JP5394080B2 - 潅水制御器と連動する土壌用ecセンサを用いた施肥管理制御器。 - Google Patents

潅水制御器と連動する土壌用ecセンサを用いた施肥管理制御器。 Download PDF

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Description

本発明は、作物へ適切な施肥を行うための潅水制御器と連動する施肥管理制御器であり、減肥・省力化ばかりでなく、余分な施肥の流出のない環境保全型農業を展開する。
現在営農段階での施肥量は、十分な降雨後または潅水後の土壌中に空のセラミックカップを挿入して、カップ内を真空器で吸引して土壌溶液を採取し、その抽出溶液の電気伝導度(Electrical Conductivity、略して以下ECと表記)を計測して調節している。この土壌溶液抽出法は常時モニターすることができないため、現場で正確、簡単、瞬時に土壌溶液ECを計測できる土壌用ECセンサが望まれている。
最近セラミック内に一対の電極が埋め込まれ、その電極間の電気抵抗を計測する土壌用EC計が市販され、その表示値を目安にして施肥量を調節することが提案されているが、セラミック内に塩類が集積して0点が変動するため、数ヶ月に一度は現場圃場より掘り起こして0点調節をする必要があり、精度も非常に悪いうえ、土壌溶液との平衡時間が長いのでリアルタイムの計測ができない。
このような上記の不具合からその問題点を解決するために、文献(1)のような構造が提案されており、その例を説明する。
文献(1)は、特開2005−117999の「全自動植物栽培制御装置」であり、その要旨は、明るさセンサで夜明けを感知して自動的に灌水を開始し、日没数時間前に自動的に潅水を終了するが、その間、無線送信装置に接続された土壌水分センサから、その電気的出力を信号に変換し、複数の無線送信装置から制御部に伝送し、制御部は無線で伝送される信号を受信して土壌水分を制御すること、また、無線送信装置に接続されたECセンサで植物体中の養分濃度を測定し、その電気的出力を信号に変換し、無線で制御部に伝送し、制御部は無線で伝送される信号を受信して液肥給液を制御することで、潅水と施肥をリアルタイムに行う構成であり、栽培操作の開始・実行・終了をマニュアルによるタイマー設定ではなく、全自動化し、土壌水分センサの測定情報を無線で伝送し、栽培植物体中の養分測定情報を無線で伝送し、それらの情報に基づいて植物を健全に全自動で栽培することを可能としている。
しかしながら、文献(1)は明るさセンサを使用して、タイマー制御していないことから全自動を力説しているが、実際の植物栽培における潅水・施肥管理は、太陽が出ている時間帯に限定するものではなく、転流による果実糖度を高めるため日没2〜3時間以前に終了することは農家も知っていることで、全く現実離れした栽培法を提案している。また、タイマー制御は毎日設定しなければならないように記載しているが、一度設定しておけば頻繁に変える必要はなく、考えに取り違えがある。その上(このところが一番大切であるが)、「植物体中の養分濃度を測定するECセンサを使用する」と記載しており、そのECセンサについて何も言及していないので特定できないが、現時点(2009年1月)において、植物体中の養分濃度を常時自動計測するECセンサは現存しない。植物体のリアルタイム栄養診断として採用している現行法は、植物体の葉柄を切り取り、乳鉢の中で粉砕した葉柄汁液の硝酸イオン濃度を反射式光度計(RQフレックス)で測定・診断しており、非破壊で連続計測するECセンサを世界中の植物学者が開発しようと血眼で研究しているのが現状である。先取り的特許を提出されたものと解釈するが、土壌水分センサとECセンサによって潅水・施肥を自動管理制御することは誰でも考えつくことであり、センサの設置が簡単に済むように無線でデータを送受信伝送することは既知の現行技術で十分実施できるが、データの信頼性とコストの問題から採用されていないのが実状である。
