JP5394764B2 - 拡底バケット - Google Patents

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Description

本発明は、拡底バケットに関し、特に、縦孔の内壁を適切な形状に拡底可能としつつ、製品コストの削減と掘削性能の確保とを図ることができる拡底バケットに関するものである。
先端拡大形状の杭を施工する場合に使用される拡底バケットが、例えば、特公昭63−65797号公報に開示されている。この拡底バケットによれば、複数の掘削刃(爪)を設けた拡大翼(拡底翼)32が、円筒状のケース(本体)30の開口部に蝶番により開閉可能に取り付けられ、開閉機構からの駆動力により拡大翼32が開閉するように構成されている。
このように構成された拡底バケットによる拡底作業は、拡底翼を閉じて縮径した状態で拡底バケットを地表から縦孔の先端に降ろし、その拡底バケットを回転させつつ、拡底翼を徐々に開いて拡径させることで、縦孔の孔壁(内壁)を拡底翼の爪で掘削し、縦孔の先端(底部)をテーパー形状に拡大(拡底)する。
特公昭63−65797号公報(第7図から第9図など)
ここで、拡底翼への複数の爪の取り付けは、拡底翼に対する各爪の取り付け角度をそれぞれ同じ角度とすることで、好適な掘削角度を確保しつつ取り付け作業の工数低減を図ることができる。しかしながら、この場合には、各爪で縦孔の内壁を掘削すると、掘削後の内壁の中途の形状が膨らむという問題点があった。この内壁の膨らみは、縦孔内に打設するコンクリートの量を増加させる。そのため、従来の拡底バケットでは、拡底翼に対する各爪の取り付け角度をそれぞれ個別に調整することで、掘削後の内壁形状(直線状のテーパ形状)を確保していた。
しかしながら、この場合には、各爪の取り付け角度の調整が煩雑であると共に、爪の取り付け角度を調整するための形状の異なる治具や入れ子(拡底翼と爪との間に介在させる調整用部材)が多数必要となるため、取り付けコストや部品コストが嵩み、その分、拡底バケット全体としての製品コストが増加するという問題点があった。
また、掘削後の内壁形状の確保を優先した結果、各爪に好適な掘削角度を付与することができないため、掘削能率の低下を招くという問題点があった。更に、拡底翼の拡径量によっては、内壁へ先端が当接しない爪や内壁へ先端よりも胴部が先に当接する爪が発生し、爪が早期摩耗するばかりか、掘削が不能になるという問題点があった。
本発明は、上述した問題点を解決するためになされたものであり、縦孔の内壁を適切な形状に拡底可能としつつ、製品コストの削減と掘削性能の確保とを図ることができる拡底バケットを提供することを目的としている。
この目的を達成するために請求項1記載の拡底バケットは、複数の爪およびそれら複数の爪が取着される板状体を有する拡底翼と、その拡底翼が回動可能に連結される本体と、その本体に対して前記拡底翼を開閉させる開閉機構と、を備え、縦孔内に挿入され、前記開閉機構を作動させて前記拡底翼を拡径させつつ前記本体回転させることで、前記縦孔の内壁を前記複数の爪により掘削するものであり、前記板状体は、前記本体の回転軸方向視が円弧状に湾曲形成されると共に、前記本体の回転方向前方側を向く前記板状体の周方向一方側の端縁部が前記本体の回転軸に直交する方向から視て周方向他方側へ凹んだ弓形形状に形成され、前記複数の爪は、前記板状体の周方向一方側の端縁部に前記複数の爪が列設されると共に、前記複数の爪のそれぞれの長手方向を、前記本体の回転軸方向視において円弧状に形成された前記板状体の接線方向へ向けた状態で前記板状体の周方向一方の端縁部に取着されている。
請求項2記載の拡底バケットは、請求項1記載の拡底バケットにおいて、前記板状体は、周方向一方の端縁部が、複数の直線を組み合わせた近似的な曲線形状とされることで、周方向一方の端縁部における端面が複数の平坦面から構成され、前記複数の爪は、その基部側の端面を、前記板状体の周方向一方の端縁部における端面に当接させた状態で、前記板状体に取着されている。
請求項1記載の拡底バケットによれば、開閉機構によって拡底翼が閉じられて縮径された状態とされると、かかる状態の拡底バケットが地表から縦孔の先端に降ろされ、ケリーバによって回転される。そして、開閉機構によって拡底翼が徐々に開かれて拡径されることで、縦孔の内壁が拡底翼の複数の爪により掘削され、縦孔の先端(底部)がテーパー形状に拡大(拡底)される。
この場合、本発明によれば、拡底翼(板状体)の周方向一方の端縁部に、複数の爪をそれぞれの長手方向を、本体の回転軸方向視において円弧状に形成された板状体の接線方向へ向いた状態で取着する構成であるので、各爪の掘削角度を好適な角度して、掘削能率の向上を図ることができるので、掘削性能を確保することができるという効果がある。
また、拡底翼の開度が変化しても、各爪の掘削角度を好適な角度に維持することができ、各爪の取り付け角度が個別に調整された従来品のように、内壁へ先端が当接しない爪や内壁へ先端よりも胴部が先に当接する爪が発生することがなく、爪の早期摩耗や掘削不能となる事態を回避することができるので、掘削性能を確保することができるという効果がある。
