JP5404566B2 - 冷蔵庫 - Google Patents

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Description

本発明は、冷蔵庫に係り、より詳しくは、冷蔵庫の扉ポケットに関するものである。
図6は一般的な家庭用冷蔵庫の扉を開いた状態を示す斜視図である。
図において、1は冷蔵庫本体で、上から順に前面側が開口された扉式の冷蔵室2、引出し式の上部冷凍室3、下部冷凍室4及び野菜室5が設けられている。10は冷蔵室2の扉である。なお、6は上部冷凍室3の扉、7は下部冷凍室4の扉、8は野菜室5の扉である。
冷蔵室2の扉10は、前面パネル11、その背面側に設けた内板12及び両者の間に充填された断熱材(図示せず)からなり、ヒンジ14により、冷蔵庫本体1に冷蔵室2の前面開口部を開閉自在に取付けられている。そして、扉10の内板12の背面側の上下方向には、1個又は複数(図には、3個の場合が示してある)の扉ポケット15a,15b,15c(以下の説明では、1個又は複数個の場合を含めて、扉ポケットを符号15で示す)が一体に設けられている。
一般に、冷凍庫の扉ポケットは、扉内板への取付構造上、ポケットの一部を扉内板へ嵌合させる必要があり、そのため、ポケット側面の内壁は必ずしも扉内板と垂直にはならず、また、扉取っ手側のポケット側壁は扉開閉時の軌跡上、製品箱体に当らないように側壁に曲面を持たせなければならない。このため、特に重量の重い大形ペットボトル等の収納においては、扉開閉時の遠心力による扉ポケット内の収納物の移動を、ポケット側面内壁で安定して受けることができず、収納物が転倒したり、扉ポケット内の他の収納物が散乱したりするなどの問題点があった。
従来の冷蔵庫の扉ポケットに、ポケット内部を前後2つの収納部に区画する仕切り板を設けると共に、この仕切り板の一方の側をヒンジを介して回動させることにより、ポケット内の後部収納部を左右に区画するようにしたものがある(例えば、特許文献1参照)。
特開2000−9379号公報(第2−3頁、図1−2)
特許文献1の扉ポケットは、ポケットの内部を2つの収納部に区画し、かつ一方の側を回動可能とした仕切り板を設けたものであるが、収納物の収納場所を具体的に特定したものではなく、単に収納性の改善を目的とする整理用の仕切り板を設けたにすぎない。このため、扉開閉時の遠心力による扉ポケット内の収納物の移動をポケット側内壁が安定して受けることができず、依然としてポケット収納物が転倒したり、他のポケット収納物が散乱したりするのを防止することができなかった。
本発明は、上記の課題を解決するためになされたもので、扉ポケットへの収納物の中でも収納頻度の高い例えば2リットル入り角形ペットボトル(以下、大形ペットボトルという)や、1リットル入り牛乳(飲料水等)パック(以下、牛乳パックという)などを、扉ポケット内に設けた仕切り部材によって形成された収納空間にそれぞれ収納することにより、扉の開閉時において収納物が転倒したり移動したりすることのない、安定性、整理性にすぐれた扉ポケットを備えた冷蔵庫を提供することを目的としたものである。
本発明に係る冷蔵庫は、背面側に扉ポケットが設けられ、左右方向の一方の側がヒンジにより冷蔵庫本体に回動可能に取付けられて、前記冷蔵庫本体の前面開口部を開閉する扉を有し、前記扉ポケットに区画仕切り部材を設け、該区画仕切り部材の前記ヒンジ側にヒンジ側収納空間、その反対側に前面側収納空間及び背面側収納空間を形成し、前記区画仕切り部材を左右仕切り板と前後仕切り板とによりほぼT字状に形成し、前記左右仕切り板を前記扉ポケットの左右方向の中央部近傍の前後方向に位置させて前記区画仕切り部材を前記扉ポケットに固定し、前記左右仕切り板のヒンジ側にヒンジ側収納空間を形成し、前記前後仕切り板の前面側に前面側収納空間を形成すると共に、背面側に背面側収納空間を形成したものである。
本発明によれば、扉ポケット内に区画仕切り部材により複数の収納空間を形成し、各収納空間にそれぞれ異なる収納物を収納するようにしたので収納効率がよく、また、扉の開閉時に遠心力により収納物が移動したり転倒したりすることのない冷蔵庫を得ることができる。
本発明の実施の形態1に係る冷蔵庫の扉の平断面図である。 図1の作用説明図である。 本発明の実施の形態2に係る冷蔵庫の扉の平断面図である。 本発明の実施の形態3に係る冷蔵庫の扉の平断面図である。 図4の作用説明図である。 一般的な家庭用冷蔵庫の扉を開いた状態を示す斜視図である。
[実施の形態1]
図1は本発明の実施の形態1に係る冷蔵庫の扉の平断面図で、図には最下部の扉を示してある。なお、以下の説明では、図の上部を前面側、下部を背面側という。
