JP5402214B2 - 熱電変換素子及び熱電変換モジュール - Google Patents

熱電変換素子及び熱電変換モジュール Download PDF

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Description

本発明は、熱電変換素子及び熱電変換モジュールに関する。
従来、電気を熱に変換する、もしくは、熱を電気に変換する熱電変換素子は、例えばBiTe系材料、SbTe系材料などの材料系を中心に開発が進められてきた。
このような熱電変換素子は、例えば鉄鋼、非鉄金属の生産工程で多量に放出される1500℃までの中高温排熱を利用して熱電変換を行なうのに用いられている。また、例えばセメント、ガラス、陶器などの陶業部門、石油化学、都市ゴミ焼却炉、産業廃棄物焼却炉などから放出される1000℃までの中高温排熱を利用して熱電変換を行なうのに用いられている。さらに、例えば自動車、トラックなどの400〜600℃のエンジン排熱を利用して熱電変換を行なうのに用いられている。このように、熱電変換素子は、排熱部の面積が比較的大きなものに利用されている。
一方、例えばシリコン系半導体材料からなるLSIやIII−V族化合物半導体材料からなる半導体レーザ又は光半導体集積素子などからの排熱を利用して熱電変換を行なうことも考えられている。この場合、熱電変換素子を含めたモジュールを小型化するために、熱電変換素子を排熱源に集積化するのが好ましい。例えば、シリコン系半導体材料からなるLSIが形成されているシリコン基板上に、BiTe系材料及びBiSb系材料からなる小型の熱電変換素子を集積化したものがある。
特開平6−13664号公報
しかしながら、排熱源となる素子を構成する半導体材料(シリコン系半導体材料)と熱電変換素子を構成する半導体材料(BiTe系材料及びBiSb系材料)とが異なると、それぞれを、別工程を経て作製することになる。このため、集積素子を作製する上で工程数が増えてしまうことになる。
したがって、シリコン系半導体材料やIII−V族化合物半導体材料からなる素子に対する集積及びその作製の容易性の観点からは、熱電変換素子を構成する材料は、排熱源となる素子と同じ半導体材料系によって構成するのが好ましい。
しかしながら、シリコン系半導体材料やIII−V族化合物半導体材料は、熱電変換素子として一般的に用いられている材料であるBiTe系材料やSbTe系材料と比較して、通常のキャリア濃度(例えば1.0×1017cm−3)では電気伝導率が低い。
そこで、電気伝導率を高めるために、キャリア濃度を例えば1.0×1019cm−3程度まで高めると、特に、III−V族化合物半導体材料は、それらの有する高い移動度のために、電気伝導度がBiTe系材料やSbTe系材料と同程度になる。しかしながら、電気伝導率が高まるとともに熱伝導率のキャリアによる熱伝導率成分も上昇してしまうことになる。
これらの理由で、III−V族化合物半導体材料を用いる場合、熱電変換素子の性能指数が実用可能な数値までは上がらない。このため、実用的な熱電変換素子をIII−V族化合物半導体材料によって構成するのは困難であった。
そこで、熱電変換素子をIII−V族化合物半導体材料によって構成する場合に、実用上十分な性能指数が得られるようにしたい。
このため、本熱電変換素子は、n型InGaAsP層n型AlGaInAs層とを含むn型半導体積層構造と、p型InGaAsP層p型AlGaInAs層とを含むp型半導体積層構造と、n型半導体積層構造とp型半導体積層構造とを電気的に直列に接続する電極とを備え、n型InGaAsP層及びn型AlGaInAs層は、伝導帯のバンドオフセットがフラットになるように構成されており、p型InGaAsP層及びp型AlGaInAs層は、価電子帯のバンドオフセットがフラットになるように構成されていることを要件とする。
また、本熱電変換素子は、n型AlGaInAs層とn型AlGaAsSb層とを含むn型半導体積層構造と、p型AlGaInAs層とp型AlGaAsSb層とを含むp型半導体積層構造と、n型半導体積層構造とp型半導体積層構造とを電気的に直列に接続する電極とを備え、n型AlGaInAs層及びn型AlGaAsSb層は、伝導帯のバンドオフセットがフラットになるように構成されており、p型AlGaInAs層及びp型AlGaAsSb層は、価電子帯のバンドオフセットがフラットになるように構成されていることを要件とする。
また、本熱電変換素子は、n型InGaAsP層とn型AlGaInAs層とを含むn型半導体積層構造と、p型InGaAsP層とp型AlGaInAs層とp型AlGaAsSb層とを含むp型半導体積層構造と、n型半導体積層構造とp型半導体積層構造とを電気的に直列に接続する電極とを備え、n型InGaAsP層及びn型AlGaInAs層は、伝導帯のバンドオフセットがフラットになるように構成されており、p型InGaAsP層、p型AlGaInAs層及びp型AlGaAsSb層は、価電子帯のバンドオフセットがフラットになるように構成されていることを要件とする。
また、本熱電変換素子は、n型InGaP層とn型AlGaAs層とを含むn型半導体積層構造と、p型InGaP層とp型AlGaAs層とを含むp型半導体積層構造と、n型半導体積層構造とp型半導体積層構造とを電気的に直列に接続する電極とを備え、n型InGaP層及びn型AlGaAs層は、伝導帯のバンドオフセットがフラットになるように構成されており、p型InGaP層及びp型AlGaAs層は、価電子帯のバンドオフセットがフラットになるように構成されていることを要件とする。
本熱電変換モジュールは、熱電変換素子を備え、熱電変換素子が、n型InGaAsP層n型AlGaInAs層とを含むn型半導体積層構造と、p型InGaAsP層p型AlGaInAs層とを含むp型半導体積層構造と、n型半導体積層構造とp型半導体積層構造とを電気的に直列に接続する電極とを備え、n型InGaAsP層及びn型AlGaInAs層は、伝導帯のバンドオフセットがフラットになるように構成されており、p型InGaAsP層及びp型AlGaInAs層は、価電子帯のバンドオフセットがフラットになるように構成されていることを要件とする。
また、本熱電変換モジュールは、熱電変換素子を備え、熱電変換素子が、n型AlGaInAs層とn型AlGaAsSb層とを含むn型半導体積層構造と、p型AlGaInAs層とp型AlGaAsSb層とを含むp型半導体積層構造と、n型半導体積層構造とp型半導体積層構造とを電気的に直列に接続する電極とを備え、n型AlGaInAs層及びn型AlGaAsSb層は、伝導帯のバンドオフセットがフラットになるように構成されており、p型AlGaInAs層及びp型AlGaAsSb層は、価電子帯のバンドオフセットがフラットになるように構成されていることを要件とする。
また、本熱電変換モジュールは、熱電変換素子を備え、熱電変換素子が、n型InGaAsP層とn型AlGaInAs層とを含むn型半導体積層構造と、p型InGaAsP層とp型AlGaInAs層とp型AlGaAsSb層とを含むp型半導体積層構造と、n型半導体積層構造とp型半導体積層構造とを電気的に直列に接続する電極とを備え、n型InGaAsP層及びn型AlGaInAs層は、伝導帯のバンドオフセットがフラットになるように構成されており、p型InGaAsP層、p型AlGaInAs層及びp型AlGaAsSb層は、価電子帯のバンドオフセットがフラットになるように構成されていることを要件とする。
また、本熱電変換モジュールは、熱電変換素子を備え、熱電変換素子が、n型InGaP層とn型AlGaAs層とを含むn型半導体積層構造と、p型InGaP層とp型AlGaAs層とを含むp型半導体積層構造と、n型半導体積層構造とp型半導体積層構造とを電気的に直列に接続する電極とを備え、n型InGaP層及びn型AlGaAs層は、伝導帯のバンドオフセットがフラットになるように構成されており、p型InGaP層及びp型AlGaAs層は、価電子帯のバンドオフセットがフラットになるように構成されていることを要件とする。
したがって、本熱電変換素子及び熱電変換モジュールによれば、III−V族化合物半導体材料を用いる場合に、実用上十分な性能指数が得られるという利点がある。
第1実施形態にかかる熱電変換素子の構成を示す模式的断面図である。 (A)〜(C)は、第1実施形態にかかる熱電変換素子の製造方法を説明するための模式的断面図である。 (A)〜(C)は、第1実施形態にかかる熱電変換素子の製造方法を説明するための模式的断面図である。 (A),(B)は、第1実施形態にかかる熱電変換素子の製造方法を説明するための模式的断面図である。 第1実施形態にかかる熱電変換素子の製造方法においてn型ピラーを形成するためのマスクパターンを示す模式的平面図である。 第1実施形態にかかる熱電変換素子の製造方法においてn型ピラー及びp型ピラーを形成するためのマスクパターンを示す模式的平面図である。 第1実施形態にかかる熱電変換素子の製造方法において表面側の金属電極を形成するためのマスクパターンを示す模式的平面図である。 第1実施形態にかかる熱電変換素子の製造方法において基板裏面側の金属電極を形成するためのマスクパターンを示す模式的平面図である。 (A)は、第1実施形態にかかる熱電変換素子のn型ピラーに含まれる超格子構造のヘテロ接合部のバンド構造を示す図であり、(B)は、第1実施形態にかかる熱電変換素子のp型ピラーに含まれる超格子構造のヘテロ接合部のバンド構造を示す図である。 第2実施形態にかかる熱電変換素子の構成を示す模式的断面図である。 (A)〜(C)は、第2実施形態にかかる熱電変換素子の製造方法を説明するための模式的断面図である。 (A)〜(C)は、第2実施形態にかかる熱電変換素子の製造方法を説明するための模式的断面図である。 (A),(B)は、第2実施形態にかかる熱電変換素子の製造方法を説明するための模式的断面図である。 第2実施形態にかかる熱電変換素子の製造方法においてn型ピラーを形成するためのマスクパターンを示す模式的平面図である。 第2実施形態にかかる熱電変換素子の製造方法においてn型ピラー及びp型ピラーを形成するためのマスクパターンを示す模式的平面図である。 第2実施形態にかかる熱電変換素子の製造方法において表面側の金属電極を形成するためのマスクパターンを示す模式的平面図である。 第2実施形態にかかる熱電変換素子の製造方法において基板裏面側の金属電極を形成するためのマスクパターンを示す模式的平面図である。 (A)は、第2実施形態にかかる熱電変換素子のn型ピラーに含まれる超格子構造のヘテロ接合部のバンド構造を示す図であり、(B)は、第2実施形態にかかる熱電変換素子のp型ピラーに含まれる超格子構造のヘテロ接合部のバンド構造を示す図である。 第3実施形態にかかる熱電変換素子の構成を示す模式的断面図である。 第3実施形態にかかる熱電変換素子のn型ピラーに含まれる超格子構造のヘテロ接合部のバンド構造を示す図である。 第3実施形態にかかる熱電変換素子のp型ピラーに含まれる超格子構造のヘテロ接合部のバンド構造を示す図である。 第4実施形態にかかる熱電変換素子の構成を示す模式的断面図である。 (A)〜(C)は、第4実施形態にかかる熱電変換素子の製造方法を説明するための模式的断面図である。 (A)〜(C)は、第4実施形態にかかる熱電変換素子の製造方法を説明するための模式的断面図である。 (A),(B)は、第4実施形態にかかる熱電変換素子の製造方法を説明するための模式的断面図である。 第4実施形態にかかる熱電変換素子の製造方法においてn型ピラーを形成するためのマスクパターンを示す模式的平面図である。 第4実施形態にかかる熱電変換素子の製造方法においてn型ピラー及びp型ピラーを形成するためのマスクパターンを示す模式的平面図である。 第4実施形態にかかる熱電変換素子の製造方法において表面側の金属電極を形成するためのマスクパターンを示す模式的平面図である。 第4実施形態にかかる熱電変換素子の製造方法において基板裏面側の金属電極を形成するためのマスクパターンを示す模式的平面図である。 (A)は、第4実施形態にかかる熱電変換素子のn型ピラーに含まれる超格子構造のヘテロ接合部のバンド構造を示す図であり、(B)は、第4実施形態にかかる熱電変換素子のp型ピラーに含まれる超格子構造のヘテロ接合部のバンド構造を示す図である。 各実施形態にかかる熱電変換素子を備える熱電変換モジュールの構成を示す模式的斜視図である。