更に、本発明によれば、このように、拡底翼に各爪をそれぞれが接線方向を向いた状態で取着することで、掘削性能を確保しつつも、これら複数の爪が取着される周方向一方の端縁部を周方向他方側へ向けて凹んだ弓形形状とする構成であるので、掘削後の内壁の中途の形状が膨らむことを抑制して、かかる縦孔の内壁を適切な形状(直線状のテーパ形状)に掘削することができるという効果がある。その結果、打設するコンクリートの量が不必要に増加することを抑制することができる。
ここで、本発明によれば、上述したように、拡底翼(板状体)の周方向一方の端縁部を周方向他方側へ向けて凹んだ弓形形状とし、かかる周方向一方の端縁部に、複数の爪をそれぞれの長手方向を、本体の回転軸方向視において円弧状に形成された板状体の接線方向へ向いた状態で取着する構成であるので、縦孔の内壁を適切な形状に拡底可能とし、かつ、掘削性能の確保を図りつつ、拡底翼に対する複数の爪の取り付け状態をそれぞれ同じ状態とすることができる。その結果、従来品のように、各爪の取り付け角度をそれぞれ個別に調整する必要がなく、よって、各爪の取り付け角度を調整するための形状の異なる治具や入れ子を多数準備する必要もないので(例えば、各爪に共通の1種類分の準備で足りる)、その分、取り付けコストや部品コストを削減して、拡底バケット全体としての製品コストの削減を図ることができるという効果がある。
請求項2記載の拡底バケットによれば、請求項1記載の拡底バケットの奏する効果に加え、板状体の周方向一方の端縁部を、複数の直線を組み合わせた近似的な曲線形状とすることで、周方向一方の端縁部における端面を複数の平坦面から構成し、爪の基部側の端面と板状体の周方向一方の端縁部における端面とを当接させた状態で、爪を板状体に取着する構成であるので、その取り付け作業を簡素化して、その分、拡底バケット全体としての製品コストの削減を図ることができるという効果がある。
即ち、本発明によれば、板状体の周方向一方の端縁部における端面が複数の平坦面からなる構成であるので、爪の基部における端面も平坦面に形成すれば良く、曲面形状とする必要がない。よって、爪の基部の加工を簡素化して、加工コストの削減を図ることができるので、その分、拡底バケット全体としての製品コストの削減を図ることができる。
また、本発明によれば、上述したように、爪と板状体との端面同士を直接当接させて接合する構成であるので、従来品のように、各爪の取り付け角度をそれぞれ個別に調整する必要がなく、よって、各爪の取り付け角度を調整するための形状の異なる治具や入れ子を多数準備する必要もないので(少なくとも入れ子を不要とすることができる)、その分、取り付けコストや部品コストを削減して、拡底バケット全体としての製品コストの削減を図ることができるという効果がある。
本発明の一実施の形態におけるアースドリル機の側面を示した側面図である。 (a)は、縮径した状態における拡底バケットの側面図であり、(b)は、拡径した状態における拡底バケットの側面図である。(c)は、図2(b)のIIc−IIc線における拡底バケットの断面図である。 (a)は、拡底翼の展開図であり、(b)は、翼部の展開図である。 拡底バケットが掘削する拡底孔の断面形状と、拡底バケットの拡底翼を展開した側面形状との関係を示した関係図である。 (a)は、拡底バケットの上面を模式的に示した上面模式図であり、(b)は、図5(a)のVb部を拡大して示した拡底翼の部分拡大図であり、(c)は、拡底バケットの上面を模式的に示した上面模式図であり、(d)は、図5(c)のVd部を拡大して示した拡底翼の部分拡大図である。
以下、本発明の好ましい実施形態について、添付図面を参照して説明する。まず、図1を参照して、拡底バケット19を備えるアースドリル機1について説明する。図1は、本発明の一実施の形態におけるアースドリル機1の側面を示した側面図であり、理解を容易とするために、拡底バケット19が拡径した状態を示している。
図1に示すように、第1実施の形態のアースドリル機1は、杭を成形するための拡底孔K(図4参照)を掘削する作業を行なうものであり、具体的には、掘削された縦孔の底部にその縦孔より大きな径を有する空間を掘削するものである。この掘削作業は、アースドリル工法の一工程であり、底部のみを大きな径で掘削することで、縦孔全体を大きな径で掘削する場合に比べて、掘削土量および縦孔に注入するコンクリート量を少なくして、工期短縮、工費削減を可能とする。
図1に示すように、アースドリル機1は、主に、走行可能な下部本体11と、その下部本体11に対して旋回可能な上部旋回体12と、その上部旋回体12に対して起立した状態で取り付けられるブーム13と、そのブーム13に設けられたフロントフレーム部14と、ブーム13の上部(図1上方の端部)に吊設される棒状のケリーバ15と、そのケリーバ15を回転駆動させると共にフロントフレーム部14に連結されるケリーバ駆動装置16と、そのケリーバ駆動装置16の下方に連結され後述する一対の油圧アクチュエータ21(図2参照)に油を供給する油圧ホース(図示せず)の巻き取り又は巻き出しを行なうホースリール17と、そのホースリール17が搭載されたホースリール台18と、ケリーバ15の下方先端(図1下方先端)に連結され、ケリーバ15の回転に伴って回転動作を行なう拡底バケット19と、その拡底バケット19側とケリーバ駆動装置16側とにおいて油を供給するロータリージョイント20とを有して構成されている。
