JP5402600B2 - 印刷装置におけるドット抜け検査方法、および印刷装置 - Google Patents
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Description
前記印刷装置が、前記画像を形成するプロセスとして、任意の画像を形成する通常印刷プロセスと、ドット抜けの検出対象として検査画像を形成する検査印刷プロセスとを選択的に実行し、
前記通常印刷プロセスは、
前記光硬化型インクの液滴を前記媒体に着弾させる液滴吐出ステップと、
前記媒体に着弾した液滴に第1の光源からの光を照射して当該液滴を仮硬化させることで、当該液滴の流動を抑止する仮硬化ステップと、
前記仮硬化している液滴に対して第2の光源からの光を照射して当該仮硬化している液滴を硬化させて前記媒体に定着させる本硬化ステップと、
を含み、
前記検査印刷プロセスでは、前記液滴吐出ステップにより前記媒体上に着弾させた前記光硬化型インクの液滴について、仮硬化ステップを実行せずに媒体上で流動させて表面積を拡大させた後、前記本硬化ステップを実行する、
ことを特徴とする印刷装置におけるドット抜け検査方法としている。なお、本発明の他の特徴については、本明細書及び添付図面の記載により明らかにする。
印刷装置には、紫外線や可視光によって硬化する光硬化型インクを用いるタイプのものがあり、このタイプの印刷装置では、媒体上に着弾したインクに対して光を照射し、インクの液滴を硬化させて媒体上に定着させている。そして、光硬化型インクを用いる印刷装置には、着弾直後のインクの液滴に対し、主に、その液滴の流動を防止することを目的として、定着を目的とした光照射と比較して低エネルギーの光を照射してインクの液滴の表面を硬化する、いわゆる「仮硬化」を行うタイプのものもある。このように、仮硬化のための機能を備えたプリンターでは、ある色のインクの液滴が媒体に着弾すると、その液滴を仮硬化させてしまうのでインクが媒体上で流動して、その液滴の表面積が拡大することがない。そのため、液滴の大きさが微細であると、光学的に検出できる程度に大きなドットを形成することがさらに難しくなる。もちろん、光学的に検出するために高精細のスキャナーなどを用いることもできるが、検査自体のコストが嵩み、結果的に印刷装置の製造コストを増大させることになる。
光硬化型インクを液滴にして吐出する複数のノズルと、仮硬化用照射部と、本硬化用照射部と、制御部とを含み、
前記仮硬化用照射部は、前記媒体に着弾した液滴に光を照射して当該液滴を仮硬化させて当該液滴の流動を防止し、
前記本硬化用照射部は、前記媒体に着弾した液滴に光を照射して当該液滴を硬化させて当該媒体上に定着させ、
前記制御部は、任意の画像を形成する通常印刷プロセスと、ドット抜けの検出対象として検査画像を形成する検査印刷プロセスとを選択的に実行し、
前記通常印刷プロセスは、
前記光硬化型インクの液滴を前記媒体に着弾させる液滴吐出ステップと、
当該着弾した液滴に前記仮硬化用照射部からの光を照射して当該液滴を仮硬化させて当該液滴の流動を抑止する仮硬化ステップと、
前記仮硬化している液滴に対して前記本硬化用照射部からの光を照射して当該仮硬化している液滴を硬化させて前記媒体に定着させる本硬化ステップと、
を含み、
前記検査印刷プロセスでは、前記液滴吐出ステップにより前記媒体上に着弾させた前記光硬化型インクの液滴について、仮硬化ステップを実行せずに媒体上で流動させて表面積を拡大させた後、前記本硬化ステップを実行する、
ことを特徴としている。
前記仮硬化用照射部は、第1仮硬化用照射部と第2仮硬化用照射部を備え、
前記ノズルは、相対的に淡色と濃色とが含まれる複数種類のインクのそれぞれに対応して設けられ、
前記第1および第2のヘッドと、前記第1および第2仮硬化用照射部と、前記本硬化用照射部は、前記搬送方向の上流から下流に向かって第1のヘッド、第1仮硬化光照射部、第2のヘッド、第2仮硬化用照射部、本硬化用照射部の順に配置され、
前記制御部は、前記検査プロセスでは、前記淡色のインクを第1のヘッドのノズルから吐出する、
ことを特徴としてもよい。