以下、図面により、本実施形態にかかる熱電変換素子及び熱電変換モジュールについて説明する。
[第1実施形態]
第1実施形態にかかる熱電変換素子について、図1〜図9を参照しながら説明する。
本実施形態では、排熱の電力への変換を目的とした熱電変換素子、例えば半導体レーザ等のIII−V族化合物半導体材料からなる素子からの排熱利用を目的とした熱電変換素子である。
本熱電変換素子は、図1に示すように、半導体基板1上に、n型半導体積層構造2と、p型半導体積層構造3とを備える。
本実施形態では、n型半導体積層構造2及びp型半導体積層構造3は、いずれもピラー構造になっている。このため、以下、n型半導体積層構造2をn型ピラーといい、p型半導体積層構造3をp型ピラーという。なお、n型半導体積層構造2及びp型半導体積層構造3の形状は、これに限られるものではなく、例えばメサ状(ストライプ状)やワイヤ状等の構造であっても良い。
また、本実施形態では、複数のn型ピラー2と、複数のp型ピラー3とが設けられており、これらが交互に配置されている。そして、これらのピラー2,3の間の隙間は誘電体膜(ここではSiN膜)4によって埋め込まれている。
さらに、本実施形態では、n型ピラー2とp型ピラー3とは、金属電極5,6によって電気的に直列に接続されている。つまり、各n型ピラー2及び各p型ピラー3の上部及び下部には金属電極5,6が設けられており、金属電極5,6によって、隣接するn型ピラー2とp型ピラー3とが相互に接続されている。ここでは、各ピラー2,3は、上部と下部とで異なるピラーに接続されており、全てのピラー2,3が電気的に直列に接続されている。電気的に直列に接続された複数のピラー2,3は、n型ピラー2とp型ピラー3とが交互になっている。
また、本実施形態では、各n型ピラー2及び各p型ピラー3の上部に設けられた金属電極6の側を、熱源(高温部;発熱部)に接触させ、基板1の側を、ヒートシンク(低温部;冷却部)に接触させることになるため、n型ピラー2とp型ピラー3とは熱的に並列に配置されていることになる。
具体的には、本実施形態では、半導体基板1は、n型InP基板である。なお、図1中、符号17はノンドープInPバッファ層である。
n型ピラー2は、異なるIII−V族化合物半導体材料からなる複数(ここでは2つ)のn型半導体層7,8を含む。つまり、n型ピラー2は、構成元素が異なる(又は構成元素が同じで組成が異なる)複数のn型III−V族化合物半導体層7,8を含む。ここでは、n型ピラー2は、第1のIII−V族化合物半導体材料からなる第1のn型半導体層7、及び、第1のIII−V族化合物半導体材料と異なる第2のIII−V族化合物半導体材料からなる第2のn型半導体層8を交互に積層させた構造を含む。
ここでは、n型ピラー2は、基板1に格子整合するn型InGaAsP層7及びn型AlGaInAs層8を交互に積層させた構造を含む。
具体的には、n型ピラー2は、InP基板1に格子整合するn型InGaAsP層7及びn型AlGaInAs層8を交互に積層させることによって形成されるn型半導体超格子構造(n型InGaAsP/n型AlGaInAs超格子構造)9を含む。このため、超格子ピラーともいう。例えば、一のn型InGaAsP層7と一のn型AlGaInAs層8とからなるn型InGaAsP/n型AlGaInAs超格子構造9を複数(多周期;例えば300周期)積層した構造になっている。
ここで、InP基板1に格子整合するn型InGaAsP層7及びn型AlGaInAs層8の組成は、n型InGa1−xAs−2.140x+2.1402.140x−1.140層(0≦x≦1)、及び、n型AlGa0.47−yIn0.53As層(0≦y≦1)と表わされる。
また、n型ピラー2は、n型InGaAsP/n型AlGaInAs超格子構造9を上下で挟むn型InGaAs層10,11を含む。これらのn型InGaAs層10,11は、金属とのオーミックコンタクトが可能なコンタクト層である。
特に、本実施形態では、n型ピラー2に含まれるn型半導体超格子構造9を構成する各n型半導体層7,8は、伝導帯のバンドオフセットがフラットになるように構成されている。
ここで、InP基板1に格子整合するn型InGa1−xAs−2.140x+2.1402.140x−1.140層7、及び、n型AlGa0.47−yIn0.53As層8において、伝導帯のバンドオフセットがフラットになる条件は近似的に以下の式(1)によって表される。
y=−0.3257x+1.0184x−0.4440(但し、0.53<x≦1.00)・・・(1)
したがって、本実施形態では、n型半導体超格子構造9を構成する複数のn型半導体層7,8は、n型InGa1−xAs−2.140x+2.1402.140x−1.140層、及び、n型AlGa0.47−yIn0.53As層であり、y=−0.3257x+1.0184x−0.4440(0.53<x≦1.00)の関係を満たすように構成されている。
例えば、n型ピラー2は、キャリア濃度1.0×1019cm−3のn型In0.72Ga0.28As0.610.39層7とキャリア濃度1.0×1019cm−3のn型Al0.11Ga0.36In0.53As層8とからなるn型InGaAsP/n型AlGaInAs超格子構造9を含むものとすれば良い。
一方、p型ピラー3は、異なるIII−V族化合物半導体材料からなる複数(ここでは2つ)のp型半導体層12,13を含む。つまり、p型ピラー3は、構成元素が異なる(又は構成元素が同じで組成が異なる)複数のp型III−V族化合物半導体層12,13を含む。ここでは、p型ピラー3は、第3のIII−V族化合物半導体材料からなる第1のp型半導体層12、及び、第3のIII−V族化合物半導体材料と異なる第4のIII−V族化合物半導体材料からなる第2のp型半導体層13を交互に積層させた構造を含む。
ここでは、p型ピラー3は、基板1に格子整合するp型InGaAsP層12及びp型AlGaInAs層13を交互に積層させた構造を含む。
具体的には、p型ピラー3は、InP基板1に格子整合するp型InGaAsP層12及びp型AlGaInAs層13を交互に積層させることによって形成されるp型半導体超格子構造(p型InGaAsP/p型AlGaInAs超格子構造)14を含む。このため、超格子ピラーともいう。例えば、一のp型InGaAsP層12と一のp型AlGaInAs層13とからなるp型InGaAsP/p型AlGaInAs超格子構造14を複数(多周期;例えば300周期)積層した構造になっている。
ここで、InP基板1に格子整合するp型InGaAsP層12及びp型AlGaInAs層13の組成は、p型InGa1−xAs−2.140x+2.1402.140x−1.140層(0.53≦x≦1)、及び、p型AlGa0.47−yIn0.53As層(0≦y≦0.47)と表わされる。
また、p型ピラー3は、p型InGaAsP/p型AlGaInAs超格子構造14を上下で挟むp型InGaAs層15,16を含む。これらのp型InGaAs層15,16は、金属とのオーミックコンタクトが可能なコンタクト層である。
特に、本実施形態では、p型ピラー3に含まれるp型半導体超格子構造14を構成する各p型半導体層12,13は、価電子帯のバンドオフセットがフラットになるように構成されている。
ここで、InP基板1に格子整合するp型InGa1−xAs−2.140x+2.1402.140x−1.140層12、及び、p型AlGa0.47−yIn0.53As層13において、価電子帯のバンドオフセットがフラットになる条件は近似的に以下の式(2)によって表される。
y=1.8551x−1.3199x+0.1767(但し、0.53<x≦0.89)・・・(2)
したがって、本実施形態では、p型半導体超格子構造14を構成する複数のp型半導体層12,13は、p型InGa1−xAs−2.140x+2.1402.140x−1.140層、及び、p型AlGa0.47−yIn0.53As層であり、y=1.8551x−1.3199x+0.1767(0.53<x≦0.89)の関係を満たすように構成されている。
例えば、p型ピラー3は、キャリア濃度1.0×1019cm−3のp型In0.72Ga0.28As0.600.40層12とキャリア濃度1.0×1019cm−3のp型Al0.19Ga0.28In0.52As層13とからなるp型InGaAsP/p型AlGaInAs超格子構造14を含むものとすれば良い。
このように、本実施形態では、キャリアの移動に寄与するバンドのオフセットがフラットになるように、n型ピラー2及びp型ピラー3に含まれる超格子構造9,14を構成する各半導体層7,8,12,13を構成するようにしている。つまり、n型ピラー2及びp型ピラー3に含まれる超格子構造9,14を同一の構成元素(InGaAsP/AlGaInAs超格子構造)からなるものとし、p型ピラー3は価電子帯のバンドオフセットがフラット(フラットバンド)になるような組成にし、n型ピラー2は伝導帯のバンドオフセットがフラット(フラットバンド)になるような組成にしている。要するに、n型ピラー2に含まれる超格子構造9を構成する各半導体層7,8は、伝導帯の不連続が存在しないように材料及び組成が設定されており、p型ピラー3に含まれる超格子構造14を構成する各半導体層12,13は、価電子帯の不連続が存在しないように材料及び組成が設定されている。
このように構成することで、n型ピラー2及びp型ピラー3のいずれにおいても、キャリア(電子又はホール)はヘテロ界面で散乱の影響を受けない。このため、良好な電気伝導率が得られることになる。
一方、フォノンはヘテロ界面での散乱の影響を受けるため、熱伝導率は低下することになる。
ここで、熱伝導率は、以下の式(3)によって表される。
κ=κ+κ・・・(3)
ここで、κ及びκは、それぞれ、キャリア(電子又はホール)及びフォノンによる熱伝導率成分を表す。
ヘテロ界面でのフォノンの散乱により、上記式(3)の熱伝導率のフォノン成分が減少するため、系の熱伝導率は低下することになる。
そして、熱電変換素子の変換効率の指標として使われる性能指数ZTは、T:温度、α:ゼーベック係数、σ:電気伝導率、X:熱伝導率、m:有効質量、μ:移動度として、以下の式(4)によって表される。
ZT=ασT/X、Z∝mμ/X・・・(4)
したがって、上述のように構成することで、電気伝導率σを大きくし、熱伝導率Xを小さくすることができるため、性能指数ZTを大きくすることができる。
このようにして、III−V族化合物半導体材料を用いる場合であっても、性能指数が高くなるようにしている。
次に、本実施形態にかかる熱電変換素子の製造方法について、図2〜図8を参照しながら説明する。
以下、n型InP基板1上に、InGaAsP/AlGaInAs超格子構造9,14を含むn型ピラー2及びp型ピラー3を有する熱電変換素子の製造方法を例に挙げて説明する。
ここでは、n型ピラー2として、上記式(1)の関係を満たすn型In0.72Ga0.28As0.610.39層7とn型Al0.11Ga0.36In0.53As層8とからなるn型InGaAsP/n型AlGaInAs超格子構造9を含むものとする。また、p型ピラー3として、上記式(2)の関係を満たすp型In0.72Ga0.28As0.600.40層12とp型Al0.19Ga0.28In0.52As層13とからなるp型InGaAsP/p型AlGaInAs超格子構造14を含むものとする。
