JP5394915B2 - オンライン広告のための分散アーキテクチャ - Google Patents

Description

以前より、大型のウェブ検索エンジンは、キーワードを駆使した検索の結果に基づいて、広告空間を販売している。例えば、Yahoo（登録商標）は、ある種のキーワードについて競売を実施し、最高入札者が、Yahoo（登録商標）の検索結果を収容するページ上に、彼らの広告を載せ、検索結果の中でも好ましい場所を、即ち、結果リストの上に得ている。

ウェブ広告が進展するに連れて、多くの会社が大きな出版者ベース(publisher base)を獲得し、ここから広告を販売することができるようにしている。具体的には、Google（登録商標）は、出版者と契約を結び、彼らのAdSense（登録商標）広告ネットワークに加入している。広告主は、広告をAdSense（登録商標）ネットワークの参加者に配給するために、Google（登録商標）に支払う。次いで、Google（登録商標）は、広告収益の一部または全部を個々の出版者に支払う。例えば、AdSense（登録商標）ネットワークにおける出版者は、ディジタル・カメラについて話す記事をそのウェブサイト上に有する場合があると、GoogleのAdSense（登録商標）は広告主からのディジタル・カメラの広告を、AdSense（登録商標）ネットワークにおいてそのウェブサイト上に表示する。Google（登録商標）は、そのAdSense（登録商標）ネットワークにおいて、「ディジタル・カメラ」というキーワードを競売に出して、最高入札者からの広告を表示する。

この企業固有の広告ネットワーク・モデルには多数の問題がある。第１に、広告ネットワークを構築している会社は、出版者および広告主の双方を代表するので、利害関係の対立が内在する。第２に、広告ネットワークを作成している会社は多数あるので、広告主は多くの広告ネットワークに跨って購入を管理する負担を負うが、その結果広告主には多大なコストおよび厄介事が生ずることになる。第３に、出版者はあらゆる実用的な目的のために１つの広告ネットワークに固定されるので、広告主の競合は限られ、その結果出版者に対する見返りが少なくなる。第４に、期間や条件について一般的な標準がなく、挙動区分(behavioral segmentation)が、オンライン表示広告の最大市場価値に到達する大きな障害となる。また、メディア・タイプや広告フォーマットの受入について、出版者間には現在標準化がない。第５に、弱小出版者は、到達が困難な(hard-to-reach)聴衆に応対するとしても、個々のパワーは非常に小さい。最後に、ＩＳＰおよび大型ユーザ・データベースのその他の所有者は、プライバシの懸念および適正な市場の欠如により、彼らが有する情報の最大価値を達成していない。

オンライン広告のための分散アーキテクチャは、３つの関係者間における商品の交換を管理する市場メカニズムである。ユーザは、出版者ブローカによって代表される出版者からページ印刷(impression)を要求する。出版者ブローカは、そのページ上におけるどの広告空間に対する請求も設定することができ、これらの請求を、出版者からの他のあらゆる情報（例えば、ページ上の重要な単語、ページが属するチャネル等）と共に、取引所にポストする。取引所は、聴衆データ・ブローカ識別子をユーザから直接読み出し、これらをしかるべき聴衆データ・ブローカに送る。聴衆データ・ブローカがユーザ識別子を受信すると、ユーザに関する彼らの情報を提供することを選択することができる。聴衆ブローカは、広告主によるユーザ・データの使用に対して請求をセットする。聴衆ブローカは、印象情報(impression information)を、彼らが使用許諾を受けている聴衆データ・ブローカから供給されたあらゆるユーザ・データと共に受信し、対応する入札をポストする。次いで、取引所は請求と入札を照合し、ページ上にしかるべき広告を載せて、ユーザに返送する。

この摘要は、以下に詳細な説明において更に説明する概念から選択して、簡略化した形態で紹介するために設けられている。この摘要は、特許請求する主題の鍵となる特徴または本質的な特徴を特定することを意図するのではなく、特許請求する主題の範囲を限定する際の補助として用いられることも意図していない。

これより、添付図面を参照しながら、本発明について説明する。

特に図１を最初に参照すると、本発明の実施形態を実施するための動作環境の一例が示されており、全体的に計算デバイス１００のとして示されている。計算デバイス１００は、適した計算機環境の一例に過ぎず、本発明の使用範囲や機能性について限定を示唆する意図は全くない。また、計算機環境１００は、図示する構成要素のどの１つまたは組み合わせに関しても、何らかの依存性や必須要件を有するという解釈は行わないこととする。

本発明の態様についての説明は、総じて、コンピュータまたはパーソナル・データ・アシスタントやその他のハンド・ヘルド・デバイスのようなその他の機械によって実行するプログラム・モジュールのような、コンピュータ実行可能命令を含む、コンピュータ・コードまたは機械使用可能命令との関連において行うこととする。一般に、プログラム・モジュールは、ルーチン、プログラム、オブジェクト、コンポーネント、データ構造等を含み、特定のタスクを実行するか、または特定の抽象的データ・タイプを実現するコードのことを指す。本発明は、ハンド・ヘルド・デバイス、消費者用電子機器、汎用コンピュータ、更に専門的な計算デバイスなどを含む、種々のシステム構成において実用化することができる。また、本発明は、通信ネットワークを通じてリンクされているリモート処理デバイスがタスクを実行する、分散型計算機環境においても実用可能である。

図１を参照すると、計算機１００は、以下のエレメント、メモリ１１２、１つ以上のプロセッサ１１４、１つ以上のプレゼンテーション・コンポーネント１１６、入力／出力ポート１１８、入力／出力コンポーネント１２０、および例示の電源１２２を直接または間接的に結合するバス１１０を含む。バス１１０は、１系統以上のバス（アドレス・バス、データ・バス、またはその組み合わせのような）であってもよいものを代表する。図１の種々のブロックは、明確さのために、線を用いて示されているが、実際には、種々のコンポーネントの区分はそれほど明確ではなく、更に正確に表すとすれば、線は隠喩的に灰色または曖昧にすべきであろう。例えば、ディスプレイ・デバイスのようなプレゼンテーション・コンポーネントは、Ｉ／Ｏコンポーネントと考える者もいる。また、プロセッサはメモリを有する。尚、図１の線図は、本発明の１つ以上の実施形態と共に用いることができる計算機の一例の例示に過ぎないことは、記しておくべきであろう。「ワークステーション」、「サーバ」、「ラップトップ」、「ハンド・ヘルド・デバイス」等のようなカテゴリ間には区別を設けず、全ては図１の範囲に該当すると考え、「計算機」と呼ぶこととする。

