非常に簡便となる。
親水性基としてカルボキシル基を有する金属フタロシアニンとしては、例えば、以下の式(1)を有するものが好適に用いることができる。
Figure 0005413892
(式中、Mは、Fe、Co、Zn、PbまたはSnであり、nは、それぞれ独立して、1または2である)
本発明の親水性基を有する金属フタロシアニンは好ましくは上記式(1)のカルボキシル基を有する金属フタロシアニンであり、さらに金属フタロシアニンの中心金属(M)がCoであることがさらに好ましい。
また、親水性基としてスルホン酸基を有する金属フタロシアニンとしては、例えば、以下の式(2)を有するものが好適に用いることができる。
Figure 0005413892
(式中、Mは、Fe、Co、Zn、PbまたはSnであり、mは、それぞれ独立して、1または2である)
上記式(1)または(2)のカルボキシル基またはスルホン酸基を有する金属フタロシアニンは、例えば、特開平10−101673号公報などに記載の公知の方法に従って、簡便に調製することができる。
本発明では、好ましくは、親水性基を有する金属フタロシアニンの水溶液を導電性基板またはその上に形成された導電層上に塗布し、その後、乾燥させることによって、電子供与性を有する光吸収層(光電変換層)、すなわちp型半導体層を簡便に形成することができる。
親水性基を有する金属フタロシアニンの塗布は、例えば、バーコーター、ディップコーター、スピンコーター、ローラーコーター等を用いて、当業者に公知の方法に従って、適切に行えばよい。塗布後の乾燥は、必要に応じて、例えば、80〜150℃で10〜60分間行えば十分である。
さらに、本発明では、幅広い光エネルギーの吸収帯の達成を目的として、光吸収層に「ナノダイヤモンド」を配合する。
ナノダイヤモンド
本発明で用いることのできるナノダイヤモンドは、直径約5nm程度の極めて小さなダイヤモンドであり、爆轟法ダイヤモンドの一次粒子分散体として入手することができ、優れた熱伝導率、ヤング率、熱膨張率および硬度を有するだけでなく、平均粒径が小さく、比表面積が大きいという特徴をも有する。また、爆轟法によって得られたナノダイヤモンドの分散体は太陽電池素子用途に最適である。さらに、ナノダイヤモンドの分散体は、比較的安価であり、しかも、日本国内で生産され、入手が容易である。
ナノダイヤモンドについては、「一桁ナノバッキーダイヤモンド粒子の構造と開発指針」大澤映二、機能材料、2009,29『新材料“ナノダイヤモンド”の開発』特集6月号、6−14頁、『新材料ナノダイヤモンドの開発』特集6月号、30−34頁、「一桁ナノダイヤモンド粒子の構造と性質」大澤映二、表面科学、2009,30[5],5月号『ナノダイヤモンドの基礎と最近の展開』特集,258−266、「一桁ナノダイヤモンド分散粒子」大澤映二、未来材料、2009,9[41],12−18.等に説明されている。
ナノダイヤモンドの爆轟製造方法を具体的に説明すると、下記の文献に示されている通り、爆轟法は、トリニトロトルエン及びヘキソーゲン混合炸薬を爆発させることにより、ナノサイズのダイヤモンドを得ることができる優れた方法である(“Monodisperse single−nano diamond particulates,”Osawa,E.Pure&Appl.Chem.2008,80[7],1365−1379、「産業材料としてのダイヤモンド―爆轟法ナノダイヤモンドのいま―」大澤映二、科学と工業、2009,83[4],123−134.)。
ナノダイヤモンドは、水などの溶媒に容易に分散して安定なコロイド溶液を与える。そこで、水などの溶媒にナノダイヤモンドを分散させて分散体を調製し、ナノダイヤモンドの水中分散体を塗布することによって、光吸収層にナノダイヤモンドを配合することができる。また、ナノダイヤモンド水中分散体を使用することによって、非常に簡便に均一なナノダイヤモンド層を形成することができる。
このようなナノダイヤモンドの一次粒子分散体およびそのコロイド溶液の製造は、特殊な技術を必要とし、一般的ではないが、便利な市販品を使用することができる。現在のところ「ナノアマンド」(商品名)(ナノ炭素研究所製、平均粒径=4.8±0.7nm)のみが入手可能である。
なお、ナノダイヤモンドは、水に安定して分散するが、水以外の汎用有機溶媒中には一般に分散せず、大きな凝集体として沈降する。ジメチルスルホキシド(DMSO)、エチレングリコール、N−メチルピロリドンなど2、3種の溶媒に分散するが、得られるコロイドは必ずしも安定ではない。
本発明では、望ましくは、ナノダイヤモンドの水中分散体と、上述の親水性基を有する金属フタロシアニンの水溶液とを組み合わせて、すなわち併用して、より好ましくはナノダイヤモンド水中分散体と親水性基を有する金属フタロシアニン水溶液とを混合して、導電性基板またはその上に形成された導電層に直接塗布することによって、親水性基を有する金属フタロシアニンとナノダイヤモンドとを含む光吸収層を形成することができる。
金属フタロシアニンとナノダイヤモンドの重量比(金属フタロシアニン/ナノダイヤモンド)は、特に限定はなく、1/9〜9/1の範囲内であればよい。