また、ここでは、有機金属気相成長法(MOVPE法)を用いる。III族有機金属原料としてトリメチルインジウム(TMIn)、トリエチルガリウム(TEGa)及びトリメチルアルミニウム(TMAl)を用いる。V族ガス原料としてアルシン(AsH)及びフォスフィン(PH)を用いる。n型不純物(ここではSi)のドーピング原料(Si原料)としてモノシランSiHを用いる。p型不純物(ここではZn)のドーピング原料(Zn原料)としてジエチルジンク(DEZn)を用いる。キャリアガスとして水素Hを用いる。成長圧力は50Torrとしている。
最初に、図2(A)に示すように、n型ドープInP(001)基板1上に、n型InGaAsP/n型AlGaInAs超格子構造9の成長を行なう。
まず、n型ドープInP(001)基板1上に、例えば成長温度630℃で、ノンドープInPバッファ層17を例えば500nm成長させる。
次に、例えばキャリア濃度1.0×1019cm−3でSiをドープしたn型In0.53Ga0.47As層(コンタクト層)10を例えば500nm成長させる。
次いで、例えばキャリア濃度1.0×1019cm−3でSiをドープしたn型In0.72Ga0.28As0.610.39層7を例えば10nm、続いて同じくキャリア濃度1.0×1019cm−3でSiをドープしたn型Al0.11Ga0.36In0.53As層8を例えば10nm、順に積層させる。これを1周期として、例えば300周期繰り返して、n型In0.72Ga0.28As0.610.39層7とn型Al0.11Ga0.36In0.53As層8とを交互に積層してなるn型InGaAsP/n型AlGaInAs超格子構造9を形成する。
そして、例えばキャリア濃度1.0×1019cm−3でSiをドープしたn型In0.53Ga0.47As層(コンタクト層)11を例えば500nm成長させる。
これにより、n型InGaAsP/n型AlGaInAs超格子構造9の上下をn型InGaAsコンタクト層10,11で挟んだn型半導体積層構造が形成される。
その後、成長試料をMOVPE成長炉から取り出し、図5中、実線で示すように、n型ピラー構造を形成する領域を覆うように、表面側に例えばSiOマスク18をパターニングする。
次に、図2(B)に示すように、例えば誘導結合型プラズマ(ICP;Inductive Coupled Plasma)ドライエッチングにより、下部n型InGaAsコンタクト層10の途中までエッチングを施す。
そして、図2(B)に示すように、例えば希塩酸と過酸化水素水の混合溶液を用いたウェットエッチングによって、残りの下部n型InGaAsコンタクト層10を除去する。これにより、n型InGaAsP/n型AlGaInAs超格子構造9を含む複数のn型ピラー構造が形成される。
その後、再び、試料をMOVPE成長炉内に入れ、引き続き、図2(C)に示すように、例えばキャリア濃度1.0×1019cm−3でZnをドープしたp型In0.53Ga0.47As層(コンタクト層)15を例えば500nm成長させる。
次に、図2(C)に示すように、例えばキャリア濃度1.0×1019cm−3でZnをドープしたp型In0.72Ga0.28As0.600.40層12を例えば10nm、続いて同じくキャリア濃度1.0×1019cm−3でZnをドープしたp型Al0.19Ga0.28In0.52As層13を例えば10nm、順に積層させる。これを1周期として、例えば300周期繰り返して、p型In0.72Ga0.28As0.600.40層12とp型Al0.19Ga0.28In0.52As層13とを交互に積層してなるp型InGaAsP/p型AlGaInAs超格子構造14を形成する。
そして、図2(C)に示すように、例えばキャリア濃度1.0×1019cm−3でZnをドープしたp型In0.53Ga0.47As層(コンタクト層)16を例えば500nm成長させる。
このような2回目のMOVPE成長によって、図2(C)に示すように、n型InGaAsP/n型AlGaInAs超格子構造9を含むn型ピラー構造を取り囲むように、p型InGaAsP/p型AlGaInAs超格子構造14の上下をp型InGaAsコンタクト層15,16で挟んだp型半導体積層構造が形成される。
その後、成長試料をMOVPE成長炉内から取り出し、図6に示すように、n型ピラー2を形成する領域を覆うように、SiOマスク18の周囲を除去して大きさを小さくするとともに、p型ピラー3を形成する領域を覆うように、表面側に例えばSiOマスク19をパターニングする。これにより、n型ピラー2を形成する領域を覆う部分と、p型ピラー3を形成する領域を覆う部分とを有するSiOマスク18,19が形成される。
次に、図3(A)に示すように、例えばICPドライエッチングにより、下部n型InGaAsコンタクト層10及び下部p型InGaAsコンタクト層15の途中までエッチングを施す。
次いで、例えば希塩酸と過酸化水素水の混合溶液を用いたウェットエッチングによって、残りの下部n型InGaAsコンタクト層10及び下部p型InGaAsコンタクト層15を除去する。これにより、n型InGaAsP/n型AlGaInAs超格子構造9を含む複数のn型ピラー2、及び、p型InGaAsP/p型AlGaInAs超格子構造14を含む複数のp型ピラー3が形成される。この結果、n型InGaAsP/n型AlGaInAs超格子構造9を含む複数のn型ピラー2と、p型InGaAsP/p型AlGaInAs超格子構造14を含む複数のp型ピラー3とが交互に配置されることになる。
次に、図3(B)に示すように、n型ピラー2とp型ピラー3との間の隙間部分を、誘電体膜(ここではSiN膜)4によって埋め込んだ後、例えばICPドライエッチングによってSiOマスク18,19を除去し、n型InGaAsコンタクト層11の上部及びp型InGaAsコンタクト層16の上部を露出させる。
次いで、図7に示すように、上部の金属電極6を形成する領域が開口部(マスク開口部)となり、それ以外の領域が覆われるように、表面側に例えばSiNマスク20をパターニングする。ここでは、n型ピラー2及びp型ピラー3の延長線上の領域を含む開口部が配置されたSiNマスク(SiN膜)20が形成される。なお、図7中、模様を付している部分が開口部である。
続いて、図3(C)に示すように、例えばTiAuを例えばスパッタリングにより蒸着し、その後、例えばフッ酸によりSiNマスク20及びSiNマスク20上に付着したTiAuを除去する。これにより、上部n型InGaAsコンタクト層11及び上部p型InGaAsコンタクト層16を交互に接続したTiAu電極6が形成される。
次に、図4(A)に示すように、InP基板1の裏面を、基板の厚さが例えば100μm程度になるまで研磨する。
次いで、図8に示すように、研磨されたInP基板1の裏面に、下部の金属電極5を形成する領域が開口部(マスク開口部)となり、それ以外の領域が覆われるように、例えばSiNマスク21をパターニングする。ここでは、n型ピラー2及びp型ピラー3の延長線上の領域を含む開口部が配置されたSiNマスク(SiN膜)21が形成される。なお、図8中、模様を付している部分が開口部である。
続いて、図4(A)に示すように、SiNマスク21を用いて、InP基板1及びノンドープInPバッファ層17を、例えばICPドライエッチング、及び、例えば希塩酸を用いたウェットエッチングによって除去する。
次に、図4(B)に示すように、例えばTiAuを例えばスパッタリングにより蒸着し、その後、例えばフッ酸によりSiNマスク21及びSiNマスク21上に付着したTiAuを除去する。これにより、下部n型InGaAsコンタクト層10及び下部p型InGaAsコンタクト層15を交互に接続したTiAu電極5が形成される。
そして、図4(B)に示すように、直列に接続された両端のn型ピラー2及びp型ピラー3に接続されたTiAu電極5からリード線を取り出し、任意の負荷に接続する。
このようにして、熱的には並列に、電気的には直列に接続された本実施形態の熱電変換素子が形成される。
このように構成される熱電変換素子では、n型ピラー2に含まれるn型InGaAsP/n型AlGaInAs超格子構造9は、n型In0.72Ga0.28As0.610.39層7(組成波長1.300μm)とn型Al0.11Ga0.36In0.53As層8(組成波長1.365μm)とからなる。そして、n型In0.72Ga0.28As0.610.39層7及びn型Al0.11Ga0.36In0.53As層8は、上記式(1)の関係を満たすため、超格子構造9のヘテロ接合部のバンド構造は、図9(A)に示すように、伝導帯のバンドオフセットがフラットになる。
一方、p型ピラー3に含まれるp型InGaAsP/p型AlGaInAs超格子構造14は、p型In0.72Ga0.28As0.600.40層12(組成波長1.300μm)とp型Al0.19Ga0.28In0.52As層13(組成波長1.180μm)とからなる。そして、p型In0.72Ga0.28As0.600.40層12及びp型Al0.19Ga0.28In0.52As層13は、上記式(2)の関係を満たすため、超格子構造14のヘテロ接合部のバンド構造は、図9(B)に示すように、価電子帯のバンドオフセットがフラットになる。
したがって、本実施形態にかかる熱電変換素子によれば、III−V族化合物半導体材料を用いる場合に、実用上十分な性能指数が得られるという利点がある。
特に、III−V族化合物半導体材料を用い、電気伝導率を高めるためにキャリア濃度を高めた場合(例えば1.0×1019cm−3程度)の熱伝導率のキャリア成分の上昇を、フォノン成分の減少によって抑えることができる。これにより、III−V族化合物半導体材料を用いる場合であっても、性能指数の高く、変換効率が高い熱電変換素子を実現することができる。この結果、III−V族化合物半導体材料からなる半導体レーザなどの半導体素子(あるいは半導体集積素子)と同じ材料系によって熱電変換素子を構成することができることになるため、半導体素子などからの排熱を利用して熱電変換を行なうために半導体素子に熱電変換素子を集積化することが可能となり、作製も容易になる。
[第2実施形態]
第2実施形態にかかる熱電変換素子について、図10〜図18を参照しながら説明する。
本実施形態では、上述の第1実施形態のものに対し、図10に示すように、FeドープInP基板1A上に、AlGaAsSb/AlGaInAs超格子構造24,27を含むn型ピラー2及びp型ピラー3を備える点、及び、n型ピラー2及びp型ピラー3の間の隙間が誘電体膜[ここではSiO膜28及びBCB(ビスジクロロベンゼン)膜29]によって埋め込まれている点が異なる。なお、図10では、上述の第1実施形態のもの(図1参照)と同一のものには同一の符号を付している。
つまり、本実施形態では、半導体基板1Aは、FeドープInP基板(半絶縁性InP基板)である。なお、図10中、符号17AはFeドープInPバッファ層である。
n型ピラー2は、異なるIII−V族化合物半導体材料からなる複数(ここでは2つ)のn型半導体層22,23を含む。つまり、n型ピラー2は、構成元素が異なる(又は構成元素が同じで組成が異なる)複数のn型III−V族化合物半導体層22,23を含む。ここでは、n型ピラー2は、第1のIII−V族化合物半導体材料からなる第1のn型半導体層22、及び、第1のIII−V族化合物半導体材料と異なる第2のIII−V族化合物半導体材料からなる第2のn型半導体層23を交互に積層させた構造を含む。
ここでは、n型ピラー2は、基板1Aに格子整合するn型AlGaAsSb層22及びn型AlGaInAs層23を交互に積層させた構造を含む。 具体的には、n型ピラー2は、InP基板1Aに格子整合するn型AlGaAsSb層22及びn型AlGaInAs層23を交互に積層させることによって形成されるn型半導体超格子構造(n型AlGaAsSb/n型AlGaInAs超格子構造)24を含む。このため、超格子ピラーともいう。例えば、一のn型AlGaAsSb層22と一のn型AlGaInAs層23とからなるn型AlGaAsSb/n型AlGaInAs超格子構造24を複数(多周期;例えば300周期)積層した構造になっている。
