JP5411694B2 - 油中水型エマルジョン中の微粒子上での単分子pcr - Google Patents

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Description

本出願は、2006年6月19日に提出された米国仮出願第60/814,585号の利益を主張し、その全ての開示内容が本明細書に明示的に組み入れられる。
米国政府は、CA 43460、CA57345およびCA 62924を含む、NIHからの助成金に基づき、本発明において一定の権利を有する。
発明の技術分野
本発明は、DNA分析の領域に関する。詳細には、これはDNA分子の単一の種の増幅および隔離に関する。
発明の背景
20世紀になされた最も重要なバイオテクノロジー上の進歩には、単一のDNA分子を同一なDNA分子の集団へと変換する方法が含まれた。この目的のための手法の第一波は細胞を使用し(クローニング)、第二波はPCRを使用した。クローニングは、個々の分子に端を発する集団がこの過程を通じて本来的に分離されるという点で有利であった。これとは対照的に、PCRに基づく方法は、産物を別々に保とうとするならば、各鋳型のために個々の区画(チューブ)を必要とした。エマルジョンPCRは、数百万もの鋳型が単一のチューブ内で個別に増幅され得るように区画を小型化することによって、この欠点を克服した。
BEAMing(beads, emulsions, amplification, and magnetics)は、各区画内で形成された産物をひとたびエマルジョンが破壊されたところでまとめることによるエマルジョンPCRに基礎を置く。これは、(i)ビーズを区画内に含めることおよび(ii)確実にPCR産物の1つの鎖がビーズと結合するようにすることによって達成された。増幅の後に、各ビーズはそのビーズを含む区画中に存在する単一のDNA分子の数千ものコピーによって覆われ、これらのビーズは磁石または遠心分離によって容易に回収することが可能と考えられる。
BEAMingを介して得られたビーズは鋳型集団内に存在するDNAの多様性を正確に反映しており、DNA集団のどの画分が特定の突然変異を含むかを決定するために用いることができる。各ビーズは同一配列の数千もの分子を含むため、ハイブリダイゼーションまたは酵素アッセイによって得られるシグナル-ノイズ比は極めて高い。数百万ものビーズは、従来のフローサイトメトリーまたは光学スキャニング装置を用いて数分以内で分析することができる。また、ビーズに結合したDNAは、ハイスループットシークエンシングのための優れた鋳型ともなる。
当技術分野では、DNAの分析および遺伝子診断を改良するためにDNA増幅のスループットを改良することが引き続き必要とされている。
本発明の1つの態様によれば、ヌクレオチド配列の変異を分析するための方法が提供される。油相および水相を含むマイクロエマルジョンが形成される。水相は分析物DNA分子の1つまたは複数の種を含む。マイクロエマルジョンの10〜30%(v/v)は水相であり、マイクロエマルジョンの70〜90%(v/v)は油相である。油相は、粘度が25℃で20mPas未満である1つまたは複数の低粘度炭化水素を油相の60〜85%(v/v)の量で、粘度が25℃で20mPasを上回る1つまたは複数の高粘度炭化水素を10〜30%(v/v)の量で、および乳化剤を5〜10%(v/v)の量で含む。マイクロエマルジョン中の分析物DNA分子を試薬ビーズの存在下で増幅する。試薬ビーズには、分析物DNA分子を増幅するためのプライマーの多数の分子が結合している。分析物DNA分子の1つの種の多数のコピーと結合している産物ビーズが形成される。産物ビーズを、産物ビーズと結合していない分析物DNA分子から分離する。産物ビーズと結合している分析物DNA分子の1つの種の配列特徴を決定する。
液体組成物が本発明によって提供される。それは水性区画を形成する多数のマイクロエマルジョンを含み、前記水性区画の少なくとも一部分はビーズ、ポリヌクレオチド鋳型、および前記鋳型を増幅するためのオリゴヌクレオチドプライマーを含む。オリゴヌクレオチドプライマーの少なくとも一部分はビーズと結合している。マイクロエマルジョンは油相および水相を含む。マイクロエマルジョンの10〜30%(v/v)は水相であり、マイクロエマルジョンの70〜90%(v/v)は油相である。油相は、粘度が25℃で20mPas未満である1つまたは複数の低粘度炭化水素を油相の60〜85%(v/v)の量で、粘度が25℃で20mPasを上回る1つまたは複数の高粘度炭化水素を10〜30%(v/v)の量で、および乳化剤を5〜10%(v/v)の量で含む。
本発明のもう1つの態様は、ヌクレオチド配列の変異体を単離するための方法である。油相および水相を含むマイクロエマルジョンが形成される。水相は分析物DNA分子の1つまたは複数の種を含む。マイクロエマルジョンの10〜30%(v/v)は水相であり、マイクロエマルジョンの70〜90%(v/v)は油相である。油相は、粘度が25℃で20mPas未満である1つまたは複数の低粘度炭化水素を油相の60〜85%(v/v)の量で、粘度が25℃で20mPasを上回る1つまたは複数の高粘度炭化水素を10〜30%(v/v)の量で、および乳化剤を5〜10%(v/v)の量で含む。マイクロエマルジョン中の分析物DNA分子を試薬ビーズの存在下で増幅する。試薬ビーズには、分析物DNA分子を増幅するためのプライマーの多数の分子が結合している。分析物DNA分子の1つの種の多数のコピーと結合している産物ビーズが形成される。産物ビーズを、産物ビーズと結合していない分析物DNA分子から分離する。分析物DNA分子の第1の種の多数のコピーと結合している産物ビーズを、分析物DNA分子の第2の種の多数のコピーと結合している産物ビーズから単離する。
本発明のもう1つの局面は、分析物DNA分子の1つまたは複数の種を含むマイクロエマルジョンが形成され、マイクロエマルジョン中の分析物DNA分子が試薬ビーズの存在下で増幅され、試薬ビーズが分析物DNA分子を増幅するためのプライマーの多数の分子と結合しており、分析物DNA分子の1つの種の多数のコピーと結合している産物ビーズが形成され、産物ビーズと結合していない分析物DNA分子から産物ビーズが分離され、産物ビーズと結合している分析物DNA分子の1つの種の配列特徴が決定される、ヌクレオチド配列の変異を分析するための方法の改良である。この改良は、多数の別個のマイクロエマルジョン集団を、マルチウェルプレート内で、各ウェル内の金属ボールを用いて同時に形成させるための組織破砕混合機(tissue mixer mill disruptor)の使用である。
上記および他の態様は、DNA変異をより効率的に分析するためのツールを当技術分野に提供する本明細書を読めば、当業者には明らかであると考えられる。
[1] 以下の段階を含む、ヌクレオチド配列の変異を分析するための方法:
油相および水相を含むマイクロエマルジョンを形成させる段階であって、水相が分析物DNA分子の1つまたは複数の種を含み、水相がマイクロエマルジョンの10〜30%(v/v)を構成し、かつ油相がマイクロエマルジョンの70〜90%(v/v)を構成し;油相が、粘度が25℃で20mPas未満である1つまたは複数の低粘度炭化水素を油相の60〜85%(v/v)の量で、粘度が25℃で20mPasを上回る1つまたは複数の高粘度炭化水素を10〜30%(v/v)の量で、および乳化剤を5〜10%(v/v)の量で含む、段階;
マイクロエマルジョン中の分析物DNA分子を試薬ビーズの存在下で増幅する段階であって、試薬ビーズが分析物DNA分子を増幅するためのプライマーの多数の分子と結合しており、それにより分析物DNA分子の1つの種の多数のコピーと結合している産物ビーズが形成される、段階;
産物ビーズを、産物ビーズと結合していない分析物DNA分子から分離する段階;
産物ビーズと結合している分析物DNA分子の1つの種の配列特徴を決定する段階。
[2] マイクロエマルジョンが、油相の15〜25%(v/v)の量の高粘度炭化水素を伴って形成される、[1]記載の方法。