その上、ECの影響を受けないリアルタイムで正確に計測できる土壌水分センサは現時点で存在しないことにより、文献(1)の実現化は現在のところ不可能である。それを、所定深度の水分センサがあるごとく記載し、潅水孔からの潅水の面的な広がり(横方向)に要する時間を無視して、所定深度の水分センサ(縦方向)があれば一挙に解決するように記述しているのは、全く現場圃場の潅水状況を把握されていない。
特開2005−117999
2008年春からの重油高騰は化学製品の値上がりを呼び込み、化学肥料は3ヶ月ほどで2倍の価格となり、農家は厳しい経営を強いられている。その一方で、消費者は安全、安心な野菜を求めるばかりでなく、おいしいトマト、メロンを要求する。トマトの収量と糖度との関係は、一般的に糖度を高めれば収量が少なくなり、収量を高めれば糖度が低くなり、安定した栽培ができないのが現状である。メロン栽培でも水を極端に切って糖度を高めているが、農家の経験と勘に頼る部分が大きく、樹を枯らしてしまう場合もある。
本発明は、土壌中の肥料濃度を適切に維持管理する自動の施肥管理制御器を提供するものであり、これにより無駄な施肥がなくなり減肥が図られるばかりでなく、一定の肥料濃度を維持することにより塩ストレスを与えて、おいしい高糖度トマトや高糖度メロンを安定生産することができる。
養液栽培におけるトマト・メロン栽培では、循環水耕溶液のEC値を常時計測モニターして肥料濃度を一定に維持管理しているのに対して、本発明は、土耕栽培において土壌中の肥料濃度を一定に維持管理する制御技術であり、世界で初めて製品化したものである。
本発明は、土壌中の肥料濃度を示す土壌溶液EC値(ECw)が、土壌用ECセンサを直接土壌中に差し込んで計測される見掛けの土壌EC値(ECa)と、同時併設した土壌水分センサにより計測される土壌含水量(θ)から換算できることを利用しており、土壌中の適切な肥料濃度を維持する自動施肥管理制御器を提供するもので、自動潅水制御器と連動して制御する。このため、瞬時、正確、安価な交流4端子電極の土壌用ECセンサの導入と、その測定法の理論的裏付けが重要となる。
交流4端子EC計は分極及び汚れに強い特長を持つが、構造、増幅器が複雑になり、小型化、低価格化に難があるため、これまで採用されてこなかった。交流4端子電極センサを直接土壌中に差し込んで計測することは、1970年頃よりアメリカの土壌肥料学会で報告されるようになり、アメリカ塩類研究所長のRhoades博士らの多くの論文は、交流4端子電極センサで計測される見掛けの土壌EC値(ECa)と、実際の土壌溶液EC値(ECw)との関係は(1)式で示され、ECwは間隙中の溶液ECであり、ECsは土壌表面に付着する陽イオンに起因するECで、粘土含量(%Clay)から算出される。(1)式は土壌毎に異なり、この検量線を事前に求めておく必要があるため、土耕栽培での自動施肥管理制御器は実用化されなかった。
ECa=(A・θ+B・θ)ECw + ECs (1)
ECs(S/m)=0.0023(%Clay)−0.0021
しかし、我が国の施設園芸で導入されているロックウール栽培、ココバック栽培、袋培地栽培に使用する軽量培土は粘土含量がほとんどないので、ECs=0となり、ECaとECwとの関係は(2)式のような単純な「土壌EC水分曲線」で示される。
ECa/ECw=A・θ+B・θ (2)
AとBは土壌特性によって決定される係数であり、ECwは飽和水分土壌から抽出される土壌溶液のEC値、θは土壌水分を示す体積含水量(m/m)である。