ここで、InP基板1Aに格子整合するn型AlGaAsSb層22及びn型AlGaInAs層23の組成は、n型AlGa1−yAs0.52Sb0.48層(0≦y≦1)、及び、n型AlGa0.47−xIn0.53As層(0≦x≦0.47)と表わされる。
また、n型ピラー2は、n型AlGaAsSb/n型AlGaInAs超格子構造24を上下で挟むn型InGaAs層10,11を含む。これらのn型InGaAs層10,11は、金属とのオーミックコンタクトが可能なコンタクト層である。
特に、本実施形態では、n型ピラー2に含まれるn型半導体超格子構造24を構成する各n型半導体層22,23は、伝導帯のバンドオフセットがフラットになるように構成されている。
ここで、InP基板1Aに格子整合するn型AlGa1−yAs0.52Sb0.48層22、及び、n型AlGa0.47−xIn0.53As層23において、伝導帯のバンドオフセットがフラットになる条件は近似的に以下の式(5)によって表される。
y=−0.021x+1.0218x−0.3663(0.359≦x≦0.477)・・・(5)
したがって、本実施形態では、n型半導体超格子構造24を構成する複数のn型半導体層22,23は、n型AlGa1−yAs0.52Sb0.48層、及び、n型AlGa0.47−xIn0.53As層であり、y=−0.021x+1.0218x−0.3663(0.359≦x≦0.477)の関係を満たすように構成されている。
例えば、n型ピラー2は、キャリア濃度1.0×1019cm−3のn型Al0.06Ga0.94As0.52Sb0.48層22とキャリア濃度1.0×1019cm−3のn型Al0.42Ga0.05In0.53As層23とからなるn型AlGaAsSb/n型AlGaInAs超格子構造24を含むものとすれば良い。
一方、p型ピラー3は、異なるIII−V族化合物半導体材料からなる複数(ここでは2つ)のp型半導体層25,26を含む。つまり、p型ピラー3は、構成元素が異なる(又は構成元素が同じで組成が異なる)複数のp型III−V族化合物半導体層25,26を含む。ここでは、p型ピラー3は、第3のIII−V族化合物半導体材料からなる第1のp型半導体層25、及び、第3のIII−V族化合物半導体材料と異なる第4のIII−V族化合物半導体材料からなる第2のp型半導体層26を含む。
ここでは、p型ピラー3は、基板1Aに格子整合するp型AlGaAsSb層25及びp型AlGaInAs層26を交互に積層させた構造を含む。
具体的には、p型ピラー3は、InP基板1Aに格子整合するp型AlGaAsSb層25及びp型AlGaInAs層26を交互に積層させることによって形成されるp型半導体超格子構造(p型AlGaAsSb/p型AlGaInAs超格子構造)27を含む。このため、超格子ピラーともいう。例えば、一のp型AlGaAsSb層25と一のp型AlGaInAs層26とからなるp型AlGaAsSb/p型AlGaInAs超格子構造27を複数(多周期;例えば300周期)積層した構造になっている。
ここで、InP基板1Aに格子整合するp型AlGaAsSb層25及びp型AlGaInAs層26の組成は、p型AlGa1−yAs0.52Sb0.48層(0≦y≦1)、及び、AlGa0.47−xIn0.53As層(0≦x≦0.47)と表わされる。
また、p型ピラー3は、p型AlGaAsSb/p型AlGaInAs超格子構造27を上下で挟むp型InGaAs層15,16を含む。このp型InGaAs層15,16は、金属とのオーミックコンタクトが可能なコンタクト層である。
特に、本実施形態では、p型ピラー3に含まれるp型半導体超格子構造27を構成する各p型半導体層25,26は、価電子帯のバンドオフセットがフラットになるように構成されている。
ここで、InP基板1Aに格子整合するp型AlGa1−yAs0.52Sb0.48層25、及び、p型AlGa0.47−xIn0.53As層26において、価電子帯のバンドオフセットがフラットになる条件は近似的に以下の式(6)によって表される。
y=0.2446x+0.7897x+0.6300(0≦x≦0.415)・・・(6)
したがって、本実施形態では、p型半導体超格子構造27を構成する複数のp型半導体層25,26は、p型AlGa1−yAs0.52Sb0.48層、及び、p型AlGa0.47−xIn0.53As層であり、y=0.2446x+0.7897x+0.6300(0≦x≦0.415)の関係を満たすように構成されている。
例えば、p型ピラー3は、キャリア濃度1.0×1019cm−3のp型Al0.80Ga0.20As0.52Sb0.48層25とキャリア濃度1.0×1019cm−3のp型Al0.20Ga0.27In0.53As層26とからなるp型AlGaAsSb/p型AlGaInAs超格子構造27を含むものとすれば良い。
このように、本実施形態では、キャリアの移動に寄与するバンドのオフセットがフラットになるように、n型ピラー2及びp型ピラー3に含まれる超格子構造24,27を構成する各半導体層22,23,25,26を構成するようにしている。つまり、n型ピラー2及びp型ピラー3に含まれる超格子構造24,27を同一の構成元素(AlGaAsSb/AlGaInAs超格子構造)からなるものとし、p型ピラー3は価電子帯のバンドオフセットがフラット(フラットバンド)になるような組成にし、n型ピラー2は伝導帯のバンドオフセットがフラット(フラットバンド)になるような組成にしている。要するに、n型ピラー2に含まれる超格子構造24を構成する各半導体層22,23は、伝導帯の不連続が存在しないように材料及び組成が設定されており、p型ピラー3に含まれる超格子構造27を構成する各半導体層25,26は、価電子帯の不連続が存在しないように材料及び組成が設定されている。
また、本実施形態では、複数のn型ピラー2と、複数のp型ピラー3とが交互に配置されており、これらのピラー2,3の間の隙間は誘電体膜[ここではSiO膜28及びBCB(ビスジクロロベンゼン)膜29]によって埋め込まれている。
次に、本実施形態にかかる熱電変換素子の製造方法について、図11〜図17を参照しながら説明する。
以下、FeドープInP基板1A上に、AlGaAsSb/AlGaInAs超格子構造24,27を含むn型ピラー2及びp型ピラー3を有する熱電変換素子の製造方法を例に挙げて説明する。
ここでは、n型ピラー2として、上記式(5)の関係を満たすn型Al0.06Ga0.94As0.52Sb0.48層22とn型Al0.42Ga0.05In0.53As層23とからなるn型AlGaAsSb/n型AlGaInAs超格子構造24を含むものとする。また、p型ピラー3として、上記式(6)の関係を満たすp型Al0.80Ga0.20As0.52Sb0.48層25とp型Al0.20Ga0.27In0.53As層26とからなるp型AlGaAsSb/p型AlGaInAs超格子構造27を含むものとする。
また、ここでは、有機金属気相成長法(MOVPE法)を用いる。III族有機金属原料としてトリメチルインジウム(TMIn)、トリエチルガリウム(TEGa)及びトリメチルアルミニウム(TMAl)を用いる。V族ガス原料としてアルシン(AsH)を用いる。V族有機金属原料としてトリメチルアンチモン(TMSb)を用いる。n型不純物(ここではSi)のドーピング原料(Si原料)としてモノシランSiHを用いる。p型不純物(ここではZn)のドーピング原料(Zn原料)としてジエチルジンク(DEZn)を用いる。キャリアガスとして水素Hを用いる。成長圧力は50Torrとしている。
最初に、図11(A)に示すように、FeドープInP(001)基板1A上に、n型AlGaAsSb/n型AlGaInAs超格子構造24の成長を行なう。
まず、FeドープInP(001)基板1A上に、例えば成長温度630℃で、FeドープInPバッファ層17Aを例えば500nm成長させる。
次に、例えばキャリア濃度1.0×1019cm−3でSiをドープしたn型In0.53Ga0.47As層(コンタクト層)10を例えば500nm成長させる。
次いで、例えばキャリア濃度1.0×1019cm−3でSiをドープしたn型Al0.06Ga0.94As0.52Sb0.48層22を例えば10nm、続いて同じくキャリア濃度1.0×1019cm−3でSiをドープしたn型Al0.42Ga0.05In0.53As層23を例えば10nm、順に積層させる。これを1周期として、例えば300周期繰り返して、n型Al0.06Ga0.94As0.52Sb0.48層22とn型Al0.42Ga0.05In0.53As層23とを交互に積層してなるn型AlGaAsSb/n型AlGaInAs超格子構造24を形成する。
そして、例えばキャリア濃度1.0×1019cm−3でSiをドープしたn型In0.53Ga0.47As層(コンタクト層)11を例えば500nm成長させる。
これにより、n型AlGaAsSb/n型AlGaInAs超格子構造24の上下をn型InGaAsコンタクト層10,11で挟んだn型半導体積層構造が形成される。
その後、成長試料をMOVPE成長炉から取り出し、図14中、実線で示すように、n型ピラー構造を形成する領域を覆うように、表面側に例えばSiOマスク18をパターニングする。
次に、図11(B)に示すように、例えばICPドライエッチングにより、下部n型InGaAsコンタクト層10の途中までエッチングを施す。
そして、図11(B)に示すように、例えば希塩酸と過酸化水素水の混合溶液を用いたウェットエッチングによって、残りの下部n型InGaAsコンタクト層10を除去する。これにより、n型AlGaAsSb/n型AlGaInAs超格子構造24を含む複数のn型ピラー構造が形成される。
その後、再び、試料をMOVPE成長炉内に入れ、引き続き、図11(C)に示すように、例えばキャリア濃度1.0×1019cm−3でZnをドープしたp型In0.53Ga0.47As層(コンタクト層)15を例えば500nm成長させる。
次に、図11(C)に示すように、例えばキャリア濃度1.0×1019cm−3でZnをドープしたp型Al0.80Ga0.20As0.52Sb0.48層25を例えば10nm、続いて同じくキャリア濃度1.0×1019cm−3でZnをドープしたp型Al0.20Ga0.27In0.53As層26を例えば10nm、順に積層させる。これを1周期として、例えば300周期繰り返して、p型Al0.80Ga0.20As0.52Sb0.48層25とp型Al0.20Ga0.27In0.53As層26とを交互に積層してなるp型AlGaAsSb/p型AlGaInAs超格子構造27を形成する。
そして、図11(C)に示すように、例えばキャリア濃度1.0×1019cm−3でZnをドープしたp型In0.53Ga0.47As層(コンタクト層)16を例えば500nm成長させる。
このような2回目のMOVPE成長によって、図11(C)に示すように、n型AlGaAsSb/n型AlGaInAs超格子構造24を含むn型ピラー構造を取り囲むように、p型AlGaAsSb/p型AlGaInAs超格子構造27の上下をp型InGaAsコンタクト層15,16で挟んだp型半導体積層構造が形成される。
その後、成長試料をMOVPE成長炉内から取り出し、図15に示すように、n型ピラー2を形成する領域を覆うように、SiOマスク18の周囲を除去して大きさを小さくするとともに、p型ピラー3を形成する領域を覆うように、表面側に例えばSiOマスク19をパターニングする。これにより、n型ピラー2を形成する領域を覆う部分と、p型ピラー3を形成する領域を覆う部分とを有するSiOマスク18,19が形成される。
次に、図12(A)に示すように、例えばICPドライエッチングにより、下部n型InGaAsコンタクト層10及び下部p型InGaAsコンタクト層15の途中までエッチングを施す。