[3] マイクロエマルジョンが、油相の17〜23%(v/v)の量の高粘度炭化水素を伴って形成される、[1]記載の方法。
[4] 多数の別個のマイクロエマルジョン集団が、マルチウェルプレート内で、組織破砕混合機(tissue mixer mill disruptor)および各ウェル内の金属ボールを用いて同時に形成される、[1]記載の方法。
[5] 低粘度炭化水素が、ヒドロキシル、エステル、エーテル、およびカルボン酸からなる群より選択される酸素部分を含む、[1]記載の方法。
[6] 高粘度炭化水素が25℃で20〜30mPasの粘度を有する、[1]記載の方法。
[7] 高粘度炭化水素が25℃で20〜25mPasの粘度を有する、[1]記載の方法。
[8] 高粘度炭化水素が25℃で22〜26mPasの粘度を有する、[1]記載の方法。
[9] 低粘度炭化水素が、4-グリセリルイソステアラート、エチレングリコール、プロピレングリコール、セチルプロピレングリコール、ラウリン酸ヘキシル、ジエチルヘキシルカーボナート、およびそれらの混合物からなる群より選択される、[1]記載の方法。
[10] 低粘度炭化水素が25℃で15mPas未満の粘度を有する、[1]記載の方法。
[11] 低粘度炭化水素が25℃で10mPas未満の粘度を有する、[1]記載の方法。
[12] 低粘度炭化水素が25℃で5mPas未満の粘度を有する、[1]記載の方法。
[13] 水性区画の少なくとも一部分が、
ビーズ;
ポリヌクレオチド鋳型;および
該鋳型を増幅するためのオリゴヌクレオチドプライマーを含み、該オリゴヌクレオチドプライマーの少なくとも一部分が該ビーズと結合している、水性区画を形成する多数のマイクロエマルジョンを含む液体組成物であって、
該マイクロエマルジョンが油相および水相を含み、水相がマイクロエマルジョンの10〜30%(v/v)を構成し、かつ油相がマイクロエマルジョンの70〜90%(v/v)を構成し;油相が、粘度が25℃で20mPas未満である1つまたは複数の低粘度炭化水素を油相の60〜85%(v/v)の量で、粘度が25℃で20mPasを上回る1つまたは複数の高粘度炭化水素を10〜30%(v/v)の量で、および乳化剤を5〜10%(v/v)の量で含む、液体組成物。
[14] マイクロエマルジョンが、高粘度炭化水素を油相の15〜25%(v/v)の量で含む、[13]記載の液体組成物。
[15] マイクロエマルジョンが、高粘度炭化水素を油相の17〜23%(v/v)の量で含む、[13]記載の液体組成物。
[16] 多数の別個のマイクロエマルジョン集団が、マルチウェルプレート内で、組織破砕混合機および各ウェル内の金属ボールを用いて同時に形成される、[13]記載の液体組成物。
[17] 低粘度炭化水素が、ヒドロキシル、エステル、エーテル、およびカルボン酸からなる群より選択される酸素部分を含む、[13]記載の液体組成物。
[18] 高粘度炭化水素が25℃で20〜30mPasの粘度を有する、[13]記載の液体組成物。
[19] 高粘度炭化水素が25℃で20〜25mPasの粘度を有する、[13]記載の液体組成物。
[20] 高粘度炭化水素が25℃で22〜26mPasの粘度を有する、[13]記載の液体組成物。
[21] 低粘度炭化水素が、4-グリセリルイソステアラート、エチレングリコール、プロピレングリコール、セチルプロピレングリコール、ラウリン酸ヘキシル、ジエチルヘキシルカーボナート、およびそれらの混合物からなる群より選択される、[13]記載の液体組成物。
[22] 低粘度炭化水素が25℃で15mPas未満の粘度を有する、[13]記載の液体組成物。
[23] 低粘度炭化水素が25℃で10mPas未満の粘度を有する、[13]記載の液体組成物。
[24] 低粘度炭化水素が25℃で5mPas未満の粘度を有する、[13]記載の液体組成物。
[25] 以下の段階を含む、ヌクレオチド配列の変異体を単離するための方法:
油相および水相を含むマイクロエマルジョンを形成させる段階であって、水相が分析物DNA分子の1つまたは複数の種を含み、水相がマイクロエマルジョンの10〜30%(v/v)を構成し、かつ油相がマイクロエマルジョンの70〜90%(v/v)を構成し;油相が、粘度が25℃で20mPas未満である1つまたは複数の低粘度炭化水素を油相の60〜85%(v/v)の量で、粘度が25℃で20mPasを上回る1つまたは複数の高粘度炭化水素を10〜30%(v/v)の量で、および乳化剤を5〜10%(v/v)の量で含む、段階;
マイクロエマルジョン中の分析物DNA分子を試薬ビーズの存在下で増幅する段階であって、試薬ビーズが分析物DNA分子を増幅するためのプライマーの多数の分子と結合しており、それにより分析物DNA分子の1つの種の多数のコピーと結合している産物ビーズが形成される、段階;
産物ビーズを、産物ビーズと結合していない分析物DNA分子から分離する段階;
分析物DNA分子の第1の種の多数のコピーと結合している産物ビーズを、分析物DNA分子の第2の種の多数のコピーと結合している産物ビーズから単離する段階。
[26] マイクロエマルジョンが、油相の15〜25%(v/v)の量の高粘度炭化水素を伴って形成される、[25]記載の方法。
[27] マイクロエマルジョンが、油相の17〜23%(v/v)の量の高粘度炭化水素を伴って形成される、[25]記載の方法。
[28] 多数の別個のマイクロエマルジョン集団が、マルチウェルプレート内で、組織破砕混合機および各ウェル内の金属ボールを用いて同時に形成される、[25]記載の方法。
[29] 低粘度炭化水素が、ヒドロキシル、エステル、エーテル、およびカルボン酸からなる群より選択される酸素部分を含む、[25]記載の方法。
[30] 高粘度炭化水素が25℃で20〜30mPasの粘度を有する、[25]記載の方法。
[31] 高粘度炭化水素が25℃で20〜25mPasの粘度を有する、[25]記載の方法。
[32] 高粘度炭化水素が25℃で22〜26mPasの粘度を有する、[1]記載の方法。
[33] 低粘度炭化水素が、4-グリセリルイソステアラート、エチレングリコール、プロピレングリコール、セチルプロピレングリコール、ラウリン酸ヘキシル、ジエチルヘキシルカーボナート、およびそれらの混合物からなる群より選択される、[25]記載の方法。
[34] 低粘度炭化水素が25℃で15mPas未満の粘度を有する、[25]記載の方法。
[35] 低粘度炭化水素が25℃で10mPas未満の粘度を有する、[25]記載の方法。
[36] 低粘度炭化水素が25℃で5mPas未満の粘度を有する、[25]記載の方法。
[37] 分析物DNA分子の1つまたは複数の種を含むマイクロエマルジョンが形成され、マイクロエマルジョン中の分析物DNA分子が試薬ビーズの存在下で増幅され、試薬ビーズが分析物DNA分子を増幅するためのプライマーの多数の分子と結合しており、それにより分析物DNA分子の1つの種の多数のコピーと結合している産物ビーズが形成され、産物ビーズと結合していない分析物DNA分子から産物ビーズが分離され、産物ビーズと結合している分析物DNA分子の1つの種の配列特徴が決定される、ヌクレオチド配列の変異を分析するための方法における改良であって、
多数の別個のマイクロエマルジョン集団を、マルチウェルプレート内で、組織破砕混合機および各ウェル内の金属ボールを用いて同時に形成させる段階を含む、改良。
[38] マイクロエマルジョンが油相および水相を含み、水相が分析物DNA分子の1つまたは複数の種を含み、水相がマイクロエマルジョンの10〜30%(v/v)を構成し、かつ油相がマイクロエマルジョンの70〜90%(v/v)を構成し;油相が、粘度が25℃で20mPas未満である1つまたは複数の低粘度炭化水素を油相の60〜85%(v/v)の量で、粘度が25℃で20mPasを上回る1つまたは複数の高粘度炭化水素を10〜30%(v/v)の量で、および乳化剤を5〜10%(v/v)の量で含む、[37]記載の方法。
