JP5403156B2 - 濾過膜モジュール - Google Patents

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Description

本発明は、浄水,下水,産業排水等を処理する際に用いられる濾過膜モジュールに関する。
従来から、浄水,下水,産業排水等を処理する際には、複数の管状,プレート状の濾過膜(例えば、セラミックから成るセラミック膜)で構成された濾過膜モジュールが用いられている。この濾過膜モジュールとしては、例えば、前記濾過膜の少なくとも一端側を固定して複数の濾過膜を一体化するヘッダーを備え、このヘッダーに濾過水排出口を備えたカバーを固定して構成したものが知られている(例えば、特許文献1)。また、ヘッダーが濾過水排出口を備えた濾過膜モジュールも公開されている(例えば、特許文献2)。
特許文献1の濾過膜モジュールの断面図を図7に示す。特許文献1の濾過膜モジュール1は、複数本の管状濾過膜2の一端がヘッダー3に穿設された長孔内に収納される。カバー5は、固定用樹脂4によりヘッダー3と液密に固定され、管状濾過膜2の一端開口部側を覆って、濾過水を集水する集水室6を形成すると共に、その集水室6内の濾過水をモジュール外に排出する排出口7を有している。
図8は、特許文献1における管状濾過膜2とヘッダー3との固定方法の一例を示すA−A断面図である。図8に示すように、管状濾過膜2とヘッダー3とを固定する際には、管状濾過膜2の一端開口部側にシール部材8,組立治具部材9が用いられる。ヘッダー3に固定用樹脂を注入する際には、このシール部材8により、管状濾過膜2の一端開口部に固定用樹脂が浸入することが抑制される。
この特許文献1の濾過膜モジュール1は、管状濾過膜2をヘッダー3の長孔内に収納して固定するため、複数の管状濾過膜2から略プレート状の濾過膜を容易に形成することができる。また、ヘッダー3が平板状であるため、管状濾過膜2とヘッダー3との間に前記シール部材8を設置する作業が容易である。さらに、管状濾過膜2とヘッダー3間をシール部材8により確実にシールすることができ、管状濾過膜2の一端開口部が固定用樹脂で閉塞されることを確実に防止することが可能となる。
特許文献2の濾過膜モジュールの概略図を図9に示す。特許文献2の濾過膜モジュール11は、プレート状に形成された複数の濾過膜12が列設した状態でヘッダー13形成時に一体化固定される。
前記ヘッダー13は、一体化固定された濾過膜12の一端側の四方(上下左右)を囲む上板15a,下板15b,側板15c,15cと、該上板15aと下板15bに両端が支持され、列設された相互の濾過膜12を隔離する仕切板14と、前記側壁15に穿設され濾過水を排出する排出口17と、を備える。
前記ヘッダー13は仕切板14により、各濾過膜12に対応した個別集水室16を形成しており、各濾過膜12で濾過された濾過水はこの個別集水室16に流入する。前記仕切板14の一部は切欠部19が形成されており、この切欠部19が個別集水室16の濾過水を集合室18に導く通路となっている。また、前記集合室18は仕切板14によって形成されており、集合室18に流入された濾過水は前記排出口17からモジュール外に排出される。
このように、特許文献2における濾過膜モジュール11のヘッダー13は、濾過膜12の固定のみではなく、個別集水室16,集合室18の機能も有している。
この特許文献2の濾過膜モジュール11は、濾過水の排出口17がヘッダー13の上下方向の位置(上板15a,下板15b)に形成されているため、濾過膜モジュール11を多段積みする際には、Oリングを介して相互の排出口17を接続することができる。その結果、濾過膜モジュール11を多段積みする際に、配管,コネクタ等は不要となり、濾過膜モジュール11の多段積みを容易かつ安価に行うことが可能となる。
また、濾過水の排出口17がヘッダー13の上下方向の位置に形成されているため、濾過膜モジュール11を多段積みした際、集合室18を配管の一部として利用することが可能となる。
さらに、ヘッダーと濾過膜とを一体化する技術は特許文献3、ヘッダーが集合室を具備する技術としては特許文献4が開示されている。
しかしながら、特許文献1,2の濾過膜モジュール1,11は下記に示す問題点があった。
