本発明の化合物は、ヒストン脱アセチル化酵素、特に、クラスIヒストン脱アセチル化酵素の阻害において有用である。本化合物はHDAC1、HDAC2及びHDAC3阻害剤である。
本発明は、神経変性疾患、統合失調症、卒中、精神遅滞、免疫不全又は喘息の治療又は予防のための医薬の製造のための式I:
[式中、
pは、0、1、2又は3であり;
qは、1、2、3又は4であり;
tは、0又は1であり;
Xは、C又はS=Oであり;
Yは、R2、(C=S)R2、(C=O)R2、(C=S)NRxR2又は(C=O)NRxR2であり;
Hetは、シアノ、ハロゲン、ヒドロキシ、オキシド、オキソ、ニトロ、アミノ、C1−6アルキルアミノ、ジ(C1−6アルキル)アミノ、C1−6アルキル、ハロC1−6アルキル、C1−6アルコキシ、ハロC1−6アルコキシ、C3−10シクロアルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル及びC6−10アリールから独立して選択される1個以上の基によって置換されてもよい、N、O及びSから独立して選択される1、2、3若しくは4個のヘテロ原子を含むが、そのうち多くとも1個がO若しくはSである5員の不飽和複素環、又はN及びOから独立して選択される1、2、3若しくは4個のヘテロ原子を含む6員の不飽和複素環であり;
R1は、水素、C1−6アルキル、ハロC1−6アルキル、C6−10アリール;O、N及びSから独立して選択される1、2、3若しくは4個のヘテロ原子を含むが、そのうち多くとも1個がO若しくはSである5員の不飽和複素環;1、2若しくは3個の窒素原子を含む6員の不飽和複素環又はO、N及びSから独立して選択されるヘテロ原子を含む8〜10員の不飽和若しくは部分飽和複素環であり、当該環はいずれも、シアノ、ハロゲン、ニトロ、オキソ、ヒドロキシ、オキシド、C1−6アルキル、ハロC1−6アルキル、C1−6アルコキシ、ハロC1−6アルコキシ、C1−6アルキルカルボニル、C6−10アリール、C6−10アリールオキシ、C6−10アリールカルボニル、N(Ra)2、SO2N(Rb)2及びN(Rb)SO2Rbから独立して選択される1個以上の基によって置換されてもよく;
R2は、R9又はR10であり;
R3は、水素、ハロゲン、ヒドロキシ、シアノ、C1−6アルキル、ハロC1−6アルキル、ヒドロキシC1−6アルキル、C1−6アルコキシ、ハロC1−6アルコキシ、C3−10シクロアルキル、ハロC3−10シクロアルキル、C2−10アルケニル、C2−10アルキニル、ニトロ、N(Rc)2、C6−10アリール、C6−10アリールC1−6アルキル、C6−10アリールC1−6アルコキシ;N、O及びSから独立して選択される1、2若しくは3個のヘテロ原子を含み、C1−4アルキル基によって架橋されてもよい、4、5若しくは6員の飽和若しくは部分飽和複素環;N、O及びSから独立して選択される1、2、3若しくは4個のヘテロ原子を含むが、そのうち多くとも1個がO若しくはSである5員の不飽和複素環;1、2若しくは3個の窒素原子を含む6員の不飽和複素環;又はN、O若しくはSから独立して選択されるヘテロ原子を含む7〜13員の飽和、部分飽和若しくは不飽和複素環であり、当該環はいずれも、Rdから独立して選択される1個以上の基で置換されてもよく;
R4、R5及びR7は、水素及びC1−6アルキルから独立して選択され;
R6及びR8は独立して、水素、C1−6アルキル;N、O及びSから独立して選択される1、2若しくは3個のヘテロ原子を含む5若しくは6員の飽和若しくは部分飽和複素環又は1、2若しくは3個の窒素原子を含む6員の不飽和複素環であり、当該環の各々は、ハロゲン、ニトロ、アミノ、シアノ、オキソ、ヒドロキシ、C1−6アルキル、ハロC1−6アルキル、C1−6アルコキシ、ハロC1−6アルコキシ、C3−10シクロアルキル、C2−6アルケニル及びC2−6アルキニルから独立して選択される1個以上の基によって置換されてもよく;或いは、
R6及びR8は、一緒になってオキソ基を表し;
R9は、水素、ヒドロキシ、C1−6アルキル、ハロC1−6アルキル又はC1−6アルコキシであり;
R10は、シアノ、ハロゲン、ヒドロキシ、オキソ、オキシド、ニトロ、N(Rc)2、C1−6アルキル、ハロC1−6アルキル、C1−6アルコキシ、ハロC1−6アルコキシ、C3−10シクロアルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、CON(Rb)2、NRbCORb、SO2N(Rb)2、NRbSO2Rb、C6−10アリール;N、O及びSから独立して選択される1、2若しくは3個ヘテロ原子を含む5若しくは6員の飽和若しくは部分飽和複素環;N、O及びSから独立して選択される1、2、3若しくは4個のヘテロ原子を含むが、そのうち多くとも1個がO若しくはSである5員の不飽和複素環;1、2若しくは3個の窒素原子を含む6員の不飽和複素環及びN、O若しくはSから独立して選択されるヘテロ原子を含む7〜10員の飽和、部分飽和若しくは不飽和複素環から独立して選択される1個以上の基によって置換されてもよい、C6−10アリール、C6−10アリールC1−6アルキル;N、O及びSから独立して選択される1、2、3若しくは4個のヘテロ原子を含むが、そのうち多くとも1個がO若しくはSである5員の不飽和複素環又はN及びOから独立して選択される1、2若しくは3個のヘテロ原子を含む6員の不飽和複素環であり;
各Raは、水素、C1−6アルキル、C6−10アリール、C1−6アルキルカルボニル及びC6−10アリールカルボニルから独立して選択され;
各Rbは独立して独立して、水素、C1−6アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、C6−10アリール;N、O若しくはSから独立して選択される1、2又は3個のヘテロ原子を含み、C1−4アルキル基によって架橋されてもよい、5若しくは6員の飽和若しくは部分飽和複素環;N、O及びSから独立して選択される1、2、3若しくは4個のヘテロ原子を含むが、そのうち多くとも1個がO若しくはSである5員の不飽和複素環;又は1、2若しくは3個の窒素原子を含む6員の不飽和複素環であり、当該環のいずれも、ハロゲン、ヒドロキシ、アミノ、シアノ、C1−6アルキル、ハロC1−6アルキル、C1−6アルコキシ及びハロC1−6アルコキシから独立して選択される1個以上の基によって置換されてもよく;
各Rcは、水素及びC1−6アルキルから独立して選択され;
各Rdは、ハロゲン、ヒドロキシ、シアノ、C1−6アルキル、ハロC1−6アルキル、ハロC1−6アルキルカルボニル、ハロC1−6アルキルカルボニルオキシ、C1−6アルコキシ、ハロC1−6アルコキシ、カルボキシ、C1−6アルキルカルボニル、C1−6アルコキシカルボニル、ニトロ、オキソ、SO2N(Re)2、NReSO2Re、N(Re)2、C6−10アリール、C6−10アリールC1−6アルキル;N、O若しくはSから独立して選択される1、2若しくは3個のヘテロ原子を含み、C1−4アルキル基によって架橋されてもよい、5若しくは6員の飽和若しくは部分飽和複素環;N、O及びSから独立して選択される1、2、3若しくは4個のヘテロ原子を含むが、そのうち多くとも1個がO若しくはSである5員の不飽和複素環;又は1、2若しくは3個の窒素原子を含む6員の不飽和複素環であり、当該環のいずれも、ハロゲン、ヒドロキシ、アミノ、シアノ、C1−6アルキル、ハロC1−6アルキル、C1−6アルコキシ及びハロC1−6アルコキシから独立して選択される1個以上の基によって置換されてもよく;
各Reは独立して、水素、C1−6アルキル、C1−6アルキルカルボニル、カルボキシ又はC1−6アルキルオキシカルボニルであり;そして
各Rxは、水素及びC1−6アルキルから独立して選択される]
で示される化合物又はその医薬上許容され得る塩、立体異性体若しくは互変異性体の使用を提供する。
本発明はまた、神経変性疾患、統合失調症、卒中、精神遅滞、免疫不全又は喘息の治療又は予防方法を提供し、この方法は、神経変性疾患、統合失調症、卒中、精神遅滞、免疫不全又は喘息の治療又は予防を必要とする患者への、有効量の式Iの化合物又は式Iの化合物を含む組成物の投与を含む。
本発明のもう1つの側面では、式I:
[式中、
pは、0、1、2又は3であり;
qは、1、2、3又は4であり;
tは、0又は1であり;
Xは、C又はS=Oであり;
Yは、R2、(C=S)R2、(C=O)R2、(C=S)NRxR2又は(C=O)NRxR2であり;
Hetは、シアノ、ハロゲン、ヒドロキシ、オキシド、オキソ、ニトロ、アミノ、C1−6アルキルアミノ、ジ(C1−6アルキル)アミノ、C1−6アルキル、ハロC1−6アルキル、C1−6アルコキシ、ハロC1−6アルコキシ、C3−10シクロアルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル及びC6−10アリールから独立して選択される1個以上の基によって置換されてもよい、N、O及びSから独立して選択される1、2、3若しくは4個のヘテロ原子を含むが、そのうち多くとも1個がO若しくはSである5員の不飽和複素環、又はN及びOから独立して選択される1、2、3若しくは4個のヘテロ原子を含む6員の不飽和複素環であり;
R1は、水素、C1−6アルキル、ハロC1−6アルキル、C6−10アリール;O、N及びSから独立して選択される1、2、3若しくは4個のヘテロ原子を含むが、そのうち多くとも1個がO若しくはSである5員の不飽和複素環;1、2若しくは3個の窒素原子を含む6員の不飽和複素環又はO、N及びSから独立して選択されるヘテロ原子を含む8〜10員の不飽和若しくは部分飽和複素環であり、当該環はいずれも、シアノ、ハロゲン、ニトロ、オキソ、ヒドロキシ、オキシド、C1−6アルキル、ハロC1−6アルキル、C1−6アルコキシ、ハロC1−6アルコキシ、C1−6アルキルカルボニル、C6−10アリール、C6−10アリールオキシ、C6−10アリールカルボニル、N(Ra)2、SO2N(Rb)2及びN(Rb)SO2Rbから独立して選択される1個以上の基によって置換されてもよく;
R2は、R9又はR10であり;
R3は、水素、ハロゲン、ヒドロキシ、シアノ、C1−6アルキル、ハロC1−6アルキル、ヒドロキシC1−6アルキル、C1−6アルコキシ、ハロC1−6アルコキシ、C3−10シクロアルキル、ハロC3−10シクロアルキル、C2−10アルケニル、C2−10アルキニル、ニトロ、N(Rc)2、C6−10アリール、C6−10アリールC1−6アルキル、C6−10アリールC1−6アルコキシ;N、O及びSから独立して選択される1、2若しくは3個のヘテロ原子を含み、C1−4アルキル基によって架橋されてもよい、4、5若しくは6員の飽和若しくは部分飽和複素環;N、O及びSから独立して選択される1、2、3若しくは4個のヘテロ原子を含むが、そのうち多くとも1個がO若しくはSである5員の不飽和複素環;1、2若しくは3個の窒素原子を含む6員の不飽和複素環;又はN、O若しくはSから独立して選択されるヘテロ原子を含む7〜13員の飽和、部分飽和若しくは不飽和複素環であり、当該環はいずれも、Rdから独立して選択される1個以上の基で置換されてもよく;
R4、R5及びR7は、水素及びC1−6アルキルから独立して選択され;
R6及びR8は独立して、水素、C1−6アルキル;N、O及びSから独立して選択される1、2又は3個のヘテロ原子を含む5若しくは6員の飽和若しくは部分飽和複素環又は1、2若しくは3個の窒素原子を含む6員の不飽和複素環であり、当該環の各々は、ハロゲン、ニトロ、アミノ、シアノ、オキソ、ヒドロキシ、C1−6アルキル、ハロC1−6アルキル、C1−6アルコキシ、ハロC1−6アルコキシ、C3−10シクロアルキル、C2−6アルケニル及びC2−6アルキニルから独立して選択される1個以上の基によって置換されてもよく;或いは、
R6及びR8は、一緒になってオキソ基を表し;
R9は、水素、ヒドロキシ、C1−6アルキル、ハロC1−6アルキル又はC1−6アルコキシであり;
R10は、シアノ、ハロゲン、ヒドロキシ、オキソ、オキシド、ニトロ、N(Rc)2、C1−6アルキル、ハロC1−6アルキル、C1−6アルコキシ、ハロC1−6アルコキシ、C3−10シクロアルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、CON(Rb)2、NRbCORb、SO2N(Rb)2、NRbSO2Rb、C6−10アリール;N、O及びSから独立して選択される1、2若しくは3個のヘテロ原子を含む5若しくは6員の飽和若しくは部分飽和複素環;N、O及びSから独立して選択される1、2、3若しくは4個のヘテロ原子を含むが、そのうち多くとも1個がO若しくはSである5員の不飽和複素環;1、2若しくは3個の窒素原子を含む6員の不飽和複素環及びN、O若しくはSから独立して選択されるヘテロ原子を含む、7〜10員の飽和、部分飽和若しくは不飽和複素環から独立して選択される1個以上の基によって置換されてもよい、C6−10アリール、C6−10アリールC1−6アルキル;N、O及びSから独立して選択される1、2、3若しくは4個のヘテロ原子を含むが、そのうち多くとも1個がO若しくはSである5員の不飽和複素環又はN及びOから独立して選択される1、2若しくは3個ヘテロ原子を含む6員の不飽和複素環であり;
各Raは、水素、C1−6アルキル、C6−10アリール、C1−6アルキルカルボニル及びC6−10アリールカルボニルから独立して選択され;
各Rbは独立して独立して、水素、C1−6アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、C6−10アリール;N、O若しくはSから独立して選択される1、2又は3個のヘテロ原子を含み、C1−4アルキル基によって架橋されてもよい、5若しくは6員の飽和若しくは部分飽和複素環;N、O及びSから独立して選択される1、2、3若しくは4個のヘテロ原子を含むが、そのうち多くとも1個がO若しくはSである5員の不飽和複素環;又は1、2若しくは3個の窒素原子を含む6員の不飽和複素環であり、当該環のいずれも、ハロゲン、ヒドロキシ、アミノ、シアノ、C1−6アルキル、ハロC1−6アルキル、C1−6アルコキシ及びハロC1−6アルコキシから独立して選択される1個以上の基によって置換されてもよく;
各Rcは、水素及びC1−6アルキルから独立して選択され;
各Rdは、ハロゲン、ヒドロキシ、シアノ、C1−6アルキル、ハロC1−6アルキル、ハロC1−6アルキルカルボニル、ハロC1−6アルキルカルボニルオキシ、C1−6アルコキシ、ハロC1−6アルコキシ、カルボキシ、C1−6アルキルカルボニル、C1−6アルコキシカルボニル、ニトロ、オキソ、SO2N(Re)2、NReSO2Re、N(Re)2、C6−10アリール、C6−10アリールC1−6アルキル;N、O及びSから独立して選択される1、2若しくは3個のヘテロ原子を含み、C1−4アルキル基によって架橋されてもよい5若しくは6員の飽和若しくは部分飽和複素環;N、O及びSから独立して選択される1、2、3若しくは4個のヘテロ原子を含むが、そのうち多くとも1個がO若しくはSである5員の不飽和複素環;又は1、2若しくは3個の窒素原子を含む6員の不飽和複素環であり、当該環のいずれも、ハロゲン、ヒドロキシ、アミノ、シアノ、C1−6アルキル、ハロC1−6アルキル、C1−6アルコキシ及びハロC1−6アルコキシから独立して選択される1個以上の基によって置換されてもよく;
各Reは独立して、水素、C1−6アルキル、C1−6アルキルカルボニル、カルボキシ又はC1−6アルキルオキシカルボニルであり;そして
各Rxは、水素及びC1−6アルキルから独立して選択される
(ただし、YがR2である場合は、R9は水素又はC1−6アルキルではなく、Yが(C=O)R2である場合は、R9はヒドロキシ又はC1−6アルコキシではない)]
で示される新規化合物又はその医薬上許容され得る塩、立体異性体若しくは互変異性体を提供する。
本発明のもう1つの実施態様では、式I[式中、
pは、0、1、2又は3であり;
qは、1、2、3又は4であり;
tは、0又は1であり;
Xは、C又はS=Oであり;
Yは、R10、(C=S)R2、(C=O)R10、(C=S)NRxR2又は(C=O)NRxR2であり;
Hetは、シアノ、ハロゲン、ヒドロキシ、オキシド、オキソ、ニトロ、アミノ、C1−6アルキルアミノ、ジ(C1−6アルキル)アミノ、C1−6アルキル、ハロC1−6アルキル、C1−6アルコキシ、ハロC1−6アルコキシ、C3−10シクロアルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル及びC6−10アリールから独立して選択される1個以上の基によって置換されてもよい、N、O及びSから独立して選択される1、2、3若しくは4個のヘテロ原子を含むが、そのうち多くとも1個がO若しくはSである5員の不飽和複素環、又はN及びOから独立して選択される1、2、3若しくは4個のヘテロ原子を含む6員の不飽和複素環であり;
R1は、水素、C1−6アルキル、ハロC1−6アルキル、C6−10アリール;O、N及びSから独立して選択される1、2、3若しくは4個のヘテロ原子を含むが、そのうち多くとも1個がO若しくはSである5員の不飽和複素環;1、2若しくは3個の窒素原子を含む6員の不飽和複素環又はO、N及びSから独立して選択されるヘテロ原子を含む8〜10員の不飽和若しくは部分飽和複素環であり、当該環はいずれも、シアノ、ハロゲン、ニトロ、オキソ、ヒドロキシ、オキシド、C1−6アルキル、ハロC1−6アルキル、C1−6アルコキシ、ハロC1−6アルコキシ、C1−6アルキルカルボニル、C6−10アリール、C6−10アリールオキシ、C6−10アリールカルボニル、N(Ra)2、SO2N(Rb)2及びN(Rb)SO2Rbから独立して選択される1個以上の基によって置換されてもよく;
R2は、R9又はR10であり;
R3は、水素、ハロゲン、ヒドロキシ、シアノ、C1−6アルキル、ハロC1−6アルキル、ヒドロキシC1−6アルキル、C1−6アルコキシ、ハロC1−6アルコキシ、C3−10シクロアルキル、ハロC3−10シクロアルキル、C2−10アルケニル、C2−10アルキニル、ニトロ、N(Rc)2、C6−10アリール、C6−10アリールC1−6アルキル、C6−10アリールC1−6アルコキシ;N、O及びSから独立して選択される1、2若しくは3個のヘテロ原子を含み、C1−4アルキル基によって架橋されてもよい、4、5若しくは6員の飽和若しくは部分飽和複素環;N、O及びSから独立して選択される1、2、3若しくは4個のヘテロ原子を含むが、そのうち多くとも1個がO若しくはSである5員の不飽和複素環;1、2若しくは3個の窒素原子を含む6員の不飽和複素環;又はN、O若しくはSから独立して選択されるヘテロ原子を含む7〜13員の飽和、部分飽和若しくは不飽和複素環であり、当該環はいずれも、Rdから独立して選択される1個以上の基で置換されてもよく;
R4、R5及びR7は、水素及びC1−6アルキルから独立して選択され;
R6及びR8は独立して、水素、C1−6アルキル;N、O及びSから独立して選択される1、2又は3個のヘテロ原子を含む5若しくは6員の飽和若しくは部分飽和複素環又は1、2若しくは3個の窒素原子を含む6員の不飽和複素環であり、当該環の各々は、ハロゲン、ニトロ、アミノ、シアノ、オキソ、ヒドロキシ、C1−6アルキル、ハロC1−6アルキル、C1−6アルコキシ、ハロC1−6アルコキシ、C3−10シクロアルキル、C2−6アルケニル及びC2−6アルキニルから独立して選択される1個以上の基によって置換されてもよく;或いは、
R6及びR8は、一緒になってオキソ基を表し;
R9は、水素、ヒドロキシ、C1−6アルキル、ハロC1−6アルキル又はC1−6アルコキシであり;
R10は、シアノ、ハロゲン、ヒドロキシ、オキソ、オキシド、ニトロ、N(Rc)2、C1−6アルキル、ハロC1−6アルキル、C1−6アルコキシ、ハロC1−6アルコキシ、C3−10シクロアルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、CON(Rb)2、NRbCORb、SO2N(Rb)2、NRbSO2Rb、C6−10アリール;N、O及びSから独立して選択される1、2若しくは3個のヘテロ原子を含む5若しくは6員の飽和若しくは部分飽和複素環;N、O及びSから独立して選択される1、2、3若しくは4個のヘテロ原子を含むが、そのうち多くとも1個がO若しくはSである5員の不飽和複素環;1、2若しくは3個の窒素原子を含む6員の不飽和複素環及びN、O若しくはSから独立して選択されるヘテロ原子を含む、7〜10員の飽和、部分飽和若しくは不飽和複素環から独立して選択される1個以上の基によって置換されてもよい、C6−10アリール、C6−10アリールC1−6アルキル、N、O及びSから独立して選択される1、2、3若しくは4個のヘテロ原子を含むが、そのうち多くとも1個がO若しくはSである5員の不飽和複素環又はN及びOから独立して選択される1、2若しくは3個ヘテロ原子を含む6員の不飽和複素環であり;
各Raは、水素、C1−6アルキル、C6−10アリール、C1−6アルキルカルボニル及びC6−10アリールカルボニルから独立して選択され;
各Rbは独立して独立して、水素、C1−6アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、C6−10アリール;N、O若しくはSから独立して選択される1、2又は3個のヘテロ原子を含み、C1−4アルキル基によって架橋されてもよい、5若しくは6員の飽和若しくは部分飽和複素環;N、O及びSから独立して選択される1、2、3若しくは4個のヘテロ原子を含むが、そのうち多くとも1個がO若しくはSである5員の不飽和複素環;又は1、2若しくは3個の窒素原子を含む6員の不飽和複素環であり、当該環のいずれも、ハロゲン、ヒドロキシ、アミノ、シアノ、C1−6アルキル、ハロC1−6アルキル、C1−6アルコキシ及びハロC1−6アルコキシから独立して選択される1個以上の基によって置換されてもよく;