BEAMing手順の概略図である。プロトコールにおける諸段階に対する言及は、各主要段階に添えて示されている。 48ウェル組織培養プレートのウェル内に堆積したエマルジョンの400倍での位相差顕微鏡写真を示している。ちなみに、ビーズ(矢印)は直系1.05ミクロンである。 フローサイトメトリーによるビーズ集団の分析を示している。図3A中の円で囲まれた集団(単一のビーズ)が図3Bに示されており、これは配列特異的なFITCシグナルによって標識されたビーズを表している。
発明の詳細な説明
本発明者らは、BEAMingを実施するための以前の方法を改善する方法を開発した。以下に記載した方法は、サイクリングの終了時点で各ビーズ上により多くの量のDNAを有する、ビーズのより均質な集団を提供する。さらに、多数のマイクロエマルジョンを同時並行的に作るためのtissue lyserおよび金属ビーズの使用は、単一または2つの並行した試料から数百もの並行した試料へとスループットを大きく高める。
マイクロエマルジョン中の水相は、典型的には、マイクロエマルジョンの少なくとも10%、15%、20%または25%、最大で30%(v/v)を構成する。油相は典型的には、マイクロエマルジョンの少なくとも70%、75%、80%または85%、最大で90%(v/v)を構成する。乳化剤は、両親媒性ではあるが、油相の一部とみなされる。乳化剤は、エマルジョンが形成されると2つの相の界面に並ぶと考えられている。油相を形成する炭化水素は典型的には油または蝋状物質である。これらはその粘度によって以下に示すように特徴づけられる。
極めて低い 25℃で5mPas未満
低い 25℃で5〜10mPas
中程度 25℃で10〜20mPas
高い 25℃で20〜50mPas
極めて高い 25℃で50mPasを上回る
比較的低粘度の油(極めて低い、低いおよび/または中程度と定義される)は、高粘度の油よりも扱いやすい。低粘度の油は、25℃での粘度が10mPas未満または5mPas未満であり得る。しかし、少量のより粘度の高い油を油相の中に混入することで、産物ビーズ間の均一性の増大および増幅レベルの向上が得られる。高粘度の油は、25℃で10〜30mPas、20〜25mPasまたは22〜26mPasの範囲内であり得る。油相の大半は、極めて低い、低い、中程度であるか、またはそのような油もしくは蝋状物質の混合物であり得る。比較的低粘度の油と高粘度の油との割合は、85:10から60:30まで異なり得る。油相の少なくとも60%、65%、70%、75%または80%、最大で85%(v/v)は比較的低粘度の油であり得る。油相の少なくとも10%、15%、17%、20%または25%、最大で23%、25%、27%または30%(v/v)は高粘度の油であり得る。乳化剤は、油相の少なくとも5%、6%、7%、8%または9%、最大で10%(v/v)を構成し得る。
増幅の後に、産物ビーズを、それらに結合したDNAの配列特徴を決定するために分析することができる。ハイブリダイゼーション、プライマー伸長およびヌクレオチドシークエンシングを含む、配列特徴を決定するための任意の方法を用いることができる。あるいは、産物ビーズを、FACs分析、すなわちヌクレオチド分子の2つの異なる種を分離または識別するための手法によって分析することもできる。他の分析手段も適宜用いることができる。
本発明によるビーズは、ミクロスフェアまたは微粒子としても知られている。粒径は直径約0.1〜10ミクロンの間で異なり得る。典型的には、ビーズはポリスチレンなどの重合性材料でできているが、シリカなどの非重合性材料を用いることもできる。用いることができる他の材料には、スチレン共重合体、メタクリル酸メチル、官能化ポリスチレン、ガラス、シリコン、およびカルボキシラートが含まれる。任意で、粒子は超常磁性であり、これは反応に用いた後の粒子の精製を容易にする。
ビーズは、疎水性もしくは親水性といった全体的な表面特性を改変するため、または結合特異性を付与する分子を結びつけるために、他の材料との共有結合性または非共有結合性の相互作用によって修飾することが可能である。そのような分子には、抗体、リガンド、特異的に結合するタンパク質対のメンバー、受容体、核酸が非限定的に含まれる。特異的に結合するタンパク質対には、アビジン-ビオチン、ストレプトアビジン-ビオチン、および第VII因子-組織因子が含まれる。
本発明に従って産物ビーズとして調製された後、ビーズは、それらに結合している同じ核酸分子の複数のコピーを有する。好ましくは、各ビーズには、同じ核酸配列の少なくとも10個、50個、100個、500個または1000個の分子が結合している。状況によっては、産物ビーズの一部には、複数の種類の核酸分子が結合している。これらの産物ビーズは一般に、遺伝子配列の集団における遺伝子配列の比の分析にはあまり有用ではない。そのような産物ビーズは容易に識別することができ、そのため分析を歪めることはないと考えられる。
産物ビーズの集団は、2つまたはそれ以上の種類の核酸を含むことが多いと考えられる。そのような集団は、核酸に関して異種混交的である。産物ビーズは相当な割合で1ビーズ当たり1種類のみの核酸を含むことが望ましい。相当な割合とは、例えば、少なくとも1%、少なくとも5%、少なくとも10%、または少なくとも50%であり得る。1ビーズ当たり1種類のみの核酸を有する産物ビーズは均質と呼ばれる。1ビーズ当たり1種類のみの核酸を有する均質なビーズには、ポリメラーゼ連鎖反応におけるエラーに起因するエラーを含む核酸を有するものが含まれる。1ビーズ当たり2種類の核酸を有する産物ビーズは、異種混交的と呼ばれる。いかなる特定の理論にも束縛されることは望まないが、異種混交的な産物ビーズは、非同一配列である2つより多くの鋳型分子を有する水性区画から生じると考えられる。産物ビーズの集団は、集団としては異種混交的であっても、均質である個々の産物ビーズを含むことが可能である。
個々の産物ビーズは、好ましくは、鋳型分析物分子の複数のコピーを含む。各ビーズは、鋳型分析物の少なくとも10個、少なくとも50個、少なくとも100個、少なくとも500個または少なくとも1000個のコピーを含む場合がある。ビーズが均質であれば、そのようなコピーのそれぞれは同一であると考えられる。
産物ビーズの集団を、液体懸濁液中に維持することができる。あるいは、それらを沈殿させて、乾燥または凍結させることもできる。後者の選択肢は、保存安定性のために有益であると思われる。
産物ビーズの集団の分析は、多くの種類の遺伝的変異体を識別するために有用な可能性がある。ポリヌクレオチドは、一塩基多型(SNP)ほどわずかな違い、突然変異の有無、挿入または欠失の有無、非一塩基性多型の有無による違いであっても識別することができる。したがって、産物ビーズの集団は、これらの遺伝子変異に関して異種混交的であってもよい。
遺伝的変異体を識別するため、すなわち分析物の配列特徴を決定するための、ある非常に便利なやり方は、変異体を蛍光色素で区別して標識することによるものである。そのような標識は、蛍光標識オリゴヌクレオチドプローブと、ポリヌクレオチドの1つの種とのハイブリダイゼーションによって達成することができる。または、蛍光標識抗体を、特定の遺伝的変異体に対してハイブリダイズする1つのオリゴヌクレオチドプローブと特異的に結びつけるために用いることもできる。そのような抗体結合は、例えば、オリゴヌクレオチドハイブリダイゼーションプローブと結びついたタンパク質またはポリペプチドによって媒介され得る。当然ながら、当技術分野で公知であるような、ポリヌクレオチドを標識する他の手段も非限定的に用いることができる。異なるポリヌクレオチド種を標識するもう1つの手段は、プライマー伸長によるものである。プライマーを、蛍光標識デオキシリボヌクレオチドなどの標識されたデオキシリボヌクレオチドを用いて伸長させることができる。
