JP5413138B2 - フレーム式原子吸光分光光度計及びその製造方法 - Google Patents

フレーム式原子吸光分光光度計及びその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、フレーム式原子吸光分光光度計に関し、さらに詳しくは、火炎によって原子化した測定試料による吸光度を測定するフレーム式原子吸光分光光度計に関する。
フレーム式原子吸光分光光度計では、液体である測定試料を霧化して火炎中に導入することにより、測定試料を原子化している。そして、光源から原子化した測定試料に対して測定光を出射して、検出器で測定試料を通過した測定光の光強度を検出している(例えば、特許文献1参照)。
図3は、従来のフレーム式原子吸光分光光度計を示す概略構成図である。また、図4は、逆火現象が発生した際の図3に示すチャンバ部とドレイン排出部との断面図である。
フレーム式原子吸光分光光度計101は、空気(助燃ガス)を供給する助燃ガス供給部11と、アセチレンガス(燃焼ガス)を供給する燃料ガス供給部12と、測定試料を霧化するネブライザ30と、空気とアセチレンガスと測定試料とを混合した混合試料を調整するチャンバ部115と、火炎5を形成するバーナ(燃焼部)2と、測定光を出射する光源8と、測定光の光強度を検出する検出器13と、チャンバ部115に連結されたドレイン排出部31と、チャンバ部115に取り付けられた安全栓132と、コンピュータにより構成される信号処理部20とを備える。
チャンバ部115は、直径φ(例えば、30mm)、高さL(例えば、75mm)である円筒形状に形成された壁面115aを有し、中心軸が横向きとなるように横向きに配置されている。右側になるチャンバ部115の一端部には、ネブライザ30が取り付けられるとともに、左側になるチャンバ部115の他端部には、平板形状の壁面115bが取り付けられており、そして、左上側にバーナ2が取り付けられている。このように壁面115aと壁面115bとネブライザ30とバーナ2とで囲まれることにより、チャンバ部115に内部空間が形成されている。なお、チャンバ部115の内部空間の体積V(=π×(φ/2)×L)は、例えば、53,000mmとなっている。
このようなチャンバ部115の壁面115aと壁面115bとの材質としては、例えば、ポリプロピレン等が挙げられる。
燃料ガス供給部12は、燃料ガス供給管12cを開閉する電磁弁12aと、アセチレンガスの流量を調整する燃料ガス流量調節部12bとを有する。そして、燃料ガス供給部12は、信号処理部20からの制御信号に基づいた流量(例えば、2.0L/min)で、アセチレンガスを供給する。
助燃ガス供給部11は、助燃ガス供給管11cを開閉する電磁弁11aと、空気の流量を調整する空気流量調節部11bとを有する。そして、助燃ガス供給部11は、信号処理部20からの制御信号に基づいた流量(例えば、15.0L/min)で、空気を供給する。
ネブライザ30は、測定試料を貯留する容器(図示せず)と連結されるキャピラリ管30aと、ネブライザ支持体30bとを有する。ネブライザ支持体30bには、燃料ガス供給管12cと助燃ガス供給管11cとが連結されており、燃料ガス供給管12cの内部の中央部に、助燃ガス供給管11cが配置され、さらに助燃ガス供給管11cの内部の中央部に、キャピラリ管30aが配置されている。
これにより、助燃ガス供給管11cを通してチャンバ部15の内部空間に空気が、所定の流量(例えば、15.0L/min)で噴出すると、負圧によってキャピラリ管30aを通して測定試料が吸い上げられるようになっている。つまり、霧状になった測定試料もチャンバ部115の内部空間に吹き出される。また、アセチレンガスも、所定の流量(例えば、2.0L/min)で燃料ガス供給管12cを通してチャンバ部115の内部空間に吹き出される。
その結果、チャンバ部115の内部空間では、霧状になった測定試料とアセチレンガスと空気とが混合されながら混合試料となり、その混合試料がバーナ2に所定の流量で送られることになる。