各Rcは、水素及びC1−6アルキルから独立して選択され;
各Rdは、ハロゲン、ヒドロキシ、シアノ、C1−6アルキル、ハロC1−6アルキル、ハロC1−6アルキルカルボニル、ハロC1−6アルキルカルボニルオキシ、C1−6アルコキシ、ハロC1−6アルコキシ、カルボキシ、C1−6アルキルカルボニル、C1−6アルコキシカルボニル、ニトロ、オキソ、SO2N(Re)2、NReSO2Re、N(Re)2、C6−10アリール、C6−10アリールC1−6アルキル;N、O又はSから独立して選択される1、2若しくは3個のヘテロ原子を含み、C1−4アルキル基によって架橋されてもよい、5若しくは6員の飽和若しくは部分飽和複素環;N、O及びSから独立して選択される1、2、3若しくは4個のヘテロ原子を含むが、そのうち多くとも1個がO若しくはSである5員の不飽和複素環;又は1、2若しくは3個の窒素原子を含む6員の不飽和複素環であり、当該環のいずれも、ハロゲン、ヒドロキシ、アミノ、シアノ、C1−6アルキル、ハロC1−6アルキル、C1−6アルコキシ及びハロC1−6アルコキシから独立して選択される1個以上の基によって置換されてもよく;
各Reは独立して、水素、C1−6アルキル、C1−6アルキルカルボニル、カルボキシ又はC1−6アルキルオキシカルボニルであり;そして
各Rxは、水素及びC1−6アルキルから独立して選択される]
で示される化合物又はその医薬上許容され得る塩、立体異性体若しくは互変異性体を提供する。
前記の実施態様それぞれの好ましい実施態様では、
R1は、水素、C1−6アルキル、ハロC1−6アルキル、C6−10アリール;O、N及びSから独立して選択される1、2、3若しくは4個のヘテロ原子を含むが、そのうち多くとも1個がO若しくはSである5員の不飽和複素環;1、2又は3個の窒素原子を含む6員の不飽和複素環又はO、N及びSから独立して選択されるヘテロ原子を含む8〜10員の不飽和若しくは部分飽和複素環であり、当該環はいずれも、シアノ、ハロゲン、ニトロ、オキソ、ヒドロキシ、オキシド、C1−6アルキル、ハロC1−6アルキル、C1−6アルコキシ、ハロC1−6アルコキシ、C1−6アルキルカルボニル、C6−10アリール、C6−10アリールオキシ、C6−10アリールカルボニル及びN(Ra)2から独立して選択される1個以上の基によって置換されてもよく(ここで、Raは、水素、C1−6アルキル、C6−10アリール、C1−6アルキルカルボニル及びC6−10アリールカルボニルから独立して選択される);
R10は、シアノ、ハロゲン、ヒドロキシ、オキソ、オキシド、ニトロ、N(Rc)2、C1−6アルキル、ハロC1−6アルキル、C1−6アルコキシ、ハロC1−6アルコキシ、C3−10シクロアルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル及びC6−10アリールから独立して選択される1個以上の基によって置換されてもよい、C6−10アリール、C6−10アリールC1−6アルキル、N、O及びSから独立して選択される1、2、3若しくは4個のヘテロ原子を含むが、そのうち多くとも1個がO若しくはSである5員の不飽和複素環又はN及びOから独立して選択される1、2若しくは3個ヘテロ原子を含む6員の不飽和複素環であり;そして
各Rdは、ハロゲン、ヒドロキシ、シアノ、C1−6アルキル、ハロC1−6アルキル、ハロC1−6アルキルカルボニル、ハロC1−6アルキルカルボニルオキシ、C1−6アルコキシ、ハロC1−6アルコキシ、カルボキシ、C1−6アルキルカルボニル、C1−6アルコキシカルボニル、ニトロ、オキソ、SO2N(Re)2、N(Re)2であり(ここで、Reは、水素、C1−6アルキル、C1−6アルキルカルボニル、カルボキシ及びC1−6アルキルオキシカルボニルから独立して選択される);C6−10アリール、C6−10アリールC1−6アルキル、N、O若しくはSから独立して選択される1、2又は3個のヘテロ原子を含み、C1−4アルキル基によって架橋されてもよい5若しくは6員の飽和若しくは部分飽和複素環;N、O及びSから独立して選択される1、2、3若しくは4個のヘテロ原子を含むが、そのうち多くとも1個がO若しくはSである5員の不飽和複素環;1、2又は3個の窒素原子を含む6員の不飽和複素環であり、当該環のいずれもハロゲン、ヒドロキシ、アミノ、シアノ、C1−6アルキル、ハロC1−6アルキル、C1−6アルコキシ及びハロC1−6アルコキシから独立して選択される1個以上の基によって置換されてもよい。
pは、0、1又は2であることが好ましい。一実施態様では、pは、1又は2である。
qは、2、3又は4、特に、3又は4、最も特には、3であることが好ましい。
一実施態様では、tは0である。
もう1つの実施態様では、tは1であり、かつR5は、水素又はメチル、好ましくは、メチルである。
本発明の一実施態様では、XはCである。
もう1つの実施態様では、XはS=Oである。
一実施態様では、Yは(C=S)R2、(C=S)NRxR2又は(C=O)NRxR2である。
一実施態様では、Yは(C=O)NRxR2である。
Rxは、水素又はメチル、特に、水素であることが好ましい。
一実施態様では、Yは、R10又は(C=O)R10である。
Hetは、置換されてもよい、N、O及びSから独立して選択される1、2又は3個のヘテロ原子を含むが、そのうち多くとも1個がO若しくはSである5員の不飽和複素環、又は置換されてもよい、1、2又は3個の窒素原子を含む6員の不飽和複素環であることが好ましい。
一実施態様では、Hetは、置換されてもよい、N、O及びSから独立して選択される1、2、3又は4個のヘテロ原子を含むが、そのうち多くとも1個がO若しくはSである5員の不飽和複素環である。
さらに詳しくは、Hetは、置換されてもよい、イミダゾリル、オキサゾリル、トリアゾリル、チエニル、フリル、オキサジアゾリル、チアゾリル、ピラゾリル又はピリジニルである。
Hetは、非置換であるか、又は1、2若しくは3個の基によって置換されていることが好ましい。さらに詳しは、Hetは、非置換であるか、又は一置換されている。好ましい任意の置換基として、C1−4アルキル及びC6−10アリール、特に、メチル及びフェニルが挙げられる。
一実施態様では、Hetは非置換である。
誤解を避けるために、R1は、Het上の任意の置換基と同様に、Hetの任意の置換可能な位置と結合していてよい。
したがって、特定の好ましいHet基として、イミダゾリル、メチルイミダゾリル、フェニルイミダゾリル、フェニルオキサゾリル、トリアゾリル、チエニル、フリル、オキサジアゾリル、チアゾリル、オキサゾリル、ピラゾリル及びピリジニルが挙げられる。
一実施態様では、Hetはイミダゾリルである。
特定のHet基として、イミダゾール−2−イル、4−メチルイミダゾール−2−イル、4−フェニルイミダゾール−2−イル、4−フェニルオキサゾール−2−イル、1,2,4−トリアゾール−3−イル、1−メチルイミダゾール−2−イル、2−チエニル、2−フリル、1,3,4−オキサジアゾール−2−イル、1,3−チアゾール−2−イル、1,2,4−オキサジアゾール−5−イル、1,3−チアゾール−5−イル、1,2,4−オキサジアゾール−3−イル、1,3−オキサゾール−2−イル、イミダゾール−4−イル、ピラゾール−5−イル及びピリジン−2−イルがある。
一実施態様では、Hetはイミダゾール−2−イルである。
R1は、C6−10アリール;N、O及びSから独立して選択される1、2若しくは3個のヘテロ原子を含むが、そのうち多くとも1個がO又はSである5員の不飽和複素環、1、2若しくは3個の窒素原子を含む6員の不飽和複素環又はO、N及びSから独立して選択される1、2、3若しくは4個のヘテロ原子を含む8、9若しくは10員の不飽和若しくは部分飽和複素環から選択される、置換されてもよい環であることが好ましい。
より詳しくは、R1は、置換されてもよい、フェニル、ナフチル、チエニル、イソオキサゾリル、ピリジニル、ベンゾチエニル、チアゾロトリアゾリル、ジヒドロベンゾジオキシニル、ベンゾチアゾリル、キノリニル又はイソキノリニルである。
R1は、非置換であるか、又は1、2若しくは3個の基によって置換されていることが好都合である。より詳しくは、R1は、非置換であるか、一置換されているか、二置換されている。好都合な任意の置換基として、シアノ、ハロゲン、C1−4アルキル、ハロC1−4アルキル、C1−4アルコキシ、ハロC1−4アルコキシ及びC6−10アリールが挙げられる。通常の任意の置換基の例として、シアノ、臭素、塩素、フッ素、メチル、トリフルオロメチル、メトキシ、ジフルオロメトキシ、トリフルオロメトキシ及びフェニルが挙げられる。
一実施態様では、R1は非置換である。
したがって、特定の好ましいR1基として、フェニル、シアノフェニル、ブロモフェニル、クロロフェニル、ジクロロフェニル、フルオロフェニル、ジフルオロフェニル、トリフルオロメチルフェニル、ビス(トリフルオロメチル)フェニル、メトキシフェニル、ジフルオロメトキシフェニル、ビフェニル、ナフチル、チエニル、フェニルイソオキサゾリル、ピリジニル、(クロロ)(メチル)ベンゾチエニル、(メチル)(トリフルオロメチル)チアゾロトリアゾリル、ベンゾチエニル、ジヒドロベンゾジオキシニル、ベンゾチアゾリル、メトキシキノリニル、キノリニル及びイソキノリニルが挙げられる。
一実施態様では、R1はナフチルである。
特定のR1基として、フェニル、3−シアノフェニル、4−シアノフェニル、4−ブロモフェニル、2−クロロフェニル、3−クロロフェニル、4−クロロフェニル、3,4−ジクロロフェニル、4−フルオロフェニル、3,4−ジフルオロフェニル、3−(トリフルオロメチル)フェニル、4−(トリフルオロメチル)フェニル、3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル、2−メトキシフェニル、3−メトキシフェニル、4−(ジフルオロメトキシ)フェニル、ビフェン−4−イル、2−ナフチル、3−チエニル、3−フェニルイソオキサゾール−5−イル、2−ピリジニル、5−クロロ−3−メチル−1−ベンゾチエン−2−イル、6−メチル−2−(トリフルオロメチル)[1,3]チアゾロ[3,2−b][1,2,4]トリアゾール−5−イル、1−ベンゾチエン−3−イル、3,5−ジクロロフェニル、2,3−ジヒドロ−1,4−ベンゾジオキシン−6−イル、2,3−ジヒドロ−1,4−ベンゾジオキシン−5−イル、1,3−ベンゾチアゾール−2−イル、1−ベンゾチエン−2−イル、4−メトキシキノリン−2−イル、キノリン−3−イル、キノリン−6−イル、キノリン−2−イル及びイソキノリン−3−イルがある。さらなるR1基として、2−メトキシキノリン−3−イルがある。
一実施態様では、R1は2−ナフチルである。
一実施態様では、R2はR9である。
もう1つの実施態様では、R2はR10である。
R2は、水素、ヒドロキシ、C1−6アルキル、ハロC1−6アルキル、C1−6アルコキシ又はフェニル、ベンジル、チエニル、チアゾリル、チアジアゾリル及びピリジニルから選択される置換されてもよい環であることが好ましい。
R2が環である場合は、非置換であるか、又は1、2若しくは3個の独立して選択される基によって置換されていることが好ましい。より詳しくは、R2環は非置換であるか、又は一置換されている。
R2環上の好ましい任意の置換基は、アミノ、ヒドロキシ及びオキシドから独立して選択される。より詳しくは、任意の置換基は、アミノ、ヒドロキシ及びオキシドから独立して選択される。
特定のR2基として、水素、メチル、ヒドロキシ、アミノフェニル、エチル、イソプロピル、メトキシ、フェニル、ベンジル、チアゾリル、チアジアゾリル、チエニル、プロピル、ブチル、オキシドピリジニル及びエトキシが挙げられる。
一実施態様では、R2は水素ではない。
もう1つの実施態様では、R2は、メチル、チエニル、アミノフェニル、メトキシ、プロピル、ブチル、エチル、オキシドピリジニル、ヒドロキシ又はエトキシである。
具体的なR2基としては、水素、メチル、ヒドロキシ、2−アミノフェニル、エチル、イソプロピル、メトキシ、フェニル、ベンジル、1,3−チアゾール−2−イル、1,3,4−チアジアゾール−2−イル、2−チエニル、プロピル、ブチル、2−オキシドピリジン−2−イル及びエトキシが挙げられる。
一実施態様では、R2は、メチル、2−チエニル、2−アミノフェニル、メトキシ、プロピル、ブチル、エチル、2−オキシドピリジン−2−イル、ヒドロキシ、メトキシ又はエトキシである。
R3は、水素、ヒドロキシ、C1−6アルキル、ハロC1−6アルキル、C1−6アルコキシ、C3−10シクロアルキル、N(Rc)2、C6−10アリール、C6−10アリールC1−6アルコキシ;N、O及びSから独立して選択される1、2若しくは3個のヘテロ原子を含み、C1−4アルキル基によって架橋されてもよい5若しくは6員の飽和若しくは部分飽和複素環;N、O及びSから独立して選択される1、2、3若しくは4個のヘテロ原子を含むが、そのうち多くとも1個がO又はSである5員の不飽和複素環;1、2若しくは3個の窒素原子を含む6員の不飽和複素環;又はN、O及びSから独立して選択される1、2、3若しくは4個のヘテロ原子を含む8〜13員の飽和、部分飽和若しくは不飽和複素環であり、当該環はRdから独立して選択される1個以上の基によって置換されてもよいことが好ましい。
一実施態様では、R3は水素ではない。
もう1つの実施態様では、R3は、N(Rc)2又はN、O若しくはSから独立して選択される1、2、3若しくは4個のヘテロ原子を含む8〜10員の飽和、部分飽和若しくは不飽和複素環であり、これらの環は、Rdから独立して選択される1個以上の基によって置換されてもよい。
Rcは、水素、メチル又はエチルであることが好ましい。より詳しくは、Rcは、水素又はメチルである。
特定のR3基として、ジメチルアミノ、フェニル、ナフチル、ピロリジニル、ピペリジニル、アゾニアビシクロ[2.2.1]ヘプタニル、アゾニアビシクロ[2.2.2]オクタニル、ピペラジニル、モルホリニル、チエニル、チアゾリル、イミダゾリル、ピラゾリル、イソオキサゾリル、チアジアゾリル、ピリジニル、インドリル、ベンゾチエニル、ベンゾチアジアゾリル、ベンゾオキサジアゾリル、ジヒドロベンゾフリル、ジヒドロチアゾロピリミジニル、イソキノリル、ジヒドロベンゾジオキシニル、ジヒドロベンゾオキサジニル、tert−ブトキシ、シクロペンチル、メチル、トリフルオロメチル、メトキシ、メチルアミノ、アミノ、ジエチルアミノ、ヒドロキシ、ベンゾイミダゾリル、ベンゾフラニル、トリアゾロピリミジニル、ジヒドロベンゾオキサゾリル、ジヒドロインドリル、ジヒドロキナゾリニル、ジヒドロフタラジニル、インダゾリル、キノリニル、ベンゾイソオキサゾリル、ベンゾトリアゾリル、テトラヒドロβカルボリニル、ジヒドロイソインドリル、テトラヒドロナフチリジニル、テトラゾリル、ベンジルオキシ、チオモルホリニル、アゼチジニル、テトラヒドロキノリニル、トリアゾリル及びチアゾリジニルが挙げられ、これらの環のいずれもRdから独立して選択される1個以上の基によって置換されてもよい。
一実施態様では、R3は、インドリル、ベンゾイミダゾリル、ジヒドロキナゾリニル、ジメチルアミノ又はメチルアミノであり、これらの環のいずれも、Rdから独立して選択される1個以上の基によって置換されてもよい。
R3が環である場合は、非置換であるか、又はRdから選択される1、2若しくは3個の基によって置換されていることが好ましい。一実施態様では、R3環は、非置換であるか、一置換されている。もう1つの実施態様では、R3環は一置換されている。
好ましいRd基として、ハロゲン、シアノ、C1−6アルキル、C1−6アルコキシ、ハロC1−6アルコキシ、カルボキシ、C1−6アルコキシカルボニル、ニトロ、アミノスルホニル、(C1−6アルキルカルボニル)アミノ、モルホリニル、ピペラジニル、チアゾリル、ピラゾリル、イソオキサゾリル、ピリジニル、オキソ、ハロC1−6アルキル、フェニル及びピロリジニルが挙げられ、これらの環はいずれもC1−6アルキル及びハロC1−6アルキルから独立して選択される1個以上の基によって置換されてもよい。
一実施態様では、Rdは、C1−6アルキル、C1−6アルコキシ又はオキソである。
特定のRd基として、塩素、フッ素、シアノ、メチル、イソプロピル、メトキシ、ジフルオロメトキシ、カルボキシ、ニトロ、アミノスルホニル、アセチルアミノ、メチルピペラジニル、ピリジニル、メチルチアゾリル、(メチル)(トリフルオロメチル)ピラゾリル、イソオキサゾリル、メトキシカルボニル、モルホリニル、臭素、フェニル、オキソ、エチル、トリフルオロメチル及びピロリジニルが挙げられる。
具体的なRd基として、塩素、フッ素、シアノ、メチル、イソプロピル、メトキシ、ジフルオロメトキシ、カルボキシ、ニトロ、アミノスルホニル、アセチルアミノ、1−メチルピペラジン−4−イル、ピリジン−2−イル、2−メチル−1,3−チアゾール−4−イル、1−メチル−3−トリフルオロメチル−1H−ピラゾール−5−イル、イソオキサゾール−3−イル、メトキシカルボニル、モルホリン−4−イル、臭素、フェニル、オキソ、エチル、トリフルオロメチル及びピロリジン−1−イルが挙げられる。
一実施態様では、Rdは、メチル、メトキシ、エチル又はオキソである。
したがって、特定の好ましいR3基として、ジメチルアミノ、フェニル、クロロフェニル、フルオロフェニル、ジフルオロフェニル、シアノフェニル、(クロロ)(シアノ)フェニル、(シアノ)(フルオロ)フェニル、メトキシフェニル、ジメトキシフェニル、ジフルオロメトキシフェニル、カルボキシフェニル、ニトロフェニル、(フルオロ)(ニトロ)フェニル、アセチルアミノフェニル、(メチルピペラジニル)フェニル、ナフチル、メチルピロリジニル、ピペリジル、メチルピペリジニル、メチルピペラジニル、アゾニアビシクロ[2.2.1]ヘプタニル、ピリジニルピペリジル、チエニル、(メチルチアゾリル)チエニル、[(メチル)(トリフルオロメチル)ピラゾリル]チエニル、イソオキサゾリルチエニル、クロロチエニル、メトキシカルボニルチエニル、チアゾリル、ジメチルチアゾリル、(アセチルアミノ)(メチル)チアゾリル、ジメチルイミダゾリル、トリメチルピラゾリル、ジメチルイソオキサゾリル、メチルチアジアゾリル、ピリジニル、モルホリニルピリジニル、(メトキシ)(メチル)インドリル、ベンゾチエニル、ベンゾチアジアゾリル、ベンゾオキサジアゾリル、ジヒドロベンゾフラニル、ジヒドロチアゾロピリミジニル、イソキノリル、ジヒドロベンゾジオキシニル、(メチル)ジヒドロベンゾオキサジニル、アミノスルホニルフェニル、シアノピリジニル、イソプロピルピペリジニル、メチルモルホリニル、アゾニアビシクロ[2.2.2]オクタニル、モルホリニル、インドリル、メチルインドリル、メトキシインドリル、ブロモインドリル、フルオロインドリル、ベンゾイミダゾリル、メトキシベンゾフラニル、トリアゾロピリミジニル、フェニルチアゾリル、クロロベンゾチエニル、クロロインドリル、オキソジヒドロベンゾオキサゾリル、メトキシオキソヒドロジヒドロインドリル、エチルベンゾイミダゾリル、オキソジヒドロキナゾリニル、メチルオキソジヒドロフタラジニル、ジクロロフェニル、フルオロ(トリフルオロメチル)フェニル、メチルベンゾイミダゾリル、(トリフルオロメチル)ベンゾイミダゾリル、インダゾリル、キノリニル、ベンゾイソオキサゾリル、ベンゾトリアゾリル、シアノインドリル、テトラヒドロβカルボリニル、tert−ブトキシ、ジヒドロイソインドリル、テトラヒドロナフチリジニル、ピロリジニルテトラゾリル、シクロペンチル、ベンジルオキシ、メチル、ジメチルピロリジニル、ジオキソチオモルホリニル、トリフルオロメチル、メチルアゼチジニル、エチルピペリジニル、メトキシ、メチルアミノ、アミノ、ジエチルアミノ、ヒドロキシ及びエチルベンゾイミダゾリルが挙げられる。
一実施態様では、R3は、(メトキシ)(メチル)インドリル、エチルベンゾイミダゾリル、オキソジヒドロキナゾリニル、ジメチルアミノ及びメチルアミノである。
