JP5408895B2 - 物質検出装置、及び、該物質検出装置を用いた物質検出方法 - Google Patents

物質検出装置、及び、該物質検出装置を用いた物質検出方法 Download PDF

Info

Publication number
JP5408895B2
JP5408895B2 JP2008105612A JP2008105612A JP5408895B2 JP 5408895 B2 JP5408895 B2 JP 5408895B2 JP 2008105612 A JP2008105612 A JP 2008105612A JP 2008105612 A JP2008105612 A JP 2008105612A JP 5408895 B2 JP5408895 B2 JP 5408895B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
magnetic field
substance
magnetic
bias
bias magnetic
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2008105612A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2009257873A (ja
JP2009257873A5 (ja
Inventor
貴司 池田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Canon Inc
Original Assignee
Canon Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Canon Inc filed Critical Canon Inc
Priority to JP2008105612A priority Critical patent/JP5408895B2/ja
Publication of JP2009257873A publication Critical patent/JP2009257873A/ja
Publication of JP2009257873A5 publication Critical patent/JP2009257873A5/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5408895B2 publication Critical patent/JP5408895B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Investigating Or Analyzing Materials By The Use Of Magnetic Means (AREA)

Description

本発明は、磁性物質を検出する装置、および該装置を用いた物質検出方法に関し、特に、磁性物質を標識として間接的に非磁性物質を検出する装置及びその方法に関する。
近年、予防医療が注目されていることから高感度な免疫検査の必要性が高まっている。免疫検査には種々の方法が提案されている。その一つとして、抗原等の測定対象物質に特異的に結合する抗体等の物質を支持体上で固相化し、そこに特異的に結合された測定対象物質を検出する方法が挙げられる。特に、測定対象物質に標識物質を結合して検出する方法は、支持体上に特異的に結合された測定対象物質が少量であっても検出可能であることから、より高い感度を持つ免疫検査方法として期待される。
また、測定対象物質に結合させる標識物質の材料は様々であるが、高い検出感度を達成するために、磁性物質からなる標識物質(以下、磁性標識と記す。)の利用が提案されている(特許文献1参照)。
磁性標識は、検体中で高い分散性を保つことが求められるため、超常磁性材料あるいはこれに近い特性を有する材料で構成されていることが好ましい。そのため、検出の際には磁性標識を磁化する必要が有り、これは外部からの磁界(バイアス磁界)印加で達成される。
磁化された磁性標識から発せられる浮遊磁界を検出する磁気センサとして、例えば磁気抵抗効果素子や磁気インピーダンス素子、あるいはSQUIDなどの磁気センサが用いられる。磁気センサに対して、バイアス磁界の印加方向は磁気センサ素子膜面に対して垂直方向とする場合や、膜面内方向とする場合など幾つかの提案がなされている。
米国特許第5981297号明細書(US5981297 A)
磁気センサ素子表面に存在する標識物質を磁化する場合、バイアス磁界は標識物質のみならず、磁気センサ素子にも印加されてしまう。
したがって、磁気センサ素子の検出信号は、バイアス磁界の影響を受け、磁気センサ素子に対してバイアス磁界の相対的な方向が一定に定まらない場合には、検出信号から標識物質の有無や数を特定することが不可能となる課題が有った。
上述した課題について、磁気センサ素子に巨大磁気抵抗効果膜を用いた場合を例にとって図14を用いて説明する。
巨大磁気抵抗効果膜(GMR膜)は、複数の磁性膜と非磁性金属膜が交互に積層された人工積層膜構造を持つものや、1つの非磁性金属膜を2つの磁性膜で挟んだ構造のものが有る。ここでは、後者の構造、すなわち非磁性金属膜912が、比較的磁化反転しにくい磁性膜(ピンド層)911と、比較的磁化反転しやすい磁性膜(フリー層)913に挟まれた構造を有する磁気抵抗効果膜を磁気センサ素子とする。
従来、磁性物質の有無やその数量を検出するために、次のような検出プロセスが使われていた。つまり、バイアス磁界が印加されていないときの磁気センサ素子の検出信号強度と、バイアス磁界を印加することによって磁化された磁性物質から生じる浮遊磁界を磁気センサ素子で検出したときの検出信号強度と、を比較していた。簡単に言うと、零磁場での磁気センサ検出信号と、バイアス磁界を印加した状態での磁気センサ検出信号とを比較していた。