本発明者は、応答性が若干悪いがECの影響の全くない土壌水分計測用テンシオメータ(特許第3845674号)と少量高頻度潅水制御器(特許第4003863号)を利用して、作物に適切な土壌含水量を維持するように高頻度に潅水し、排液のほとんど出ない、つまり肥料を溶脱させない袋培地栽培(特願2005−13985号)を15.4haにまで普及させた(2008年3月現在)。
本発明は、潅水制御器と連動させるとき自動の「水やり」に加えて自動の「肥やり」を世界で初めて実現するものであり、土壌用ECセンサを用いた施肥管理制御器を提供する。特に本発明の施肥管理制御器は、作物に時々刻々潅水制御する前記少量高頻度潅水制御器と連動させるとき、潅水毎(ロックウール栽培とココバック栽培では10分毎、袋培地栽培では30分毎)に少量の液肥を混入するか否かを判別制御するので、土壌中の含水量も肥料濃度もきめ細かくほぼ一定に制御することができる。
本発明は、適正濃度に維持される根域中の水分や肥料分に対して、作物が吸収した水分や肥料の減少分だけを時々刻々高頻度に補う単純明解な制御法で、根域の水ストレスと塩ストレスをコントロールすることにより、高糖度なトマト・メロンを安定生産する。
トマトの収量と糖度との関係は、一般的に糖度を高めれば収量が少なくなり、収量を高めれば糖度が低くなる。図師一文ら(植物環境工学2005)は、アミノ酸含量は塩ストレスのみで増加し、水ストレスでは影響が少なく、高品質トマト生産は塩ストレスを用いた方が効率的であることを報告し、斉藤岳士ら(園学研2006)も果実糖度は塩ストレス処理により増加したと述べている。つまり、水切りによる水ストレスよりも塩ストレスの方が有効であることを言及している。
高糖度トマトや高糖度メロンを狙う制御は、従来土壌含水量を絞って水ストレスを与えて栽培してきたが、本発明ではpF2程度の適度な土壌含水量を保持してジューシイな果実を維持すると共に、肥料等の土壌溶液EC値を制御して土壌中の塩ストレスを高めて高糖度化を図る。pF値については後述するが、水ストレスと塩ストレスは次式で示される。
塩ストレス(MPa)=0.36×土壌溶液ECw(S/m)
水ストレス(MPa)=(テンシオメータ出力V−1)/40
水ストレスは、通常栽培でのpF2では0.01MPaであり、相当に水を絞った状態のpF2.7でも0.05MPaに過ぎないのに対して、通常施肥濃度の目安とするEC2(0.2S/m)の塩ストレス0.072MPaに及ばない。このことにより、塩ストレスによる制御が容易であることは数字の上で明らかであるが、作物をいじめることに代わりはなく、収量と品質(糖度)とを見比べて儲かる農業経営をする必要がある。つまり租収益は、糖度を評価する単価と収量の積であるから、経営面から最高租収益を得る糖度目標がまず設定される。本発明は、糖度目標を自在に設定できる栽培を可能とする画期的な制御システムである。
次に土壌用ECセンサの構成に付いて言及しよう。本発明の請求項1のペンシル型土壌用ECセンサ(図1)は、従来円筒カラムで保護された交流4端子電極ECセンサを、保護管の円筒カラムを装着せずに直接土壌中に差し込んで(挿入して)計測するものであり、堅牢なガラス繊維質のペンシル型絶縁棒の先端表面に、4個のステンレス製リング電極を所定の間隔で配置して、外側の2つの電極に1000Hzの交流電流を流すと共に、内側の2つの電極において抵抗を計測して、その抵抗値の逆数を見掛けの土壌EC値(ECa)として計測している。4つの電極はステンレス材で製作しているため、センサ自体の損耗部分はなく、経年変化もないので0点の変動は無く、応答性も瞬時であるためリアルタイムの精度の良い計測ができる。