産物ビーズの集団を鋳型として用いることができる。産物ビーズ上の鋳型分析物分子は、ハイブリダイゼーション、プライマー伸長法、質量分析、および当技術分野で一般的に用いられる他の方法によって、DNA配列の変異を評価するために分析することが可能である。産物ビーズ上の鋳型分析物分子を、固相シークエンシングのために用いることができる。1つの固相シークエンシング法では、相補的オリゴヌクレオチドが点在しているスライド上に産物ビーズを配置することによって、産物ビーズを整列させる。もう1つの固相シークエンシング法では、産物ビーズを個々のウェル内に配置する。さらにもう1つの固相シークエンシング法では、産物ビーズをアクリルアミドマトリックス中に組み入れる(その後にポロニー(polony)形成を伴うか、または伴わない)。非標識ヌクレオチド前駆体(例えば、Ronaghi et al., Anal. Biochem. 267: 65-71, 1999に記載されているようなパイロシークエンシング(pyrosequencing))または標識ヌクレオチド(例えば、Mitra et al., Anal. Biochem. 320:55-65, 2003により記載された光開裂性(photocleavable)試薬)を用いるもののような、任意の固相シークエンシング方法を用いて、シークエンシング反応を行うことができる。このため、産物ビーズを、複数の並行したシークエンシングのため、およびそれを容易にするために用いることができる。また、産物ビーズを、IIS型制限エンドヌクレアーゼを使用するシークエンシングに用いることもできる。また、産物ビーズを、従来のジデオキシヌクレオチドシークエンシング用の鋳型を与えるために用いることもできる。配列分析において有用なデータを得るためには、均質な鋳型集団が望ましい。均質な鋳型集団を与えるために、産物ビーズを、希釈、分離、または他の様式で単離して、各シークエンシング反応が単一の産物ビーズを含むようにすることができる。あるいは、産物ビーズを、単一の種の鋳型を有するビーズの集団が与えられるように選別することもできる。
オリゴヌクレオチドプライマーを、当技術分野で公知の任意の手段によってビーズに結合させることができる。それらは共有結合性にまたは非共有結合性に結合し得る。それらは、抗体-抗原相互作用などのタンパク質-タンパク質相互作用、またはビオチン-アビジン相互作用を介してなど、中間物を介して結合し得る。当技術分野で公知であるような他の特異的結合対も同様に用いることができる。最適な増幅を達成するために、ビーズに結合したプライマーは、均質な液相反応で必要とされるよりも長くてもよい。オリゴヌクレオチドプライマーは、少なくとも12ヌクレオチド長、少なくとも15ヌクレオチド長、少なくとも18 ヌクレオチド長、少なくとも25ヌクレオチド長、少なくとも35ヌクレオチド長、または少なくとも45ヌクレオチド長であってもよい。ビーズに結合しているオリゴヌクレオチドプライマーの長さは、液相中にあるプライマーの長さと同一である必要はない。プライマーは、ポリメラーゼ連鎖反応、等温増幅、ローリングサークル増幅、自己持続的配列複製(3SR)、核酸配列に基づく増幅(NASBA)、転写媒介性増幅(TMA)、鎖置換増幅(SDA)、およびリガーゼ連鎖反応(LCR)を非限定的に含む、当技術分野で公知の任意の種類の増幅反応に用いることが可能である。
マイクロエマルジョンは、油、水相および界面活性剤の撹拌またはかき混ぜによって作製される。マイクロエマルジョンは、0.5〜50ミクロンの平均直径を有する小さな水性区画を形成する。区画は平均で、1ミクロン以上10ミクロン以下、11ミクロン以上100ミクロン以下、または約5ミクロンであってもよい。そのような区画の全てがビーズを含む必要はない。前記水性区画10,000個の内少なくとも1個がビーズを含むことが望ましい。典型的には、前記水性区画の1/100〜1/1、または1/50〜1/1がビーズを含む。オリゴヌクレオチドに関して均質であるビーズの割合を最大限にするためには、平均して、各水性区画が1個未満の鋳型分子を含むことが望ましい。水性区画はまた、増幅を行うために必要な、いかなる試薬および酵素も含むことが望ましい。例えば、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)のためには、区画はDNAポリメラーゼおよびデオキシリボヌクレオチドを含むことが望ましいと考えられる。ローリングサークル増幅のためには、DNAポリメラーゼおよび一般的なDNA環が存在してもよい。
エマルジョンは、当技術分野で公知の任意の手段によって、「破壊すること」または崩壊させることが可能である。エマルジョンを破壊するための特に簡単なやり方の1つは、より多くの界面活性剤を加えることである。用いることができる界面活性剤には、Triton X100、ラウレス(Laureth)4、ノニデット(Nonidet)が挙げられるが、それに限定されるわけではない。
本発明による増幅および分析のための試料DNAは、例えば、ゲノムDNA、cDNA、ゲノムDNAのPCR産物、またはcDNAのPCR産物であり得る。試料は、単一の個体に、例えば尿、血液、痰、便、組織、または唾液などの身体試料に由来し得る。試料は個体の集団にも由来し得る。個体はヒトであり得るが、任意の生物体、植物または動物、真核生物または原核生物、ウイルスまたは非ウイルスの可能性もある。
任意の種類のプローブを、ビーズに結合している増幅されたポリヌクレオチドに対する特異的ハイブリダイゼーションのために用いることができる。蛍光標識されたプローブは、その分析を自動化することができ、かつハイスループットを達成することができるため、有用である。蛍光活性化細胞選別(FACS)は、ビーズの異なる集団の分析および単離の両方を可能にする。用いることができる蛍光標識されたプローブの1つの種類は、改変型の分子ビーコンプローブである。これらのプローブは、ステム-ループ構造と、プローブ上、典型的にはプローブの1つの末端上に結びついた、時にリンカーを通じて結びついた蛍光部分とを有する。標準的な分子ビーコンプローブとは異なり、改変型の分子ビーコンプローブは消光部分を有さない。改変型の分子ビーコンプローブは、プローブのいずれか一方、5'末端または3'末端に結びついた蛍光部分を有し得る。1つのそのようなプローブは、突然変異体に対してよりも野生型配列に対してよくハイブリダイズする。もう1つのそのようなプローブは、野生型に対してよりも突然変異体配列に対してよくハイブリダイズする。さらに他のプローブは、好ましくは、別の多型変異体よりもある多型変異体に対してハイブリダイズする。
用いることができる高忠実度(high fidelity)DNAポリメラーゼは、Taqポリメラーゼよりも高率な忠実度(エラー率の低さ)を与えるものである。好ましくは、これらは10-5未満のエラー率、より好ましくは5×10-6未満のエラー率、さらにより好ましくは10-6未満のエラー率を与える。適したポリメラーゼには、以下が挙げられる:Phusion(商標)DNAポリメラーゼ(NEB)、Taq High Fidelity(商標)およびPfuUltra(商標)。これらは、当技術分野において慣例的であるような熱サイクリングポリメラーゼ連鎖反応において用いられる。
マイクロエマルジョンは、以前の教示の通りにビーズおよびプライマーを伴って形成される。BEAMingは熱サイクリングを必要とするため、熱安定性のある乳化剤を用いることができる。1つのそのような乳化剤は、Abil(登録商標)EM90(Degussa - Goldschmidt Chemical, Hopewell, VA)である。他のそのような乳化剤を、当技術で公知の通りに用いることもできる。乳化剤の分子量の大きさは熱安定性の高さと相関する。
アンプリコンは、ポリメラーゼ連鎖反応を用いて効率的に増幅され得る任意のサイズであり得る。癌患者の血清から得られた鋳型の場合には、アンプリコンは好ましくは、300bpよりも短いかそれと等しい、または200bpよりも短いかそれと等しい、または100bpよりも短いかそれと等しい。結腸癌患者の血清からの鋳型は、見たところ小さなサイズに分解されている。このため、より小さなアンプリコンの増幅が、より効率的かつ高感度な検出をもたらす。検出のサイズへの依存性は、図1に示されているように非常に強い。
