JP5413062B2 - コルゲーションダンパ及びスピーカ - Google Patents

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Description

本発明は、コルゲーションダンパ及びこれを有するスピーカに関する。
従来、スピーカのボイスコイルを保持するダンパとして、蝶ダンパや、コルゲーションダンパが用いられている。蝶ダンパやコルゲーションダンパは、スピーカのフレーム及びボイスコイル間に介在し、該フレーム上でボイスコイルを支持する。
図8は従来の一般的な蝶ダンパの平面図である。この蝶ダンパは、スピーカのボイスコイルに接続される内周部81、スピーカのフレームに接続される外周部82、並びに内周部81及び外周部82を接続するアーム部83を備える。スピーカに取り付けられた蝶ダンパは、スピーカの駆動に際し、ボイスコイルを振動可能に支持することにより、ボイスコイルからスピーカの振動板に伝達される振動を正確に維持する。このような蝶ダンパは電子基板などに使われるガラエポ板、ベーク板等を用いて形成される。金属板をプレスにより型抜きしたものや、樹脂により成形されるものも知られている。
図9は従来のコルゲーションダンパの半分を斜め上方から見た様子を示すディスプレイ画面の図である。図10は従来のコルゲーションダンパにおけるコルゲーション(波型部分)部分の断面図である。コルゲーションはコルゲーションダンパの中心から同心円状に乱れなく広がる表面波のような波形状を有する。つまり、図10に示すように、波形の各山101の高さ(振幅)hは、コルゲーションの周方向においては変化することなく常に一定であり、図10の断面を中心軸の回りに回転させた回転体の形状を有する。したがって、中心軸を含む如何なる面についても対称な形状となっている。
なお、コルゲーションの山の幅、高さ、形状などを、径方向において変化させるようにしたコルゲーションダンパが知られている。たとえば、コルゲーションダンパのスチフネスが内周側から外周側にかけて小さくなるように、コルゲーションの山の高さを内周側から外周側にかけて順次小さくしたり、山の幅を内周側から外周側にかけて順次大きくなるようにしたりしたものが知られている(たとえば、特許文献1参照)。また、コルゲーションダンパにおける径方向単位長さ当たりの柔軟度をほぼ等しくするために、コルゲーションの幅を変更するようにしたものも知られている(たとえば、特許文献2参照)。
特開2001−326993号公報 特開平11−127497号公報
しかしながら、一般的なコルゲーションダンパの問題点として、小振幅から大振幅に変化する際のリニアリティが高くないことや、振幅の非対称性による歪の発生、共振による歪の発生によって、スピーカの音質を劣化させているという問題が知られている。振幅のリニアリティに関しては、一般的に、コルゲーションダンパよりも蝶ダンパの方が良好であることが知られている。蝶ダンパは板状の構造を有しているため、機構的に上下方向において同じ特性を有するからである。ただし蝶ダンパには、アーム部のねじれを利用してボイスコイルの上下動を支持するので、極度の大振幅で振動する場合には、アーム部に歪が集中し、破損する恐れが高いという欠点がある。また、同様の理由から、ボイスコイルは周方向に回転しながら上下動するので、このことが、出力音における歪発生の要因となる。
本発明の目的は、かかる従来技術の問題点に鑑み、スピーカの音質をより向上させるコルゲーションダンパを提供することにある。
この目的を達成するため、第1発明に係るコルゲーションダンパは、コルゲーションの主要部の形状が、一方の面の側から見た場合と他方の面の側から見た場合とで同一であり、コルゲーションダンパの中心軸を含む任意の断面において、コルゲーションの主要部における該断面の形状は、該断面に垂直であってコルゲーションの基準面に含まれる軸について回転対称であり、コルゲーションの形状は、コルゲーションダンパの中心軸を中心とする所定の各径方向位置において、該中心軸を中心とする角度位置の変化に応じ、コルゲーションの基準面に対する高さが周期的かつ徐々に変化するような形状であることを特徴とする。
第2発明に係るコルゲーションダンパは、第発明において、前記周期的変化は、前記角度位置が360°変化する間に奇数回生じることを特徴とする。