通例、計算機１００は種々のコンピュータ読み取り可能媒体を含む。限定ではない一例をあげると、コンピュータ読み取り可能媒体は、ランダム・アクセス・メモリ（ＲＡＭ）、リード・オンリ・メモリ（ＲＯＭ）、電気的消去可能プログラマブル・リード・オンリ・メモリ（ＥＥＰＲＯＭ）、フラッシュ・メモリまたはその他のメモリ技術、コンパクト・ディスクＲＯＭ（ＣＤＲＯＭ）、ディジタル・バーサタイル・ディスク（ＤＶＤ）またはその他の光またはホログラフ媒体、磁気カセット、磁気テープ、磁気ディスク・ストレージまたはその他の磁気記憶デバイス、搬送波、あるいは所望の情報を格納するために用いることができしかも計算機１００がアクセス可能なその他の任意の媒体も含むことができる。

メモリ１１２は、揮発性および／または不揮発性メモリの形態としたコンピュータ記憶媒体を含む。メモリは、リムーバブル、非リムーバブル、またはその組み合わせでもよい。ハードウェア・デバイスの例には、ソリッド・ステート・メモリ、ハード・ドライブ、光ディスク・ドライブ等が含まれる。計算機１００は、メモリ１１２またはＩ／Ｏコンポーネント１２０のような種々のエンティティからデータを読み取る１つ以上のプロセッサを含む。プレゼンテーション・コンポーネント１１６は、データ指示をユーザまたはその他のデバイスに呈示する。プレゼンテーション・コンポーネントの例には、ディスプレイ・デバイス、スピーカ、印刷コンポーネント、振動コンポーネント等が含まれる。

Ｉ／Ｏポート１１８は、計算機１００を、Ｉ／Ｏコンポーネント１２０を含むほかのデバイスに論理的に結合させる。Ｉ／Ｏコンポーネント１２０の一部は内蔵することもできる。例示的なコンポーネントには、マイクロフォン、ジョイスティック、ゲーム・パッド、衛星ディッシュ、スキャナ、プリンタ、ワイヤレス・デバイスなどが含まれる。

図２は、本発明の実施形態による、オンライン広告のための分散アーキテクチャを示す。図２は、出版者２０２を備えているアーキテクチャ２００を示す。説明の目的のためにのみ、出版者２０２は、ここでは任意の数の出版者のグループとして説明することにする。しかしながら、本発明の実施形態は、出版者のグループには限定されない。何故なら、１つの出版者で十分であるからである。また、本発明の実施形態は、任意の数の出版者のグループがアーキテクチャ２００の中にあってもよいので、出版者のグループ１つにも限定されるのではない。一実施形態では、各出版者がコンテンツ供給元となる。例えば、建設作業員が１つのページ・ウェブサイトを運営し、その上にウェブログ（ブログ）をポストしていれば、彼は出版者となり得る。別の例では、Disneyのようなメディア会社は、多数のページのコンテンツを有する巨大なウェブサイトを運営しており、これもまた出版者となり得る。出版者２０２は、出版者の任意の数の種類、サイズ、洗練性レベルなどをも代表することを意図している。一実施形態では、出版者２０２は彼らのウェブサイト上で広告空間を広告主２０６に販売することを望んでいる（以下で説明する）。

また、アーキテクチャ２００は出版者ブローカ２０４も備えている。説明の目的のためにのみ、ここでは１つの出版者ブローカのみについて説明する。しかしながら、本発明の実施形態は１つの出版者ブローカに限定されるのではない。何故なら、任意の数の出版者ブローカが存在してもよいからである。一実施形態では、出版者ブローカ２０４は、出版者の集合体である。具体的には、出版者ブローカ２０４は、収益を最大限高め、広告の品質を確保すること等を目標とする出版者２０２を代表するエンティティである。出版者ブローカ２０４は、GoogleのAdSense（登録商標）のようなシステムにおいて内在する利害関係の対立を、出版者２０２の歩留まり(yield)を管理することに的を絞ることのみによって解決する。出版者ブローカ２０４は、小型または中型の出版者（出版者２０２によって表すことができるような）を集合化させ、これらの歩留まりを高くする。一実施形態では、出版者ブローカ２０４は、ユーザ・インターフェースを維持し、これを通じて出版者２０２と双方向処理を行い、更にこれを通じて出版者２０２の好みを管理する。

一実施形態では、出版者ブローカ２０４は、出版者センタと、出版者配信システムとを備えている。出版者センタは、出版者にこれらの好みを管理させる。出版者配信システムは、出版者のサイト上における所与のページ・ビューに対する請求(ask)を計算し、潜在的に要求において利用可能なユーザ・データを豊富にする(enrich)ために用いられる。一実施形態では、請求は、請求価格である。しかしながら、実施形態はそれに限定されるのではない。何故なら、請求は、例えば、最小クリック毎コスト、最小関連性、他の何らかの性能計量などであってもよいからである。出版者センタは、システムにおけるトラフィック在庫集合体(traffic inventory grouping)を確立し、請求をセットする。ユーザが出版者に対してページ要求を行うと、出版者は彼らのページに、出版者ブローカへのコールを設定する何らかのスクリプティングを詰め込む。出版者は、出版者ブローカへのコールに、ユーザに関する何らかの情報をつけ加えることができる（この種の付加価値サービスを有する出版者ブローカを使用したいと思う出版者を増やすことが動機である）。出版者ブローカは、ユーザ情報があると仮定して、請求が特定の要求に対して何であるべきか、要求が該当する在庫集合体、およびその情報の周りに出版者が設定した規則を判定する。加えて、出版者ブローカは、この要求に対して詰め込まれたユーザに関する任意の未知のデータ属性を有するために出版者が支払いに応じる最大金額を伝える。最後に、出版者ブローカは、この情報を、転送ＵＲＬとしてユーザに返送する要求ＵＲＬに、この情報をエンコードする。取引所（以下を参照）において全てのトランザクションが行われたならば、コール・バックを出版者ブローカに供給し、多くの広告を表示するか否か、どのように表示するか、支払いに関して出版者ブローカは何を期待することができるか、そして観衆ブローカ（以下を参照）によってユーザに関するどの増分属性が満たされたか明言する。

