以下、本発明の実施の形態を、液体が有機溶媒であり、筒状カラムによって行われる、液体に対する作用が、脱水及び脱気である場合を例として説明する。しかしながら、本発明における液体処理ユニットで処理される液体は、有機溶媒以外の液体であってもよいし、液体に対する作用も脱水及び脱気だけではなく、脱水のみ、脱気のみ、脱酸などの他の作用であってもよい。
図1に、本発明の実施の形態における液体処理ユニットの概要と、当該液体処理ユニットに接続される装置などとの接続関係について示す。
液体処理ユニット100は、例えば直方体のフレーム内部に以下で説明する筒状カラムなどが括り付けられている構造を有している。このような構造によって、液体処理ユニット100全体を容易に移動させることができ、さらにフレーム内部の筒状カラムについても容易に取り付け及び取り外しが可能になっている。なお、フレームについては、機能的に必ず必要なものではない。
また、液体処理ユニット100は、主操作盤110を有しており、当該主操作盤110には、ストップバルブ付きのカプラ111及び112が設けられている。カプラ111には、不活性ガスのガスボンベ200からの配管130が接続され、カプラ112には、真空ポンプ300からの配管140が接続される。また、液体処理ユニット100には、液体処理ユニット100で処理する有機溶媒が貯蔵されている溶媒キャニスター400が接続されるようになっている。液体処理ユニット100からのガス配管401は、溶媒キャニスター400のガス側カプラープラグに接続され、溶媒キャニスター400の液体側カプラープラグは、液体配管402を介して、液体処理ユニット100の最初の筒状カラムに接続されている3方バルブに接続される。ガスボンベ200、真空ポンプ300及び溶媒キャニスター400は、液体処理ユニット100から容易に切り離し及び接続可能となっており、液体処理ユニット100を容易に交換できるようになっている。さらに、主操作盤110は、なくともよいが液体処理ユニット100に取り付けておくことにより、主操作盤110に取り付けた各種バルブや弁のメンテナンスをユニット交換時に容易に行うことができるようになる。
次に、図2を用いて液体処理ユニット100内の構成と当該液体処理ユニットに接続される装置等との接続関係について説明する。図2では、液体処理ユニット100の主操作盤110側と、液体処理ユニット100の側面とを平面的に表した図である。ガスボンベ200からの配管130は、カプラ111に接続されており、当該カプラ111は、逆止弁116、減圧弁117、さらに逆止弁118を介して、溶媒キャニスター400に接続されるガス配管401に接続されている。なお、減圧弁117は、閉鎖及び開放を調節できるようになっている。また、真空ポンプ300からの配管140は、カプラ112に接続されており、当該カプラ112は、3方バルブ113の開口aに接続されている。3方バルブ113の開口cは、減圧弁117と逆止弁118との間の配管に接続されており、当該配管は、マーク*2で示されており図示が省略された配管及び液体処理ユニット100の側面における配管193を介して筒状カラム151乃至153上部に接続されている3方バルブ174乃至176の開口aに接続される。
3方バルブ113の開口bは、3方バルブ114の開口cと、3方バルブ115の開口aに接続されている。また、3方バルブ113の開口b側は、真空ポンプ300が接続されることもあるし、ガスボンベ200が接続されることもあるので、両方に対応する連成計120が接続されている。3方バルブ114の開口aは、マーク*1で示されており図示が省略された配管と、液体処理ユニット100の側面におけるフィルタ195及び配管194とを介して筒状カラム153の上部に接続されている3方バルブ176の開口cに接続される。また、3方バルブ114の開口bは、カプラ等の接続部を介して、処理された溶媒を貯めるためのガラス容器131に接続される。さらに、3方バルブ115の開口cは、マーク*1で示されており図示が省略された配管と、液体処理ユニット100の側面におけるフィルタ195及び配管194とを介して筒状カラム153の上部に接続されている3方バルブ176の開口cに接続される。さらに、3方バルブ115の開口bは、カプラ等の接続部を介して、処理された溶媒を採取するためのシリンジ132に接続される。