バーナ2は、チャンバ部115から供給された混合試料を、バーナヘッドの細長いスリット2aから所定の流量で上方に放出して、信号処理部20からの制御信号に基づいて、混合気体に点火することにより、バーナヘッド上に火炎5を形成する。この火炎5によって測定試料は原子化されて、原子蒸気となる。
検出器13は、水平方向に光源8と対向するように配置され、火炎5によって原子化した測定試料を通過した測定光を分光器(図示せず)で分光して、分光した測定光の光強度を検出する。そして、測定光の光強度を示す検出信号を信号処理部20に出力する。
信号処理部20においては、各種の制御や演算処理を行うCPU21を備え、さらに、メモリ25と表示装置23と入力装置22とが連結されている。CPU21は、検出器13からの検出信号に基づいて、火炎5によって原子化した測定試料による吸光度を算出して、吸光度から測定試料に含まれる目的成分の量を計算することにより、表示装置23に計算結果を表示する制御を行う。
ところで、チャンバ部115の内部空間では、霧状になった測定試料とアセチレンガスと空気とを混合することにより、混合試料を調整しているが、測定試料の全てが霧状になるわけではなく、霧化しきれなかった測定試料がチャンバ部115の内部空間の下部に滴下していくことになる。そして、測定し続けていると、霧化しきれなかった測定試料がチャンバ部115の内部空間の下部に貯まってしまう。
そこで、霧化しきれなかった測定試料をチャンバ部115の内部空間から排出するために、ドレイン排出部31が形成されている。ドレイン排出部31は、ドレイン排出管31aと、ドレイン排出口31bを有するドレインタンク31cとを備える。
ドレイン排出管31aは、直径φ(例えば、8mm)である円筒形状に形成された壁面を有し、側方から見ると、U字状に折れ曲がっている。右上側になるドレイン排出管31aの一端部が、チャンバ部115の内部空間と連結されるとともに、左上側になるドレイン排出管31aの他端部が、ドレインタンク31cの下部と連結される。具体的には、ドレイン排出部31は、チャンバ部115の下部から下方に長さL(例えば、200mm)で伸びた後、右方に長さL(例えば、80mm)で伸び、さらに上方に長さL(例えば、80mm)で伸びる。なお、長さLは、長さLより短くなっている。
ドレインタンク31cは、直径φ(例えば、45mm)である円筒形状に形成された壁面と、ドレイン排出管31aの他端部が連結される底面31dとを有する。そして、底面31dからの高さHの位置に、開口部であるドレイン排出口31bが形成されている。
これにより、ドレイン排出部31は、第一設定量V(=π×(φ/2)×(2L+L+H)+π×(φ/2)×H)の液体を貯留することができるようになっている。そして、測定前に、ドレイン排出部31に第一設定量Vの液体を貯留しておけば、測定中に、ドレイン排出部31は、霧化しきれなかった測定試料をチャンバ部115の内部空間から排出するとともに、第一設定量Vを超えた量の液体を、ドレイン排出口31bから外部に排出する。つまり、ドレイン排出部31は、第一設定量Vの液体を常に貯留しておくことになり、液体の液面の位置は、高さ(L+H)である。なお、ドレイン排出管31aの内部空間には、体積V(=π×(φ/2)×(L−L−H))の混合試料が存在することになる。
このようなドレイン排出部31の材質としては、例えば、ポリエチレン等が挙げられる。
また、燃料ガス供給部12や助燃ガス供給部11は、制御信号に基づいた流量で、ガスを供給するが、何らかの原因で、制御信号に基づいた流量より流量が低下したときには、混合試料の燃焼速度と流量とが釣り合わなくなり、バーナヘッド上に形成する火炎5がチャンバ部115の内部空間で発生することがある(逆火現象が発生することがある)。このとき、逆火現象が発生した際に生じた圧力P(例えば、500kPa)が、チャンバ部115の壁面115aと壁面115bとに加わることになり、チャンバ部115の壁面115aと壁面115bとが破損することがある。
