JP5411661B2 - ディスエンゲージ装置 - Google Patents
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Description
特許文献1のディスエンゲージ装置は、図8に示すように、自動操縦装置(そのサーボモータ等)にリンケージされる第1ロッド101と、操縦舵面にリンケージされる第2ロッド102とを備える。
中空の第1ロッド101内に第2ロッド102が挿入され、第1ロッド101の側部に垂直に保持されたバネ103により第2ロッド102の側部に形成された凹部104に鋼球105を押し当てて嵌合させることにより、第1ロッド101と第2ロッド102とが連結固縛されて一体のリンケージとして動作するようになり、これにより自動操縦装置が操縦舵面に接続された状態となる。
通常の手動操縦及び正常な自動操縦において誤って強制ディスエンゲージ操作がなされないように、第1ロッド101と第2ロッド102との連結が外れる限界の軸方向力は、ある程度高く設定されることが求められる。
また、機体操縦の全自動化を推進にするにあたっては、一つの操縦舵面だけでなく、複数の操縦舵面やスロットルなど多くの操縦系統を自動操縦装置に接続する必要がある。多くの操縦系統を自動操縦装置に接続した場合においても、各操縦系統に対しディスエンゲージ装置本体を設けなければならない。この場合、ディスエンゲージ・レバーを操縦系統ごとに設けて、操縦系統の数だけディスエンゲージ・レバーが設けられたときには、緊急時に自動操縦から手動操縦へ切り替える際に、操縦者は、多くのディスエンゲージ・レバーを操作しなければならず、手間取ってしまい緊急状態への迅速な対応が困難になる。
したがって、1つのディスエンゲージ・レバーで複数の操縦系統のディスエンゲージ装置本体を操作できることが望ましい。
したがって、前者を小さくしようとすると、後者も小さくなり意図しない強制ディスエンゲージ操作が起こり易くなるという不都合が生じ、後者を大きくしようとすると、前者も大きくなり過大な操作力を要するという不都合が生じ、ましてや1つのディスエンゲージ・レバーが複数のディスエンゲージ装置に対応するという機構の実現が非常に困難となるという不都合が生じる。
操作部材と、
前記リンケージに組み込まれ、相互の連結により当該リンケージの要素となって当該リンケージを成立させ、相互の分離により当該リンケージを解く2つのディスエンゲージ部材と、
前記2つのディスエンゲージ部材のいずれかに支点を置いて支持され、前記操作部材の操作に連動して当該支点回りに回動するディテント・レバーと、
前記ディテント・レバーの一方向の回動に連動して前記2つのディスエンゲージ部材に係合することにより前記相互の連結を実現する係合部材と、
前記一方向又はその反対方向に前記ディテント・レバーを付勢するバネと、
を備え、
前記2つのディスエンゲージ部材の一方は係合溝を有し、
前記係合部材は、前記2つのディスエンゲージ部材の他方に保持され、一部において前記ディテント・レバーの作用端に係合することによって前記ディテント・レバーと連動し、他の一部において前記係合溝に係合する係合ピンであり、
前記係合溝及び前記係合ピンは、前記2つのディスエンゲージ部材の分離方向に対して略垂直方向に延在し、前記係合ピンは、前記分離方向及び自身の軸方向に略垂直方向に直線動作するようにガイドされて前記2つのディスエンゲージ部材のいずれかに保持され、
前記ディテント・レバーの作用端は、前記直線動作の方向についての前記係合ピンの移動を規制するとともに、当該係合ピンの中心と前記支点とを結ぶ方向についての当該係合ピンの当該ディテント・レバーに対する相対移動を許容するように構成されてなるディスエンゲージ装置である。
なお、図1においては、リンケージ要素を必要最小限に記載しており、搭載される航空機や操縦系統の種類に応じてリンケージ要素が増える場合があることは勿論である。
ディスエンゲージ装置は、スライド・ロッド5及びシリンダ・ロッド6、ディスエンゲージ・レバー7、ディスエンゲージ・ケーブル8、ディテント・レバー9、ラッチピン10、コイルバネ11、エンゲージ検出器12、ハウジング13等により構成される。
シリンダ・ロッド6は中空構造で、開口端部にハウジング13が固定されており、シリンダ・ロッド6とハウジング13とは一体化している。シリンダ・ロッド6及びハウジング13は他の一つのディスエンゲージ部材に相当する。シリンダ・ロッド6の中空部とハウジング13の中空部とによりロッド挿入孔6aが形成されている。スライド・ロッド5の他端部は、ロッド挿入孔6aに挿入される。スライド・ロッド5は、ロッド挿入孔6aにガタなく、かつ、円滑に挿入、抜き出しができる程度に嵌入される。シリンダ・ロッド6の開口端の逆端は、操縦舵面3側に連結される。
