JP5396995B2 - 棒鋼の整列積上装置 - Google Patents
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Description
上記搬送コンベアの終端から積上部に落下する際、落差などに起因した斜め落ちや、先に積まれた棒鋼との衝突による跳ね返りに起因して、上下に隣接する棒鋼同士が互いに交差する綾状の姿勢となって積み上げられことがある。係る綾状の姿勢を含む複数の棒鋼の積み上げ状態のまま、ワイヤなどによって外側から複数の箇所で結束した場合、綾状結束による交差部に表面疵が生じたり、外周側の棒鋼に曲がりが生じる。その結果、次工程で支障が生じたり、棒鋼製品の歩留まりが低下するなどの問題があった。
しかしながら、特許文献1に記載された前記棒鋼結束補助装置は、複数対のプーリを支柱ごとの上端で支持し、隣接する左右一対のプーリ間ごとにクレードルベルトを掛け渡し、左右何れかのプーリごとの上方に設けたシュートから複数の棒鋼を、複数のクレードルベルトの上に順次落下させ、これららのベルト上に跨って支持させている。そして、係る複数の棒鋼に対し、複数のクレードルベルトの下方に配置した凸起を上昇させ、該凸起により複数の棒鋼を左右2組に分離しつつ互いに平行に整列させている。そのため、前記装置の構造が複雑でコスト高となり、操作も煩雑で扱いにくく、且つ相当に広いスペースを要する、という問題があった。
即ち、本発明による棒鋼の整列積上装置(請求項1)は、複数の棒鋼をほぼ径方向で且つ水平方向に沿って順次搬送する第1コンベアと、係る第1コンベアの終端側における外側且つ水平に終端側が突出し、上記棒鋼を搬送する搬送帯の表面が該第1コンベアにおいて棒鋼を搬送する搬送帯の表面よりも低く、且つ上側の搬送帯が水平に配置された第2コンベアと、を含み、係る第2コンベアの搬送帯の搬送速度は、第1コンベアの搬送帯の搬送速度よりも低いと共に、少なくとも第2コンベアの終端側における車輪の直径は、第1コンベアの終端側における車輪の直径よりも小径である、ことを特徴とする。
更に、第1コンベアと並列に第2コンベアを前記条件により併設するだけで、本装置を容易に構成できると共に、これらの操作も容易に行うことが可能である。
従って、前記棒鋼の整列積上装置によれば、複数の棒鋼を整列させて積み上げる際に、綾状結束による不良品の発生を確実に防止でき、装置の構造を簡素で低コストとし且つ少ないスペースにより設置できると共に、操作も容易に成し得る。
また、第1・第2コンベアの前記搬送帯には、チェーン、金属製ベルト、メッシュベルト、あるいは金属製クローラなどが含まれる。
更に、第1・第2コンベアの前記車輪には、スプロケット、ローラ、あるいはプーリなどが含まれる。
また、前記第2コンベアにおいて棒鋼を搬送するの搬送帯の表面は、前記第1コンベアの搬送帯の表面よりも、1〜8cm(例えば約5cm)低い位置にある。
更に、第1・第2コンベアの前記終端とは、それらの搬送帯の移動方向において、棒鋼を搬送し始める始端側と反対の端部を指している。
加えて、前記第2コンベアの搬送帯の搬送速度は、前記第1コンベアの搬送帯の搬送速度よりも少なくとも約10〜50%程度遅い。係る速度差は、例えば、第1・第2コンベアに共通の回転軸に取り付けられた駆動側の車輪(スプロケットなど)の直径などの寸法の差、あるいは、第1・第2コンベア専用の駆動側の車輪(スプロケットなど)ごと間の回転速度の差などによって設定される。
これによれば、第2コンベアの終端側を第1コンベアの終端側から突出する突出長さを変更できるので、整列させるべき棒鋼の鋼種、あるいは断面寸法などに応じて、綾状の積み上げや跳ね返りを予防すべく、最適の突出長さに調整することが可能となる。
図1は、本発明よる棒鋼の整列積上装置1の概略を示す斜視図、図2は、その第1コンベアC1付近における概略を示す垂直断面図、図3は、上記整列積上装置1における第2コンベアC2付近での概略を示す垂直断面図である。