この検出プロセスではバイアス磁界は磁化が安定して向いている方向に印加されなければならない。しかし、磁気センサがバイアス磁界印加装置から取外し可能で有る場合、磁気センサ素子に対して、実際には、バイアス磁界を所望の方向に印加するように取り付けることは容易ではない。
ここで、初期状態において、磁化方向は磁気センサ素子長手方向で安定していると仮定する。図14(a)は、バイアス磁界905が所望の方向、すなわち初期状態において磁化が向いていた方向(ここでは磁気センサ素子長手方向)に印加できたときのフリー層913の磁化907の方向を模式的に示している。また、検出対象である磁性物質904は、バイアス磁界905を印加したときに、該バイアス磁界よりも大きな浮遊磁界を磁気センサ素子に与えるとする。この場合、磁性物質904が存在する場合のみ、磁気センサ素子の電気抵抗(検出信号)が変化する。
しかし、図14(b)に示すように、バイアス磁界の方向が初期の磁化方向から僅かでもずれてしまうと、磁化方向はバイアス磁界の方向へ回転し、磁性物質904の有無に関わらず、磁気センサ素子の電気抵抗値はそのバイアス磁界の傾きに依存して変化してしまう。この事を示したのが図15である。
図15を参照すると、磁気抵抗効果膜のフリー層における磁化の初期状態(零磁場の状態A)の方向にバイアス磁界Hbが印加された場合、磁気センサ素子の検出信号Rは、磁性物質が有るときはバイアス磁界Hbの大きさに応じて変化する(状態C)。しかし、その磁性物質が無いとき検出信号Rは変化しない(状態B)。一方、バイアス磁界Hbの方向が前記状態Aの磁化方向からずれて磁化がバイアス磁界の方向へ回転した場合、磁気センサ素子の検出信号Rは、磁性物質が有っても無くても、バイアス磁界Hbの大きさに応じて変化する(状態D,E)。
図15に示される状態Dでは磁性物質が無くても磁気センサ素子から信号が出るため、この信号は、零磁場の状態Aでの信号と比較しても、磁性物質による信号なのかバイアス磁界の傾きによるものなのか区別できない。
したがって、図14においてバイアス磁界905の方向が定まらない状況では、磁性物質904の検出は困難となっていた。
また、以上の説明は初期状態(バイアス磁界が印加されていない零磁場状態)において、磁化方向は磁気センサ素子長手方向で安定していると仮定したものである。しかし、零磁場でその磁化方向が乱れているときはそれが乱れていないときと比べて、初期状態での磁気センサ素子の信号がより大きくなる。
よって、零磁場で磁化方向の乱れが生じる磁気センサ素子では、零磁場での磁気センサ検出信号と、バイアス磁界を印加した状態での磁気センサ検出信号との差分が小さくなり、高感度検出ができないという課題もある。
本発明の目的は、上記従来技術が有する課題の少なくとも一つを解決できる物質検出装置及び該物質検出装置を用いた物質検出方法を提供することである。その目的の一例は磁気センサ検出信号の信頼性および感度を向上させることである。
本発明の一態様は、磁界を印加して磁性物質を検出するための物質検出装置及び物質検出方法に係るものである。
上記課題を解決すべく、この装置及び方法では、磁性物質を保持可能な面に形成された磁気抵抗効果素子と、磁気抵抗効果素子の面内方向にバイアス磁界を印加するための磁界印加手段とが用意される。さらに、磁気抵抗効果素子の電気抵抗値を検出する検出手段と、磁性物質の有無あるいは数量を知るための処理手段と、が用意される。
そして処理手段は、バイアス磁界の印加によって磁性物質が発生する浮遊磁界の大きさHsがバイアス磁界の大きさHbよりも大きいという条件(Hb<Hs)を満たす第1のバイアス磁界を磁界印加手段で印加し、検出手段で検出される磁気抵抗効果素子の第1の電気抵抗値を得る。さらに、浮遊磁界の大きさHsがバイアス磁界の大きさHbよりも小さいという条件(Hb>Hs)を満たす第2のバイアス磁界を磁界印加手段で印加し、検出手段で検出される磁気抵抗効果素子の第2の電気抵抗値を得る。そして処理手段は、上記第1の電気抵抗値と第2の電気抵抗値を比較して、磁性物質の有無あるいは数量を知る。
本発明によれば、磁性物質の検出において磁気センサ検出信号の信頼性および感度を向上させることが可能である。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
本発明の一実施形態の物質検出装置は磁気センサ素子を有し、該磁気センサ素子の近傍に測定対象である磁性物質が存在するものである。
(磁気センサ素子)
本発明の物質検出装置に使用される磁気センサ素子は磁性物質を検出可能なものであればどのようなものでも良く、例えば、磁気抵抗素子、磁気インピーダンス素子、フラックスゲート素子、SQUID(超電導量子干渉素子)などが挙げられる。これらの中でSQUIDは最も小さな磁界強度の検出が可能で、10-4 [A/m]程度の磁界の検出が可能である。また、物質検出装置は1個だけの磁気センサ素子で構成したり、複数個の磁気センサ素子で構成したりしても良い。
複数の磁気センサ素子で構成する場合には、磁気センサ素子を電気的に直列にあるいは並列に接続しても良いし、トランジスタなどを接続して複数の磁気センサ素子の中から所望の素子を順次選択して検出信号を取得しても良い。さらに、磁気センサ素子からの検出信号をデジタル信号に変換するためにA/D変換器を接続しても良い。
薄膜からなる磁気センサ素子は支持体上に形成される。支持体は強度的に十分で磁界検出に影響を与えないものが好ましい。また、支持体上に半導体製造プロセスなどによって磁気センサ素子を形成する場合には、その形成プロセスに影響を与えない支持体が好ましく、例えばシリコンウエハやガラス板などが挙げられる。
磁気センサ素子への検出電流印加および磁気センサ素子からの検出信号の取得は接続電極を介して行われる。接続電極は電気回路基板等で通常使用される接続端子の材料で形成すれば良く、例えば、金などが使用可能である。
(検出される磁性物質)