混合物の塗布は、例えば、バーコーター、ディップコーター、スピンコーター、ローラーコーター等を用いて、当業者に公知の方法に従って、適切に行えばよい。塗布後の乾燥は、必要に応じて、例えば、80〜150℃で10〜60分間行えば十分である。
親水性基を有する金属フタロシアニン水溶液とナノダイヤモンド水中分散体とを混合して塗布すると、親水性基を有する金属フタロシアニンおよびナノダイヤモンドがそれぞれ光吸収層中に均一に分布し、なおかつ、均一な厚さの非常に薄い光吸収層を形成することができるので好ましい。
前記ナノダイヤモンドの平均粒径は、爆轟法ダイヤモンドの特質として、ある一定範囲に限定され、その範囲とは4.8±0.7nmである。爆轟工程は制御不可能であるので、この粒径分布を持った製品のみが用いられる。
本発明において、p型半導体として作用する光吸収層の厚さは、好ましくは50〜300nm、より好ましくは100〜200nmである。光吸収層の厚さが50nm未満であると、すべての光を吸収できないなどの問題の恐れがあり、300nmを超えると、電気抵抗増加などの問題の恐れがある。
本発明の有機太陽電池では、p型半導体である光吸収層として、親水性基を有する金属フタロシアニンおよびナノダイヤモンドを含む層を用いると、上述の通り、電子供与性を有する均一な厚さの薄膜を形成することができるだけでなく、さらに親水性基を有する金属フタロシアニンとナノダイヤモンドとの相乗効果によって、太陽光スペクトルの広い範囲にわたって、光エネルギーを効率よく吸収することができる。従来では、有機太陽電池の光吸収層(p型半導体)にナノダイヤモンドを配合した例はなく、また、光吸収層において、親水性基を有する金属フタロシアニンとナノダイヤモンドとを組み合わせて使用した例もない。また、従来では、ナノダイヤモンドが半導体性を示すことは知られていたが、本発明のように、粒径の制御されたナノダイヤモンドと親水性基を有する金属フタロシアニンとを組み合わせることによって、幅広い光エネルギー吸収帯が得られることは、予想外の非常に驚くべき相乗効果であった。
また、本発明では、親水性基を有する金属フタロシアニン水溶液と、ナノダイヤモンド水中分散体とをそれぞれ同時に塗布して、親水性基を有する金属フタロシアニンおよびナノダイヤモンドを含む光吸収層を形成してもよい。あるいは、親水性基を有する金属フタロシアニン水溶液と、ナノダイヤモンド水中分散体とをそれぞれ別々に塗布して、親水性基を有する金属フタロシアニン層およびナノダイヤモンド層の2層からなる光吸収層を形成してもよい。この場合、親水性基を有する金属フタロシアニン層の上にナノダイヤモンド層を形成してもよく、ナノダイヤモンド層の上に親水性基を有する金属フタロシアニン層を形成してもよい。
本発明の有機太陽電池は、上述の通り、p型半導体として「親水性基を有する金属フタロシアニンおよびナノダイヤモンドを含む層」を有することを特徴とするが、本発明では、このようなp型半導体と組み合わせて使用するn型半導体として、「フラーレン」(特にC60)を含む層が特に好ましい。
フラーレンを含む層
「フラーレン」とは、炭素原子のみから構成される球殻状分子構造を有する炭素同素体の総称であり、例えば、炭素原子60個からなるサッカーボール状のC60、その類縁体であるC70、C76、C78、C82、C84、C90、C96等、ならびにその誘導体をすべて含めて、本発明ではフラーレン(またはフラーレン類)と称する。フラーレンは、その特殊な構造から、電子受容性を有するので、n型半導体として作用することができる。量産可能なフラーレンは、C60、およびC60+C70混合物に限られ、また顕著な電子受容性の原因である大きな負の電気陰性度を持つフラーレンもC60およびC70に限定される。工業的生産手段が限られていることを考慮すると、本発明の対象となるフラーレンはC60およびその誘導体を用いることが最適である。
フラーレンは、例えば、希ガス雰囲気下、グラファイト棒のアーク放電で作製した炭素スス中に数%〜数十%で存在し、これをトルエン等の有機溶媒で抽出すると、C60を主成分とするフラーレン混合物を得ることができる。さらにこのフラーレン混合物をカラムクロマトグラフィー等で精製すると、フラーレン(特にC60)を高純度で得ることができる。ただし、これらの方法は収率が低く、純度も悪く実験室的製造方法の域を出ない。圧倒的に有利なC60製造方法として第二世代燃焼法を使用することができる。後者はすでに工業生産法として確立されている。
本発明の有機太陽電池では、上述の電子供与性を有するp型半導体の上に、電子受容性のフラーレンを塗布または蒸着することによって、n型半導体層を形成することができる。
フラーレンを塗布してフラーレン層を形成する場合、フラーレンを適切な溶媒に溶解または分散させて、フラーレンを塗布することが好ましい。本発明において使用することのできる溶媒としては、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレン、エチルベンゼン、n−プロピルベンゼン、クメン等の芳香族系溶媒;クロロベンゼン、ブロモベンゼン、ジクロロベンゼン、ジクロロエタン、トリクロロエタン、テトラクロロエタン等のハロゲン化芳香族系溶媒あるいはハロゲン化脂肪族系溶媒などが挙げられるが、これらに限定されない。また、これらの溶媒を単独または2種以上を組み合わせて使用してもよい。