本発明のドット抜け検査方法の実施例を実現するための第1の実施形態として、紫外線(UV)によって硬化するインク(UVインク)を用いるインクジェットプリンター(以下、プリンター)を挙げる。図1は、プリンター1aの全体構成のブロック図である。また、図2に、プリンター1aの概略構造を示した。なお、図2(A)は、プリンター1aの破断斜視図であり、図2(B)はプリンター1aの横断面図である。ここに示したプリンター1aは、ヘッドが媒体の幅方向(以下、ライン方向)に亘って延長するように配置されたラインプリンターであり、搬送ユニット20、ヘッドユニット30、検出器群50、コントローラー60、UV照射機構40を主要な構成として含んでいる。
コントローラー60におけるCPU62は、メモリー63に記憶されているプログラムを実行することで、コンピューター110からIF61を介して受信した印刷データや検出器群50からの検出データなどを処理し、その処理結果に基づいてユニット制御回路64により各ユニット(20、30、40)を制御させる。それによって、印刷画像が媒体Sに形成される。
本実施形態では、媒体Sに着弾したUVインクの液滴にUVを照射することで、その液滴(UVインク滴)が画像を構成するドットとして硬化される。UV照射機構40は、そのUV光源とその光源を点灯させるための駆動回路などを含んでいる。上述したように、プリンター1aは、媒体Sに着弾したUVインク滴に対して仮硬化を行うためのUVを照射する仮硬化用照射部(41a、41b)と、UVインク滴を完全に硬化させるためにUV照射を行なう本硬化用照射部42を備えている。なお、仮硬化用照射部(41a、41b)の光源としては紫外線LEDなどを用いることができ、本硬化用照射部42の光源としては、メタルハライドランプなどを用いることができる。
本発明の実施例として、上述した構成を備えたプリンター1aにおいて、光学的にドット抜け検査をする方法を挙げる。コントローラー60は、周辺各部(10,20,30,40)を制御し、プリンター1aを、任意の画像を形成する通常印刷モードと、ドット抜け検査を行うために所定の手順でテストパターンなどの所定の画像(検査用画像)を印刷する検査印刷モードとを切り替えさて動作させる。以下では、これら二つの印刷モードにおけるインクドットの形成手順を本発明の実施例として説明する。
通常印刷モードでは、例えば、PCのディスプレイに表示している文書や静止画像など、任意の画像を印刷するための動作である。図4(A)〜(E)に通常印刷モード時における印刷装置の動作について、その一例を示した。ここでは、媒体Sは上流から下流に向けて搬送されているものとする。まず、搬送中の媒体Sに、ある色のインクの液滴D1aを上流側ヘッド31aと下流側ヘッド31bの一方あるいは双方から吐出し、その液滴D1aを媒体Sに着弾させる(A)。そして、そのインクの液滴D1aを第1仮硬化用照射部41aより仮硬化する(B)。そして、媒体Sが下流側に搬送されていき、本硬化用照射部42によってこの仮硬化されている色インクの液滴D1bにUVが照射される(C)(D)。それによって、色インクのドットD1cが媒体S上に定着する(E)。
検査印刷モードでは、ドット抜けの検査をするための専用の検査用画像を印刷するための動作であり、検査用画像としては、各色のドットを線状あるいは、行列状に並べるなどして、各ドットの位置が相対座標によって表現できる規則的なパターンとなる画像が考えられる。すなわち、媒体Sの面上の座標とドットとの対応関係とがあらかじめ決まっていれば、検査用画像をスキャナーなどの光学機器によって読み取った際、所定の色のドットが所定の座標位置に存在するか否かをもってドット抜けの有無を検出することができる。
検査画像を印刷するためには、まず、ある色のインクの液滴D1aを吐出し、媒体Sに着弾させる(A)。そして、そのインクの液滴D1aに対しては、仮硬化を行わず、媒体Sをそのまま下流側に搬送していき、本硬化用照射部42によってこの色インクの液滴D1aにUVを照射し(C)(D)、色インクのドットD2を媒体S上に定着させる(E)。