次いで、例えば希塩酸と過酸化水素水の混合溶液を用いたウェットエッチングによって、残りの下部n型InGaAsコンタクト層10及び下部p型InGaAsコンタクト層15を除去する。これにより、n型AlGaAsSb/n型AlGaInAs超格子構造24を含む複数のn型ピラー2、及び、p型AlGaAsSb/p型AlGaInAs超格子構造27を含む複数のp型ピラー3が形成される。この結果、n型AlGaAsSb/n型AlGaInAs超格子構造24を含む複数のn型ピラー2と、p型AlGaAsSb/p型AlGaInAs超格子構造27を含む複数のp型ピラー3とが交互に配置されることになる。
次に、図12(B)に示すように、n型ピラー2とp型ピラー3との間の隙間部分を、誘電体膜(ここではSiO膜)28で薄く覆った後、誘電体膜(ここではビスジクロロベンゼン;BCB)29によって埋め込む。
そして、図12(B)に示すように、例えばICPドライエッチングにより、n型ピラー2及びp型ピラー3の上部のInGaAsコンタクト層11,16の表面が現れるようにSiOマスク18,19を除去し、n型InGaAsコンタクト層11の上部及びp型InGaAsコンタクト層16の上部を露出させる。
次いで、図16に示すように、上部の金属電極6を形成する領域が開口部(マスク開口部)となり、それ以外の領域が覆われるように、表面側に例えばSiNマスク20をパターニングする。ここでは、n型ピラー2及びp型ピラー3の延長線上の領域を含む開口部が配置されたSiNマスク(SiN膜)20が形成される。なお、図16中、模様を付している部分が開口部である。
続いて、図12(C)に示すように、例えばTiAuを例えばスパッタリングにより蒸着し、その後、例えばフッ酸によりSiNマスク20及びSiNマスク20上に付着したTiAuを除去する。これにより、上部n型InGaAsコンタクト層11及び上部p型InGaAsコンタクト層16を交互に接続したTiAu電極6が形成される。
次に、図13(A)に示すように、InP基板1Aの裏面を、基板の厚さが例えば100μm程度になるまで研磨する。
次いで、図17に示すように、研磨されたInP基板1Aの裏面に、下部の金属電極5を形成する領域が開口部(マスク開口部)となり、それ以外の領域が覆われるように、例えばSiNマスク21をパターニングする。ここでは、n型ピラー2及びp型ピラー3の延長線上の領域を含む開口部が配置されたSiNマスク(SiN膜)21が形成される。なお、図17中、模様を付している部分が開口部である。
続いて、図13(A)に示すように、SiNマスク21を用いて、InP基板1A及びノンドープInPバッファ層17Aを、例えばICPドライエッチング、及び、例えば希塩酸を用いたウェットエッチングによって除去する。
次に、図13(B)に示すように、例えばTiAuを例えばスパッタリングにより蒸着し、その後、例えばフッ酸によりSiNマスク21及びSiNマスク21上に付着したTiAuを除去する。これにより、下部n型InGaAsコンタクト層10及び下部p型InGaAsコンタクト層15を交互に接続したTiAu電極5が形成される。
そして、図13(B)に示すように、直列に接続された両端のn型ピラー2及びp型ピラー3に接続されたTiAu電極5からリード線を取り出し、任意の負荷に接続する。
このようにして、熱的には並列に、電気的には直列に接続された本実施形態の熱電変換素子が形成される。
このように構成される熱電変換素子では、n型ピラー2に含まれるn型AlGaAsSb/n型AlGaInAs超格子構造24は、n型Al0.06Ga0.94As0.52Sb0.48層22(組成波長1.418μm)とn型Al0.42Ga0.05In0.53As層23(組成波長0.897μm)とからなる。そして、n型Al0.06Ga0.94As0.52Sb0.48層22及びn型Al0.42Ga0.05In0.53As層23は、上記式(5)の関係を満たすため、超格子構造24のヘテロ接合部のバンド構造は、図18に示すように、伝導帯のバンドオフセットがフラットになる。
一方、p型ピラー3に含まれるp型AlGaAsSb/p型AlGaInAs超格子構造27は、p型Al0.80Ga0.20As0.52Sb0.48層25(組成波長0.715μm)とp型Al0.20Ga0.27In0.53As層26(組成波長1.190μm)とからなる。そして、p型Al0.80Ga0.20As0.52Sb0.48層25及びp型Al0.20Ga0.27In0.53As層26は、上記式(6)の関係を満たすため、超格子構造のヘテロ接合部のバンド構造は、図18に示すように、価電子帯のバンドオフセットがフラットになる。
なお、その他の詳細は、上述の第1実施形態と同様であるため、ここでは説明を省略する。
したがって、本実施形態にかかる熱電変換素子によれば、上述の第1実施形態の場合と同様に、III−V族化合物半導体材料を用いる場合に、実用上十分な性能指数が得られるという利点がある。
特に、III−V族化合物半導体材料を用い、電気伝導率を高めるためにキャリア濃度を高めた場合(例えば1.0×1019cm−3程度)の熱伝導率のキャリア成分の上昇を、フォノン成分の減少によって抑えることができる。これにより、III−V族化合物半導体材料を用いる場合であっても、性能指数の高く、変換効率が高い熱電変換素子を実現することができる。この結果、III−V族化合物半導体材料からなる半導体レーザなどの半導体素子(あるいは半導体集積素子)と同じ材料系によって熱電変換素子を構成することができることになるため、半導体素子などからの排熱を利用して熱電変換を行なうために半導体素子に熱電変換素子を集積化することが可能となり、作製も容易になる。
[第3実施形態]
第3実施形態にかかる熱電変換素子について、図19〜図21を参照しながら説明する。
本実施形態では、上述の第1実施形態のものに対し、図19に示すように、p型ピラー3に含まれる超格子構造31が3つのp型半導体層12,13,30からなる点、及び、n型InGaAsP/n型AlGaInAs超格子構造9を構成するn型InGaAsP層の具体的構成例がn型In0.70Ga0.30As0.640.36層7Aである点が異なる。なお、図19では、上述の第1実施形態のもの(図1参照)と同一のものには同一の符号を付している。
本実施形態では、p型ピラー3は、異なるIII−V族化合物半導体材料からなる複数(ここでは3つ)のp型半導体層12A,13A,30を含む。つまり、p型ピラー3は、構成元素が異なる(又は構成元素が同じで組成が異なる)複数のp型III−V族化合物半導体層12A,13A,30を含む。ここでは、p型ピラー3は、第3のIII−V族化合物半導体材料からなる第1のp型半導体層12A、第3のIII−V族化合物半導体材料と異なる第4のIII−V族化合物半導体材料からなる第2のp型半導体層13A、及び、第3のIII−V族化合物半導体材料及び第4のIII−V族化合物半導体材料と異なる第5のIII−V族化合物半導体材料からなる第3のp型半導体層30を含む。
ここでは、p型ピラー3は、基板1に格子整合する、p型InGaAsP層12A、p型AlGaInAs層13A、及び、p型AlGaAsSb層30を順に積層させた構造を含む。 具体的には、p型ピラー3は、InP基板1に格子整合する、p型InGaAsP層12A、p型AlGaInAs層13A、及び、p型AlGaAsSb層30を順に積層させることによって形成されるp型半導体超格子構造(p型InGaAsP層/p型AlGaInAs/p型AlGaAsSb超格子構造)31を含む。このため、超格子ピラーともいう。例えば、一のp型InGaAsP層12Aと一のp型AlGaInAs層13Aと一のp型AlGaAsSb層30とからなるp型InGaAsP層/p型AlGaInAs/p型AlGaAsSb超格子構造31を複数(多周期;例えば200周期)積層した構造になっている。
ここで、InP基板1に格子整合する、p型InGaAsP層12A、p型AlGaInAs層13A、及び、p型AlGaAsSb層30の組成は、p型InGa1−xAs−2.140x+2.1402.140x−1.140層(0.53≦x≦1)、p型AlGa0.47−yIn0.53As層(0≦y≦0.47)、及び、p型AlGa1−zAs0.52Sb0.48層(0≦z≦1)と表わされる。
また、p型ピラー3は、p型InGaAsP層/p型AlGaInAs/p型AlGaAsSb超格子構造31を上下で挟むp型InGaAs層15,16を含む。これらのp型InGaAs層15,16は、金属とのオーミックコンタクトが可能なコンタクト層である。
特に、本実施形態では、p型ピラー3に含まれるp型半導体超格子構造31を構成する各p型半導体層12A,13A,30は、価電子帯のバンドオフセットがフラットになるように構成されている。
ここで、InP基板1に格子整合する、p型InGa1−xAs−2.140x+2.1402.140x−1.140層、p型AlGa0.47−yIn0.53As層、及び、p型AlGa1−zAs0.52Sb0.48層において、価電子帯のバンドオフセットがフラットになる条件は近似的に以下の式(7)、(8)によって表される。
y=1.8551x−1.3199x+0.1767(0.53<x≦0.89)・・・(7)
z=0.2446y+0.7897y+0.6300(0≦y≦0.415)・・・(8)
したがって、本実施形態では、p型半導体超格子構造31を構成する複数のp型半導体層12A,13A,30は、InGa1−xAs−2.140x+2.1402.140x−1.140層、AlGa0.47−yIn0.53As層、及び、AlGa1−zAs0.52Sb0.48層であり、y=1.8551x−1.3199x+0.1767(0.53<x≦0.89)、z=0.2446y+0.7897y+0.6300(0≦y≦0.415)の関係を満たすように構成されている。
例えば、p型ピラー3は、キャリア濃度1.0×1019cm−3のIn0。70Ga0。30As0.640.36層12Aと、キャリア濃度1.0×1019cm−3のp型Al0.16Ga0.31In0.53As層13Aと、キャリア濃度1.0×1019cm−3のp型Al0.76Ga0.24As0.52Sb0.48層30とからなるp型InGaAsP層/p型AlGaInAs/p型AlGaAsSb超格子構造31を含むものとすれば良い。
また、例えば、n型ピラー2は、キャリア濃度1.0×1019cm−3のn型In0.70Ga0.30As0.640.36層7A(組成波長1.321μm)とキャリア濃度1.0×1019cm−3のn型Al0.11Ga0.36In0.53As層8(組成波長1.366μm)とからなるn型InGaAsP/n型AlGaInAs超格子構造9を含むものとしている。
次に、本実施形態にかかる熱電変換素子の製造方法について説明する。
まず、本熱電変換素子の製造方法は、上述の第1実施形態の熱電変換素子の製造方法に対し、n型ピラー2を形成する工程において、n型In0.70Ga0.30As0.640.36層7Aを形成する点が異なる。
また、本熱電変換素子の製造方法は、上述の第1実施形態の熱電変換素子の製造方法に対し、p型ピラー3を形成する工程が異なる。
つまり、p型InGaAsコンタクト層15上に、例えばキャリア濃度1.0×1019cm−3でZnをドープしたp型In0.70Ga0.30As0.640.36層12Aを例えば10nm、続いて同じくキャリア濃度1.0×1019cm−3でZnをドープしたp型Al0.16Ga0.31In0.53As層13Aを例えば10nm、続いて同じくキャリア濃度1.0×1019cm−3でZnをドープしたp型Al0.76Ga0.24As0.52Sb0.48層30を例えば10nm、順に積層させる。これを1周期として、例えば200周期繰り返して、p型In0.70Ga0.30As0.640.36層12Aとp型Al0.16Ga0.31In0.53As層13Aとp型Al0.76Ga0.24As0.52Sb0.48層30とを積層してなるp型InGaAsP層/p型AlGaInAs/p型AlGaAsSb超格子構造31を形成する(図19参照)。