また、溶媒キャニスター400に接続された液体配管402は、3方バルブ171の開口aに接続されている。3方バルブ171の開口bは、筒状カラム151の下端接続部に接続されており、3方バルブ171の開口cは、配管191を介して、他の液体処理ユニットと接続するためのカラム内溶媒移充填用カプラ192に接続されている。筒状カラム151の上端接続部は、3方バルブ174の開口bに接続されている。3方バルブ174の開口cは、配管161を介して、3方バルブ172の開口aに接続されている。3方バルブ172の開口bは、筒状カラム152の下端接続部に接続されており、3方バルブ172の開口cは、配管191を介して、他の液体処理ユニットと接続するためのカラム内溶媒移充填用カプラ192に接続されている。
さらに、筒状カラム152の上端接続部は、3方バルブ175の開口bに接続されている。3方バルブ175の開口cは、配管162を介して、3方バルブ173の開口aに接続されている。3方バルブ173の開口bは、筒状カラム153の下端接続部に接続されており、3方バルブ173の開口cは、配管191を介して、他の液体処理ユニットと接続するためのカラム内溶媒移充填用カプラ192に接続されている。筒状カラム153の上端接続部は、3方バルブ176の開口bに接続されている。3方バルブ176の開口cは、配管194及びフィルタ195を介して、3方バルブ115の開口c及び3方バルブ114の開口aに接続されている。
筒状カラム151乃至153の上部封止部及び下部封止部には、高真空対応のメタルガスケットフランジを採用して、気密性を向上させている。
また、図2のように本実施の形態では3本の筒状カラム151乃至153を採用しているが、3本に限定されるものではない。2本であってもよいし、4本以上であってもよい。これは液体処理ユニット100全体で要求される液体に対する作用によって決定される。また、本実施の形態では、第1段目の筒状カラム151には、脱水及び過酸化物除去のため、活性アルミナが充填物として充填されている。さらに、第2段目の筒状カラム152には、残留酸素の除去及び脱水のため、アルミナ銅触媒(一酸化銅)が充填物として充填されている。さらに、第3段目の筒状カラム153には、脱水のため、モレキュラーシーブが充填物として充填されている。このような充填物の組み合わせについても、液体に対する作用に応じて任意に選択できる。各筒状カラム151乃至153に同じ充填物を充填する場合もあれば、上で述べたように異なる充填物を充填することによって目的とする作用を実現する。
さらに、フィルタ195は、ステンレスメッシュを含んでおり、筒状カラム151及び153の充填物の粉末などがシリンジ132やガラス容器131まで流れ出さないようにするために設けられている。
次に、図3乃至図8を用いて、図2に示した液体処理ユニット100の操作方法について説明する。初めに、図3及び図4A乃至4Cを用いて、実際に溶媒の脱気及び脱水を行う前の第1段階の操作について説明する。まず、図3を用いて、筒状カラム151乃至153が接続されていない液体処理ユニット100内の脱気及び脱水する操作を説明する。まず、減圧弁117を閉じてガスの流入を停止する。そして、ガス配管401と液体配管402を接続する。この接続は、この間に適当なカプラを設けて行ってもよい。そして、3方バルブ174乃至176において開口a及び開口bを接続するように流路を設定する。さらに3方バルブ171において開口a及び開口bを接続するように流路を設定する。ついで、3方バルブ113において開口a及び開口bを接続するように流路を設定する。さらに、減圧弁117を開く。そうすると、ガスボンベからガス配管130、カプラ111、逆止弁116、減圧弁117、逆止弁118、ガス配管401、液体配管402、及び3方バルブ171にガスが供給され、さらにその開口aからbの流路へ供給される。またガスボンベからガス配管130、カプラ111、逆止弁116、減圧弁117、及び配管193を介して、ガスが3方バルブ174乃至176に供給され、さらにその開口aからbの流路へも供給される。これにより配管内、及び3方バルブ171及び174乃至176に於ける開口aからbの流路の脱気及び脱水が行われる。