また、アーキテクチャ２００は広告主２０６も備えている。説明の目的のためにのみ、広告主２０６は、あらゆる数の広告主のグループとしてここでは説明する。しかしながら、本発明の実施形態は、広告主のグループには限定されない。何故なら、１つの広告主で十分であるからである。また、本発明の実施形態は、広告主のグループ１つにも限定されない。何故なら、任意の数の広告主のグループがアーキテクチャ２００の中にあってもよいからである。一実施形態では、各広告主はウェブサイト上の広告空間を購入する。例えば、地方のビジネスウーマンが彼女の小さな花屋のウェブサイトを運営し、近隣家主の連合ウェブサイト上で広告すれば、広告主となり得る。別の例では、General Motorsのような巨大企業エンティティが、何千もの製品およびサービスを有し、何千もの自動車関係ウェブサイト上で広告すれば、これも広告主となり得る。広告主２０６は、広告主の任意の数の種類、サイズ、洗練性レベルなどを代表することを意図している。一実施形態では、広告主２０６は、出版者２０２のウェブサイト上に広告を載せるために、金銭を支払うことを望んでいる。

また、アーキテクチャ２００は広告主ブローカ２０８も備えている。説明の目的のためにのみ、ここでは１つの広告主ブローカのみについて説明する。しかしながら、本発明の実施形態は１つの広告主に限定されるのではない。何故なら、任意の数の広告主ブローカが存在する可能性があるからである。一実施形態では、広告主ブローカ２０８は広告主の集合体である。具体的には、広告主ブローカ２０８は、特定の聴衆に対して特定のウェブサイト上で特定のフォーマットの広告を表示することについて、広告主２０６の出費および金銭的価値を最適化することを目的とする広告主２０６を代表するエンティティである。一実施形態では、広告主ブローカ２０８は、ユーザ・インターフェースを維持し、これを通じて広告主２０６と双方向処理を行い、更にこれを通じて、個々のユーザのデータ属性に対する優先度というような、広告主２０６の優先度を管理する。しかしながら、本発明の実施形態は、いずれの特定の広告主の優先度にも限定されない。

一実施形態では、広告主は、広告主ブローカ・システムにおいて広告を設定するが、エンド・ユーザが彼らの広告の上でクリックするような時点までは、取引所（以下を参照）やエンド・ユーザとのこれ以上の双方向処理はない。これが意味するのは、広告主は、聴衆データ・ブローカ（以下を参照）によって交換トランザクションの一部として詰め込まれたいずれのユーザ属性をも見ていないということである。一実施形態では、取引所（以下を参照）は、広告主がたどり着いたＵＲＬ(landing URL)、クリエーティブ(creative)、およびキャンペーンの目標のみに基づいて、自己最適キャンペーンを設定することができるだけの十分な情報を搬送する。同様に、広告主がたどり着いたＵＲＬ上でアルゴリズムを走らせて、聴衆属性の可能な部分集合および関連するトピック（キーワード、カテゴリ、およびコンテンツ・ページ）を選択することもできる。次いで、キャンペーンの目標を最大にするために利用可能な特徴を選択することができる。例えば、キャンペーンを記憶に焼き付けることができれば、印象毎に支払う金額が最小限で済み、通用範囲(coverage) および在庫品質(inventory quality)を最大にすることができる。他方、会話を追跡し、既存の広告主予算に対して高い値の会話数を最大にするように、販売キャンペーンを選択する。

また、アーキテクチャ２００は、聴衆データ・ブローカ２１０も備えている。説明の目的のためにのみ、ここでは１つの聴衆データ・ブローカのみについて説明する。しかしながら、本発明の実施形態は１つの聴衆データ・ブローカに限定されるのではない。何故なら、任意の数の聴衆データ・ブローカが存在する可能性があるからである。一実施形態では、聴衆データ・ブローカ２１０はユーザ・データ提供元の集合体である。ユーザ・データ提供元とは、広告する目的で個々のユーザ（ユーザ２１４の一人、以下で説明する）に参考として返送することができるあらゆる部分的情報を維持するエンティティである。例えば、ユーザ・データは、人口統計データ、心誌的データ、および挙動的データを含む場合がある。更に具体的には、例えば、ユーザ・データは、年齢、性別、財産指標、興味、買い物の癖などを含む場合もある。しかしながら、本発明の実施形態は、いずれの特定の種類のユーザ・データにも限定されない。一実施形態では、聴衆データ・ブローカ２１０は、PayPal、Visa、Yahoo!（登録商標）、Verizonのような任意の大型ユーザ・データ集合体、およびこれらよりも小さいユーザ・データ提供元の集合体でもよい。ユーザ・データを収集するいずれのオンライン・ストアも、ユーザ所在地レベルおよびユーザ購入パターン・レベル情報を提供することによって、聴衆データ・ブローカ２１０として機能することができる。この情報は、小さいウェブ電子メール供給元からの人口統計概要と総計して、更に総合的なユーザ記述を形成することができる。

一実施形態では、聴衆データ・ブローカ２１０は、出版者２０２のウェブサイトの１つを見ているユーザに関する情報を豊富にする。一実施形態では、聴衆データ・ブローカ２１０は、ユーザに関するいずれの個人を識別可能な情報も開示しない。一実施形態では、聴衆データ・ブローカ２１０は、これを遂行する際に、秘密ユーザＩＤの参照を行い、広告主２０６および広告主ブローカ２０８が消費することができる、集合ユーザ属性の集合を戻す。このユーザ属性豊富化により、広告主２０６に対する広告の表示の価値が高まり、消費者に対して更に関連が高い広告を作成するのに役立ち、ユーザのプライバシを侵すことなく、広告配給の目的で一層完全なユーザの姿(picture)を作成する。異なる提供元を跨る総計により、一実施形態では、（１）聴衆光景の総合的な視野が得られ、（２）匿名およびユーザ・プライバシの保存に考慮できる程にデータ源を厚くするという２つの独立した役割に供する。

一実施形態では、聴衆データ・ブローカ２１０は、小さいおよび／または部分的なユーザ属性であっても、直接的な支払いを受ける。アーキテクチャ２００に関与することによって、聴衆データ・ブローカ２１０は、（１）その情報に対して支払いを受け、（２）その情報を豊富にすることができ（冗長なデータ提供元であっても、順位付けの目的では有用である）、そして（３）その情報を検証することができる（データの品質が貧弱な提供元は、洞察力を獲得し、データ品質問題に積極的に取り組むことができる）。一実施形態では、聴衆データ・ブローカ２１０は、取引所２１２（以下で更に詳しく説明する）が代理する出版者ブローカ２０４からの要求を受ける。聴衆データ・ブローカ２１０は、広告主ブローカ２０８の消費のために、分かっているユーザ属性をこの要求に添付する。聴衆データ・ブローカ２１０は、出版者ブローカ２０４からはユーザが閲覧しているページを知ることができず、聴衆データ・ブローカ２１０はどのユーザ識別子も広告主ブローカ２０８には受け渡さない。