具体的なR3基として、ジメチルアミノ、フェニル、4−クロロフェニル、2−フルオロフェニル、3−フルオロフェニル、4−フルオロフェニル、3,4−ジフルオロフェニル、2−シアノフェニル、3−シアノフェニル、4−シアノフェニル、2−クロロ−4−シアノフェニル、3−シアノ−4−フルオロフェニル、3−メトキシフェニル、4−メトキシフェニル、2,5−ジメトキシフェニル、3,4−ジメトキシフェニル、3−ジフルオロメトキシフェニル、4−ジフルオロメトキシフェニル、4−カルボキシフェニル、2−ニトロフェニル、3−ニトロフェニル、4−ニトロフェニル、3−フルオロ−4−ニトロフェニル、4−アセチルアミノフェニル、4−(1−メチルピペラジン−4−イル)フェニル、2−ナフチル、1−メチルピロリジン−3−イル、ピペリジン−1−イル、1−メチルピペリジン−2−イル、1−メチルピペリジン−3−イル、1−メチルピペリジン−4−イル、1−メチルピペラジン−4−イル、アゾニアビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−イル、1−ピリジン−2−イルピペリジン−3−イル、2−チエニル、5−(2−メチル−1,3−チアゾール−4−イル)−2−チエニル、5−[1−メチル−3−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−5−イル]−2−チエニル、5−イソキサゾール−3−イル−2−チエニル、5−クロロ−2−チエニル、2−(メトキシカルボニル)−3−チエニル、1,3−チアゾール−5−イル、2,4−ジメチル−1,3−チアゾール−5−イル、2−(アセチルアミノ)−4−メチル−1,3−チアゾール−5−イル、1,2−ジメチル−1H−イミダゾール−4−イル、1,3,5−トリメチル−1H−ピラゾール−4−イル、3,5−ジメチルイソオキサゾール−4−イル、4−メチル−1,2,3−チアジアゾール−5−イル、ピリジン−3−イル、2−モルホリン−4−イルピリジン−5−イル、5−メトキシ−2−メチル−1H−インドール−3−イル、ベンゾチエン−3−イル、2,1,3−ベンゾチアジアゾール−5−イル、2,1,3−ベンゾオキサジアゾール−4−イル、2,3−ジヒドロ−1−ベンゾフラン−5−イル、6,7−ジヒドロ−5H−[1,3]チアゾロ[3,2−a]ピリミジン−3−イル、イソキノール−5−イル、2,3−ジヒドロ−1,4−ベンゾジオキシン−6−イル、4−メチル−3,4−ジヒドロ−2H−1,4−ベンゾキサジン−7−イル、ピリジン−4−イル、4−アミノスルホニルフェニル、2−シアノピリジン−5−イル、1−イソプロピルピペリジン−3−イル、4−メチルモルホリン−2−イル、アゾニアビシクロ[2.2.2]オクタン−4−イル、モルホリン−4−イル、1H−インドール−3−イル、2−メチル−1H−インドール−3−イル、5−メトキシ−1H−インドール−3−イル、5−ブロモ−1H−インドール−3−イル、5−フルオロ−1H−インドール−3−イル、1H−ベンゾイミダゾール−1−イル、7−メトキシ−1−ベンゾフラン−2−イル、5−メトキシ−1H−インドール−2−イル、5−フルオロ−1H−インドール−2−イル、[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリミジン−6−イル、4−フェニル−1,3−チアゾール−2−イル、5−クロロ−1−ベンゾチエン−3−イル、4−クロロ−1H−インドール−3−イル、2−オキソ−1,3−ベンゾオキサゾール−3(2H)−イル、5−メトキシ−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−3−イル、6−メトキシ−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−3−イル、2−エチル−1H−ベンゾイミダゾール−1−イル、1−ナフチル、2−オキソキナゾリン−1−(2H)−イル、4−メチル−1−オキソフタラジン−2(1H)−イル、2,4−ジクロロフェニル、2−フルオロ−6−(トリフルオロメチル)フェニル、2,6−ジクロロフェニル、2−フルオロ−3−(トリフルオロメチル)フェニル、2−メチル−1H−ベンゾイミダゾール−1−イル、2−(トリフルオロメチル)−1H−ベンゾイミダゾール−1−イル、1H−インダゾール−1−イル、キノリン−3−イル、1,2−ベンゾイソオキサゾール−3−イル、2−メチル−1H−インドール−1−イル、1H−1,2,3−ベンゾトリアゾール−1−イル、5−シアノ−1H−インドール−1−イル、2,3,4,9−テトラヒドロ−1H−β−カルボリン−4−イル、tert−ブトキシ、2,3−ジヒドロ−1H−イソインドール−2−イル、1,2,3,4−テトラヒドロ−1,8−ナフチリジン−5−イル、5−ピロリジン−1−イル−2H−テトラゾール−2−イル、シクロペンチル、ベンジルオキシ、メチル、1,3−ジメチルピロリジン−3−イル、1,1−ジオキソチオモルホリン−4−イル、トリフルオロメチル、1−メチルアゼチジン−3−イル、1−エチルピペリジン−3−イル、メトキシ、メチルアミノ、アミノ、ジエチルアミノ、5−シアノ−1H−インドール−3−イル、ヒドロキシ及び2−エチル−1H−3,1−ベンゾイミダゾール−3−イルがある。
一実施態様では、R3は、5−メトキシ−2−メチル−1H−インドール−3−イル、2−エチル−1H−3,1−ベンゾイミダゾール−3−イル、2−オキソキナゾリン−1−(2H)−イル、ジメチルアミノ及びメチルアミノである。
R4は、水素であることが好ましい。
R5は、C1−6アルキル、特に、メチルであることが好ましい。さらに好ましいR5基として、水素がある。
R6及びR8は独立して、水素、C1−6アルキル又は置換されてもよい、N、O及びSから独立して選択される1、2若しくは3個のヘテロ原子を含む5若しくは6員の飽和若しくは部分飽和複素環であるか、或いは、R6及びR8は一緒になってオキソ基を形成することが好ましい。
より詳しくは、R6は、水素、C1−4アルキル又はモルホリニルであり、かつR8は、水素又はC1−4アルキルであり、或いは、R6及びR8は一緒になってオキソ基を形成する。
具体的には、R6は、水素、メチル又はモルホリン−4−イルであり、かつR8は、水素又はメチルであるか、或いは、R6及びR8は一緒になって、オキソ基を形成する。
一実施態様では、R6は水素、C1−6アルキル又はC1−6アルキルによって置換されてもよい、N、O又はSから独立して選択される1、2若しくは3個のヘテロ原子を含む5若しくは6員の飽和若しくは部分飽和複素環である。
特定のR6基として、水素、メチル及びモルホリニルが挙げられる。R6は、水素、メチル又はモルホリン−4−イルであることが最も好ましい。
一実施態様では、R6は水素である。
R8は、水素又はC1−6アルキルであることが好ましい。より詳しくは、R8は、水素又はメチルである。
一実施態様では、R8は水素である。
一実施態様では、R6及びR8は一緒になって、オキソ基を形成する。
一実施態様では、R6及びR8は、水素及びC1−6アルキルから独立して選択され、水素及びメチルであることが好ましい。
R7は、水素又はメチル、特に、水素であることが好ましい。
一実施態様では、R9は、ヒドロキシ、C1−6アルキル、ハロC1−6アルキル又はC1−6アルコキシである。
もう1つの実施態様では、R9はヒドロキシ、ハロC1−6アルキル又はC1−6アルコキシである。
もう1つの実施態様では、R9は、水素、C1−6アルキル又はハロC1−6アルキルである。
特定のR9基として、水素、メチル、ヒドロキシ、エチル、イソプロピル、メトキシ、プロピル、ブチル及びエトキシが挙げられる。
一実施態様では、R9は、メチル、ヒドロキシ、エチル、イソプロピル、メトキシ、プロピル、ブチル及びエトキシである。
R10は、置換されてもよい、フェニル、ベンジル、チエニル、チアゾリル、チアジアゾリル及びピリジニルから選択される環であることが好ましい。
R10は、非置換であるか、又は1、2若しくは3個の独立して選択された基によって置換されていることが好ましい。より詳しくは、R10は、非置換であるか、又は一置換されている。
R10上の好ましい任意の置換基は、アミノ、ヒドロキシ及びオキシドから独立して選択される。より詳しくは、任意の置換基は、アミノ及びオキシドから独立して選択される。
特定のR10基として、アミノフェニル、フェニル、ベンジル、チアゾリル、チアジアゾリル、チエニル、アミノフェニル及びオキシドピリジニルが挙げられる。
一実施態様では、R10は、チエニル、アミノフェニル又はオキシドピリジニルである。
本発明の化合物のα1炭素不斉中心は、Sの立体化学配置を有することが好ましい。一実施態様では、α1炭素不斉中心は、Rの立体化学配置を有する。
一実施態様では、式II:
[式中、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、Rx、X、Het、p、q及びtは、上記に定義の通りである]
で示される化合物又はその医薬上許容され得る塩、立体異性体若しくは互変異性体を提供する。
式IIに関して好ましい固有性は、変更すべきところは変更して先に定義の通りである。
本発明はまた、式III:
[式中、
R1、R3、R5、R6、R7、R8、X、Y、p及びtは、上記に定義の通りであり;
Aは、CH又はNを表し;
Bは、NRf、O又はSを表し;
Zは、N又はCRgを表し;
Rfは、水素又はC1−6アルキルを表し、
Rgは、ハロゲン、シアノ、C1−6アルキル、C1−6アルコキシ、ハロC1−6アルキル又はハロC1−6アルコキシから選択される最大2個の基によって置換されてもよい、水素又は、C1−6アルキル若しくはC6−10アリールを表す]
で示される化合物又はその医薬上許容され得る塩、立体異性体若しくは互変異性体を提供する。
本発明の化合物の好適なクラスは、式IV:
[式中、R1、R3、R5、R6、R7、R8、A、B、X、Y、Z、p及びtは、上記で定義の通りである]
で示される立体化学配置を有する。
式III及びIVに関して好ましい固有性は、変更すべきところは変更して先に定義の通りである。
誤解を避けるために、R1は、環の任意の置換可能な位置と結合していてよい。
一実施態様では、Yは(C=O)NRxR2である。
一実施態様では、Bは、NRf又はSである。
一実施態様では、AはNであり、BはNRf又はOであり、かつZはN又はCRgである。
もう1つの実施態様では、AはNであり、BはNRfであり、かつZはCRgである。
さらにもう1つの実施態様では、AはCHであり、BはSであり、かつZはCRgである。
もう1つの実施態様では、A及びZは、両方ともNであり、かつBはNRfである。
一実施態様では、AはCHであり、BはNRf又はSであり、かつZはNである。
さらにもう1つの実施態様では、BはOである。
R1は、シアノ、臭素、塩素、フッ素、メチル、トリフルオロメチル、メトキシ、ジフルオロメトキシ又はフェニルから独立して選択される1個又は2個の基によって置換されてもよい、フェニル、ナフチル、チエニル、イソオキサゾリル、ピリジニル、ベンゾチエニル、チアゾロトリアゾリル、ジヒドロベンゾジオキシニル、ベンゾチアゾリル、キノリニル又はイソキノリニルであることが好ましい。
R3は、好ましくはジメチルアミノ、フェニル、ナフチル、ピロリジニル、ピペリジル、アゾニアビシクロ[2.2.1]ヘプタニル、アゾニアビシクロ[2.2.2]オクタニル、ピペラジニル、モルホリニル、チエニル、チアゾリル、イミダゾリル、ピラゾリル、イソオキサゾリル、チアジアゾリル、ピリジニル、インドリル、ベンゾチエニル、ベンゾチアジアゾリル、ベンゾオキサジアゾリル、ジヒドロベンゾフリル、ジヒドロチアゾロピリミジニル、イソキノリル、ジヒドロベンゾジオキシニル、ジヒドロベンゾオキサジニル、tert−ブトキシ、シクロペンチル、メチル、トリフルオロメチル、メトキシ、メチルアミノ、アミノ、ジエチルアミノ、ヒドロキシ、ベンゾイミダゾリル、ベンゾフラニル、トリアゾロピリミジニル、ジヒドロベンゾオキサゾリル、ジヒドロインドリル、ジヒドロキナゾリニル、ジヒドロフタラジニル、インダゾリル、キノリニル、ベンゾイソオキサゾリル、ベンゾトリアゾリル、テトラヒドロβカルボリニル、ジヒドロイソインドリル、テトラヒドロナフチリジニル、テトラゾリル、ベンジルオキシ、チオモルホリニル及びアゼチジニルであり、これらの環のいずれも、塩素、フッ素、メチル、イソプロピル、シアノ、メトキシ、ジフルオロメトキシ、カルボキシ、ニトロ、アミノスルホニル、アセチルアミノ、メチルピペラジニル、ピリジニル、メチルチアゾリル、(メチル)(トリフルオロメチル)ピラゾリル、イソオキサゾリル、メトキシカルボニル、モルホリニル、ブロモ、フェニル、オキソ、エチル、トリフルオロメチル及びピロリジニルから独立して選択される1、2又は3個の基によって置換されてもよい。
R5はメチルであることが好ましい。さらに好ましいR5基として、水素がある。
R6及びR8は、水素及びメチルから独立して選択されることが好ましい。
Rfは、水素又はメチルであることが好ましい。より詳しくは、Rfは水素である。
Rgは、水素、C1−6アルキル又はC6−10アリールであることが好ましい。より詳しくは、Rgは、水素、メチル、フェニル又はナフチルである。
一実施態様では、Rgは水素である。
本発明はまた、式V:
[式中、R1、R3、R6、R8、Y及びpは、上記に定義の通り]
によって表される化合物又はその医薬上許容され得る塩、立体異性体若しくは互変異性体を提供する。
式Vに関して好ましい固有性は、変更すべきところは変更して先に定義の通りである。
本発明はまた、その範囲内に、上記の式Iの化合物のN−オキシドを含む。一般に、このようなN−オキシドは、任意の利用可能な窒素原子上に形成され得る。式Iの化合物のN−オキシドが双性イオンとして生じ、これではオキシド基は正電化を有するN原子と結合していることは明らかである。N−オキシドは、従来法、例えば、湿潤アルミナの存在下、式Iの化合物をオキソンと反応させることによって形成できる。
本発明の一実施態様では、R10が2−オキシドピリジン−2−イウムである式Iの化合物のN−オキシドを提供する。
本発明は、その範囲内に上記の式Iの化合物のプロドラッグを含む。一般に、このようなプロドラッグは、in vivoで必要とされる式Iの化合物に容易に変換可能な式Iの化合物の機能的誘導体である。適したプロドラッグ誘導体の選択及び調製のための従来の手順は、例えば、「デザイン・オブ・プロドラッグス(Design of Prodrugs)」、H.ブンゴード(Bundgaard)編、エルゼビア(Elsevier)、1985中に記載されている。
プロドラッグは、活性薬物を放出するために身体内で変換を必要とし、送達特性が親薬物分子を上回って改善されている生物学的に活性な物質(「親薬物」又は「親分子」)の薬理学的に不活性の誘導体であり得る。in vivoでの変換は、例えば、なんらかの代謝プロセス、例えば、カルボン酸エステル、リン酸エステル若しくは硫酸エステルの化学的若しくは酵素的加水分解又は感受性官能基の還元若しくは酸化の結果としてであり得る。
本発明は、その範囲内に式Iの化合物及びその塩の溶媒和物、例えば、水和物を含む。
本発明の化合物は、不斉中心、キラル軸及びキラル面を有する場合があり(E.L.エリエル(Eliel)及びS.H.ウィレン(Wilen)、ステレオケミストリー・オブ・カーボン・コンパウンズ(Stereochemistry of Carbon Compounds)、ジョンウィレイ&サンズ(John Wiley&Sons)、ニューヨーク、1994、1119〜1190頁に記載されるように)、すべてのあり得る異性体及びそれらの混合物、例えば、光学異性体とともに、ラセミ化合物、ラセミ混合物として、及び個々のジアステレオマーとして生じる場合があり、このような立体異性体はすべて本発明に含まれる。さらに、本明細書に開示される化合物は、互変異性体として存在し得、一方のみの互変異性体構造が表されても、両方の互変異性体の形とも本発明の範囲によって包含されるものとする。
本化合物は、種々の異性体の形で存在することができ、そのすべてが本発明に包含される。
任意の変数(例えば、R5及びR6など)が任意の構成要素中に2回以上現れる場合は、各出現に関するその定義は、他のすべての出現とは無関係である。また、置換基及び変数の組み合わせは、このような組み合わせが安定な化合物をもたらす場合にのみ許容され得る。置換基から環系中に引かれる線は、示された結合が置換可能な環原子のいずれとも結合し得ることを表す。環系が多環式である場合には、結合は近接環のみの任意の適した炭素原子と結合するということが意図される。
本発明の化合物上の置換基及び置換パターンは、化学的に安定であり、当該技術分野で公知の技術並びに以下に示される方法によって、容易に入手可能な出発物質から容易に合成できる化合物を提供するよう当業者によって選択され得るということは理解される。置換基が、2個以上の基でそれ自体置換される場合には、これらの複数の基は、安定な構造が生じる限り、同一炭素上にある場合も、異なる炭素上にある場合もあると理解される。語句「置換されてもよい」とは、語句「置換されていないか、1個以上の置換基で置換されている」と同等であるととられなければならず、このような場合は、好ましい実施態様は0〜3個の置換基を有する。より詳しくは、0〜2個の置換基がある。飽和、部分飽和又は不飽和複素環上の置換基は、任意の置換可能な位置で結合され得る。
本明細書において、「アルキル」とは、指定の数の炭素原子を有する、分岐及び直鎖飽和脂肪族炭化水素基の両方を含むものとする。例えば、「C1−C6アルキル」は、直線的配置又は分岐配置にある1、2、3、4、5又は6個の炭素を有する基を含むよう定義される。例えば、「C1−C6 アルキル」とは、具体的には、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、t−ブチル、i−ブチル、ペンチル、ヘキシルなどを含む。好ましいアルキル基として、メチルがある。用語「シクロアルキル」とは、指定の数の炭素原子を有する、単環式、二環式又は多環式飽和脂肪族炭化水素基を意味する。例えば、「C7−10シクロアルキル」としては、シクロプロピル、メチル−シクロプロピル、2,2−ジメチル−シクロブチル、2−エチル−シクロペンチル、シクロヘキシルなどが挙げられる。本発明の一実施態様では、用語「シクロアルキル」は、直前に記載される基を含み、さらに、単環式不飽和脂肪族炭化水素基を含む。例えば、この実施態様において定義される「シクロアルキル」として、シクロプロピル、メチル−シクロプロピル、2,2−ジメチル−シクロブチル、2−エチル−シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロペンテニル、シクロブテニル、7,7−ジメチルビシクロ[2.2.1]ヘプチルなどが挙げられる。好ましいシクロアルキル基として、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル及びシクロヘキシルがある。
「アルコキシ」とは、酸素橋によって結合している示される数の炭素原子のアルキル基を表す。したがって、「アルコキシ」とは、上記のアルキルの定義を包含する。適したアルコキシ基の例として、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、i−プロポキシ、n−ブトキシ、s−ブトキシ及びt−ブトキシが挙げられる。好ましいアルコキシ基として、メトキシがある。
用語「ハロC1−6アルキル」及び「ハロC1−6アルコキシ」とは、1個以上の(特に、1〜3個の)水素原子がハロゲン原子、特に、フッ素又は塩素原子によって置換されている、C1−6アルキル又はC1−6アルコキシ基を意味する。フルオロC1−6アルキル及びフルオロC1−6アルコキシ基、特に、フルオロC1−3アルキル及びフルオロC1−3アルコキシ基、例えば、CF3、CHF2、CH2F、CH2CH2F、CH2CHF2、CH2CF3、OCF3、OCHF2、OCH2F、OCH2CH2F、OCH2CHF2又はOCH2CF3、最も特に、CF3、OCF3及びOCHF2が好ましい。
用語「ヒドロキシC1−6アルキル」とは、1個以上の(特に、1〜3個の)水素原子がヒドロキシ基によって置換されているC1−6アルキル基を意味する。CH2OH、CH2CHOH及びCHOHCH3が好ましい。
本明細書において、用語「C2−6アルケニル」とは、2〜6個の炭素原子と、少なくとも1つの炭素炭素二重結合を含む直鎖又は分岐状の非芳香族炭化水素基を指す。1つの炭素炭素二重結合が存在し、最大4つの非芳香族炭素−炭素二重結合が存在し得ることが好ましい。アルケニル基としては、エテニル、プロペニル、ブテニル及び2−メチルブテニルが挙げられる。アルケニル基の直鎖又は分岐部分が二重結合を含む場合があり、置換アルケニル基が示される場合には置換されてもよい。好ましいアルケニル基として、エテニル及びプロペニルが挙げられる。
用語「C2−6アルキニル」とは、2〜6個の炭素原子と、少なくとも1つの炭素炭素三重結合とを含む直鎖又は分岐状の炭化水素基を指す。最大3つの炭素−炭素三重結合が存在し得る。アルキニル基としては、エチニル、プロピニル、ブチニル、3−メチルブチニルなどが挙げられる。アルキニル基の直鎖又は分岐部分が三重結合を含む場合があり、置換アルキニル基が示される場合には置換されてもよい。好ましいアルキニル基として、エチニル及びプロピニルが挙げられる。
本明細書において、「C6−10アリール」とは、少なくとも1つの環が芳香族である、6〜10個の原子からなる任意の安定な単環式又は二環式炭素環を意味するものとする。このようなアリール要素の例として、フェニル、ナフチル、テトラヒドロナフチル、インダニル及びテトラヒドロベンゾ[7]アヌレンが挙げられる。好ましいアリール基として、フェニル又はナフチル、特に、フェニルがある。
本発明の特定の複素環の例として、ベンゾイミダゾリル、ベンゾフランジオニル、ベンゾフラニル、ベンゾフラザニル、ベンゾピラゾリル、ベンゾトリアゾリル、ベンゾチエニル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾオキサゾロニル、ベンゾチアゾリル、ベンゾチアジアゾリル、ベンゾジオキソリル、ベンゾオキサジアゾリル、ベンゾイソオキサゾリル、ベンゾイソチアゾリル、クロメニル、クロマニル、イソクロマニル、カルバゾリル、カルボリニル、シンノリニル、エポキシジル、フラニル、フラザニル、イミダゾリル、インドリニル、インドリル、インドリジニル、インドリニル、イソインドリニル、インダゾリル、イソベンゾフラニル、イソインドリル、イソキノリル、イソチアゾリル、イソオキサゾリル、ナフトピリジニル、オキサジアゾリル、オキサゾリル、オキサゾリニル、イソオキサゾリニル、オキセタニル、プリニル、ピラニル、ピラジニル、ピラゾリル、ピリダジニル、ピリドピリジニル、ピリダジニル、ピリジニル、ピリミジニル、トリアジニル、テトラジニル、ピロリル、キナゾリニル、キノリル、キノキサリニル、キノリジニル、テトラヒドロピラニル、テトラヒドロチオピラニル、テトラヒドロイソキノリニル、テトラゾリル、テトラゾロピリジル、チアジアゾリル、チアゾリジニル、チアゾリル、チエニル、トリアゾリル、アゼチジニル、1,4−ジオキサニル、ヘキサヒドロアゼピニル、ピペラジニル、ピペリジル、ピリジン−2−オニル、ピロリジニル、イミダゾリニル、ピラゾリニル、ピロリニル、モルホリニル、チオモルホリニル、ジヒドロベンゾイミダゾリル、ジヒドロベンゾフラニル、ジヒドロベンゾチオフェニル、ジヒドロベンゾオキサゾリル、ジヒドロフラニル、ジヒドロイミダゾリル、ジヒドロインドリル、ジヒドロイソオキサゾリル、ジヒドロイソチアゾリル、ジヒドロオキサジアゾリル、ジヒドロオキサゾリル、ジヒドロピラジニル、ジヒドロピラゾリル、ジヒドロピリジニル、ジヒドロピリミジニル、ジヒドロピロリル、ジヒドロキノリニル、ジヒドロテトラゾリル、ジヒドロチアジアゾリル、ジヒドロチアゾリル、ジヒドロチエニル、ジヒドロトリアゾリル、ジヒドロアゼチジニル、ジヒドロイソクロメニル、ジヒドロイミダゾロニル、ジヒドロトリアゾロニル、ジヒドロベンゾジオキシニル、ジヒドロチアゾロピリミジニル、メチレンジオキシベンゾイル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロチエニル、テトラヒドロキノリニル、チアゾリジノニル、イミダゾロニル、イソインドリノニル、オクタヒドロキノリジニル、オクタヒドロイソインドリル、イミダゾピリジニル、アザビシクロヘプタニル、クロメノニル、トリアゾロピリミジニル、ジヒドロベンゾオキサジニル、チアゾロトリアゾリル、アゾニアビシクロヘプタニル、アゾニアビシクロオクタニル、フタラジニル、ナフチリジニル、キナゾリニル、プテリジニル及びそれらのN−オキシドがある。さらに特定の複素環として、ジヒドロキナゾリニル、ジヒドロフタラジニル、ジヒドロイソインドリル、テトラヒドロナフチリジニル、テトラヒドロβカルボリニル及びそれらのN−オキシドが挙げられる。ヘテロシクリル置換基の結合は、炭素原子によって、又はヘテロ原子によって起こり得る。