フラーレンの塗布は、例えば、バーコーター、ディップコーター、スピンコーター、ローラーコーター等を用いて、当業者に公知の方法に従って、適切に行えばよい。塗布後の乾燥は、必要に応じて、例えば、80〜150℃で10〜60分間行えば十分である。
また、蒸着によってフラーレン層を形成する場合、フラーレンの蒸発温度を下げるために、減圧下、好ましくは10−3〜10−7Pa、より好ましくは10−5〜10−7Paでフラーレンの蒸着を行うことが好ましい。
n型半導体として作用するフラーレン層の厚さは、好ましくは50〜300nm、より好ましくは100〜200nmである。フラーレン層の厚さが50nm未満であると、層の不均一性などの問題の恐れがあり、300nmを超えると、電気抵抗増加などの問題の恐れがある。
本発明では、上述の通り、電子受容性を有するフラーレンを含む層、すなわちn型半導体層を非常に簡便な操作で、非常に薄く、しかも、均一に作製することができる。本発明の太陽電池では、低価格で入手しやすいという観点から、フラーレンとして、C60を使用することが好ましい。
このように、本発明の有機太陽電池は、p型半導体として「親水性基を有する金属フタロシアニンおよびナノダイヤモンドを含む層」(すなわち光吸収層)を有し、このp型半導体層上に、n型半導体として「フラーレンを含む層」を有する構造を特徴とする。p型半導体として作用する光吸収層において「親水性基を有する金属フタロシアニン」と粒径の制御された「ナノダイヤモンド」とを組み合わせて使用するだけでなく、さらに、n型半導体として「フラーレン(特にC60)を含む層」を使用することによって、本発明では、従来にない幅広い光エネルギー吸収帯を有する有機太陽電池を提供することができる。
本発明の有機太陽電池の好ましい実施態様としては、図2に示す通り、「導電性基板」、「導電層」、p型半導体として「親水性基を有する金属フタロシアニンおよびナノダイヤモンドを含む層」(光吸収層)、n型半導体として「フラーレンを含む層」、および「金属電極層」をこの順序で積層してなる素子を含む有機太陽電池が挙げられる。
導電性基板
本発明の有機太陽電池で使用することのできる導電性基板としては、ある程度の透明性および導電性を有し、電極として作用することができるものであれば特に限定はない。このような導電性基板としては、例えば、プラスチックまたはガラスなどの透明基板の上に導電性の膜を形成したものなどが挙げられる。また、本発明において、市販の導電性基板を使用してもよい。市販の導電性基板としては、ガラス基板上に導電性膜としてITO(酸化インジウムスズ(Indium Tin Oxide))の膜を形成した、いわゆるITOガラス基板などが特に好ましい。また、ITOガラス基板だけでなく、ある程度の透明性を有する導電性基板、例えば、FTO(フッ素ドープ酸化スズ)ガラスなども本発明において使用することができる。使用する導電性基板の厚さ、導電性基板の導電性膜の厚さおよび表面抵抗に特に制限はない。
本発明の有機太陽電池では、導電性基板の導電性を有する面の上に、キャリアー輸送層(すなわち、電流輸送層)として作用する「導電層」をさらに設けてもよい。
導電層
本発明の有機太陽電池において適用することのできる導電層は、キャリアー(電流)輸送層として作用することができるものであれば特に限定はないが、有機太陽電池の利便性を損なわないものであることが望ましい。すなわち、有機太陽電池は、p型半導体層が主に有機化合物で形成されることから、太陽電池自体に優れた柔軟性を付与することができ、従来のシリコン系太陽電池にはない、優れた柔軟性および利便性を提供することができる。従って、本発明の有機太陽電池において適用することのできる導電層は、ある程度の柔軟性および導電性を有する高分子材料から形成されることが好ましい。
このようなある程度の柔軟性および導電性を有する導電性高分子としては、例えば、ポリアルキルチオフェン類、ポリパラフェニレンビニレン類等が挙げられる。なかでも、キャリアーの輸送効率、溶液の取り扱いやすさなどの観点から、以下の式で示される、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)−ポリ(スチレンスルホネート)(PEDOT:PSS)(nは繰り返し数を示す)が特に好ましい。
Figure 0005413892
導電層は、例えば、導電性高分子の溶液を上述の導電性基板の導電性面に塗布することによって、形成することができる。
導電性高分子の溶液を形成することのできる溶媒としては水が特に好ましく、塗布する導電性高分子水溶液の濃度に特に限定はない。
導電性高分子の塗布は、例えば、バーコーター、ディップコーター、スピンコーター、ローラーコーター等を用いて、当業者に公知の方法に従って、適切に行えばよい。塗布後の乾燥は、必要に応じて、例えば、80〜150℃で10〜60分間行えば十分である。