一実施形態では、聴衆データ・ブローカ２１０は、ユーザ情報を取引所（以下で説明する）に記録するためのユーザ・データ・レコーダと、ユーザ情報の要求に応答するためのユーザ・データ配信システムとを備えている。一実施形態では、ユーザ・データ・レコーダは、聴衆データ・ブローカがユーザについて何か知っていることを、いかなる手段であれそれを通じて、取引所に知らせる。これを行うために、聴衆データ・ブローカがユーザに接触したときに、そのユーザついて彼らが何かを知っている場合、聴衆データ・ブローカは、ユーザが行う取引所への１つの画素ｇｉｆコールを設定することができ、あるいは聴衆データ・ブローカは現在のユーザ要求を、後に取引所がユーザに転送する情報および宛先ＵＲＬと共に、取引所に転送することができる。各場合において、聴衆データ・ブローカが受信したどの情報またはデータ・キーでも、聴衆データ・ブローカがユーザ・データ配信システムのユーザに対する要求に答えることができるためには十分であると考えられる。一実施形態では、聴衆データ・ブローカの素性を取引所に対して証明するように、取引所に受け渡される情報には署名する。一実施形態では、取引所は、聴衆データ・ブローカの素性を検証するときに、ユーザのブラウザにクッキーをセットし、クッキーの名称が聴衆データ・ブローカを特定し、クッキー値が提供される情報となる。一実施形態では、取引所がユーザから広告要求を受信したとき（出版者ブローカから取引所にユーザが送られている）、出版者が追加の金額を支払うことを躊躇しないような何らかのユーザ・データ属性がある場合、全ての聴衆データ・ブローカに対するクッキーをユーザのブラウザから読み出す。クッキーによって識別された聴衆データ・ブローカ毎に、聴衆データ・ブローカが現在生きている場合、取引所は要求をクッキー値、および提供すれば出版者が支払いを躊躇しない任意の未知のデータ属性と共に、聴衆ブローカに送る。次いで、聴衆データ・ブローカは、知っているだけの属性についての情報を含めて、使用することを許可するために請求しようとしている価格と共に、返答する。

一実施形態では、聴衆データ・ブローカは、広告主競売に参加して、広告主入札を通じて直接支払いを得て、出版者ブローカからの聴衆データ要求はない。これは、「出版者盲目」(publisher blind)聴衆データ配信と見なせるであろう。広告入札が出版者が要求する最低値を満たし、それを上回る場合、出版者請求後に残される入札備忘録を用いて、ユーザ・データを取得し、目標の絞り込みを用いて、広告主ＲＯＩ（投資に対する見返り）を最大限高めることができる。取引所は、落札した聴衆データ・ブローカにコール・バック(call back)を与え、これらがどの属性を勝ち取ったか、そしてその情報のために支払う金額を知らせる。

一実施形態では、出版者および広告主が特定的な情報のために聴衆データ・ブローカに直接支払いを摘要することができると想定した場合、聴衆データ・ブローカに対する検証および格付けプロセスがある。多数の聴衆データ・ブローカが同じサービスを求めて競合することになる。一実施形態では、競合は請求に基づいて行われるが、データの品質にも基づく。広告主は、出版者ブローカ・ネットワークへの透明性を有し、同様の透明性は、格付けシステムを提供することによって、聴衆データ・ブローカ・ネットワークにも提供することができる。聴衆データ・ブローカの格付けは、動的に重複収集シンボルの使用によって計算することができる。重複データは、地上較正予測を計算し、個々の聴衆データ・ブローカが提供するデータを検証するために用いることができる。一方、この情報は、聴衆データ・ブローカを自動的に格付けするために用いることができる。一実施形態では、単純な投票システムを用いて、ブローカ毎にあらゆる特定的な収集シンボルの精度、またはブローカ全体としての品質を検証することができる。取引所の維持装置(maintainer)があるとすれば、一般公衆に対する投票の同意を公開すること、または必要であればブローカの資格を完全に剥奪することが責務となる。

一実施形態では、聴衆データ・ブローカは、全てのユーザに地上較正データを提供することができない。しかしながら、異なる提供元基づいてデータ機能を作成し、属性毎に同意意見を選択することによって、このようなデータを発生することが可能な場合もある。出版者および広告主は、同意意見または任意の個々の聴衆データ・ブローカの収集シンボルを選択することを選択することができる。一実施形態では、「統計的に有意な」ユーザ・データ属性のデータ単位を作成することができる。殆どの聴衆データ・ブローカは、これらが有するデータによってではなく、これらが知らないデータによって、プライバシの問題に発展することが多い。ユーザ・プロファイルにおける穴は、一意のユーザを再現するのに十分な情報を搬送するのに十分有意でありまたは一意である可能性がある。他のユーザ・データ提供元からのデータを用いてこれらの穴を埋めることによって、これらの提供元は、ユーザ・プライバシを犠牲にすることなく、研究の目的に用いることができる、統計的に有意な集合体を発生することが可能となる。

また、アーキテクチャ２００は取引所２１２も備えている。取引所２１２は、出版者ブローカ２０４、広告主ブローカ２０８、および聴衆データ・ブローカ２１０間における仲介として作用する。取引所２１２は、出版者ブローカ２０４が、聴衆データ・ブローカ２１０によって追加のユーザ・データによりその補助を豊富にするフレームワークである。一実施形態では、取引所２１２は、トラフィックを誘導し(route)、トランザクション、例えば、出版者ブローカ２０４、広告主ブローカ２０８、および聴衆データ・ブローカ２１０間における競売をし易くする。一実施形態では、取引所２１２は、サーバまたはサーバの集合である。取引所２１２は、聴衆データ・ブローカ２１０がそのデータを通貨基準に定める(monetize)ことができ、更に広告主ブローカ２０８がより高く標的を自由に定められるトラフィックのより大きな聴衆に達することができるシステムを作成する。一実施形態では、取引所２１２は、最小限の同調性標準を規定し、出版者ブローカ２０４および聴衆データ・ブローカ２１０からの人口データとは無関係に、要求に関する何らかの基準情報を、広告主ブローカ２０８によって用いられるように供給することを確保する。