次に、図4A乃至4Cは、筒状カラム151乃至153が順に接続された液体処理ユニット100を示す。まず、図4Aを用いて筒状カラム151を介して配管161及び3方バルブ172における開口aからbの流路を脱気及び脱水する操作を説明する。即ち、図3で示した液体処理ユニット100に筒状カラム151を3方バルブ171と3方バルブ174の間に接続し、3方バルブ171及び172における開口a及びbを接続するように流路を設定する。また、3方バルブ174における開口b及び開口cを接続するように流路を設定する。そうすると、ガスボンベからガス配管130、カプラ111、逆止弁116、減圧弁117、逆止弁118、ガス配管401、液体配管402、3方バルブ171、筒状カラム151、3方バルブ174、配管161、及び3方バルブ172にガスが供給され、さらにその開口aからbの流路へ供給される。
次に、図4Bを用いて、筒状カラム152を介して配管162及び3方バルブ173における開口aからbの流路を脱気及び脱水する操作を説明する。即ち、図4Aで示した液体処理ユニット100に筒状カラム152を3方バルブ172と3方バルブ175の間にさらに接続し、3方バルブ175における開口b及び開口cを接続するように流路を設定する。また、3方バルブ173における開口a及び開口bを接続するように流路を設定する。そうすると、既にガスが供給されている経路を経て、3方バルブ172、筒状カラム152、3方バルブ175、配管162、及び3方バルブ173にガスが供給され、さらに開口aからbの流路へ供給される。
さらに、図4Cを用いて、筒状カラム153を介して配管194を脱気及び脱水する操作を説明する。即ち、筒状カラム153を3方バルブ173と3方バルブ176の間にさらに接続し、3方バルブ176における開口b及び開口cを接続するように流路を設定する。また、3方バルブ173における開口a及びbを接続するように流路を設定する。そうすると、既にガスが供給されている経路を経て、3方バルブ173、筒状カラム153、3方バルブ176、配管194内に、ガスが供給される。
尚、筒状カラム151乃至153の接続操作を行うに当たっては、ガスを供給し続けた状態で、筒状カラム151乃至153を夫々所定の位置に接続してもよい。また、一旦、3方バルブ171乃至176のうち必要なものをガスが流入しないように操作(即ち、これらのうち必要なものの開口a及びbまたは開口b及びcを接続しないように操作)してもよい。ただし、3方バルブ171乃至176と筒状カラム151乃至153との接続部はガス圧が上昇すると開口し、ガス圧が弱くなると閉口するような構造となっているのが望ましい。
また、予め配管内及びバルブ内にガスを供給することにより除去された空気及び水分が再度配管内及びバルブ内に吸着するのを防ぐため、上記のような位置に接続される各筒状カラムは、陽圧状態にガス充填された状態に保持されたものを用いることが好ましい。
さらに、溶媒の脱気及び脱水を行う前の第2段階の操作について図5を用いて説明する。ここでは、ガラス容器131内部の空気や水分を除去するために、以下のような操作が実施される。まず、3方バルブ113において、開口a及びbを接続するように流路を設定する。また、3方バルブ114において、開口c及びbを接続するように流路を設定する。そうすると、図5中実線矢印(1)に示すように、真空ポンプ300によって、真空配管140、カプラ112、3方バルブ113、及び3方バルブ114を介して、ガラス容器131内の空気を排出する。所定圧まで減圧できた後に、今度は、3方バルブ113において開口c及びbを接続するように流路を設定する。そうすると、図5中実線矢印(2)に示すように、ガスボンベ200から、ガス配管130、逆止弁116、減圧弁117、3方バルブ113及び3方バルブ114を介して、ガスを供給する。