本発明の物質検出装置で検出可能な磁性物質は、バイアス磁界が印加されている状態で、その磁性物質から発生する磁界(浮遊磁界)が磁気センサ素子で検出可能である状況を有するものに限られる。
具体的には、それは、比較的弱いバイアス磁界中においては、バイアス磁界よりも大きな浮遊磁界が生じ、さらに大きなバイアス磁界中においては、浮遊磁界はバイアス磁界よりも小さくなるという特性を有するものである。言い換えると、検出可能な磁性物質は、小さな磁界範囲では大きな磁化率を有し、大きな磁界範囲では、磁化の大きさが飽和してしまう特性を持つものである。
そのような磁性物質は、例えば、酸化鉄や、コバルトとプラチナの合金などが挙げられる。
また本発明の物質検出装置で検出可能な磁性物質として、chemicell社から市販されている磁性粒子であるSiMAGが挙げられる。SiMAGは酸化鉄の微粒子が磁性材料として含まれている。
この磁性粒子(SiMAG)に印加するバイアス磁界と該バイアス磁界に平行でかつその磁性粒子に接する面に印加される浮遊磁界との複合磁界の大きさと、バイアス磁界の大きさとの関係は図1に示す通りである。複合磁界とは、浮遊磁界強度Hsからバイアス磁界強度Hbを差し引いた正味の磁界である。この図においては、バイアス磁界強度に比べて浮遊磁界強度の方が大きい場合に、複合磁界の大きさは正の値となる。
検出される磁性物質が上記の特性を持つものに限定される理由について、磁気センサ素子に巨大磁気抵抗効果膜を用いた場合を例にとって、以下に詳細に説明する。
図2は、巨大磁気抵抗効果膜からなる磁気センサ素子210上に磁性物質204が存在し、磁気センサ素子210の膜面内方向にバイアス磁界205が印加された状況を示す。巨大磁気抵抗効果膜は、間に非磁性膜212を挟んだ2つの磁性膜(フリー層211,ピンド層213)の磁化が成す角度に依存した電気抵抗を示し、2つの磁化方向が平行であるときには電気抵抗が最も小さく、反平行であるときには電気抵抗は最も大きくなる。
バイアス磁界205は、測定対象である磁性物質204が無い場合に、バイアス磁界205の強度が変化しても磁気センサ素子210の検出信号が変化しない方向に印加されることが好ましい。その印加方向は例えば、巨大磁気抵抗効果膜のフリー層213の磁化の初期状態での方向であり、零磁場中で磁化が安定して向いている方向である。磁化が向いている方向にバイアス磁界205を印加した場合は、磁化方向はバイアス磁界強度に依存しないので磁気センサ素子210からの信号は変化しない。
バイアス磁界205が印加された磁性物質204は磁化され、これにより浮遊磁界206が生じる。図2からも分かるように、磁界センサ素子210上に磁性物質204が有る場合、浮遊磁界206は、磁性物質204の直下において、磁界センサ素子の膜面内方向、かつバイアス磁界205に対して反平行方向に印加される。つまり、磁気センサ素子210に印加される磁界は、バイアス磁界205と浮遊磁界206との複合磁界である。
バイアス磁界205が浮遊磁界206よりも必ず大きい磁界強度を有する場合(バイアス磁界強度Hb>浮遊磁界強度Hs)は、巨大磁気抵抗効果膜の構成要素であるフリー層211の磁化方向は変化しないため、磁性物質204を検出することは不可能である。
しかし、バイアス磁界205よりも浮遊磁界206の方が大きい場合(バイアス磁界強度Hb<浮遊磁界強度Hs)は、その複合磁界がフリー層211の初期の磁化方向に対して略反平行にかかる。そのため、磁化ベクトルが反転あるいは傾き、磁気センサ素子210の電気抵抗が変化し、磁性物質204は検出可能である。もし、磁性物質204が存在しない場合には、浮遊磁界206が発生しないので、バイアス磁界205を印加しても磁気センサ素子210の電気抵抗値は変化しない。
つまり、検出対象の磁性物質204が前述の特性を持つもの(例えば酸化鉄や、コバルトとプラチナの合金など)である場合、バイアス磁界の印加制御によって磁性物質204の検出が可能である。
(検出プロセス)
図3は本発明の物質検出方法の一工程例を説明する概念図である。本例の検出フローの概要は以下の通りである。
第1のステップ101として、バイアス磁界印加装置を有する物質検出装置を用意し、この装置に測定試料を取り付ける。この測定試料には、検出対象である磁性物質を保持可能な保持部が有り、この保持部に磁気センサ素子が形成されている。
第2のステップ102として、磁気センサ素子に所望の大きさの検出電流(定電流)を印加する。
第3のステップ103として、測定試料に第1のバイアス磁界を印加する。
第4のステップ104として、測定試料に第2のバイアス磁界を印加する。
第5のステップ105として、第3のステップ103と第4のステップ104の間で生じた磁気センサ素子の電気抵抗値の変化を読み取り、これに基づいて磁性物質の有無あるいはその数量を検出する。
上記の第2のステップ102において、磁気センサ素子に流す電流の大きさは、用いる磁気センサ素子の種類によって異なるが、例えば、大きな密度の電流を流すと磁気センサ素子や配線が発熱するので好ましくない。しかし、電流が小さすぎると検出回路が持つノイズに検出信号が埋もれてしまうので好ましくない。あるいは、磁気センサ素子として、磁気抵抗効果膜の一種であるトンネル磁気抵抗効果膜を用いた場合には、検出信号強度が磁気センサ素子にかかる電圧に依存し、電圧が高くなると信号強度が低下するという性質を持つので、電流強度を適当な大きさに調整する必要が有る。
第3のステップ103において印加する第1のバイアス磁界は、検出対象である磁性物質から生じる浮遊磁界が、印加するバイアス磁界よりも大きいという条件(バイアス磁界強度Hb<浮遊磁界強度Hs)を満たす大きさの磁界である。