なお、ロータリージョイント20は、拡底バケット19に設けられた油圧アクチュエータ21(図2(a)及び図2(b)参照)に油を供給するために設けられており、制御装置にてポンプの駆動が制御されロータリージョイント20へ供給される油の量が調整される。また、油圧アクチュエータ21へ流れ込む油の量は、流量計測装置にて計測されており、油圧アクチュエータ21へ流れ込んだ油の量によって、拡底バケット19の拡大径S(図2(c)参照)が推定される。なお、拡大径Sは、一対の拡底翼60の一方の拡底翼60の先端部62cから他方の拡底翼60の先端部62cまでの距離を示している。
ロータリージョイント20は、ホースリール台18に固定された非回転の外筒と、その外筒の内部に回転自在に嵌合される内筒とで構成されており、外筒と内筒との間に溝状の流路が形成されている。なお、内筒の回転は、ケリーバ15がケリーバ駆動装置16により回転されることに伴って回転する。
次に、図2を参照して、拡底バケット19の構成について説明する。図2(a)は、縮径した状態における拡底バケット19の側面図であり、図2(b)は、拡径した状態における拡底バケット19の側面図である。図2(c)は、図2(b)のIIc−IIc線における拡底バケット19の断面図である。
また、図2(a)及び図2(b)では、図面の簡素化のため、図示される計4個のリンク70の内の1個のリング70を除いて2点鎖線の直線にて示している。また、図2(c)では、図2(a)に示す縮径した状態の拡底バケット19を破線で示している。なお、図2(a)及び図2(b)の側面図は、図2(c)に示す矢印IIb方向からの側面図である。
図2(a)及び図2(b)に示すように、拡底バケット19は、掘削された縦孔の底部に降ろされて、ケリーバ15(図1参照)の回転に伴って回転動作を行ないながら、油圧アクチュエータ21の伸張により拡底翼60を拡径させつつ土砂を掘削し、油圧アクチュエータ21の短縮により拡底翼60を縮径させて掘削した土砂を枠体30の内部に収容した状態で引き上げられることで、縦孔の底部を拡径するものである。
また、枠体30に収容される土砂の体積より、大きな体積の空間を掘削する必要が有る場合には、複数回の上昇下降動作が行われ、拡底孔の径が徐々に拡大される。なお、掘削中は、縦孔の側面の崩れなどを防止する目的で、拡底孔K(図4参照)の内にベントナイトの安定液が充填される。
図2(a)から図2(c)に示すように、拡底バケット19は、主に、側面視(図2(a)紙面垂直方向視)長方形の外形を有する枠体として構成された枠体30と、その枠体30の両側(図2(c)左右側)に配設されると共に枠体30に揺動(回動)可能に取り付けられ拡底孔K(図4参照)を掘削する一対の拡底翼60と、それら一対の拡底翼60の間で枠体30の上部(図2(a)上部)に嵌合されると共にピンPによって枠体30へ係止される筒状に構成されたロッド40と、そのロッド40に外嵌されロッド40の長手方向(図2上下方向)に往復移動可能とされるスラスタ50と、そのスラスタ50と枠体30の上部(図2(a)上部)とに連結され、ロータリージョイント20から油圧配管22を介して供給されたオイルの液圧によりロッド40の長手方向に伸縮することでスラスタ50を往復移動させる油圧アクチュエータ21と、その油圧アクチュエータ21によって往復移動されるスラスタ50と拡底翼60との間に介在してスラスタ50の往復移動に連動して拡底翼60を開閉動作させるリンク70とを備えている。
図2に示すように、枠体30は、側面視(図2(a)紙面垂直方向視)四角の枠形状に構成され、縦壁を形成する一対の外周壁30aと、それら一対の外周壁30aの上側端部(図2(a)及び図2(b)下側端部)を連結する連結部30bと、それら一対の外周壁30aの下側端部(図2(a)及び図2(b)下側端部)を連結する皿部30cとを備えている
次いで、図3を参照して、拡底翼60の構成について説明する。図3(a)は、拡底翼60の展開図であり、図3(b)は、翼部61の展開図である。拡底翼60は、図3(a)に示すように、拡底翼60の基体部として構成される翼部61と、その翼部61の外縁から突出される爪部62と備えている。
翼部61は、平板を湾曲させた形状(図2(c)参照)に構成されており、図3(b)に示すように、展開した状態において、側面視(図2紙面垂直方向視)略直角三角形状に構成されている。また、翼部61の外縁部分は、主に、斜辺61a、長辺61b及び短辺61cにて形成されており、長辺61bと短辺61cとの成す角度が略直角に構成されている。
また、斜辺61aは、図3(b)に示すように、長辺61b側(図3(b)左側)へ凹んだ弓形形状に構成されており、その斜辺61aには、図3(a)に示すように、複数(本実施の形態では、21個)の爪部62が突出されている。
それら複数の爪部62は、楔形形状に構成されており、斜辺61aに当接される面である底面62a(図5(b)及び図5(d)参照)と、その底面62aの両側に一端側が接続され他端側が互いに接続される一対の斜面62b(図5(b)及び図5(d)参照)と、それら斜面62bの接続部分として形成される先端部62c(図5(b)及び図5(d)参照)とを備えている。なお、爪部62の断面形状(図5(b)及び図5(d)参照)は、二等辺三角形として構成されている。