このようなガス置換を数回繰り返すことによって、ガラス容器131内の空気や水分を除去することができる。
なお、ガラス容器131ではなくシリンジ132を用いる場合もある。そのような場合には、溶媒の脱気及び脱水を行う前の第2段階の操作として図6に示すような操作を実施する。まず、3方バルブ113において、開口a及びbを接続するように流路を設定する。また、3方バルブ115において、開口a及びbを接続するように流路を設定する。そうすると、図6中実線矢印(1)に示すように、真空ポンプ300によって、真空配管140、カプラ112、3方バルブ113、及び3方バルブ115を介して、シリンジ132内の空気を排出する。所定圧まで減圧できた後に、今度は、3方バルブ113において開口c及びbを接続するように流路を設定する。そうすると、図6中実線矢印(2)に示すように、ガスボンベ200から、ガス配管130、逆止弁116、減圧弁117、3方バルブ113及び3方バルブ115を介して、ガスを供給する。
このようなガス置換を数回繰り返すことによって、シリンジ132内の空気や水分を除去することができる。
このような操作を実施した後、実際に溶媒を筒状カラム151乃至153を通過させてガラス容器131又はシリンジ132に流入させる。この際の操作を図7を用いて説明する。図7中、点線矢印でガスの流れを、実線矢印で溶媒の流れを示している。まず、3方バルブ114において開口a及びbを接続するように流路を設定する。または、3方バルブ115において開口b及びcを接続するように流路を設定する。さらに、3方バルブ171乃至173において開口a及びbを接続するように流路を設定する。また、3方バルブ174乃至176において開口b及びcを接続するように流路を設定する。そうすると、ガスボンベ200から、ガス配管130、カプラ111、逆止弁116、減圧弁117、逆止弁118及びガス配管401を介してガスが、溶媒キャニスター400に供給される。溶媒キャニスター400では、ガスの圧力で内部の溶媒が液体配管402に押し出され、さらに、3方バルブ171を介して筒状カラム151に下側から注入される。溶媒は、筒状カラム151内の充填物の作用を受けつつ通過し、さらに3方バルブ174、配管161及び3方バルブ172を介して筒状カラム152に下側から注入される。さらに、溶媒は、筒状カラム152内の充填物の作用を受けつつ通過し、さらに3方バルブ175、配管162及び3方バルブ173を介して筒状カラム153に下側から注入される。その後、溶媒は、筒状カラム153内の充填物の作用を受けつつ通過して、さらに3方バルブ176、配管194、フィルタ195、及び3方バルブ114を介して、ガラス容器131に押し出され、貯められる。なお、シリンジ132の場合には、3方バルブ115を介して、シリンジ132に押し出され、貯められる。
このようにすれば、十分に脱水及び脱気された溶媒がガラス容器131又はシリンジ132内に得られるようになる。
次に、液体処理ユニット100を交換する際の操作について図8A及び8Bを用いて説明する。図8Bに示すように、交換する際には、現在使用中の液体処理ユニット100Aのカラム内溶媒移充填用カプラ192と、これから使用する液体処理ユニット100Bのカラム内溶媒移充填用カプラ192とを、所定の配管によって接続する。