例えば、検出対象としてのSiMAGを、その直下に置いた巨大磁気抵抗効果膜で検出する場合、Hb<Hsの第1のバイアス磁界は、図1に示すように正の値の複合磁界強度となるバイアス磁界強度の最大値である16[kA/m]以下であることが好ましい。より好ましくは、図1に示すように複合磁界強度が最大値となる7[kA/m]程度の大きさである。また、上記第1のバイアス磁界の下限は、磁気抵抗効果膜のフリー層の磁化がバイアス磁界の方向に揃う、約0.3[kA/m]とする。
また第4のステップ104において印加する第2のバイアス磁界は、磁性物質から生じる浮遊磁界が、印加するバイアス磁界よりも小さいという条件(バイアス磁界強度Hb>浮遊磁界強度Hs)を満たす大きさの磁界である。これは、SiMAGを検出する例では図1に示すように17[kA/m]より大きな磁界である。
もちろん、第1及び第2のバイアス磁界の大きさは、使用される磁気センサ素子の特性や、磁気センサ素子と磁性物質の相対的な位置関係によって適宜調整される。例えば、磁性物質が磁気センサ素子から離れて存在する場合には、磁気センサ素子に印加される浮遊磁界は小さくなり、バイアス印加磁界よりも浮遊磁界の方が大きくなるバイアス磁界の範囲が狭くなる。
SiMAGを検出する上記の例において、磁性粒子の下端と磁界センサ素子表面との間隙が50nmであるときには、バイアス磁界強度と複合磁界強度の関係は図4に示す通りとなる。この図から、第3のステップ103で印加する第1のバイアス磁界は、約0.3[kA/m]以上、8[kA/m]未満であることが好ましい。また、第4のステップ104で印加される第2のバイアス磁界の大きさは、9[kA/m]よりも大きな磁界であることが好ましい。
また、検出対象の磁性物質として、酸化鉄からなる磁性粒子を含み構成されたSiMAGを用いているが、さらに磁化が大きい、コバルトとプラチナの合金等の磁性材料を使用する場合は、より大きな浮遊磁界が生じ、磁性物質の検出が容易となる。
コバルトとプラチナの合金は酸化鉄の2倍程度の大きさの磁化を有するので、発生する浮遊磁界の強度も2倍程度となる。つまり、このような磁性物質の直下において、バイアス磁界が浮遊磁界よりも大きくなる第1のバイアス磁界の大きさは32[kA/m]程度となる。
また本例の検出プロセスでは、第3のステップ103から、第4のステップ104に変わる際に、磁性物質から生じる浮遊磁界の影響を受けていた磁気センサ素子は、浮遊磁界の影響を受けなくなる。
以上のことによって、磁気センサ素子表面近傍に磁性物質が存在する場合には、検出される磁気センサ素子の電気抵抗が第3のステップ103での値と第4のステップ104での値を比較して変化する。この電気抵抗変化から磁性物質の有無やその数量を知ることが可能である。さらに、本発明の物質検出方法によると、バイアス磁界の印加方向がずれたり乱れたりしていても、その影響は軽減され、高感度に磁性物質を検出することが可能である。
以上の説明においては、第1のバイアス磁界と第2のバイアス磁界の2つの大きさの異なる磁界を用いた。しかし、第1のバイアス磁界以下の大きさから第2のバイアス磁界以上の大きさまで磁界の大きさを徐々に変化させ、磁気センサ素子の検出信号の変化から磁性物質の有無やその数量を知ることも可能である。上記と同様に、磁気センサ素子として巨大磁気抵抗効果膜を用いた場合には、その電気抵抗は図5に示すような変化を示す。
ここで、本発明の検出方法によるバイアス磁界強度と磁気センサ素子の電気抵抗値(検出信号)との関係について更に説明する。
まず、磁気センサ素子のフリー層の磁化の向きに対して、印加するバイアス磁界の向きが傾いていた場合を説明する。
図6はこの場合の磁気センサ素子表面の磁化状態と電気抵抗変化を示した図である。特に、図6(a)は零磁場での磁気センサ素子表面の磁化の状態Jを示す。同図(b)は磁性物質が発生する浮遊磁界Hsより小さい第1のバイアス磁界Hb1を印加したときの磁気センサ素子表面の磁化の状態Kを示す(Hb1<Hs)。同図(c)は浮遊磁界Hsより大きい第2のバイアス磁界Hb2を印加したときの磁気センサ素子表面の磁化の状態Lを示す(Hb2>Hs)。同図(d)はこのような状態J,K,Lでの磁気センサ素子の電気抵抗変化を示す。
このようにバイアス磁界が傾いていた場合、磁気センサ素子表面近傍に磁性物質が有ると、状態Kと状態Lでは検出される磁気センサ素子の電気抵抗値が変化する(図6(d)中の実線の曲線参照)。そして磁性物質が存在しない場合には、状態Kと状態Lでは検出される磁気センサ素子の電気抵抗値は変わらない(図6(d)中の点線の曲線参照)。つまり、磁性物質が磁気センサ素子上に存在する場合には、比較的小さな磁界範囲において磁気抵抗値が極大値を示し、磁性物質が存在しない場合には、電気抵抗値が飽和した後に一定の大きさを保つようになる。
これに対し、従来の検出方法のように状態J(零磁場状態)と状態Kで比較すると、検出される磁気センサ素子の電気抵抗値は磁性物質の有無に係らずに変化してしまうので磁性物質の検出が出来ない。
したがって本発明は、磁気センサ素子表面の磁化が安定して向いている方向に対してバイアス磁界が傾いていた場合、磁気センサ素子表面近傍の磁性物質の有無やその数量を検出することが可能である。
続いて、バイアス磁界印加前(零磁場)において磁気センサ素子表面の磁化が乱れていた場合について説明する。
図7はこの場合の磁気センサ素子表面の磁化状態と電気抵抗変化を示した図である。特に、図7(a)は零磁場での磁気センサ素子表面の磁化の状態Mを示す。同図(b)は磁性物質が発生する浮遊磁界Hsより小さい第1のバイアス磁界Hb1を印加したときの磁気センサ素子表面の磁化の状態Nを示す(Hb1<Hs)。同図(c)は浮遊磁界Hsより大きい第2のバイアス磁界Hb2を印加したときの磁気センサ素子表面の磁化の状態Oを示す(Hb2>Hs)。同図(d)はこのような状態M,N,Oでの磁気センサ素子の電気抵抗変化を示す。