好ましい4員の飽和複素環として、アゼチジニルがある。
好ましい5又は6員の飽和又は部分飽和ヘテレオサイクル(hetereocycles)として、ピロリジニル、ピペリジル、ピペラジニル、モルホリニル、アゾニアビシクロ[2.2.1]ヘプタニル、アゾニアビシクロ[2.2.2]オクタニル、チオモルホリニル及びチアゾリジニルがある。
好ましい5員の不飽和複素環として、チエニル、チアゾリル、ピラゾリル、イソオキサゾリル、イミダゾリル、チアジアゾリル、オキサゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、フリル及びオキサジアゾリルがある。
好ましい6員の不飽和複素環として、ピリジニルがある。
好ましい8〜10員の飽和、部分飽和又は不飽和複素環として、ベンゾチエニル、イソキノリル、インドリル、ベンゾチアジアゾリル、ベンゾオキサジアゾリル、チアゾロトリアゾリル、ジヒドロベンゾジオキシニル、ジヒドロチアゾロピリミジニル、ジヒドロベンゾオキサジニル、ジヒドロベンゾフラニル、ベンゾチアゾリル、キノリニル、イソキノリニル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾフラニル、ジヒドロベンゾオキサゾリル、ジヒドロインドリル、ジヒドロキナゾリニル、ジヒドロフタラジニル、インダゾリル、ベンゾイソオキサゾリル、ベンゾトリアゾリル、ジヒドロイソインドリル、テトラヒドロナフチリジニル、トリアゾロピリミジニル及びテトラヒドロキノリニ(tetrahydroquinoliny)がある。
好ましい13員の部分飽和複素環として、テトラヒドロβカルボリニルがある。
本明細書において、用語「ハロゲン」とは、フッ素、塩素、臭素及びヨウ素を指し、そのうち、フッ素、塩素及び臭素が好ましい。
本発明の範囲内の特定の化合物として、
2−((1S)−1−{[(5−メトキシ−2−メチル−1H−インドール−3−イル)アセチル]アミノ}−5−{[(メチルアミノ)カルボニル]アミノ}ペンチル)−5−(2−ナフチル)−1H−イミダゾール−3−イウムトリフルオロアセテート;
2−((1S)−1−{[3−(ジメチルアンモニオ)プロパノイル]アミノ}−5−{[(メチルアミノ)カルボニル]アミノ}ペンチル)−5−(2−ナフチル)−1H−イミダゾール−3−イウムビス(トリフルオロアセテート);
2−((1S)−5−{[(ヒドロキシアミノ)カルボニル]アミノ}−1−{[(5−メトキシ−2−メチル−1H−インドール−3−イル)アセチル]アミノ}ペンチル)−5−(2−ナフチル)−1H−イミダゾール−3−イウムトリフルオロアセテート;
2−{(1S)−1−{[(5−メトキシ−2−メチル−1H−インドール−3−イル)アセチル]アミノ}−5−[(1−オキシドピリジン−2−イル)アミノ]ペンチル}−5−(2−ナフチル)−1H−イミダゾール−3−イウムビス(トリフルオロアセテート);
N−{(1S)−5−アミノ−1−[5−(2−ナフチル)−1H−イミダゾール−2−イル]ペンチル}−2−(5−メトキシ−2−メチル−1H−インドール−3−イル)アセトアミド;
2−{(1S)−1−{[(5−メトキシ−2−メチル−1H−インドール−3−イル)アセチル]アミノ}−5−[(2−チエニルカルボニル)アミノ]ペンチル}−5−(2−ナフチル)−1H−イミダゾール−3−イウムトリフルオロアセテート;
2−((1S)−5−[(2−アンモニオベンゾイル)アミノ]−1−{[(5−メトキシ−2−メチル−1H−インドール−3−イル)アセチル]アミノ}ペンチル)−5−(2−ナフチル)−1H−イミダゾール−3−イウム;
2−((1S)−5−[(メトキシカルボニル)アミノ]−1−{[(5−メトキシ−2−メチル−1H−インドール−3−イル)アセチル]アミノ}ペンチル)−5−(2−ナフチル)−1H−イミダゾール−3−イウムトリフルオロアセテート;
2−((1S)−1−{[(5−メトキシ−2−メチル−1H−インドール−3−イル)アセチル]アミノ}−5−{[(メチルアミノ)カルボノチオイル]アミノ}ペンチル)−5−(2−ナフチル)−1H−イミダゾール−3−イウムトリフルオロアセテート;
2−((1S)−5−({[(2−アンモニオフェニル)アミノ]カルボニル}アミノ)−1−{[(5−メトキシ−2−メチル−1H−インドール−3−イル)アセチル]アミノ}ペンチル)−5−(2−ナフチル)−1H−イミダゾール−3−イウムビス(トリフルオロアセテート);
2−((1S)−1−{[(5−メトキシ−2−メチル−1H−インドール−3−イル)アセチル]アミノ}−5−{[(プロピルアミノ)カルボニル]アミノ}ペンチル)−5−(2−ナフチル)−1H−イミダゾール−3−イウムトリフルオロアセテート;
2−((1S)−5−{[(ブチルアミノ)カルボニル]アミノ}−1−{[(5−メトキシ−2−メチル−1H−インドール−3−イル)アセチル]アミノ}ペンチル)−5−(2−ナフチル)−1H−イミダゾール−3−イウムトリフルオロアセテート;
2−((1S)−5−{[(エチルアミノ)カルボニル]アミノ}−1−{[(5−メトキシ−2−メチル−1H−インドール−3−イル)アセチル]アミノ}ペンチル)−5−(2−ナフチル)−1H−イミダゾール−3−イウムトリフルオロアセテート;
2−エチル−1−[3−({(1S)−5−{[(メチルアミノ)カルボニル]アミノ}−1−[5−(2−ナフチル)−1H−イミダゾール−3−イウム−2−イル]ペンチル}アミノ)−3−オキソプロピル]−1H−3,1−ベンゾイミダゾール−3−イウムビス(トリフルオロアセテート);
2−((1S)−5−{[(メチルアミノ)カルボニル]アミノ}−1−{[(2−オキソキナゾリン−1(2H)−イル)アセチル]アミノ}ペンチル)−5−(2−ナフチル)−1H−イミダゾール−3−イウムトリフルオロアセテート;
2−((1S)−5−{[(メチルアミノ)カルボニル]アミノ}−1−{[2−メチル−2−(メチルアンモニオ)プロパノイル]アミノ}ペンチル)−5−(2−ナフチル)−1H−イミダゾール−3−イウムビス(トリフルオロアセテート);
2−((1S)−5−[(アミノカルボニル)アミノ]−1−{[(5−メトキシ−2−メチル−1H−インドール−3−イル)アセチル]アミノ}ペンチル)−5−(2−ナフチル)−1H−イミダゾール−3−イウムトリフルオロアセテート;
2−((1S)−5−{[(メトキシアミノ)カルボニル]アミノ}−1−{[(5−メトキシ−2−メチル−1H−インドール−3−イル)アセチル]アミノ}ペンチル)−5−(2−ナフチル)−1H−イミダゾール−3−イウムトリフルオロアセテート;
2−((1S)−5−{[(エトキシアミノ)カルボニル]アミノ}−1−{[(5−メトキシ−2−メチル−1H−インドール−3−イル)アセチル]アミノ}ペンチル)−5−(2−ナフチル)−1H−イミダゾール−3−イウムトリフルオロアセテート;
並びにその医薬上許容され得る塩基、塩及び立体異性体が挙げられる。
式Iの化合物の遊離塩基、並びにその医薬上許容され得る塩及び立体異性体は、本発明に含まれる。本明細書に例示される具体的な化合物のうちいくつかは、アミン化合物のプロトン化塩である。1個以上のN原子を含む式Iの化合物は、N原子のうち任意の1個、いくつか又はすべてでプロトン化してもよい。例えば、R3又はR10環上の置換基がN(Rc)2である場合には、窒素原子をプロトン化して、+NH(Rc)2を形成してもよい。特定のプロトン化R3基として、メチルアンモニオ、ジメチルアンモニオ及び置換されてもよいベンゾイミダゾリウムがある。R10環上の特定のプロトン化置換基として、アンモニオがある。イミダゾール環が、例えば、Hetに存在する場合は、この環をプロトン化してイミダゾリウムを形成してもよい。用語「遊離塩基」は、非塩の形のアミン化合物を指す。包含される医薬上許容され得る塩は、本明細書に記載される具体的な化合物の例示される塩だけでなく、式Iの化合物の遊離形のすべての通常の医薬上許容され得る塩も含む。記載される具体的な塩化合物の遊離形は、当該技術分野における技術上既知の方法を用いて単離できる。例えば、遊離形は、塩を適した希塩基水溶液、例えば、希NaOH、炭酸カリウム、アンモニア及び重炭酸ナトリウム水溶液で処理することによって再生してもよい。遊離形は、特定の物理的特性、例えば、極性溶媒における可溶性においてそのそれぞれの塩の形とは異なり得るが、酸性及び塩基性塩は、そのほかの点では、本発明の目的上、そのそれぞれの遊離形と医薬的に同等である。
本化合物の医薬上許容され得る塩は、従来の化学法によって塩基性又は酸性部分を含む本発明の化合物から合成できる。通常、塩基性化合物の塩は、イオン交換クロマトグラフィーによってか、遊離塩基を、適した溶媒又は種々の溶媒の組合せ中で、化学量論量の、又は過剰の所望の塩を形成する無機又は有機酸と反応させることのいずれかによって調製できる。同様に、酸性化合物の塩も、適当な無機又は有機塩基との反応によって形成される。
したがって、本発明の化合物の医薬上許容され得る塩として、塩基性の本化合物を無機又は有機酸と反応させることによって形成されるような、本発明の化合物の従来の非毒性塩が挙げられる。例えば、従来の非毒性塩として、無機酸、例えば、塩酸、臭化水素酸、硫酸、スルファミン酸、リン酸、硝酸などから誘導されるもの並びに有機酸、例えば、酢酸、プロピオン酸、コハク酸、グリコール酸、ステアリン酸、乳酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、アスコルビン酸、パモン酸、マレイン酸、ヒドロキシマレイン酸、フェニル酢酸、グルタミン酸、安息香酸、サリチル酸、スルファニル酸、2−アセトキシ−安息香酸、フマル酸、トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、エタンジスルホン酸、シュウ酸、イセチオン酸、トリフルオロ酢酸などから調製された塩が挙げられる。本化合物の医薬上許容され得る塩は、1当量の式(I)の化合物と、1、2又は3当量の無機又は有機酸とを含むことが好ましい。より詳しくは、本発明の医薬上許容され得る塩として、トリフルオロ酢酸塩又は塩化物、特に、トリフルオロ酢酸塩がある。
本発明の化合物が酸性である場合、適した「医薬上許容され得る塩」とは、医薬上許容され得る非毒性塩基、例えば、無機塩基及び有機塩基から調製される塩を指す。無機塩基から誘導される塩としては、アルミニウム、アンモニウム、カルシウム、銅、第二鉄、第一鉄、リチウム、マグネシウム、マンガン塩、マンガン、カリウム、ナトリウム、亜鉛などが挙げられる。アンモニウム、カルシウム、マグネシウム、カリウム及びナトリウム塩が特に好ましい。医薬上許容され得る有機非毒性塩基から形成される塩としては、第一、第二及び第三アミン、置換アミン、例えば、天然に存在する置換アミン、環状アミン及び塩基性イオン交換樹脂、例えば、アルギニン、ベタインカフェイン、コリン、N,N1−ジベンジルエチレンジアミン、ジエチルアミン、2−ジエチルアミノエタノール、2−ジメチルアミノエタノール、エタノールアミン、エチレンジアミン、N−エチルモルホリン、N−エチルピペリジン、グルカミン、グルコサミン、ヒスチジン、ヒドラバミン、イソプロピルアミン、リシン、メチルグルカミン、モルホリン、ピペラジン、ピペリジン、ポリアミン樹脂、プロカイン、プリン、テオブロミン、トリエチルアミン、トリメチルアミントリプロピルアミン、トロメタミンなどの塩が挙げられる。
上記の医薬上許容され得る塩及びその他の通常の医薬上許容され得る塩の調製は、バーグ(Berg)ら、「ファーマシューティカル・サルツ(Pharmaceutical Salts)」ジャーナル・オブ・ファーマシューティカル・サイエンセズ(Journal of Pharmaceutical Sciences)、1977:66:1〜19頁によってより十分に記載されている。
生理学的条件下では、化合物中の脱プロトン化酸性部分、例えば、カルボキシル基が陰イオン性であり得、この電子電荷が次いで、プロトン化又はアルキル化塩基性部分、例えば、第四窒素原子の陽イオン電荷に対して内部的にバランスが崩れている可能性があるので、本発明の化合物は、内部塩又は双性イオンの可能性があるということも留意される。
本発明の化合物は、療法によるヒト又は動物の身体の治療法において使用できる。
本発明の化合物は、ヒト及び動物の健康のための種々の適用において用途がある。本発明の化合物は、その他の疾患の中でもがんの治療において有用であるヒストン脱アセチル化酵素(HDAC)阻害剤である。HDACは、タンパク質、例えば、ヒストンのリシン残基からのアセチル基の除去を触媒し、HDAC阻害剤は、遺伝子発現、細胞分化、細胞周期進行、増殖停止、及び/又はアポトーシスに影響を及ぼすことをはじめ多様な生物学的機能を示す。ジャーナル・オブ・メディシナル・ケミストリー(Journal of Medicinal Chemistry)2003、46:5097及びカレント・メディシナル・ケミストリー(Current Medicinal Chemistry)2003、10:2343参照のこと。
本発明の化合物は、細胞増殖性疾患を治療するために用いられる。本明細書に提供される方法及び組成物によって治療できる病状としては、それだけには限らないが、がん(以下でさらに論じる)、神経変性疾患、統合失調症及び卒中が挙げられる。更なる疾患として、再狭窄、精神遅滞、炎症性疾患、免疫不全、糖尿病、心血管障害及び喘息が挙げられる。
本明細書に提供される化合物、組成物及び方法は、がん、例えば、固形腫瘍、例えば、皮膚癌、乳癌、脳癌、子宮頸癌、睾丸癌などの治療にとって有用であると特に考えられる。特に、本発明の化合物、組成物及び方法によって治療できるがんとしては、それだけには限らないが以下が挙げられる:心臓:肉腫(血管肉腫、線維肉腫、横紋筋肉腫、脂肪肉腫)、粘液腫、横紋筋腫、線維腫、脂肪腫及び奇形腫;肺:気管支原性肺癌(扁平細胞、未分化小細胞、未分化大細胞、腺癌)、肺胞上皮癌(細気管支癌)、気管支腺腫、肉腫、リンパ腫、軟骨性過誤腫、中皮腫;胃腸:食道(扁平上皮癌、腺癌、平滑筋肉腫、リンパ腫)、胃(癌腫、リンパ腫、平滑筋肉腫)、膵臓(導管腺癌、インスリノーマ、グルカゴン産生腫瘍、ガストリン産生腫瘍、カルチノイド腫瘍、VIP産生腫瘍)、小腸(腺癌、リンパ腫、カルチノイド腫瘍、カポジ肉腫、平滑筋腫、血管腫、脂肪腫、神経線維腫、線維腫)、大腸(腺癌、管状腺腫、絨毛腺腫、過誤腫、平滑筋腫);尿生殖路:腎臓(腺癌、ウィルムス腫瘍[腎芽細胞腫]、リンパ腫、白血病)、膀胱及び尿道(扁平上皮癌、移行上皮癌、腺癌)、前立腺(腺癌、肉腫)、精巣(セミノーマ、奇形腫、胎生期癌、奇形癌種、絨毛癌、肉腫、間質性細胞癌腫、線維腫、線維線腫、類腺腫瘍、脂肪腫);肝臓:肝細胞腫(肝細胞癌)、胆管癌、胆芽腫、血管肉腫、肝細胞腺腫、血管腫;骨:骨原性肉腫(骨肉腫)、線維肉腫、悪性線維性組織球腫、軟骨肉腫、ユーイング肉腫、悪性リンパ腫(細網肉腫)、多発性骨髄腫、悪性巨細胞腫脊索腫、骨軟骨腫(骨軟骨性外骨腫)、良性軟骨腫、軟骨芽細胞腫、軟骨粘液性線維腫、類骨骨腫及び巨細胞腫;神経系:頭蓋(骨腫、血管腫、肉芽腫、黄色腫、変形性骨炎)、髄膜(髄膜腫、髄膜肉腫、神経膠腫症)、脳(星状細胞腫、髄芽細胞腫、神経膠腫、上衣腫、肺細胞腫[松果体腫]、多形膠芽腫、乏突起膠腫、神経鞘腫、網膜芽細胞腫、先天性腫瘍)、脊髄神経線維腫、髄膜腫、神経膠腫、肉腫);婦人科:子宮の(子宮内膜癌)、子宮頸部(子宮頸癌、前腫瘍性子宮頸部形成異常)、卵巣(卵巣癌[漿液性嚢胞腺癌、粘液性嚢胞腺癌、未分類癌腫]、顆粒膜−莢膜細胞腫瘍、セルトリ−ライディッヒ細胞腫瘍、未分化肺細胞腫、悪性奇形腫)、外陰部(扁平上皮癌、上皮内癌、腺癌、線維肉腫、黒色腫)、膣(明細胞癌、扁平上皮癌、ブドウ状肉腫(胎児性横紋筋肉腫)、卵管(癌腫);血液学的:血液(骨髄性白血病[急性及び慢性]、急性リンパ芽球性白血病、慢性リンパ性白血病、骨髄増殖性疾患、多発性骨髄腫、骨髄異形成症候群)、ホジキン病、非ホジキンリンパ腫[悪性リンパ腫];皮膚:悪性黒色腫、基底細胞癌、扁平上皮癌、カポジ肉腫、ほくろ異形成母斑、脂肪腫、血管腫、皮膚線維腫、ケロイド、乾癬;及び副腎:神経芽腫。治療できるさらなる胃腸癌として、結腸の、結腸直腸の及び直腸のが挙げられる。したがって、本明細書において提供される用語「がん性細胞」とは、上記で同定される状態のいずれか1種を起こしている細胞が挙げられる。
したがって、本発明は、細胞増殖性疾患を治療するための医薬の製造において使用するための式Iの化合物を提供する。
本発明はまた、細胞増殖性疾患の治療を必要とする患者に、有効量の式Iの化合物又は式Iの化合物を含む組成物を投与することを含む、細胞増殖性疾患の治療方法を提供する。
本発明の化合物はまた、神経変性疾患、例えば、それだけには限らないが、ポリグルタミン伸長関連神経変性、ハンチントン病、ケネディー症候群、脊髄小脳失調症、歯状核赤核淡蒼球ルイ体萎縮(DRPLA)、タンパク質凝集関連神経変性、マシャド−ジョセフ病、アルツハイマー病、パーキンソン病、筋萎縮性側索硬化症、海綿状脳症、プリオン関連病及び多発性硬化症(MS)の治療又は予防において有効であり得る。WO02/090534及びWO03/083067参照のこと。
したがって、本発明は、神経変性疾患を治療又は予防するための医薬の製造において使用するための式Iの化合物を提供する。
本発明はまた、神経変性疾患の治療又は予防を必要とする患者へ、有効量の式Iの化合物又は式Iの化合物を含む組成物を投与することを含む、神経変性疾患を治療又は予防するための方法を提供する。
本発明の化合物はまた、精神遅滞、特に、「X染色体関連精神遅滞」及び「ルビンシュタイン−テイビ症候群」の治療又は予防において有用であり得る。
したがって、本発明は、精神遅滞を治療又は予防するための医薬を製造するための式Iの化合物を提供する。
本発明はまた、精神遅滞の治療又は予防を必要とする患者に、有効量の式Iの化合物又は式Iの化合物を含む組成物を投与することを含む、精神遅滞を治療又は予防するための方法を提供する。
本発明の化合物はまた、統合失調症の治療又は予防において有用であり得る。WO02/090534参照のこと。
したがって、本発明は、統合失調症を治療又は予防するための医薬を製造するための式Iの化合物を提供する。
本発明はまた、統合失調症の治療又は予防を必要とする患者に、有効量の式Iの化合物又は式Iの化合物を含む組成物を投与することを含む、統合失調症を治療又は予防するための方法を提供する。
本発明の化合物はまた、炎症性疾患、例えば、それだけには限らないが、卒中、リウマチ関節炎、紅斑性狼瘡、潰瘍性大腸炎及び外傷性脳損傷の治療又は予防において有用であり得る。レオーニ(Leoni)ら、PNAS、99(5):2995〜3000頁(2002)、スーロネン(Suuronen)ら、ジャーナル・オブ・ニューロケミストリー(Journal of Neurochemistry)87:407〜416頁(2003)及びドラッグ・ディスカバリー・トゥデイ(Drug Discovery Today)、10:197〜204頁(2005)参照のこと。
したがって、本発明は、炎症性疾患を治療又は予防するための医薬を製造するための式Iの化合物を提供する。
本発明はまた、炎症性疾患の治療又は予防を必要とする患者に、有効量の式Iの化合物又は式Iの化合物を含む組成物を投与することを含む、炎症性疾患を治療又は予防する方法を提供する。
本発明の化合物はまた、平滑筋細胞増殖及び/又は遊走の阻害において有用であり、したがって、例えば、血管形成術及び/又はステント移植後の再狭窄の予防及び/又は治療において有用である。
したがって、本発明は、再狭窄を治療又は予防するための医薬を製造するための式Iの化合物を提供する。
本発明はまた、再狭窄の治療又は予防を必要とする患者に、有効量の式Iの化合物又は式Iの化合物を含む組成物を投与することを含む、再狭窄を治療又は予防するための方法を提供する。
一実施態様では、1種以上の本発明の化合物をステント装置中又はステント装置上に有する、例えば、ステント装置上に被覆されているステント装置を提供することによって、平滑筋細胞増殖及び/又は遊走が阻害され、再狭窄が予防及び/又は治療される。ステント装置は、本発明の化合物を制御可能に放出し、それによって平滑筋細胞増殖及び/又は遊走を阻害し、再狭窄を予防及び/又は治療するよう設計される。
狭窄及び再狭窄は、血管の狭小化と関連している状態である。血管の狭窄は、通常、経時的に段階的に起こる。対照的に、再狭窄は、血管内手順、例えば、バルーン血管形成術及び/又はステント移植、又は血管損傷後の血管の狭小化と関連している。