導電性高分子層の形成は、導電性高分子としてPEDOT:PSSを用いて、好ましくは0.5〜5wt%、より好ましくは1〜3wt%の濃度の水溶液として塗布することが望ましい。PEDOT:PSSの水溶液濃度が0.5wt%未満であると、電導性不足などの問題の恐れがあり、5wt%を超えると、薄膜形成時の不均一性などの問題の恐れがある。
本発明の有機太陽電池において、導電層の厚さは、好ましくは5〜50nm、より好ましくは10〜30nmであり、5nm未満であると、電導性不足などの問題の恐れがあり、50nmを超えると、電気抵抗増加などの問題の恐れがある。
本発明では、上述の導電性基板またはその上に形成した導電層の上に、p型半導体として、上述の「親水性基を有する金属フタロシアニンおよびナノダイヤモンドを含む層」(光吸収層)を塗布によって形成し、さらにその上に、n型半導体として、上述の「フラーレンを含む層」を塗布または蒸着によって形成し、最後にその上に、金属電極層を形成して太陽電池(素子)とすることができる。
金属電極層
本発明の太陽電池において、(陰極となる)金属電極層は、導電性の金属(例えば、アルミニウム、金、銀、銅など)から形成されるものであれば、特に限定はない。
有機太陽電池は、ある程度の柔軟性を有していることが望ましく、また、製造の簡便さから、フラーレンを含む層上に、導電性の金属を蒸着させて金属電極層を形成することが望ましい。従って、本発明では、このような観点から、蒸着に適した金属として、沸点の低い金属、例えば、アルミニウム、銀などが特に好ましい。
上記の導電性の金属を蒸着させて金属電極層を形成する場合、常法に従って、マスクなどを適宜適使用して、真空蒸着装置などを用いて、減圧下で上記の金属を蒸着させることができる。
本発明の有機太陽電池において、金属電極層の厚さは、好ましくは50〜500nm、より好ましくは100〜200nmであり、50nm未満であると、電気抵抗増加などの問題の恐れがあり、500nmを超えると、金属膜歪によるはがれ、価格上昇などの問題の恐れがある。
また、本発明の有機太陽電池は、薄膜化することができ、本発明の有機太陽電池の厚さは、好ましくは200〜1000nm、より好ましくは300〜500nmであり、200nm未満であると、光吸収不足による効率低下などの問題の恐れがあり、1000nmを超えると、電気抵抗増加による効率低下などの問題の恐れがある。
本発明の有機太陽電池のさらに好ましい実施態様としては、図3に示すものが挙げられ、ここでは、ITOガラス基板のITO面にポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)−ポリ(スチレンスルホネート)(PEDOT:PSS)から形成された導電層が形成され、さらにその上に、p型半導体として、親水性基を有する金属フタロシアニンおよびナノダイヤモンドを含む層(光吸収層)が形成され、さらにその上に、n型半導体として、フラーレン(特に、C60)を含む層が形成され、そしてさらにその上に、陰極(−)としてアルミニウム電極層が積層されている。
本発明の有機太陽電池は、このような構造、特に、p型半導体として「親水性基を有する金属フタロシアニンおよびナノダイヤモンドを含む層」(光吸収層)を形成し、さらにその上に、n型半導体として「フラーレンを含む層」を形成することによって、本発明の有機太陽電池では、驚くべきことに、従来の有機太陽電池にはない幅広い光エネルギー吸収帯を達成することができる。
太陽電池の製造方法
本発明では、上述の通り、
導電性基板またはその上に形成された導電層の上に、親水性基を有する金属フタロシアニンおよびナノダイヤモンドを塗布して、p型半導体として、「親水性基を有する金属フタロシアニンおよびナノダイヤモンドを含む層」を形成する工程、
フラーレンを塗布または蒸着して「フラーレンを含む層」をn型半導体として形成する工程、および、
n型半導体の上に、金属電極層を形成する工程
を含む方法によって、本発明の有機太陽電池(素子)を非常に簡便に製造することができる。
本発明では、導電性基板としてITOガラス基板、FTOガラス基板などを使用し、必要に応じてさらに好ましくは、その導電面に導電層としてPEDOT:PSS層を設け、その上に、上述の通り、p型半導体として「親水性基を有する金属フタロシアニンおよびナノダイヤモンドを含む層」を形成する。このとき、本発明では、「親水性基を有する金属フタロシアニン」の水溶液と、爆轟法で製造したナノダイヤモンドの水中分散体(市販品としては「ナノ炭素研究所」製の「ナノアマンド」(商品名)(平均粒径=4.8±0.7nm)として入手可能)とを混合して調製した混合液を塗布することが望ましい。また、この塗布方法は非常に簡便である。さらに、本発明では、p型半導体の上に、n型半導体として「フラーレンを含む層」を形成する。このとき、本発明では、使用するフラーレンは入手可能性および価格の観点からC60が特に好ましく、上述の通り、フラーレンの溶液または分散液を塗布するか、あるいは、フラーレンを蒸着させることによって、n型半導体層を簡便に形成することができる。最後に、n型半導体の上に金属電極層を好ましくは金属を蒸着することによって設ける。このように本発明の製造方法に従って作製した太陽電池素子は、いわゆる有機太陽電池として機能することができる。なお、本発明の太陽電池の製造方法は、上記のものに限定されないことを理解すべきである。