上述した検査印刷モードによって印刷された検査用画像は、スキャナーなどの光学機器によって読み取られる。そして、その読み取った画像データを解析することで、あるべき位置にあるべき色のドットがあるか否かを検出し、液滴が正しく着弾しているか否かを判断する。この検査用画像としては、各色のドットを線状あるいは、行列状に並べるなどして、各ドットの位置が相対座標によって表現できる規則的なパターンなどが考えられる。すなわち、紙面上の座標とドットとの対応関係とがあらかじめ決まっていれば、スキャナーなどの光学機器によって読み取った検査用画像について、所定の色のドットが所定の座標位置に存在するか否かをもってドット抜けの有無を検出することができる。
最近のインクジェットプリンターでは、ドットが極めて微細であり、また、色の表現を豊かにするため、より多くの色のインクを用いいている。そしてインクの色には、例えば、ライトイエローなど、他の色と比較すると相対的に淡い色のインクもある。そして、図5に示した手順に従って全ての色のインクも同様に吐出し、同様に本硬化してドットを形成してしまうと、淡色系のインクを確実に検出することが難しくなる。あるいは、確実に検出するために、高解像度で高感度のスキャナーなどを用いる必要がある。そこで、淡色系インクの液滴の表面積を選択的に大きくし、そのインク滴を確実に検出することを考えた。そして、その検出手法を本発明のその他の実施例として挙げる。
上記第1の実施形態に係るプリンターでは、上流側ヘッド31aから吐出されたインク滴と、下流側ヘッド31bから吐出されたインク滴とが最終的に本硬化されてドットに形成された際、双方のドットの大きさが異なることになる。そして、上流側ヘッド31aから吐出されたインクのドットはその表面積が大きくなることから、検査画像における隣接するドット同士が重なり、ドットを個別に検出することができず、ドット抜け検査の信頼性を低下させる可能性がある。そこで、検査印刷モードでは、上流側ヘッド31aから吐出されたインクのドットとそれに隣接するドットの間隔を、下流側ヘッド31bから吐出されたインクのドット同士と比較して広げるようにして検査用画像を印刷してもよい。
上記第1の実施形態に係るプリンター1aはラインプリンターであったが、シリアルプリンターであってもよい。すなわち、ヘッドを媒体の幅に亘ってライン方向に配置した構成とせず、ヘッドが搬送方向に対して交差する方向に移動する構成としてもよい。そして、この構成を備えたプリンターを実施形態を第2の実施形態とし、以下に、当該第2の実施形態におけるプリンターにおけるドット抜け検査方法について説明する。
第2の実施形態におけるプリンター1bも、二つの仮硬化用照射部(41L、41R)と、本硬化用照射部42を備えているが、その二つの仮硬化用照射部(41L、41R)は、それぞれ、キャリッジ31の左と右の両脇に取り付けられている。そして、仮硬化用照射部(41L,41R)の下面には、UV光源があり、仮硬化用照射部(41L、41R)は、キャリッジ11と一体的に移動し、その移動に際し、媒体Sに向けてUVを照射する。
図9と図10に、それぞれ、第2の実施例おけるプリンター1bによる、通常印刷モードにおける印刷動作と、検査印刷モードにおける印刷動作の概略を示した。通常印刷モードでは、図9(A)〜(D)に示したように、まず、ヘッド31を走査方向の左右いずれか方向に移動させながら、ノズルNより、インク滴D1を吐出させ、媒体Sに着弾させる(A)。ここでは、右方向に移動しているときに吐出したものとする。そして、ヘッド31を、さらに右方向に移動させつつ媒体S上に着弾したそのインク滴D1に対し、左側の仮硬化用照射部41Lにより仮硬化する(B)。そして、媒体Sが下流方向(図中、紙面手前方向)に搬送されてれ、本硬化用照射部42によって、この仮硬化されている色インクの液滴D1bにUVを照射する(C)。それによって、仮硬化されたインク滴D1bがドットD1cとして媒体S上に定着する。
第1の実施形態として示したプリンター1aでは、二つのヘッド(31a,31b)におけるノズルNの配列が同じであったが、必ずしも同じである必要はない。例えば、上流側ヘッド31aに、淡色系インク用のノズルのみを設け、下流側ヘッド31bには、濃色系インク用のノズルのみを設けてもよい。もちろん、ヘッドと仮硬化用照射部が一つずつであってもよい。