そこで、チャンバ部115の壁面115aと壁面115bとが、逆火現象が発生しても破損することがないように、チャンバ部115の壁面115bに円形状の開口部115cを形成して、開口部115cに円錐台形状の安全栓132を取り付けている。このような安全栓132は、測定者等のヒトによって開口部115cに差し込まれて取り付けることにより、チャンバ部115の内部空間で逆火現象が発生した際には、逆火現象が発生した際に生じた圧力Pによって開口部115cに取り付けられていた安全栓132が、外れるようになっている(図4参照)。つまり、チャンバ部115の壁面115aと壁面115bとに加わる圧力Pを、外部に逃がすことで低くなるようにしている。なお、開口部115cは、逆火現象が発生した際に生じた圧力Pによって安全栓132が外れるので、測定者等に危険がないように、測定者等の正面から外れるように形成されている。
特開2003−185575号公報
しかしながら、チャンバ部115の内部空間で逆火現象が発生した際には、開口部115cに取り付けられていた安全栓132が、外れるようになっているが、再び、測定する前に、測定者等は開口部115cに安全栓132を差し込む必要があるが、開口部115cは裏側に形成されているので、開口部115cに安全栓132を取り付けることを忘れることがあった。そのため、燃料ガス供給部12や助燃ガス供給部11は、制御信号に基づいた流量でガスを供給しても、スリット2aから上方に放出する流量が低下することになり、再び、逆火現象が連続して発生することがあった。
また、測定者等は開口部115cに安全栓132を強く差し込みすぎると、逆火現象が発生しても安全栓132が外れないことがあった。つまり、開口部115cに安全栓132を差し込む力は、個人差があるため、結局、安全栓132を取り付けているが、チャンバ部115の壁面115aと壁面115bとが破損することがないように、チャンバ部115の壁面115aと壁面115bとの厚さdは、例えば、10mmと厚くなるように形成されていた。このため、チャンバ部115の加工性は悪く、コストも高くなっていた。
本件発明者は、上記課題を解決するために、開口部に安全栓を取り付けることを忘れないようにする方法について検討を行った。まず、信号処理部が開口部に安全栓を取り付けられているか否かを判定するために、チャンバ部の内部空間の圧力を検出するセンサで検知することを考えたが、チャンバ部の内部空間は酸や溶剤に曝されることがあり、その酸や溶剤によってセンサが破損することがある。また、チャンバ部の内部空間にセンサを取り付けたとしても、チャンバ部の内部空間は、スリットを有するバーナヘッドと連結されているので、すなわち密閉されていなく開放されているので、開口部に安全栓を取り付けられているときの圧力と、開口部に安全栓を取り付けられていないときの圧力との差が、数Paしかなかった。よって、大気圧の変動によっても数Paの変化は起こるため、開口部に安全栓を取り付けられているか否かを確実に判定することができない。
そこで、安全栓を取り付けることを廃止することにした。安全栓を取り付けても、開口部に安全栓を差し込む力は、個人差があるため、チャンバ部の壁面の厚さdは、例えば、10mmと厚くなるように形成されている。つまり、逆火現象が発生してもチャンバ部の壁面は破損することがない。
しかしながら、チャンバ部の壁面の厚さdを、従来と同様に10mmと厚くすると、チャンバ部の加工性は悪く、コストも高くなる。