爪部62の底面62a(図5(b)及び図5(d)参照)は、斜面62b(図5(b)及び図5(d)参照)が接続される両端からの中間線を中心面E(図5(b)及び図5(d)参照)に重ねつつ後述する斜辺61aの端面61d(図5(b)及び図5(d)参照)に当接された状態にて端面61dへ溶接されている。
その端面61dは、中心面E(図5(b)及び図5(d)参照)に直交して形成されているので、それら爪部62の突出方向(底面62aから先端部62cへ向かう方向、請求項1記載の「長手方向」に対応する方向)が上面視(図5紙面垂直方向視)において、仮想平面F(図5(a)及び図5(a)参照)に平行となる。
なお、この仮想平面Fは、翼部61の外周面と内周面とから等距離の位置を繋げて形成された面である中心面E(図5参照)に接する平面であり、その中心面Eと仮想平面Fとが接する接線が後述する翼部61の端面61dと中心面Eとの交線T5に一致される。
即ち、翼部61の斜辺61a側の外縁を形成する面である端面61d(請求項2記載の「端面」に対応する)に爪部62が取り付けられているので、爪部62を翼部61へ取り付ける際には、爪部62を端面61dに当接させることで翼部61に対する取り付け角度を一定とすることができる。その結果、斜辺61aへ爪部62を取り付ける際の手間を省いて、拡底バケット19の製造コストを削減することができる。
なお、拡底バケット19の上面視における仮想平面Fの延設方向は、請求項1記載の「接線方向」に対応する。
また、爪部62の取り付け角度、爪部62の突接高さ又は斜辺61aの外縁形状を変更することで、拡底孔K(図4参照)の外形形状の変更が可能であり、従来は、主に、爪部62の翼部61に対する取り付け角度を変更することで、拡底孔Kの(図4参照)の断面形状を変更していた。
これに対して、本実施の形態では、斜辺61aから突出される複数の爪部62の先端を結んだ仮想線L2(図4参照)が斜辺61aに対して平行とされているので、掘削される拡底孔K(図4参照)の側面の断面形状線を斜辺61aが形成する軌跡の断面形状を転写した形状とすることができる。
また、拡底翼60は、短辺61cを皿部30c側(図2(a)及び図2(b)下側)に配置した状態で、長辺61bが外周壁30a(図2(c)参照)の外縁側に揺動(回動)可能に接続されている(図2参照)。即ち、拡底翼60は、皿部30cから連結部30bへ向かう方向に先細り形状となるように配置されている(図2参照)。
よって、ロッド40(図2参照)の軸心である回転中心線T2を中心として拡底バケット19(図2参照)を回転させつつ拡底バケット19(図2参照)の拡底翼60を拡径させると、拡底バケット19によって上側(図2(b)参照)に先窄まりの円錐台形状に構成された拡底孔K(図4参照)が掘削される。
次いで、図4を参照して、拡底バケット19が掘削する拡底孔Kの形状と、拡底バケット19の拡底翼60の形状との関係について説明する。図4は、拡底バケット19が掘削する拡底孔Kの断面形状と、拡底翼60を展開した側面形状との関係を示した関係図である。
なお、図4では、拡底翼60は、高さ方向(図4矢印Z1方向)に尺度を小さくした展開図として示され、拡底バケット19は、上面図として示され、拡底バケット19が掘削する拡底孔Kの一部が鉛直方向(図4矢印Z2方向)に尺度を小さくした断面図として示されている。また、矢印X1及び矢印Z1は、互いに直交すると共にそれぞれ長辺61b及び短辺61cに平行とされており、矢印X2及び矢印Z2は、拡底バケット19によって掘削される拡底孔Kの水平方向および鉛直方向を示している。
また、拡底翼60が拡底バケット19へ取り付けられた状態において、外形点P0は、最も外周壁30a側(図4矢印Z1方向側)へ近接した位置に配設される爪部62の先端部分を示し、外形点P4は、最も長辺61bから斜辺61a側(図4矢印X1方向側)へ離間した位置に配設される複数の爪部62の内の最も外周壁30a側(図4矢印Z1方向側)へ離間した位置に配設される爪部62の先端部62c(図5(b)及び図5(d)参照)を示しており、外形点P1、外形点P2及び外形点P3は、拡底翼60の長手方向(矢印Z1方向)において、外形点P0と外形点P4との間の間隔を4等分(それぞれが図4矢印Z1方向において距離Dずつ離れている)する位置を示している。
また、拡底孔Kの外形点Q0から外形点Q4は、回転中心線T2を含む平面である切断面Gによって切断される断面において、外形点P0から外形点P4によってそれぞれに掘削される拡底孔Kの周面上の位置を示している。なお、拡底孔Kの周面は、請求項1記載の「内壁」に対応する。また、外形点P1,P2,P3,P4,Q1,Q2,Q3,Q4、揺動中心線T1及び回転中心線T2を黒丸にて示している。
拡底バケット19は、図4に示すように、ロッド40の軸心と一致する回転中心線T2を回転の中心として回転されると共に、拡底翼60を拡径しつつ略円錐形状の拡底孔Kを掘削するものであり、掘削される拡底孔Kの形状は、回転中心線T2の延長方向(図4矢印Z1方向、円錐の高さ方向)の所定の位置における回転中心線T2から爪部62の先端部62c(図5(b)及び図5(d)参照)までの距離(回転中心T2に直交する平面上における距離R0から距離R4)によって決定される。即ち、各爪部62先端の軌跡が掘削される拡底孔Kの周面の形状となる。