最小限の同調性標準を規定するために、一実施形態では、取引所２１２は、出版者のページのカテゴリに関する収集シンボル、その中における意味のあるキーワード、およびユーザのＩＰアドレスから抽出したジオロケーション(geo-location)情報を供給する。ユーザＩＰアドレス、出版者のページのＵＲＬ、および関連があると見なされるこのような他のあらゆる情報のような基準データも、各広告主ブローカに提供して、広告主ブローカが追加情報を抽出し、付加価値サービスを、これらが応対する広告主に提供しようとすることができるようにするとよい。一実施形態では、取引所２１２は、広告主ブローカが定める判断基準の集合と一致する全ての出版者ブローカ要求を、要求に関する全ての関連データ（例えば、出版者、聴衆ブローカ、および取引所自体が供給する請求および収集シンボル）と共に送る。一実施形態では、広告主ブローカが有する広告であって、それが表示させたく、しかも請求を満たすのであればいずれでも、これらの広告を、要求された広告数まで、各々に対するＣＰＩ（印象当たりのコスト）指し値と共に返送する。しかしながら、実施形態はＣＰＩ価格設定に限定されるのではない。何故なら、その他の価格設定モデル、例えば、ＣＰＣ（クリック当たりのコスト）、ＣＰＡ（取得当たりのコスト）、ＣＰＭ（１０００印象当たりのコスト）、および収益分配も用いてもよいからである。取引所２１２は、落札した広告主ブローカにコール・バックを与え、どの広告がどの位の価格で表示されたかを、これに伝える。

また、アーキテクチャ２００はユーザ２１４も備えている。説明の目的のためにのみ、ここでは１人のユーザのみについて説明する。しかしながら、本発明の実施形態は１つのユーザに限定されるのではない。何故なら、任意の数のユーザが存在する可能性があるからである。ユーザ２１４は、出版者２０２からのウェブページを要求する。ウェブページは、コンテンツおよび広告空間を含み、広告空間は広告主２０６からの広告で満たされている。

アーキテクチャ２００を用いると、出版プロパティをカストマ・インテリジェンスによって豊富にすることにより、または使用許諾料金に基づいて聴衆データ・ブローカ２１０から直接データを取得することによって、聴衆データを広告主２０６に供給することができる。広告主ブローカ２０８は、それらの広告主が目標設定することに興味がある属性毎に、毎月の推定従量制金額を支払うことを選択することができる。このトランザクションは、オフラインで行うことができるが、要求時にデータを再誘導し易くするために、取引所２１２に登録する必要がある。広告主ブローカ２０８は、その入札を、聴衆データ・ブローカ２１０が供給するあらゆる目標設定属性に基づくことができる。例えば、広告主２０６は、ＣＰＣまたはＣＰＭに基づいて基本入札(base bid)を行い、これらに提示されたいずれの属性値についても徐々に多く入札する選択肢を有することができる。広告主ブローカ２０８は、冗長性またはデータ品質が高い程、高い料金を自由に支払う。広告主ブローカ２０８は、個々の広告主の功績を評価すること、および取引所２１２による最終格付けに対して、全ての入札形式をＣＰＩに変換することに纏わる危険性を管理することができる。一実施形態では、価格設定モデルは、先に説明した価格設定モデルと同様である。

一実施形態では、出版者２０２が（任意の請求と共に）販売したい印象を有する場合、ＵＲＬおよびいずれの目標に定めることができる値をも取引所２１２に提供することができる。取引所２１２は、このデータおよび聴衆データ・ブローカ２１０からの可能な追加ユーザ・データを、広告主ブローカ２０８に受け渡す。一実施形態では、広告主ブローカ２０８は、それが有用であることを発見したあらゆる私有の(proprietary)属性または技法を用いて、広告主２０６の入札を格付けする。例えば、広告主ブローカ２０８は、キーワード抽出または分類を実行し、これを目標設定のために用いることを選択することができる。広告主ブローカ２０８は、広告主のＣＰＩ格付けリスト（一実施形態では、数は、出版者が要求する広告の数と等しい）を出力し、ここで、ＣＰＩ値からは既に聴衆データを購入するために用いられたあらゆるコストが差し引かれている。一実施形態では、多数の広告主ブローカが存在する場合、取引所２１２は全ての広告主ブローカに跨って全ての広告を格付けし、最良のもの（ＣＰＩによって測定した場合）を選択する。これらの広告が出版者の請求を満たすまたはそれを上回る場合、取引所２１２は出版者のウェブサイト上で、広告の表示を代行する。

更に、積極的な入札を促進するために、第２価格入札を適用することもできる。出版者２０２はＰＣＩに基づいて支払いを受けることができる。広告印象を記録して、聴衆データ使用許諾のために用いられるトラフィック・ボリューム計算に用いる。一実施形態では、取引所２１２は、出版者２０２から発信するユーザ・データを選別する(gate)ために用いることができる。出版者２０２は、ユーザ・データによってそのプロパティを豊富にすることを選択し、この情報を、選択した広告主ブローカのみと共有することができる。

あらゆる種類の関与者がアーキテクチャ２００の一部となり易くするために、非常に柔軟であり、しかも同時に潜在的な関与者がアーキテクチャ２００に加入するのを妨げる混乱が生ずる程に業界の枠組みを大きく変えてしまわない価格設定モデルを確立することが望ましい場合がある。広告主は、既にＣＰＣおよびＣＰＭ価格設定に慣れており、ＣＰＡ（取得当たりのコスト）価格設定の市場は小さいが増大しつつある。出版者はＣＰＭ価格設定を好む傾向があり、大きく複雑な出版者程、ユーザの人口統計によって細分したトラフィックを販売し、更にその他の方法でトラフィックを販売する。小さい出版者程、一般に、これらが得ることができるものを受け入れざるを得ず、その結果ＣＰＣまたはＣＰＡ価格設定となることが多い。聴衆データ・ブローカのようなプロファイル所有者は、通例、そのデータを活用することができずにいたが、できた場合でも、集合データに対する一律トランザクション(flat transaction)においてそうしていた。

これらの価格設定モデル全ての柔軟性をサポートするため、そして今後他のモデルにも考慮するために、一実施形態では、取引所２１２は、出版者ブローカ２０４と広告主ブローカ２０８との間のＣＰＩモデルに基づき、要求毎に、出版者ブローカ２０４は最小請求、即ち、予約価格をそれらの利用可能な広告空間にセットし、広告主ブローカ２０８は、その広告をこの要求上に表示する権利に対して入札する。先に説明したように、実施形態はＣＰＩ価格設定のみに限定されるのではない。取引所２１２は、その運用をサポートするために、それを通過して流れる収益の小部分を取り、これは、出版者の請求をある割合だけ増分することによって、またはそれらのトラフィックから発生する収益のある割合を差し控える(hold back)という同意を出版者２０２と行うことによって、実施することができる。