ディスエンゲージ・ケーブル8は、一端でディスエンゲージ・レバー7に接続され、他端でディテント・レバー9の操作端9bに接続される。
ラッチピン10は、ハウジング13を貫通して図3(a)の矢印Cの双方向に直線動作するようにガイドされディテント・レバー9に保持されている。ラッチピン10は、係合溝5aに嵌合するものであり、ラッチピン10及び係合溝5aは、平行に延在して配置されている。
また、ラッチピン10は、ハウジング13から抜け出さないように係止されて保持されている。ラッチピン10の端部はハウジング13から突出し、ディテント・レバー9に設けられた作用端孔部9c内に挿入される形態でディテント・レバー9と係合する。
なお、エンゲージ状態は、エンゲージ検出器12の検出スイッチ12aによって検出され、ランプ12bにより表示される。エンゲージ検出器12については特許文献1に記載されるものと同様である。
すなわち、図4(c)に示すように操縦者が操縦桿1を通常操縦時より過大な荷重をかけて矢印H方向に倒す。すると、再度図1を参照すればわかるように、スライド・ロッド5がアクチュエータ4により拘束されていて、操縦桿1が前へ倒されたから、シリンダ・ロッド6及びハウジング13、さらにはハウジング13に保持されたラッチピン10、ディテント・レバー9等が図3(c)に示すようにスライド・ロッド5に対して矢印I方向に相対移動する。これにより、係合溝5a(スライド・ロッド5)がラッチピン10を矢印J方向に押し出して係合溝5aから離脱させ、ディスエンゲージ状態とされる。この強制ディスエンゲージ操作の過程においては、コイルバネ11によるバネ力に起因したラッチピン10を係合溝5a側に押し込む力が働くから、操縦者はこの力に打ち勝つ力で操縦桿1を倒さなければならない。矢印H方向と反対方向に操縦桿1を倒すことによっても、同様に強制ディスエンゲージ操作が可能である。この場合は、係合溝5aに対するラッチピン10の移動方向が図3(c)に示したものと逆となる。
本実施形態のディスエンゲージ装置は、操作部材としてディスエンゲージ・レバー7を備える。
また、自動操縦系統のリンケージに組み込まれたスライド・ロッド5とシリンダ・ロッド6及びハウジング13とが、相互の連結により一体化して当該リンケージの要素となって当該リンケージを成立させ、相互の分離により当該リンケージを解く。
さらに、ハウジング13に支点を置いて支持され、ディスエンゲージ・レバー7の操作に連動して支点9a回りに回動するディテント・レバー9を備える。
また、ディテント・レバー9の矢印B方向の回動に連動して2つのディスエンゲージ部材に係合すること、すなわち、スライド・ロッド5及びハウジング13の両者に係合することによりこの両者の相互の連結を実現するラッチピン10を備える。
また、矢印B方向にディテント・レバー9を付勢するコイルバネ11を備える。
コイルバネ11によりディテント・レバー9を付勢する方向は、矢印Bと反対方向であってもよい。この場合、バネ力はディスエンゲージ状態に移行させ保持する方向に働くから、操作部材によりエンゲージ状態に移行させ保持する機構を構成すればよい。
また本実施形態によれば、バネ作用端9dと支点9aとの距離は、操作端9bと支点9aとの距離との距離より近くされている。したがって、バネを直接引く図8に示した従来例と比較してディスエンゲージ操作する際のディスエンゲージ・レバー7を操作する操作力を軽減することができる。
さらにラッチピン10は、上記分離方向及び自身の軸方向に略垂直方向に直線動作するようにガイドされてハウジング13に保持されている。
そのために本実施形態においては、図5に示すようにラッチピン10をガイドするハウジング13のガイド溝13aは、上記直線動作の方向に直線状に形成されている。図5に示す直線軌道D1に沿ってラッチピン10は動作する。
そのための一形態として、本実施形態では作用端孔部9cをラッチピン10の外径より大きく遊びのある円形孔とした。作用端孔部9cの形状は、支点9aを中心とした半径方向に長い長孔状等の他の形状としてもよいことは勿論である。さらには、上記規制及び許容を実現できればよいので、ディテント・レバー9の作用端に、孔が形成されていることも必要とされない。要するに、上記規制はラッチピン10に対する部材の機械的干渉により、上記許容は機械的遊び又は機械的自由により実現すればよい。
したがって、図5(a)に示すように、力F1によりスライド・ロッド5をハウジング13から引き出してラッチピン10を離脱させるときに、係合溝5aからラッチピン10に力F2が負荷される。