バルーン血管形成術は、通常、狭窄血管を広げるために実施され;ステント留置は、通常、バルーン血管形成術後に、又はバルーン血管形成術と組合せて血管の開通性を維持するために実施される。狭窄血管は、バルーンが先端についたカテーテルを狭窄部位に誘導することと、バルーンの先端を膨張させて、閉塞した血管を効果的に拡張させることとによって、バルーン血管形成術を用いて広げられる。拡張された血管の開通性を維持する1つの試みでは、ステントを血管中に埋め込み、血管の広げられた部位に血管内支持体を提供し、それによって、バルーンカテーテルを外した後に血管がその閉塞した状態に戻る程度を制限することができる。再狭窄は、通常、例えば、バルーン拡張、粥腫切除術又は動脈のレーザー切断治療によってもたらされた、血管形成術の際に受けた外傷によって引き起こされる。これらの手順については、再狭窄は、血管の位置、病変の長さ及びいくつかのその他の変数に応じて約30%〜約60%の割合で生じる。これが、比較的非侵襲性のバルーン血管形成術及びステント留置手順の全体的な成功を低下させている。
再狭窄は、平滑筋細胞(SMC)の増殖をはじめ、多数の因子に起因する。SMC増殖は、内膜に対する最初の機械的損傷によって引き起こされ、バルーン血管形成術及びステント移植時に持続される。このプロセスは初期の血小板活性化と血栓形成と、それに続く、SMC補充及び遊走、最後に、細胞増殖及び細胞外マトリックス蓄積を特徴とする。損傷を受けた内皮細胞、SMC、血小板及びマクロファージは、サイトカイン及び増殖因子を分泌し、これが再狭窄を促進する。SMC増殖は、新生内膜過形成をもたらす最終的な共通の経路に相当する。したがって、細胞周期における特定の制御事象を阻害することを目的とする抗増殖療法は、血管形成術後の再狭窄への最も妥当なアプローチとなり得る。
本発明の化合物はまた、免疫抑制剤又は免疫調節物質として使用してもよく、したがって、免疫応答又は免疫媒介性反応及び疾患、例えば、全身性紅斑性狼瘡(SLE)及び臓器、組織若しくは細胞移植片の受取人における急性若しくは慢性移植拒絶反応の治療又は予防において使用できる(WOO5/013958参照のこと)。
本発明の化合物を使用できる自己免疫疾患の例として、自己免疫血液疾患(例えば、溶血性貧血、再生不良性貧血、純赤血球性貧血及び特発性血小板減少症)、全身性紅斑性狼瘡、甲状腺炎、橋本甲状腺炎、多発性軟骨炎、スクレロドーマ(sclerodoma)、ウェゲナー肉芽腫症、皮膚筋炎、慢性活動性肝炎、重症筋無力症、乾癬、アトピー性皮膚炎、脈管炎、スティーブンス・ジョンソン症候群、特発性スプルー、自己免疫炎症性腸疾患(例えば、潰瘍性大腸炎及びクローン病)内分泌眼疾患、グレーブス病、サルコイドーシス、多発性硬化症、原発性胆汁性肝硬変、若年性糖尿病(I型真性糖尿病)、II型糖尿病及びそれに付随する障害、ブドウ膜炎(前及び後)、角結膜炎及び春季カタル、間質性肺繊維症、乾癬性関節炎、糸球体腎炎(ネフローゼ症候群を伴うか伴わない、例えば、特発性ネフローゼ症候群又は微小変化型ネフローゼ)、感染性若年性皮膚筋炎、自己抗体媒介性疾患、再生不良性貧血、エヴァンス症候群、自己免疫性溶血性貧血、異常免疫応答及び/又は活性化を引き起こす感染性疾患、例えば、外傷又は病原体誘導性免疫調節不全(例えば、B型及びC型肝炎、黄色ブドウ球菌感染、ウイルス性脳炎、敗血症、損傷が炎症反応によって誘導される寄生虫症(例えば、らい病)によって引き起こされるものを含む)並びに循環器の疾患、例えば、動脈硬化症、アテローム性動脈硬化症、結節性多発性動脈炎及び心筋炎が挙げられる。
したがって、本発明は、免疫不全を治療又は予防するための医薬を製造するための式Iの化合物を提供する。
本発明はまた、免疫不全の治療又は予防を必要とする患者に、有効量の式Iの化合物又は式Iの化合物を含む組成物を投与することを含む、免疫不全を治療又は予防する方法を提供する。
本発明の化合物はまた、その他の疾患、例えば、糖尿病、心血管障害及び喘息の治療又は予防においても有用であり得る。
本発明の化合物はまた、セル(Cell)、110:479〜488頁(2002)に記載されるように、心臓肥大及び心不全の治療又は予防においても有用であり得る。
本発明の化合物は、標準的薬学のプラクティスに従い、哺乳動物、好ましくは、ヒトに、単独で、又は医薬組成物中で医薬上許容され得る担体、賦形剤若しくは希釈剤と組合せて投与してもよい。一実施態様では、本発明の化合物は、動物に投与してよい。本化合物は、経口的に又は非経口的に投与でき、例えば、静脈内、筋肉内、腹腔内、皮下、直腸及び局所経路の投与ができる。
本発明はまた、1種以上の本発明の化合物と、医薬上許容され得る担体とを含む医薬組成物を提供する。有効成分を含む医薬組成物は、例えば、錠剤、トローチ剤、ロゼンジ剤、水性若しくは油性懸濁液、分散性散剤若しくは顆粒剤、エマルジョン、ハード若しくはソフトカプセル剤又はシロップ剤又はエリキシル剤のような経口使用に適した形としてよい。経口使用向きの組成物は、医薬組成物の製造のための当技術分野で公知の任意の方法に従って調製でき、このような組成物は、医薬的に洗練された、味の良い製剤を提供するために、甘味剤、矯味剤、着色剤及び保存剤からなる群から選択される1種以上の薬剤を含み得る。錠剤は、錠剤の製造に適している、非毒性の医薬上許容され得る賦形剤との混合物中に有効成分を含む。これらの賦形剤は、例えば、不活性の 希釈剤、例えば、炭酸カルシウム、炭酸ナトリウム、ラクトース、リン酸カルシウム又はリン酸ナトリウム;造粒剤及び崩壊剤、例えば、マイクロクリスタリンセルロース、クロスカルメロースナトリウム、コーンスターチ又はアルギン酸;結合剤、例えば、デンプン、ゼラチン、ポリビニルピロリドン又はアラビアガム、及び滑沢剤、例えば、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸又はタルクであり得る。錠剤はコーティングされていなくてもよいし、薬物の嫌な味をマスクするため、若しくは消化管における崩壊及び吸収を遅延し、それによって長期間にわたる持続作用を提供するために既知技術によってコーティングされていもよい。例えば、水溶性の味をマスクする物質、例えば、ヒドロキシプロピル−メチルセルロース若しくはヒドロキシプロピルセルロース又は時間遅延物質、例えば、エチルセルロース、酢酸ブチルセルロースを使用してもよい。
経口使用用製剤はまた、有効成分が不活性の固体希釈剤、例えば、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム若しくはカオリンと混合されているハードゼラチンカプセル剤として、又は有効成分が水溶性担体、例えば、ポリエチレングリコール若しくはオイル媒体、例えば、ピーナッツオイル、液体パラフィン若しくはオリーブオイルと混合されているソフトゼラチンカプセル剤として提示してもよい。
水性懸濁液は、水性懸濁液の製造に適した賦形剤との混合物中に活性物質を含む。このような賦形剤として、懸濁剤、例えば、カルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチル−セルロース、アルギン酸ナトリウム、ポリビニル−ピロリドン、トラガカントゴム及びアラビアガムがあり;分散剤又は湿潤剤は天然に存在するリン脂質、例えば、レシチン、又はアルキレンオキシドの脂肪酸との縮合生成物、例えば、ステアリン酸ポリオキシエチレン、若しくはエチレンオキシドの長鎖脂肪族アルコールとの縮合生成物、例えば、ヘプタデカエチレンオキシセタノール、若しくはエチレンオキシドの脂肪酸及びヘキシトールに由来する部分エステルとの縮合生成物、例えば、ポリオキシエチレンソルビトールモノオレエート、若しくはエチレンオキシドの、脂肪酸及び無水ヘキシトール由来の部分エステルとの縮合生成物、例えば、ポリエチレンソルビタンモノオレエートであり得る。水性懸濁液はまた、1種以上の保存料、例えば、エチル又はn−プロピルp−ヒドロキシベンゾエートと、1種以上の着色剤と、1種以上の矯味剤と、1種以上の甘味剤、例えば、スクロース、サッカリン若しくはアスパルテームとを含み得る。
油性懸濁液は、有効成分を植物油、例えば、ラッカセイ油、オリーブ油、ゴマ油若しくはココナッツオイル、又は鉱油、例えば、液体パラフィンに懸濁することによって製剤してもよい。油性懸濁液は、増粘剤、例えば、蜜蝋、ハードパラフィン又はセチルアルコールを含み得る。味の良い経口製剤を提供するために、上記のものなどの甘味剤及び矯味剤を加えてもよい。これらの組成物は、抗酸化物質、例えば、ブチル化ヒドロキシアニソール又はα−トコフェロールの添加によって保存できる。
水の添加による水性懸濁液の調製に適した分散性散剤及び顆粒剤は、分散剤又は湿潤剤、懸濁剤及び1種以上の保存料との混合物中の有効成分を提供する。適した分散剤又は湿潤剤及び懸濁剤は上記にすでに記載されているものによって示されている。さらなる賦形剤として、例えば、甘味剤、矯味剤及び着色剤も存在し得る。これらの組成物は、抗酸化物質、例えば、アスコルビン酸の添加によって保存できる。
本発明の医薬組成物はまた、水中油型エマルジョンの形であり得る。油相は、植物油、例えば、オリーブ油若しくはラッカセイ油、又は鉱油、例えば、液体パラフィン又はこれらの混合物であり得る。適した乳化剤は、天然に存在するリン脂質、例えば、ダイズレシチン、並びに脂肪酸と無水ヘキシトールに由来するエステル若しくは部分エステル、例えば、ソルビタンモノオレエート、並びに前記部分エステルのエチレンオキシドとの縮合生成物、例えば、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエートであり得る。エマルジョンはまた、甘味料、矯味剤、保存料及び抗酸化物質も含み得る。
シロップ剤及びエリキシル剤は、甘味剤、例えば、グリセロール、プロピレングリコール、ソルビトール又はスクロースを用いて製剤してよい。このような製剤はまた、鎮痛薬、防腐剤、矯味剤及び着色剤及び抗酸化薬も含み得る。
本医薬組成物は、滅菌注射用水溶液の形であり得る。使用できる許容可能なビヒクル及び溶媒の中には、水、リンガー溶液及び等張性塩化ナトリウム溶液がある。
滅菌注射用製剤はまた、有効成分が油相に溶解している滅菌注射用水中油型マイクロエマルジョンであり得る。例えば、有効成分をまず、ダイズオイルとレシチンの混合物に溶解してよい。次いで、このオイル溶液を、水とグリセロールの混合物に入れ、マイクロエマルジョンを形成するよう処理する。
注射用溶液又はマイクロエマルジョンは、局所ボーラス注射によって患者の血流中に入れることができる。或いは、本化合物の一定循環濃度を維持するような方法で溶液又はマイクロエマルジョンを投与することが有利であり得る。このような一定濃度を維持するために、連続的静脈内送達装置を利用してもよい。このような装置の一例として、Deltec CADD−PLUS(商標)モデル5400静脈内ポンプがある。
本医薬組成物は、筋肉内投与及び皮下投与用の滅菌注射用水性又は油性懸濁液の形であり得る。この懸濁液は、上記に記載されている適した分散剤又は湿潤剤及び懸濁剤を用い、既知技術に従って製剤できる。滅菌注射用製剤はまた、例えば、1,3−ブタンジオール中の溶液のような、非毒性の非経口的に許容され得る希釈剤又は溶媒中の滅菌注射用溶液又は懸濁液であり得る。さらに、滅菌硬化油も、溶媒又は懸濁媒体として従来用いられている。この目的には、合成モノ又はジグリセリドをはじめ、任意の無刺激性硬化油を使用してよい。さらに、脂肪酸、例えば、オレイン酸は注射用物質の調製において用途がある。
式Iの化合物はまた、薬物の直腸投与のための坐剤の形で投与してもよい。 これらの組成物は、薬物を、常温では固体であるが直腸温度では液体であり、したがって、直腸で融解し、薬物を放出する適した非刺激性賦形剤と混合することによって調製できる。このような物質として、ココアバター、グリセリン化ゼラチン、硬化植物油、種々の分子量のポリエチレングリコール及びポリエチレングリコールの脂肪酸エステルの混合物が挙げられる。
局所使用用には、式Iの化合物を含む、クリーム、軟膏、ゼリー、溶液又は懸濁液などが用いられる。(この適用目的上、局所適用はマウスウォッシュ及び口腔洗浄薬を含むものとする。)
本発明の化合物は、適した経鼻ビヒクル及び送達装置の局所使用によって経鼻形態で、又は当業者に周知の経皮皮膚パッチの形のものを用いて経皮経路によって投与できる。経皮送達系の形で投与されるには、投与量の投与は、当然、投薬レジメンを通じて間欠的ではなく連続となる。本発明の化合物はまた、ココアバター、グリセリン化ゼラチン、硬化植物油、種々の分子量のポリエチレングリコール及びポリエチレングリコールの脂肪酸エステルの混合物などの基剤を用いて坐剤として送達してもよい。
本発明の化合物をヒト被験体に投与する場合には、一日用量は、通常、処方医師によって決定され、投与量は、通常、個々の患者の年齢、体重、性別及び応答並びに患者の症状の重篤度に応じて変わる。
1つの例示的適用では、化合物の適した量を、がんの治療を受けている哺乳動物に投与する。通常、投与は、約0.1mg/体重1kg/日〜約60mg/体重1kg/日の間、好ましくは、0.5mg/体重1kg/日〜約40mg/体重1kg/日の間の量で行う。
本化合物はまた、既知治療薬及び抗がん剤との組合せにおいても有用である。したがって、本発明は、同時、分離又は逐次投与のための、式(I)の化合物と既知治療薬及び/又は抗がん剤の組合せを提供する。例えば、本化合物は、既知抗がん剤との組合せにおいて有用である。目下、開示されている化合物と、その他の抗がん剤又は化学療法薬との組合せは、本発明の範囲内にある。このような薬剤の例は、V.T.デビタ(DeVita)及びS.ヘルマン(Hellman)によるキャンサー・プリンシプルズ・アンド・プラクティス・オブ・オンコロジー(Cancer:Principles and Practice of Oncology)、第6版(2001年2月15日)、リッピンコット・ウィリアムズ・アンド・ウィルキンス(Lippincott Williams and Wilkins)出版社に見出すことができる。当業者ならば、薬物及び関与するがんの個々の特徴に基づいて、どの組合せの薬剤が有用であるかを見極めることができる。このような抗がん剤として、それだけには限らないが、以下が挙げられる:その他のHDAC阻害剤、エストロゲン受容体モジュレーター、アンドロゲン受容体モジュレーター、レチノイド受容体モジュレーター、細胞傷害剤/細胞増殖抑制剤、抗増殖剤、プレニル−タンパク質トランスフェラーゼ阻害剤、HMG−CoAレダクターゼ阻害剤及びその他の血管新生抑制剤、細胞増殖及び生存シグナル伝達の阻害剤、アポトーシス誘発物質及び細胞周期チェックポイントを干渉する物質。本化合物は、放射線療法と同時投与された場合に特に有用である。
一実施態様では、本化合物はまた、既知抗がん剤、例えば、以下のものとの組合せにおいて有用である:その他のHDAC阻害剤、エストロゲン受容体モジュレーター、アンドロゲン受容体モジュレーター、レチノイド受容体モジュレーター、細胞傷害剤、抗増殖剤、プレニル−タンパク質トランスフェラーゼ阻害剤、HMG−CoAレダクターゼ阻害剤、HIVプロテアーゼ阻害剤、逆転写酵素阻害剤及びその他の血管新生抑制剤。
「その他のHDAC阻害剤」の例として、スベロイルアニリドヒドロキサム酸(SAHA)、LAQ824、LBH589、PXD101、MS275、FK228、バルプロ酸、酪酸及びCI−994が挙げられる。
「エストロゲン受容体モジュレーター」とは、機序にかかわらず、エストロゲンの受容体との結合を干渉又は阻害する化合物を指す。エストロゲン受容体モジュレーターの例として、それだけには限らないが、タモキシフェン、ラロキシフェン、イドキシフェン、LY353381、LY117081、トレミフェン、フルベストラント、4−[7−(2,2−ジメチル−1−オキソプロポキシ−4−メチル−2−[4−[2−(1−ピペリジニル)エトキシ]フェニル]−2H−1−ベンゾピラン−3−イル]−フェニル−2,2−ジメチルプロパノエート、4,4’−ジヒドロキシベンゾフェノン−2,4−ジニトロフェニル−ヒドラゾン及びSH646が挙げられる。
「アンドロゲン受容体モジュレーター」とは、機序にかかわらず、アンドロゲンの受容体との結合を干渉又は阻害する化合物を指す。アンドロゲン受容体モジュレーターの例として、フィナステリド及びその他の5α−レダクターゼ阻害剤、ニルタミド、フルタミド、ビカルタミド、リアロゾール及び酢酸アビラテロンが挙げられる。
「レチノイド受容体モジュレーター」とは、機序にかかわらず、レチノイドの 受容体との結合を干渉又は阻害する化合物を指す。このようなレチノイド受容体モジュレーターの例として、ベキサロテン、トレチノイン、13−シス−レチノイン酸、9−シス−レチノイン酸、α−ジフルオロメチルオルニチン、ILX23−7553、トランス−N−(4’−ヒドロキシフェニル)レチナミド及びN−4−カルボキシフェニルレチナミドが挙げられる。
「細胞傷害剤/細胞増殖抑制剤」とは、主に、細胞の機能を直接干渉するか、細胞有糸分裂を阻害又は干渉することによって、細胞死を引き起こすか、又は細胞増殖を阻害する化合物、例えば、アルキル化剤、腫瘍壊死因子、インターカレータ、低酸素活性化可能化合物、微小管阻害剤/微小管安定化剤、有糸分裂キネシンの阻害剤、有糸分裂進行に関与しているキナーゼの阻害剤、代謝拮抗剤;生物反応修飾物質;ホルモン/抗ホルモン治療薬、造血性増殖因子、モノクローナル抗体標的化治療薬、トポイソメラーゼ阻害剤、プロテアソーム阻害剤及びユビキチンリガーゼ阻害を指す。
細胞傷害剤の例として、それだけには限らないが、セルテネフ(sertenef)、カケクチン、イフォスファミド、タソネルミン、ロニダミン(lonidamine)、カルボプラチン、アルトレタミン、プレドニムスチン、ジブロモダルシトール(dibromodulcitol)、ラニムスチン、ホテムスチン、ネダプラチン、オキサリプラチン、テモゾロミド、ヘプタプラチン(heptaplatin)、エストラムスチン、トシル酸インプロスルファン、トロフォスファミド、ニムスチン、塩化ジブロスピジウム、プミテパ、ロバプラチン、サトラプラチン、プロフィロマイシン(profiromycin)、シスプラチン、イロフルベン(irofulven)、デキシホスファミド(dexifosfamide)、シス−アミンジクロロ(2−メチル−ピリジン)白金、ベンジルグアニン、グルフォスファミド(glufosfamide)、GPX100、(トランス、トランス、トランス)−ビス−mu−(ヘキサン−1,6−ジアミン)−mu−[ジアミン−白金(II)]ビス[ジアミン(クロロ)白金(II)]テトラクロリド、ジアリジジニルスペルミン(diarizidinylspermine)、三酸化ヒ素、1−(11−ドデシルアミノ−10−ヒドロキシウンデシル)−3,7−ジメチルキサンチン、ゾルビシン、イダルビシン、ダウノルビシン、ビサントレン、ミトキサントロン、ピラルビシン、ピナフィド(pinafide)、バルルビシン、アムルビシン、アンチネオプラストン、3’−デアミノ−3’−モルホリノ−13−デオキソ−10−ヒドロキシカルミノマイシン、アンナマイシン(annamycin)、ガラルビシン(galarubicin)、エリナフィド(elinafide)、MEN10755及び4−デメトキシ−3−デアミノ−3−アジリジニル−4−メチルスルホニル−ダウノルビシンが挙げられる(WO00/50032参照のこと)。
低酸素活性化可能化合物の一例として、チラパザミンがある。
プロテアソーム阻害剤の例として、それだけには限らないが、ラクタシスチン、ボルテゾミブ、エポキソミシン及びペプチドアルデヒド、例えば、MG132、MG115及びPSIが挙げられる。さらなる阻害剤として、MLN−341(ベルケード)が挙げられる。
一実施態様では、本発明の化合物は、その他のHDAC阻害剤、例えば、SAHA及びプロテアソーム阻害剤と併用できる。
微小管阻害剤/微小管安定化剤の例として、パクリタキセル、硫酸ビンデシン、3’,4’−ジデヒドロ−4’−デオキシ−8’−ノルビンカロイコブラスチン、ドセタキセル、リゾキシン、ドラスタチン、イセチオン酸ミボブリン、オーリスタチン、セマドチン、RPR109881、BMS184476、ビンフルニン、クリプトフィシン、2,3,4,5,6−ペンタフルオロ−N−(3−フルオロ−4−メトキシフェニル)ベンゼンスルホンアミド、アンヒドロビンブラスチン、N,N−ジメチル−L−バリル−L−バリル−N−メチル−L−バリル−L−プロリル−L−プロリン−t−ブチルアミド、TDX258、エポチロン(例えば、米国特許第6,284,781号及び同6,288,237号参照のこと)及びBMS188797が挙げられる。
トポイソメラーゼ阻害剤のいくつかの例として、トポテカン、ハイカプタミン(hycaptamine)、イリノテカン、ルビテカン、6−エトキシプロピオニル−3’,4’−O−エキソ−ベンジリデン−チャートリューシン(chartreusin)、9−メトキシ−N,N−ジメチル−5−ニトロピラゾロ[3,4,5−kl]アクリジン−2−(6H)プロパンアミン、1−アミノ−9−エチル−5−フルオロ−2,3−ジヒドロ−9−ヒドロキシ−4−メチル−1H,12H−ベンゾ[de]ピラノ[3’,4’:b,7]−インドリジノ[1,2b]キノリン−10,13(9H,15H)ジオン、ルルトテカン、7−[2−(N−イソプロピルアミノ)エチル]−(20S)カンプトテシン、BNP1350、BNPI1100、BN80915、BN80942、リン酸エトポシド、テニポシド、ソブゾキサン、2’−ジメチルアミノ−2’−デオキシ−エトポシド、GL331、N−[2−(ジメチルアミノ)エチル]−9−ヒドロキシ−5,6−ジメチル−6H−ピリド[4,3−b]カルバゾール−1−カルボキサミド、アスラクリン(asulacrine)、(5a、5aB、8aa,9b)−9−[2−[N−[2−(ジメチルアミノ)エチル]−N−メチルアミノ]エチル]−5−[4−ヒドロキシ−3,5−ジメトキシフェニル]−5,5a,6,8,8a,9−ヘキソヒドロフロ(3’,4’:6,7)ナフト(2,3−d)−1,3−ジオキソール−6−オン、2,3−(メチレンジオキシ)−5−メチル−7−ヒドロキシ−8−メトキシベンゾ[c]−フェナントリジニウム、6,9−ビス[(2−アミノエチル)アミノ]ベンゾ[g]イソギノリン(isoguinoline)−5,10−ジオン、5−(3−アミノプロピルアミノ)−7,10−ジヒドロキシ−2−(2−ヒドロキシエチルアミノメチル)−6H−ピラゾロ[4,5,1−de]アクリジン−6−オン、N−[1−[2(ジエチルアミノ)エチルアミノ]−7−メトキシ−9−オキソ−9H−チオキサンテン−4−イルメチル]ホルムアミド、N−(2−(ジメチルアミノ)エチル)アクリジン−4−カルボキサミド、6−[[2−(ジメチルアミノ)エチル]アミノ]−3−ヒドロキシ−7H−インデノ[2,1−c]キノリン−7−オン及びジメスナがある。