出版者２０２はユーザの満足度に関心があるので、それらのサイト上に載せた広告の関連性について何らかの制御を行うことを好む。クリック・スルー(click-through)率は、関連の正しい尺度であり、したがって、多くの出版者は広告上に最低限のクリック・スルー保証を欲しがる場合もある。取引所２１２は、出版者２０２に、容認可能な最低クリック・スルー・レートを任意に指定させる。取引所２１２は、広告主ブローカ２０８を監視し、それがこれらの種類の請求を獲得した場合、それが性能保証を満たしていることを確認する。一実施形態では、広告主ブローカが一貫して低いクリック・スルー・レートを、最小値を要求する出版者請求に対して規定する場合、取引所２１２はシステムからの一次保留というような、懲罰的な処置を講じてもよい。

広告主ブローカ２０８は、それが許可するいずれの外部を向いている価格設定モデルをも、要求毎にＣＰＩ入札に変換することを責務とする。例えば、単純なＣＰＣからＣＰＩへの変換であれば、各広告のクリック毎の入札(per click bid)に、提示された条件に対して広告の予期されるクリック・スルー・レートを乗算する。同様に、ＣＰＡ入札をＣＰＩに変換するには、広告主ブローカ２０８は、変換レートに広告主の変換毎の入札(per conversion bid)を乗算することができる。各要求において利用可能な情報が多い程、広告主ブローカ２０８がクリックまたは変換の確率を予測する際に行われるジョブは、潜在的に向上する。広告主ブローカ２０８は、したがって、これらの確率がどの程度なのか予測するのに役立てるため、そして広告主が異なる入札を行うことによってこれらの属性値の１つまたは他の１つに対する優先度を表現できるようにするために、各要求と共に追加の情報も望むので、要求時に聴衆データ・ブローカ２１０からの情報を有したい。聴衆データ・ブローカ２１０と広告主ブローカ２０８との間における価格設定モデルは、市場であり、聴衆データ・ブローカ２１０がＣＰＭ価格設定レートだけでなく、最低保証請求もセットする。一実施形態では、広告主ブローカ２０８が聴衆データ・ブローカ２１０の情報を用いたい場合、それが落札した広告印象競売の数に対して、保証額またはＣＰＭレートの大部分を支払うことに同意する。取引所２１２は、広告主ブローカ２０８が落札した広告印象競売の数を追跡し、広告主ブローカ２０８に送った要求に対するアタッチ(attach)聴衆データ・ブローカ２１０のユーザ情報について問い合わせるために、このトランザクションには必要となる。

エンティティ・ホスティング取引所(entity hosting exchange)２１２は、全てのデータ源へのアクセスを有し、部分的な判断を行うパワーが与えられている。取引所２１２がホスティング・ボディ(hosting body)および直接的な関与者双方として不公平であるという懸念を軽減するために、一実施形態では、取引所２１２に透明性を組み入れる。その実施形態では、取引所２１２はいずれの種類のブローカであっても特定する方法を有さない。また、その実施形態では、広告主競売アルゴリズム、ならびに広告主対出版者および聴衆データ・ブローカ照合アルゴリズムは、標準化されており、全ての取引所関与者に対して透明である。一実施形態では、ユーザが行為をなすまで、ユーザ特定可能情報を広告主２０６に送らない。取引所２１２は広告主ブローカ２０８に属性値のみを受け渡す。広告主２０６はユーザ識別子を見ない。しかしながら、クリックの時点で、広告主がユーザ識別子を確立し、入札プロファイルをそのユーザと関連付けることがなおも可能である。アーキテクチャ２００に関与することによって、聴衆データ・ブローカ２１０は明示的にその情報を広告主ブローカ２０８と共有している。目標設定が許可されているときはいつでも多少の漏れは不可避であるが（例えば、ユーザを目標に設定し、そのユーザが広告上でクリックすると、広告主はそのユーザに対する目標属性を相関付け格納することができる）、入札の目的で各請求から広告主ブローカ２０８に聴衆データを提供すると、問題が悪化する。しかしながら、これは、広告主ブローカ２０８が取引所２１２上における請求毎に評価される値関数(value function)を指定することを要求することによって、取引所レベルで競売システムを集中化させることによって取り組むことができる。例えば、取引所２１２は、線形値関数を要求することができ、広告主２０６は属性値毎に基本入札および入札刻みを指定する。取引所２１２は、聴衆データのインスタンス化を制御し、つまり広告ブローカ２０８には何ら漏らさない。

一例では、広告主としてのExpediaが「バリでの格安な滞在」の広告を有する。Expediaは、「バリの滞在」をキーワードに選択する。業務情報(business intelligence)は、滞在の広告を目標にする最良の方法は、滞在を購入した履歴があるユーザ、最近滞在の予約を購入したユーザ、および旅行に関する検索を行うユーザを中心とすることであることを示唆する。Expediaは、Amazon、MSNSearch、およびOrbitzからユーザ情報の使用許諾を受けることを決定する。Expediaは、広告印象毎に、Amazonのユーザ情報を使用するためにAmazonに１セント支払うことに同意する。同様に、ExpediaはMSNSearchに１セント、そしてOrbitzに３セント支払うことに同意する。

「格安バリ滞在」の広告に合わせて、Expediaは「先月にバリに関する本を購入した」ユーザ、「過去２年の間に熱帯地域に旅行したことがある」ユーザ、「家族収入が＄３０，０００および＄６０，０００の間である」ユーザ、「休日の旅行計画(deal)について検索したことがある」ユーザ、および「これまでに広告上でクリックしたことがあるユーザ」について目標設定プロファイルを作成する。Expediaは、２０セントの開始価格(base bid)を付ける。彼らの入札の優先順を表現するために、最初の属性に対して５セント刻みで入札し、第２属性に対して１０セント刻みで入札し、第３属性に対して２セント刻みで入札し、第４属性に対して１セント刻みで入札し、第５属性に対して２セント刻みで入札して、彼らの入札優先順を表現する。加えて、取引所２１２は、目標設定を豊富にし、聴衆データ・ブローカ２１０が使用許諾料を守らせるのに役立てるためにユーザ・データを用いた全てのビューを記録する。出版者としてのBordersは、"Lonely Planet Guide to Indonesia"上にページを要求するユーザを有し、彼らはそのページ上で広告を見せたい。彼らは、ページＵＲＬおよびユーザに関する情報、「先月４冊の旅行書を購入した」、「先月バリに関する本を購入した」、および「以前に広告の上でクリックしたことがある」を用いて取引所２１２をコールする。