第3発明に係るコルゲーションダンパは、第2発明において、前記各径方向位置における周期的変化の位相は、内周側の径方向位置から外周側の径方向位置にかけて、所定の角度位置だけ、一定の角度方向に順次ずれており、又は一致していることを特徴とする。
第4発明に係るコルゲーションダンパは、第2又は第3発明において、コルゲーションダンパの中心軸を含む任意の面におけるコルゲーションの主要部の断面形状として、同一のものは、前記奇数回が1回の場合には存在せず、他の場合には前記奇数回と同数のみが存在することを特徴とする。
第5発明に係るコルゲーションダンパは、第1〜第4発明のいずれか1つの発明において、コルゲーションにおいて、コルゲーションの基準面よりも所定の高さ以上高い部分が、コルゲーションダンパの中心軸を中心とする渦巻き状に形成されていることを特徴とする。
第6発明に係るスピーカは、第1〜第5発明のいずれか1つの発明において、コルゲーションダンパを複数枚有することを特徴とする。
第7発明に係るスピーカは、第6発明において、相互に隣接する前記コルゲーションダンパの各コルゲーションの基準面に対する高さが各対応位置において一致し又は反転していることを特徴とする。
第8発明に係るスピーカは、第3発明に係るコルゲーションダンパを複数備え、隣接する各コルゲーションダンパは、前記順次のずれの角度方向が同一であり、又は相互に逆であることを特徴とする。
本発明によれば、スピーカの音質をより向上させることができる。
本発明の第1の実施形態に係るコルゲーションダンパの平面図並びにそのA−A線断面図及びB−B線断面図である。 図1(c)の右半分を拡大した断面図である。 図1のコルゲーションダンパを半分に切断した一方の部分の斜視図である。 図3に現れているコルゲーションの断面の図である。 従来のコルゲーションダンパについて、付与する錘の数を変えながら、外周部に対する内周部の変位を測定した結果を示す図である。 図1のコルゲーションダンパについて、付与する錘の数を変えながら、外周部に対する内周部の変位を測定した結果を示す図である。 本発明の第2の実施形態に係るコルゲーションダンパの斜視図である。 従来の一般的な蝶ダンパの平面図である。 従来のコルゲーションダンパの半分を斜め上方から見た様子を示すディスプレイ画面の図である。 従来のコルゲーションダンパにおけるコルゲーション部分の断面図である。
図1(a)は本発明の第1の実施形態に係るコルゲーションダンパの平面図であり、同図(b)及び(c)はそのA−A線断面図及びB−B線断面図である。同図において、1はコルゲーションダンパ、2はスピーカの振動板及びボイスコイルボビンを支持する内周部、3はスピーカフレームに固定される外周部、4は内周部2及び外周部3間に介在するコルゲーション(波型の部分)、5はコルゲーション4を構成する山(ここでは、「谷」も逆向きの山と考えて、「山」という。)、6、6a及び6bは後述するR尻線、そして7はコルゲーションダンパ1の中心軸である。コルゲーションダンパ1は、綿布や、ナイロン繊維などを基材とし、熱成形により製造することができる。ポリイミド樹脂などの高分子フィルムを基材とし、熱成形により製造したり、ABS樹脂などのいわゆるエンジニアリングプラスチックを材料として、射出成形により製造したりすることもできる。
また、図中のa1〜a4は中心軸7を中心とするコルゲーションダンパ1上の角度位置を示す。角度位置a1は図1(c)のB−B線断面図における右側の断面の位置に該当する。角度位置a1から反時計回りに90°変化した角度位置がa2、さらに90°進んだ角度位置がa3、さらに90°進んだ角度位置がa4である。
図2は図1(c)の右半分を拡大した断面図である。図中の8はコルゲーションダンパ1における所定の基準面である。a、b、・・・、rはそれぞれ、コルゲーションダンパ1の中心軸からの距離が一定である位置、すなわち半径方向位置を示す。9はコルゲーション4と内周部2との接続部であり、10はコルゲーション4と外周部3との接続部である。半径方向位置a〜rのそれぞれの間の間隔、半径方向位置a及び接続部9間の間隔、並びに半径方向位置r及び接続部10間の間隔はすべて所定の値Sであり、一定である。Sの値としては、たとえば1.15[mm]が該当する。