有糸分裂キネシンの阻害剤、特に、ヒト有糸分裂キネシンKSPの例は、PCT公開WO01/30768、WO01/98278、WO02/056880、WO03/050,064、WO03/050,122、WO03/049,527、WO03/049,679、WO03/049,678、WO03/039460、WO03/079973、WO03/099211、WO2004/039774、WO03/105855、WO03/106417、WO2004/087050、WO2004/058700、WO2004/058148及びWO2004/037171及びUS出願US2004/132830及びUS2004/132719に記載されている。阻害剤のさらなる例は、WO04/126699、WO05/018638、WO05/019206、WO05/019205、WO05/018547、WO05/017190及びUS2005/0176776に記載されている。一実施態様では、有糸分裂キネシンの阻害剤として、それだけには限らないが、KSPの阻害剤、MKLP1の阻害剤、CENP−Eの阻害剤、MCAKの阻害剤、Kif14の阻害剤、Mphosph1の阻害剤及びRab6−KIFLの阻害剤が挙げられる。
「有糸分裂進行に関与しているキナーゼの阻害剤」として、それだけには限らないが、オーロラキナーゼの阻害剤、Polo様キナーゼ(PLK)の阻害剤(特に、PLK−1の阻害剤)、bub−1の阻害剤及びbub−R1の阻害剤が挙げられる。「オーロラキナーゼ阻害剤」の例として、VX−680が挙げられる。
「抗増殖剤」としては、アンチセンスRNA及びDNAオリゴヌクレオチド、例えば、G3139、ODN698、RVASKRAS、GEM231及びINX3001、並びに代謝拮抗剤、例えば、エノシタビン、カルモフール、テガフール、ペントスタチン、ドキシフルリジン、トリメトレキサート、フルダラビン、カペシタビン、ガロシタビン、シタラビンオクホスファート、フォステアビン(fosteabine)ナトリウム水和物、ラルチトレキセド、パルチトレキシド(paltitrexid)、エミテフール、チアゾフリン、デシタビン、ノラトレキセド、ペメトレキセド、ネルザラビン、2’−デオキシ−2’−メチリデンシチジン、2’−フルオロメチレン−2’−デオキシシチジン、N−[5−(2,3−ジヒドロ−ベンゾフリル)スルホニル]−N’−(3,4−ジクロロフェニル)尿素、N6−[4−デオキシ−4−[N2−[2(E),4(E)−テトラデカジエノイル]グリシルアミノ]−L−グリセロ−B−L−マンノ−ヘプトピラノシル]アデニン、アプリジン、エクテイナシジン(ecteinascidin)、トロキサシタビン、4−[2−アミノ−4−オキソ−4,6,7,8−テトラヒドロ−3H−ピリミジノ[5,4−b][1,4]チアジン−6−イル−(S)−エチル]−2,5−チエノイル−L−グルタミン酸、アミノプテリン、5−フルオロウラシル、アラノシン、11−アセチル−8−(カルバモイルオキシメチル)−4−ホルミル−6−メトキシ−14−オキサ−1,11−ジアザテトラシクロ(7.4.1.0.0)−テトラデカ−2,4,6−トリエン−9−イル酢酸エステル、スワインソニン、ロメトレキソール、デクスラゾキサン、メチオニナーゼ、2’−シアノ−2’−デオキシ−N4−パルミトイル−1−B−D−アラビノフラノシルシトシン及び3−アミノピリジン−2−カルボキシアルデヒドチオセミカルバゾンが挙げられる。さらなる薬剤として、トラスツズマブがある。
モノクローナル抗体標的化治療薬の例として、がん細胞特異的又は標的細胞特異的モノクローナル抗体と結合している細胞傷害剤又は放射性同位元素を有する治療薬が挙げられる。例として、ベキサールが挙げられる。
「HMG−CoAレダクターゼ阻害剤」とは、3−ヒドロキシ−3−メチルグルタリルCoAレダクターゼの阻害剤を指す。使用できるHMG−CoAレダクターゼ阻害剤の例として、それだけには限らないが、ロバスタチン(メバコール(登録商標);米国特許第4,231,938号、同4,294,926号及び同4,319,039号参照のこと)、シンバスタチン (ゾコール(登録商標);米国特許第4,444,784号、同4,820,850号及び同4,916,239号参照のこと)、プラバスタチン(プラバコール(登録商標);米国特許第4,346,227号、同4,537,859号、同4,410,629号、同5,030,447号及び同5,180,589号参照のこと)、フルバスタチン(レスコール(登録商標);米国特許第5,354,772号、同4,911,165号、同4,929,437号、同5,189,164号、同5,118,853号、同5,290,946号及び同5,356,896号参照のこと)及びアトルバスタチン(リピトール(登録商標);米国特許第5,273,995号、同4,681,893号、同5,489,691号及び同5,342,952号参照のこと)。本方法において使用できるこれらの及びさらなるHMG−CoAレダクターゼ阻害剤の構造式は、M.ヤルパニ(Yalpani)、「コレステロール・ロワーリング・ドラッグス(Cholesterol Lowering Drugs)」、ケミストリー・アンド・インダストリー(Chemistry & Industry)、85〜89頁(1996年2月5日)の87頁及び米国特許第4,782,084号及び同4,885,314号に記載されている。本明細書において、用語HMG−CoAレダクターゼ阻害剤は、医薬上許容され得るラクトン及びオープンアシッド形(すなわち、ラクトン環が開環されて遊離酸を形成している)並びにHMG−CoAレダクターゼ阻害活性を有する化合物の塩及びエステルの形のすべてを含み、したがって、このような塩、エステル、オープンアシッド及びラクトンの形の使用は本発明の範囲内に含まれる。
「プレニル−タンパク質トランスフェラーゼ阻害剤」とは、プレニル−タンパク質トランスフェラーゼ酵素のうち任意の1種又は任意の組合せを阻害する化合物、例えば、ファルネシル−タンパク質トランスフェラーゼ(FPTアーゼ)、ゲラニルゲラニル−タンパク質トランスフェラーゼI型(GGPTアーゼ−I)及びゲラニルゲラニル−タンパク質トランスフェラーゼII型(GGPTアーゼ−II、Rab GGPTアーゼとも呼ばれる)を指す。
プレニル−タンパク質トランスフェラーゼ阻害剤の例は、以下の刊行物及び特許に見ることができる:WO96/30343、WO97/18813、WO97/21701、WO97/23478、WO97/38665、WO98/28980、WO98/29119、WO95/32987、米国特許第5,420,245号、同5,523,430号、同5,532,359号、同5,510,510号、同5,589,485号、同5,602,098号、欧州特許公報0618221号、同0675112号、同0604181号、同0696593号、WO94/19357、WO95/08542、WO95/11917、WO95/12612、WO95/12572、WO95/10514、米国特許第5,661,152号、WO95/10515、WO95/10516、WO95/24612、WO95/34535、WO95/25086、WO96/05529、WO96/06138、WO96/06193、WO96/16443、WO96/21701、WO96/21456、WO96/22278、WO96/24611、WO96/24612、WO96/05168、WO96/05169、WO96/00736、米国特許第5,571,792号、WO96/17861、WO96/33159、WO96/34850、WO96/34851、WO96/30017、WO96/30018、WO96/30362、WO96/30363、WO96/31111、WO96/31477、WO96/31478、WO96/31501、WO97/00252、WO97/03047、WO97/03050、WO97/04785、WO97/02920、WO97/17070、WO97/23478、WO97/26246、WO97/30053、WO97/44350、WO98/02436及び米国特許第5,532,359号。血管新生に対するプレニル−タンパク質トランスフェラーゼ阻害剤の役割の一例については、ヨーロピアン・ジャーナル・オブ・キャンサー(European Journal of Cancer)第35巻、第9号、1394〜1401頁(1999)参照のこと。
「血管新生抑制剤」とは、機序にかかわらず、新しい血管の形成を阻害する化合物を指す。血管新生抑制剤の例としては、それだけには限らないが、チロシンキナーゼ阻害剤、例えば、チロシンキナーゼ受容体Flt−1(VEGFR1)及びFlk−1/KDR(VEGFR2)の阻害剤、上皮由来、繊維芽細胞由来又は血小板由来増殖因子の阻害剤、MMP(マトリックスメタロプロテアーゼ)阻害剤、インテグリン遮断薬、インターフェロン−α、インターロイキン−12、ペントサンポリサルフェート、シクロオキシゲナーゼ阻害剤、例えば、非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)様アスピリン及びイブプロフェン並びに選択的シクロオキシゲナーゼ−2阻害剤様セレコキシブ及びロフェコキシブ(PNAS、第89巻、7384頁(1992);JNCI、第69巻、475頁(1982);アーカイブ・オブ・オフタルモロジー(Archive of Opthalmology)第108巻、573頁(1990);アナトミカル・レコード(Anatomical Record)、第238巻、68頁(1994);FEBSレターズ(FEBS Letters)、第372巻、83頁(1995);クリニカル・オルソパイディクス(Clinical Orthopaedics)第313巻、76頁(1995);ジャーナル・オブ・モレキュラー・エンドクリノロジー(Journal of Molecular Endocrinology)、第16巻、107頁(1996);ジャパニーズ・ジャーナル・オブ・ファルマコロジー(Japanese Journal of Pharmacology)、第75巻、105頁(1997);キャンサー・リサーチ(Cancer Research)、第57巻、1625頁(1997);セル(Cell)、第93巻、705頁(1998);インターナショナル・ジャーナル・オブ・モレキュラー・メディシン(International Journal of Molecular Medicine)、第2巻、715頁(1998);ジャーナル・オブ・バイオロジカル・ケミストリー(Journal of Biological Chemistry)、第274巻、9116頁(1999))、ステロイド性抗炎症薬(例えば、副腎皮質ステロイド、ミネラルコルチコイド、デキサミタゾン、プレドニゾン、プレドニゾロン、メチルプレド、ベタメタゾン)、カルボキシアミドトリアゾール、コンブレタスタチンA−4、スクアラミン、6−O−クロロアセチル−カルボニル)−フマギロール、サリドマイド、アンギオスタチン、トロポニン−1、アンジオテンシンIIアンタゴニスト(フェルナンデス(Fernandez)ら、ジャーナル・オブ・ラボラトリー・アンド・クリニカル・メディシン(Journal of Laboratory and Clinical Medicine)、105:141〜145頁(1985)参照のこと)及びVEGFに対する抗体(ネイチャー・バイオテクノロジー(Nature Biotechnology)、第17巻、963〜968頁(1999年10月);キム(Kim)ら、ネイチャー(Nature)、362、841〜844頁(1993);WO00/44777及びWO00/61186参照のこと)。
血管新生を調節又は阻害し、また、本発明の化合物と併用できるその他の治療薬として、血液凝固及び繊維素溶解システムを調節又は阻害する薬剤が挙げられる(クリニカル・ケミストリー・アンド・ラボラトリー・メディシン(Clinical Chemistry and Laboratory Medicine)38:679−692(2000)における総説を参照のこと)。血液凝固及び繊維素溶解経路を調節又は阻害するような薬剤の例として、それだけには限らないが、ヘパリン(スロンボシス・アンド・ヘモスタシス(Thrombosis and Haemostasis)80:10〜23頁(1998)参照)、低分子量ヘパリン及びカルボキシペプチダーゼU阻害剤(活性トロンビン活性化可能繊維素溶解阻害剤[TAFIa]の阻害剤としても知られる)(スロンボシス・リサーチ(Thrombosis Research)101:329〜354頁(2001)参照のこと) が挙げられる。TAFIa阻害剤は、PCT公開WO03/013,526及び米国特許出願番号60/349,925号(2002年1月18日に出願された)に記載されている。
「細胞周期チェックポイントを干渉する薬剤」とは、細胞周期チェックポイントシグナルを伝達するプロテインキナーゼを阻害し、それによってがん細胞をDNA損傷剤に対して感作させる化合物を指す。このような薬剤として、ATR、ATM及びChk1及びChk2キナーゼの阻害剤並びにcdk及びcdcキナーゼ阻害剤が挙げられ、7−ヒドロキシスタウロスポリン、フラボピリドール、CYC202(Cyclacel)及びBMS−387032によって具体的に示される。
「細胞増殖及び生存シグナル伝達経路の阻害剤」とは、細胞表面受容体及びそれらの表面受容体のシグナル変換カスケード下流を阻害する医薬品を指す。このような薬剤として、EGFRの阻害剤(例えば、ゲフィチニブ及びエルロチニブ)、ERB−2の阻害剤(例えば、トラスツズマブ)、IGFRの阻害剤(例えば、WO03/059951に開示されるもの)、サイトカイン受容体の阻害剤、METの阻害剤、PI3Kの阻害剤(例えば、LY294002)、セリン/トレオニンキナーゼ(例えば、それだけには限らないが、例えば、(WO03/086404、WO03/086403、WO03/086394、WO03/086279、WO02/083675、WO02/083139、WO02/083140及びWO02/083138)に記載されるようなAktの阻害剤、Rafキナーゼの阻害剤(例えば、BAY−43−9006)、MEKの阻害剤(例えば、CI−1040及びPD−098059)及びmTORの阻害剤(例えば、ワイス(Wyeth) CCI−779及びAriad AP23573)が挙げられる。セリン/トレオニンキナーゼのさらなる阻害剤として、US2004−0116432、US2004−0102360、WO03/086279、WO03/086394、WO03/084473、WO2004/041162、WO2004/096131、WO04/096129、WO04/096135、WO04/096130、WO05/100356、WO05/100344、US2005/029941、US2005/44294、US2005/43361、60/734188、60/652737及び60/670469に記載されるものがある。このような薬剤として、小分子阻害剤化合物及び抗体アンタゴニストが挙げられる。
「アポトーシス誘導剤」として、TNF受容体ファミリーメンバー(例えば、TRAIL受容体)のアクチベーターが挙げられる。
本発明はまた、選択的COX−2阻害剤であるNSAIDとの組合せを包含する。本明細書では、COX−2の選択的阻害剤であるNSAIDは、細胞又はミクロソームアッセイによって評価される、COX−1のIC50を上回るCOX−2のIC50の比によって測定される、少なくとも100倍の、COX−1を上回るCOX−2の阻害に対する特異性を有するものとして定義される。このような化合物として、それだけには限らないが、すべて参照により本明細書に組み込まれる、米国特許第5,474,995号、同5,861,419号、同6,001,843号、同6,020,343号、同5,409,944号、同5,436,265号、同5,536,752号、同5,550,142号、同5,604,260号、同5,698,584号、同5,710,140号、WO94/15932、米国特許第5,344,991号、同5,134,142号、同5,380,738号、同5,393,790号、同5,466,823号、同5,633,272号及び同5,932,598号に開示されるものが挙げられる。
本治療方法において特に有用であるCOX−2の阻害剤として、5−クロロ−3−(4−メチルスルホニル)フェニル−2−(2−メチル−5−ピリジニル)ピリジン又はその医薬上許容され得る塩がある。さらなる有用なCOX−2阻害剤として、3−フェニル−4−(4−(メチルスルホニル)フェニル)−2−(5H)−フランオンがある。
COX−2の特異的阻害剤として記載されており、ひいては、本発明において有用である化合物として、それだけには限らないが、パレコキシブ、セレブレックス(登録商標)及びベクストラ(登録商標)又はその医薬上許容され得る塩が挙げられる。
血管新生抑制剤のその他の例として、それだけには限らないが、エンドスタチン、ウクライン、ランピルナーゼ、IM862、5−メトキシ−4−[2−メチル−3−(3−メチル−2−ブテニル)オキシラニル]−1−オキサスピロ[2,5]オクタ−6−イル(クロロアセチル)カルバメート、アセチルジナナリン、5−アミノ−1−[[3,5−ジクロロ−4−(4−クロロベンゾイル)フェニル]メチル]−1H−1,2,3−トリアゾール−4−カルボキサミド、CM101、スクアラミン、コンブレタスタチン、RPI4610、NX31838、硫酸化マンノペンタオースホスフェート、7,7−(カルボニル−ビス[イミノ−N−メチル−4,2−ピロロカルボニルイミノ[N−メチル−4,2−ピロール]−カルボニルイミノ]−ビス−(1,3−ナフタレンジスルホネート)及び3−[(2,4−ジメチルピロール−5−イル)メチレン]−2−インドリノン(SU5416)が挙げられる。
上記で用いた「インテグリン遮断薬」とは、生理学的リガンドの、αvβ3インテグリンとの結合を選択的にアンタゴナイズ、阻害、又は無効にする化合物、生理学的リガンドの、αvβ5インテグリンとの結合を選択的にアンタゴナイズ、阻害、又は無効にする化合物、生理学的リガンドの、αvβ3インテグリン及びαvβ5インテグリンの両方との結合をアンタゴナイズ、阻害、又は無効にする化合物及び毛細血管内皮細胞上に発現される特定のインテグリン(類)の活性をアンタゴナイズ、阻害、又は無効にする化合物を指す。この用語はまた、αvβ6、αvβ8、α1β1、α2β1、α5β1、α6β1及びα6β4インテグリンのアンタゴニストも指す。この用語はまた、αvβ3、αvβ5、αvβ6、αvβ8、α1β1、α2β1、α5β1、α6β1及びα6β4インテグリンの任意の組合せのアンタゴニストを指す。
チロシンキナーゼ阻害剤のいくつかの具体的な例として、N−(トリフルオロメチルフェニル)−5−メチルイソオキサゾール−4−カルボキサミド、3−[(2,4−ジメチルピロール−5−イル)メチリデニル)インドリン−2−オン、17−(アリルアミノ)−17−デメトキシゲルダナマイシン、4−(3−クロロ−4−フルオロフェニルアミノ)−7−メトキシ−6−[3−(4−モルホリニル)プロポキシル]キナゾリン、N−(3−エチニルフェニル)−6,7−ビス(2−メトキシエトキシ)−4−キナゾリンアミン、BIBX1382、2,3,9,10,11,12−ヘキサヒドロ−10−(ヒドロキシメチル)−10−ヒドロキシ−9−メチル−9,12−エポキシ−1H−ジインドロ[1,2,3−fg:3’,2’,1’−kl]ピロロ[3,4−i][1,6]ベンゾジアゾシン−1−オン、SH268、ゲニステイン、STI571、CEP2563、4−(3−クロロフェニルアミノ)−5,6−ジメチル−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジンメタンスルホネート、4−(3−ブロモ−4−ヒドロキシフェニル)アミノ−6,7−ジメトキシキナゾリン、4−(4’−ヒドロキシフェニル)アミノ−6,7−ジメトキシキナゾリン、SU6668、STI571A、N−4−クロロフェニル−4−(4−ピリジルメチル)−1−フタラジンアミン及びEMD121974が挙げられる。