よって、チャンバ部の内部空間で逆火現象が発生した際に、チャンバ部の壁面が破損せず、かつ、チャンバ部の加工性を向上させるために、チャンバ部の壁面の厚さdと材質とを決定する方法について検討を行った。安全栓を取り付けていないと、逆火現象が発生した際に生じた圧力Pは、ドレイン排出管に貯留されている液体にも加わることになる。すると、測定中は、ある量の測定試料がドレイン排出管に導かれれば、ある量の液体がドレイン排出口から排出されることになり、その結果、ドレイン排出管に第一設定量Vの液体を貯留しておくことになるが、逆火現象が発生した際には、第二設定量Vの液体がドレイン排出口から排出される。このように第二設定量Vの液体がドレイン排出口から排出されるため、逆火現象が発生した際に生じた圧力Pの大きさが、チャンバ部の壁面に加わることはない。そこで、開口部に安全栓を差し込むような個人差がある要素がなくなるため、チャンバ部の壁面の厚さdと材質とを、チャンバ部の内部空間の体積Vと、チャンバ部の内部空間で逆火現象が発生した際にドレイン排出管から排出される第二設定量Vの液体と基づいて、計算を行うことによって正確かつ精密に決定することを見出した。
すなわち、本発明のフレーム式原子吸光分光光度計は、燃料ガスを供給する燃料ガス供給管と、助燃ガスを供給する助燃ガス供給管と、壁面で囲まれ、当該壁面の内部空間に供給された燃料ガス及び助燃ガスに測定試料を霧化して導入することで、燃料ガスと助燃ガスと測定試料とを混合した混合試料を調整するチャンバ部と、前記チャンバ部の上部に配置され、前記混合試料中の燃料ガス及び助燃ガスに点火して火炎を形成する燃焼部と、前記火炎によって原子化した測定試料に測定光を出射する光源と、前記測定試料を通過した測定光の光強度を検出する検出器と、前記チャンバ部の内部空間と連結され、霧化しきれなかった測定試料をチャンバ部の内部空間から排出するとともに第一設定量Vの液体を貯留することが可能な排出管と、第一設定量Vを超えた量の液体を排出管から排出することが可能な排出口とを有する排出部とを備えるフレーム式原子吸光分光光度計であって、前記壁面の厚さd及び材質は、前記チャンバ部の内部空間の体積Vと、前記チャンバ部の内部空間で逆火現象が発生した際に排出管から排出される第二設定量Vの液体とに基づいて、下記式(1)で示される圧力P に耐え得て、かつ、圧力P に耐え得ないように、決定されたものであるようにしている。
×V’=P ×(V’+V )・・・(1)
なお、P は、逆火現象が発生した際に生じる最大圧力であり、V’は、チャンバ部の内部空間の体積V と逆火現象が発生する前の排出部の内部空間に存在する混合試料の体積V とを足した体積(V +V )である。
以上のように、本発明のフレーム式原子吸光分光光度計によれば、チャンバ部の壁面に開口部を形成しないので、開口部に安全栓を取り付ける必要はない。さらに、壁面の厚さd及び材質は、チャンバ部の内部空間の体積Vと、チャンバ部の内部空間で逆火現象が発生した際に排出管から排出される第二設定量Vの液体とに基づいて、計算を行うことによって正確かつ精密に決定されているので、チャンバ部の内部空間で逆火現象が発生した際に、チャンバ部の壁面が破損せず、かつ、チャンバ部の加工性を向上させている。
(その他の課題を解決するための手段及び効果)
また、本発明の製造方法によれば、燃料ガスを供給する燃料ガス供給管と、助燃ガスを供給する助燃ガス供給管と、壁面で囲まれ、当該壁面の内部空間に供給された燃料ガス及び助燃ガスに測定試料を霧化して導入することで、燃料ガスと助燃ガスと測定試料とを混合した混合試料を調整するチャンバ部と、前記チャンバ部の上部に配置され、前記混合試料中の燃料ガス及び助燃ガスに点火して火炎を形成する燃焼部と、前記火炎によって原子化した測定試料に測定光を出射する光源と、前記測定試料を通過した測定光の光強度を検出する検出器と、前記チャンバ部の内部空間と連結され、霧化しきれなかった測定試料をチャンバ部の内部空間から排出するとともに第一設定量Vの液体を貯留することが可能な排出管と、第一設定量Vを超えた量の液体を排出管から排出することが可能な排出口とを有する排出部とを備えるフレーム式原子吸光分光光度計に用いられるチャンバ部を製造する製造方法であって、前記壁面の厚さd及び材質を、前記チャンバ部の内部空間の体積Vと、前記チャンバ部の内部空間で逆火現象が発生した際に排出管から排出される第二設定量Vの液体とに基づいて、決定する決定ステップを含むようにしている。
