JP5399757B2 - エゼクタ装置およびエゼクタ装置を用いた燃料電池システム - Google Patents
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Description
ところで、第1流体が小流量時には、最大流量時に比べてノズル部の出口部分における流速が得られないため、第1流体がノズル部の開口部分を通過しても吸引力が小さく、第2流体を取り込み難くなる場合があった。
しかしながら、このような第2流体の流通路内にポンプを設けたエゼクタ装置は、装置構成が複雑となり、またコスト高を招いてしまうものであった。
筺体46の内部に軸方向に形成された流通路12内を、上流から下流に向かって流れる第1流体14が前記流通路12の一部に設けられたノズル部16を通過することで生じた負圧による吸引力で、前記ノズル部16よりも下流側の流通路12内に第2流体18を取り込み、前記第1流体14と前記第2流体18とを合流させ、前記流通路12の下流側へ合流した流体を供給するエゼクタ装置10であって、
前記流通路12の上流側に配置され、軸方向に伸縮することが可能なベローズから構成された感圧室20と、
前記感圧室20の下流側に構成され、前記ノズル部16の開口量を変化させる開口調整部26と、を備え、
前記開口調整部26は、
一方側が前記感圧室20の下流側に接続されるとともに、前記第1流体14の圧力が無圧時には他方側が前記ノズル部16の開口24に当接するように構成されたニードル28と、
前記感圧室20の内側または外側に、前記感圧室20を軸方向の下流に向かって伸張させるように圧縮状態で配設された付勢部材34と、
を有し、
前記第1流体14が、前記感圧室20よりも上流側に配置された流量調整弁30で流量が調整された後に前記筺体46内に供給され、この流量が調整された前記第1流体14が前記流通路12内を流れる際に、前記第1流体14の流量による前記感圧室20の内外での圧力差および前記付勢部材34の付勢力による感圧室20の伸縮作用により、前記ニードル28を軸方向に移動させ、この移動により、前記ニードル28の端部と前記ノズル部16との間に構成される前記開口24の開口量を調整するように構成されており、
前記流通路12内に、前記流量調整弁30から前記第1流体14を流入させていないときには、前記感圧室20の内外の圧力差および前記付勢部材34の付勢力による感圧室20の伸張作用により、前記ニードル28が軸方向の下流側に移動し、これにより、前記ニードル28の先端が前記ノズル部16の前記開口24に当接し、前記開口24を封止するとともに、
前記流通路12内に、前記流量調整弁30から前記第1流体14を所定の流量で流入している状態から、前記流通路12を流れる前記第1流体14の圧力が次第に高くなるように、その流量を増加させた場合に、前記感圧室20の内外での圧力差および前記付勢部材38の付勢力により、前記感圧室20を漸次収縮させるとともに前記ニードル28を軸方向の上流側に移動させ、この感圧室20の収縮および前記ニードル28の軸方向の上流側への移動に伴って、前記ノズル部16の前記開口24の開口量が次第に増大することにより、前記ノズル部16を通過する前記第1流体14の流速を減少させるように構成されているとともに、
前記流通路12内に、前記流量調整弁30から前記第1流体14を所定の流量で流入している状態から、前記流通路12を流れる前記第1流体14の圧力が次第に低くなるように、その流量を低下させた場合に、前記感圧室20の内外での圧力差および前記付勢部材38の付勢力により、前記感圧室20を漸次伸張させるとともに前記ニードル28を軸方向の下流側に移動させ、この感圧室20の拡張および前記ニードル28の軸方向の下流側への移動に伴って、前記ノズル部16の前記開口24の開口量が次第に減少することにより、前記ノズル部16を通過する前記第1流体14の流速を増大させるように構成されていることを特徴とする。
さらに感圧室よりも上流側に流量調整弁を配設すれば、流量調整弁からの第1流体の流量(圧力)に応じ、第2流体を所定量取り込むことができ、エゼクタ装置の制御を容易に行うことができる。
このように構成すれば、第1流体の圧力に対する基準圧力となる感圧室内の圧力を、他から引いてくる必要がなく、システムの簡素化が計れ、エゼクタ装置のコストを抑えることができる。
前記感圧室20の上流側の端部を固着するとともに前記開口24の開口量を調整する調整部40が、追い込み幅48内において軸方向に位置調整可能とされていることを特徴とする。
前記開口調整部の摺動部分に、ダンパー部材が設けられていることを特徴とする。
このようにダンパー部材が設けられていれば、第1流体の流量が急に変化しても、ノズル部と開口調整部との間で構成される開口の急激な開閉を抑止することができ、徐々に開口量を変化させることができる。
前記感圧室と前記開口調整部とが、ボールジョイントにより接続されていることを特徴とする。
上記いずれかに記載のエゼクタ装置を備え、第1流体である水素を燃料電池スタック内に供給し、前記燃料電池スタック内で水素を空気中の酸素と化学反応させて発電を行うことを特徴とする。