また、拡底孔Kの外形点Q0から外形点Q4は、切断面Gによって切断される断面において、外形点P0から外形点P4によってそれぞれに掘削される拡底孔Kの周面上の位置を示している。外形点Q0は、拡底孔Kの最上端の位置を示し、外形点Q4は、拡底孔Kの底の位置を示し、外形点Q1、外形点Q2及び外形点Q3は、垂直方向(図4矢印Z2方向)において、外形点Q0、外形点Q4の間を4均等分(それぞれが図4矢印Z2方向において距離Dずつ離れている)する位置を示している。
拡底翼60は、上述したように、上面視(図4紙面垂直方向視)において、湾曲形状に構成されると共に長辺61b側の部位が外周壁30aに揺動(回動)可能に接続されており、揺動中心線T1が揺動の中心とされている。外周壁30aを備える枠体30は、ロッド40の軸心と一致する回転中心線T2が回転の中心とされている。
ここで、拡底翼60の外形点P0から外形点P4のそれぞれの回転軌跡(拡底バケット19が回転中心線T2を中心として回転することで描かれる軌跡)について説明する。
外形点P0から外形点P4は、図4に示すように、各爪部62の先端である先端部62c(図5(b)及び図5(d)参照)を結んだ仮想の直線である仮想線L2上に位置する点であり、揺動中心線T1の延長方向(図4矢印Z1方向)において、互いに距離D離れて均等間隔に位置している。
拡底翼60は、上述したように、斜辺61aが長辺61b側へ凹んでいるので、爪部62の先端を結んだ仮想線L2も凹んだ形状とされる。そのため、長辺61bに対して直交する方向(図4矢印X1方向)において、外形点P0と外形点P4を結んだ仮想直線L1と長辺61bとの間の寸法値に対して、長辺61bと外形点P1,P2,P3とを結んだ距離(寸法r1、寸法r2及び寸法r3)を小さくすることができる。即ち、外形点P1,P2,P3は、直線L1よりも長辺61b側(図4矢印X1逆方向側)に位置している。
また、拡底翼60の翼部61は、上面視(図4紙面垂直方向視)において、揺動中心軸T2に直交する面にて切断した断面形状が湾曲形状に構成されており、外形点P4側の部位が回転中心線T2側へ巻き込んだ形状とされているので、展開状態において、長辺61bからの距離が遠い翼部61上の接線ほど回転中心線T2を中心とする径方向に対しての傾斜が大きくなる。
そのため、展開状態における長辺61bから矢印X1方向への距離の変化に対して長辺61bから離れた位置(揺動中心線T1を中心とする径方向外側の位置)の爪部62ほど回転中心線T2から径方向へ離間する割合が減る。
ここで、具体的に各部分の寸法値を使って説明する。仮想線L2が凹んだ形状に構成され、その仮想線L2は、長辺61bに対して外形点P0側よりも外形点P4側の部分が傾斜しているので、寸法r10、寸法r21、寸法r32、寸法r43の順に値が大きくなる(寸法r10<寸法r21<寸法r32<寸法r43)。そして、翼部61が湾曲しているため、外形点P0側よりも外形点P4の側の掘削位置が回転中心T2から径方向へ離間する度合が小さくなる。
よって、翼部61の斜辺61aの凹み具合を調整することで仮想線L2の凹んだ形状を変化させて、寸法R10、寸法R21、寸法R32及び寸法R43を略同一の寸法(R10=R21=R32=R43)とすることができる。その結果、拡底孔Kの外形点Q0,Q1, Q2, Q3,Q4を結んだ線を直線形状として拡底孔Kを円錐台形状に構成することができる。
なお、寸法r10は、寸法r1から寸法r0を引いた差であり、寸法r21は、寸法r2から寸法r1を引いた差であり、寸法r32は、寸法r3から寸法r2を引いた差であり、寸法r43は、寸法r4から寸法r3を引いた差である。
また、寸法R10は、半径R1から半径R0を引いた差であり、寸法R21は、半径R2から半径R1を引いた差であり、寸法R32は、半径R3から半径R2を引いた差であり、寸法R43は、半径R4から半径R3を引いた差である。
例えば、斜辺61aが直線状に構成されていた場合には、拡底翼60の展開状態における距離(湾曲面に沿って図った距離)であって、長辺61bから離れた位置(揺動中心線T1を中心とする径方向外側の位置)の爪部62ほど翼部61上における長辺61bからの距離に対して径方向へ離間する割合が減るように構成されているので、拡底バケット19によって掘削される拡底孔Kの断面形状(切断面Gによって切断された面)の斜辺は直線形状ではなく、外側(図4右側)に突の弓形形状となる。即ち、拡底孔K(図4参照)の形状は皿部30c側の径方向の広がりが抑えられた釣鐘型の形状となる。
この場合、杭を成型するために、拡底孔Kにセメントを流し込むと釣鐘型の側面の膨らんだ部分にもセメントが充填される。この膨らんだ部分は、杭の強度に寄与しない部位であり、セメントが無駄となり、施工コストが嵩むという不具合がある。また、膨らんだ分だけ、土砂を掘削する手間と拡底孔Kから土砂を搬出する手間が掛っており、施工効率が悪化するという不具合がある。
これに対して、本実施の形態では、斜辺61aが長辺61b側(図3(b)左側)へ凹んだ弓形形状として構成されているので、切断面Gにおける拡底孔Kの斜辺の一部が外側に突出する分をあらかじめ見込んで凹ませることができる。