各半径方向位置a〜rにおけるコルゲーション4の基準面8に対する高さhは、中心軸7を中心とする角度位置の変化に応じ、周期的に変化している。すなわち、角度位置a1においては、半径方向位置a、c、e、g、i、k、m、o、qでの高さhは0[mm]であり、半径方向位置b、f、j、n、rでの高さは+0.8[mm]であり、半径方向位置d、h、l、pでの高さは−0.8[mm]である。これらの各半径方向位置a〜rにおける高さは角度位置の変化に応じて徐々に変化し、角度位置が90°変化する毎に0.8[mm]だけ変化する。そして、角度位置が360°変化した場合に、1周期分の高さの変化が完了し、各半径方向位置a〜r相互間の高さ関係は角度位置a1における元の高さ関係に戻る。このことは、中心軸7を含む面によるコルゲーション4の断面形状として、如何なる断面を考えたとしても、等しいものが存在しないことを意味する。
具体的には、角度位置a1から始まり、角度位置が反時計回りに90°変化する毎に、半径方向位置a、e、i、m、qの高さは、0[mm]から、+0.8[mm]、0[mm]−0.8[mm]、0[mm]のように変化する。半径方向位置b、f、j、n、rの高さは、+0.8[mm]から、0[mm]、−0.8[mm]、0[mm]、+0.8[mm]のように変化する。半径方向位置c、g、k、oの高さは0[mm]から、−0.8[mm]、0[mm]、+0.8[mm]、0[mm]のように変化する。半径方向位置d、h、l、pの高さは−0.8[mm]から、0[mm]、+0.8[mm]、0[mm]−0.8[mm]のように変化する。
たとえば、半径方向位置nについて見てみると、角度位置a1において、図2又は図1(c)における右側の断面のように、高さが最も高い+0.8[mm]の山を形成しており、半径方向位置nに対応するR尻線6a及び6bは、最も間隔が大きくなっている。なお、R尻線とは、曲率を有する部分(山の頂部近傍)と、有しない部分(頂部から離れた直線的な斜面)との境界線を意味する。図1(a)においては、各半径位置a〜rを中心として生じる曲率について、対応するR尻線6が表示されている。
角度位置a2においては、図1(b)の上側の断面に現れているように、高さが0[mm]となり、かつ隣接する半径方向位置m及びoの高さがそれぞれ+8[mm]及び−8[mm]となるので、半径方向位置nでは山が消失してR尻線6a及び6bの間隔は0となる。なお、半径方向位置m及びoに対応するR尻線6の間隔は角度位置a2において最大となる。角度位置a3においては、半径方向位置nの高さは−8[mm]となり、逆方向に最も高い山となる。対応するR尻線6a及び6bの間隔も最大となる。角度位置a4においては、高さが0[mm]となり、R尻線6a及び6bの間隔は0となる。そして、角度位置a1の状態に戻る。
角度位置に応じて高さが半径方向位置nの場合と同じ位相で変化する半径方向位置b、f、jについても、同様にしてB−B線断面(角度位置a1及びa3)において最も高い山を形成し、A−A線断面(角度位置a2及びa4)において山は消失する。他の半径方向位置については、上述した高さの変化に応じ、半径方向位置nに対し、90°進んだ位相、90°遅れた位相、又は反転した位相で最も高い山を形成し、あるいはその山が消失する。
ただし、半径方向位置a及びrについては、それぞれに隣接する接続部9及び10の高さが、角度位置に拘らず常に、それぞれ−8[mm]及び0[mm]に固定されていることに対応し、他の半径方向位置とは異なる位相で山を形成し、対応するR尻線6の間隔の変化も異なったものとなる。
図3はコルゲーションダンパ1を半分に切断した一方の部分の斜視図である。この部分は角度位置a4からa2までの部分である。したがって同図においては、図1(b)のA−A線断面図を逆方向から見た断面が現れている。図3中のA〜Rは、半径方向位置a〜rに対応するコルゲーションダンパ1上の位置を示すラインである。31は角度位置a1におけるコルゲーションダンパ1上の位置を示すラインである。上述の半径方向位置nについて見てみると、ラインNで示されるように、角度位置a4においては、両側の山(ラインO)及び逆向きの山(ラインM)の間において高さが0[mm]であり、平面となっていることがわかる。したがって上述のように、対応するR尻線の間隔は0である。角度位置a4から反時計回りに角度位置が変化するにつれて徐々に高さが高くなり、角度位置a1(ライン31)においては、高さが+0.8[mm]の山の頂部となる。角度位置a1を過ぎると徐々に高さが低くなり、角度位置a2においては再び高さが0[mm]となる。すなわち、隣のラインM部分の山と、ラインO部分の逆向きの山との間において平面とななる。