請求項2の櫛歯型土壌用ECセンサ(図2)は、水平方向に保持する絶縁棒に4本のステンレス製ロッド電極を所定の間隔で一列に配置し、かつ絶縁棒からの突出長を同じにして固定し、4本のロッド突出部分全てを土壌表面に差し込んで計測し、外側2本のロッド電極に1000Hzの交流電流を流すと共に、内側2本のロッド電極において抵抗を計測して、その抵抗値の逆数を見掛けの土壌EC値(ECa)として計測し、より広範囲な土壌域での平均的EC値を計測する。
個々のセンサは製作精度上バラツキが生じ、センサ毎に固有のセル定数を持つことは避けられないことであるが、本発明は、センサ固有のセル定数の設定と、測定範囲に対して4〜20mAや1〜5V等の定格電気出力を持たせる電子回路を、センサ自体に一体化させて、個々の土壌用ECセンサの出力特性を一定にして共通化を図った。その4端子電極の配置は1:8:1の割合を目安とした。
本発明は、作物の根域土壌中の肥料濃度を示す土壌溶液EC値(ECw)を常時モニターして、時々刻々の施肥管理制御をすることにより、無駄な肥料を与えない減肥栽培を促進するとともに、発ガン物質とされる硝酸態窒素の10mg/L以上の農地からの流出を禁ずる環境基準を守る環境保全型農業の展開を図る。
本発明の施肥管理制御器が今まで実現されなかった要因は、ECの影響のない応答性の良い土壌水分センサがなかったことと、EC水分曲線が土壌の種類によって大きく変動することから対象栽培土壌を固定できなかったからである。今回施肥管理制御しようとターゲットにしたのは袋培地栽培(特願2005−13985号)であり、培地を固定したので実用化できた。本発明の施肥管理制御器は全ての土壌に対して導入が可能であるが、土壌毎にA〜Fの6項目を事前に求めておかねばならない。栽培土壌の土壌水分曲線とEC水分曲線は、後述するように比較的容易に求めることができるので、本発明の今後の普及が期待できる。
土壌水分センサにおいては、1セット300万円と高価なTDR(Time Domain Reflectometry)土壌水分センサがECの影響を受けないとされているが、Nicholら(2002)は、通常使用される裸のロッドではECが2dS/mまでの水分を計測でき、5dS/m以上では全く計測できなかったと報告しており、現在市販の土壌水分センサは全てECの影響を受ける。
そこで、ECの影響が全くなく比較的応答性の良いテンシオメータ(特許第3845674号)を併設することにより土壌の体積含水量θを求めた。テンシオメータには0〜−100KPaの負圧用圧力変換器が取り付けられており、その電気的出力電圧Vは1〜5Vである。各土壌における体積含水量θとマトリックポテンシャル(サクション)との関係は土壌水分曲線が存在し、テンシオメータの計測では「pF水分曲線」と呼ばれており、本発明では(4)式のような二次式で相関した。なお、テンシオメータのpF値は、負圧をcm水柱表示にして対数化した数字である。つまり、pF2は100cmのストローで水を吸い上げる力を示し、この世の中での負圧限界は−100KPa(1000cm)であり、その対数を取ったpF3がテンシオメータの最高値である。
テンシオメータpF=LOG〔(V−1)/0.004〕 (3)
体積含水量θ=C・pF+D・pF+E (4)
但し、θ>θmax(飽和体積含水量)のときは、θ=θmax=F
Vはテンシオメータの電圧出力、C、D、E、Fは土壌特性による係数
なお、土壌のEC水分曲線は次の試験から求められる。105℃、24時間炉乾燥した土壌を直径15cm程度の容器に、落下法にて深さ15cm程度パッキングし、土壌用ECセンサを中央に差し込んで見掛けの土壌EC値(ECa)を計測する。その後、土壌をバットに開けて広げ、既知濃度の溶液をムラのないように少量ずつ散布して攪拌し、再度パッキングして計測する。これを飽和水分状態になるまで繰り返し、飽和したら飽和水分土壌をガーゼで包んで絞ってビーカー内に受け、その土壌溶液EC値(ECw)を計測する。それぞれの体積含水量θとECa/ECwとをグラフにプロットし、EC水分曲線を2次式で回帰して求める。