よって、回転中心線T2を中心に拡底バケット19を回転させる場合に、拡底孔Kの膨み分を見込んで、翼部61の斜辺61aを長辺61b側へ凹ませる度合いを調整することで、寸法値R10、寸法値R21、寸法値R32及び寸法値R43を同一値とすることができる。その結果、切断面Gによって切断される断面における拡底孔Kの斜辺を直線形状に構成される略円錐形状とすることができる。
その結果、余分なセメントの充填を防止して施工コストの削減を図ると共に土砂を掘削する手間と拡底孔Kから土砂を搬出する手間とを省いて、施工効率の向上を図ることができる。
次いで、図5を参照して、翼部61に対する爪部62の取り付け向きについて説明する。図5(a)は、拡底バケット19の上面を模式的に示した上面模式図であり、図5(b)は、図5(a)のVb部を拡大して示した拡底翼60の部分拡大図であり、図5(c)は、拡底バケット19の上面を模式的に示した上面模式図であり、図5(d)は、図5(c)のVd部を拡大して示した拡底翼60の部分拡大図である。
上述したように、爪部62は、翼部61の斜辺61a(図3(b)参照)の端面61dから突出されており、それら爪部62の突出方向(底面62aから先端部62cへ向かう方向)は、上面視(図5紙面垂直方向視)において、仮想平面Fに平行とされている。その仮想平面Fは、上述したように、中心面Eに接する平面であり、その中心面Eと仮想平面Fとが接する接線T4(図5紙面垂直方向へ延設される直線)が斜辺61aの端面61dと中心面Eとの交線T5に一致される。
そして、図4(d)に示すように、拡底翼60が拡径されていくことで、仮想平面Fは、外周軌跡P1に対して所定の角度βを成して交差し、図4(b)に示すように、拡底バケット19が最大径に拡径した状態において、外周軌跡P2に対して角度αを成す。
また、爪部62は、上面視(図5紙面垂直方向視)において、仮想平面Fを境に対称に構成されており、仮想平面F上に位置する先端部62cの角度が角度γとされている。そのため、角度βが爪の角度γの1/2より小さい状態では、爪部62の先端部ではなく、爪部62の側面が拡底孔Kの周面に当接されるので、掘削効率が悪化する。しかし、縦孔を若干大きく形成して、角度βが度γの1/2より大きくなった状態から縦孔の周面に爪部62が当接されるようにすることで、爪部62の先端部分を縦孔の周面に最初に当接させることができる。よって、爪部62の先端部分を縦孔の周面に当接させることで、効率よく拡底孔Kを掘削することができる。
なお、複数の爪部62は、すべての爪部62が翼部61の端面61dから突出されており、それら爪部62の突出方向(底面62aから先端部62cへ向かう方向)は、上面視(図5紙面垂直方向視)において、仮想平面Fに平行とされているので、すべての爪部62の先端部分を拡底孔Kの周面に当接させることができる。
例えば、翼部61の斜辺61a(図3(b)参照)を直線状に形成し、斜辺61aから突出される爪部62の突出方向(底面62aから先端部62cへ向かう方向)を仮想平面Fに平行とした場合には、拡底孔Kが釣鐘形状に掘削され、釣鐘状に膨らんだ分、余分なセメントを流し込むことになり、コストが嵩むという不具合がある。そのため、釣鐘の膨らんだ部分を掘削する爪部62の取り付け角度を変更することで、拡底孔Kを円錐台形状とし、余分なセメントの流し込み量を低減していた。
この場合、各爪部62毎に取り付け角度が異なるので、翼部61に爪部62を取り付ける際には、位置決め用の治具を翼部61の周りに組んで、その治具を基準に爪部62の翼部61に対する位置出しを行っていた。そのため、爪部62を翼部61へ取り付ける作業に手間がかかるという不具合がある。
また、斜辺61aの端面61dに対して爪部62の底面62aを傾けるので、端面61dと底面62aとの間に隙間ができ、溶接作業が困難となる。そこで、隙間を埋めるための入れ子を挿入すると入れ子を挿入する工数と、入れ子を溶かすための時間が必要となり、溶接作業に時間が掛るという不具合がある。
これに対し、本実施の形態では、翼部61の斜辺61aが長辺61b側に凹んだ形状として構成されているので、複数の爪部62の突出方向をすべて仮想平面Fに平行としつつ、爪部62の先端部62cを結んだ仮想線L2を長辺61b側へ凹んだ形状とすることで、拡底孔Kを円錐台形状とすることができる。
よって、複数の爪部62は、底面62aを斜辺61aの端面61dに当接させることで、取り付け向きが決められるので、取り付け向きを決める手間を省くことができると共に掘削される拡底孔Kの形状を円錐台形状とすることで、拡底孔Kへの余分なセメントの注入を防止することができる。
ここで、図3に戻って、拡底翼60の製造方法について説明する。拡底翼60は、平板に翼部61の外形を示した切断線をけがいてから、その平面を円弧形状に曲げる。斜辺61aの形状を示す切断線は、複数の直線を組み合わせて構成され長辺61b側へ凹んだ弓型形状として構成されている。