このように零磁場での磁気センサ素子表面の磁化が乱れていた場合、磁気センサ素子表面近傍に磁性物質が有ると、状態Nと状態Oでは検出される磁気センサ素子の電気抵抗値が変化する(図7(d)中の実線の曲線参照)。そして磁性物質が存在しない場合には、状態Nと状態Oでは検出される磁気センサ素子の電気抵抗値は変わらない(図7(d)中の点線の曲線参照)。これに対し、従来の検出方法のように状態M(零磁場状態)と状態Nで比較すると、検出される磁気センサ素子の電気抵抗値は磁性物質の有無に係らずに変化してしまうので磁性物質の検出が出来ない。
したがって本発明は、表面の磁化が乱れた磁気センサ素子を使って磁性物質の検出プロセスを開始する場合でも、磁気センサ素子表面近傍の磁性物質の有無やその数量を検出することが可能である。
また、本発明の物質検出方法を適用した検出装置と磁性標識とを用いて、非磁性体を検することも可能である。つまり、検出対象である非磁性体に対して一定の割合で磁性標識を結合させることで、間接的に非磁性体を検出する。
図8はその非磁性体の検出法の一例を説明するための図である。この図(a)〜(c)に示す検出プロセスは例えば、バイオセンサに利用可能である。
図8(a)〜(c)に示すように、測定対象物質を抗原501とすると、磁気センサ素子502の表面および磁性標識503の表面に、抗原501に特異的に結合する抗体504,505を固定しておく。検査する検体溶液を磁気センサ素子502の表面に接触させ、次いで、この状態の磁気センサ素子502を磁性標識503が分散している溶液に晒す。このとき、検体溶液中に抗原501が存在している場合には、磁気センサ素子502表面に抗原501を介して、磁性標識503が特異的に結合する。結合されなかった磁性標識503は洗浄等で除去し、特異的に結合された磁性標識503のみを磁気センサ素子502上に残す。
つまり、検体溶液中に抗原501が存在する場合のみ、磁気センサ素子表面の面内方向に沿ってバイアス磁界506を印加すると、この印加によって磁性標識503が磁化され、浮遊磁界507を発生させる。この浮遊磁界507は磁気センサ素子502表面に印加されるため、磁気センサ素子502で磁性標識503の検出信号が得られる。したがって、非磁性物質である抗原501を間接的に検出することが可能である。
以下、本発明について実施例を挙げてさらに詳述する。
「実施例1」
本発明の実施例1による物質検出装置および物質検出方法について説明する。
本実施例の物質検出装置は図9に示すとおり、バイアス磁界印加手段420とバイアス磁界制御装置440と検出信号処理装置430とを概ね備える。
バイアス磁界印加手段420はバイアス磁界制御装置440によって、測定試料400に所望の大きさの磁界を印加する。本例ではバイアス磁界印加手段420に電磁石が用いられている。試料400は、検出信号を処理する検出信号処理装置430に接続されている。
その検出信号処理装置430は、測定試料400に印加する電流の制御および検出信号の強度から、磁性物質404の有無およびその数量を換算し、さらに記録する。
測定試料400は図10に示すように、検体溶液460が保持できるように凹状のウエル401aが形成された支持体401を備える。ウエル401aの底部は、磁気センサ素子が形成された領域(磁気センサ素子形成領域)450である。
前記磁気センサ素子として、スピントンネル磁気抵抗効果膜が用いられている。
スピントンネル磁気抵抗効果膜はTa / MnPt / CoFe / Ru / CoFeB / MgO / CoFeB / Ta / Au の多層膜からなり、膜面内方向に磁気異方性を有する。このため、膜面内方向の磁界を検出することが可能であり、膜面垂直方向の磁界の影響は受けないという特徴を持つ。
本実施例で用いるスピントンネル磁気抵抗効果膜一つの大きさは上表面の寸法が1μm×5μmの大きさであって、図11に示すように、この寸法の磁気抵抗効果膜の磁気センサ素子410がシリコン基板表面層に縦128個、横256個で複数個配列されている。
磁気センサ素子410としての磁気抵抗効果膜はそれぞれ、図12に示すように、その下方の、シリコン基板中に形成される選択トランジスタ414に電気的に直列接続されている。また、磁気センサ素子410の上部に上部電極415(信号用配線)が形成されている。こうした構成によって、所望のスピントンネル磁気抵抗効果膜を順次選択し、検出信号を取得することが出来る。本実施例では、一度に選択されるスピントンネル磁気抵抗効果膜の数は16個とする。
複数の磁気抵抗効果膜を用いることは、検出する磁性物質404の検出個数において広い範囲をカバーすることが可能となる。より広い検出範囲が必要であれば、さらにスピントンネル磁気抵抗効果膜の個数を増やせば良い。
本実施例では、検出対象の磁性物質404がSiMAGであり、磁性物質404が水溶媒中に分散している液体が検体溶液460である。
以下に、検体溶液460中に存在する磁性物質404を検出するプロセスを説明する。
検査員又はロボットが検体溶液460を測定試料400のウエル401a(図10参照)中に滴下し、その測定試料400を本発明の物質検出装置(図9参照)にセットする。
該物質検出装置は、検体溶液中に分散している磁性物質404が測定試料400の磁気センサ素子表面で保持されるように測定試料400を約20分静置し、磁性物質404を検体溶液中に沈降させる。この沈降させる時間を短縮する為に、磁力や遠心力などを用いて磁性物質404を磁気センサ素子表面に引きつける機構を物質検出装置に設けても良い。
磁性物質404を沈降させた後、検出信号処理装置430によって、選択された最初の16個のトンネル磁気抵抗効果膜のみが作動し、これらに検出電流が印加される。
続いて、バイアス磁界印加手段420によって、スピントンネル磁気抵抗効果膜に、フリー層の磁化方向と略平行な方向にバイアス磁界が印加される。このとき、そのスピントンネル磁気抵抗効果膜にかかる電圧が読み取られる。このときのバイアス磁界の大きさは6[kA/m]にバイアス磁界制御装置440で調整された。