図5(b)に示すように、力F3によりスライド・ロッド5をハウジング13に押し込んでラッチピン10を離脱させるときに、係合溝5aからラッチピン10に力F4が負荷される。
図5(a)に示す力学的状況と図5(b)に示す力学的状況とは、左右対称なだけであるから、力F2と力F4の大きさは等しく、よって、力F1と力F3の大きさは等しい。
しかるに、強制エンゲージ操作の際に操縦桿1をどちらに倒しても同じ抵抗力が生じる。言い換えれば、どちらの離脱方向に対しても同じ保持力を発揮でき、いずれかの方向が離脱しやすいという不都合が生じない。
図6(a)に示すように、力F5によりスライド・ロッド5をハウジング13から引き出してラッチピン10を離脱させるときに、係合溝5aからラッチピン10に力F6が負荷される。
図6(b)に示すように、力F7によりスライド・ロッド5をハウジング13に押し込んでラッチピン10を離脱させるときに、係合溝5aからラッチピン10に力F8が負荷される。
図6(a)に示す力学的状況では、力F6の方向は比較的円弧軌道C1に沿っているが、図6(b)に示す力学的状況では、力F8の方向は円弧軌道C1から大きく外れているので、半径方向の反力により打ち消される力の成分が大きくなる。
したがって、力F8は力F6より大きく、よって、力F7は力F5より大きく、離脱方向によって保持力が異なるという不都合が生じる。
図7(a)に示すように、従来の鋼球105をバネ103で押し込む従来例のディスエンゲージ装置にあっては、ロッド101,102の片側に垂直に突出するようにバネ103が配置され、さらにはバネ103を引けるようにするためにケーブル106及びケーブル・アウターケース107がロッド101,102から離れる方向にはみ出すので、これらを覆う大きなエンベロープ108が必要となる。
これに対し本実施形態のディスエンゲージ装置によれば、図7(b)に示すようにディテント・レバー9を適用することでコイルバネ11が小さくできることに加え、コイルバネ11がロッド5,6に平行に配置されたので、これらを覆うエンベロープ14を小さくすることができ、コンパクト性に優れている。
2 リンケージ
3 操縦舵面
4 アクチュエータ
5 スライド・ロッド
5a 係合溝
6 シリンダ・ロッド
6a ロッド挿入孔
7 ディスエンゲージ・レバー
8 ディスエンゲージ・ケーブル
9 ディテント・レバー
9a 支点
9b 操作端
9c 作用端孔部
9d バネ作用端
10 ラッチピン
11 コイルバネ
12 エンゲージ検出器
13 ハウジング
13a ガイド溝
13b ガイド溝
Claims (1)
- 操縦系統のリンケージを解くディスエンゲージ装置であって、
操作部材と、
前記リンケージに組み込まれ、相互の連結により当該リンケージの要素となって当該リンケージを成立させ、相互の分離により当該リンケージを解く2つのディスエンゲージ部材と、
前記2つのディスエンゲージ部材のいずれかに支点を置いて支持され、前記操作部材の操作に連動して当該支点回りに回動するディテント・レバーと、
前記ディテント・レバーの一方向の回動に連動して前記2つのディスエンゲージ部材に係合することにより前記相互の連結を実現する係合部材と、
前記一方向又はその反対方向に前記ディテント・レバーを付勢するバネと、
を備え、
前記2つのディスエンゲージ部材の一方は係合溝を有し、
前記係合部材は、前記2つのディスエンゲージ部材の他方に保持され、一部において前記ディテント・レバーの作用端に係合することによって前記ディテント・レバーと連動し、他の一部において前記係合溝に係合する係合ピンであり、
前記係合溝及び前記係合ピンは、前記2つのディスエンゲージ部材の分離方向に対して略垂直方向に延在し、前記係合ピンは、前記分離方向及び自身の軸方向に略垂直方向に直線動作するようにガイドされて前記2つのディスエンゲージ部材のいずれかに保持され、
前記ディテント・レバーの作用端は、前記直線動作の方向についての前記係合ピンの移動を規制するとともに、当該係合ピンの中心と前記支点とを結ぶ方向についての当該係合ピンの当該ディテント・レバーに対する相対移動を許容するように構成されてなるディスエンゲージ装置。
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2009
- 2009-11-12 JP JP2009258465A patent/JP5411661B2/ja active Active
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