棒鋼の整列積上装置1は、図1〜図3に示すように、フロアF上において水平に沿い且つ互いに平行に配置された複数組(図示で3組)のチェーンV1を含む第1コンベアC1と、該チェーンV1,V1間においてほぼ水平方向で且つ互いに平行に配置された複数組(図示で2組)のチェーンV2を含む第2コンベアC2と、を含んでいる。尚、第1コンベアC1は、4組以上のチェーンV1を有し、第2コンベアC2は、3組以上のチェーンV2を有しても良い。
第1コンベアC1は、図1〜図3で左端に位置する終端側のスプロケット(車輪)S1および右端に位置する始端側のスプロケット(図示せず)と、これらの周面に巻き付けられ且つ移動可能なチェーン(搬送帯)V1とからなる組を複数組有している。
第1コンベアC1の終端側のスプロケットS1は、第2コンベアC2のスプロケットS2,S3よりも大きな直径である。また、図1に示すように、第1コンベアC1のスプロケットS1と、第2コンベアC2のうち比較的大径のスプロケットS2とは、それぞれ共通の回転軸dsに取り付けられた駆動側のスプロケットである。尚、第1コンベアC1で始端側のスプロケットと、第2コンベアC2における左右一対のスプロケットS3とは、それぞれ従動側のスプロケットである。
そのため、図示しないモータなどの駆動源によって回転軸dsを回転させた場合、第1コンベアC1のチェーンV1の搬送速度Xは、前記直径の差によって、第2コンベアC2のチェーンV2の搬送速度Yよりも高く(速く)なる。
また、上記積上部2ごとの真横(図1〜図3で奥側)には、フロアF上を第1・第2コンベアC1,C2のチェーンV1,部2と平行にスライドする搬送チェーン8が配設されている。該搬送チェーン8は、側面視でフロアFの上・下を含む断面長円形の無端型チェーンであり、その両端の内側に一対の図示しないスプロケットが係合している。係る搬送チェーン8には、間隔を置いて対向する縦長の一対の爪片6a,6bが等間隔に複数組取り付けられている。係る爪片6a,6b間の搬送チェーン8の長さは、積上部2の載置面4の長辺と同じ長さである。
尚、図1〜図3では、積上部2が上昇した上限の位置にあるため、その載置面4の高さは、爪片6a,6bの上端面よりも高い位置にある。また、搬送チェーン8の両側(図1の前後)には、図示しない一対のガイド枠が配置されている。
予め、ステンレス鋼などからなる鋳片を熱間圧延および冷間圧延することにより、直径が約20mmの円形断面とされた長尺な棒鋼は、その軸方向に沿って送られる過程で、エメリーソーなどによって、一定長さごとの棒鋼bに順次切断される。係る複数の棒鋼bは、軸方向の送りラインの終点で停止された後、図1〜図3に示すように、第1コンベアC1のチェーンV1上を、その始端側から終端側に沿い、且つ径方向および水平方向に沿って間隔を置いて順次搬送される。
尚、予め、回転軸dsを回転させ、スプロケットS1,S2を介して、第1・第2コンベアC1,C2のチェーンV1,V2を稼働させてあり、チェーンV2の搬送速度Yは、チェーンV1の搬送速度Xよりも約30%程度低くなっている。
引き続いて、第1コンベアC1のチェーンV1上を搬送された複数の棒鋼bは、図5に示すように、第2コンベアC2のチェーンV2上に順次移載され、且つ前後の棒鋼bと接触しつつ互いに平行で且つ該チェーンV2と直交した姿勢となって、その終端側に搬送される。
その結果、図8に示すように、上記棒鋼束Bは、複数組の爪片6a,6b間に挟まれた複数の搬送チェーン8,8,…上に移載される。この際にも、係る棒鋼束Bを構成する所要数の棒鋼bは、互いに整列状態を維持している。
尚、前記結束には、金属帯(バンド)を用いても良い。また、前記結束された棒鋼束Bは、次の矯正や検査などの後工程に搬送されるが、係る搬送時にも、各棒鋼bが互いに整列状態であるため、表面疵が付着せず、更に上記後工程でも、不用意な矯正を皆無としたり、検査などを効率良く行うことが可能となる。