次いで、そのバイアス磁界制御装置440によるバイアス磁界の大きさが20[kA/m]に変更され、この大きさで上記同様にバイアス磁界がスピントンネル磁気抵抗効果膜に印加されて電圧が読み取られる。そして検出信号処理装置430は、バイアス磁界の大きさを変える前と後の電圧値を比較し、2つの値の差分を記録する。
さらに次の16個のスピントンネル磁気抵抗効果膜が選択され、これらについて上記同様に電圧値が読み取られる。
検出信号処理装置430は、このようなプロセスを繰り返し、全てのスピントンネル磁気抵抗効果膜の電圧値の差分を記録する。そして、記録された値の総和から、滴下した磁性物質404の総量の情報を得る。
「実施例2」
上記実施例1で説明した物質検出装置において、磁気センサ素子形成領域450の表面に生体物質を固定化することにより、血清を検体溶液とし、その中に含まれる癌マーカーであるPSAを検出することが可能である。以下にこのPSA検査方法について図13を参照して説明する。
使用される測定試料の構成は上記実施例1とほぼ同様である。図13に示すように磁気センサ素子810の上部に、AuおよびTiの2層膜からなる上部電極815(信号用配線)が形成されている。特に、そのAu膜は上部電極815の表面側(溶液と接触する側)に有る。さらに、磁気センサ素子810の表面以外の領域がSiN膜の固定防止膜816で覆われており、磁気センサ素子810の表面部のみが抗体を固定できるAu表面となっている。また上記実施例1と同様、磁気センサ素子810としての磁気抵抗効果膜の下方のシリコン基板中に選択トランジスタ814が形成され、磁気センサ素子810と電気的に接続されている。
このような構成の測定試料のウエルに、PSA 872と特異的に結合する抗体を含む溶液を注入し、抗体を磁気センサ素子810上に固定する。
十分に抗体を磁気センサ素子810上に固定させた後に、上記の溶液を燐酸バッファー溶液で数回置換することによって、固定されていない抗体を磁気センサ素子810表面から除去する。尚、磁気センサ素子810表面に固定される抗体を本実施例において一次抗体873と呼ぶこととする。
検出対象のPSA 872は非磁性体であるため、磁気センサ素子810ではPSA 872を直接検出できない。そのため、非磁性体に対して磁気標識804を結合することで、間接的に非磁性体を検出する。
本実施例では、一次抗体873と同様にPSA 872に特異的に結合する抗体が表面に固定された磁気標識804が分散している溶液が検体溶液に滴下される。この磁性標識表面に固定された抗体を、一次抗体873と区別して二次抗体874と呼ぶことにする。
そこで、上記のように一次抗体873を磁気センサ素子810表面に固定しておいた測定試料に、検体溶液である血清を滴下し20分間インキュベートする。その後、測定試料のウエル中のきょう雑物を除去するために、燐酸バッファー溶液で数回置換する。
続いて、磁性標識804を含む溶液を測定試料上に滴下し、さらにインキュベートする。
そして、磁気センサ素子810表面の一次抗体873に特異的に結合されていない磁性標識804を磁石で回収し、磁気センサ素子表面に特異的に結合した磁性標識804のみを残す。
つまり、検体溶液である血清中にPSA 872が含まれている場合、一次抗体873および二次抗体874を介して、磁性標識804が磁気センサ素子810表面に固定される。PSA濃度が高いほど磁性標識804も多く磁気センサ素子表面に固定されるので、磁性標識804の検出信号強度を調べることによって、PSA濃度を間接的に知ることが可能である。
磁性標識804の検出においては、上記実施例1で説明した検出プロセスにより、高い信頼性をもって検出できる。
また、以上の実施例1及び2によれば、測定試料をセットするときに生じる測定装置本体と測定試料との相対的傾きのばらつきによって、磁性物質の検出信号の信頼性が得られないという従来技術の課題が解消された。
「産業上の利用可能性」
以上に例示した本発明の物質検出装置及び物質検出方法を用いることによって、磁性物質を高感度に検出することが可能であり、さらに簡便で高感度なバイオセンサとして利用することも可能である。
本発明において使用可能な磁性物質から生じる浮遊磁界とバイアス磁界の強度の差を示す図である。 本発明の物質検出方法で用いる試料の基本構成と磁界の方向を説明するための概念図である。 本発明の物質検出装置の検出プロセスを説明するための概念図である。 本発明において使用可能な別の例の磁性物質から生じる浮遊磁界とバイアス磁界の強度の差を示す図である。 本発明の物質検出方法によるバイアス磁界強度と巨大磁気抵抗効果膜の電気抵抗値との関係を説明するための図である。 本発明の物質検出方法によるバイアス磁界強度と巨大磁気抵抗効果膜の電気抵抗値との関係を詳しく説明するための図である。 本発明の物質検出方法によるバイアス磁界強度と巨大磁気抵抗効果膜の電気抵抗値との関係を詳しく説明するための図である。 本発明の物質検出方法を用いて非磁性物質を検出する方法を説明するための概念図である。 本発明の物質検出装置の構成を説明するための模式図である。 本発明の物質検出装置で使用される測定試料の断面を示した模式図である。 本発明の物質検出装置の検出回路を説明するための概念図である。 本発明の物質検出装置で使用される磁気センサ素子の断面を示した模式図である。 本発明の物質検出装置を用いて非磁性物質を検出する方法を説明するための概念図である。 (a)は巨大磁気抵抗効果膜上に磁性物質が存在するときの磁界の方向を説明するための概念図、(b)は巨大磁気抵抗効果膜上に磁性物質が存在するときにバイアス磁界が傾いて印加されたときの磁化方向を説明するための概念図である。 本発明が解決しようとする課題の一つを説明する為の図である。
符号の説明
204、404 磁性物質
205 バイアス磁界
206 浮遊磁界
210、410 磁気センサ素子
400 測定試料
420 バイアス磁界印加手段
430 検出信号処理装置
440 バイアス磁界制御装置