以下、本発明を実施例により更に具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
導電性基板の作製
導電性基板として、酸化インジウムスズ;ITO(ジオマテック社製 表面抵抗10Ω/□)がコーティングされた2cm×2cmのガラス基板(ITOガラス基板)(200nm)を準備し、以下の手順で洗浄した。
1.目の細かい手袋で表面が滑らかになるまでITOガラス基板のITO面を磨いた。
2.磨いた後、ITOガラス基板を超純水で洗浄し、超純水につけておいた。
3.超純水中からITOガラス基板を取り出し、窒素ガスの噴射でITOガラス基板上の水分を飛ばし、アセトンとメタノールを用いて超音波洗浄を行った。
4.超音波洗浄後、超純水でITOガラス基板を洗浄し、窒素ガスの噴射で水分を飛ばした。
実施例1
(1−A):透明導電層(PEDOT:PSS層)の形成
窒素雰囲気中のグローブボックス内にて、スピンコーター(IH−D7 ミカサ社製)を用いて、PEDOT:PSS[ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)−ポリ(スチレンスルホネート]水溶液(1.3wt%、Aldrich社製)1.0mlを上記で作製した洗浄済のITOガラス基板のITO面にスピンコートした。
スピンコート終了後、100℃のホットプレートで10分間熱処理を行うことによって、PEDOT:PSS層(20nm)を形成した。その後、基板の四隅において、メタノールがしみ込んだ綿棒でPEDOT:PSS層をふき取った。
(1−B):p型半導体層の形成
窒素雰囲気中のグローブボックス内にて、スピンコーター(IH−D7 ミカサ社製)を用いて、テトラカルボン酸Co(II)フタロシアニン[CoPc(COOH)](オリヱント化学工業社製)2.0mgを超純水1.0mlに溶かした水溶液1.0mlと、濃度2w/v%(w/v%は100ml中のナノダイヤモンドのグラム数)のナノダイヤモンド水分散コロイド溶液(ナノ炭素研究所製ナノ炭素「ナノアマンド」、平均粒径=4.8±0.7nm)0.1mlとの混合物1.1mlを(1−A)で形成した透明導電層(PEDOT:PSS層)の上にスピンコートした。
スピンコート終了後、100℃のホットプレートで30分間熱処理を行うことによって、CoPc(COOH)およびナノダイヤモンドを含むp型半導体層(光吸収層)(100nm)を形成した。その後、基板の四隅において、超純水がしみ込んだ綿棒でp型半導体層をふき取った。
(1−C):n型半導体層の形成
窒素雰囲気中のグローブボックス内にて、スピンコーター(IH−D7 ミカサ社製)を用いて、C60(Material Technologies Research社製)12mgをo−ジクロロベンゼン1.0mlに溶解した溶液を(1−B)で形成したp型半導体層(光吸収層)の上にスピンコートした。
スピンコート終了後、100℃のホットプレートで30分間熱処理を行うことによって、C60のn型半導体層(100nm)を形成した。その後、基板の四隅において、o−ジクロロベンゼンがしみ込んだ綿棒でn型半導体層をふき取った。
(1−D):アルミニウム電極層の形成
4mm×4mmの正方形の穴が4個あいているマスクを2cm×2cmのフォルダに付けて、このフォルダを(1−C)で形成したn型半導体層の上にセットした。
マスクの正方形の穴を通して、真空蒸着装置(ULVAC社製 VPC−250FS)を用いて、アルミニウムの蒸着によって、(1−C)で形成したn型半導体層上にアルミニウム電極層を形成する。
タングステンボード上にアルミニウム0.05gを置き、ガラスベルジャーを取り付けた後、真空ポンプでベルジャー内の圧力を1.4〜1.6×10−3Paになるまで減圧し、その後、電流を上げ、タングステンボード上のアルミニウムを蒸発させて、マスクの正方形の穴を通して、(1−C)で形成したn型半導体層上にアルミニウム電極層(150nm)を形成し、太陽電池素子(370nm)を作製した。
実施例2
実施例1と同様にして、ITOガラス基板を用いて、太陽電池素子を作製した。
(2−A):透明導電層(PEDOT:PSS層)の形成
(1−A)と同様の操作で透明導電層(PEDOT:PSS層)を形成した。
(2−B):p型半導体層の形成
(1−B)と同様の操作でCoPc(COOH)およびナノダイヤモンドを含むp型半導体層(光吸収層)を形成した。
(2−C):n型半導体層の形成
4mm×4mmの正方形の穴が4個あいているマスクを2cm×2cmのフォルダに付けて、このフォルダを(2−B)で形成したp型半導体層の上にセットした。