そして、p型InGaAsコンタクト層16を成長させる(図19参照)。
このようにして、n型InGaAsP/n型AlGaInAs超格子構造9を含むn型ピラー2を取り囲むように、p型InGaAsP層/p型AlGaInAs/p型AlGaAsSb超格子構造31の上下をp型InGaAsコンタクト層15,16で挟んだp型半導体積層構造が形成される。
その後、成長試料をMOVPE成長炉内から取り出し、n型ピラー2を形成する領域を覆うように、SiOマスク18の周囲を除去して大きさを小さくするとともに、p型ピラー3を形成する領域を覆うように、表面側に例えばSiOマスク19をパターニングする(図6参照)。
次に、例えばICPドライエッチングにより、下部n型InGaAsコンタクト層10及び下部p型InGaAsコンタクト層15の途中までエッチングを施す。
次いで、例えば希塩酸と過酸化水素水の混合溶液を用いたウェットエッチングによって、残りの下部n型InGaAsコンタクト層10及び下部p型InGaAsコンタクト層15を除去する。これにより、n型InGaAsP/n型AlGaInAs超格子構造9を含む複数のn型ピラー2、及び、p型InGaAsP/p型AlGaInAs/p型AlGaAsSb超格子構造31を含む複数のp型ピラー3が形成される。この結果、n型InGaAsP/n型AlGaInAs超格子構造9を含む複数のn型ピラー2と、p型InGaAsP/p型AlGaInAs/p型AlGaAsSb超格子構造31を含む複数のp型ピラー3とが交互に配置されることになる。
なお、その他の詳細は、上述の第1実施形態と同様であるため、ここでは説明を省略する。
このように構成される熱電変換素子では、n型ピラー2に含まれるn型InGaAsP/n型AlGaInAs超格子構造9は、n型In0.70Ga0.30As0.640.36層7A(組成波長1.321μm)とn型Al0.11Ga0.36In0.53As層8(組成波長1.366μm)とからなる。そして、n型In0.70Ga0.30As0.640.36層7A及びn型Al0.11Ga0.36In0.53As層8は、上記式(1)の関係を満たすため、超格子構造9のヘテロ接合部のバンド構造は、図20に示すように、伝導帯のバンドオフセットがフラットになる。
一方、p型ピラー3に含まれるp型InGaAsP/p型AlGaInAs超格子構造14は、p型In0.70Ga0.30As0.640.36層12A(組成波長1.321μm)とp型Al0.16Ga0.31In0.53As層13A(組成波長1.262μm)とp型Al0.76Ga0.24As0.52Sb0.48層30(組成波長1.706μm)とからなる。そして、p型In0.70Ga0.30As0.640.36層12A、p型Al0.16Ga0.31In0.53As層13A及びp型Al0.76Ga0.24As0.52Sb0.48層30は、上記式(7),(8)の関係を満たすため、超格子構造31のヘテロ接合部のバンド構造は、図21に示すように、価電子帯のバンドオフセットがフラットになる。
したがって、本実施形態にかかる熱電変換素子によれば、上述の第1実施形態の場合と同様に、III−V族化合物半導体材料を用いる場合に、実用上十分な性能指数が得られるという利点がある。
特に、III−V族化合物半導体材料を用い、電気伝導率を高めるためにキャリア濃度を高めた場合(例えば1.0×1019cm−3程度)の熱伝導率のキャリア成分の上昇を、フォノン成分の減少によって抑えることができる。これにより、III−V族化合物半導体材料を用いる場合であっても、性能指数の高く、変換効率が高い熱電変換素子を実現することができる。この結果、III−V族化合物半導体材料からなる半導体レーザなどの半導体素子(あるいは半導体集積素子)と同じ材料系によって熱電変換素子を構成することができることになるため、半導体素子などからの排熱を利用して熱電変換を行なうために半導体素子に熱電変換素子を集積化することが可能となり、作製も容易になる。
[第4実施形態]
第4実施形態にかかる熱電変換素子について、図22〜図30を参照しながら説明する。
本実施形態では、上述の第1実施形態のものに対し、図22に示すように、GaAs基板1B上に、InGaP/AlGaAs超格子構造35,40を含むn型ピラー2及びp型ピラー3を備える点、及び、n型ピラー2及びp型ピラー3の間の隙間が誘電体膜(ここではSiO膜)42によって埋め込まれている点が異なる。なお、図22では、上述の第1実施形態のもの(図1参照)と同一のものには同一の符号を付している。
つまり、本実施形態では、半導体基板1Bは、n型ドープGaAs基板である。なお、図22中、符号17BはノンドープInGaPバッファ層である。
n型ピラー2は、異なるIII−V族化合物半導体材料からなる複数(ここでは2つ)のn型半導体層33,34を含む。つまり、n型ピラー2は、構成元素が異なる(又は構成元素が同じで組成が異なる)複数のn型III−V族化合物半導体層33,34を含む。ここでは、n型ピラー2は、第1のIII−V族化合物半導体材料からなる第1のn型半導体層33、及び、第1のIII−V族化合物半導体材料と異なる第2のIII−V族化合物半導体材料からなる第2のn型半導体層34を交互に積層させた構造を含む。 ここでは、n型ピラー2は、基板1Bに格子整合するn型InGaP層33及びn型AlGaAs層34を交互に積層させた構造を含む。
具体的には、n型ピラー2は、GaAs基板1Bに格子整合するn型InGaP層33及びn型AlGaAs層34を交互に積層させることによって形成されるn型半導体超格子構造(n型InGaP/n型AlGaAs超格子構造)35を含む。このため、超格子ピラーともいう。例えば、一のn型InGaP層33と一のn型AlGaAs層34とからなるn型InGaP/n型AlGaAs超格子構造35を複数(多周期;例えば300周期)積層した構造になっている。
また、n型ピラー2は、n型InGaP/n型AlGaAs超格子構造35を上下で挟むn型GaAs層32,36を含む。これらのn型GaAs層32,36は、金属とのオーミックコンタクトが可能なコンタクト層である。
特に、本実施形態では、n型ピラー2に含まれるn型半導体超格子構造35を構成する各n型半導体層33,34は、伝導帯のバンドオフセットがフラットになるように構成されている。
ここで、GaAs基板1Bに格子整合し、伝導帯のバンドオフセットがフラットになるという条件を満たすn型InGaP層33及びn型AlGaAs層34は、n型In0.48Ga0.52P層、及び、n型Al0.19Ga0.81As層である。
したがって、本実施形態では、n型半導体超格子構造35を構成する複数のn型半導体層33,34は、n型In0.48Ga0.52P層、及び、n型Al0.19Ga0.81As層である。
例えば、n型ピラー2は、キャリア濃度1.0×1019cm−3のn型In0.48Ga0.52P層33とキャリア濃度1.0×1019cm−3のn型Al0.19Ga0.81As層34とからなるn型InGaP/n型AlGaAs超格子構造35を含むものとすれば良い。
一方、p型ピラー3は、異なるIII−V族化合物半導体材料からなる複数(ここでは2つ)のp型半導体層38,39を含む。つまり、p型ピラー3は、構成元素が異なる(又は構成元素が同じで組成が異なる)複数のp型III−V族化合物半導体層38,39を含む。ここでは、p型ピラー3は、第3のIII−V族化合物半導体材料からなる第1のp型半導体層38、及び、第3のIII−V族化合物半導体材料と異なる第4のIII−V族化合物半導体材料からなる第2のp型半導体層39を交互に積層させた構造を含む。
ここでは、p型ピラー3は、基板1Bに格子整合するp型InGaP層38及びp型AlGaAs層39を交互に積層させた構造を含む。
具体的には、p型ピラー3は、GaAs基板1Bに格子整合するp型InGaP層38及びp型AlGaAs層39を交互に積層させることによって形成されるp型半導体超格子構造(p型InGaP/p型AlGaAs超格子構造)40を含む。このため、超格子ピラーともいう。例えば、一のp型InGaP層38と一のp型AlGaAs層39とからなるp型InGaP/p型AlGaAs超格子構造40を複数(多周期;例えば300周期)積層した構造になっている。
また、p型ピラー3は、p型InGaP/p型AlGaAs超格子構造40を上下で挟むp型GaAs層37,41を含む。これらのp型GaAs層37,41は、金属とのオーミックコンタクトが可能なコンタクト層である。
特に、本実施形態では、p型ピラー3に含まれるp型半導体超格子構造40を構成する各p型半導体層38,39は、価電子帯のバンドオフセットがフラットになるように構成されている。
ここで、GaAs基板1Bに格子整合し、価電子帯のバンドオフセットがフラットになるという条件を満たすp型InGaP層38及びp型AlGaAs層39は、In0。48Ga0.52P層、及び、Al0.58Ga0.42As層である。
したがって、本実施形態では、p型半導体超格子構造40を構成する複数のp型半導体層38,39は、p型In0。48Ga0.52P層、及び、p型Al0.58Ga0.42As層である。
例えば、p型ピラー3は、キャリア濃度1.0×1019cm−3のp型In0。48Ga0.52P層38とキャリア濃度1.0×1019cm−3のp型Al0.58Ga0.42As層39とからなるp型InGaP/p型AlGaAs超格子構造40を含むものとすれば良い。
このように、本実施形態では、キャリアの移動に寄与するバンドのオフセットがフラットになるように、n型ピラー2及びp型ピラー3に含まれる超格子構造35,40を構成する各半導体層33,34,38,39を構成するようにしている。つまり、n型ピラー2及びp型ピラー3に含まれる超格子構造35,40を同一の構成元素(InGaP/AlGaAs超格子構造)からなるものとし、p型ピラー3は価電子帯のバンドオフセットがフラット(フラットバンド)になるような組成にし、n型ピラー2は伝導帯のバンドオフセットがフラット(フラットバンド)になるような組成にしている。要するに、n型ピラー2に含まれる超格子構造35を構成する各半導体層33,34は、伝導帯の不連続が存在しないように材料及び組成が設定されており、p型ピラー3に含まれる超格子構造40を構成する各半導体層38,39は、価電子帯の不連続が存在しないように材料及び組成が設定されている。
また、本実施形態では、複数のn型ピラー2と、複数のp型ピラー3とが交互に配置されており、これらのピラー2,3の間の隙間は誘電体膜(ここではSiO膜)42によって埋め込まれている。
次に、本実施形態にかかる熱電変換素子の製造方法について、図23〜図29を参照しながら説明する。
以下、n型ドープGaAs基板1B上に、InGaP/AlGaAs超格子構造35,40を含むn型ピラー2及びp型ピラー3を有する熱電変換素子の製造方法を例に挙げて説明する。
ここでは、n型ピラー2として、上記の条件を満たすn型In0.48Ga0.52P層33とn型Al0.19Ga0.81As層34とからなるn型InGaP/n型AlGaAs超格子構造35を含み、p型ピラー3として、上記の条件を満たすp型In0。48Ga0.52P層38とp型Al0.58Ga0.42As層39とからなるp型InGaP/p型AlGaAs超格子構造40を含むものとする。