区別して標識されたジデオキシヌクレオチドを用いた一塩基伸長反応は、配列特徴を検出するための高感度な手段を提供する。産物の検出の際に、個々のビーズが、例えば突然変異型および野生型のヌクレオチドに相当する複数の異なる標識を伴って見いだされたならば、それらを以降の分析から除外することができる。この状況下での複数の異なる標識は、ビーズが、所望の単一の鋳型ではなく、分析物DNAの2つの異なる鋳型を有するマイクロエマルジョン中に存在したこと、またはマイクロエマルジョン中で増幅反応の初期にエラーが生じて、そのため誤った鋳型と正しい鋳型との両方が増幅されたことを示す。
ビーズに結合したアンプリコン上の配列特徴を検出するための1つの手段は、一塩基伸長(SBE)反応を使用する。この反応は典型的には、単一の単量体の付加のみが確実に起こるように標識ジデオキシヌクレオチド三リン酸を使用する。ジデオキシヌクレオチド三リン酸は、放射性、蛍光性および発光性部分を含む、任意の種類の検出可能な標識によって都合良く標識することが可能である。同一試料中の複数の異なる産物を検出することができるように、異なる標識を異なるジデオキシヌクレオチド三リン酸(ddNTP)に結びつけることができる。SBE反応の開始のために必要な全ての試薬の添加の前に、非特異的な伸長をブロックするために非標識ddNTPを添加することができる。典型的には、少なくとも1つの非標識ddNTPを、標識ddNTPの濃度よりも5倍〜40倍高い濃度で添加する。濃度は少なくとも10倍〜20倍高いことが好ましい。例えば、Aが突然変異型塩基であってCが野生型塩基であるならば、SBEの際に、突然変異体に対するRox-ddATP、野生型に対するFITC-ddCTP、ならびに非特異的伸長をブロックするためのddGTPおよびddTTPを、1: 2〜10: 20:20の比で用いることができる。非標識ddNTPは非特異的な取り込みを低下させる。
SBE反応の特異性および/または感度を改良するためのもう1つの任意的な段階は、SBE反応の前に、ビーズと結びついた二本鎖核酸の二重鎖を変性させることである。例えば、二本鎖を加熱すること、または水酸化ナトリウムで処理することができる。2つの鎖の分離の後に、ビーズと結合していない一本鎖をビーズおよびビーズに結合した鎖から分離し、一本鎖を廃棄することができる。
必要に応じて、さらにもう1つの増幅段階を、マイクロエマルジョンが破壊された後に用いることもできる。この段階は、典型的には、ローリングサークル増幅としても知られる等温増幅を使用する。ローリングサークルを生成するために、分子反転プローブまたはパッドロック(padlock)プローブを用いることができる。それらのプローブは、サークルを生成するための鋳型主導性(template-driven)の連結反応の前に、充填を必要とすることもあれば、そうでないこともある。充填が必要な場合、充填される領域は典型的には1〜30ヌクレオチドであると考えられる。等温増幅は、最終的に検出されるシグナルを極めて顕著に増幅することが可能である。等温増幅の後に、上記のように、SBE(一塩基伸長)反応を用いて配列特徴を検出することができる。または、ビーズ上のアンプリコンのヌクレオチド配列を、合成によるシークエンシング(sequencing-by-synthesis)を含む、当技術分野で公知の任意のシークエンシング方法によって決定することもできる。
分析物DNAの供給源として用いることができる試料には、血液、血漿、尿、便、痰、涙液、唾液、および骨髄が挙げられる。固形組織からも分析物DNAを得ることができる。試料は、癌患者から、血縁関係にある親族から、妊娠女性から、および新生児から入手することが可能である。分析物DNAの供給源を、例えば試験物質によって処理してもよく、分析物DNAに対する試験物質の効果を判定することができる。
このプロトコールは現行の増幅方法の進展ではあるものの、この技術にはいくつかの制限もある。1つの制限は、ビーズ上で重合させることのできるPCR産物のサイズである。本発明者らはBEAMingを介して2,700bpもの長さの配列を増幅することに成功しているが、この大きなサイズの産物の収率は、110bp未満のアンプリコンを用いて達成された収率の5%未満である。おそらくはビーズ表面での立体障害が、長いアンプリコン用いた場合の効率の低さの原因であると思われる。これは将来的には、より酵素適合性の高い表面を有する異なるビーズ、または異なるポリメラーゼを用いることによって克服可能であると考えられる(市販のポリメラーゼはいずれも、これまでのところ、上記のものよりも効率的ではない)。
この方法のもう1つの制限は、検索しようとする各アンプリコンに対して異なるエマルジョンを調製する必要性である。この制限は、本明細書に記載した新たなエマルジョン作製手順によって部分的には克服されており、それは原理的には自動化することができ、192種のエマルジョンの同時生成を可能にする。最近記載された工程5などを用いて、より多くの数のエマルジョンを生成させるために、多数並列型のマイクロ流体工学を用いることができる可能性がある。マイクロ流体工学はまた、本明細書に記載したもののような、剪断力に基づく方法よりも均質なエマルジョンを生成する能力を有し得る。
単一の分子を鋳型として用いる区画化PCRを達成することができる他の技術もある。これらには、ピコタイタープレートのウェル6またはポロニー3における増幅が含まれる。これらの方法ではBEAMingほど多くの区画は生じないが、いくつかの用途には十分である。BEAMingにはまた、エマルジョンの調製のためにもその分析のためにも、大部分の施設で日常的に利用可能なもの以外には特殊な装置がほとんど必要ないという利点もある。
Mastrobattistaらは最近、フローサイトメトリーに直接用いることのできる、水-油-水(w/o/w)型エマルジョン中で単一鋳型増幅を生み出すための方法を記載している7。この方法が考案された目的は、BEAMingの開発を促した診断用途とは異なるが、w/o/wに基づく手順において形成された液滴は、Molecular Beaconなどの蛍光プローブが水相中に組み込まれていれば、変異体検出のために用いられる可能性がある。このことは1つのアンプリコン内の1つまたは少数の変異を検索することを可能にすると考えられ、一方、BEAMingはアンプリコン内の任意の変異体の検索を可能にする。
BEAMingの用途を記載している刊行物が最近いくつかある。ハイスループットシークエンシング用の鋳型としてのその使用に加えて3,8、BEAMingは癌患者の血漿試料における突然変異の定量4、ポリメラーゼのエラー率の直接決定2、および転写因子の標的の同定9のために用いられている。
以上の開示内容は本発明を全般的に記載している。本明細書において開示された全ての参考文献は、参照により明示的に組み入れられる。より完全な理解を以下の具体的な例を参照することによって得ることができるが、それらは例示のみを目的として本明細書に提供されており、本発明の範囲を限定することは意図していない。
実施例1‐材料
試薬
結合バッファー:5mM Tris-HCl(pH 7.5)、0.5mM EDTA、1M NaCl
破壊バッファー:10mM Tris-HCl(pH 7.5)、1% Triton-X100、1% SDS、100mM NaCl、1mM EDTA
48ウェル細胞培養プレート(Corning, 3548)
デオキシヌクレオチド三リン酸(dNTP)混合物(各10mM;USB, 77212)
FACSシース液(BD Biosciences, 342003)
5×ハイブリダイゼーションバッファー:75mM Tris-HCl(pH 9.5)、33.5mM MgCl2、25%ホルムアミド 注意
Microamp透明接着フィルム(Applied Biosystems, 4306311)
1.5ml微量遠心管(ねじ蓋、Corning, 430909)
鉱油(Sigma, M3516)
MyOneストレプトアビジンコーティング磁気ビーズ、親水性、直系1μm(10mg/ml;7〜12×109個のビーズ/ml;Invitrogen, 650-01)
0.1M NaOH 注意
10×PCRバッファー:670mM Tris-HCl(pH 8.8)、166mM (NH4)2SO4、100mM β-メルカプトエタノール、11.7mM MgCl2 注意