マスクの正方形の穴を通して、真空蒸着装置(ULVAC社製 VPC−250FS)を用いて、C60を蒸着によって、(2−B)で形成したp型半導体層上にC60のn型半導体層を形成する。
タングステンボード上にC60(12mg)を置き、ガラスベルジャーを取り付けた後、真空ポンプでベルジャー内の圧力を1.4〜1.6×10−3Paになるまで減圧し、その後、電流を上げ、タングステンボード上のC60を蒸発させて、マスクの正方形の穴を通して、(2−B)で形成したp型半導体層上にC60のn型半導体層(100nm)を形成した。
(2−D):アルミニウム電極層の形成
(1−D)と同様の操作でアルミニウム電極層を形成し、太陽電池素子(370nm)を作製した。
実施例3
実施例1と同様にして、ITOガラス基板を用いて、太陽電池素子を作製した。
(3−A):透明導電層(PEDOT:PSS層)の形成
(1−A)と同様の操作で透明導電層(PEDOT:PSS層)を形成した。
(3−B):p型半導体層の形成
(1−B)で用いたCoPc(COOH)に代えて、オクタカルボン酸Fe(II)フタロシアニン[FePc(COOH)](オリヱント化学工業社製)を用いたこと以外は、(1−B)と同様の操作でFePc(COOH)およびナノダイヤモンドを含むp型半導体層(光吸収層)(100nm)を形成した。
(3−C):n型半導体層の形成
(1−C)と同様の操作でC60のn型半導体層を形成した。
(3−D):アルミニウム電極層の形成
(1−D)と同様の操作でアルミニウム電極層を形成し、太陽電池素子(370nm)を作製した。
実施例4
実施例1と同様にして、ITOガラス基板を用いて、太陽電池素子を作製した。
(4−A):透明導電層(PEDOT:PSS層)の形成
(1−A)と同様の操作で透明導電層(PEDOT:PSS層)を形成した。
(4−B):p型半導体層の形成
(1−B)で用いたCoPc(COOH)に代えて、テトラスルホン酸Co(II)フタロシアニン[CoPc(SOH)](オリヱント化学工業社製)を用いたこと以外は、(1−B)と同様の操作でCoPc(SOH)およびナノダイヤモンドを含むp型半導体層(光吸収層)(100nm)を形成した。
(4−C):n型半導体層の形成
(1−C)と同様の操作でC60のn型半導体層を形成した。
(4−D):アルミニウム電極層の形成
(1−D)と同様の操作でアルミニウム電極層を形成し、太陽電池素子(370nm)を作製した。
実施例5
実施例1と同様にして、ITOガラス基板を用いて、太陽電池素子を作製した。
(5−A):透明導電層(PEDOT:PSS層)の形成
(1−A)と同様の操作で透明導電層(PEDOT:PSS層)を形成した。
(5−B):p型半導体層の形成
(1−B)で用いたCoPc(COOH)に代えて、テトラカルボン酸Zn(II)フタロシアニン[ZnPc(COOH)](オリヱント化学工業社製)を用いたこと以外は、(1−B)と同様の操作でZnPc(COOH)およびナノダイヤモンドを含むp型半導体層(光吸収層)(100nm)を形成した。
(5−C):n型半導体層の形成
(1−C)と同様の操作でC60のn型半導体層を形成した。
(5−D):アルミニウム電極層の形成
(1−D)と同様の操作でアルミニウム電極層を形成し、太陽電池素子(370nm)を作製した。
比較例1
実施例1の(1−B)において、ナノダイヤモンド水分散コロイド溶液を加えないこと以外は、実施例1と同様にして、太陽電池素子(370nm)を作製した。
比較例2
実施例2の(2−B)において、ナノダイヤモンド水分散コロイド溶液を加えないこと以外は、実施例2と同様にして、太陽電池素子(370nm)を作製した。
比較例3
実施例1に従って、(1−B)と同様の操作で形成した透明導電層(PEDOT:PSS層)上に、C60(16mg)とダイヤモンドナノ粒子粉末(ニューメタルスエンドケミカルス社製)とをo−ジクロロベンゼン1.0mlに加え、混合液を得た。その液をスピンコートして半導体層を形成した。その後、(1−D)と同様の操作でアルミニウム電極層を蒸着して、太陽電池素子(370nm)を作製した。
実施例1〜5および比較例1〜3で作製した太陽電池素子の電気特性をポテンショガルバノスタッド(HSV−100 北斗電工社製)(0.01V/s)を用いて測定した。光源として、Xeランプ ソーラーシュミレーター(XES−301S+EL−100 三永電機製作所製)(AM 1.5、照射強度=100mW/cm)を用いた。
発電効率の計算方法
電流が流れていないときの電圧を開放電圧(Voc)[V]と称し、電圧が0Vのときの電流密度を短絡電流密度(Jsc)[mA/cm]と称する。最適動作点での電流密度(Jmax)[mA/cm]と、最適動作点での電圧(Vmax)[V]とを乗じた値が単位面積当たりの最大出力(Pmax)である。
発電効率を示すエネルギー変換効率(η)[%]を求めるためには、曲線因子(フィルファクター、FF)が必要であり、FFの値は、次式から求めることができる。
FF=(Vmax×Jmax)/(Voc×Jsc)
エネルギー変換効率(η)[%]は、Voc(V)、Jsc(mA/cm)、FFおよび照射強度(100mW/cm)の値から、次式に従って計算することができる。