図1は、本発明のエゼクタ装置を用いた燃料電池システムの概略を説明するための概略図、図2は、本発明のエゼクタ装置の構成を説明するための断面図、図3は、本発明のエゼクタ装置において、付勢部材を感圧室の外側に配設した状態を説明するための要部拡大図、図4は、本発明のエゼクタ装置の感圧室とニードルとの接続部分について説明するための要部拡大断面図、図5は、本発明のエゼクタ装置の作動状況を説明するための要部拡大断面図であり、図5(a)は停止時における断面図、図5(a1)は図5(a)の部分拡大図、図5(b)は大流量時における断面図、図5(b1)は図5(b)の部分拡大図、図5(c)は小流量時における断面図、図5(c1)は図5(c)の部分拡大図である。
<燃料電池システム50>
本発明のエゼクタ装置10を用いた燃料電池システム50は、図1に示したように、まず水素タンク32内の第1流体14である水素ガスが流量調整弁30で所定流量に調整されてエゼクタ装置10内に流入し、これをさらに燃料電池スタック52内に供給するようになっている。
この燃料電池スタック52には、上記したように一方(図1では左側)から第1流体14として水素ガスが供給され、他方(図1では右側)からは空気54が供給されるようになっており、燃料電池スタック52内において、供給された水素ガスと空気54中の酸素とを化学反応させることにより、発電を行うようになっている。
なお、燃料電池スタック52中に供給された水素ガス(第1流体14)は、一部については化学反応がなされず、この残りの水素ガス(第2流体18)は循環路44を通ってエゼクタ装置10内に再び供給されるようになっている。
以下、このエゼクタ装置10について詳細に説明する。
本発明のエゼクタ装置10は、図2に示したように、流通路12内を流れる第1流体14が流通路12の一部に設けられたノズル部16の開口24を通過することで生じた負圧による吸引力で、第2流体18をノズル部16よりも下流側の流通路12内に取り込み、第1流体14と第2流体18とを合流させ、流通路下流側へ流体を供給するようにしたものである。
そして、感圧室20の外側の流通路12内を流れる第1流体14の圧力と、感圧室20の空間22内の圧力との圧力差によって感圧室20および感圧室20内に配設された付勢部材34の伸縮作用を生じさせ、これにより開口調整部26でノズル部16の開口量を変化させて第1流体14のノズル部16における流速を変化させることで、流通路12内に取り込まれる第2流体18の流量を調整できるようになっている。
ベローズは蛇腹形であるため、これにより第1流体14の流量が変化した際には、ベローズは蛇腹の形成されている方向(図1では左右の方向)に伸縮し、圧力の変化を変位に変えることができる。
また、ベローズからなる感圧室20内部の空間22の圧力は、第1流体14の流れる際の圧力と異なる一定圧力に設定されていれば良く、空気が第1流体14に入らないよう気密分離を行い、感圧室20内に大気圧を導入しても良いものである。
この調整部40には、複数の第1流体流通孔42が形成されており、エゼクタ装置10の各部を形成する筐体46に取り外し自在に固定されているが、例えば螺合するように構成されていれば、交換も容易であるため好ましい。
そして、この第1流体14が感圧室20の外側を通過し、第1流体14の流量による圧力と感圧室20内の圧力との差によって、感圧室20および感圧室20内に配設された付勢部材34の伸縮作用が生ずる。
また、図5(b)および図5(b1)に示したように、感圧室20の外側を流れる第1流体14の流量が多く、第1流体14の圧力が高い場合には、感圧室20を構成するベローズの収縮量が大きくなり、ノズル部16とニードル28の先端とで構成された開口24の開口量が大きくなる。
保持部材66と保持部材68との間の隙間70は、ベローズの規定収縮量(設計値)に従って調整することが好ましい。
図6は本発明のエゼクタ装置10の他の実施例を示したものであり、構成を説明するための断面図ある。
なおダンパー部材60は、パッキン62と付勢部材64とから構成されており、付勢部材64によってパッキン62に所定の締め付け力を与えるようになっている。
このようにダンパー部材60が設けられていれば、第1流体14の流量が急に変化しても、ノズル部16と開口調整部26との間で構成される開口24の急激な開閉を抑止することができ、徐々に開口量を変化させることができる。
12・・・流通路
14・・・第1流体
16・・・ノズル部
18・・・第2流体
20・・・感圧室
22・・・空間
24・・・開口
26・・・開口調整部
28・・・ニードル
30・・・流量調整弁
32・・・水素タンク
34・・・付勢部材
36・・・ボールジョイント
38・・・付勢部材
40・・・調整部
42・・・第1流体流通孔
44・・・循環路
46・・・筐体
48・・・追い込み幅
50・・・燃料電池システム
52・・・燃料電池スタック
54・・・空気
60・・・ダンパー部材
62・・・パッキン
64・・・付勢部材
66・・・保持部材
68・・・保持部材
70・・・隙間
100・・・エゼクタ装置
102・・・ノズル部
104・・・ニードル