油/乳化剤混合物:7%(w/v)ABIL WE09、Tegosoft DEC(Degussa Goldschmidt Chemical;実験目的に必要なよりもはるかに多い量でしか販売されていないため、本発明者らから入手可能)中。混合物は室温で2日間以上保存しない。
96ウェルPCRプレート(Denville Scientific, C18096X)
Phusion/iProof高忠実度DNAポリメラーゼ(2 U/μl;NEB/Biorad, F-530L/172-5302)
Platinum Taq DNAポリメラーゼ(5 U/μl;Invitrogen, 10966-034)
Quant-iT PicoGreen dsDNAアッセイキット(Invitrogen, P-7589)
ステンレス鋼ビーズ(5mm;Qiagen, 69982)
96ウェル貯蔵プレート(1.2ml;丸ウェル;丸底;Abgene, AB-0564)
TEバッファー:10mM Tris-HCl(pH 7.5)、1mM EDTA
TKバッファー:20mM Tris-HCl(pH 8.4)、50mM KCl
オリゴヌクレオチド
図1に図示されているように、単一のBEAMing実験のためには6つのオリゴヌクレオチドプライマーが必要である。プライマー1〜3は遺伝子特異的であり、一方、プライマー4〜6は汎用的である。本発明者らは一般に、オリゴヌクレオチドをIDTから入手している。
プライマー3(ドメイン名:frodo.wi.mit.edu/cgi-bin/primer3、文書:primer3_www.cgi)が、プライマーの遺伝子特異的部分を設計するために用いられる。これらの配列はTmがほぼ60℃であるべきであり、18〜27ヌクレオチド長であるべきである。
プライマー1および2は、DNA鋳型の前増幅のために用いられる。プライマー1は汎用的な配列
Figure 0005411694
をその5'末端に含み、関心対象の遺伝子と相同な配列をその3'末端に含む。プライマー2は第2の汎用的な配列
Figure 0005411694
をその5'末端に含み、関心対象の遺伝子と相同な配列をその3'末端に含む。
プライマー3は、ビーズ上の増幅産物の検出のために用いられ、蛍光基(例えば、FAM)によってその5'末端が標識されている。
プライマー4はビーズに結合している。これはその5'末端で二重ビオチン化されており、PEG 18スペーサー、およびビオチンとタグ1配列との間のチミジン塩基を含み、例えば、
Figure 0005411694
である。
プライマー5および6は、それぞれタグ1配列およびタグ2配列を有する非修飾オリゴヌクレオチドである。
二重ビオチン基は、熱サイクリングの間に、オリゴヌクレオチドを、ストレプトアビジンがコーティングされたビーズに結びついた状態に保つために必須である1
装置
マイクロタイタープレート用のスイングバケット付きの遠心機
(4K15;Qiagen/Sigma)
サーマルサイクラー用の加圧パッド(Thermo Hybaid)
フローサイトメーター(LSRII, BD Biosciences)
MPC-SおよびMPC-9600磁気分離機(Invitrogen, 120-20Dおよび12006D)
ND-1000分光光度計(NanoDrop Technologies)
2×24アダプターセットによるアダプタープレート付きのTissueLyser粉砕混合機(Qiagen、85210および69982)
単一ビーズディスペンサー(Qiagen, 69965)
実施例2‐手順
他の指定を行った箇所を除き、全ての段階が室温で行われることに留意されたい。
DNA試料の前増幅
1.以下のように、標的領域の初期増幅のための50μlのPCR反応を設定する。
Figure 0005411694
成分を列記した順に添加する。温度サイクリング中の蒸発を避けるために、PCR反応物に15μlの鉱油を重ねて載せる。特定の用途に対して必要とされる忠実度に応じて、この前増幅のために他のDNAポリメラーゼを用いることもできる2
鋳型DNAが哺乳動物細胞DNAのように複合体であるならば、本発明者らは一般に、PCR 1回当たり3〜30ngを用いる(1000〜10,000個の半数体ゲノム等価物)。
2.反応物をサーマルサイクラーに入れ、DNA断片を以下のタッチダウンプログラムに従って増幅する。
Figure 0005411694
ポリメラーゼにより誘導される配列エラーを最小化するために、PCRサイクルの数を減らすことが可能である。タッチダウンPCR条件は非特異的な増幅産物の形成を最小化するが、必要とはされない。
3.PCR産物をアガロースゲル電気泳動によって分析し、DNA収量をPicoGreen dsDNAキットを用いて定量する。
120bpのアンプリコンに関する典型的な収量は、ほぼ15ng/μlほぼ(ほぼ200nM)の程度である。前増幅による過剰なプライマーは、エマルジョンPCR工程において、ビーズ上のプライマーと競合し、ビーズと結合したPCR産物の量を減少させる。アンプリコンの濃度が4nM未満であれば、PCRプライマーを除去するためにPCR産物をQIAquick PCR精製キットで精製する。
トラブルシューティング
休止点 DNAは-20℃で貯蔵することができる。
重要段階
プライマーとビーズとの結合
4.1.5ml微量遠心管の中で、100μl(7〜12×108個)のストレプトアビジンでコーティングされた磁気ビーズを、100μlのTKバッファーで2回洗浄する。各洗浄の後に、ビーズを濃縮するために管を磁石の上に1分間置き、上清をピペットで除去する。これにより、18回のエマルジョンPCRを行うために十分なビーズがもたらされると考えられる。
5.ビーズを100μlの結合バッファー中に再懸濁させて、10μlのプライマー4(100μM、TEバッファー中)を添加する。ボルテックス処理を直ちに行う。
6.ビーズ懸濁液を15〜25℃で30分間インキュベートする。10分程度毎に、管を短時間ボルテックス処理することによってビーズを混合する。
7.プライマーでコーティングされたビーズを、磁石を用いて分離する。上清を除去し、上記の通りにビーズをTKバッファーで3回洗浄する。
8.ビーズを100μlのTKバッファー中に再懸濁させる。
休止点 ビーズは4℃で少なくとも3カ月間貯蔵することができる。
重要段階
エマルジョンPCR
9.乳化剤/油混合物は、使用の1日〜2日以内に調製する。
Tegosoft DEC油では瓶の底に時に沈殿物が観察される;混合物を調製する時にこの沈殿物は含めないこと。
10.使用の直前に、鋳型DNAをTEで希釈してほぼ20pMにする。
低濃度のDNAは貯蔵中に管に付着する恐れがある。
11.以下を混合することにより、150μlの増幅反応を設定する。
Figure 0005411694
重要段階
12.1つのスチール製ビーズ、600μlの油/乳化剤混合物および150μlのPCR反応混合物を96ウェル貯蔵プレートの1つのウェルに、この順に添加する。プレートを接着フィルムで密封する。
油がウェルの縁に存在するならば、接着フィルムでうまく密封がなされないと考えられる。スチール製ビーズがウェル内を自由に動けることを確実にするためにプレート上下反対にする。
重要段階
13.エマルジョンPCR混合物を含む96ウェル貯蔵プレートを、96ウェル貯蔵プレートに面して加圧パッドがそれぞれ取り付けられた上面および底面のアダプタープレートの間に挟むことにより、TissueLyserアダプターセットを組み立てる。組み立て品をTissueLyserホルダに入れ、ハンドルをしっかりと閉める。15Hzで10秒間および17Hzで7秒間混合する。
同じ重量の第2のアダプターセットでTissueLyserのバランスを取ること。
重要段階
14.アダプターセットを解体して、プレートを10秒間、ほぼ3gで遠心分離して液体を底面に集める。
15.エマルジョンの質を、倒立顕微鏡で400倍に拡大して評価する。
ピペットを取ってその先端をエマルジョンの中に浸し、それを48ウェル細胞培養プレートの底に沿って線状に動かす。カバーガラスは用いてはならないが、それはこれらがエマルジョンの質を改変する恐れがあるためである。水性区画は急速に蒸発するため、試料は直ちに検査すること。図2は、この工程によって調製されたエマルジョンの写真を示している。