また、土壌のpF水分曲線は同様にパッキングしてテンシオメータを中央に差し込み、テンシオメータの測定値が平衡するまで放置して計測する。これも飽和水分状態に達するまで繰り返し、それぞれの体積含水量θとpF値とを相関してpF水分曲線を求める。
土壌病害で困っている施設園芸農家は、グランドシートを敷いて地床と完全に切り離して栽培する袋培地栽培を採用している。袋培地はバーク堆肥、パーライト、山土等で構成される有機質培土で、一定割合でブレンドされ、培地特性は今後も変わらない。0.220,0.528,1.066,2.02,4.10 S/mの5種類の異なった濃度の溶液を散布した袋培地でのECa/ECwデータは同一のEC水分曲線(図5)上にプロットされ、またpF水分曲線(図4)も次式で示された。
ECa/ECw=1.421・θ―0.1279・θ (2’)
θ=0.034・pF−0.3012・pF+0.6709 (4’)
但し、F=θmax=0.635
本発明の施肥管理制御器(図3)は、栽培土壌によって変わる係数A〜Fと、作物の生育ステージ別毎に設定する肥料濃度基準値Gとを入力するテンキー機能と、(2)〜(4)式の演算回路とを持ち、土壌中の肥料濃度を示す土壌溶液EC値(ECw)を常時モニターすることにより、作物の生育ステージ別に設定される施肥基準値Gと比較判別して時々刻々の施肥管理制御を行う。また、施肥管理制御器には、施肥管理する時間帯を入力して、その時間帯内の潅水作動に対して、ECwが施肥基準値G以下であれば液肥注入を行い、ECwが施肥基準値G以上であればキャンセルして注入を行わない判別回路をもっており、実際に注入した累積回数を記憶・表示して肥料の投入施肥量をチェックできる。
袋培地栽培に使用される培地は、配合材量が今後十分確保でき、一定品質で供給できることを条件に開発しているので、6つの係数A〜Fは一度入力しておけば変更はない。
本発明の交流4端子土壌用ECセンサは、ECセンサ固有のセル定数の設定と、測定範囲に対して定格電気出力を持たせる電子回路を、センサ自体に一体化させて構成しているので、個々のECセンサ特性の共通化を図っており、センサの設置現場からの距離による電圧降下を避けるため電流出力を採用している。通常農家がEC1と言う1dS/mに対して、汎用テスターで1Vを示すように、DC9〜24Vの供給電源を与えるとき0〜10dS/mの測定範囲に対して0〜40mAを出力しており、出力信号端子に250Ωの抵抗を挟んで0〜10Vに変換している。
ペンシル型土壌用ECセンサ(図1)は、ガラス繊維質の絶縁丸棒φ10mmの先端表面に2mm幅のステンレス製リング4個を2mm、20mm、2mmの間隔で配置して構成した。また櫛歯型土壌用ECセンサ(図2)は、プラスチック絶縁角棒15mm幅×10mm高さ×330mm長さにφ5mmのステンレス製ロッド4本を30mm、240mm、30mmの間隔で一列配置して貫通させ、絶縁角棒の下部からロッド突出長100mmになるように固定し、上部に電源コード配線を行った。
従来の袋培地栽培における土壌中の肥料濃度を示す土壌溶液EC値(ECw)は、実測されたテンシオメータのpFから算出される土壌含水量(θ)と見掛けの土壌EC値(ECa)から算出される(図6)。従来の袋培地栽培では天候不順日が4〜5日続いたのちの天候回復日にトマトの尻腐れが多く見られた。図6のように早朝1回施肥潅水する従来の栽培法では、天候不順日が続くと潅水がなく高濃度の施肥潅水のみが実行され、天候回復時に作物が土壌水分を吸収したくても高濃度の土壌溶液のため吸収できなくて、尻腐れが引き起こされるのは当然の理である。本発明の施肥管理制御は、土壌中の溶液EC濃度を一定に平準化して維持管理する(図7)ので、尻腐れが起きない。