その後、切断線に沿って、平板を切断することで、翼部61を切り出す。この場合、切断線は直線の組み合わせにて近似的な曲線形状(請求項2記載の「端縁部の曲線形状」に対応する)として構成されているので、斜辺61aの切断面である端面61dは、平面を組み合わせて構成された近似曲面となる。よって、爪部62の底面62a(図5(b)及び図5(d)参照)を端面61dに当接させることで、爪部62の取り付け向きを固定することができる。
また、底面62aが端面61dに当接されることで爪部62の取り付け向きを固定することができるので、端面61dは、仮想平面Fに対して傾いても良く、近似的な曲線を構成する平坦面がそれぞれ異なる向きを向いていてもその傾きのばらつきはある程度許容される。この場合、端面61dに爪部62の底面62aを当接させて爪部62を翼部61に固定しても、各爪部62毎の取り付け角度の違いが小さいので、各爪部62の底面62cを端面61dに当接させて固定しても、爪部62の取り付け精度への影響は小さい。よって、端面61dに当接させて固定することで、爪部62の取り付けの手間を省くことができる。なお、端面61dは、仮想平面Fに対して必ずしも直交している必要はなく、多少傾いても良い。
また、端面61dは、仮想平面Fと直交するように切断されており、爪部62の底面62aを端面61dに当接させることで、爪部62の底面62aと先端部62cとを結んだ方向を仮想平面Fと平行とすることができる。よって、爪部62の先端部62cが掘削時に受ける力を効率よく翼部61に伝えることができるので、翼部61及び翼部61と爪部62との接続部分に高い応力が発生することを防いで、拡底バケット19の耐久性の向上を図ることができる。
以上、実施の形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上記各実施の形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の改良変形が可能であることは容易に推察できるものである。
例えば、上記各実施の形態で挙げた数値(例えば、各構成の数量や寸法・角度など)は一例を示すものであり、他の数値を採用することは当然可能である。
上記実施の形態では、爪部62の底面62aから先端部62cを結んだ方向が仮想平面Fに平行とされる場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、爪部62の底面62aから先端部62cを結んだ方向が仮想平面Fに対して角度を有しても良い。
また、上記実施例では、端面61dが仮想平面Fに対して直交する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、拡底翼60が拡底バケット19に組みつけられた状態において、端面61dが回転中心線T2側に面するように仮想平面Fに対して傾斜する構成としても良い。
この場合、端面61dが仮想平面Fに対して直交する場合と比べて、爪部62と翼部61との接続部分(底面62a及び端面61dが当接された部分)に作用する力の内の接続部分に平行に作用するせん断力を低減し、接続部分に直角に作用する圧縮力を増加させることができる。よって、接合部分のせん断破壊を防止して、拡底翼60の耐久性の向上を図ることができる。
また、端面61dが傾いている分、接合長さを確保することができるので、せん断力に対する強度を向上させることができる。よって、接合部分のせん断破壊を防止して、拡底翼60の耐久性の向上を図ることができる。
また、上記実施の形態では、拡底翼60が上面視において、湾曲形状に構成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、拡底翼60の一部に直線部分を有する構成としても良い。
<その他>
<手段>
この目的を達成するために技術的思想1の拡底バケットは、複数の爪と、それら複数の爪が取着される拡底翼と、その拡底翼が回動可能に連結される本体と、その本体に対して前記拡底翼を開閉させる開閉機構と、を備え、縦孔内に挿入され、前記拡底翼を拡径しつつ前記本体が回転することで、前記縦孔の内壁を前記複数の爪により掘削するものであり、前記拡底翼は、前記本体の外周形状に対応する円弧状に湾曲した板状体を備え、その板状体の一方の端縁部に前記複数の爪が列設されると共に、前記板状体の他方の端縁部が前記本体に回動可能に連結され、前記複数の爪がそれぞれの長手方向を前記円弧の接線方向へ向けた状態で前記板状体の一方の端縁部に取着され、かつ、前記板状体の一方の端縁部が前記他方の端縁部側へ向けて凹の曲線状に構成されている。
技術的思想2の拡底バケットは、技術的思想1記載の拡底バケットにおいて、前記板状体は、前記一方の端縁部の曲線形状が、複数の直線を組み合わせた近似的な曲線形状とされることで、前記一方の端縁部における端面が複数の平坦面から構成され、前記複数の爪は、その基部側の端面を、前記板状体の一方の端縁部における端面に当接させた状態で、前記板状体に取着されている。
<効果>
技術的思想1記載の拡底バケットによれば、開閉機構によって拡底翼が閉じられて縮径された状態とされると、かかる状態の拡底バケットが地表から縦孔の先端に降ろされ、ケリーバによって回転される。そして、開閉機構によって拡底翼が徐々に開かれて拡径されることで、縦孔の内壁が拡底翼の複数の爪により掘削され、縦孔の先端(底部)がテーパー形状に拡大(拡底)される。