そして、上記発明において、前記決定ステップにおいて、前記壁面の厚さd及び材質を、下記式(1)で示される圧力Pに耐え得るように、決定するようにしてもよい。
×V’=P×(V’+V)・・・(1)
なお、Pは、逆火現象が発生した際に生じる最大圧力であり、V’は、チャンバ部の内部空間の体積Vと逆火現象が発生する前の排出部の内部空間に存在する混合試料の体積Vとを足した体積(V+V)である。
さらに、上記発明において、前記決定ステップにおいて、前記壁面の厚さd及び材質を、前記排出部の形状と、第二設定量V前記液体の密度μとを用いて、決定するようにしてもよい。
本発明の一実施形態であるフレーム式原子吸光分光光度計の一例を示す概略構成図である。 図1に示すチャンバ部とドレイン排出部との断面図である。 従来のフレーム式原子吸光分光光度計の一例を示す概略構成図である。 図3に示すチャンバ部とドレイン排出部との断面図である。
以下、本発明の実施形態について図面を用いて説明する。なお、本発明は、以下に説明するような実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の態様が含まれることはいうまでもない。
図1は、本発明の実施形態であるフレーム式原子吸光分光光度計の一例を示す概略構成図である。また、図2は、逆火現象が発生した際の図1に示すチャンバ部とドレイン排出部との断面図である。なお、フレーム式原子吸光分光光度計101と同様のものについては、同じ符号を付している。
フレーム式原子吸光分光光度計1は、空気(助燃ガス)を供給する助燃ガス供給部11と、アセチレンガス(燃焼ガス)を供給する燃料ガス供給部12と、測定試料を霧化するネブライザ30と、空気とアセチレンガスと測定試料とを混合した混合試料を調整するチャンバ部15と、火炎5を形成するバーナ(燃焼部)2と、測定光を出射する光源8と、測定光の光強度を検出する検出器13と、チャンバ部15に連結されたドレイン排出部31と、コンピュータにより構成される信号処理部20とを備える。
チャンバ部15は、直径φ(例えば、30mm)、高さL(例えば、75mm)である円筒形状に形成された壁面15aを有し、中心軸が横向きとなるように横向きに配置されている。右側になるチャンバ部15の一端部には、ネブライザ30が取り付けられるとともに、左側になるチャンバ部15の他端部には、平板形状の壁面15bが取り付けられており、そして、左上側にバーナ2が取り付けられている。このように壁面15aと壁面15bとネブライザ30とバーナ2とで囲まれることにより、チャンバ部15に内部空間が形成されている。なお、チャンバ部15の内部空間の体積V(=π×(φ/2)×L)は、例えば、53,000mmとなっている。
このようなチャンバ部15の壁面15aと壁面15bとの材質としては、例えば、ポリプロピレン等が挙げられる。そして、チャンバ部15の壁面15a、15bの厚さdは、例えば、3mmと薄く形成されている。つまり、チャンバ部115の壁面115a、115bの厚さdより薄くなっている。
ドレイン排出部31は、ドレイン排出管31aと、ドレイン排出口31bを有するドレインタンク31cとを備える。
ドレイン排出管31aは、直径φ(例えば、8mm)である円筒形状に形成された壁面を有し、側方から見ると、U字状に折れ曲がっている。右上側になるドレイン排出管31aの一端部が、チャンバ部15の内部空間と連結されるとともに、左上側になるドレイン排出管31aの他端部が、ドレインタンク31cの下部と連結される。具体的には、ドレイン排出部31は、チャンバ部15の下部から下方に長さL(例えば、200mm)で伸びた後、右方に長さL(例えば、80mm)で伸び、さらに上方に長さL(例えば、80mm)で伸びる。なお、長さLは、長さLより短くなっている。
ドレインタンク31cは、直径φ(例えば、45mm)である円筒形状に形成された壁面と、ドレイン排出管31aの他端部が連結される底面31dとを有する。そして、底面31dからの高さHの位置に、開口部であるドレイン排出口31bが形成されている。