また、ここでは、有機金属気相成長法(MOVPE法)を用いる。III族有機金属原料としてトリメチルインジウム(TMIn)、トリエチルガリウム(TEGa)及びトリメチルアルミニウム(TMAl)を用いる。V族ガス原料としてアルシン(AsH)及びフォスフィン(PH)を用いる。n型不純物(ここではSi)のドーピング原料(Si原料)としてモノシランSiHを用いる。p型不純物(ここではZn)のドーピング原料(Zn原料)としてジエチルジンク(DEZn)を用いる。キャリアガスとして水素Hを用いる。成長圧力は50Torrとしている。
最初に、図23(A)に示すように、n型ドープGaAs(001)基板1B上に、n型のInGaP/AlGaAs超格子構造35の成長を行なう。
まず、n型ドープGaAs(001)基板1B上に、例えば成長温度630℃で、ノンドープIn0.48Ga0.52P層(バッファ層)17Bを例えば500nm成長させる。
次に、例えばキャリア濃度1.0×1019cm−3でSiをドープしたn型GaAs層(コンタクト層)32を例えば500nm成長させる。
次いで、例えばキャリア濃度1.0×1019cm−3でSiをドープしたn型In0.48Ga0.52P層33を例えば10nm、続いて同じくキャリア濃度1.0×1019cm−3でSiをドープしたn型Al0.19Ga0.81As層34を例えば10nm、順に積層させる。これを1周期として、例えば300周期繰り返して、n型In0.48Ga0.52P層33とn型Al0.19Ga0.81As層34とを交互に積層してなるn型InGaP/n型AlGaAs超格子構造35を形成する。
そして、例えばキャリア濃度1.0×1019cm−3でSiをドープしたn型GaAs層(コンタクト層)36を例えば500nm成長させる。
これにより、n型InGaP/n型AlGaAs超格子構造35の上下をn型GaAsコンタクト層32,36で挟んだn型半導体積層構造が形成される。
その後、成長試料をMOVPE成長炉から取り出し、図26中、実線で示すように、n型ピラー構造を形成する領域を覆うように、表面側に例えばSiOマスク18をパターニングする。
次に、図23(B)に示すように、例えばICPドライエッチングにより、下部n型GaAsコンタクト層32の途中までエッチングを施す。
そして、図23(B)に示すように、例えば水酸化アンモニウムと過酸化水素水の混合液を用いたウェットエッチングによって、残りの下部n型GaAsコンタクト層32を除去する。これにより、n型InGaP/n型AlGaAs超格子構造35を含む複数のn型ピラー構造が形成される。
その後、再び、試料をMOVPE成長炉内に入れ、引き続き、図23(C)に示すように、例えばキャリア濃度1.0×1019cm−3でZnをドープしたp型GaAs層(コンタクト層)37を例えば500nm成長させる。
次に、図23(C)に示すように、例えばキャリア濃度1.0×1019cm−3でZnをドープしたp型In0。48Ga0.52P層38を例えば10nm、続いて同じくキャリア濃度1.0×1019cm−3でZnをドープしたp型Al0.58Ga0.42As層39を例えば10nm、順に積層させる。これを1周期として、例えば300周期繰り返して、p型In0。48Ga0.52P層38とp型Al0.58Ga0.42As層39とを交互に積層してなるp型InGaP/p型AlGaAs超格子構造40を形成する。
そして、図23(C)に示すように、例えばキャリア濃度1.0×1019cm−3でZnをドープしたp型GaAs層(コンタクト層)41を例えば500nm成長させる。
このような2回目のMOVPE成長によって、図23(C)に示すように、n型InGaP/n型AlGaAs超格子構造35を含むn型ピラー構造を取り囲むように、p型InGaP/p型AlGaAs超格子構造40の上下をp型GaAsコンタクト層37,41で挟んだp型半導体積層構造が形成される。
その後、成長試料をMOVPE成長炉内から取り出し、図27に示すように、n型ピラー2を形成する領域を覆うように、SiOマスク18の周囲を除去して大きさを小さくするとともに、p型ピラー3を形成する領域を覆うように、表面側に例えばSiOマスク19をパターニングする。これにより、n型ピラー2を形成する領域を覆う部分と、p型ピラー3を形成する領域を覆う部分とを有するSiOマスク18,19が形成される。
次に、図24(A)に示すように、例えばICPドライエッチングにより、下部n型GaAsコンタクト層32及び下部p型GaAsコンタクト層37の途中までエッチングを施す。
次いで、例えば水酸化アンモニウムと過酸化水素水の混合溶液を用いたウェットエッチングによって、残りの下部n型GaAsコンタクト層32及び下部p型GaAsコンタクト層37を除去する。これにより、n型InGaP/n型AlGaAs超格子構造35を含む複数のn型ピラー2、及び、p型InGaP/p型AlGaAs超格子構造40を含む複数のp型ピラー3が形成される。この結果、n型InGaP/n型AlGaAs超格子構造35を含む複数のn型ピラー2と、p型InGaP/p型AlGaAs超格子構造40を含む複数のp型ピラー3とが交互に配置されることになる。
次に、図24(B)に示すように、n型ピラー2とp型ピラー3との間の隙間部分を、誘電体膜(ここではSiO膜)42によって埋め込んだ後、例えばICPドライエッチングによってSiOマスク18,19を除去し、n型GaAsコンタクト層36の上部及びp型GaAsコンタクト層41の上部を露出させる。
次いで、図28に示すように、上部の金属電極6を形成する領域が開口部(マスク開口部)となり、それ以外の領域が覆われるように、表面側に例えばSiNマスク20をパターニングする。ここでは、n型ピラー2及びp型ピラー3の延長線上の領域を含む開口部が配置されたSiNマスク(SiN膜)20が形成される。なお、図28中、模様を付している部分が開口部である。
続いて、図24(C)に示すように、例えばTiAuを例えばスパッタリングにより蒸着し、その後、例えばフッ酸によりSiNマスク20及びSiNマスク20上に付着したTiAuを除去する。これにより、上部n型GaAsコンタクト層36及び上部p型GaAsコンタクト層41を交互に接続したTiAu電極6が形成される。
次に、図25(A)に示すように、GaAs基板1Bの裏面を、基板の厚さが例えば100μm程度になるまで研磨する。
次いで、図29に示すように、研磨されたGaAs基板1Bの裏面に、下部の金属電極5を形成する領域が開口部(マスク開口部)となり、それ以外の領域が覆われるように、例えばSiNマスク21をパターニングする。ここでは、n型ピラー2及びp型ピラー3の延長線上の領域を含む開口部が配置されたSiNマスク(SiN膜)21が形成される。なお、図29中、模様を付している部分が開口部である。
続いて、図25(A)に示すように、SiNマスク21を用いて、n−GaAs基板1B及びi−InGaPバッファ層17Bを、例えばICPドライエッチング、及び、例えば希塩酸を用いたウェットエッチングによって除去する。
次に、図25(B)に示すように、例えばTiAuを例えばスパッタリングにより蒸着し、その後、例えばフッ酸によりSiNマスク21及びSiNマスク21上に付着したTiAuを除去する。これにより、n型ピラー2に含まれる下部n型GaAsコンタクト層32、及び、p型ピラー3に含まれる下部p型GaAsコンタクト層37を交互に接続したTiAu電極5が形成される。
そして、図25(B)に示すように、直列に接続された両端のn型ピラー2及びp型ピラー3に接続されたTiAu電極5からリード線を取り出し、任意の負荷に接続する。
このようにして、熱的には並列に、電気的には直列に接続された本実施形態の熱電変換素子が形成される。
このように構成される熱電変換素子では、n型ピラー2に含まれるn型InGaP/n型AlGaAs超格子構造35は、n型In0.48Ga0.52P層33(組成波長0.653μm)とn型Al0.19Ga0.81As層34(組成波長0.725μm)とからなる。そして、n型In0.48Ga0.52P層33及びn型Al0.19Ga0.81As層34は、上記の条件を満たすため、超格子構造35のヘテロ接合部のバンド構造は、図30(A)に示すように、伝導帯のバンドオフセットがフラットになる。
一方、p型ピラー3に含まれるp型InGaP/p型AlGaAs超格子構造40は、p型In0。48Ga0.52P層38(組成波長0.653μm)とp型Al0.58Ga0.42As層39(組成波長0.620μm)とからなる。そして、p型In0。48Ga0.52P層38及びp型Al0.58Ga0.42As層39は、上記の条件を満たすため、超格子構造40のヘテロ接合部のバンド構造は、図30(B)に示すように、価電子帯のバンドオフセットがフラットになる。
なお、その他の詳細は、上述の第1実施形態と同様であるため、ここでは説明を省略する。
したがって、本実施形態にかかる熱電変換素子によれば、上述の第1実施形態の場合と同様に、III−V族化合物半導体材料を用いる場合に、実用上十分な性能指数が得られるという利点がある。
特に、III−V族化合物半導体材料を用い、電気伝導率を高めるためにキャリア濃度を高めた場合(例えば1.0×1019cm−3程度)の熱伝導率のキャリア成分の上昇を、フォノン成分の減少によって抑えることができる。これにより、III−V族化合物半導体材料を用いる場合であっても、性能指数の高く、変換効率が高い熱電変換素子を実現することができる。この結果、III−V族化合物半導体材料からなる半導体レーザなどの半導体素子(あるいは半導体集積素子)と同じ材料系によって熱電変換素子を構成することができることになるため、半導体素子などからの排熱を利用して熱電変換を行なうために半導体素子に熱電変換素子を集積化することが可能となり、作製も容易になる。
[その他]
なお、上述の各実施形態において、n型ピラー及びp型ピラーに含まれる超格子構造の周期数や厚さ等は、上述の各実施形態のものに限られるものではない。例えば、超格子構造を構成する各半導体層の厚さを層毎に変えても良い。また、例えば、超格子構造を一定周期で設けてなくても良い。つまり、超格子構造を構成する複数の半導体層は、交互にあるいは順番に積層させたものでなくても良く、例えば2種類以上の異なるIII−V族化合物半導体材料(材料又は組成が異なる半導体材料)からなる半導体層を積層させたものであっても良い。
また、上述の各実施形態のn型ピラー及びp型ピラーに含まれる超格子構造を構成する複数の半導体層に用いる材料(III−V族化合物半導体材料)は、n型ピラーとp型ピラーとで同じであっても良いし、異なっていても良い。
また、上述の各実施形態のn型ピラー及びp型ピラーに含まれる超格子構造を構成する複数の半導体層は、バンドギャップが異なっていても良いし、バンドギャップが異なっていなくても良い。
また、上述の各実施形態では、n型ピラー及びp型ピラーを構成する各半導体層が超格子構造を構成しているが、これに限られるものではなく、例えば各半導体層の厚さが厚く、超格子構造になっていなくても良い。但し、各半導体層の厚さを薄くして超格子構造を構成することで、各半導体層の間の界面の数を増やすことができるため、好ましい。
また、上述の各実施形態では、n型ピラー及びp型ピラーを構成する各半導体層は格子整合しているが、これに限られるものではなく、格子定数が異なる半導体材料によって形成されていても良い。この場合、各半導体層の厚さは、格子欠陥が生じない臨界膜厚以下に設定するのが好ましい。
また、上述の各実施形態において、半導体基板は、n型半導体基板、p型半導体基板、半絶縁性半導体基板のいずれであっても良い。
また、上述の各実施形態のn型ピラー及びp型ピラーの断面形状は、円形でなくても良く、三角形や四角形などの任意の幾何学形状であっても良い。つまり、ピラー構造を形成するためのマスクパターンとしては、任意の幾何学形状を有するパターンを作製することができ、その形状は問わない。
また、上述の各実施形態の超格子構造を構成する化合物半導体材料の組成は、上述の各実施形態のものに対して例えば2%程度の誤差を許容する。