図4(a)は図3に現れているコルゲーション4の角度位置a2における断面の図であり、図4(b)は図3に現れているコルゲーション4の角度位置a4における断面の図である。図4(c)は図4(b)の断面図を、断面に垂直な軸の周りに180°回転させた断面図である。図4(a)の断面部分を矢印Ya方向(裏側)から見た形と、図4(b)の断面部分を矢印Yb方向(表側)から見た形とが、内周側の端部4aを除き、同一であることが、図4(a)及び(c)を比較すれば容易に理解できる。同様に、図4(a)の断面部分を矢印Yp方向(表側)から見た形と、図4(b)の断面部分を矢印Yq方向(裏側)から見た形とが、内周側の端部4aを除き、同一であることが容易に理解できる。
つまり、図4(a)の断面及び図4(b)の断面は、端部4aを除き、断面に垂直でかつ基準面8上に位置する軸について回転対称であるということができる。この回転対称性は上述のように、各半径方向位置a〜rにおける基準面8からの高さを、角度位置が180°変化した位置で反転するように徐々に変化させ、360°で1サイクルの高さ変化となるようにしたことに起因する。したがって、この回転対称性はA−A線断面に限らず、中心軸7を通る如何なる断面においても成立する。つまり、コルゲーション4は、内周側の端部4aを除き、表側から見た形状と裏側から見た形状とが等しい。
コルゲーションダンパ1を用いたスピーカの駆動に際し、スピーカのボイスコイルボビンの振動とともに、内周部2も中心軸7に沿って振動する。外周部3はスピーカフレームに固定されているので、振動はしない。したがって、内周部2の振動は、内周部2及び外周部3間のコルゲーション4を経て減衰され、外周部3によって支持される。その際、スピーカの性能を良好なものとするためには、コルゲーションダンパ1は、ボイスコイルから振動板に伝わる振動を、駆動信号に対するリニアリティを損なうことなく、極力正確に保持する必要がある。この点、コルゲーション4によれば、表側と裏側の形状が、接続するボイスコイルボビンに対して同一であるため、中心軸7方向のボイスコイルボビンの振動に対して作用する力が、表側及び裏側方向において同一となり、表裏両方向への振動にわたるリニアリティが良好に維持される。
図5及び図6はコルゲーションダンパ1の効果を従来のコルゲーションダンパの場合と比較して示す。図5では、従来のコルゲーションダンパについて、付与する錘の数を変えながら、外周部に対する内周部の変位を測定した結果が示されている。図中の51は従来のコルゲーションダンパを表側方向に変位させた場合の変位を示すグラフ曲線であり、52は裏側方向に変位させた場合の変化を示すグラフ曲線である。図6では、本実施形態に係るコルゲーションダンパ1について、付与する錘の数を変えながら、外周部3に対する内周部2の変位を測定した結果が示されている。図中の61はコルゲーションダンパ1を表側方向に変位させた場合の変位を示すグラフ曲線であり、62は裏側方向に変位させた場合の変化を示すグラフ曲線である。
図5に示すように、従来のコルゲーションダンパの場合には、錘の数に拘りなく常に、表側方向の変位(曲線51)が、裏側方向の変位(曲線52)に対し、一定の割合で大きいことがわかる。すなわち、従来のコルゲーションダンパにおいては、負荷される力に対し、変位が裏側方向と表側方向とで異なる。コルゲーションの山の動きを考えると、ボイスコイルが上方向(表側方向)に移動するときには、コルゲーションの頂部は外周方向へ傾くが、逆に下方向(裏側方向)に移動するときには、コルゲーションの頂部は内周側に動く。このような動きに起因して、ボイスコイルの上下運動に対し、コルゲーションダンパの変位は、上下方向で異なることになると考えられる。
これに対し、本実施形態に係るコルゲーションダンパ1の場合には、図6に示すように錘の数に拘りなく常に、表側方向の変位(曲線61)と、裏側方向の変位(曲線62)とがほぼ同一であることがわかる。コルゲーションダンパ1の場合、コルゲーション4の形状が、幾何学的に表側と裏側とで同一であるため、荷重に対する変位も上下方向で同一になると考えられる。したがって、上下方向にわたる変位のリニアリティが向上する。
さらに、コルゲーションダンパ1の場合、山の高さが周方向において一定である従来のコルゲーションダンパとは異なり、各半径方向位置a〜rにおいて、角度位置に応じて高さを変化させ、山や谷を形成するようにしてあるため、共振峰が出現し難く、歪の発生が抑制される。言い換えると、中心軸7を含むどの面においてもコルゲーション4の断面形状が異なり、従来のコルゲーションダンパのような回転体の形状とはなっていないので、共振が発生しにくい。