そして、液体処理ユニット100Bの3方バルブ171において開口c及びbを接続するように流路を設定する。また、液体処理ユニット100Aの3方バルブ171乃至173において開口b及びcを接続するように流路を設定する。さらに、液体処理ユニット100Aの3方バルブ174乃至176において開口a及びbを接続するように流路を設定する。そうすると、ガスボンベ200から、ガス配管130、カプラ111、逆止弁116、減圧弁117、及び配管193を介してガスが3方バルブ174乃至176に供給され、さらに開口aからbへの流路によって筒状カラム151乃至153に上から供給される。このように、ガスにより筒状カラム151乃至153の上から下に加圧することによって、筒状カラム151乃至153内の溶媒を押し出す。押し出された溶媒は、3方バルブ171乃至173、配管191、カプラ192を介して、液体処理ユニット100Bのカプラ192、配管191、そして3方バルブ171における開口cから開口bへの流路を介して、筒状カラム151に注入される。ある程度時間をかけて液体処理ユニット100Aから液体処理ユニット100Bに移充填した後に、液体処理ユニット100Bにおける3方バルブ171を、開口aと開口bが接続されるように流路を設定する。
このように本実施の形態に係る液体処理ユニット100を採用することによって、簡単に液体処理ユニット100内の筒状カラムに残留する溶媒を移充填できるので、液体処理ユニット100の交換が容易になると共に、無駄なく溶媒を処理することができるようになる。
また、本実施の形態における脱気及び脱水の場合には、上で述べたように他の液体処理ユニット100Bの筒状カラム151に移充填するのが最も好ましいが、筒状カラム151乃至153の目的や充填物によっては、対応する筒状カラムに移充填するような方法も採用できる。すなわち、液体処理ユニット100Aの筒状カラム151のみの残留溶媒を、液体処理ユニット100Bの筒状カラム151に移充填し、液体処理ユニット100Aの筒状カラム152のみの残留溶媒を、液体処理ユニット100Bの筒状カラム152に移充填し、液体処理ユニット100Aの筒状カラム153のみの残留溶媒を、液体処理ユニット100Bの筒状カラム153に移充填することも可能である。これは、各対応筒状カラムの下部接続部に接続されている3方バルブを切り替えるだけで行うことができる。さらに、移充填元筒状カラムと移充填先筒状カラムの組み合わせは、任意に選択することができる。
なお、液体処理ユニット100の交換は、溶媒を移充填するのではなく、単に溶媒を排出することでも可能である。図8Cを用いて、液体処理ユニットを、溶媒を単に排出することにより交換する際の操作について説明する。即ち、図8Cに示すように、液体処理ユニット100を交換する際には、溶媒移充填の場合と同様に3方バルブ171乃至176の流路を設定する。即ち、3方バルブ171乃至173において開口b及びcを接続するように流路を設定し、さらに3方バルブ174乃至176において開口a及びbを接続するように流路を設定する。そうすると、ガスボンベ200から、ガス配管130、カプラ111、逆止弁116、減圧弁117、及び配管193を介してガスが3方バルブ174乃至176に供給され、さらに3方バルブ171乃至173における開口bからcへの流路によって筒状カラム151乃至153に上から供給される。このように、ガスにより筒状カラム151乃至153の上から下に加圧することによって、筒状カラム151乃至153内の溶媒を押し出す。押し出された溶媒は、3方バルブ171乃至173、配管191、カプラ192を介して排出される。次に、3方バルブ171乃至176を開口a乃至cの何れとも接続しないように流路を閉じる。そして、筒状カラム151乃至153を外し、新たな筒状カラム151乃至153を夫々所定の位置に接続する。
尚、新たな筒状カラム151乃至153を所定の位置に接続する際は、予め配管内及びバルブ内にガスを供給することにより除去された空気及び水分が再度配管内及びバルブ内に吸着するのを防ぐため、接続される各筒状カラムは、陽圧状態にガス充填された状態に保持されたものを用いるのが好ましい。
また、排出するだけであれば、ガスで筒状カラム151乃至153内の残留溶媒を押し出す必要がない場合もある。すなわち、バルブ174乃至176については操作しないようにしても良いし、単に空気が流通するように開口部を接続するようにしてもよい。