106・・・第1流体
108・・・第2流体
110・・・作動室
112・・・ダイヤフラム
114・・・駆動室
116・・・第1流体流通路
118・・・流通路
Claims (6)
- 筺体(46)の内部に軸方向に形成された流通路(12)内を、上流から下流に向かって流れる第1流体(14)が前記流通路(12)の一部に設けられたノズル部(16)を通過することで生じた負圧による吸引力で、前記ノズル部(16)よりも下流側の流通路(12)内に第2流体(18)を取り込み、前記第1流体(14)と前記第2流体(18)とを合流させ、前記流通路(12)の下流側へ合流した流体を供給するエゼクタ装置(10)であって、
前記流通路(12)の上流側に配置され、軸方向に伸縮することが可能なベローズから構成された感圧室(20)と、
前記感圧室(20)の下流側に構成され、前記ノズル部(16)の開口量を変化させる開口調整部(26)と、を備え、
前記開口調整部(26)は、
一方側が前記感圧室(20)の下流側に接続されるとともに、前記第1流体(14)の圧力が無圧時には他方側が前記ノズル部(16)の開口(24)に当接するように構成されたニードル(28)と、
前記感圧室(20)の内側または外側に、前記感圧室(20)を軸方向の下流に向かって伸張させるように圧縮状態で配設された付勢部材(34)と、
を有し、
前記第1流体(14)が、前記感圧室(20)よりも上流側に配置された流量調整弁(30)で流量が調整された後に前記筺体(46)内に供給され、この流量が調整された前記第1流体(14)が前記流通路(12)内を流れる際に、前記第1流体(14)の流量による前記感圧室(20)の内外での圧力差および前記付勢部材(34)の付勢力による感圧室(20)の伸縮作用により、前記ニードル(28)を軸方向に移動させ、この移動により、前記ニードル(28)の端部と前記ノズル部(16)との間に構成される前記開口(24)の開口量を調整するように構成されており、
前記流通路(12)内に、前記流量調整弁(30)から前記第1流体(14)を流入させていないときには、前記感圧室(20)の内外の圧力差および前記付勢部材(34)の付勢力による感圧室(20)の伸張作用により、前記ニードル(28)が軸方向の下流側に移動し、これにより、前記ニードル(28)の先端が前記ノズル部(16)の前記開口(24)に当接し、前記開口(24)を封止するとともに、
前記流通路(12)内に、前記流量調整弁(30)から前記第1流体(14)を所定の流量で流入している状態から、前記流通路(12)を流れる前記第1流体(14)の圧力が次第に高くなるように、その流量を増加させた場合に、前記感圧室(20)の内外での圧力差および前記付勢部材(38)の付勢力により、前記感圧室(20)を漸次収縮させるとともに前記ニードル(28)を軸方向の上流側に移動させ、この感圧室(20)の収縮および前記ニードル(28)の軸方向の上流側への移動に伴って、前記ノズル部(16)の前記開口(24)の開口量が次第に増大することにより、前記ノズル部(16)を通過する前記第1流体(14)の流速を減少させるように構成されているとともに、
前記流通路(12)内に、前記流量調整弁(30)から前記第1流体(14)を所定の流量で流入している状態から、前記流通路(12)を流れる前記第1流体(14)の圧力が次第に低くなるように、その流量を低下させた場合に、前記感圧室(20)の内外での圧力差および前記付勢部材(38)の付勢力により、前記感圧室(20)を漸次伸張させるとともに前記ニードル(28)を軸方向の下流側に移動させ、この感圧室(20)の拡張および前記ニードル(28)の軸方向の下流側への移動に伴って、前記ノズル部(16)の前記開口(24)の開口量が次第に減少することにより、前記ノズル部(16)を通過する前記第1流体(14)の流速を増大させるように構成されていることを特徴とするエゼクタ装置。 - 前記感圧室(20)は、内部を真空とし密閉されていることを特徴とする請求項1に記載のエゼクタ装置。
- 前記感圧室(20)の上流側の端部を固着するとともに前記開口(24)の開口量を調整する調整部(40)が、追い込み幅(48)内において軸方向に位置調整可能とされていることを特徴とする請求項1または2に記載のエゼクタ装置。
- 前記開口調整部(26)の摺動部分に、ダンパー部材(60)が設けられていることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載のエゼクタ装置。
- 前記感圧室(20)と前記開口調整部(26)との間が、ボールジョイント(36)により接続されていることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載のエゼクタ装置。
- 請求項1から5のいずれかに記載のエゼクタ装置(10)を備え、第1流体(14)である水素を燃料電池スタック(52)内に供給し、前記燃料電池スタック(52)内で水素を空気中の酸素と化学反応させて発電を行うことを特徴とする燃料電池システム。
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