また、全体的に見ると、コルゲーション4においては、山が渦巻き状になって形成されている。たとえば図3に示すように、角度位置a4においてラインO上に存在する高さが最大の+0.8[mm]である箇所は、角度位置a2においては1つ内側のラインN上に移動し、角度位置a3においてはさらに1つ内側のラインM上に移動するというように、山が渦巻き状になっている。したがって、コルゲーションダンパ1が適用されたスピーカの駆動時には、蝶ダンパに近い作用によって振動板の振動を支持することができる。したがって、コルゲーション4に加えられる負荷が、従来のコルゲーションダンパにおける同心円状のコルゲーションの場合に比べ、外周側にも分散されるので、屈曲疲労に対する耐性が高まる。
以上説明したように、本実施形態によれば、角度位置が変化するにつれて高さが0[mm]から徐々に変化し、最大の高さ+0.8[mm]、高さ0[mm]、逆方向に最大の高さ−0.8[mm]をこの順序で経て、高さ0[mm]に戻るという360°で1サイクルの変化が、半径方向位置a〜rにおいて、順次90°ずつ位相をずらしながら生じるような形態のコルゲーション4を採用したため、コルゲーション4を表裏同一形状とし、軸方向変位のリニアリティを向上させ、共振の発生を抑制し、かつ屈曲疲労に対する耐性を向上させることができる。
図7は本発明の第2の実施形態に係るコルゲーションダンパの斜視図である。同図においては中心軸7を含む面で半分に切断したコルゲーションダンパ71が示されている。コルゲーションダンパ71は内周部2及び外周部3の間に、同一断面でみれば上述のコルゲーション4よりも山の数が少ないコルゲーション74を備える。図中のα〜ιは中心軸7を中心とする所定の各半径方向位置に対応するコルゲーション74上の位置を示すラインである。各半径方向位置間の間隔は、上述の半径方向位置a〜rの場合と同様に等しい。
ラインα〜ιの高さは第1実施形態の場合と同様に+8[mm]から−8[mm]の間で周期的に変化する。ただし、第1実施例においては角度位置が360°変化すると高さが1サイクル変化するのに対し、本実施形態では、360°で3サイクル変化する。このことは、中心軸7を含む面によるコルゲーション74の断面形状として、3つずつ等しい断面が存在することを意味する。つまり、120°の角度位置の範囲内においては、同一の断面が存在しない。
図7の右側の切断面における角度位置を0°とすると、たとえば、ラインαの高さは、0°の角度位置では+0.8[mm]、反時計回りに30°変化した角度位置では0[mm]、60°の角度位置では−0.8[mm]、90°の角度位置では0[mm]、そして120°の角度位置では+0.8[mm]に戻るというように、120°で1サイクル変化する。ラインβ〜ιはこれよりも順次20°ずつ位相が遅れて変化する。たとえば、ラインδはラインαよりも60°遅れているので、0°の角度位置における高さは−0.8[mm]である。ラインηは120°、すなわち丁度1サイクル遅れているので、0°の角度位置における高さはラインαの場合と同じ+0.8[mm]である。
全体的に見ると、最も高い+0.8[mm]の位置は、たとえば0°の角度位置におけるラインα上の位置から、20°の角度位置におけるラインβ上の位置、40°のラインγ上の位置、60°のラインδ上の位置、80°のラインε上の位置、100°のラインζ上の位置、120°のラインη上の位置、140°のラインθ上の位置、160°のラインι上の位置というように、20°毎に順次外側のライン上に移動してゆき、これにより1つの渦巻き状の山を形成している。そして各ラインの高さは360°で3サイクル変化するので、全体として、3つの渦巻き状の山又は谷(逆方向の山)が形成されている。したがって、第1実施例の場合と同様に、コルゲーションダンパ71が適用されたスピーカの駆動時には、蝶ダンパに近い作用によって振動板の振動を支持し、屈曲疲労に対する耐性も高まる。
本実施形態によっても、第1実施形態の場合と同様に、コルゲーション74の形状が、内周部2側の端部を除く主要部において、表と裏とで同一であり、120°の角度位置の範囲内においては同一の断面が存在せず、山が渦巻き状に形成されているため、軸方向変位のリニアリティを向上させ、共振の発生を抑制し、かつ屈曲疲労に対する耐性を向上させることができる。