これにより、ドレイン排出部31は、第一設定量V(=π×(φ/2)×(2L+L+H)+π×(φ/2)×H)の液体を貯留することができるようになっている。そして、測定前に、ドレイン排出部31に第一設定量Vの液体を貯留しておけば、測定中に、ドレイン排出部31は、霧化しきれなかった測定試料をチャンバ部15の内部空間から排出するとともに、第一設定量Vを超えた量の液体を、ドレイン排出口31bから外部に排出する。つまり、ドレイン排出部31は、第一設定量Vの液体を常に貯留しておくことになり、液体の液面の位置は、高さ(L+H)である。なお、ドレイン排出管31aの内部空間には、体積V(=π×(φ/2)×(L−L−H))の混合試料が存在することになる。
このようなドレイン排出部31の材質としては、例えば、ポリエチレン等が挙げられる。
ここで、チャンバ部15の壁面15a、15bの厚さdを3mmと決定するチャンバ部15の製造方法について説明する。なお、チャンバ部15の壁面15aと壁面15bとの材質として、ポリプロピレンを使用することとする。
逆火現象が発生した際にチャンバ部15の内部空間で生じる最大圧力をPとし、逆火現象が発生した後のチャンバ部15の内部空間の圧力をPとし、逆火現象が発生した際にドレイン排出部31から排出される液体の体積を、第二設定量Vとすると、ボイルの法則より、式(1)の関係が成立することになる。
×V’=P×(V’+V)・・・(1)
なお、V’は、チャンバ部15の内部空間の体積Vと逆火現象が発生する前のドレイン排出口31bの内部空間に存在する混合試料の体積Vとを足した体積(V+V)であり、例えば、65,087mmとなる。
ここで、チャンバ部15とドレイン排出口31bとの具体的な構造から、チャンバ部15の内部空間の体積Vと、ドレイン排出口31bの内部空間に存在する混合試料の体積Vとは、式(2)と式(3)とで表される。
=π×(φ/2)×L・・・(2)
=π×(φ/2)×(L−L−H)・・・(3)
このとき、逆火現象が発生した後に低下した液面の距離を、仮にhとすると、ドレイン排出口31bとの具体的な構造から、式(4)で表される。
=π×(φ/2)×h・・・(4)
そして、式(1)に、式(2)〜式(4)を代入すると、式(1’)が導かれる。
×(π×(φ/2)×L+π×(φ/2)×(L−L−H))=P×(π×(φ/2)×L+π×(φ/2)×(L−L−H)+π×(φ/2)×h)・・・(1’)
一方、逆火現象が発生した後のチャンバ部15の内部空間の圧力をPとし、大気圧Paと液体の密度μとは既知であるので、式(5)が成立することになる(図2参照)。
×π×(φ/2)+π×(φ/2)×(H+L−h)×μ×g=Pa×π×(φ/2)+π×(φ/2)×H×μ×g+π×(φ/2)×L×μ×g・・・(5)
なお、gは、重力加速度である。
これにより、式(1’)と式(5)とを用いて、式(1’)のPに、体積V’で逆火現象が発生した際に生じる圧力(例えば、500kPa)を代入することにより、Pとhとを求める。その結果、例えば、圧力P(例えば、460kPa)に耐え得るポリプロピレンの厚さを調査して、壁面15a、15bの厚さdを、例えば3cmとするように決定する。つまり、壁面15a、15bの厚さdを、10cmとする必要がないことがわかる。
以上のように、フレーム式原子吸光分光光度計1によれば、チャンバ部15の壁面15bに開口部を形成しないので、開口部に安全栓を取り付ける必要はない。さらに、壁面15a、15bの厚さd及び材質は、チャンバ部15の内部空間の体積Vと、チャンバ部15の内部空間で逆火現象が発生した際にドレイン排出管31から排出される第二設定量Vの液体とに基づいて、計算を行うことによって正確かつ精密に決定されているので、チャンバ部15の内部空間で逆火現象が発生した際に、チャンバ部15の壁面15a、15bが破損せず、かつ、チャンバ部15の加工性を向上させている。
本発明は、例えば、火炎によって原子化した測定試料による吸光度を測定するフレーム式原子吸光分光光度計に利用することができる。