η(%)=[Voc(V)×Jsc(mA/cm)×FF]/[100(mW/cm)]×100=Voc×Jsc×FF
以下の表に実施例1〜5および比較例1〜3で作製した太陽電池素子のエネルギー変換効率(η)[%]を示す。
さらに、実施例1〜5および比較例1〜3で作製した太陽電池素子の光吸収特性を評価した。評価には分光光度計(U−4100 日立ハイテクノロジーズ社製)を用いた(測定波長λ=300〜800nm)。
ピーク波長λpeak(m)での吸収エネルギーE(eV)は、下記の式に従って計算することができる。
E=h×c/λpeak
式中、
hは、プランク定数(4.136×10−15eV・s)を示し、
cは、光速(3.00×10m/s)を示し、
λpeakは、ピーク波長を示す。
以下の表に実施例1〜5および比較例1〜3で作製した太陽電池素子が吸収した光のピーク波長(λpeak)およびそのときのエネルギー(E)を以下の表に示す。
さらに、図4には、実施例1および比較例1で作製した太陽電池素子の光吸収スペクトルを示し、図5には、実施例2および比較例2で作製した太陽電池素子の光吸収スペクトルを示す。
Figure 0005413892
Figure 0005413892
Figure 0005413892
本発明の実施例1の太陽電池素子のp型半導体層は、CoPc(COOH)およびナノダイヤモンドを含む。対して、比較例1の太陽電池素子のp型半導体層は、CoPc(COOH)を含むが、ナノダイヤモンドは含まず、それ以外の条件は実施例1と同じであった。比較例1の太陽電池素子、すなわち、従来の有機太陽電池素子では、図4に示す通り、波長が500nmを超える領域において、光エネルギーの吸収が著しく低下する。また、比較例1の太陽電池素子では、550nm周辺に光エネルギー吸収の極小ピークを有する。
しかし、本発明の実施例1の太陽電池素子では、図4に示す通り、400nm周辺および600〜700nm周辺の波長にかけて、光エネルギーの吸収が著しく向上し、また、比較例1に見られる550nmの極小ピークが消失し、その結果、長波長での光吸収が可能となり、しかも、吸収がより平坦(フラット)となり、すなわち、比較例1のような鋭い極大および極小ピークを示さないので、広い範囲での光エネルギーの吸収が可能となった。
さらに、上記の表に示す通り、実施例1と比較例1とを比べると(すなわち、ナノダイヤモンドの有無によって)、実施例1において、電流密度(Jsc)の増加を確認することができた。また、実施例1と比較例1とを比べると(すなわち、ナノダイヤモンドの有無によって)、実施例1において、発電効率(η)が比較例1の約1.5倍に上昇した。これは、本発明によって、幅広い光エネルギー吸収帯が達成された結果である。
また、本発明の実施例1の太陽電池素子では、C60フラーレンの塗布によって、n型半導体層を形成したが、本発明の実施例2の太陽電池素子では、C60フラーレンの蒸着によっても、n型半導体層を形成することができた。
比較例2では、実施例2と同様に、C60フラーレンの蒸着によってn型半導体層を形成しているが、p型半導体にはナノダイヤモンドは含まれていない。その結果、比較例2の太陽電池素子、すなわち、従来の有機太陽電池素子では、図5に示す通り、比較例1と同様に、550nm周辺に極小ピークを有する。
しかし、本発明の実施例2の太陽電池素子では、図5に示す通り、400nm周辺および500nm周辺の波長にかけて、光エネルギーの吸収が著しく向上し、また、比較例2で見られる550nm付近の極小ピークが消失し、その結果、光エネルギーの吸収が平坦(フラット)となり、すなわち、比較例1および2のような鋭いピークを示さないので、広い範囲での光エネルギーの吸収が可能となった。
また、蒸着によるC60のn型半導体の場合であっても、実施例2と比較例2とを比べると(すなわち、ナノダイヤモンドの有無によって)、実施例2では、電流密度(Jsc)および発電効率(η)の両方が向上する。これは、上述の通り、本発明によって、幅広い光エネルギーの吸収帯が達成された結果である。また、特に、実施例2の太陽電池素子では、実施例1〜5および比較例1〜3のうち、最大のエネルギー変換率(η)を有する。
また、p型半導体層において、CoPc(COOH)以外の親水性基を有する金属フタロシアニンと、ナノダイヤモンドとを組み合わせて使用した場合であっても、本発明の実施例3〜5の太陽電池素子が示す通り、幅広い光エネルギーの吸収を確認することができた。また、特に、実施例5の太陽電池素子は、実施例1〜5および比較例1〜3のうち、最大の電流密度(Jsc)を有する。
また、比較例3と実施例1とを比べると、実施例1では、pn接合を利用し、しかもp型半導体層がナノダイヤモンドだけでなく、親水性基を有する金属フタロシアニンを含むことによって、電流密度(Jsc)の増加が観察された。これは親水性基を有する金属フタロシアニンの使用によって、光吸収効率が上がったためと考えられる。更に、比較例3の太陽電池素子は、ナノダイヤモンドとC60とを含むバルク・ヘテロ接合型の半導体層を有するが、この場合、幅広い光エネルギーの吸収は確認することができなかった。