トラブルシューティング
16.エマルジョンの80μlのアリコートを、96ウェルPCRプレートの8つのウェルに入れる。剪断力を避けるためにエマルジョンのピペッティングをゆっくりと行う。プレートをほぼ3gで10秒間遠心分離して液体を底面に集める。
17.エマルジョンの温度サイクリングを以下のプログラムで行う。
Figure 0005411694
休止点 エマルジョンは4℃で貯蔵することができる。
エマルジョンの破壊
18.各80μlのエマルジョンに対して、150μlの破壊バッファーを添加し、上下に3回ピペッティングを行って混合する。
19.PCRプレートを密封し、それを空の96ウェル貯蔵プレートに入れた上で、上記の通りに2つのTissueLyserアダプタープレートの間に置いて組み立てる(段階13)。TissueLyserに入れて、20Hzで30秒混合する。
20.PCRプレートをTissueLyserから取り出して、3200gで2分間遠心分離する。
21.一番上の油層を、減圧マニホールドと接続した20μlピペット端を用いて除去する。
22.150μlの破壊バッファーを添加し、プレートを密封して、再び3200gで2分間遠心分離する。
23.プレートを96ウェル磁気分離機に1分間入れて、液体をピペットで完全に除去する。
24.プレートを磁石から取り出し、ビーズを100μlのTKバッファー中に再懸濁させて、8つのウェルからのビーズを1.5ml管にプールする。
25.ビーズを濃縮するために管を磁石の上に1分間置き、上清をピペットで注意深く除去する。
トラブルシューティング
26.ビーズを500μlの0.1M NaOH中に再懸濁させて2分間インキュベートする。管を磁気分離機に1分間入れて、上清を注意深く除去する。
これにより、ビオチン化されていないDNA鎖がビーズから除去される。
27.ビーズを100μlのTKバッファー中に再懸濁させる。
ビーズの回収率は、600nmでの吸光度を測定することによって評価することができる。2μlのビーズ懸濁液しか必要でないため、ナノドロップ分光光度計がこの目的には便利である。プライマー5をコーティングしたビーズのアリコートを基準として用いることができる。上記の手順を用いた場合の典型的な回収率は50〜70%である。
トラブルシューティング
休止点 ビーズは4℃で貯蔵することができる。
ビーズ上のDNAの検出
28.以下を混合することにより、96ウェルPCRプレート内でのオリゴハイブリダイゼーションを設定する。
Figure 0005411694
用いるべきビーズの数は、実験の性質に依存する。1000万個のビーズは、磁気収集の間に認められ、回収を容易にする程度の十分な量を与える。回収率は、上記のように600nmでの吸光度を測定することによって評価することができる。
29.サーマルサイクラーにて50℃で15分間インキュベートする。
30.ビーズを濃縮するためにプレートを96ウェル磁気分離機に1分間置き、80μlの上清をピペットで除去する。
31.ビーズを80μlのTKバッファーで2回洗浄する。
休止点 ビーズは4℃で貯蔵することができる。
ビーズ集団の分析
32.フローサイトメトリーを用いて、ビーズ上のDNAとハイブリダイズしたプライマーの相対蛍光強度を決定する。本発明者らは、BD Bioscience FACScan、LSR I & II、FACScaliburおよびFACSAriaを首尾良く用いている。または、蛍光顕微鏡検査も、生成されたビーズの迅速な定量分析を提供することができる。
重要段階*
33.前方散乱(FCS)、側方散乱(SSC)および蛍光シグナルの検出のための増幅器のゲイン(電圧)を経験的に確定する。
図3は、得られた典型的な結果を示している。
トラブルシューティング**
重要段階*
重要段階
重要段階3
エマルジョンPCRに用いられるDNAの量は、比較的広範囲にわたり変わり得る。ビーズの20%+/-15%がPCR産物を含むことが最適である。過度に鋳型が乏しいと陽性バンドが過度に少なくなり、分析の感度を損なわせる。過度に鋳型が多いと、複数の鋳型を含む区画が過度に多くなり、関心対象の配列を含む初期鋳型の画分を正確に定量することが困難になる。
重要段階8
1.05ミクロンのMyOneビーズの他に、多くのビーズをこの手順のために用いることができる。MyOneビーズは均一であり、これはフローサイトメトリーのために特に有利である。他の磁気ビーズ(Seradyn社のSera-Mag粒子など)は、MyOneよりも多くの表面ストレプトアビジン分子を有し、表面密度の方が均一性よりも重要な場合に用いることができる。より大きい均一なビーズ(DynaビーズM-280など)は、さらにより多くの表面ストレプトアビジン分子を有するが、はるかに高額であり(1ビーズ当たり)、エマルジョン配合物はそれらを効率的な支持体にするために改変しなければならない。さらに、非磁気ビーズを用いることもできるが、これらは、それらを操作するために磁石ではなく遠心分離を用いなくてはならないため、取り扱いがより困難である。
重要段階11
エマルジョン中の固体支持体上での増幅の効率は、アンプリコンの長さが増すほど低下する3。好ましいアンプリコンの長さ(プライマーを含む)は70〜110bpである。ビーズ上での、200bpのアンプリコンの収率は、100bpを含むものの産物のほぼ30%である。本発明者らは一般に、汎用性プライマー(図1中のプライマー5)をリバースプライマーとして用いている。しかし、ミクロスフェア上での非特異的な増幅を低下させ、またはビーズに結合したPCR産物のサイズを低下させて、それによって収率を高めるために、前増幅段階の産物よりも短いアンプリコンを生じさせるネステッドリバースプライマーを用いることもできる。さらに、ポリメラーゼの濃度および種類も、本明細書に記載したプロトコールでは広範囲にわたって最適化されている。一般に、より高いポリメラーゼ濃度は、ビーズに結合したPCR産物のより高い収率をもたらす。ビーズに結合したPCR産物の量を増加させるためのもう1つのやり方は、ローリングサークル重合による2
重要段階12
TissueLyserが利用できない場合には、エマルジョンを撹拌バーまたはホモジナイザーを用いて生成させることもできる1,4。TissueLyserを用いて作られるものよりもエマルジョンは均一でなく、容易に制御されることもないが、それらはBEAMingの多くの用途に対して、特にごく少数の試料しか必要でない場合には十分である。そのようなエマルジョンを調製するための1つの簡単なやり方は、2mlの低温用バイアル(Corning, 430661)内で、240μlのPCR反応物を、鉱油中の960μlの7%Abil EM90(Sigma)と、ボルテックス混合器を用いて10秒間混合し、使い捨て式ホモジナイザーチップ(Omni Intl., 30750)を装着したホモジナイザー(IKA, T25 basic, 2953000)で50秒間混合することによる4
重要段階13
96ウェル貯蔵プレートをTissueLyserアダプタープレートとともに用いる場合には、装置の本体に近い試料(列GおよびH)は、列AおよびBの試料よりも振盪が遅い。エマルジョンの質のばらつきを避けるために、本明者らは、24件未満の試料を調製するのであれば、列AおよびBを用いることを推奨する。96ウェルプレート全体を用いる場合には、96ウェルプレートを混合工程の中間で回転させること。
重要段階32
FACSCalibur装置およびLSR I & II装置の単一管での動作モードでは、1ミクロンの磁気ビーズがスリーブ間に捕捉されるのを防ぐために、試料注入管(SIT)の上にある液滴収容モジュール(DCM)スリーブを取り外すべきである。スリーブは、より短い改変型の金属製スリーブ保護具に置き換えることができる。本発明者らはまた、高品質のシース液も推奨する。
重要段階33