図9に示すように、第2コンベアC2において、始端(右)側および終端(左)側に位置する一対のスプロケットS3,S3の両側には、これらを軸受を介して回転自在に支持する前後一対のフレーム10が配置され、係るフレーム10ごとの外側面には、水平なフランジ11が左右一対ずつ突設されている。また、第2コンベアC2におけるスプロケットS2,S3,S3、およびチェーンV2に囲まれた側面視でほぼ三角形の空間内には、前記第1コンベアC1のスプロケットS1などを支持する左右一対のフレーム12が貫通しており、係るフレーム12には、上記チェーンV2の搬送方向と平行な長孔13が穿設されている。
例えば、整列させるべき棒鋼bの鋼種や断面寸法などが変化した場合に応じて、前記ボルト・ナット14を緩め、第2コンベアC2側のスプロケットS3,S3と共にフレーム10を、第1コンベアC1の始端(右)側に所定距離ずらした後、再度ボルト・ナット14を締結する。その結果、図11に示すように、第2コンベアC2のチェーンV2の終端側は、前記第1コンベアC1のチェーンV1の終端側に対し、該チェーンV1の終端側から外側で且つ水平に突出長さL2分だけ短く突出した状態に変更できる。
また、第2コンベアC2側のフレーム10と、第1コンベアC1側のフレーム12とに対し、互いに対向する垂直な一対のフランジを間隔を置いて接合し、係る一対のフランジの一方にボルトを貫通させ、該ボルトの先端を他方のフランジに当接させ、係るボルトとフランジ側のナットとのネジ結合位置を調整することによって行うことも可能である。更に、図9に示した前記形態を位置決め用とし、且つ上述した形態を位置調整用として、両者を併用した形態としても良い。
加えて、第2コンベアC2側のフランジ11と、第1コンベアC1側のフレーム12との間に任意厚さのスペーサを介在させて前記ボルト・ナット14を締結することで、第2コンベアC2において棒鋼bを搬送するチェーンV2の高さを、更に高くし、第1コンベアC1のチェーンV1との前記高さ(落差)hを小さくすることも可能である。逆に、上記スペーサを取り外すことで、前記高さ(落差)hを大きくするとも可能である。
例えば、本発明の対象となる棒鋼は、一辺が約10〜30mmのほぼ角形断面のものでも良い。
また、前記第1・第2コンベアC1,C2は、始端側および終端側に位置する一対のスプロケットS1,S3間に、中間スプロケットまたは中間ローラなどを配置した構成のものでも良い。
更に、第1・第2コンベアは、始・終端側の車輪に一対のローラを用いたり、あるいは、その搬送帯にプーリ金属製ベルト、メッシュベルト、または金属製クローラを用いた形態のものでも良い。
加えて、1つの第1コンベアに対し、第2コンベアを2つ以上を併設し、それら第2コンベアの終端側が第1コンベアの終端側から水平方向の突出長さが異なり、且つそれらの高さも相違する階段状に配設した形態としても良い。
b……………棒鋼
C1…………第1コンベア
C2…………第2コンベア
V1,V2…チェーン(搬送帯)
S1〜S3…スプロケット(車輪)
X,Y………搬送速度
h……………高さ(搬送帯の表面同士間の高低差)
L1,L2…突出長さ
Claims (2)
- 複数の棒鋼をほぼ径方向で且つ水平方向に沿って順次搬送する第1コンベアと、
上記第1コンベアの終端側における外側且つ水平に終端側が突出し、上記棒鋼を搬送する搬送帯の表面が該第1コンベアにおいて棒鋼を搬送する搬送帯の表面よりも低く、且つ上側の搬送帯が水平に配置された第2コンベアと、を含み、
上記第2コンベアの搬送帯の搬送速度は、第1コンベアの搬送帯の搬送速度よりも低いと共に、少なくとも第2コンベアの終端側における車輪の直径は、第1コンベアの終端側における車輪の直径よりも小径である、
ことを特徴とする棒鋼の整列積上装置。 - 前記第2コンベアは、前記第1コンベアの終端側に対し、該第1コンベアの終端側から外側で且つ水平に突出する終端側の突出長さが変更可能とされている、
ことを特徴とする請求項1に記載の棒鋼の整列積上装置。
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