このように、各筒状カラムに対応して下部接続部に3方バルブを設けて、当該3方バルブによって溶媒の移動経路(例えば系統とも呼ぶ)を切り替えることによって、筒状カラムを直列に接続して所望の作用を溶媒に対して施したり、任意の筒状カラムの残留溶媒を容易に排出できる。なお、各筒状カラムに対応して上部接続部に3方バルブを設けることにより、残留溶媒をガスによって押し出すことができ、他の液体処理ユニットに移充填することもできるようになる。
また、液体処理ユニット100Bの筒状カラム151乃至153や流路を予め不活性ガス等で置換しておけば、ユニット交換の際にカラムや流路に残留する例えば空気や水(水蒸気)等を除去する等の操作を行うことなく交換が可能となるため目的の流路を設定するだけで直ちに使用可能となる。
以上本発明の実施の形態を説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、配管には図示していないカプラを各所に設けて、簡単に抜き差しできるようにすることによって、液体処理ユニットの交換をより簡単にすることができるようになる。
その他、処理すべき液体の特質や、希望する処理の内容によって、上で述べたメンテナンス性を向上する構成要素以外の構成要素は、追加されたり、除去されたりする。
さらに、本実施の形態における液体処理ユニットを複数連結して使用する際の実施の形態を図9A、9B及び10に示す。
図9Aを用いて、本実施の形態における2つの液体処理ユニットを直列して連結する構成について説明する。即ち、液体処理ユニット100C中の複数の筒状カラムのうちの最後の筒状カラム側(例えば図8Cであれば筒状カラム153に相当)のフィルタ195の先に設けたカプラ196と他の液体処理ユニット100D中の複数の筒状カラムのうちの最初の筒状カラム側(例えば図8Cであれば筒状カラム151に相当)に設けたカプラ197を配管198を介して接続する。
また、溶媒キャニスター400に接続された液体配管402は、液体処理ユニット100C中の複数の筒状カラムのうちの最初の筒状カラム側(例えば図8Cであれば筒状カラム151に相当)に設けられたカプラ197に接続されている。
さらに、2つのユニットの何れか1つにガスボンベを接続すればよいが、2つの液体処理ユニット共にガスボンベを接続してもよい。真空ポンプの接続もガスボンベと同様に行えばよい。
さらにまた、液体処理ユニット100Cと100Dにおける複数の筒状カラムは、液体処理ユニットにつき同一でも異なっていてもよい。
尚、各液体処理ユニットには、逆止弁と減圧弁は必ずしも必要ないが、少なくとも最後のユニット100Dにはあった方が好ましい。
次に、図9Bを用いて、本実施の形態における2つの液体処理ユニットを並列して連結する構成例について説明する。即ち、液体処理ユニット100Cの複数の筒状カラムのうち最初の筒状カラム側に設けられたカプラ196と、溶媒キャニスター400aを液体配管402を介して接続すると共に、液体処理ユニット100D中の複数の筒状カラムのうち最初の筒状カラム側に設けられたカプラ196と溶媒キャニスター400bを液体配管402を介して接続する。ガスボンベ及び真空ポンプの1セットは、図1に従って各液体処理ユニットと接続させればよい。
さらに、図10を用いて、本実施の形態における3つの液体処理ユニットを並列して連結した構成例について説明する。即ち、液体処理ユニット100Eの複数の筒状カラムのうち最初の筒状カラム側に設けられたカプラ196と、溶媒キャニスター400cを液体配管402を介して接続し、液体処理ユニット100Fの複数の筒状カラムのうち最初の筒状カラム側に設けられたカプラ196と、溶媒キャニスター400dを液体配管402を介して接続し、液体処理ユニット100Gの複数の筒状カラムのうち最初の筒状カラム側に設けられたカプラ196と、溶媒キャニスター400eを液体配管402を介して接続する。溶媒キャニスター400c乃至400eには、異なる溶媒が貯蔵されている。また、3つの液体処理ユニットには、1つのガスボンベと1つの真空ポンプを接続する。さらに、各液体処理ユニットには、逆止弁と減圧弁を設けている。
本実施の形態をまとめると以下のとおりになる。