抗がん化合物以外の化合物との組合せも、本方法に包含される。例えば、この特許請求される化合物の、PPAR−γ(すなわち、PPAR−ガンマ)アゴニスト及びPPAR−δ(すなわち、PPAR−デルタ)アゴニストとの組合せは、特定の悪性腫瘍の治療において有用である。PPAR−γ及びPPAR−δとは、核ペルオキシソーム増殖因子活性化受容体γ及びδである。内皮細胞上でのPPAR−γの発現及び血管新生におけるその関与は、文献に報告されている(ジャーナル・オブ・カルディオバスキュラー・ファルマコロジー(Journal of Cardiovascular Pharmacology)1998;31:909〜913頁;ジャーナル・オブ・バイオロジカル・ケミストリー(Journal of Biological Chemistry)1999;274:9116〜9121頁;インベスティゲーション・オフタルモロジー・アンド・ビジュアル・サイエンス(Investigation Ophthalmology and Visual Science)2000;41:2309〜2317頁参照のこと)。より最近、PPAR−γアゴニストは、生体外でVEGFに対する血管新生反応を阻害することがわかり、トログリタゾン及びマレイン酸ロシグリタゾンは両方とも、マウスにおいて網膜の新血管新生の発生を阻害する(アーカイブ・オブ・オフタルモロジー(Archive of Ophthalmology)2001;119:709〜717頁)。PPAR−γアゴニスト及びPPAR−γ/αアゴニストの例として、それだけには限らないが、チアゾリジンジオン(例えば、DRF2725、CS−011、トログリタゾン、ロシグリタゾン及びピオグリタゾン)、フェノフィブラート、ゲムフィブロジル、クロフィブラート、GW2570、SB219994、AR−H039242、JTT−501、MCC−555、GW2331、GW409544、NN2344、KRP297、NP0110、DRF4158、NN622、GI262570、PNU182716、DRF552926、2−[(5,7−ジプロピル−3−トリフルオロメチル−1,2−ベンゾイソオキサゾール−6−イル)オキシ]−2−メチルプロピオン酸(USSN09/782,856に開示される)及び2(R)−7−(3−(2−クロロ−4−(4−フルオロフェノキシ)フェノキシ)プロポキシ)−2−エチルクロマン−2−カルボン酸(USSN60/235,708及び60/244,697に開示される)が挙げられる。
本発明のもう1つの実施態様は、ここで開示される化合物の、がんの治療のための、抗ウイルス薬(例えば、ヌクレオシド類似体、例えば、ガンシクロビルとの併用である。WO98/04290参照のこと。
本発明のもう1つの実施態様は、ここで開示される化合物の、がんの治療のための、遺伝子療法との併用である。がんを治療するための総合戦略の概観については、ホール(Hall)ら(アメリカン・ジャーナル・オブ・ヒューマン・ジェネティクス(American Journal of Human Genetics)61:785〜789頁、1997)及びクフェ(Kufe)ら(キャンサー・メディシン(Cancer Medicine、第5版、876〜889頁、BCデッカー(Decker)、ハミルトン(Hamilton)2000)参照のこと。遺伝子療法を、任意の腫瘍抑制遺伝子を送達するために使用できる。このような遺伝子の例として、それだけには限らないが、組換えウイルス媒介性遺伝子導入によって送達され得るp53(例えば、米国特許第6,069,134号参照のこと)、uPA/uPARアンタゴニスト(ジーン・セラピー(Gene Therapy)、1998年8月;5(8):1105〜13頁中、「アデノウイルス・メディエイテッド・デリバリー・オブ・ア・ユーピーエー/ユーピーエーアール・アンタゴニスト・サプレセズ・アンギオジェネシス−ディペンデント・チューモア・グロース・アンド・ディセミネーション・イン・マウス(Adenovirus−Mediated Delivery of a uPA/uPAR Antagonist Suppresses Angiogenesis−Dependent Tumor Growth and Dissemination in Mice)」、及びインターフェロンγ(ジャーナル・オブ・イムノロジー(Journal of Immunology)2000;164:217〜222頁)。
本発明の化合物はまた、生来多剤耐性(MDR)、特に、輸送体タンパク質の高レベルの発現と関連しているMDRの阻害剤と併用投与してもよい。このようなMDR阻害剤として、p−糖タンパク質(P−gp)の阻害剤、例えば、LY335979、XR9576、OC144−093、R101922、VX853及びPSC833(valspodar)が挙げられる。
本発明の化合物は、本発明の化合物の、単独又は放射線療法を伴う使用に起因し得る、悪心又は嘔吐、例えば、急性、遅発性、晩期及び先行嘔吐を治療するための制吐剤と併用できる。嘔吐の予防又は治療には、本発明の化合物をその他の制吐剤、特に、ニューロキニン−1受容体アンタゴニスト;5HT3受容体アンタゴニスト、例えば、オンダンセトロン、グラニセトロン、トロピセトロン及びザチセトロン(zatisetron);GABAB受容体アゴニスト、例えば、バクロフェン;コルチコステロイド、例えば、デカドロン(デキサミタゾン)、ケナログ、アリストコート、ナサリド(Nasalide)、プレフェリド(Preferid)、ベネコルテン(Benecorten)又は米国特許第2,789,118号、同2,990,401号、同3,048,581号、同3,126,375号、同3,929,768号、同3,996,359号、同3,928,326号及び同3,749,712号に開示されるものなどのその他のもの;抗ドーパミン、例えば、フェノチアジン(例えば、プロクロルペラジン、フルフェナジン、チオリダジン及びメソリダジン)、メトクロプラミド又はドロナビノールと併用できる。一実施態様では、ニューロキニン−1受容体アンタゴニスト、5HT3受容体アンタゴニスト及びコルチコステロイドから選択される制吐剤を、本化合物の投与に起因し得る嘔吐の治療又は予防のためのアジュバントとして投与する。
本発明の化合物と組合せたニューロキニン−1受容体アンタゴニストの使用は、例えば、米国特許第5,162,339号、同5,232,929号、同5,242,930号、同5,373,003号、同5,387,595号、同5,459,270号、同5,494,926号、同5,496,833号、同5,637,699号、同5,719,147号;欧州特許公報EP0360390、同0394989、同0428434、同0429366、同0430771、同0436334、同0443132、同0482539、同0498069、同0499313、同0512901、同0512902、同0514273、同0514274、同0514275、同0514276、同0515681、同0517589、同0520555、同0522808、同0528495、同0532456、同0533280、同0536817、同0545478、同0558156、同0577394、同0585913、同0590152、同0599538、同0610793、同0634402、同0686629、同0693489、同0694535、同0699655、同0699674、同0707006、同0708101、同0709375、同0709376、同0714891、同0723959、同0733632及び同0776893;PCT国際特許公報WO90/05525、同90/05729、同91/09844、同91/18899、同92/01688、同92/06079、同92/12151、同92/15585、同92/17449、同92/20661、同92/20676、同92/21677、同92/22569、同93/00330、同93/00331、同93/01159、同93/01165、同93/01169、同93/01170、同93/06099、同93/09116、同93/10073、同93/14084、同93/14113、同93/18023、同93/19064、同93/21155、同93/21181、同93/23380、同93/24465、同94/00440、同94/01402、同94/02461、同94/02595、同94/03429、同94/03445、同94/04494、同94/04496、同94/05625、同94/07843、同94/08997、同94/10165、同94/10167、同94/10168、同94/10170、同94/11368、同94/13639、同94/13663、同94/14767、同94/15903、同94/19320、同94/19323、同94/20500、同94/26735、同94/26740、同94/29309、同95/02595、同95/04040、同95/04042、同95/06645、同95/07886、同95/07908、同95/08549、同95/11880、同95/14017、同95/15311、同95/16679、同95/17382、同95/18124、同95/18129、同95/19344、同95/20575、同95/21819、同95/22525、同95/23798、同95/26338、同95/28418、同95/30674、同95/30687、同95/33744、同96/05181、同96/05193、同96/05203、同96/06094、同96/07649、同96/10562、同96/16939、同96/18643、同96/20197、同96/21661、同96/29304、同96/29317、同96/29326、同96/29328、同96/31214、同96/32385、同96/37489、同97/01553、同97/01554、同97/03066、同97/08144、同97/14671、同97/17362、同97/18206、同97/19084、同97/19942及び同97/21702;及び英国特許公報第2266529号、同2268931号、同2269170号、同2269590号、同2271774号、同2292144号、同2293168号、同2293169号及び同2302689号に十分に記載されている。このような化合物の調製は、参照により本明細書に組み込まれる前記の特許及び刊行物に十分に記載されている。
一実施態様では、本発明の化合物と併用するためのニューロキニン−1受容体アンタゴニストは、米国特許第5,719,147に記載される、2−(R)−(1−(R)−(3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル)エトキシ)−3−(S)−(4−フルオロフェニル)−4−(3−(5−オキソ−1H,4H−1,2,4−トリアゾロ)メチル)モルホリン又はその医薬上許容され得る塩から選択される。
本発明の化合物はまた、貧血の治療において有用な薬剤とともに投与してもよい。このような貧血治療薬として、例えば、持続性の(eythropoiesis)受容体アクチベーター(例えば、エポエチンアルファ)がある。
本発明の化合物はまた、好中球減少症の治療において有用である薬剤とともに投与してもよい。このような好中球減少症治療薬として、例えば、好中球の産生及び機能を調節する造血増殖因子、例えば、ヒト顆粒球コロニー刺激因子、(G−CSF)がある。G−CSFの例として、フィルグラスチムが挙げられる。
本発明の化合物はまた、免疫増強薬、例えば、レバミソール、イソプリノシン及びザダキシンとともに投与してもよい。
本発明の化合物はまた、ビスホスホネート(ビスホスホネート、ジホスホネート、ビスホスホン酸及びジホスホン酸を含むと理解される)と組合せて、がん、例えば、骨がんを治療又は予防するのに有用であり得る。ビスホスホネートの例として、それだけには限らないが、以下が挙げられる: エチドロネート(ダイドロネル)、パミドロネート(アレディア)、アレンドロネート(フォサマックス)、リセドロネート(アクトネル)、ゾレドロネート(ゾメタ)、イバンドロネート(ボニバ)、インカドロネート又はシマドロネート、クロドロネート、EB−1053、ミノドロネート、ネリドロネート、ピリドロネート及びチルドロネート並びにありとあらゆるその医薬上許容され得る塩、誘導体、水和物及び混合物。
本発明の化合物はまた、アロマターゼ阻害剤と組合せて、乳がんを治療又は予防するのに有用であり得る。アロマターゼ阻害剤の例として、それだけには限らないが、アナストロゾール、レトロゾール及びエキセメスタンが挙げられる。
本発明の化合物はまた、siRNA治療薬と組合せて、がんを治療又は予防するのに有用であり得る。
本発明の化合物はまた、γ−セクレターゼ阻害剤及び/又はNOTCHシグナル伝達の阻害剤と組合せて投与してもよい。このような阻害剤として、WO01/90084、WO02/30912、WO01/70677、WO03/013506、WO02/36555、WO03/093252、WO03/093264、WO03/093251、WO03/093253、WO2004/039800、WO2004/039370、WO2005/030731、WO2005/014553、USSN10/957,251、WO2004/089911、WO02/081435、WO02/081433、WO03/018543、WO2004/031137、WO2004/031139、WO2004/031138、WO2004/101538、WO2004/101539及びWO02/47671に記載される化合物(例えば、LY−450139)が挙げられる。
本発明の化合物はまた、PARP阻害剤と組合せて、がんを治療又は予防するのに有用であり得る。
本発明の化合物はまた、以下の治療薬と組合せて、がんを治療するのに有用であり得る:アバレリックス(プレナキシス・デポー(Plenaxis depot)(登録商標));アルデスロイキン(プロキン(Prokine)(登録商標));アルデスロイキン(プロロイキン(Proleukin)(登録商標));アレムツヅマブ(カンパス(登録商標));アリトレチノイン(パンレチン(登録商標));アロプリノール(ジロプリム(Zyloprim)(登録商標));アルトレタミン(ヘキサレン(登録商標));アミホスチン(エチオール(Ethyol)(登録商標));アナストロゾール(アリミデックス(登録商標));三酸化ヒ素(トリセノックス(登録商標));アスパラギナーゼ(エルスパール(Elspar)(登録商標));アザシチジン(ビダザ(Vidaza)(登録商標));ベバクジマブ(bevacuzimab)(アバスチン(登録商標));ベキサロテンカプセル(タルグレチン(登録商標));ベキサロテンゲル(タルグレチン(登録商標));ブレオマイシン(ブレノキサン(Blenoxane)(登録商標));ボルテゾミブ(ベルケード(登録商標));ブスルファン静脈内(ブスルフェクス(登録商標));ブスルファン経口(ミレラン(登録商標));カルステロン(メトサルブ(Methosarb)(登録商標));カペシタビン(ゼローダ(登録商標));カルボプラチン(パラプラチン(登録商標));カルムスチン(BCNU(登録商標)、BiCNU(登録商標));カルムスチン(グリアデル(登録商標));ポリフェプロサン(Polifeprosan)20インプラントを伴うカルムスチン(グリアデル ウエハー(登録商標));セレコキシブ(セレブレックス(登録商標));セツキシマブ(アービタックス(登録商標));クロラムブシル(ロイケラン(登録商標));シスプラチン(プラチノール(登録商標));クラドリビン(ロイスタチン(登録商標)、2−CdA(登録商標));クロファラビン(クロラー(Clolar)(登録商標));シクロホスファミド(シトキサン(登録商標)、ネオサール(Neosar)(登録商標));シクロホスファミド(シトキサン注射(登録商標));シクロホスファミド(シトキサン錠剤(登録商標));シタラビン(シトサール(Cytosar)−U(登録商標));シタラビンリポソーム(デポシト(DepoCyt)(登録商標));ダカルバジン(DTIC−ドム(Dome)(登録商標));ダクチノマイシン、アクチノマイシンD(コスメゲン(登録商標));ダルベポエチナルファ(アラネスプ(登録商標));ダウノルビシンリポソーム(ダムオキソーム(DanuoXome)(登録商標));ダウノルビシン、ダウノマイシン(ダウノルビシン(登録商標));ダウノルビシン、ダウノマイシン(セルビジン(登録商標));デニロイキンジフチトクス(オンタック(Ontak)(登録商標));デクスラゾキサン(ジネカード(Zinecard)(登録商標));ドセタキセル(タキソテール(登録商標));ドキソルビシン(アドリアマイシンPFS(登録商標));ドキソルビシン(アドリアマイシン(登録商標)、ルベックス(Rubex)(登録商標));ドキソルビシン(アドリアマイシンPFS注射(登録商標));ドキソルビシンリポソーム(ドキシル(Doxil)(登録商標));プロピオン酸ドロモスタノロン(ドロモスタノロン(登録商標));プロピオン酸ドロモスタノロン(マステロン注射(登録商標));エリオットB溶液(Elliott’s B Solution)(エリオットB溶液(Elliott’s B Solution)(登録商標));エピルビシン(エレンス(Ellence)(登録商標));エポエチンアルファ(エポゲン(登録商標));エルロチニブ(タルセバ(登録商標));エストラムスチン(エムシト(Emcyt)(登録商標));リン酸エトポシド(エトポフォス(Etopophos)(登録商標));エトポシド、VP−16 (ベプシド(登録商標));エキセメスタン(アロマシン(登録商標));フィルグラスチム(ニューポジェン(登録商標));フロクスウリジン(動脈内)(FUDR(登録商標));フルダラビン(フルダラ(登録商標));フルオロウラシル、5−FU(アドルシル(Adrucil)(登録商標));フルベストラント(ファスロデックス(登録商標));ゲフィチニブ(イレッサ(登録商標));ゲムシタビン(ジェムザール(登録商標));ゲムツズマブオゾガマイシン(マイロターグ(登録商標));酢酸ゴセレリン(ゾラデックスインプラント(登録商標));酢酸ゴセレリン(ゾラデックス(登録商標));酢酸ヒストレリン(ヒストレリンインプラント(登録商標));ヒドロキシ尿素(ハイドレア(登録商標));イブリツモマブ・ティウキセタン(ゼバリン(登録商標));イダルビシン(イダマイシン(登録商標));イフォスファミド(IFEX(登録商標));メシル酸イマチニブ(グリーベック(登録商標));インターフェロンアルファ2a(ロフェロンA(登録商標));インターフェロンアルファ−2b(イントロンA(登録商標));イリノテカン(カンプトサール(登録商標));レナリドマイド(レブリミド(登録商標));レトロゾール(フェマーラ(登録商標));ロイコボリン(ウェルコボリン(Wellcovorin)(登録商標)、ロイコボリン(登録商標));酢酸ロイプロリド (エリガード(登録商標));レバミソール(エルガミソル(Ergamisol)(登録商標));ロムスチン、CCNU(CeeBU(登録商標));メクロレタミン、ナイトロジェンマスタード(マスタージェン(登録商標));酢酸メゲストロール(メゲース(登録商標));メルファラン、L−PAM(アルケラン(登録商標));メルカプトプリン、6−MP(プリネトール(登録商標));メスナ(メスネックス(登録商標));メスナ(メスネックスタブ(登録商標));メトトレキサート(メトトレキサート(登録商標));メトキサレン(ウバデックス(Uvadex)(登録商標));マイトマイシンC(ムタマイシン(登録商標));ミトタン(リソドレン(登録商標));ミトキサントロン(ノバントロン(登録商標));フェンプロピオン酸ナンドロロン(デュラボリン−50(登録商標));ネララビン(アラノン(Arranon)(登録商標));ノフェツモマブ(Nofetumomab)(ベルルマ(Verluma)(登録商標));オプレルベキン(ニューメガ(Neumega)(登録商標));オキサリプラチン(エロキサチン(登録商標));パクリタキセル(パキセン(Paxene)(登録商標));パクリタキセル(タキソール(登録商標));パクリタキセルタンパク質結合粒子(アブラキサン(登録商標));パリフェルミン(ケピバンス(Kepivance)(登録商標));パミドロネート(アレディア(登録商標));ペガデマーゼ(アダジェン(ペガデマーゼウシ)(登録商標));ペガスパルガーゼ(オンカスパール(Oncaspar)(登録商標));ベグフィルグラスチム(Pegfilgrastim)(ニューラスタ(登録商標));ペメトレキセド二ナトリウム(アリムタ(登録商標));ペントスタチン(ニペント(Nipent)(登録商標));ピポブロマン(ベルサイト(Vercyte)(登録商標));プリカマイシン、ミトラマイシン(ミトラシン(Mithracin)(登録商標));ポルフィマーナトリウム(フォトフリン(登録商標));プロカルバジン(マツラン(登録商標));キナクリン(アタブリン(登録商標));ラスブリカーゼ(エリテック(Elitek)(登録商標));リツキシマブ(リツキサン(登録商標));サルグラモスチム(ロイキン(登録商標));サルグラモスチム(プロキン(Prokine)(登録商標));ソラフェニブ(ネクサバール(登録商標));ストレプトゾシン(ザノサール(登録商標));マレイン酸スニチニブ(ステント(Sutent)(登録商標));タルク(スクレロソール(登録商標));タモキシフェン(ノルバデックス(登録商標));テモゾロミド(テモダール(登録商標));テニポシド、VM−26(ブモン(Vumon)(登録商標));テストラクトン(テスラック(Teslac)(登録商標));チオグアニン、6−TG(チオグアニン(登録商標));チオテパ(チオプレックス(Thioplex)(登録商標));トポテカン(ハイカムチン(登録商標));トレミフェン(フェアストン(登録商標));トシツモマブ(ベキサール(登録商標));トシツモマブ/I−131トシツモマブ(ベキサール(登録商標));トラスツズマブ(ヘルセプチン(登録商標));トレチノイン、ATRA(ベサノイド(登録商標));ウラシルマスタード(ウラシルマスタードカプセル(登録商標));バルルビシン(バルスター(Valstar)(登録商標));ビンブラスチン(ベルバン(Velban)(登録商標));ビンクリスチン(オンコビン(登録商標));ビノレルビン(ナベルビン(登録商標))及びゾレドロネート(ゾメタ(登録商標))。