特許文献1の濾過膜モジュール1は、カバー5に形成された濾過水の排出口7が濾過膜2の一端開口部と同方向に位置しているため、濾過膜モジュール1を多段積みにする際には、互いの排出口7同士を直接接続することができなかった。そのため、濾過膜モジュール1を多段積みする際には、配管と、その配管と排出口7とを接続するコネクタと、が必要となり、コストが上昇してしまうとともに、接続作業が煩雑となってしまっていた。また、カバー5とヘッダー3とは、対面接合であるため、接合強度が低下しやすかった。
特許文献2の濾過膜モジュール11のヘッダー13は、濾過膜12と一体化固定されると共に、正面パネルと背面パネルと上板15a,下板15b,側板15c,15cとで筐体状に形成される。前記筐体状のヘッダー13は、背面パネルから貫通して濾過膜12を設け、前面パネル側に仕切板14を立設して各濾過膜12に対応した個別集水室16および集合室18を形成している。
そのため、集合室18は構成が簡素であり、濾過膜モジュール11を多段積みした際には、強度不足が懸念される。また、ヘッダー13の強度を向上させるためには、前記ヘッダー13の背面パネル側を堅牢にする必要があり、コストアップに繋がってしまっていた。
また、個々の濾過膜12は、切欠部19が形成された仕切板14で仕切られているため、濾過膜12を洗浄する際に、排出口17から圧力をかけても、各濾過膜12の流通路内へ圧力が伝達せず、洗浄効果が充分に期待できない恐れがあった。
さらに、ヘッダー13は平板状でなく複雑な形状となっているため、注型時に、ヘッダー13と濾過膜12との間に、樹脂の侵入を防止するシール部材8を設ける作業が煩雑である。
例えば、図10に示すように、仕切板14と個別集水室16を形成する型部材20を用意し、この型部材20の先端部分にシール部材8を配置し、シール部材8を介して濾過膜12の一端開口部を型部材20の先端部分に当接させる必要があった。
以上示したようなことから、安価かつ容易に多段積みできると共に、多段積みした際に充分な強度を有する濾過膜モジュールを提供することが主な課題となる。
特開2006−15233号公報 国際公開第WO2010/015374号 特開2005−125198号公報 特開平10−57775号公報
本発明は、前記従来の問題に鑑み案出されたもので、その一態様は、外周面に膜体を有し内部に流通路が形成された複数の濾過膜により、被処理水を濾過して濾過水をモジュール外に排出する濾過膜モジュールであって、前記複数の濾過膜の少なくとも一端側を一体化固定する平板状のヘッダーと、開口部を有する筐体状に形成され、前記ヘッダーによって該開口部が液密に密閉されることにより、濾過膜で濾過された濾過水の集合室を形成するカバーと、を備え、前記カバーは、カバーの上板と下板との間を跨いで架設する搬送水路室と、該搬送水路室の集合室側に形成された集水口と、カバーの上板と下板の搬送水路室の架設部に穿設された排出口と、を備えたことを特徴とする。
また、本発明の濾過膜モジュールの別の態様は、前記ヘッダーは、射出成形,またはモールド成形,または機械加工によって、複数の貫通孔を有する平板状に形成され、前記貫通孔内に濾過膜の一端を挿入し、固定用樹脂によりヘッダーと濾過膜とを一体化固定することを特徴とする。
また、本発明の濾過膜モジュールの別の態様は、前記濾過膜の一端側に、射出成形あるいはモールド成形によって、平板状のヘッダーを成形したことを特徴とする。
また、本発明の濾過膜モジュールの別の態様は、前記搬送水路室は、その周壁の一部がヘッダーに当接し、かつ各集合室側に開口した集水口を有することを特徴とする。
また、本発明の濾過膜モジュールの別の態様は、カバー内にヘッダーを挿入し、カバーとヘッダーとを固定用樹脂により一体化固定したことを特徴とする。
また、本発明の濾過膜モジュールの別の態様は、カバー,ヘッダー,固定用樹脂はエポキシ樹脂あるいはポリウレタン樹脂から成ることを特徴とする。
本発明によれば、安価かつ容易に多段積みできると共に、多段積みした際に、充分な強度を有する濾過膜モジュールを提供することが可能となる。