伝統的な光ダイオード検出器を用いる装置の前方散乱の分解能は、単一の1ミクロン粒子を検出するのに十分な感度を有するはずである。しかし、適切に整列していないビーズは、バックグラウンドから分離するのが困難と考えられる。前方散乱光電子増倍管(PMT)検出システムは感度を高めて0.2μmという分解能にしており、直径1ミクロンのビーズを用いる場合に推奨される。
トラブルシューティングの表
問題 段階3 所望のバンドは前増幅の主たる産物ではない。
解決策
より高いアニーリング温度(60〜65℃)を用い、MgCl2濃度を変化させること(1.5mMから2.5mMに)。GCリッチ鋳型はPhusion GCバッファーおよび3〜6% DMSO中で増幅されるはずである。その配列が鋳型ゲノム中で反復されていないことを確かめること。オリゴ分析装置プログラム(例えば、Oligonucleotide Properties Calculator;http://www.basic.northwesterm.edu/biotools/oligocalc.html)によるホモ二量体およびヘテロ二量体の形成を確かめること。増幅が問題である場合にはいくつかのプライマー対を試してみる価値がある。
問題 段階15 水性液滴が小さすぎる、または大きすぎる。
解決策
エマルジョンの水性区画が小さすぎる場合には、増幅がほとんどまたは全く起こらないと考えられる。区画が大きすぎる場合には、単一の鋳型のみを有する区画は、統計学的に有意な結果を与えるには少なすぎると考えられる。液滴サイズは、混合時間または振盪速度をそれぞれ1秒刻みまたは1Hz刻みで変更することによって最適化することができる。
問題 段階25 ビーズが視認し得る凝集物を形成する。
解決策
本発明者らは時折、エマルジョンを破壊した後のさまざまな段階で磁気ビーズの凝集物を観察した。これはより大きなアンプリコン(>200bp)の場合により高い頻度で起こった。原因と考えられる要因は、試料を磁場に置いている時間、バッファーの塩濃度および温度である。凝集物形成の可能性を最小化するためには、室温で平衡化させたバッファーのみを用いること。試料を磁石上に2分間を超えて置かないこと(特に液体を除去した後には)。塩濃度は高めることができる。ひとたび凝集物が形成されれば、それらは分散させるのが困難である。場合によっては、それらをピペッティング、ボルテックス処理または超音波処理(Diagenode社のBioruptor)によって分解させることができる。加熱も場合によっては凝集解除に役立つことがある。
問題 段階27 エマルジョンPCR後のビーズの回収率の低さ。
解決策
低い回収率は、不完全な抗乳化または非効率的な磁気分離に起因し得る。不完全な抗乳化を防ぐためには、混合時間および速度を増大させること。磁気分離中のビーズの脱離を防ぐためには、上清の決して全てを除去しないこと、ビーズペレットに触れないこと、そして以上に提案したのと同じ商標の管、プレートおよび磁石を用いること。
問題 段階33 シグナル-ノイズ比が低い。
解決策
これは通常、オンビーズ増幅の効率が低いためであるが、標準化されたハイブリダイゼーション条件またはプローブ不良(例えば、ハイブリダイゼーションを防ぐ二次構造)によることもある。HPLCまたはゲル電気泳動によるハイブリダイゼーションプローブの精製が推奨される。プライマーを、タグ1に対して相補的なビーズとハイブリダイズさせることにより、ハイブリダイゼーション条件を確かめること。ビーズ上のあらゆるPCR産物がその5'末端にこの配列を有するため、得られたシグナルは、可能な最大限のシグナルに相当する。これらのビーズからのシグナルは、3'末端に同様の蛍光基を有する5'ビオチン化オリゴヌクレオチドの結合によって達成されるものと同等であるはずである。プライマー3からのシグナルはタグ1を用いて得られるシグナル10倍以内であるはずであり、このことはビーズに結合したプライマーの少なくとも10%がPCRの間に伸長したことを意味する。ビーズ上のDNAの量の少なさは、水性区画のサイズの小ささ(問題 段階15を参照)または反応条件の不良に起因する可能性がある。本明細書に記載したプロトコールのあらゆる局面に対しては広範囲にわたる最適化を行っており、これらの条件からの逸脱は慎重に行うべきであることに留意されたい。
参考文献
引用した各参考文献の開示内容は、本明細書に明示的に組み入れられる。
Figure 0005411694

Claims (6)

  1. 以下の段階を含む、ヌクレオチド配列の変異を分析するための方法:
    油相および水相を含むマイクロエマルジョンを形成させる段階であって、水相が分析物DNA分子の1つまたは複数の種を含み、水相がマイクロエマルジョンの20%(v/v)を構成し、かつ油相がマイクロエマルジョンの80%(v/v)を構成し;油相が、Tegosoft(登録商標) DECを油相の73%(v/v)の量で、ミネラルオイルを20%(v/v)の量で、およびABIL(登録商標) WE09を7%(v/v)の量で含む、段階;
    マイクロエマルジョン中の分析物DNA分子を試薬ビーズの存在下で増幅する段階であって、試薬ビーズが分析物DNA分子を増幅するためのプライマーの多数の分子と結合しており、それにより分析物DNA分子の1つの種の多数のコピーと結合している産物ビーズが形成される、段階;
    産物ビーズを、産物ビーズと結合していない分析物DNA分子から分離する段階;
    産物ビーズと結合している分析物DNA分子の1つの種の配列特徴を決定する段階。
  2. 多数の別個のマイクロエマルジョン集団が、マルチウェルプレート内で、組織破砕混合機(tissue mixer mill disruptor)および各ウェル内の金属ボールを用いて同時に形成される、請求項1記載の方法。
  3. 水性区画の少なくとも一部分が、
    ビーズ;
    ポリヌクレオチド鋳型;および
    該鋳型を増幅するためのオリゴヌクレオチドプライマーを含み、該オリゴヌクレオチドプライマーの少なくとも一部分が該ビーズと結合している、水性区画を形成する多数のマイクロエマルジョンを含む液体組成物であって、
    該マイクロエマルジョンが油相および水相を含み、水相がマイクロエマルジョンの20%(v/v)を構成し、かつ油相がマイクロエマルジョンの80%(v/v)を構成し;油相が、Tegosoft(登録商標) DECを油相の73%(v/v)の量で、ミネラルオイルを20%(v/v)の量で、およびABIL(登録商標) WE09を7%(v/v)の量で含む、液体組成物。
  4. 多数の別個のマイクロエマルジョン集団が、マルチウェルプレート内で、組織破砕混合機および各ウェル内の金属ボールを用いて同時に形成される、請求項3記載の液体組成物。
  5. 以下の段階を含む、ヌクレオチド配列の変異体を単離するための方法:
    油相および水相を含むマイクロエマルジョンを形成させる段階であって、水相が分析物DNA分子の1つまたは複数の種を含み、水相がマイクロエマルジョンの20%(v/v)を構成し、かつ油相がマイクロエマルジョンの80%(v/v)を構成し;油相が、Tegosoft(登録商標) DECを油相の73%(v/v)の量で、ミネラルオイルを20%(v/v)の量で、およびABIL(登録商標) WE09を7%(v/v)の量で含む、段階;
    マイクロエマルジョン中の分析物DNA分子を試薬ビーズの存在下で増幅する段階であって、試薬ビーズが分析物DNA分子を増幅するためのプライマーの多数の分子と結合しており、それにより分析物DNA分子の1つの種の多数のコピーと結合している産物ビーズが形成される、段階;
    産物ビーズを、産物ビーズと結合していない分析物DNA分子から分離する段階;
    分析物DNA分子の第1の種の多数のコピーと結合している産物ビーズを、分析物DNA分子の第2の種の多数のコピーと結合している産物ビーズから単離する段階。
  6. 多数の別個のマイクロエマルジョン集団が、マルチウェルプレート内で、組織破砕混合機および各ウェル内の金属ボールを用いて同時に形成される、請求項5記載の方法。
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