ＵＲＬが与えられると、取引所２１２はキーワード（「バリ滞在」、「インドネシア旅行」、「エキゾチックな休日」、「浜辺での休日」）、分類（「旅行」、「休日」）、および代行ユーザ・データ情報（聴衆データ・ブローカ２１０との使用許諾から来る）を抽出し、この情報を各広告主ブローカに送る。各広告主は、印象に対して競売を行う。広告主ブローカは、広告主からの集合入札(aggregate bit)を求めることを選択し、印象の時点で聴衆データ・ブローカ使用許諾料を差し引くことができる。例えば、Expediaは、２４セントの集合入札を行い、使用許諾料を差し引いた後、彼らの開始価格が２０セントに等しくなる場合もある。Expediaの広告主ブローカは、最初に、全ての増分入札(incremental bid)を差し引き、適宜出版者または聴衆データ・ブローカに与信を割り当てる必要がある。例えば、Expediaの「先月バリに関する本を購入した」に対する５セント刻みの入札、および「これまでに広告上でクリックしたことがある」に対する２セント刻みの入札を出版者に割り当てる。「過去２年の間に熱帯地域に旅行したことがある」に対する値はOrbitzによって規定されるので、１０セント刻みの入札が彼らに割り当てられる。出版者、および聴衆データ・ブローカのいずれもユーザの家族収入を評価することはできなかったので、この増分ビットは用いられない。検索ユーザ・パターンに対する１セント刻みの入札は、MSNSearchに与信される。しかるべきクレジットの配布の後、広告主ブローカは出版者価値入札(publisher value bid)（開始価格＋あらゆる刻みの出版者入札）を各広告主に割り当てる。Expediaの場合、出版者価値入札は２７セントに等しい。Expediaの入札がＣＰＣに基づくと仮定すると、広告主ブローカは、競売を行い取引所に送る最良の広告を選択する前に、それをＣＰＩに変換する必要がある。Expediaの広告主ブローカは、この具体的な広告は１０％ＣＴＲを得る可能性が高いことを知り、そして格付けの目的のために、Expediaには２．７セントＣＰＩ入札が割り当てられる。Expediaがその広告主ブローカの中で落札した場合、その広告を取引所に送り包括的格付けを行う。Expdeiaが包括的競売で落札した場合、彼らの広告主ブローカには、Expdeiaの広告を表示するために、２．７セントが徴収される。Expediaの広告は、Borderのページ上に配給される。ユーザは、この広告の上でクリックする。ユーザは、２週間のバリ滞在を購入する。

図３は、本発明の実施形態によるアーキテクチャ２００内部におけるデータの流れの一例を示す。図３を参照すると、ユーザ２１４はブラウザを開き、ウェブページのＵＲＬを出版者２０２（１）から要求する。一実施形態では、ウェブページには、何らかの利用可能な広告空間があり、出版者２０２はこれを広告主に販売することを望んでいる。出版者２０２は出版者ブローカ２０４にコールし、広告コール(ad call)を設置する(populate)（２）。出版者ブローカ２０４は、広告コールを、最低ＣＰＩ請求価格および追加属性（先に更に詳細に説明した）と共に返す（３）。ユーザ属性に対する入札およびユーザ識別子と共に、取引所２１２に広告コールを行う。（４）。取引所２１２は、ユーザ識別子および属性に対する入札を徴収データ・ブローカ２１０に受け渡す（５）。一実施形態では、聴衆データ・ブローカ識別子は、ユーザ側で格納され、広告コールと共に取引所２１２に送られるので、取引所２１２は、どの聴衆データ・ブローカがユーザに関する情報を有することができるか特定することができる。聴衆データ・ブローカ２１０は、ユーザ識別子を調べて、対応する属性を属性請求価格と共に用いて応答する（６）。一実施形態では、取引所２１２は、ユーザ属性に対して競売を行い、出版者ブローカ２０４に請求し、聴衆データ・ブローカ２１０に与信し、一律トランザクション料金を手控える(hold back)（７）。取引所２１２は最低請求に全ユーザ属性を加えて、広告主ブローカ２０８に受け渡す（８）。広告主ブローカ２０８は、請求よりも大きい入札の全てを、広告源の場所(ad source location)と共に用いて応答する（９）。一実施形態では、取引所２１２は、広告に対して競売を行い、広告主ブローカ２０８に請求し、聴衆データ・ブローカ２１０および出版者ブローカ２０４に与信し、一律トランザクション料金を手控える（１０）。取引所２１２は、広告源の場所およびトランザクション識別子を差し戻す（１１）。広告要求が広告主ブローカ２０８に対して行われ（１２）、広告主ブローカ２０８は広告内容および宛先ＵＲＬを用いて応答する（１３）。ユーザ２１４が広告の上でクリックすると、ユーザは広告主ブローカ２０８（１４）によって広告主２０６（１５）に転送される。以上の例は、本発明の単なる一例を例示するに過ぎない。他の実施形態では、同じ動作を伴わない場合や、これらを同じ順序では行わない場合もある。具体的には、他の例では、聴衆データ・ブローカ２１０からのデータを補足しない場合もある。他の例では、価格をセットするためにオークションを拠り所とせず、代わりに確実な請求を拠り所としてもよく、この確実な請求は受け入れられることも、拒否されることもあり得る。

図４は、本発明の一実施形態による取引所の動作のフローチャートを示す。図４を参照すると、方法４００は、ウェブページ上の広告空間を求める、出版者ブローカからの請求の受信から開始する（４０２）。広告空間に対する広告主ブローカからの入札を受け取る（４０４）。一実施形態では、多くの異なる広告主ブローカから入札を受け取る。請求は、入札の１つと対をなし（４０６）、ウェブページ上の広告空間は、落札した入札者に授与される。既に一層詳しく説明したように、ユーザ属性のようなその他の情報を請求に添付してもよく、広告空間を授与する前に、入札する広告主の品質を試験してもよい。

図５は、本発明の実施形態による聴衆データ・ブローカの動作のフローチャートを示す。図５を参照すると、方法５００は、ユーザ情報を集めることから開始する（５０２）。ユーザ識別子毎に集合ユーザ情報を格納する（５０４）。ユーザ識別子が取引所から受信されると（５０６）、そのユーザ識別子に対応する集合ユーザ情報が取引所に送られる（５０８）。一実施形態では、聴衆データ・ブローカがユーザのコンピュータ上にクッキーをセットし、それ自体がそのユーザに関する情報を有することを確認する。取引所がそのクッキーを読み取ると、どの聴衆データ・ブローカにユーザに関する情報を問い合わせればよいか分かる。