また、上述の第1実施形態のn型ピラーを構成する複数のn型半導体層として、上述の第2実施形態のn型ピラーを構成する複数のn型半導体層を用いても良い。つまり、上述の第1実施形態のものにおいて、n型半導体超格子構造を構成する複数のn型半導体層を、n型AlGa1−yAs0.52Sb0.48層、及び、n型AlGa0.47−xIn0.53As層とし、y=−0.021x+1.0218x−0.3663(0.359≦x≦0.477)の関係を満たすように構成しても良い。
また、上述の第1実施形態のp型ピラーを構成する複数のp型半導体層として、上述の第2実施形態のp型ピラーを構成する複数のp型半導体層を用いても良い。つまり、上述の第1実施形態のものにおいて、p型半導体超格子構造を構成する複数のp型半導体層を、p型AlGa1−yAs0.52Sb0.48層、及び、p型AlGa0.47−xIn0.53As層とし、y=0.2446x+0.7897x+0.6300(0≦x≦0.415)の関係を満たすように構成しても良い。
また、上述の第2実施形態のn型ピラーを構成する複数のn型半導体層として、上述の第1実施形態のn型ピラーを構成する複数のn型半導体層を用いても良い。つまり、上述の第2実施形態のものにおいて、n型半導体超格子構造を構成する複数のn型半導体層を、n型InGa1−xAs−2.140x+2.1402.140x−1.140層、及び、n型AlGa0.47−yIn0.53As層とし、y=−0.3257x+1.0184x−0.4440(0.53<x≦1.00)の関係を満たすように構成しても良い。
また、上述の第2実施形態のp型ピラーを構成する複数のp型半導体層として、上述の第1実施形態のp型ピラーを構成する複数のp型半導体層を用いても良い。つまり、上述の第2実施形態のものにおいて、p型半導体超格子構造を構成する複数のp型半導体層を、p型InGa1−xAs−2.140x+2.1402.140x−1.140層、及び、p型AlGa0.47−yIn0.53As層とし、y=1.8551x−1.3199x+0.1767(0.53<x≦0.89)の関係を満たすように構成しても良い。
また、上述の第3実施形態は、第1実施形態の変形例として構成しているが、これに限られるものではなく、例えば、第2実施形態の変形例として構成しても良い。つまり、上述の第2実施形態のものにおいて、p型半導体超格子構造を構成する複数のp型半導体層を、InGa1−xAs−2.140x+2.1402.140x−1.140層、AlGa0.47−yIn0.53As層、及び、AlGa1−zAs0.52Sb0.48層とし、y=1.8551x−1.3199x+0.1767(0.53<x≦0.89)、z=0.2446y+0.7897y+0.6300(0≦y≦0.415)の関係を満たすように構成しても良い。
また、上述の各実施形態では、熱電変換素子について説明しているが、上述の各実施形態の熱電変換素子を備える熱電変換モジュールとして構成することもできる。
例えば、図31に示すように、上述の各実施形態の熱電変換素子50の上部の金属電極6に接するように、熱伝導率の高いセラミックス51を装着する。また、上述の各実施形態の熱電変換素子50をヒートシンク52上に例えばはんだで装着する。これにより、上述の各実施形態の熱電変換素子50を備える熱電変換モジュール53が構成される。このように構成される熱電変換モジュール53は、セラミックス部分51を任意の熱源(高温部)に接触させて使用する。なお、ヒートシンク52は、タングステン(W)などの熱伝導率の高い金属(材料)を用いたものであっても良い。
なお、本発明は、上述した各実施形態及び変形例に記載した構成に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形することが可能である。
1 n型InP基板(半導体基板)
1A FeドープInP基板(半導体基板)
1B n型ドープGaAs基板(半導体基板)
2 n型半導体積層構造(n型ピラー)
3 p型半導体積層構造(p型ピラー)
4 SiN膜(誘電体膜)
5,6 金属電極
7,7A n型InGaAsP層(n型半導体層;n型III−V族化合物半導体層)
8 n型AlGaInAs層(n型半導体層;n型III−V族化合物半導体層)
9 n型半導体超格子構造(n型InGaAsP/n型AlGaInAs超格子構造)
10,11 n型InGaAs層
12,12A p型InGaAsP層(p型半導体層;p型III−V族化合物半導体層)
13,13A p型AlGaInAs層(p型半導体層;p型III−V族化合物半導体層)
14 p型InGaAsP/p型AlGaInAs超格子構造(p型半導体超格子構造)
15,16 p型InGaAs層
17 ノンドープInPバッファ層
17A FeドープInPバッファ層
17B ノンドープInGaPバッファ層
18,19 SiOマスク
20,21 SiNマスク
22 n型AlGaAsSb層(n型半導体層;n型III−V族化合物半導体層)
23 n型AlGaInAs層(n型半導体層;n型III−V族化合物半導体層)
24 n型AlGaAsSb/n型AlGaInAs超格子構造(n型半導体超格子構造)
25 p型AlGaAsSb層(p型半導体層;p型III−V族化合物半導体層)
26 p型AlGaInAs層(p型半導体層;p型III−V族化合物半導体層)
27 p型AlGaAsSb/p型AlGaInAs超格子構造(p型半導体超格子構造)
28 SiO膜(誘電体膜)
29 BCB膜(誘電体膜)
30 p型AlGaAsSb層(p型半導体層;p型III−V族化合物半導体層)
31 p型InGaAsP層/p型AlGaInAs/p型AlGaAsSb超格子構造(p型半導体超格子構造)
32,36 n型GaAs層
33 n型InGaP層(n型半導体層;n型III−V族化合物半導体層)
34 n型AlGaAs層(n型半導体層;n型III−V族化合物半導体層)
35 n型InGaP/n型AlGaAs超格子構造(n型半導体超格子構造)
37,41 p型GaAs層
38 p型InGaP層(p型半導体層;p型III−V族化合物半導体層)
39 p型AlGaAs層(p型半導体層;p型III−V族化合物半導体層)
40 p型InGaP/p型AlGaAs超格子構造(p型半導体超格子構造)
42 SiO膜(誘電体膜)
50 熱電変換素子
51 セラミックス
52 ヒートシンク
53 熱電変換モジュール

Claims (8)

  1. n型InGaAsP層n型AlGaInAs層とを含むn型半導体積層構造と、
    p型InGaAsP層p型AlGaInAs層とを含むp型半導体積層構造と、
    前記n型半導体積層構造と前記p型半導体積層構造とを電気的に直列に接続する電極とを備え、
    前記n型InGaAsP層及び前記n型AlGaInAs層は、伝導帯のバンドオフセットがフラットになるように構成されており、
    前記p型InGaAsP層及び前記p型AlGaInAs層は、価電子帯のバンドオフセットがフラットになるように構成されていることを特徴とする熱電変換素子。
  2. n型AlGaInAs層n型AlGaAsSb層とを含むn型半導体積層構造と、
    p型AlGaInAs層p型AlGaAsSb層とを含むp型半導体積層構造と、
    前記n型半導体積層構造と前記p型半導体積層構造とを電気的に直列に接続する電極とを備え、
    前記n型AlGaInAs層及び前記n型AlGaAsSb層は、伝導帯のバンドオフセットがフラットになるように構成されており、
    前記p型AlGaInAs層及び前記p型AlGaAsSb層は、価電子帯のバンドオフセットがフラットになるように構成されていることを特徴とする熱電変換素子。
  3. n型InGaAsP層n型AlGaInAs層とを含むn型半導体積層構造と、
    p型InGaAsP層p型AlGaInAs層p型AlGaAsSb層とを含むp型半導体積層構造と、
    前記n型半導体積層構造と前記p型半導体積層構造とを電気的に直列に接続する電極とを備え、
    前記n型InGaAsP層及び前記n型AlGaInAs層は、伝導帯のバンドオフセットがフラットになるように構成されており、
    前記p型InGaAsP層、前記p型AlGaInAs層及び前記p型AlGaAsSb層は、価電子帯のバンドオフセットがフラットになるように構成されていることを特徴とする熱電変換素子。
  4. n型InGaP層n型AlGaAs層とを含むn型半導体積層構造と、
    p型InGaP層p型AlGaAs層とを含むp型半導体積層構造と、
    前記n型半導体積層構造と前記p型半導体積層構造とを電気的に直列に接続する電極とを備え、
    前記n型InGaP層及び前記n型AlGaAs層は、伝導帯のバンドオフセットがフラットになるように構成されており、
    前記p型InGaP層及び前記p型AlGaAs層は、価電子帯のバンドオフセットがフラットになるように構成されていることを特徴とする熱電変換素子。
  5. 熱電変換素子を備え、
    前記熱電変換素子が、
    n型InGaAsP層n型AlGaInAs層とを含むn型半導体積層構造と、
    p型InGaAsP層p型AlGaInAs層とを含むp型半導体積層構造と、
    前記n型半導体積層構造と前記p型半導体積層構造とを電気的に直列に接続する電極とを備え、
    前記n型InGaAsP層及び前記n型AlGaInAs層は、伝導帯のバンドオフセットがフラットになるように構成されており、
    前記p型InGaAsP層及び前記p型AlGaInAs層は、価電子帯のバンドオフセットがフラットになるように構成されていることを特徴とする熱電変換モジュール。
  6. 熱電変換素子を備え、
    前記熱電変換素子が、
    n型AlGaInAs層n型AlGaAsSb層とを含むn型半導体積層構造と、
    p型AlGaInAs層p型AlGaAsSb層とを含むp型半導体積層構造と、
    前記n型半導体積層構造と前記p型半導体積層構造とを電気的に直列に接続する電極とを備え、
    前記n型AlGaInAs層及び前記n型AlGaAsSb層は、伝導帯のバンドオフセットがフラットになるように構成されており、
    前記p型AlGaInAs層及び前記p型AlGaAsSb層は、価電子帯のバンドオフセットがフラットになるように構成されていることを特徴とする熱電変換モジュール。
  7. 熱電変換素子を備え、
    前記熱電変換素子が、
    n型InGaAsP層n型AlGaInAs層とを含むn型半導体積層構造と、
    p型InGaAsP層p型AlGaInAs層p型AlGaAsSb層とを含むp型半導体積層構造と、
    前記n型半導体積層構造と前記p型半導体積層構造とを電気的に直列に接続する電極とを備え、
    前記n型InGaAsP層及び前記n型AlGaInAs層は、伝導帯のバンドオフセットがフラットになるように構成されており、
    前記p型InGaAsP層、前記p型AlGaInAs層及び前記p型AlGaAsSb層は、価電子帯のバンドオフセットがフラットになるように構成されていることを特徴とする熱電変換モジュール。
  8. 熱電変換素子を備え、
    前記熱電変換素子が、
    n型InGaP層n型AlGaAs層とを含むn型半導体積層構造と、
    p型InGaP層p型AlGaAs層とを含むp型半導体積層構造と、
    前記n型半導体積層構造と前記p型半導体積層構造とを電気的に直列に接続する電極とを備え、
    前記n型InGaP層及び前記n型AlGaAs層は、伝導帯のバンドオフセットがフラットになるように構成されており、
    前記p型InGaP層及び前記p型AlGaAs層は、価電子帯のバンドオフセットがフラットになるように構成されていることを特徴とする熱電変換モジュール。
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