10は冷蔵庫の扉で、前面側、上下及び左右を覆う前面パネル11、背面側に一体に設けられた内板12及び両者の間に充填された断熱材13からなっている。そして、内板12の背面側(内側)には、底板16と周壁17とからなる平面ほぼ逆台形状の扉ポケット15が内板12に嵌合されて一体に設けられており、扉10はヒンジ14により開口部を開閉自在に冷蔵庫本体に取付けられている。
20は扉ポケット15内に設けられた区画仕切り部材で、扉ポケット15の左右方向(幅方向)の中央部近傍において、内板12と直交して前後方向に配設された左右仕切り板20aと、この左右仕切り板20aの前後方向のほぼ中間部に取付けられて内板と平行に配設された前後仕切り板20bとにより、ほぼT字状に形成されて扉ポケット15に固定されている。
そして、図2に示すように、区画仕切り部材20の左右仕切り板20aの左側(ヒンジ14側)には、大形ペットボトル30が縦置きに横方向に2本収納できる空間25(以下、ヒンジ側収納空間という)が形成され、右側の前後仕切り板20bの前面側(扉10の内板12側)には、例えば、牛乳パック31が横方向に2個収納できる空間26(以下、前面側収納空間という)が形成される。また、前後仕切り板20bの背面側(扉10の内板12の反対側)の空間27(以下、背面側収納空間という)には、背の低い小物などが整理性よく収納される。
本実施の形態によれば、冷蔵庫の扉ポケット15に区画仕切り部材20を設けて複数の収納空間を形成したので、これら収納空間に異なる種類の収納物を収納効率よく収納することができる。
また、扉ポケット15への収納頻度が高く、かつ重量の大きい大形ペットボトル30を2本、区画仕切り部材20のヒンジ側収納空間25、したがって、扉10のヒンジ14側に整頓されて収納することができるので、扉をスムーズに開閉することができる。
また、扉10を開閉する際に発生する遠心力により、大形ペットボトル30が移動したり転倒したりしようとするが、その移動や転倒は左右仕切り板20aの垂直面で受け止められるので、大形ペットボトル30が移動したり転倒したりすることがなく、また、移動等により扉ポケット15内の他の収納物が散乱したりすることがないため、安定して収納することができる。
さらに、扉ポケット15への収納頻度の高い例えば牛乳パック31を、前後仕切り板20bの前面側に設けた前面側収納空間26に収納するようにしたので、前後仕切り板20bの垂直面がストッパとなり、扉10の開閉時に発生する遠心力による牛乳パック31の背面側への移動や転倒を防止することができる。
[実施の形態2]
図3は本発明の実施の形態2に係る冷蔵庫の扉の平断面図である。なお、実施の形態1と同じ部分には、これと同じ符号を付してある。
実施の形態1においては、扉ポケット15内にT字状の区画仕切り部材20を設けた場合を示したが、本実施の形態は、扉ポケット15内にL字状の区画仕切り部材21を設けたものである。
本実施の形態に係る扉ポケット15の区画仕切り部材21は、実施の形態1の場合と同様に、左右仕切り板21aによりヒンジ側収納空間25と前面側収納空間26との間を仕切り、前後仕切り板21bにより前面側収納空間26と背面側収納空間27との間を仕切ってあるが、区画仕切り部材21はL字状に形成されているため、ヒンジ側収納空間25と背面側収納空間27との間には仕切り板がなく、両者は連続している。
本実施の形態に係る扉ポケット15の作用、効果は、実施の形態1の場合とほぼ同様であるが、ヒンジ側収納空間25と背面側収納空間27との間に仕切り板がなく、両者は連続しているので、ヒンジ側収納空間25と背面側収納空間27の使用の自由度を拡大することができる。
[実施の形態3]
図4は本発明の実施の形態3に係る冷蔵庫の扉の平断面図である。なお、実施の形態1と同じ部分には、これと同じ符号が付してある。
実施の形態1では、扉ポケット15内にT字状の区画仕切り部材20を設け、実施の形態2ではL字状の区画仕切り部材21を設けた場合を示したが、本実施の形態は、扉ポケット15内にI字状の区画仕切り部材22を設けたものである。
本実施の形態においては、実施の形態1,2の区画仕切り部材20,21の前後仕切り板20b,21bとほぼ同じ位置に、ほぼ同じ大きさのI字状の区画仕切り部材22を、扉10の内板12とほぼ平行に設けたものである。そして、区画仕切り部材22のヒンジ14側にはヒンジ側収納空間25を、反対側の区画仕切り部材22の前面側には前面側収納空間26を、その背面側には背面側収納空間27をそれぞれ形成したものである。なお、本実施の形態は区画仕切り部材22がI字状に形成されているため、ヒンジ側収納空間25と前面側収納空間26、ヒンジ側収納空間25と背面側収納空間27とは、それぞれ連続している。