広告の取引を促進するシステムは、少なくとも１つの出版者を表す出版者ブローカであって、少なくとも１つの出版者のウェブページ上にある広告空間に対する請求を決定する、出版者ブローカと、少なくとも１つの広告主を表す広告主ブローカであって、広告空間に対する広告主の入札を管理する、広告主ブローカと、出版者ブローカと広告主ブローカとの間における広告空間のトランザクションを促進する取引所とを備えている。

広告の取引を促進する方法は、ウェブページ上にある広告空間に対する出版者ブローカからの請求を受けるステップであって、出版者ブローカはユーザからのウェブページの要求を受信した出版者を表す、ステップと、広告空間に対する広告主ブローカからの入札を受けるステップであって、広告主ブローカはユーザに広告することを望む広告主を表す、ステップと、請求を入札と１対とし、ユーザが、広告空間に広告主からの広告が入ったウェブページを出版者から受信するステップとを備えている。

ユーザ情報を豊富にする方法は、ユーザに関するユーザ情報を集めるステップと、ユーザ識別子毎に集合ユーザ情報を格納するステップと、取引所からユーザ識別子を受信するステップと、集合ユーザ情報を取引所に送るステップとを備えている。

以上、具体的な実施形態例を参照しながら本発明について説明したが、本発明の広義の主旨および範囲から逸脱することなく、これらの実施形態には種々の修正や変更が可能であることは明白である。したがって、明細書および図面は、限定的ではなく例示的と見なすこととする。

図１は、本発明を実施する際に用いるのに適した計算システム環境のブロック図である。 図２は、本発明の実施形態による、オンライン広告のための分散アーキテクチャを示す。 図３は、本発明の実施形態による、アーキテクチャ２００内部におけるデータの流れの一例を示す。 図４は、本発明の実施形態による、取引所の動作のフローチャートを示す。 図５は、本発明の実施形態による、聴衆データ・ブローカの動作のフローチャートを示す。

Claims (9)

1. 広告の取引を促進するシステムであって、
   少なくとも１つの出版者を表す出版者ブローカであって、前記少なくとも１つの出版者のウェブページ上にある広告空間に対する請求を決定する、出版者ブローカと、
   少なくとも１つの広告主を表す広告主ブローカであって、前記広告空間に対する前記少なくとも１つの広告主の入札のうち１つを管理する、広告主ブローカと、
   少なくとも１つのユーザ・データ所有者を表す聴衆データ・ブローカであって、該聴衆データ・ブローカは、ユーザ情報を集め、集合ユーザ情報をユーザ識別子と関連付け、該聴衆データ・ブローカは、前記集合ユーザ情報を供給し、前記集合ユーザ情報に署名して前記集合ユーザ情報を供給する該聴衆データ・ブローカの素性を証明する、聴衆データ・ブローカと、
   前記出版者ブローカと前記広告主ブローカとの間における前記広告空間のトランザクションを促進し、前記広告主ブローカ及び前記出版者ブローカの１つ以上と前記聴衆データ・ブローカとの間における前記集合ユーザ情報の販売トランザクションを促進する取引所であって、該取引所は、前記聴衆データ・ブローカの素性を検証し、前記集合ユーザ情報を前記請求に添付し、前記聴衆データ・ブローカを特定するクッキーをユーザの計算デバイスにセットし、前記集合ユーザ情報を格納する、取引所と、
   を含み、
   前記出版者ブローカ、広告主ブローカ、聴衆データ・ブローカ及び取引所は、１つ以上の計算デバイスにより実行される、システム。
2. 請求項１記載のシステムにおいて、前記広告主ブローカは、広告を管理する、システム。
3. 請求項１または２に記載のシステムにおいて、前記出版者はトラフィック在庫集合体を確立し、前記請求を前記出版者ブローカを通じてセットする、システム。
4. 請求項１から３のいずれかに記載のシステムにおいて、前記取引所は、前記出版者のウェブページに関する情報を前記広告主ブローカに提供する、システム。
5. 請求項１から４のいずれかに記載のシステムにおいて、前記広告空間に対するトランザクションは、印象当たりのコスト、取得当たりのコスト、クリック当たりのコスト、１０００印象当たりのコスト、または収益分配価格設定モデルに基づく、システム。
6. 広告の取引を促進する、コンピュータにより実行される方法であって、
   取引所が、ウェブページ上にある広告空間に対する出版者ブローカからの請求を受けるステップであって、前記出版者ブローカはユーザからの前記ウェブページの要求を受信した出版者を表し、前記取引所、前記出版者ブローカおよび前記出版者がそれぞれコンピュータにより実施される、ステップと、
   前記取引所が、前記ユーザから聴衆データ・ブローカの聴衆データ・ブローカ識別子を受けるステップであって、前記聴衆データ・ブローカ識別子は、前記ユーザの計算デバイスにおいてクッキーとして格納され、前記聴衆データ・ブローカ識別子は、前記聴衆データ・ブローカの素性を証明する署名を含み、前記聴衆データ・ブローカがコンピュータにより実施される、ステップと、
   前記取引所が、前記ユーザを特定するユーザ識別子を前記聴衆データ・ブローカに送るステップと、
   前記取引所が、前記ユーザ識別子と関連付けられた集合ユーザ情報を前記聴衆データ・ブローカから受信するステップと、
   前記取引所が、前記集合ユーザ情報を前記請求に添付するステップと、
   前記取引所が、前記集合ユーザ情報を広告主ブローカに送るステップであって、前記広告主ブローカがコンピュータにより実施される、ステップと、
   前記取引所が、前記広告空間に対する前記広告主ブローカからの入札を受けるステップであって、前記広告主ブローカは前記ユーザに広告することを望む広告主を表す、ステップと、
   前記取引所が、前記請求を前記入札と対にするステップであって、前記ユーザが、前記広告空間に広告主からの広告が入った前記ウェブページを前記出版者から受信する、ステップと、
   を含む方法。
7. 請求項６記載の方法において、前記広告空間に対するトランザクションは、印象当たりのコスト、取得当たりのコスト、クリック当たりのコスト、１０００印象当たりのコスト、または収益分配価格設定モデルに基づく、方法。
8. 請求項６または７に記載の方法であって、更に、
   前記取引所が、前記ウェブページに関する情報を、前記広告主ブローカに提供するステップを含む、方法。
9. コンピュータ実行可能命令を有する１つ以上のコンピュータ読み取り可能記憶媒体であって、前記コンピュータ実行可能命令は、コンピュータにより実行されると、請求項６から８のいずれかに記載の方法を前記コンピュータに実行させる、１つ以上のコンピュータ読み取り可能記憶媒体。

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