なお、本発明は上述実施形態に限定されることなく、適宜変形して実施することができる。たとえば、上述においては言及しなかったが、口径が大きく、高い耐入力性が必要とされるスピーカにおいて本発明に係るコルゲーションダンパを用いる場合には、複数枚のコルゲーションダンパを用いるようにしてもよい。この場合、各コルゲーションダンパにおける起伏の向き、すなわち基準面に対する高さが同一となるように、又は反転するように、各コルゲーションダンパ間の角度位置を調整するようにしてもよい。また、各コルゲーションダンパとして、上述の位相のずれの方向が同一で、同一方向に上述の渦巻き状の山を形成している複数のものや、上述の位相のずれの方向が相互に逆方向で、相互に逆方向に上述の渦巻状の山を形成している複数のものを用いるようにしてもよい。
また、上述においては、各半径方向位置における高さの変化のサイクルが360°で1サイクルの場合及び3サイクルの場合について述べたが、これに限らず、360°で奇数サイクル変化するものであれば、360°で5サイクル等の変化を示すものであってもよい。
また、上述においては、各半径方向位置における周期的変化の位相は、内周側の径方向位置から外周側の径方向位置にかけて、90°又は20°だけ、一定の角度方向に順次ずれてゆく例について説明したが、この位相のずれ量としては、他の角度であってもよく、また、0°(ずれがない)であってもよい。
また、上述においては、半径方向位置a〜rの18の半径方向位置、及びラインα〜ιの9つの半径方向位置において高さが周期的に変化するコルゲーションについて説明したが、これに限らず、他の数の半径方向位置において高さが周期的に変化するようなコルゲーションを採用するようにしてもよい。
1,71:コルゲーションダンパ、2,81:内周部、3,82:外周部、4,74:コルゲーション、4a:端部、5:山、6,6a,6b:R尻線、7:中心軸、8:基準面、9,10:接続部、31,A〜R,α〜ι:ライン、51,52,61,62:グラフ曲線、83:アーム部、101:山、a1〜a4:角度位置、a〜r:半径方向位置。

Claims (8)

  1. コルゲーションの主要部の形状が、一方の面の側から見た場合と他方の面の側から見た場合とで同一であり、
    コルゲーションダンパの中心軸を含む任意の断面において、コルゲーションの主要部における該断面の形状は、該断面に垂直であってコルゲーションの基準面に含まれる軸について回転対称であり、
    コルゲーションの形状は、コルゲーションダンパの中心軸を中心とする所定の各径方向位置において、該中心軸を中心とする角度位置の変化に応じ、コルゲーションの基準面に対する高さが周期的かつ徐々に変化するような形状であることを特徴とするコルゲーションダンパ。
  2. 前記周期的変化は、前記角度位置が360°変化する間に奇数回生じることを特徴とする請求項に記載のコルゲーションダンパ。
  3. 前記各径方向位置における周期的変化の位相は、内周側の径方向位置から外周側の径方向位置にかけて、所定の角度位置だけ、一定の角度方向に順次ずれており、又は一致していることを特徴とする請求項に記載のコルゲーションダンパ。
  4. コルゲーションダンパの中心軸を含む任意の面におけるコルゲーションの主要部の断面形状として、同一のものは、前記奇数回が1回の場合には存在せず、他の場合には前記奇数回と同数のみが存在することを特徴とする請求項2又は3に記載のコルゲーションダンパ。
  5. コルゲーションにおいて、コルゲーションの基準面よりも所定の高さ以上高い部分が、コルゲーションダンパの中心軸を中心とする渦巻き状に形成されていることを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載のコルゲーションダンパ。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載のコルゲーションダンパを複数枚有することを特徴とするスピーカ。
  7. 相互に隣接する前記コルゲーションダンパの各コルゲーションの基準面に対する高さが各対応位置において一致し又は反転していることを特徴とする請求項に記載のスピーカ。
  8. 請求項3記載のコルゲーションダンパを複数備え、隣接する各コルゲーションダンパは、前記順次のずれの角度方向が同一であり、又は相互に逆であることを特徴とするスピーカ。
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