Claims (8)

  1. 磁界を印加して磁性物質を検出するための物質検出装置において、
    前記磁性物質を保持可能な面に形成された磁気抵抗効果素子と、
    前記磁気抵抗効果素子の面内方向にバイアス磁界を印加するための磁界印加手段と、
    前記磁気抵抗効果素子の電気抵抗値を検出する検出手段と、
    前記バイアス磁界の印加によって前記磁性物質が発生する浮遊磁界の大きさHsが前記バイアス磁界の大きさHbよりも大きいという条件(Hb<Hs)を満たす第1のバイアス磁界を前記磁界印加手段で印加したときに、前記検出手段で検出される前記磁気抵抗効果素子の第1の電気抵抗値と、前記浮遊磁界の大きさHsが前記バイアス磁界の大きさHbよりも小さいという条件(Hb>Hs)を満たす第2のバイアス磁界を前記磁界印加手段で印加したときに、前記検出手段で検出される前記磁気抵抗効果素子の第2の電気抵抗値と、を比較して、前記磁性物質の有無あるいは数量を知るための処理手段と、
    を備えたことを特徴とする物質検出装置。
  2. 前記処理手段は、
    前記第1のバイアス磁界の印加によって前記磁気抵抗効果素子の構成要素である少なくとも1つの磁性膜の磁化ベクトルを前記第1のバイアス磁界の印加方向と略反平行に向けることが可能な前記磁性物質を検出することを特徴とする請求項1に記載の物質検出装置。
  3. 前記磁性物質が酸化鉄を含み構成されている場合、前記第1の電気抵抗値を前記検出手段で検出する際に、前記磁界印加手段により印加される前記第1のバイアス磁界の大きさが0.3[kA/m]以上、16[kA/m]以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載の物質検出装置。
  4. 前記磁性物質がコバルトとプラチナの合金を含み構成されている場合、前記第1の電気抵抗値を前記検出手段で検出する際に、前記磁界印加手段により印加される前記第1のバイアス磁界の大きさが0.3[kA/m]以上、32[kA/m]以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載の物質検出装置。
  5. 磁界を印加して磁性物質を検出するための物質検出方法において、
    前記磁性物質を保持可能な面に形成された磁気抵抗効果素子と、該磁気抵抗効果素子の面内方向にバイアス磁界を印加するための磁界印加手段と、前記磁気抵抗効果素子の電気抵抗値を検出する検出手段と、を用意し、
    前記バイアス磁界の印加によって前記磁性物質が発生する浮遊磁界の大きさHsが前記バイアス磁界の大きさHbよりも大きいという条件(Hb<Hs)を満たす第1のバイアス磁界を前記磁界印加手段で印加し、
    次いで、前記浮遊磁界の大きさHsが前記バイアス磁界の大きさHbよりも小さいという条件(Hb>Hs)を満たす第2のバイアス磁界を前記磁界印加手段で印加し、
    前記第1のバイアス磁界を印加したときに前記検出手段で検出される前記磁気抵抗効果素子の第1の電気抵抗値と、前記第2のバイアス磁界を印加したときに前記検出手段で検出される前記磁気抵抗効果素子の第2の電気抵抗値と、を比較して、前記磁性物質の有無あるいは数量を知る、
    ことを特徴とする物質検出方法。
  6. 前記磁性物質として、前記第1のバイアス磁界の印加によって前記磁気抵抗効果素子の構成要素である少なくとも1つの磁性膜の磁化ベクトルを前記第1のバイアス磁界の印加方向と略反平行に向けることが可能なものを用いることを特徴とする請求項5に記載の物質検出方法。
  7. 前記磁性物質として酸化鉄を含むものを用い、前記第1の電気抵抗値を前記検出手段で検出する際に前記磁界印加手段により印加する前記第1のバイアス磁界の大きさ0.3[kA/m]以上、16[kA/m]以下とすることを特徴とする請求項5又は6に記載の物質検出方法。
  8. 前記磁性物質としてコバルトとプラチナの合金を含むものを用い、前記第1の電気抵抗値を前記検出手段で検出する際に前記磁界印加手段により印加する前記第1のバイアス磁界の大きさ0.3[kA/m]以上、32[kA/m]以下とすることを特徴とする請求項5又は6に記載の物質検出方法。
JP2008105612A 2008-04-15 2008-04-15 物質検出装置、及び、該物質検出装置を用いた物質検出方法 Expired - Fee Related JP5408895B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008105612A JP5408895B2 (ja) 2008-04-15 2008-04-15 物質検出装置、及び、該物質検出装置を用いた物質検出方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008105612A JP5408895B2 (ja) 2008-04-15 2008-04-15 物質検出装置、及び、該物質検出装置を用いた物質検出方法