産業上利用の可能性
本発明の太陽電池は、上述の通り、pn接合を利用し、p型半導体が「親水性基を有する金属フタロシアニン」および「ナノダイヤモンド」を含み、n型半導体が「フラーレン」を含むことを特徴とする、これまでにない新しい概念に基づく、有機太陽電池である。
本発明では、p型半導体が「親水性基を有する金属フタロシアニン」だけでなく、さらに特定の平均粒径を有する「ナノダイヤモンド」を含むことによって、幅広い光エネルギー吸収帯の実現が可能となった。
また、本発明の有機太陽電池は、簡便かつ安価に製造することができるので、非常に有益である。さらに、本発明の有機太陽電池は、非常に薄く製造することができ、しかも、使用する材料が有機化合物であることから、用途展開に優れた柔軟性を持たせることも可能となる。
従って、本発明の有機太陽電池は、従来の無機太陽電池にはない性質を有し、さまざまな分野および用途における使用に有益である。

Claims (17)

  1. 導電性基板、
    導電層、
    p型半導体として、親水性基を有する金属フタロシアニンおよびナノダイヤモンドを含む層、
    n型半導体として、フラーレンを含む層、および
    金属電極層
    をこの順で備える、太陽電池であって、
    前記ナノダイヤモンドが、爆轟法で得られたナノダイヤモンドである、
    太陽電池
  2. 前記ナノダイヤモンドの平均粒径が、4.8±0.7nmである、請求項に記載の太陽電池。
  3. 前記金属フタロシアニンの親水性基が、カルボキシル基、スルホン酸基、リン酸基からなる群から選択される、請求項1または2に記載の太陽電池。
  4. 前記親水性基を有する金属フタロシアニンが、式:
    Figure 0005413892

    (式中、Mは、Fe、Co、Zn、PbまたはSnであり、nは、それぞれ独立して、1または2である)を有する金属フタロシアニンである、請求項1〜のいずれか1項に記載の太陽電池。
  5. 前記金属フタロシアニンの中心金属(M)が、Coである、請求項記載の太陽電池。
  6. 前記フラーレンが、C60である、請求項1〜のいずれか1項に記載の太陽電池。
  7. 前記導電層が、導電性高分子層である請求項1〜のいずれか1項に記載の太陽電池。
  8. 前記導電性高分子層が、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)−ポリ(スチレンスルホネート)(PEDOT:PSS)から形成される、請求項に記載の太陽電池。
  9. 前記導電性基板が、ITOガラス基板である、請求項1〜のいずれか1項に記載の太陽電池。
  10. 前記金属電極層が、アルミニウム電極層である、請求項1〜のいずれか1項に記載の太陽電池。
  11. ITOガラス基板、
    前記ITOガラス基板のITO上に配置されたポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)−ポリ(スチレンスルホネート)(PEDOT:PSS)から形成された導電層、
    p型半導体として、親水性基を有する金属フタロシアニンおよびナノダイヤモンドを含む層、
    n型半導体として、C60フラーレンを含む層、および
    アルミニウム電極層
    をこの順で含む、太陽電池であって、
    前記ナノダイヤモンドが、爆轟法で得られたナノダイヤモンドである、
    太陽電池
  12. 前記親水性基を有する金属フタロシアニンおよびナノダイヤモンドを含む層の厚さが、100〜200nmである、請求項11記載の太陽電池。
  13. 前記親水性基を有する金属フタロシアニンが、式:
    Figure 0005413892

    (式中、Mは、Fe、Co、Zn、PbまたはSnであり、nは、それぞれ独立して、1または2である)を有する金属フタロシアニンである、請求項11または12に記載の太陽電池。
  14. 親水性基を有する金属フタロシアニンおよびナノダイヤモンドを塗布して、親水性基を有する金属フタロシアニンおよびナノダイヤモンドを含む層を形成する工程と、フラーレンを塗布または蒸着して、フラーレンを含む層を形成する工程とを含む、請求項1に記載の太陽電池の製造方法であって、
    前記ナノダイヤモンドが、爆轟法で得られたナノダイヤモンドである、
    製造方法
  15. 前記親水性基を有する金属フタロシアニンおよびナノダイヤモンドを含む層を形成する工程において、前記親水性基を有する金属フタロシアニンとナノダイヤモンドとを水中に含む混合液を塗布する、請求項14に記載の製造方法。
  16. 前記混合液において、ナノダイヤモンドが分散状態で存在する、請求項15に記載の製造方法。
  17. 前記ナノダイヤモンドの平均粒径が、4.8±0.7nmである、請求項16に記載の製造方法。
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