11 キャリッジ、12 キャリッジモーター、
13 キャリッジガイド軸、14 インクカートリッジ、
20 搬送ユニット、21 給紙ローラー、
22 搬送モーター、23 搬送ローラー、24 プラテン、
25 排紙ローラー、26 従動ローラー、30 ヘッドユニット、
31,31a,31b ヘッド、40 UV照射機構、
41a,41b,41L,41R 仮硬化用照射部、
42 本硬化用照射部、50 検出器群、60 コントローラー、
61 インターフェイス、62 CPU、63 メモリー、
64 ユニット制御回路、D1a,D1b インクの液滴、
D1c,D2 ドット、N ノズル、S 媒体
Claims (3)
- 光硬化型インクをノズルから液滴にして吐出して媒体に着弾させるとともに、当該着弾した液滴に光を照射して硬化させて、前記媒体上に微細なドットから構成される画像を形成する印刷装置において、当該ドットの抜けの有無を検査する方法であって、
前記印刷装置が、前記画像を形成するプロセスとして、任意の画像を形成する通常印刷プロセスと、ドット抜けの検出対象として検査画像を形成する検査印刷プロセスとを選択的に実行し、
前記通常印刷プロセスは、
前記光硬化型インクの液滴を前記媒体に着弾させる液滴吐出ステップと、
前記媒体に着弾した液滴に第1の光源からの光を照射して当該液滴を仮硬化させることで、当該液滴の流動を抑止する仮硬化ステップと、
前記仮硬化している液滴に対して第2の光源からの光を照射して当該仮硬化している液滴を硬化させて前記媒体に定着させる本硬化ステップと、
を含み、
前記検査印刷プロセスでは、前記液滴吐出ステップにより前記媒体上に着弾させた前記光硬化型インクの液滴について、仮硬化ステップを実行せずに媒体上で流動させて表面積を拡大させた後、前記本硬化ステップを実行する、
ことを特徴とする印刷装置におけるドット抜け検査方法。 - 媒体に液滴を着弾させて画像を形成する印刷装置であって、
光硬化型インクを液滴にして吐出する複数のノズルと、仮硬化用照射部と、本硬化用照射部と、制御部とを含み、
前記仮硬化用照射部は、前記媒体に着弾した液滴に光を照射して当該液滴を仮硬化させて当該液滴の流動を防止し、
前記本硬化用照射部は、前記媒体に着弾した液滴に光を照射して当該液滴を硬化させて当該媒体上に定着させ、
前記制御部は、任意の画像を形成する通常印刷プロセスと、ドット抜けの検出対象として検査画像を形成する検査印刷プロセスとを選択的に実行し、
前記通常印刷プロセスは、
前記光硬化型インクの液滴を前記媒体に着弾させる液滴吐出ステップと、
当該着弾した液滴に前記仮硬化用照射部からの光を照射して当該液滴を仮硬化させて当該液滴の流動を抑止する仮硬化ステップと、
前記仮硬化している液滴に対して前記本硬化用照射部からの光を照射して当該仮硬化している液滴を硬化させて前記媒体に定着させる本硬化ステップと、
を含み、
前記検査印刷プロセスでは、前記液滴吐出ステップにより前記媒体上に着弾させた前記光硬化型インクの液滴について、仮硬化ステップを実行せずに媒体上で流動させて表面積を拡大させた後、前記本硬化ステップを実行する、
ことを特徴とする印刷装置 - 請求項2において、
前記媒体が供給される上流から当該媒体が排出される下流に向かう搬送方向に直交する方向に前記媒体の幅に亘って複数の前記ノズルを配置してなる第1、および第2のヘッドを備え、
前記仮硬化用照射部は、第1仮硬化用照射部と第2仮硬化用照射部を備え、
前記ノズルは、相対的に淡色と濃色とが含まれる複数種類のインクのそれぞれに対応して設けられ、
前記第1および第2のヘッドと、前記第1および第2仮硬化用照射部と、前記本硬化用照射部は、前記搬送方向の上流から下流に向かって第1のヘッド、第1仮硬化光照射部、第2のヘッド、第2仮硬化用照射部、本硬化用照射部の順に配置され、
前記制御部は、前記検査プロセスでは、前記淡色のインクを第1のヘッドのノズルから吐出する、
ことを特徴とする印刷装置。
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