本実施形態における濾過膜モジュールの一例を示す平面図。 本実施形態における濾過膜とヘッダーとの接続方法の一例を説明する断面図。 一体化固定された濾過膜とヘッダーとの一例を示す概略図。 本実施形態におけるカバーの一例を示す背面側斜視図。 ヘッダーおよび濾過膜をカバーに設置する方法の一例を示す断面図。 本実施形態におけるサイドパネルをカバーに取り付ける方法の一例を示す正面側斜視図。 従来の濾過膜モジュールの一例を示す断面図。 従来の濾過膜とヘッダーとの固定方法の一例を示す断面図。 従来の濾過膜モジュールの他例を示す正面図。 従来の濾過膜モジュールにおけるシール部材の設置方法の一例を示す断面図。
以下、本実施形態における濾過膜モジュール21を図面に基づき説明する。
図1(a)に、本実施形態における濾過膜モジュール21の分解図,図1(b)に本実施形態における濾過膜モジュール21の組立平面図を示す。図1に示すように、本実施形態における濾過膜モジュール21は、各々間隔を隔てて配置された複数の濾過膜(例えば、プレート状に形成されたセラミックから成る濾過膜)22と、その複数の濾過膜22の少なくとも一端に固定された平板状のヘッダー23と、ヘッダー23の背面(セラミック膜22が固定されていない面)側に、前記濾過膜22の一端開口部側を覆うように取り付けられた一対のカバー25と、前記一体化された複数の濾過膜22の側面側に設けられた一対のサイドパネル26と、を備える。前記濾過膜22は、外周面に膜体を有し、内部に流通路が形成されていれば、管状でもプレート状でもよい。
前記ヘッダー23と濾過膜22とを一体化固定する方法としては、例えば下記(1)〜(3)に示す3つの方法が挙げられる。
(1)ヘッダー23は、PVC等の平板状樹脂に貫通孔を穿設(機械加工により穿設)することにより形成される。前記貫通孔は、濾過膜22の一端が挿入可能に形成されると共に、所定の間隔を隔てて形成される。前記貫通孔に濾過膜22の一端を挿入し、ヘッダー23に固定用樹脂を充填して濾過膜22とヘッダー23とを一体化固定する。
(2)液状の樹脂(例えば、エポキシ樹脂,ポリウレタン樹脂等)から、射出成形,モールド(鋳造)等の成形手段により、所定の間隔を隔てて形成された貫通孔(濾過膜22の一端が挿入可能な貫通孔)を有する平板状のヘッダー23を型成形する。この貫通孔に濾過膜22の一端を挿入し、前記ヘッダー23に固定用樹脂を充填して、ヘッダー23と濾過膜22とを一体化固定する。
(3)濾過膜22の一端に、液状の樹脂(例えば、エポキシ樹脂,ポリウレタン樹脂等)を射出成形,モールド(鋳造)等の成形手段により(該濾過膜22と一体に)型成形し、該濾過膜22と一体に平板状のヘッダー23を成形する。
ここで、上記(3)の方法に基づき、複数の濾過膜22とヘッダー23とを一体化固定する方法の詳細を説明する。
まず、図2に示すように、複数の濾過膜(例えば、プレート状の濾過膜)22の間に膜間スペーサ30を挟み、濾過膜22と膜間スペーサ30の外周を緊縛部材31により緊縛する。次に、一対の型枠32の底部内壁に、樹脂から成るヘッダー23と接着反応しないシール部材(例えば、シリコンシート)33を貼付する。前記シール部材33は、濾過膜22の一端開口部に樹脂が浸入するのを防止する機能を有する。
次に、一方の型枠32の開口部側から濾過膜22の一端側を収納し、型枠32底部内壁に貼付されたシール部材33に濾過膜22の一端が当接した状態で濾過膜22を載置する。また、濾過膜22の他端上に他方の型枠32を開口部を下向きにして載置し、他方の型枠32に貼付されたシール部材33と濾過膜22の他端開口部を当接させる。
次に、例えば連結ボルト32a等で一対の型枠32を連結し、液状の樹脂(例えば、エポキシ樹脂,ポリウレタン樹脂)を下方の型枠32内に注入して固化させ、濾過膜22の一端にヘッダー23を形成させる。液状樹脂の固化後、濾過膜22と一対の型枠32,32を上下反転し、未注入側の型枠32内に液状の樹脂を注入して固化させ、濾過膜22の他端にヘッダー23を形成させる。液状の樹脂が固化した後、緊縛部材31および膜間スペーサ30を濾過膜22から取り外す。
本発明の濾過膜モジュール21の濾過膜22は、幅,厚み,長さ,適用枚数等は限定されるものではないが、本実施形態では、幅:115mm,厚み:7mm,長さ:440mm,適用枚数:12枚とする。
上記の手順の結果、図3((a)側面図,(b)平面図)に示すように、濾過膜22の両端にヘッダー23が形成される。
次に、カバー25用型枠(図示省略)に液状の樹脂(例えば、エポキシ樹脂,ポリウレタン樹脂等)を注入して、図4(背面側斜視図)に示すような開口部を有する筐体状のカバー25を得る。