Publications (3)

Publication Number Publication Date
JP2009257873A JP2009257873A (ja) 2009-11-05
JP2009257873A5 JP2009257873A5 (ja) 2011-06-02
JP5408895B2 true JP5408895B2 (ja) 2014-02-05

Family

ID=41385487

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2008105612A Expired - Fee Related JP5408895B2 (ja) 2008-04-15 2008-04-15 物質検出装置、及び、該物質検出装置を用いた物質検出方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5408895B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2017170192A1 (ja) * 2016-03-28 2017-10-05 Tdk株式会社 化学センサ
CN109073597A (zh) * 2016-03-28 2018-12-21 Tdk株式会社 化学传感器

Family Cites Families (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002243766A (ja) * 2001-02-16 2002-08-28 Fuji Electric Co Ltd 電流センサ
JP2004289100A (ja) * 2003-01-31 2004-10-14 Japan Science & Technology Agency Cpp型巨大磁気抵抗素子及びそれを用いた磁気部品並びに磁気装置
JP2005043049A (ja) * 2003-05-01 2005-02-17 Binax Inc 超常磁性標識を用いて生物学的反応を検出または定量する方法
CN1839318A (zh) * 2003-08-29 2006-09-27 旭化成株式会社 生物传感器和对象测定方法
JP4756868B2 (ja) * 2005-01-31 2011-08-24 キヤノン株式会社 検出方法
JP4731927B2 (ja) * 2005-01-31 2011-07-27 キヤノン株式会社 磁性体センサおよび検出キット
JP4728012B2 (ja) * 2005-02-28 2011-07-20 旭化成株式会社 バイオセンサ

Also Published As

Publication number Publication date
JP2009257873A (ja) 2009-11-05

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7508200B2 (en) Means and method for reducing magnetic cross-talk in biosensors
JP4731927B2 (ja) 磁性体センサおよび検出キット
Rife et al. Design and performance of GMR sensors for the detection of magnetic microbeads in biosensors
US6743639B1 (en) Magnetizable bead detector
JP4756868B2 (ja) 検出方法
US9927431B2 (en) External field—free magnetic biosensor
US8283183B2 (en) Detecting method, detection device and detection kit
JP5279340B2 (ja) 標的物質検出キットおよび標的物質検出方法
Ejsing et al. Magnetic microbead detection using the planar Hall effect
EP2274633B1 (en) Spintronic magnetic nanoparticle sensors with an active area located on a magnetic domain wall
Feng et al. Localized detection of reversal nucleation generated by high moment magnetic nanoparticles using a large-area magnetic sensor
JP2009025193A (ja) センシング方法
JP5207668B2 (ja) 検出装置及び検出方法
JP5408895B2 (ja) 物質検出装置、及び、該物質検出装置を用いた物質検出方法
Smith et al. Chip-size magnetic sensor arrays
US8906695B1 (en) Nanoscale spintronic chemical sensor
JP2008101939A (ja) 物質検出装置及び物質検出方法
WO2001027592A1 (en) Magnetizable bead detector
Osterfeld et al. MagArray biochips for protein and DNA detection with magnetic nanotags: design, experiment, and signal-to-noise ratio
Smith et al. Very dense magnetic sensor arrays for precision measurement and detection
JP2009031303A (ja) 検出デバイス及び検出用キット
Tan et al. GMR detection of magnetic beads with different sizes
Kim et al. The fabrication of high sensitive spin‐valve sensor for magnetic bead detection
Mihajlović et al. Solid-State Magnetic Sensors for Bioapplications

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20110415

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20110415

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20120927

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20130312

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20130424

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20131008

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20131105

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees