JP5399251B2 - 聴覚処理障害を示す幼児を検査するため、または、正常に成長している幼児の聴覚または視覚情報処理を向上するためのデータを取得する方法およびシステム - Google Patents

聴覚処理障害を示す幼児を検査するため、または、正常に成長している幼児の聴覚または視覚情報処理を向上するためのデータを取得する方法およびシステム Download PDF

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Description

本発明は、全般的に、幼い幼児の高い危険度にある言語学習障害を検査および治療するため、また同様に、正常に成長している幼児の言語学習を向上するための方法およびシステムに関する。
本開示は、35U.S.C.[セクション]119(e)に基づいて、2006年10月13日出願の暫定出願60/851,851に対して優先権を主張する。この暫定出願の教示は、ここにおける本開示の教示に反しない程度において、全面的に包含される。
人生の初期段階における経験は、成熟している脳にとって著しい、継続的な影響がある。一般に臨界期と呼ばれる(ワイゼル&ハベル,1965,サイモンズおよびランド,1987)、増大化された神経系感受性の、短いが極端な出生後期間の経験に依存する可塑性は、成人の皮質内の安定した知覚の基礎を助長する(ド・ヴィラーズ−シダニ,チャン,バオ,メルゼニック,2007)。
幼児についての長期的な研究は、LLIの病因への示唆を提供する。出生時から幼児は、言語および非言語音の認識を可能とする、顕著に洗練された聴覚力を持つ。この現象は、会話言語が発現するずっと前の、言語前駆の研究を可能とする。これら早期の前駆を利用するタスク(たとえば高速聴覚処理)の能力レベルは、16、24、36ヶ月の歳においての言語スキルを予兆するものとされてきた。
低レベル処理スキルが後の言語出力に影響を与えるメカニズムは、発達の早期、つまり、聴覚および音韻マップが構築されている時におそらく発生する。時を経て、粗末にコード化された描写の蓄積された効果は、言語能力の遅れまたは障害の結果となる。しかし、もし早期において、成功裏に早期聴覚処理の効率を上げる干渉が可能なら、後の言語困難性は減少されるか除去されうるだろう。この技術における進展は、幼児を対象とした言語関連の技術の共同体が極めて小さいという事実によって妨げられている。
そのような例の一つとして、幼児および進歩的に遅れている子供に対話または環境をコントロールすることを可能とするメカニズムを提供するよう開発されたシステム、ベービー・バブル毛布(BBB)がある。毛布上で横たわっている際、幼児は、デジタル音を発動するために、頭を回したり足を持ち上げたりといった、単純な動作をする。BBB干渉は、制限された肉体的能力を持つ生後5ヶ月の幼児の、因果関係を学習させる訓練に使用され、母親の発声音に反応してのスイッチ起動回数を増加することに成功した。
もう一つの幼児とのコミュニケーションを対象とするプロジェクトは、幼児の発声音のデジタル録音を自動的に分析するプログラム、早期発声音分析器(EVA)である。最初のEVAの目的は、人間のコーディングのエラーを解消するための標準化された方法で、前駆会話的発声を分析することである。正常および様々な病因を持つ危険性のある幼児の前駆言語的発声を比較することによって、EVAは、評価および可能性としては後の言語障害を予見するためにも使用されうる。しかし、EVAは元々、話し言葉の障害を検出することに焦点が合わせられており、受動的および表出的言語障害の危険性のある子供の特定に関連付けられた問題を十分に対処するものではない。
したがって、幼児に使用されるように、改良への新しいアプローチの必要性がある。言語学習障害と診断された子供を持つ家族にとって、幼児達のためにそのような矯正的または予防的な尺度として役目を果たしうる技術(インターフェース)は、大変興味深いだろう。言語障害の家族暦を持つ家族に生まれた幼児は、そのような障害へのリスクが著しくより高い。最適な言語発達をサポートするインターフェースデバイスは、公衆全体にとっても興味深いものだろう。
およそ20%の幼稚園および学童が、言語障害を患っていると推測されている。
言語に特有の早期障害を見せる50%以上の児童は、識字領域における一生涯に渡る困難性に関連付けられる障害、失読症を発症する。
したがって、言語学習障害の危険性のある幼い幼児を検査するための方法およびシステム、およびそれが一度認識された時の、この障害の治療のための技術の必要性がある。
一側面では、本発明は、次の方法を含む、幼児の情報処理障害を検査するため、または、正常に成長している幼児の聴覚または視覚情報処理を向上するためのデータを取得する方法を提供することで、これらおよびその他の従来技術の欠陥に対処する。a)前記幼児へ、複数のコントロール要素を有する少なくとも一つのコントロール刺激および複数のテスト要素を有する少なくとも一つのテスト刺激を含む聴覚刺激のシーケンスを前記幼児に与える。ここで、前記少なくとも一つのコントロール刺激は、前記少なくとも一つのテスト刺激と比較して、振幅、周波数、周期、および期間のうち少なくとも一つについて相違する。そして、前記少なくとも一つのコントロール刺激および前記少なくとも一つのテスト刺激は、お互いからおよそ1msからおよそ3秒以内に与えられ、前記幼児は前記少なくとも一つのコントロール刺激へと慣らされる。そして、b)前記少なくとも一つのテスト刺激または前記少なくともひとつのコントロール刺激への幼児の反応を記録する。また、前記幼児の反応に応じて、前記少なくとも一つのコントロール刺激または前記少なくとも一つのテスト刺激内の、前記コントロール要素またはテスト要素間の時間幅の期間変更される。一つの実施形態においては、少なくとも一つのテスト刺激への幼児の反応は、オペラント条件付けされた行動反応である。いくつかの実施形態においては、少なくとも一つのコントロール刺激および少なくとも一つのテスト刺激は、10−3秒から1秒に渡る、満たされたまたは満たされない時間幅によって離隔された、複数の知覚要素を含む複合刺激である。ここで、複合刺激は、一つの刺激内で要素間を離隔する時間幅より大きい時間幅によって離隔される。
その他の側面では、本願発明は、次を含む、幼児の情報処理障害を検査するため、または、正常に成長している幼児の聴覚または視覚情報処理を向上するためのシステムを提供する。a)複数のコントロール要素を有する少なくとも一つのコントロール刺激および複数のテスト要素を有する少なくとも一つのテスト刺激を含む、聴覚刺激の第1のシーケンスを発することができる発音機を含む。ここで、前記少なくとも一つのコントロール刺激は、前記少なくとも一つのテスト刺激と比較して、振幅、周波数、周期、および期間のうち少なくとも一つについて相違する。前記少なくとも一つのコントロール刺激および前記少なくとも一つのテスト刺激は、お互いからおよそ500msからおよそ3秒以内に施される。b)発音機へ、操作可能なように接続されたプロセッサ。c)聴覚刺激のシーケンスを開始または変調でき、さらに前記少なくとも一つのテスト刺激と共に補強刺激を開始できる、操作可能なように前記プロセッサに接続された入力装置。d)前記少なくとも一つのテスト刺激または前記少なくとも一つのコントロール刺激への、前記幼い幼児の反応を登録するよう調整されたレコーダー。また、前記幼児の反応に応じて、前記少なくとも一つのコントロール刺激または前記少なくとも一つのテスト刺激内の、前記コントロール要素またはテスト要素間の時間幅の期間を変更する。
3つ目の側面では、本発明は、次を含む、幼い幼児の情報処理障害を検査するための、コンピュータによって読み取り可能な媒体に具現化されたコンピュータプログラムを提供する。a)複数のコントロール要素を有する少なくとも一つのコントロール刺激および複数のテスト要素を有する少なくとも一つのテスト刺激を含む、聴覚刺激の第一パターンを与えることを開始するためのコンピュータコード。ここで、前記少なくとも一つのコントロール刺激は、前記少なくとも一つのテスト刺激と比較して、振幅、周波数、周期、および期間のうち少なくとも一つについて相違する。前記少なくとも一つのコントロール刺激および前記少なくとも一つのテスト刺激は、お互いからおよそ10−3秒からおよそ1秒以内に投与される。b)前記幼い幼児の前記少なくとも一つのテスト刺激または前記少なくとも一つのコントロール刺激への反応を登録するためのコンピュータコード。c)前記コンピュータプログラムを用いて検査するユーザに、前記コントロール刺激またはテスト刺激に対する前記幼児の反応に関するデータとしてのフィードバックを提供するためのコンピュータプログラム。
図1は、幼児の聴覚障害を検査し治療するための方法に使用されうる聴覚刺激の例を示す。 図2は、本発明を体現する装置によって提供される刺激の典型的なシーケンスを示す。 図3は、本方法の「習得化」シーケンスを示すブロック図である。 図4は、本方法の「トレーニング」シーケンスを示すブロック図である。 図5は、本方法の「基準」シーケンスを示すブロック図である。 図6は、本方法の「テスト」シーケンスを示すブロック図である。 図7は、本方法の「干渉」シーケンスを示すブロック図である。 図8は、自動視線追跡インターフェースを使用する、本発明の実施形態のための典型的な装置を図示する。 図9は、自動視線追跡インターフェースを使用する、本発明の実施形態において、幼児に与えられる視覚刺激のサンプルを図示する。 図10は、幼児の高速聴覚処理能力(6−9ヶ月)が、5年で言語測定上の能力をどのように予見するかを図示する。 図11は、幼児の高速聴覚処理能力(6−9ヶ月)が、7年で言語測定上の能力をどのように予見するかを図示する。 図12は、高速連続トーンへの変化する受動的暴露および能動的行動トレーニングの、3つのグループの標準刺激への脳波反応を図示する。 図13は、高速連続トーンへの変化する受動的暴露および能動的行動トレーニングの、3つのグループの標準および逸脱刺激への脳波反応を図示する。
本発明をよりよく理解する目的で、次の定義を提供する。
用語「欠陥」または「欠損」は、本発明の方法の提供時における、正しい反応からの乖離を意味する。「欠陥」は、病的である必要はない。
用語「幼い幼児」は、子供が定期に出産されたとの前提で、およそ2歳より幼い子供を含む。子供が未熟に出産された場合、そのような子供は、正常出産(40週)と実際の出産の間の時間差により、2歳より年上かもしれない。
用語「正しい反応」は、コントロール刺激への条件化された反応の欠如同様、テスト刺激への条件化された反応があることを意味する。
用語「レコーダー」は、幼い幼児の聴覚刺激への反応を評価できる装置を意味し、そしていくつかの実施形態においては、(例えば、保存および/または処理のような)反応の追跡のために使用される。
用語「テスト刺激」は、コントロール刺激とは異なる、幼児のテスト刺激への反応が、オペラント主導であるまたはそう予定される刺激を意味する。
用語「コントロール刺激」は、幼児が慣らされると予定される刺激を意味する。
用語「受動的暴露(PE)」は、複数のセッションに渡って、聴覚刺激の同一ブロックへ自由範囲設定で幼児を暴露することを意味する。
用語「能動的行動トレーニング(ABT)」は、オペラント条件付けされた、頭部回転手続きを使用する、識別トレーニングを意味する。
パターン化された聴覚入力は、早期幼児期の一次聴覚野内における神経処理およびデコード回路の形成において、重大な役割を果たす(バオ,2003,キルガード&メルゼニック,1998;ザンその他,2001,2002)。よって、幼児期における皮質の可塑性の基礎となる神経メカニズムは、より年上の子供や大人とは異なり、そして、干渉技術は特にこの年齢層へ適合されなくてはならない。
本発明の方法およびシステムは、言語が取得される前の、言語が要因である学習障害への最も高い危険性にある幼い幼児の情報処理を、「正規化」および最適化する。よって、言語障害は、発生しないよう完全に治療または防止されうる。そのような技術はまた、正常に発達している幼児でさえ、より効率的で最適な、到来聴覚(視覚)情報の処理を促す。
本発明は、乏しい言語出力の最も高い危険性にある幼児を識別する機会を提供する。そして、彼らを非常に早い年齢(2歳未満、またはより好ましくは12ヶ月未満、またはより好ましくは3ヶ月未満、または最も好ましくはおよそ3ヶ月と5ヶ月の間)で、彼らの持続的で高速な連続聴覚情報の処理を向上することによって彼らを治療する。この早期非口語処理は、発達している脳内で初期言語マッピングを正確に構築するためになくてはならない、重要な下地である。
発明者による研究は、そのような治療は、(適切な刺激パラメータを使用する)受動的暴露パラダイムを使用して可能であることを示唆する(オーチス−マンティラ,チョイノスカ,コーダリー&ベナッシュ,2006)。収束能動的パラダイム(つまりオペラントトレーニング)および視線追跡主導のコンピュータ化された、オペラント条件付きトレーニングを使用して、更なる治療が可能となる。
したがって、広い側面では、本発明は、幼い幼児の情報処理障害を選別および治療する方法を提供する。一般的に、そのような方法は、いくつかのステップで達成される。第一に、コントロール刺激のパターンが幼児へ与えられる。好ましくは、パターンは、同一の刺激つまり同一音を含む。しかし、これらのコントロール刺激は、個別、または2、3、4、等のシーケンスでグループ毎に与えられてもよい、と解されるべきである。本開示では、純粋に単純化のために、刺激の組合せが議論される。一つの組合せ内の刺激は、およそ1ミリ秒からおよそ1秒、好ましくはおよそ10ミリ秒から500ミリ秒、またはおよそ70ミリ秒からおよそ300ミリ秒にわたる、刺激内時間幅(ISIとも呼ばれる)によって離隔される。これらの刺激の組合せは、トライアル間時間幅(ITIとも呼ばれる)によって離隔される。この時間幅は、幼児が断続的な刺激の組合せ間を区別できるように、通常およそ0.5からおよそ3秒間と、十分長くあるべきである。ある実施形態においては、トライアル間時間幅は、すべての知覚要素および全ての満たされたまたは満たされない刺激間時間幅を含む、複合コントロール刺激幅(CCSD)に依存する。よって、トライアル間時間幅は、公式ITI=X×(CCSD)によって計算される。ここで、Xは1.5より大きい。したがって、ITIは、少なくとも1.5倍CCSDより大きく、2倍または3倍、その他、10倍までCCSDより長い。パターンは、刺激のおよそ2から10組の間の組合せを含む。
一度幼児がコントロール刺激へ慣らされると、第二のステップが実行される。
異なる刺激、つまりテスト刺激が、コントロール刺激のシーケンスへ加えられる。図1に示されている、純粋に例示的な実施形態では、新しいシーケンスは、複合コントロール刺激(刺激A(101))を含む。この複合コントロール刺激(刺激A(101))は、2つの同一の音要素を持つ。複合テスト刺激(刺激B(102))は、一つ以上の要素が複合コントロール刺激の複合とは異なる、2つの要素を持つ。複合コントロール刺激および複合テスト刺激は、たとえば周期、周波数、期間、振幅のような、少なくとも一つの個々の性質で相違する。ある実施形態では、テスト刺激は、周波数および少なくとも一つの周期と期間において相違する。図2に示されている一典型的な実施形態では、複合コントロール刺激(刺激A)は、複合テスト刺激(刺激B)より、5倍より頻繁に与えられる。補強刺激は、刺激Bと組み合わせて与えられる。補強刺激の構成は、幼児の年齢、幼児の好みなど、多くの変数に依存する。たとえば、より幼い対象であれば(たとえば6ヶ月より若い)、補強刺激は、幼児の年齢に適当なビデオを含む。補強刺激の発生源は、好ましくは、幼児がビデオを再生するスクリーンへ眼を動かす必要がある位置に置かれる。より年上の幼児(たとえば、6ヶ月より年上)には、補強刺激の発生源は、対象が補強刺激材へ頭を回す必要がある位置に置かれる。二者択一的に、年上のグループ(たとえば、9ヶ月より年上)は、テスト刺激の正しい認識の上、補強刺激の出現を開始するタスクを実行するよう教えられる。たとえば、子供が一旦テスト刺激を聞くと、子供はボタンまたはパネルを触り、そして補強刺激が与えられる(たとえば、ビデオまたは音楽が再生される。)。
本発明の方法の習得化ステージの典型的な一実施形態が、図3に示されている。ブロック301では、聴覚刺激A(101)が表示されている。ブロック302は、聴覚刺激の各々の提示間の、無音のトライアル間の時間幅を表示する。ITIの期間は、シーケンスのそれぞれの投与内では、一定である。決定ブロック303では、ブロック301−302へ戻り、聴覚刺激Aを繰り返すか、またはブロック304へ進む。ブロック304では、聴覚刺激B(102)が表示されている。聴覚刺激Bが提供される時、補強刺激(ブロック305)が即座に起動される。補強刺激が終わると、決定ブロック306へ進む。決定ブロック306では、ブロック301へ戻りそしてシーケンスを続けるか、または、終(ブロック307)へ行き次のシーケンスへ進む。習慣化シーケンス(ブロック301から306)は、幼児を聴覚刺激Bと補強刺激の組み合わせへ暴露するよう、あらかじめ決められた回数繰り返される。習得化シーケンスは、一般的に、この方法の提供の期間中、更なるシーケンスの前に実行される。
幼児が、補強刺激はテスト刺激(刺激B)を伴うものだと学習した後、トレーニング段階が実行される。トレーニング段階の一実施形態が、図4に示されている。ブロック401では、聴覚刺激A(101)が表示されている。ブロック402は、聴覚刺激の各々の提示間の、無音のトライアル間時間幅を示している。ITIの期間は、シーケンスのそれぞれの投与内では、一定である。決定ブロック403では、ブロック401−402へ戻り聴覚刺激A(101)を繰り返すか、ブロック404へ進む。ブロック404では、聴覚刺激B(102)が表示されている。聴覚刺激Bが提供された後、ブロック405へ進む。決定ブロック405では、もし子供が条件化された反応を示さない場合、ブロック406へ進む。ブロック406では、ブロック407へ進む前に、指定された無音の一時停止が、無音のトライアル間時間幅(402)と等時間幅だけ発生する。ここで、ブロック407では、補強刺激が表示される。しかし、もし子供が補強刺激の出現を予測し、正しく条件化された反応(決定ブロック405)を示す場合、補強刺激が即座に出現する(ブロック407)。補強刺激が終わると、決定ブロック408へ進む。決定ブロック408では、ブロック401へ戻りそしてシーケンスを続けるか、または、終(ブロック409)へ行き次のシーケンスへ進むかの決定がなされる。子供が正しく、あらかじめ決められた与えられたトライアル割合を予測するまで、シーケンス(ブロック401から408)が繰り返される。同じ聴覚刺激、無音一時停止時間、および補強刺激が習得化(図3)およびトレーニング(図4)のために使用される。
図5では、本方法の基準シーケンスを示すブロック図が表示されている。ブロック501では、聴覚刺激A(101)が、示されている。ブロック502は、聴覚刺激の各々の提供間の、無音のトライアル間時間幅を示している。ITIの期間は、シーケンスのそれぞれの投与内では、一定である。決定ブロック503では、進むべき3つの可能な方向性がある。ブロック501−502へ戻って聴覚刺激Aを繰り返すか、ブロック504へ進むか、または、ブロック511へ進む。ブロック504では、聴覚刺激B(102)が提供される。聴覚刺激Bが提供された後、決定ブロック505へ進む。決定ブロック505では、子供が条件化された反応を示さない場合、ブロック506へ進む。ブロック506では、無音のトライアル間時間幅(502)に等しい、無音の一時停止が出現し、ブロック509へ進む前に成績ブロック508(「誤り」)が出現する。成績ブロック508では、補強刺激が提供される。しかし、もし子供が補強刺激の出現を予測し、正しく条件化された反応(決定ブロック505)を示す場合、成績ブロック507(「当り」)が出現し、補強刺激が即座に出現する(ブロック509)。補強刺激が終わると、決定ブロック510へ進む。
ランダム化された計画に従うと、本方法は、決定ブロック503で上記シーケンスから逸脱する。決定ブロック503では、ブロック504が出現するのと同じ頻度で、シーケンスがブロック511へ進む。ブロック511では、聴覚刺激Aが提供され、502と同一の、無音のITI(ブロック512)が続く。もし子供がこの期間条件化された反応を示さない場合、本方法は得点ブロック515で「正しい拒絶」を記録し、決定ブロック510へ戻る。もし子供がブロック512中条件化された反応を示さない場合、本方法は「失敗警告」を成績ブロック514に記録し、決定ブロック510へ戻る。
子供が正しくあらかじめ決められたトライアルの部分を予測するまで、シーケンス501−510が繰り返される。その時、基準シーケンスが、「通過」として記録される。正しい反応は、「当り」および「正しい拒絶」の組合せでなくてはならない。ここで、これらの反応の割合は、「誤り」および「失敗警告」より著しく高い。もし子供が、固定回数のトライアル内で、正しい反応のあらかじめ決められた閾値を超えない場合、基準シーケンスが「失敗」として記録される。図6では、本方法のテストシーケンスを示すブロック図が示されている。たとえば、例示的な実施形態では、相違の3つのレベルが可視化されている:基礎、中級、上級。もしテストが、刺激内時間幅(ISI)だけ相違する場合、基礎レベルでは、コントロール刺激およびテスト刺激間のISIの両者内のISIは、比較的長い期間(たとえば300ms)である。中級レベルでは、ISIはより短い期間(たとえば100ms)であり、上級レベルではもっと短い(たとえば40ms)。図6にあるこの例によれば、ブロック601では、図5にあるように、上級レベルで提示される聴覚刺激を使用して、基準シーケンスを与える。もし子供が基準シーケンスで「通過」(602)の成績を受けると、ブロック603へ進み、上級レベルで提供される聴覚刺激を使用して、干渉シーケンス(図7)を開始する。もし子供が基準シーケンスで「失敗」(604)の成績を受けると、ブロック605へ進み、図5にあるように、中級レベルで提供される聴覚刺激を使用して、基準シーケンスを与える。もし子供が基準シーケンスで「通過」(606)の成績を受けると、ブロック607へ進み、中級レベルで提示される聴覚刺激を使用して、干渉シーケンスを開始する。もし子供が基準シーケンスで「失敗」(608)の成績を受けると、ブロック609へ進み、図5にあるように、基礎レベルで提示される聴覚刺激を使用して、基準シーケンスを与える。もし子供が基準シーケンスで「通過」(610)の成績を受けると、ブロック611へ進み、基礎レベルで使用される聴覚刺激を使用して、干渉シーケンス(図7)を開始する。もし子供が基準シーケンスで「失敗」(612)の成績を受けると、ブロック613へ進み、セッションを中断する。図4にあるように、トレーニング手順の次のセッションを開始する。
トレーニングシーケンス中通過した最終困難レベルは、本方法の干渉シーケンスのための、子供の基礎水準処理インデックスと考えられる。
図7では、本方法の干渉シーケンスを示すブロック図が示されている。ブロック701では、図3のように、テストシーケンス(図6)中または事前干渉シーケンス中に決定された、子供の基礎水準インデックスの聴覚刺激を使用して、習得化シーケンスを与える。ブロック702へ進み、図5にあるように基準シーケンスを与える。もし子供が通過する場合、成績ブロック703へ進み、それから事前に定義されたインクリメント(ブロック705)だけ、刺激レベルの困難度を上げる。もしブロック702で子供が基準シーケンスに失敗する場合、成績ブロック705へ進み、あらかじめ定義された、ブロック704のインクリメントより小さいデクリメントに従って刺激困難度(ブロック706)を下げる。決定ブロック707では、基準ブロックを2回続けて失敗する場合、調査トライアル(ブロック708)を与える。調査トライアルは、子供の現基礎水準処理インデックスを使用する、基準シーケンスからなる。もし子供が通過する場合(ブロック709)、ブロック702へ戻る。もし子供が失敗する場合(ブロック710)、決定ブロック707へ戻り、調査トライアルを2回まで繰り返す。もし子供が3回連続、または5回非連続して決定ブロック707で失敗を記録する場合、ブロック711へ進み、セッションを中断する。干渉セッションは、前セッション中通過された最高困難度を使用して、次回再開される。
早期の人生経験は、成熟している脳にとって著しい、継続的な影響がある。一般に臨界期と呼ばれる(ワイゼル&ハベル,1965,サイモンズ&ランド,1987)、増幅化された神経系感受性の、短いが極端な出生後時期の経験依存の可塑性は、成人皮質内の安定した知覚の基礎を助長する(ド・ヴィラーズ−シダニ,チャン,バオ,メルゼニック,2007)。
ラットの聴覚野の臨界期は、P11−P12での低閾値聴覚の発現に追従し、そしてラットの出生後の一生における最初の1月を越えて長期化することはない(ザンその他,2001)。しかし、その発現および継続期間は、人間の幼児を含めて、今日その他どの哺乳類においても決定されたことはない。しかし、幼児を高速で一時的な、中枢聴覚処理に効率的であると信じられている聴覚処理要素への敏感化させることが、発達している聴覚野の経験依存の変更のためのこの早期の臨界期中、より高い確立で達成される。
幼い幼児の皮質の皮質可塑性のメカニズムは、(ラットの研究によって示されているように)基底核および基底前脳によって駆動されると考えられている。したがって、年上の子供および大人に仮定されているメカニズムとは異なる神経メカニズムが関与している。
何人かの研究者は、動物モデルを使用する、主にラットでの、聴覚皮質の組織化および可塑性について研究している(バオその他,2003;パーカッチオその他,2005,ザンその他,2001)。最近の発見によると、発達している聴覚野における経験依存の競合する変更が効率的な一時的パターン化の組織化となる、早期「臨界期」がある(カッツ&シャッツ,1996;ザンその他,2001,2002)。特に、パターン化された聴覚入力は、早期幼児期における基底聴覚野の神経処理およびデコード回路形成に、重要な役割を果たすと思われる。よって、競合する神経活動は特に重要で、そしてAL(基底聴覚野)神経細胞のスペクトル時間構造を定義する神経回路を形成するのに示唆的な役割を果たす(ザンその他,2001)。そして、神経基底および基底前脳へのコリン作用性注入の制御化では、前記役割を果たす(バオ,2003,キルガード&メルゼニック,1998)。人間の幼児のこの重要期の境目はいまだ定義されてはいないが(ド・ヴィラーズ−シダニその他,2007)、早期幼児期は発達している脳にとっては、正確で効率的である言語取得にとって重要なスペクトル時間経路を構築するよう主導する、理想的な時である。研究によると、幼児期に皮質可塑性が引き起こされる神経メカニズムは、年上の子供や大人のものとは相違する。
したがって、本発明の方法は、幼い幼児へ適用されると有利であり、よりよい認知および言語能力へ導く、彼らの脳の発達に長期に渡る有益な影響を及ぼす。言語学習障害(「LLI」)の危険性のある幼い幼児が、本発明からもっとも多大な恩恵を受けるとさらに考えられる。LLIへのリスクがあるそのような幼児は、本発明のある実施形態に従うテスト結果、そして/またはLLIの家族暦の有無、そして/または未熟出産の有無や出生時低体重を含む、さまざまな要素に基づいて決定される。
本発明の方法は、さまざまなシステムによって実装される。たとえば、一般的に、システムは、上記のように所望の音響パターンを発信できる発音機、操作可能なように発音機に接続されたプロセッサ、入力装置、および、操作可能なようにプロセッサへ接続されかつ聴覚刺激のパターンを開始し変調できまた補強刺激を開始できる、少なくとも一つの刺激への幼児の反応を登録するよう適用されたレコーダー、を含む。
本発明に適合する発音機が知られている。制限のない、適当な例は、たとえばラップトップまたはデスクトップパソコンへ接続されうるスピーカーのようなものである。入力は、複数のキーによって変更される。異なるキーの押下によって、異なる聴覚刺激パターンおよび/または補強刺激を開始する。システムはさらに、少なくとも一つのスクリーンを含む。この実施形態では、補強刺激は、もっとも好ましくは、ビデオ(たとえば漫画)である。
システムのレコーダーの選択は、トレーニング手続きに依存する。たとえば、トレーニングが視線変化へ集中される場合、ビデオカメラまたはデジタルカメラは眼の動きを捕らえるために使用される。この技術で知られる適当なソフトウェアが、カメラによって得られる画像を処理するために使用される。二者択一的に、またはカメラに加えて、本開示の例に示されるように、たとえば脳のある領域からの脳内活動のような、生理学的な反応が記録される。その他の実施形態では、眼の運きまたは頭部の動作が、観察者、または筋肉活動の電気生理的計測によって記録される。
その他の実施形態では、単一の装置が入力およびレコーダーの両方を果たす。たとえば、その他の実施形態では、幼児がテスト刺激に反応してボタンかパネルを触るように、またはその他の行動を実行するようにトレーニングされる。ボタンやパネルを正しい時に触る行動は、新しいパターンの聴覚刺激を開始し、正しい反応を記録し、補強刺激を与える。二者択一的に、ボタンが不正な時に押された場合(たとえば、コントロール刺激の後)、または、ボタンが正しい時に押されてない場合、反応は不正な反応として登録される。
他の制限のない実施形態では、本発明のシステムは、コンピュータサーバ、ネットワークで繋がれたコンピュータのセット、または、業界で知られるか、今後考案されるその他の好ましい実施形態で実装される、計算システムを含む。さらに、好ましい計算システムまたは入力装置および/またはディスプレイ装置(たとえば、パソコン、個人用デジタル補助機、携帯用コンピュータ、ラップトップコンピュータ、ノートブックコンピュータ、情報端末、携帯電話、および/またはその類のもの)を介して、ユーザ(つまり、世話人および幼児)はシステムと相互通信できる。さらに、ユーザの計算システムは、最終的には、好ましいデータ通信ネットワークを介して、本発明のシステムへ接続される。ユーザとシステム間の通信は、好ましいどのような通信手段でも良い。たとえば、電話通信、公衆電話切替ネットワーク、イントラネット、インターネット、エクストラネット、WAN、LAN、無線通信、衛星通信、および/または、その類のものである。たとえば、ネットワークは、安全ではなく盗聴者にオープンであると想定される、公衆ネットワークである。ある実施形態では、ネットワークはインターネットとして体現される。この意味では、コンピュータ(たとえばユーザおよび/またはシステム)は、常にインターネットに接続されているとは限らない。たとえば、コンピュータは、選択的にインターネットに接続されるモデムを使用し、または、インターネットへの恒久的な接続を維持する。ネットワークは、たとえば相互に通信可能なテレビ(ITV)ネットワークのような、他のタイプのネットワークとして実装される。
自動視線追跡システムを有する本発明のシステムの制限のない一例が、図8に示されている。この実施形態は、一つ以上のディスプレイスクリーン(802、803)、音響スピーカー(804)、眼画像カメラ(805)、を備えるマイクロコンピュータ(801)、および、方法を伝達し眼の動きを追跡することによって幼児の関心の視点を認識する、必要なハードウェアおよびソフトウェア要素を含む。
本実施形態では、眼画像カメラ、ディスプレイスクリーン、およびスピーカーから適切な距離にあるハイチェアに幼児を座らせる。聴覚刺激A(101)および刺激B(102)は、本方法のルールに従って、スピーカーから継続的に発せられる。
図9では、自動視線追跡システムを使用する実施形態のために、ディスプレイスクリーン(803)に伝達される視覚刺激の典型的な図が示されている。
このタスクで使用される補強刺激は、フルカラーのアニメーション化されたビデオの一部である。補強刺激は、本方法のルールが補強に頼らない限り、示されるように(901)、ブランクのディスプレイスクリーンの定義された領域内に表示される。
補強が特定されると、示されるように(902)、ビデオが現れる。補強刺激ディスプレイは、901に示されるように、消えたり元の状態に戻ったりするまで、予め決められた期間だけ維持される。本方法の実行中常時、アニメーション化、パルス化、またはフラッシュ化された幾何学的パターンからなる固定点(903)は、補強刺激がない時、幼児がビデオ表示領域(901)に滞るのを防ぐ。
更なる実施形態では、システムはさらに、少なくとも一つの聴覚刺激を保存するメモリ、好ましくは複数の異なる聴覚刺激パターンを含む。一実施形態では、少なくとも一つのテスト刺激への幼児の反応は、発音機へ少なくとも聴覚刺激の第二パターンを転送する。本発明の本実施形態の利点は、そのようなシステムはおもちゃまたはゲームに含まれうるという点である。そのようなおもちゃやゲームでは、幼児が補強刺激を楽しむためのテスト刺激を認識する時、幼児はタスク(たとえば、ボタンやパネルを触れたり、レバーを引いたり)を実行するよう教えられる。実施の形態によっては、補強刺激は、視覚刺激(たとえば、漫画の画像)か聴覚刺激(たとえば、音楽の一部)、またはその他のいかなる選択される好ましい補強刺激(たとえば、動いているおもちゃの列車)である。
一実施形態では、本システムは、いかなるタイプのパソコン、個人用デジタル補助機、携帯用コンピュータ、ラップトップコンピュータ、ノートブックコンピュータ、ネットワークコンピュータ、ワークステーション、小型コンピュータ、大型汎用コンピュータ、その他、と共に実装されるソフトウェアプログラムを含む。これら装置は、いかなるバージョンのWindows(登録商標)、Windows NT(登録商標)、Windows2000(登録商標)、Windows98(登録商標)、MacOS(登録商標)、MacOS X(登録商標)、Linux、UNIX、またはその類、オペレーティングシステムを稼動する。この意味で、ソフトウェアは、いかなる好ましい保存媒体(たとえば、ハードディスク、CD−ROM、および/またはその類)に保存され、および/またはその他の計算システムから通信ネットワークを介してダウンロードされる。例1.高速な連続聴覚信号への受動的暴露は、時間経過を通して皮質反応を調節する。
必要なものおよび方法。
参加者:聴覚、言語、または神経学的に通知された問題のない、テーブル1にまとめられるように3つのグループに分けられた、47人の健康な満期出産児。
HTタスクへの刺激は次のように選択される。100または300ヘルツのFを持つ70msの混合トーンで、ISIの組合せ内の70、300、または500msのどれか一つを持つ、15の高調波(1オクターブ毎に6−dbロールオフ)。標準(2つのコントロール要素を持つ刺激)=100−100ヘルツ。ターゲット(順に、コントロール要素およびテスト要素)=100−100ヘルツ。
事象関連脳電位(「ERP」)は、次のように選択された。
100または300ヘルツの基本周波数、および300かまたは70msの組合せ内刺激間時間幅(ISI)を持つ、複合トーンの組み合わせ。
700msの組合せ間の幅を持つ、低−低(100−100ヘルツ)標準間の逸脱(15%)として、低−高の組合せ(100−300ヘルツ)が、オドボールパラダイムにおいて提供された。
組合せは、音響スピーカーを介して75dB SPL自由音場において、参加者の左右へ提供される。
幼児は、意識がはっきりして目覚めており、静かなビデオを見せられ、または無音のパペットショーを楽しんでいた。
EEG/ERPデータは、センサネット(エレクトリカル ジオデシーズ,Inc.)内に接続された62のAg/AgCl電極によって、記録された。
EEG電極は頂点電極へ参照され、オフラインで平均参照(全頭)へ再参照された。ERPは、0.5−25ヘルツのバンドパスによってオフラインでフィルターされ、+/−200μVより上の信号を含むエポックは捨てられた。
人工物を含まない残りのエポックは、トライアルのぞれぞれのブロックに対して、刺激のタイプ(逸脱または逸脱前標準)によって、平均された。
ピーク振幅および潜時値は、前頭(F、F、およびF)、前中頭(Fc、Fc、およびFc)、中頭(CおよびC)、側頭(TおよびT)、頭頂(PおよびP)、後頭(OおよびO)領域における、N250、P350およびMMR要素について摘出された。
平均潜時および振幅のグループ差を調査するために、一方向ANOVAsが、70および300msISI条件で実行された。
グループ相互干渉によって刺激(標準および逸脱)を調査するために、2×3ANOVAsが、70および300msISI条件で実行された。
グループ相互干渉によって半脳を調査するために、2×3ANOVAsが、70および300msISI条件で実行された。
結果。
300msISI:
N250:標準および逸脱反応の、潜時または振幅のいずれかのグループ差はなし。
P350:グループA:前頭、前中頭、および、中頭領域での、グループBおよびCより早期のP350潜時。
MMR:グループA:前中頭および中頭領域で、MMR(ミスマッチに似た)反応がグループBおよびCより早く現れた。
70msISI:
N250:グループA:標準(全頭領域)および逸脱(前方領域)に対する潜時は、グループBおよびグループCより早かった。
グループBは、標準刺激に対してより早い前方潜時反応、および、逸脱刺激に対してはグループCより早い側頭反応を示す。
N250:左右の半脳間の標準および逸脱に対するN250潜時には、著しい差異は見つからなかった。
P350:グループAでは、グループBおよびCよりも、前頭および前中頭チャネルでの逸脱へのより速い潜時が観られた。
MMR:ミスマッチに似た反応が、前頭領域において、グループAに対してより早く現れた。
これらの実験の詳細な結果は、表2において提供されている。
表2は、70msISI条件での、N250反応平均(標準偏差)差異を示す。グループAは、24ヶ月での標準および逸脱両者に対してより早い反応を示す。
図12に示されるように、グループAは、24ヶ月での左中頭領域で計測されたように、70msISI条件での標準刺激へのより早い反応を示す。
図13に示されるように、グループAは、24ヶ月での左中頭領域で計測されたように、70msISI条件で提供される刺激へ、より早くより堅強な反応を示す。
まとめると、これらのデータは、同一の高速で連続な聴覚刺激への累積的な受動的暴露は、時間経過と共に皮質反応を調節し、遅いおよび速い聴覚識別化に対する、特に処理効率を顕著に向上する(つまり、潜時を減少させて振幅を上昇させる)ことを示す。しかし、最も強い促進効果が、速い連続聴覚信号には、早期言語取得について、決定的に重要な基礎として観察される。能動的行動トレーニングが、さらに処理効率を向上させるという証拠もまた観られる。観察されたグループ差は、長期準備的効果を表すか、または、これらの種の識別化を形成するために使用される、具象化マップの精錬を反映するかも知れない。
ハードウェア構成。
図8に示される主要要素からなるシステム:パンチルトの光学部および磁気ヘッド追跡機を有する、アプライド サイエンス ラボラトリーズ(モデル504)からの遠隔視線追跡システム、眼追跡機を制御する指定PC、および、評価ソフトウェアを制御する第二のPC。タスクのための特定の相互作用シーケンスは、視線追跡制御ユニットからのシリアルデータリンクを介して60ヘルツで転送され、注視点座標から決定される幼児の振る舞いに依存する。
このタスクで使用される視覚刺激は、幼児用ハイチェアに座らせられた時、対象の頭部から28インチ離れて位置する、24インチワイドアスペクトLCDモニター上に表示される。ディスプレイ領域は、およそ40度の水平視野角度、および25度の垂直視野角度まで広がる。対象がテスト環境で物に邪魔されないように、周囲の照明は、刺激用ディスプレイスクリーン辺りでは、およそ10ラクス程度へ落とされる。
現在のシステムの評価段階中は、システムが正常に機能するよう確証するために、最低二人のオペレータがいた。隣接する観察室内の第三オペレータは、刺激ディスプレイの中心線下に位置するインフレアカメラからのビデオ供給を使用して、手作業による幼児の視線のブラインド・コーディングを行った。親または世話人が、起こりうるどのような必要にも対応できるように、幼児の隣に(しかし視野内にはいない)座っていた。
タスク設定。
評価の全体設計は、オペラント条件付き手続きが成功する前になくてはならない、いくつかの主要要素間の、注意深いバランスを示す。特に、(1)来るべき報酬を合図するために使用される、条件化された刺激合図。(2)報酬刺激そのもの、子供の注意を十分に引き、そしてタスクに持続的な没頭を促すディスプレイ。そして、(3)幼児が報酬の予測を示すオペラント反応。
a.条件下された刺激(音)。
この応用の目標は到来する聴覚情報を処理する幼児の能力を評価することであるから、対照的な音が、条件化された刺激を作成するために使用される。
このパラメータの変更が、非常に似ているから非常に異なるの幅に渡る原型の配列となるように、これら2つの音は一般的に、単一の聴覚性質上異なる。追求される特定の研究課題に依存して、そのようなパラメータは、周波数、複雑さ、変調、振幅、または言語の様々な音韻特性を示す。
オペラント条件付きタスクでは、一つの音が習得化された刺激として指定され、音響的には不変に保たれる。慣れた刺激が、一事象と次の開始のオフセット間にある、1.5秒の無音トライアル間時間幅(ITI)と共に表示される。正確なITIは使用される音の本質に基づいて調整されるが、効率的なテストを可能とするために十分に短くあるべきであるが、しかし別個のユニットとして処理されるのを確証するために、十分長くあるべきである。選択される適切なITIによって、幼児はすぐに慣れた刺激へ慣らされると予想される。
第二の音は、新しい刺激として指定され、前作業の推奨ごとに、およそ1:5の比率で慣れた刺激の箇所で提供される。下記に議論されるように、それは、はじめ子供を来る報酬への注意を喚起するために使用される、新しい刺激である。時間経過と共に、音の音響パラメータは、幼児が検出できる最小の差のおよそのインデックスを確立するために、体系的に変化させられうる。
b.報酬刺激(ビデオ)。
このタスクで使用される報酬は、年齢に適したDVDタイトルのコレクションから選択された、フルカラーアニメーションビデオの一部である。ビデオは、無音で、ディスプレイスクリーンの視野角度15度の、25を表示する、定義領域内の左側へ表示される。図9(A)は、慣れた聴覚刺激でのトライアル中現れる、空白のビデオディスプレイ領域を示す。
新しい刺激のトライアル中、ビデオが図9(B)に示されるように出現する。報酬ディスプレイは、消える前に4秒続く。DVDは、報酬が見えない時でも背景で再生されるので、子供が見るであろう正確なビデオの部分は変化し、画一的ではない。報酬刺激は、子供の注意を引くのに十分複雑で長いが、タスクを学習する能力を妨げるほど刺激的ではない。
c.オペラント反応。
このタスクの主たる前提は、幼児が、条件化された(新しい)刺激とビデオ報酬の出現の間の関連性を学習できるかどうかである。新しい刺激が提供された後しかし報酬が現れる前に、幼児がビデオ表示領域へ視線を向ける時、この偶発事象の学習の成功が示される。
対象が単にビデオ表示領域を見つめていて、報酬が現れるのを待っていないのを確証するために、子供の視線が定義された領域にない場合、実験ソフトウェアは新しいトライアルを提供しない。アニメーション化され、パルス化され、またはフラッシュ化された幾何学的パターンからなる固定点(図9(c))が、習得化トライアル中ビデオ領域内に子供が意識的に滞るのを阻止するために使用される。
タスクシーケンス。
図2のタイムラインは、タスクの30秒サンプルがどのようなものかを示す。慣れた(F)音刺激が、それぞれの新しい(N)トライアル間、2から7回発生する。幼児が新しい音を聞いた後正しくオペラント反応を示すなら、ビデオ報酬が即座に起動される。反応が検出されない場合、システムは2回まで新しい刺激を反復する。2回目の反復後反応がない場合、システムは幼児の振る舞いにかかわらず、ビデオを再生する。それによって、新しい刺激と報酬間の関連を補強したり、再度目覚めさせたりする。報酬ビデオの頻繁な提供はまた、幼児がタスクに従事し続ける時間の全体量を増やすように設定される、小「休止」として働く。
提供プロトコル。
オペラント条件付けされた観察タスクは、幼児が2音間を区別できるかどうか、および幼児がオペラント偶発事象を学習できるかどうかを確立するように設計された、実験的研究プロトコルへ組み込まれる。HTタスク用の刺激は次のように選択される。その他のオペラント条件付けされたタスクで使用される3段階プロトコルが、この研究で使用される。
a.トレーニング段階。
最初の評価段階が、新しい刺激と報酬間の関連を条件付けるために使用される。
幼児が2つの聴覚刺激の違いを区別できることを確証するために、最大の音間隔のある(つまり、最も区別可能である)典型が使用される。全10移行トライアルが提供される。用語「移行トライアル」は、新しい刺激が報酬に続く場合における、事象へ付けられる、単なる名前に過ぎない。
この段階の早期では、新しい刺激の2回目の反復後1.5秒(標準トライアル間時間幅の長さ)で発生する、報酬の提供の後にのみ、幼児はビデオディスプレイ領域へ正しい方向に向くと期待される。第一の新しい提供の消失とビデオの出現の間の時間幅は、得点時間幅と呼ばれる。トレーニングが進むに連れ、刺激−報酬の偶発事象を学習する幼児は、一般的に、得点時間幅中のある点のビデオ領域へ眼を向け始める。この反応は、「当り」と記録され、ビデオの即座の起動により補強される。幼児が報酬の期待に関心を示さない移行トライアルは、「誤り」として記録される。最終の6移行トライアルで4またはそれ以上の当りを記録する幼児は、タスク上でトレーンニングされたと考えられ、基準段階へ進む。テスト執行者の配慮により、この基準に満たない子供は、トレーニング段階を繰り返し、基準段階へ進む。
b.基準段階。
第二の評価段階は、移行トライアル間にちりばめられた10の非移行トライアルの導入以外では、トレーニング段階と似ている。幼児の視点からは、非移行トライアルは、単に慣れた刺激の事例である。研究者の視点からの相違点は、慣れた刺激への成績インタバルの追加である。非移行トライアルは、移行トライアルから得られた当りが正しい能力を表すのか、または、ビデオディスプレイ領域への嗜好ゆえの観察バイアスであるのかの決定を可能とする。幼児が非移行記録時間幅中、報酬領域を見る場合、トライアルは「失敗警告」として記録される。そうでなければ、「正しい拒絶」として記録される。
従来からの幼児能力の評価指標によると、参加者が5連続トライアル中、少なくとも当り2つおよび正しい拒絶を2つ記録すると、参加者は基準を通過したと考えられうる。この「5分の4ルール」を満たしたうえで、子供はテスト段階へ直接移行する。しかし現プロトコルでは、全ての20基準トライアルが提供され、能力の如何に関わらず記録される。
c.テスト段階。
2つの聴覚刺激間の音間隔が減少された以外は、テスト段階は基準段階と同様である。幼児の状態によっては、2つまでの20トライアルテスト段階が提供され、それぞれが異なるレベルの困難度を持つ。それぞれの異なるレベルでの能力が、全ての正しく記録されたトライアル(当りまたは正しい拒絶)の割合として、記録される。60%より高い正解率は、一般的に、子供がタスクを学び、識別化を実行できるという事実を示唆すると考えられる。より高い値は、対象の能力が偶然より高いという、より大きな確信を示す。70%では、t(19)=−2.179,p<0.05;80%では、t(19)=−2.854,p=0.01。
評価。
短い会釈セッション中、世話人がコンセントフォームおよび短いアンケートを記入し、その後、幼児はハイチェアへ座らせられ、最適な見え方ができるように位置づけられる。その間、無音のアニメーションビデオが刺激スクリーン上に表示される。
ビデオは、それから再配置され、初期視線追跡校正が評価タスクのため十分であるかどうかを実証するため、浮上刺激校正手続きにより再計測される。ほとんどの幼児とって、十分となる。そうでなければ、2つの保存された校正までが、2点「即行」校正が実行される前に、試行される。もし即行の校正が失敗する場合、最後の望みとして、9点「全」校正が使用される。ルールとして、実験の手続きのための幼児のエネルギーを浪費しないために、我々は校正段階をできるだけ短くするよう努める。
一度校正されると、幼児は即座に3段階評価手続きへ移行される。この時点での我々の意向は、幼児処理能力を研究するというよりは、オペラント観察タスクの効率化を評価することであったので、比較的単純な聴覚対照が使用された。この方策は、困難な刺激が導入されるという、起こりうる混乱効果を低減することによって、出力データの単純な解釈を促す。
刺激は800または1200ヘルツの基準周波数を伴う正弦関数的複合トーンの組合せとして構築される。それぞれのトーンは、オクターブ毎に6dBロールオフを持つ、第一の15高周波を含む。それぞれのトーンの期間は70msである。慣れた刺激は、短い刺激間時間幅(ISI)によって離隔された、2つの800ヘルツトーンから構成された。新しい刺激は、等しいISIによって離隔される、一つの800ヘルツトーンおよび一つの1200ヘルツトーンから構成された。幼児との作業では同様のトーンとの組合せ刺激が使用され、言語学習障害の家族暦のない幼児によって差別化できるように、電気皮質的事象関連電極を介して示されてきた。
全ての音は72dB SPLで、刺激用ディスプレイスクリーンの両サイドに位置する、ステレオスピーカーから提供された。テスト段階間で変化する音響パラメータは、刺激間時間幅の期間であった。トレーニングと基準のために200msのISIが使用され、この遅い提供率は、すべての幼児によって区別できた。2つのテスト段階のため、60msおよび100msという、よりチャレンジし甲斐あるISIが、テスト1およびテスト2においてそれぞれ使用された。ありがちな倦怠からくる効果を抑制するために、これらが提供される順序は、釣り合いが保たれた。
幼児がどれだけの時間をタスクに費やしたいのかを評価するために、それぞれの子供に対して、できるだけ多くの評価を提供するよう努めた。実際にはこれは、ほとんどの対象が、彼らの状態は更なるテストを不可能にする点に達したことを意味した。実験セッション中、またはビデオレビューに基づいてその後に、研究者は、子供の注意がはっきりしている、または反対に散漫と考えられるどちらかの時点を注記した。
観察タスクを結論付けた後、参加者は、標準化された知数テストが与えられるほかの部屋へ導かれた。
結果。
上述の研究プロトコルについて、12ヶ月より歳下の21人の幼児が、評価研究へ参加した。その内3人が、気性、状態、技術的欠陥、または、方法論的不規則性といった理由のために、満足してテストし得なかった。残りの18人の参加者(男12人、女6人)の内、平均年齢は6ヶ月と2日であった。全員が、幼児開発バークレイ・スケール(第4版)の通常のIQ範囲内にあるとされた。この研究の人口平均は105であり、標準偏差は12.4であった。
表3は、それぞれの実験参加者の結果データを表示する。
基準およびテスト段階について、表示される値は、与えられたトライアルの全回数に対する正しい反応の割合を意味する。
実験幼児からのデータ。サイン*はp<0.05を、サイン**はp<=0.01を示す。2つのうち最初のテストが与えられた。
全体的に、89%の参加者がトレーニング段階を通過した。正式な提供プロトコル下では、トレーニングを失敗した対象は、基準およびテストへ進まなかった。これらの段階は、しかしながら、その他の研究課題を調査するために、現評価において実行された。実験セッションは全ての段階が与えられるまで、または、幼児の状態が協力的でなくなるまで、終結しなかった。18人の幼児の内14人の幼児が、基準後、少なくとも一つのテストの提供を受けるのに、十分落ち着いていた。その中の3人の幼児のみが、第2テストの提供を受けた。
基準段階のグループ能力は、著しく偶然より高く、トレーニングをこなして通過した16人中11人の個人(69%)は、偶然よりはるかに高いものとなった(t(16)=−8.796,p<0.001)。基準として従来の5分の4ルールに従えば、トレーニングされた個人の100%が通過実力を示した。
テスト段階1および2での結果は、基準として観察されたものより低かったが、依然偶然よりはるかに高いものだった(t(14)=−4.750,p<0.001)。ISIテスト条件間で、著しい差異は見つからなかった。
幼児がハイチェアに座らせられた時からセッションが終了するまでの完全な実験プロトコルは、平均して11分続いた。この合計は、セットアップ、校正、および幼児とのやり取りに費やされた時間に加えて、タスク提供の全ての段階を含む。テスト段階に従って細分化すると、平均経過時間は、ブロック毎に次のようであった。
トレーニング − 2分15秒。
基準 − 3分14秒。
テスト − 3分10秒。
量的分析
トレーニング段階を通過する対象の一部は、幼児は継続的な聴覚ストリームの変化へ反応して予測される観察を示すように条件づけられ得る、という結論を支持する。基準段階中に観察された正しいトライアルの高い割合は、オペラント反応が一般的予想バイアスを示すというよりは、新しい聴覚刺激へ選択的であったことをさらに示唆する。
基準段階の対象内での分析は、また、年齢2−3ヶ月、4−5ヶ月、6−11ヶ月によってグループ化される場合、より微小な差異の反応パターンを開示する。
全体的な結果は、全てのグループについて類似しており、最も幼い幼児は後半のトライアルでよく反応する傾向があった。一方、最も年上は前半でよく反応した。
中盤のグループにある対象は、前半後半とも一定に反応した。
この観察は、より幼い幼児はタスクを学習するのにより長い時間を必要とするが、一旦良く反応し出すと彼らは良く反応できることを示唆する。反対に、最も年上の幼児は、タスクを速くマスターするようだが、その後興味を失う。その最適な反応のパターンが時間経過に渡って一定なパターンであるとすれば、現タスクは、4−5ヶ月の個人に最も適していることを示唆する証拠となる。
全ての引用文献は、ここにおいて、その全体に渡って参照によって組み込まれる。
前述の特定は本発明の本質を教えてくれる一方、例示の目的で提供された例をもって、当業者にとっては、本開示を解読することで、形式および詳細の様々な変更が、本発明の本質の範囲から外れることなくなされるという恩恵を受けることだろう。

Claims (28)

  1. 幼い幼児の情報処理欠陥を検査するため、または、正常に成長している幼児の聴覚または視覚情報処理を向上するためのデータを取得する方法であって、
    a)複数のコントロール要素を有する少なくとも一つのコントロール刺激および複数のテスト要素を有する少なくとも一つのテスト刺激を含む聴覚刺激のシーケンスを前記幼児に与え、ここで、前記少なくとも一つのコントロール刺激は、前記少なくとも一つのテスト刺激と比較して、振幅、周波数、周期、および期間のうち少なくとも一つについて相違し、前記少なくとも一つのコントロール刺激および前記少なくとも一つのテスト刺激は、お互いからおよそ10−3秒からおよそ3秒以内に与えられ、前記幼児は前記少なくとも一つのコントロール刺激へと慣らされ、および、
    b)前記少なくとも一つのテスト刺激または前記少なくとも一つのコントロール刺激への前記幼児の反応を記録する、
    ことを含み、
    前記幼児の反応に応じて、前記少なくとも一つのコントロール刺激または前記少なくとも一つのテスト刺激内の、前記コントロール要素またはテスト要素間の時間幅の期間変更される方法。
  2. 前記少なくとも一つのコントロール刺激および少なくとも一つのテスト刺激は、およそ10−3秒からおよそ1秒に渡る時間幅によって離隔された、複数の知覚要素を含む複合刺激であり、
    そして、刺激同士は、一つの刺激内で要素間を離隔する時間幅より大きい時間幅によって離隔される、請求項1に記載の方法。
  3. 反応は眼の動きである、請求項1または請求項2に記載の方法。
  4. 少なくとも一つのテスト刺激と共に補強刺激を与えることをさらに含む、請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載の方法。
  5. 幼児の少なくとも一つのテスト刺激への反応はさらに、オペラント条件化された行動反応である、請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載の方法。
  6. 前記幼児に少なくとも一つの第二のコントロール刺激および少なくとも一つの第二のテスト刺激を含む、少なくとも一つの第二の聴覚刺激のシーケンスを与え、ここで、
    b)前記少なくとも第二のコントロール刺激および前記少なくとも第二のテスト刺激間の差異は、前記少なくとも一つのコントロール刺激および前記少なくとも一つのテスト刺激間の差異より小さく、
    c)前聴覚刺激のシーケンスへの正しい反応のうえ、前記少なくとも第二の聴覚刺激が与えられる、
    請求項1〜請求項5のいずれか一項に記載の方法。
  7. 前記コントロール刺激内の要素数は、前記テスト刺激内の要素数と同一である、請求項1〜請求項6のいずれか一項に記載の方法。
  8. 前記コントロール刺激内の要素数は2であり、前記テスト刺激内の要素数は2である、請求項2〜請求項7のいずれか一項に記載の方法。
  9. 前記少なくとも一つのコントロール刺激と前記少なくとも一つのテスト刺激は、それぞれの周波数、少なくとも一つのそれぞれの周期、およびそれぞれの期間で異なる、請求項1〜請求項8のいずれか一項に記載の方法。
  10. 前記周波数の帯域がおよそ100ヘルツからおよそ4000ヘルツの間である、請求項9記載の方法。
  11. 幼い幼児の情報処理障害を検査するため、または、正常に成長している幼児の聴覚または視覚情報処理を向上するためのシステムであって、
    a)複数のコントロール要素を有する少なくとも一つのコントロール刺激および複数のテスト要素を有する少なくとも一つのテスト刺激を含む、聴覚刺激の第1のシーケンスを発信することができる発音機と、ここで、前記少なくとも一つのコントロール刺激は、前記少なくとも一つのテスト刺激と比較して、振幅、周波数、周期、および期間のうち少なくとも一つについて相違し、前記少なくとも一つのコントロール刺激および前記少なくとも一つのテスト刺激は、お互いからおよそ0.5秒からおよそ3秒以内に与えられ、
    b)操作可能なように発音機へ接続されたプロセッサと、
    c)聴覚刺激のシーケンスを開始または変調でき、さらに前記少なくとも一つのテスト刺激と共に補強刺激を開始できる、操作可能なように前記プロセッサへ接続された入力装置と、
    d)前記少なくとも一つのテスト刺激または前記少なくとも一つのコントロール刺激への、前記幼い幼児の反応を登録するよう調整されたレコーダーと、
    を含み、
    前記幼児の反応に応じて、前記少なくとも一つのコントロール刺激または前記少なくとも一つのテスト刺激内の、前記コントロール要素またはテスト要素間の時間幅の期間変更されるシステム。
  12. 前記レコーダーは、操作可能なように前記入力装置へ接続された、請求項11に記載のシステム。
  13. 操作可能なようにプロセッサへ接続され、複数の知覚要素を含むメモリをさらに含み、当該要素は複数の聴覚刺激のシーケンスを創るように組み合わされまたは変調される、請求項11または請求項12に記載のシステム。
  14. 前記メモリが前記複数の聴覚刺激のシーケンスを含むシステムであって、
    前記幼児の少なくとも一つのテスト刺激への反応は、前記発音機へ少なくとも聴覚刺激の第二シーケンスを転送することを含む、請求項13に記載のシステム。
  15. 前記少なくとも聴覚刺激の第二シーケンスは、聴覚刺激の第一シーケンスと同一である、請求項14に記載のシステム。
  16. 少なくとも聴覚刺激の第二シーケンスは、幼い幼児の不正な反応によって開始される、請求項15に記載のシステム。
  17. 少なくとも聴覚刺激の第二シーケンスは、聴覚刺激の第一シーケンスと相違するシステムであって、ここで、少なくとも聴覚刺激の第二シーケンスは少なくとも一つのコントロール刺激および少なくとも一つの追加テスト刺激を含み、
    前記少なくとも一つの追加テスト刺激は、少なくとも一つのテスト刺激と比較して、周波数、期間、周期、および振幅からなる群から選択される少なくとも一つの性質と相違する、請求項13または請求項14に記載のシステム。
  18. 少なくとも一つのコントロール刺激および少なくとも一つの追加テスト刺激は、少なくとも一つのコントロール刺激および少なくとも一つのテスト刺激間の相違よりも大きい、請求項17に記載のシステム。
  19. 請求項11〜請求項18のいずれか一項に記載のシステムを含む、玩具または玩具のセット。
  20. 少なくとも一つのコントロール刺激内の要素数は、少なくとも一つのテスト刺激内の要素数と同一であり、ここで、幼児の反応に応じて少なくとも一つのコントロール刺激および少なくとも一つのテスト刺激の要素間の時間幅の期間変更され
    前記少なくとも一つのコントロール刺激内の時間幅の期間は、少なくとも一つのテスト刺激内の時間幅の期間と同一である、請求項11〜請求項19のいずれか一項に記載のシステム。
  21. 幼い幼児の情報処理障害を検査するための、コンピュータによって読み取り可能な媒体に具現化されたコンピュータプログラムであって、
    a)複数のコントロール要素を有する少なくとも一つのコントロール刺激および複数のテスト要素を有する少なくとも一つのテスト刺激を含む、聴覚刺激の第一パターンを与えることを開始するためのコンピュータコードと、
    ここで、前記少なくとも一つのコントロール刺激は、前記少なくとも一つのテスト刺激と比較して、振幅、周波数、周期、および期間のうち少なくとも一つについて相違し、
    前記少なくとも一つのコントロール刺激および少なくとも一つのテスト刺激は、お互いからおよそ10−3秒からおよそ1秒以内に与えられ、
    b)前記幼い幼児の、前記少なくとも一つのテスト刺激または少なくとも一つのコントロール刺激への反応を登録するためのコンピュータコードと、
    c)前記コンピュータプログラムを用いて検査するユーザに、前記コントロール刺激またはテスト刺激に対する前記幼児の反応に関するデータとしてのフィードバックを提供するためのコンピュータコードと、
    を含む、コンピュータプログラム。
  22. 正しい反応と不正な反応を区別するためのコンピュータコードをさらに含む、請求項21に記載のコンピュータプログラム。
  23. 反応によって、補強刺激を開始するコンピュータプログラムをさらに含む、請求項21または請求項22に記載のコンピュータプログラム。
  24. 前記補強刺激は視覚刺激である、請求項23に記載のコンピュータプログラム。
  25. 前記聴覚刺激の複数パターンのデータベースをさらに含む、請求項21〜請求項24のいずれか一項に記載のコンピュータプログラム。
  26. 前記少なくとも一つのコントロール刺激の要素数は、前記少なくとも一つのテスト刺激の要素数と同一であり、前記幼児の反応に応じて前記少なくとも一つのコントロール刺激および少なくとも一つのテスト刺激の要素間の時間幅の期間変更され、前記少なくとも一つのコントロール刺激内の時間幅の期間は、前記少なくとも一つのテスト刺激内の時間幅の期間と同一である、
    請求項21〜請求項25のいずれか一項に記載のコンピュータプログラム。
  27. 反応によっては聴覚刺激の複数パターンの適切な組を選択するためのコンピュータコードをさらに含む、請求項25または請求項26に記載のコンピュータプログラム。
  28. トレーニング期間に渡って、前記幼い幼児の反応を追跡するためのコンピュータコードをさらに含む、請求項21〜請求項27のいずれか一項に記載のコンピュータプログラム。
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