該カバー25は、開口部を有する筐体状に形成され、前記ヘッダー23により該開口部が液密に密閉されて濾過水の集合室28を形成している。具体的に前記カバー25は、図4に示すように、前記ヘッダー23が嵌合するように縦断面矩形状に形成されたフレーム34と、フレーム34に画設されたカバー本体35と、該フレーム34の上板34aと下板34b間を跨いで架設する搬送水路室29と、を有する。前記フレーム34は、上板34aと下板34bと一対の側板34c,34cとで形成される。
前記フレーム34とカバー本体35との間および搬送水路室29の周壁の一部には、ヘッダー23と当接する当接部Aが形成される。また、前記フレーム34と当接面Aとの間には固定用樹脂が注入される注入部36としての溝が形成される。
前記フレーム34の上板34aおよび下板34bにおける搬送水路室29の架設部には(搬送水路室29の上下端には)、濾過水を外部に排出する排出口27が形成される。
上記のように形成されたカバー25にヘッダー23を固定する際には、図5に示すように、ヘッダー23の背面側(セラミック膜22が固定されていない側)を、カバー25内の背面側から挿入して当接面Aに当接させる。そして、前記注入部36から固定用樹脂を注入して固化させ、ヘッダー23とカバー25とを一体化固定する。なお、固定用樹脂はヘッダー23とカバー25と同様の樹脂を使用することが望ましい。
この時、ヘッダー23とカバー25とで囲まれた空間が、濾過膜22の一端開口部から流出される濾過水の集合室28となる。
前述したように、前記搬送水路室29の周壁には、ヘッダー23と当接(接着してもよい)する当接面Aが形成されており、この搬送水路室29の当接面Aにより集合室28が2つに分離される。また、搬送水路室29の両集合室28側には、それぞれ集水口37が開口している。濾過膜22から両集合室28に流入した濾過水は、前記集水口37を通って搬送水路室29に流入し、搬送水路室29を通って排出口27より排出される。
図6は、本実施形態における濾過膜モジュール21の正面側斜視図を示す。図6に示すように、カバー25に一対のサイドパネル26が取り付けられる。前記カバー25の正面側では、カバー本体35よりもフレーム34が突出(例えば、8mm突出)しており、そのフレーム34の側板34c,34c内側(カバー本体28側)側辺には、突起部41が形成されている。
前記サイドパネル(例えば、厚み1mmのSUS材から成るサイドパネル)26は、サイドパネル本体42と、そのサイドパネル本体42の両端に形成された嵌合部43と、で形成される。前記嵌合部43は、フレーム34の側板34cを覆うように折曲形成されると共に、突起部41に係合する切欠部44が形成されている。一対のサイドパネル26をカバー25に取り付ける際には、前記嵌合部43をカバー25のフレーム34と突起部41に嵌合させる。これにより、水流に起因する振動によってサイドパネル26がカバー25から脱落することを防止する。
また、図4〜図6に示すように、搬送水路室29の排出口(上下端開口部)27にはOリング溝38が形成される。濾過膜モジュール21を多段積みする際には、このOリング溝38にOリングが嵌合され、このOリングを介して上下の濾過膜モジュール21,21´が接続される。これにより、搬送水路室29が接続された状態で、上下の濾過膜モジュール21,21´が多段積みされる。
以下、上記構成における濾過膜モジュール21の動作を説明する。
濾過運転時において、吸引ポンプ(図示省略)等によって排出口27,搬送水路室29,集合室28とを介して各濾過膜22の流通路に吸引圧を負荷する。これにより、被処理水の一部は、各濾過膜22の外部から流通路に吸い込まれて濾過され、濾過水として各濾過膜22の一端開口部から集合室28,搬送水路室29,集水口37,排出口27を通って濾過膜モジュール21外部に排出される。
また、逆洗を行う場合には、逆洗水が排出口27から集水口37,集合室28を通って一端開口部から各濾過膜21へ供給され、各濾過膜21の流通路から外部へ流れ出て、各濾過膜22を洗浄する。