この場合、本発明によれば、拡底翼(板状体)の一方の端縁部に、複数の爪をそれぞれの長手方向が拡底翼の円弧の接線方向へ向いた状態で取着する構成であるので、各爪の掘削角度を好適な角度して、掘削能率の向上を図ることができるので、掘削性能を確保することができるという効果がある。
また、拡底翼の開度が変化しても、各爪の掘削角度を好適な角度に維持することができ、各爪の取り付け角度が個別に調整された従来品のように、内壁へ先端が当接しない爪や内壁へ先端よりも胴部が先に当接する爪が発生することがなく、爪の早期摩耗や掘削不能となる事態を回避することができるので、掘削性能を確保することができるという効果がある。
更に、本発明によれば、このように、拡底翼に各爪をそれぞれが接線方向を向いた状態で取着することで、掘削性能を確保しつつも、これら複数の爪が取着される一方の端縁部を他方の端縁部側へ向けて凹の曲線状とする構成であるので、掘削後の内壁の中途の形状が膨らむことを抑制して、かかる縦孔の内壁を適切な形状(直線状のテーパ形状)に掘削することができるという効果がある。その結果、打設するコンクリートの量が不必要に増加することを抑制することができる。
ここで、本発明によれば、上述したように、拡底翼(板状体)の一方の端縁部を他方の端縁部側へ向けて凹の曲線状とし、かかる一方の端縁部に、複数の爪をそれぞれの長手方向が拡底翼の円弧の接線方向へ向いた状態で取着する構成であるので、縦孔の内壁を適切な形状に拡底可能とし、かつ、掘削性能の確保を図りつつ、拡底翼に対する複数の爪の取り付け状態をそれぞれ同じ状態とすることができる。その結果、従来品のように、各爪の取り付け角度をそれぞれ個別に調整する必要がなく、よって、各爪の取り付け角度を調整するための形状の異なる治具や入れ子を多数準備する必要もないので(例えば、各爪に共通の1種類分の準備で足りる)、その分、取り付けコストや部品コストを削減して、拡底バケット全体としての製品コストの削減を図ることができるという効果がある。
技術的思想2記載の拡底バケットによれば、技術的思想1記載の拡底バケットの奏する効果に加え、板状体の一方の端縁部の曲線形状を、複数の直線を組み合わせた近似的な曲線形状とすることで、一方の端縁部における端面を複数の平坦面から構成し、爪の基部側の端面と板状体の一方の端縁部における端面とを当接させた状態で、爪を板状体に取着する構成であるので、その取り付け作業を簡素化して、その分、拡底バケット全体としての製品コストの削減を図ることができるという効果がある。
即ち、本発明によれば、板状体の一方の端縁部における端面が複数の平坦面からなる構成であるので、爪の基部における端面も平坦面に形成すれば良く、曲面形状とする必要がない。よって、爪の基部の加工を簡素化して、加工コストの削減を図ることができるので、その分、拡底バケット全体としての製品コストの削減を図ることができる。
また、本発明によれば、上述したように、爪と板状体との端面同士を直接当接させて接合する構成であるので、従来品のように、各爪の取り付け角度をそれぞれ個別に調整する必要がなく、よって、各爪の取り付け角度を調整するための形状の異なる治具や入れ子を多数準備する必要もないので(少なくとも入れ子を不要とすることができる)、その分、取り付けコストや部品コストを削減して、拡底バケット全体としての製品コストの削減を図ることができるという効果がある。
1 アースドリル機
19 拡底バケット
21 アクチュエータ(開閉機構の一部)
30 枠体(本体)
40 ロッド(開閉機構の一部)
50 スラスタ(開閉機構の一部)
60 拡底翼
61 翼部(板状体)
61a 斜辺(周方向一方の端縁部)
61b 長
61d 端面
62 爪部(爪)
62a 底面(爪の基部側の端面)
70 リンク(開閉機構の一部)

Claims (2)

  1. 複数の爪およびそれら複数の爪が取着される板状体を有する拡底翼と、その拡底翼が回動可能に連結される本体と、その本体に対して前記拡底翼を開閉させる開閉機構と、を備え、縦孔内に挿入され、前記開閉機構を作動させて前記拡底翼を拡径させつつ前記本体回転させることで、前記縦孔の内壁を前記複数の爪により掘削する拡底バケットにおいて、
    前記板状体は、前記本体の回転軸方向視が円弧状に湾曲形成されると共に、前記本体の回転方向前方側を向く前記板状体の周方向一方側の端縁部が前記本体の回転軸に直交する方向から視て周方向他方側へ凹んだ弓形形状に形成され、
    前記複数の爪は、前記板状体の周方向一方側の端縁部に前記複数の爪が列設されると共に、前記複数の爪のそれぞれの長手方向を、前記本体の回転軸方向視において円弧状に形成された前記板状体の接線方向へ向けた状態で前記板状体の周方向一方の端縁部に取着されていることを特徴とする拡底バケット。
  2. 前記板状体は、周方向一方の端縁部が、複数の直線を組み合わせた近似的な曲線形状とされることで、周方向一方の端縁部における端面が複数の平坦面から構成され、
    前記複数の爪は、その基部側の端面を、前記板状体の周方向一方の端縁部における端面に当接させた状態で、前記板状体に取着されていることを特徴とする請求項1記載の拡底バケット。
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