図7は、袋培地のトマト栽培においてpF1.8とEC8.2を設定して制御した場合の推移を示したもので、図の上部の太字はテンシオメータによるpF変動を示し、山がpF1.8で折り返されて制御されており、図の下部の中字は土壌溶液EC値(ECw)の変動を示したもので、EC8〜10dS/mで推移しており、うまく制御されている。
トマトの光合成量を低下させるEC限界は2.65と報告する外国文献も見受けられが、最高収量を目標とするときの施肥基準EC値Gは3dS/mを設定する。高糖度を狙うときの従来制御は土壌水分量を絞る方法が提案されてきたが、本発明ではpF2程度の適度な土壌水分量を与え、かつ土壌溶液EC値(ECw)を制御して、土壌中の塩ストレスを高めることによって高糖度化を図る。トマト栽培における施肥基準EC値Gの設定は、糖度6の場合3、糖度7の場合5、糖度8の場合7、糖度9の場合9dS/mを目安として制御する。これにより、最高収益を得る目標糖度が設定され、潅水時間帯は日の出2時間前(冬季は1時間前)から日没1時間前(冬季は2時間前)までを設定し、施肥時間帯は日の出から潅水終了時までを設定する。
ペンシル型4端子土壌用ECセンサの正面図 櫛歯型4端子土壌用ECセンサの正面図 施肥管理制御器の正面図 袋培地のpF水分曲線を示した図 袋培地のEC水分曲線を示した図 従来の袋培地栽培でのpFとECwの変動状況を示した図 袋培地栽培でpF1.8制御とEC8.2制御を行った場合の推移を示した図
1 端子電極
2 絶縁棒
3 ステンレス製パイプ
4 コネクター
5 測定コード
6 地表面

Claims (3)

  1. ペンシル型の絶縁棒の先端表面に、4個のステンレス製リング電極を所定の間隔で配置して固定し、外側2個のリング電極で交流電流を流し、内側2個のリング電極において抵抗を計測して、その抵抗値の逆数から電気伝導度(EC)を求める交流4端子のペンシル型土壌用ECセンサを直接土壌に差し込むとき、
    前記ペンシル型土壌用ECセンサの固有のセル定数を設定し、かつ測定範囲に対して4〜20mAの定格電気出力を持たせる電子回路を前記土壌用ECセンサに組み込み、バラバラな個々のセンサの電気出力特性を一定にして共通化を図ることを特徴とする土壌用ECセンサを用いた施肥管理制御器。
  2. 水平方向に保持する絶縁棒に、4本のステンレス製ロッド電極を所定の間隔で一列に配置し、かつ絶縁棒からの突出長を同じにして固定し、外側2本のロッド電極で交流電流を流し、内側2本のロッド電極において抵抗を計測して、その抵抗値の逆数から電気伝導度(EC)を求める交流4端子の櫛歯型土壌用ECセンサにおいて、4本のロッド突出部分全てを直接土壌表面に差し込むとき、
    前記櫛歯型土壌用ECセンサの固有のセル定数を設定し、かつ測定範囲に対して4〜20mAの定格電気出力を持たせる電子回路を前記土壌用ECセンサに組み込み、バラバラな個々のセンサの電気出力特性を一定にして共通化を図ることを特徴とする土壌用ECセンサを用いた施肥管理制御器。
  3. 請求項1または請求項2に記載される土壌用ECセンサを用いた施肥管理制御器において、
    前記土壌用ECセンサを直接土壌に差し込んで計測するとき、計測される見掛けの土壌EC値と、前記土壌用ECセンサと併設した土壌水分センサにより計測される土壌含水量とによって、換算して求められる土壌溶液EC値を常時モニターし、作物の生育ステージ別に設定される土壌中の施肥濃度基準値と比較判別することにより、潅水制御器からの潅水指令信号に対して液肥を打ち込むかどうかを制御して、土壌中の適正な肥料濃度を維持することを特徴とする、潅水制御器と連動する土壌用ECセンサを用いた施肥管理制御器。
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