すなわち、本実施の形態における液体処理ユニットは、各々内部に液体に対して所定の作用を及ぼす充填物が充填されている複数の筒状カラムと、ガスによって液体の貯蔵部を加圧することによって供給される液体を複数の筒状カラムを直列に通過させ、充填物による所定の作用後の液体を採取抽出する第1の系統と、複数の筒状カラムの各々から液体を排出する第2の系統とを切り替える複数のバルブとを有する。
また、上で述べた複数のバルブは、第2の系統に切り替えた場合に、上記ガスを複数の筒状カラムに対して液体の排出方向に供給するためのバルブを含むようにしてもよい。
なお、上記ガスの供給部と液体の貯蔵部との間の経路に、逆止弁及び減圧弁を介在させるようにしてもよい。また、複数の筒状カラムの封止部にメタルガスケットフランジを含むようにしてもよい。
さらに、複数の筒状カラムに充填される充填物が、筒状カラム毎に異なるものであるようにしてもよい。
また、第2の系統の配管端部に、他の液体処理ユニットの第2の系統に接続するためのカプラが設けられているようにしてもよい。
このように、本実施の形態における液体処理ユニットはユニット単位での交換が可能となるため、液体処理ユニットを交換する際に、新たな他の液体処理ユニット中の筒状カラム内や流路等を例えば不活性ガスで予め置換しておけば、新しい液体処理ユニットに不活性ガスボンベと真空ポンプを連結するだけで直ちに液体処理を行うことが可能となり、操作がより簡便となる。
また、複数の液体処理ユニットを直列又は並列に連結して使用してもよい。複数の液体処理ユニットを連結して用いることにより、効率的に液体を処理することができる。
複数の液体処理ユニットを直列に連結する場合、例えば液体処理ユニットの第1の系統と他の液体処理ユニットの第1の系統を接続すればよい。この際、液体処理ユニット中の複数の筒状カラムのうち最初の筒状カラムが有する第1の系統と液体の貯蔵部(例えば溶媒キャニスター)との間の経路をカプラで結合し、更に複数の液体処理ユニットの何れか1つ(好ましくは溶媒キャニスターと直接接続されている液体処理ユニット若しくは全ての液体処理ユニット)にガスを接続するように設定しておけば、複数の液体処理ユニット間の第1系統同士を容易に接続可能となる。真空ポンプについてもガスと同様に複数の液体処理ユニットの何れか1つ(好ましくは、液体を採取する側の液体処理ユニット若しくは全ての液体処理ユニット)と接続するよう設定しておけばよい。
直列に連結された複数の液体処理ユニットにおける複数の筒状カラムは、各液体処理ユニット単位で筒状カラム毎に同一或いは異なるものであってもよい。
また、直列に連結された複数の液体処理ユニットのうち少なくともガスと接続させる液体処理ユニットには、ガスの供給部と液体の貯蔵部との間の経路に、逆止弁及び減圧弁を介在させるようにするのが好ましい。
複数の液体処理ユニットを並列で連結して用いる場合は、例えば液体処理ユニット毎に適当な液体の貯蔵部と接続すればよい。
並列に連結された複数の液体処理ユニットで処理する液体は液体処理ユニット毎に同じでも異なるものであってもよい。複数の液体処理ユニットで同じ液体を処理する場合は、1つの液体貯蔵部と全ての液体処理ユニットを複数の経路を介して接続してもよいし、液体処理ユニット毎にユニット数と同じ数の液体貯蔵部との間の経路を夫々の液体処理ユニットと個々別々に接続させてもよい。また、複数の液体処理ユニットで異なる液体を処理する場合は、液体処理ユニット毎にユニット数と同じ数の異なる液体貯蔵部との間の経路を夫々の液体処理ユニットと個々別々に接続させればよい。ガスボンベと真空ポンプとのセットは、各液体処理ユニットに接続させればよい。
並列に連結された複数の液体処理ユニットにおける複数の筒状カラムは、各液体処理ユニットにつき、同一或いは異なるものであってもよい
このように、本実施の形態における液体処理ユニットは、当該液体処理ユニットを複数連結して用いることも可能である。尚、このように、複数の液体処理ユニットを並列に連結させる場合であっても、使用する不活性ガスボンベ及び真空ポンプは夫々1つあればよく、夫々の液体処理ユニットに分岐させて配管すればよく、その接続にはカプラを用いるのが好ましい。