本実施形態の濾過膜モジュール21は、フレーム34と、フレーム34に囲まれたカバー本体35と、平板状のヘッダー23と、で集合室28を形成している。ここで、前記カバー25は開口部を有する筐体状に形成され、前記平板状のヘッダー23は、該カバー25内に没入固定されるため、特許文献1の濾過膜モジュール1と比較して、カバー25とヘッダー23との液密固定が容易となると共に、カバー25とヘッダー23との接合強度が低下しにくいものとなる。その結果、ヘッダー23とカバー25との固定が容易となり、生産性の向上に寄与する。
また、ヘッダー23は単純な平板状であることから、ヘッダー23と濾過膜22間にシール部材33を配置することが容易であると共に、確実にシールすることができる。その結果、ヘッダー23と濾過膜22との固定が容易となり、生産性の向上に寄与する。
さらに、個々の濾過膜22の流通路は、集合室28側に開口し、かつ、搬送水路室29の集合室28側に複数の集水口37が開口しているため、排出口27から逆圧をかけて濾過膜22を洗浄する際、搬送水路室29に作用させた圧力を確実に濾過膜22の流通路に作用させることが可能となり、高い洗浄効果が期待できる。また、搬送水路室29に当接部Aを形成して集合室28を2つに分離することにより、濾過膜22の流通路にさらに充分な圧力が伝達されやすくなり、高い洗浄効果が期待できる。
また、本実施形態の濾過膜モジュール21は、濾過水の排出口27がヘッダー23の上下方向の位置に形成されている。そのため、濾過膜モジュール21を多段積みする際には、Oリングを介して相互の排出口27を接続することができる。その結果、容易に濾過膜モジュール21,21´を多段積みすることが可能となる。
また、本実施形態のカバー25は、筐体状であり、さらにカバー本体35に沿って(カバー本体35の周囲に形成された当接面Aによって)ヘッダー23と一体化固定されることにより、強度が得られる。さらに、本実施形態のカバー25には、搬送水路室29が形成されているため、特許文献2の濾過膜モジュール11と比較して、強度の向上が図れる。また、搬送水路室29にヘッダー23との当接面Aを形成して、当接面Aとヘッダー23とを接着させることにより、ヘッダー23とカバー25間の変形が抑制される。その結果、濾過膜モジュール21,21´を多段積みした際には、カバー25の強度不足の懸念が解消される。
以上、本発明において、記載された具体例に対してのみ詳細に説明したが、本発明の技術思想の範囲で多彩な変形および修正が可能であることは、当業者にとって明白なことであり、このような変形および修正が特許請求の範囲に属することは当然のことである。

Claims (6)

  1. 外周面に膜体を有し内部に流通路が形成された複数の濾過膜により、被処理水を濾過して濾過水をモジュール外に排出する濾過膜モジュールであって、
    前記複数の濾過膜の少なくとも一端側を一体化固定する平板状のヘッダーと、
    開口部を有する筐体状に形成され、前記ヘッダーによって該開口部が液密に密閉されることにより、濾過膜で濾過された濾過水の集合室を形成するカバーと、を備え、
    前記カバーは、
    カバーの上板と下板との間を跨いで架設する搬送水路室と、
    該搬送水路室の集合室側に形成された集水口と、
    カバーの上板と下板の搬送水路室の架設部に穿設された排出口と、を備えたことを特徴とする濾過膜モジュール。
  2. 前記ヘッダーは、射出成形,またはモールド成形,または機械加工によって、複数の貫通孔を有する平板状に形成され、
    前記貫通孔内に濾過膜の一端を挿入し、固定用樹脂によりヘッダーと濾過膜とを一体化固定することを特徴とする請求項1記載の濾過膜モジュール。
  3. 前記濾過膜の一端側に、射出成形あるいはモールド成形によって、平板状のヘッダーを成形したことを特徴とする請求項1記載の濾過膜モジュール。
  4. 前記搬送水路室は、その周壁の一部がヘッダーに当接し、かつ各集合室側に開口した集水口を有することを特徴とする請求項1に記載の濾過膜モジュール。
  5. カバー内にヘッダーを挿入し、カバーとヘッダーとを固定用樹脂により一体化固定したことを特徴とする請求項1または4記載の濾過膜モジュール。
  6. カバー,ヘッダー,固定用樹脂はエポキシ樹脂あるいはポリウレタン樹脂から成ることを特徴とする請求項1記載の濾過膜モジュール。
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