1、101:フレーム式原子吸光分光光度計
2:バーナ(燃焼部)
5:火炎
8:光源
11c:助燃ガス供給管
12c:燃料ガス供給管
13:検出器
15:チャンバ部
15a、15b:壁面
31:ドレイン排出部
31a:ドレイン排出管
31b:ドレイン排出口

Claims (4)

  1. 燃料ガスを供給する燃料ガス供給管と、
    助燃ガスを供給する助燃ガス供給管と、
    壁面で囲まれ、当該壁面の内部空間に供給された燃料ガス及び助燃ガスに測定試料を霧化して導入することで、燃料ガスと助燃ガスと測定試料とを混合した混合試料を調整するチャンバ部と、
    前記チャンバ部の上部に配置され、前記混合試料中の燃料ガス及び助燃ガスに点火して火炎を形成する燃焼部と、
    前記火炎によって原子化した測定試料に測定光を出射する光源と、
    前記測定試料を通過した測定光の光強度を検出する検出器と、
    前記チャンバ部の内部空間と連結され、霧化しきれなかった測定試料をチャンバ部の内部空間から排出するとともに第一設定量Vの液体を貯留することが可能な排出管と、第一設定量Vを超えた量の液体を排出管から排出することが可能な排出口とを有する排出部とを備えるフレーム式原子吸光分光光度計であって、
    前記壁面の厚さd及び材質は、前記チャンバ部の内部空間の体積Vと、前記チャンバ部の内部空間で逆火現象が発生した際に排出管から排出される第二設定量Vの液体とに基づいて、下記式(1)で示される圧力P に耐え得て、かつ、圧力P に耐え得ないように、決定されたものであることを特徴とするフレーム式原子吸光分光光度計。
    ×V’=P ×(V’+V )・・・(1)
    なお、P は、逆火現象が発生した際に生じる最大圧力であり、V’は、チャンバ部の内部空間の体積V と逆火現象が発生する前の排出部の内部空間に存在する混合試料の体積V とを足した体積(V +V )である。
  2. 燃料ガスを供給する燃料ガス供給管と、
    助燃ガスを供給する助燃ガス供給管と、
    壁面で囲まれ、当該壁面の内部空間に供給された燃料ガス及び助燃ガスに測定試料を霧化して導入することで、燃料ガスと助燃ガスと測定試料とを混合した混合試料を調整するチャンバ部と、
    前記チャンバ部の上部に配置され、前記混合試料中の燃料ガス及び助燃ガスに点火して火炎を形成する燃焼部と、
    前記火炎によって原子化した測定試料に測定光を出射する光源と、
    前記測定試料を通過した測定光の光強度を検出する検出器と、
    前記チャンバ部の内部空間と連結され、霧化しきれなかった測定試料をチャンバ部の内部空間から排出するとともに第一設定量Vの液体を貯留することが可能な排出管と、第一設定量Vを超えた量の液体を排出管から排出することが可能な排出口とを有する排出部とを備えるフレーム式原子吸光分光光度計に用いられるチャンバ部を製造する製造方法であって、
    前記壁面の厚さd及び材質を、前記チャンバ部の内部空間の体積Vと、前記チャンバ部の内部空間で逆火現象が発生した際に排出管から排出される第二設定量Vの液体とに基づいて、決定する決定ステップを含むことを特徴とする製造方法。
  3. 前記決定ステップにおいて、前記壁面の厚さd及び材質を、下記式(1)で示される圧力Pに耐え得るように、決定することを特徴とする請求項2に記載の製造方法。
    ×V’=P×(V’+V)・・・(1)
    なお、Pは、逆火現象が発生した際に生じる最大圧力であり、V’は、チャンバ部の内部空間の体積Vと逆火現象が発生する前の排出部の内部空間に存在する混合試料の体積Vとを足した体積(V+V)である。
  4. 前記決定ステップにおいて、前記壁面の厚さd及び材質を、前記排出部の形状と、第二設定量V前記液体の密度μとを用いて、決定することを特徴とする請求項3に記載の製造方法。
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