本実施の形態の区画仕切り部材22は、実施の形態1,2のように左右仕切り板がないので、ヒンジ側収納空間25に収納した大形ペットボトル30の横方向の側面が当接する垂直面は存在しない。しかし、I字状の区画仕切り部材22のヒンジ側端縁部22aによる大形ペットボトル30の点接触(又は線接触)機能が存在するので、ヒンジ側収納空間25に2本の大形ペットボトル30を収納した場合は、区画仕切り部材22のヒンジ側端縁部22aにより、移動及び転倒防止効果を得ることができる。
また、前面側収納空間26に例えば牛乳パック31を収納した場合、左右方向のストッパ機能は低下するが、I字状の区画仕切り部材22による前後方向のストッパ機能は存在する。
さらに、図5に示すように、ヒンジ側収納空間25に2本の大形ペットボトル30を収納した場合、又は1本の大形ペットボトル30を区画仕切り部材22のヒンジ側端縁部22aに当接して収納した場合は、前面側収納空間26に収納した牛乳パック31は、左右方向のストッパ機能も得ることができる。
本実施の形態の効果は実施の形態1の場合とほぼ同様であるが、区画仕切り部材22をI字状に形成したので構造が簡単である。また、ヒンジ側収納空間25と、前面側収納空間26及び背面側収納空間27とはそれぞれ連続しているので、扉ポケット15の使用の自由度を拡大することができる。
上記の説明では、扉10の左側をヒンジ14により冷蔵庫本体に取付けた、いわゆる右開きの扉10(冷蔵庫の正面側から見ると左側が開く又は右側に開く)の扉ポケット15に本発明を実施した場合を示したが、扉10の右側をヒンジ14により冷蔵庫本体に取付けた、いわゆる左開きの扉10(冷蔵庫の正面側から見ると右側が開く又は左側に開く)の扉ポケット15にも本発明を実施することができる。ただし、この場合は、区画仕切り部材20,21,22の取付位置、これによって形成されたヒンジ側収納空間25、前面側収納空間26及び背面側収納空間27の位置が、左右逆になる。
また、扉10に設けた複数の扉ポケットのうち、最下部の扉ポケットに本発明を実施した場合を示したが、これに限定するものではなく、任意の扉ポケット又はすべての扉ポケットに本発明を実施してもよい。なお、図6に従来の一般的な冷蔵庫を示したが、本発明を実施する冷蔵庫はこれに限定するものではなく、他の構造の冷蔵庫にも実施することができる。
10 扉、11 前面パネル、12 内板、14 ヒンジ、15 扉ポケット、20,21,22 区画仕切り部材、20a,21a 左右仕切り板、20b,21b 前後仕切り板、22a ヒンジ側端縁部、25 ヒンジ側収納空間、26 前面側収納空間、27 背面側収納空間、30 大形ペットボトル、31 牛乳パック。

Claims (3)

  1. 背面側に扉ポケットが設けられ、左右方向の一方の側がヒンジにより冷蔵庫本体に回動可能に取付けられて、前記冷蔵庫本体の前面開口部を開閉する扉を有し、
    前記扉ポケットに区画仕切り部材を設け、該区画仕切り部材の前記ヒンジ側にヒンジ側収納空間、その反対側に前面側収納空間及び背面側収納空間を形成し、
    前記区画仕切り部材を左右仕切り板と前後仕切り板とによりほぼT字状に形成し、前記左右仕切り板を前記扉ポケットの左右方向の中央部近傍の前後方向に位置させて前記区画仕切り部材を前記扉ポケットに固定し、前記左右仕切り板のヒンジ側にヒンジ側収納空間を形成し、前記前後仕切り板の前面側に前面側収納空間を形成すると共に、背面側に背面側収納空間を形成したことを特徴とする冷蔵庫。
  2. 背面側に扉ポケットが設けられ、左右方向の一方の側がヒンジにより冷蔵庫本体に回動可能に取付けられて、前記冷蔵庫本体の前面開口部を開閉する扉を有し、
    前記扉ポケットに区画仕切り部材を設け、該区画仕切り部材の前記ヒンジ側にヒンジ側収納空間、その反対側に前面側収納空間及び背面側収納空間を形成し、
    前記区画仕切り部材を左右仕切り板と前後仕切り板とによりほぼL字状に形成し、前記左右仕切り板を前記扉ポケットの左右方向の中央部近傍の前後方向でかつ前面側に位置させて前記区画仕切り部材を前記扉ポケットに固定し、前記左右仕切り板のヒンジ側にヒンジ側収納空間を形成し、前記前後仕切り板の前面側に前面側収納空間を形成すると共に、背面側に背面側収納空間を形成したことを特徴とする冷蔵庫。
  3. 前記ヒンジ側収納空間に2本の大形ペットボトルを縦置きに横方向に並べて収納し、前記前面側収納空間に牛乳パックを収納しうるように構成したことを特徴とする請求項1または2に記載の冷蔵庫。
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