したがって、本発明の範囲は、この特許請求される化合物の、その他のHDAC阻害剤、エストロゲン受容体モジュレーター、アンドロゲン受容体モジュレーター、レチノイド受容体モジュレーター、細胞傷害剤/細胞増殖抑制剤、抗増殖剤、プレニル−タンパク質トランスフェラーゼ阻害剤、HMG−CoAレダクターゼ阻害剤、HIVプロテアーゼ阻害剤、逆転写酵素阻害剤、血管新生阻害剤、PPAR−γアゴニスト、PPAR−δアゴニスト、抗ウイルス薬、生来多剤耐性の阻害剤、制吐剤、貧血の治療において有用な薬剤、好中球減少症の治療において有用な薬剤、免疫増強薬、細胞増殖及び生存シグナル伝達の阻害剤、細胞周期チェックポイントを干渉する薬剤、アポトーシス誘導剤及びビスホスホネートから選択される第2の化合物と組合せた使用を包含する。
本発明の化合物に関連して、用語「投与」及びその変形(例えば、化合物を「投与すること」)とは、化合物又は化合物のプロドラッグを、治療を必要とする動物の系に導入することを意味する。本発明の化合物又はそのプロドラッグが、1種以上のその他の活性物質(例えば、細胞傷害剤など)と組合せて提供される場合には、「投与」及びその変形は、本化合物又はそのプロドラッグとその他の物質の同時及び逐次導入を含むと各々理解される。
本明細書において、用語「組成物」とは、指定量の指定成分を含む生成物並びに指定量の指定成分の組合せに直接的又は間接的に起因する任意の生成物を包含するものとする。
本明細書において用語「治療上有効な量」とは、研究者、獣医、医師又はその他の臨床医によって求められる組織、系、動物又はヒトにおいて生物学的反応又は医学的反応を誘発する活性化合物又は医薬品の量を意味する。
用語「がんを治療すること」又は「がんの治療」とは、がん性状態に冒された哺乳動物への投与を指し、またがん性細胞を死滅させることによってがん性状態を軽減する効果だけでなく、がんの増殖及び/又は転移の阻害をもたらす効果も指す。
一実施態様では、第2の化合物として用いられる血管新生阻害剤は、チロシンキナーゼ阻害剤、上皮由来増殖因子の阻害剤、繊維芽細胞由来増殖因子の阻害剤、血小板由来増殖因子の阻害剤、MMP(マトリックスメタロプロテアーゼ)阻害剤、インテグリン遮断薬、インターフェロン−α、インターロイキン−12、ペントサンポリサルフェート、シクロオキシゲナーゼ阻害剤、カルボキシアミドトリアゾール、コンブレタスタチンA−4、スクアラミン、6−O−クロロアセチル−カルボニル)−フマギロール、サリドマイド、アンギオスタチン、トロポニン−1又はVEGFに対する抗体から選択される。一実施態様では、エストロゲン受容体モジュレーターは、タモキシフェン又はラロキシフェンである。
治療上有効な量の式Iの化合物を、放射線療法と組合せて、及び/又はその他のHDAC阻害剤、エストロゲン受容体モジュレーター、アンドロゲン受容体モジュレーター、レチノイド受容体モジュレーター、細胞傷害剤/細胞増殖抑制剤、抗増殖剤、プレニル−タンパク質トランスフェラーゼ阻害剤、HMG−CoAレダクターゼ阻害剤、HIVプロテアーゼ阻害剤、逆転写酵素阻害剤、血管新生阻害剤、PPAR−γアゴニスト、PPAR−δアゴニスト、抗ウイルス薬、生来多剤耐性の阻害剤、制吐剤、貧血の治療において有用な薬剤、好中球減少症の治療において有用な薬剤、免疫増強薬、細胞増殖及び生存シグナル伝達の阻害剤、細胞周期チェックポイントを干渉する薬剤、アポトーシス誘導剤及びビスホスホネートから選択される化合物と組合せて投与することを含むがんを治療する方法も、特許請求の範囲に含まれる。
本発明のさらにもう1つの実施態様は、治療上有効な量の式Iの化合物を、パクリタキセル又はトラスツズマブと組合せて投与することを含む、がんを治療する方法である。
本発明は、治療上有効な量の式Iの化合物を、COX−2阻害剤と組合せて投与することを含む、がんを治療又は予防する方法をさらに包含する。
本発明はまた、治療上有効な量の式Iの化合物及びその他のHDAC阻害剤、エストロゲン受容体モジュレーター、アンドロゲン受容体モジュレーター、レチノイド受容体モジュレーター、細胞傷害剤/細胞増殖抑制剤、抗増殖剤、プレニル−タンパク質トランスフェラーゼ阻害剤、HMG−CoAレダクターゼ阻害剤、HIVプロテアーゼ阻害剤、逆転写酵素阻害剤、血管新生阻害剤、PPAR−γアゴニスト、PPAR−δアゴニスト、抗ウイルス薬、細胞増殖及び生存シグナル伝達の阻害剤、細胞周期チェックポイントを干渉する薬剤、アポトーシス誘導剤及びビスホスホネートから選択される化合物を含む、がんを治療又は予防するのに有用な医薬組成物を含む。
本発明のこれらの及びその他の態様は、本明細書に含まれる教示から明らかとなる。
特定される、すべての特許、刊行物及び係属特許出願は、参照により本明細書に組み込まれる。
化学の説明において、及び以下の実施例において用いられる略語は以下の通りである:DMF:ジメチルホルムアミド;DMSO:ジメチルスルホキシド;MeOH:メタノール;EtOH:エタノール;EtOAc:酢酸エチル;DCM:ジクロロメタン;TFA:トリフルオロ酢酸;(g):ガス;min:分;h:時間;eq.:当量;M:モル;RT:室温;RP−HPLC:逆相高圧液体クロマトグラフィー;DIPEA:N,N−ジイソプロピルエチルアミン;EDCI:1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミドヒドロクロリド;HOBt:1−ヒドロキシベンゾトリアゾール;及びHATU:O−(7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルロニウムヘキサフルオロホスフェート。
Yが(C=O)NHR2である式Iの化合物は、通常、DIPEAなどの塩基及びDMFなどの溶媒の存在下、ほぼ室温で、式IAの化合物を、式IB:
[式中、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、X、Het、p、q及びtは上記で定義の通りである]
で示される化合物と反応させることによって調製できる。
式IAの化合物は、式ICの化合物及び式ID:
[式中、R1、R3、R4、R5、R6、R7、R8、X、Het、p、q及びtは、上記で定義の通りであり、P1はCbz(ベンジルオキシカルボニル)などの保護基であり、P2はBoc(tert−ブチルオキシカルボニル)などの保護基であり、L1はヒドロキシ又はハロゲンなどの脱離基である]
で示される化合物を反応させることから調製できる。式ICの化合物中のBocなどのP2保護基を、約0℃〜室温でDCMなどの溶媒中でのTFAなどの酸の使用など、標準技術を用いて、このカップリング反応の前に除去して、化合物のトリフルオロ酢酸塩を製造してもよい。L1がハロゲン、例えば、塩素などの脱離基である場合には、反応は、通常、Et3Nなどの塩基及びDMF又はDCMなどの溶媒の存在下、ほぼ室温で実施する。L1がヒドロキシなどの脱離基である場合には、EDC.HClなどのカップリング剤及びEt3Nなどの塩基も加えてもよい。HOBtなどのさらなるカップリング剤及びDIPEAなどの塩基もまた存在してもよい。DIPEAなどの塩基並びにDMF及びDCMなどの溶媒の存在下、HATUなどのカップリング剤も使用してよい。
BocなどのP2保護基は、約0℃〜室温でのDCMなどの溶媒中、TFAなどの酸の添加など、標準技術を用いて、この反応の前に除去して、化合物のトリフルオロ酢酸塩を製造してもよい。
Hetがイミダゾールである式ICの化合物は、式IEの化合物:
[式中、R1、R4、R7、q、P1及びP2は上記で定義の通りである]を、酢酸アンモニウムなどの環化剤と反応させることによって調製できる。この反応は、通常、例えば、ディーン・スタークトラップを用い、還流下、トルエンなどの溶媒中で実施する。
式IEの化合物は、通常、炭酸セシウムなどの塩基の存在下、DMFなどの溶媒中、ほぼ室温で、式IFの化合物を式IG;
[式中、R1、R4、R7、q、P1及びP2は上記に定義の通りであり、L2はハロゲン、特に、臭素などの脱離基である]
で示される化合物と反応させることによって調製できる。
或いは、式Iの化合物は、式IH:
[式中、R1、R4、R7、Y、Het、q及びP2は、上記で定義の通りである]
で示される化合物を式IDの化合物と反応させることによって調製できる。式IHの化合物中のBocなどのP2保護基は、約0℃〜室温でDCMなどの溶媒中でのTFAなどの酸の添加など、標準技術を用いて、このカップリング反応の前に除去して、当該化合物のトリフルオロ酢酸塩を製造できる。カップリング反応は、通常、式IC及びIDの化合物間の反応について記載されるものと類似のカップリング条件下で実施する。
Yが(C=O)NHR2である式IHの化合物は、式IJ:
[式中、R1、R2、R4、R7、Het、q及びP2は上記に定義の通りである]
で示される化合物を、式IBの化合物と反応させることによって調製できる。反応は、通常、約0℃でDCM及びDMFなどの溶媒の存在下で実施する。式IA及びIBの化合物間の反応について記載されたものと類似の反応条件も使用してよい。
式IJの化合物は、通常、上記で記載されるものなどの標準法を用いて、式IK:
[式中、R1、R4、R7、Het、q、P1及びP2は上記に定義の通りである]
の化合物から、P1保護基を除去することによって調製できる。
或いは、Yが(C=O)NRxR2又は(C=S)NRxR2である式Iの化合物は、式IAの化合物を、通常、約0℃〜室温で、Et3Nなどの塩基並びにDCM及びDMFなどの溶媒の存在下で、トリホスゲンなどのカルボニル化剤又はチオホスゲンなどのチオカルボニル化剤と反応させ、続いて、通常、ほぼ室温で、式IL:
[式中、R2及びRxは上記で定義の通りである]
の化合物と反応させることとによって調製できる。
或いは、式Iの化合物は、式IAの化合物を、約100℃で、炭酸水素ナトリウムなどの塩基、1−ブタノールなどの溶媒の存在下、式IM:
[式中、Yは上記で定義の通りであり、L2はハロゲン、例えば、臭素などの脱離基である]
で示される化合物と反応させることによって調製できる。
或いは、式Iの化合物は、式IAの化合物を、約0℃〜室温で、DIPEAなどの塩基及びDMFなどの溶媒の存在下、酸塩化物、チオイソシアネート又はクロロホルメートなどの求電子物質を含む適当なYと反応させることによって調製できる。
中間体及び出発物質の合成が記載されていない場合は、これらの化合物は市販されているか、市販の化合物から標準法によって、又は本明細書における実施例の延長によって作製できる。
式Iの化合物は、既知法によって、又は実施例に記載される方法によって、その他の式Iの化合物に変換してもよい。
本明細書に記載される任意の合成順序の間、任意の関与する分子上の感受性基又は反応基を保護することが必要であり得る、かつ/又は望ましいものであり得る。これは従来の保護基、例えば、プロテクティング・グループス・イン・オーガニック・シンセシス(Protecting Groups in Organic Synthesis)、第3版、グリーン(Greene),T.W.及びウッツ(Wuts),P.G.M.;ウィレー・インターサイエンス(Wiley Interscience)、1999及びコチェンスキ(Kocienski),P.J.プロテクティング・グループス(Protecting Groups)、チーメ(Thieme)、1994に記載されるものによって達成できる。保護基は、好都合なその後の段階で、当技術分野で公知の方法を用いて除去できる。例えば、Boc保護基が存在する場合には、TFA及びDCMなどの溶媒の添加によって除去できる。
本発明の化合物は、以下のスキームに記載されるように調製できる。
スキーム1
スキーム1では、イミダゾール環の合成を、WO02/10140に記載されるように、Nα−Boc−Nε−Z−L−リシンの、α−ブロメチルアリールケトンとの反応によって実施した。インターナショナル・ジャーナル・オブ・ペプチド・アンド・プロテイン・リサーチ(International Journal of Peptide and Protein Research)1984、23、565に記載されるように、酸性条件におけるBoc保護されたアミノ基の脱保護を、ジャーナル・オブ・ザ・ケミカル・ソサイエティー・ケミカル・コミュニケーションズ(Journal of the Chemical Society Chemical Communications)1994、201に記載される標準手順を用いるアミドカップリングと、Ber.1932、65、1192に記載される手順に従うCbz基の水素化分解によってたどった。ZBG(亜鉛結合基)の導入は、ルシアン・ケミカル・レビューズ(Russian Chemical Reviews)1985、54、249におけるような当該技術分野において記載される方法を用いた、遊離アミノ中間体への対応する求電子試薬の添加によって達成した。
スキーム2
スキーム2では、イミダゾール中間体の末端N−Cbz基を脱保護し、イソシアネート剤で処理した。次いで、酸性条件におけるN−Boc基の脱保護に続くアミドカップリングにより、目標分子に導いた。すべての場合において、スキーム1に記載される方法論を用いた。
スキーム3
スキーム3では、トリホスゲンの存在下でのイソシアネートの形成によって末端アミノ基に官能性を持たせた。ケミカル・アンド・ファーマシューティカル・ブレチン(Chemical and Pharmaceutical Bulletin)2002、50、1280に記載されるような、適当なヒドロキシルアミン又はその誘導体のその後の添加によって、N−ヒドロキシ尿素誘導体に導いた。
スキーム4
スキーム4では、バイオオーガニック・アンド・メディシナル・ケミストリー・レターズ(Bioorganic and Medicinal Chemistry Letters)1994、4、2165に記載される手順に従う、塩基の存在下でのアミノ基の、活性化2−ハロ複素環との反応によって、N置換複素環式化合物に導いた。
本明細書に記載される例示される化合物は、以下に記載されるアッセイによって試験し、10μM未満のIC50値を有することがわかった。
HDAC1アッセイ
アッセイの説明:
HDAC1アッセイを用いてヒストン脱アセチル化酵素(HDAC)活性を定量化する。このアッセイは、化合物の段階希釈を、固定濃度のHeLa核抽出物又は精製HDAC1とともにプレインキュベートし、次いで、アセチル化リシン含有基質/脱アセチル化されると蛍光を発する顕色剤を加えることによって96ウェルマイクロタイタープレート中で実施する。脱アセチル化酵素反応は、37℃で60分間実施し、顕色剤溶液の添加によって終結し、次いで、プレートリーダーを用いて蛍光(励起360nM、発光460nM)を測定する。
HDAC基質バッファー系
HDAC蛍光活性アッセイの試薬は、BioMol Research Laboratories(Plymouth Meeting、PA)から購入されており、Fluor−de−Lys(商標)基質/顕色剤系を特徴とする。試薬は、50mM保存溶液(KI−104)としての特許蛍光基質と、顕色剤濃縮物(KI−105)を含む。Fluor−de−Lys基質のリシン残基の脱アセチル化を、特許顕色剤を添加した後の蛍光を測定すること(励起360nM、発光460nM)によって定量する。
作用試薬:
TSA Stock:TSAは、100%ジメチルスルホキシド(DMSO)中の10mM保存溶液として提供される。
アッセイバッファー:25mM Tris/HCl pH8、137mM NaCl、2.7mM KCl、1mM MgCl2、0.1mg/ml BSA
希釈した基質溶液:市販の50mM Fluor−de−Lys基質(KI−104)を、各使用前にHDACアッセイ バッファーを用いて150μMに希釈する。アッセイにおける終濃度は30μMとする。
希釈した顕色剤溶液:市販の20×顕色剤濃縮物(KI−105)を、HDACアッセイバッファーに1:167に希釈する。この溶液に対して2μM[最終]TSAがその反応を停止させる能力を増大させる。
HDAC1作用溶液:HDAC1酵素は、各使用前に酵素の新鮮なアリコートからアッセイバッファーに希釈する。アッセイにおける最終濃度は、1〜2nMとする。
化合物:試験化合物は、アッセイバッファー中、10×5%DMSO溶液として調製しなくてはならない。反応中の最終DMSO濃度は0.5%とする。
実験計画:
反応は、50μl/ウェルという最終容積で96ウェルマイクロプレートにおいて以下のように実施する:
−5μlのDMSO/化合物溶液を加える
−アッセイバッファー中35μlのHDAC1(又は負の対照では、35ulのアッセイバッファー)を加える
−室温で10分間インキュベートする
−150μM基質溶液を10μl加えることによって、反応を開始する
−37℃で1時間インキュベートする
−顕色剤/4μM TSA溶液50μlを加えることによって停止する
−室温で10分間インキュベートする
−励起360nM及び発光460nMで蛍光を測定する
HeLa細胞において発現されたflagタグをつけたHDAClの抽出及び精製プロトコール
pCDNA3−HDAC1−FLAGを用いて一過性にトランスフェクトされたHeLa細胞を、10cm培養皿上で、抗生物質及びグルタミンを補給した、DMEM、10%ウシ胎児血清において80%コンフルエンスに増殖させる。10mlの冷PBSを用いて細胞を洗浄し、2mlのPBS中に掻きとって入れる。細胞を、4℃において800×gで5分間遠心分離し、30ml PBSを用いて洗浄し、10ml PBSに再懸濁し、カウントし、再度遠心分離し、−80℃で凍結する。
凍結した細胞ペレットを、1mlの、完全プロテアーゼ阻害剤を含有する低張溶解バッファー(LB:20mM Hepes pH7.9、0.25mM EDTA、10%グリセロール)に再懸濁し、氷上で15分間インキュベートし、続いて、2ml DounceB ホモジナイザー(25ストローク)でホモジナイズする。150mM KCl及び0.5% NP−40を加えてホモジネートし、溶液を30秒間で2回、超音波処理し(出力5/6、デューティサイクル90)、4℃で1時間インキュベートする。12000rpm、4℃で30分間遠心分離した後、上清(可溶性抽出物)を集め、BIORADアッセイを用いてタンパク質濃度を調べる。
抗FLAG M2アフィニティー樹脂(Sigma)を、TBSを用いて3回、LBを用いて2回洗浄する。可溶性抽出物(1mL)に、10μlのLB洗浄した樹脂/タンパク質1mg(2〜3μgのフラグを付けたHDAC1)を加え、穏やかに混合しながら4℃で一晩インキュベートする。次いで、遠心分離によって樹脂を集め、LBを用いて1回、LB+0.1% NP40を用いて2回及び溶出バッファー(50mM Hepes pH7.4、5%グリセロール、100mM KCl、0.01% Triton X−100)を用いて2回洗浄する。
アフィニティー精製したHDACを、10倍過剰(樹脂に対して)の、100μg/3×FLAGペプチド(SIGMA)1mlを含有する溶出バッファーを加えることによって樹脂から溶出する。精製HDACの濃度を、ウエスタンブロット解析によって調べる。
その他のアッセイは文献において公知であり、当業者ならば容易に実施できる。
以下の実施例は本発明を例示する。
実施例1
2−((1S)−1−{[(5−メトキシ−2−メチル−1H−インドール−3−イル)アセチル]アミノ}−5−{[(メチルアミノ)カルボニル]アミノ}ペンチル)−5−(2−ナフチル)−1H−イミダゾール−3−イウムトリフルオロアセテート
ステップ1:tert−ブチル {(1S)−5−アミノベンジルオキシカルボニル−1−[5−(2−ナフチル)−1H−イミダゾール−2−イル]ペンチル}カルバメート
EtOH中のN6−[(ベンジルオキシ)カルボニル]−N2−(tert−ブトキシカルボニル)−L−リシン及びCs2CO3(0.5当量)の溶液を、RTで90分間撹拌した。次いで、減圧下で濃縮した後、得られた塩を、DMFに溶解した。得られた溶液(0.13M)を2−ブロモ−2’アセトナフトン(1当量)で処理し、混合物をRTで2時間撹拌した。トルエンを用いる共沸蒸発によってDMFを除去した後、EtOAcを加え、得られた混合物を濾過した。固体をEtOAcを用いて洗浄し、合わせた濾液を減圧下で濃縮するとオイルが得られ、これをトルエンに溶解した。この溶液(0.1M)に酢酸アンモニウム(20当量)を加え、混合物をディーン・スタークトラップを用いて2時間30分間還流にした。冷却した後、反応混合物をEtOAcを用いて希釈し、NaHCO3(飽和溶液)、水及び飽和食塩水を用いて洗浄し、次いで、乾燥させ、濃縮すると、標題化合物が固体として得られた(99%)。
1H NMR(400MHz,DMSO−d6,300K)δ11.84(s,1H),8.24(s,1H),7.97−7.78(m,5H),7.62(s,1H),7.40−7.23(m,8H),4.99(s,2H),4.69−4.52(m,1H),3.04−2.92(m,2H),1.92−1.78(m,2H),1.40(s,9H),1.48−1.20(m,4H).MS(ES+)C31H36N4O4必要値:528、実測値:529(M+H)+。
ステップ2:2−((1S)−1−アンモニオ−5−{[(ベンジルオキシ)カルボニル]アミノ}ペンチル)−5−(2−ナフチル)−1H−イミダゾール−3−イウムビス(トリフルオロアセテート)
ステップ1から得られた生成物を、0℃でTFA/DCM(1:1)に溶解し、得られた溶液(0.2M)をRTで2時間30分間撹拌した。減圧下で溶媒を除去すると、標題化合物が固体として得られた(100%)。
1H NMR(400MHz,DMSO−d6,300K)δ8.44(bs,3H),8.28(s,1H),8.02−7.85(m,4H),7.81(s,1H),7.56−7.41(m,2H),7.38−7.25(m,4H),7.21(bs,1H),4.97(s,2H),4.36(bs,1H),2.98(m,2H),2.07−1.85(m,2H)1.52−1.35(m,2H),1.35−1.15(m,2H).MS(ES+)C26H30N4O2必要値:428、実測値:429(M+H)+。
ステップ3:ベンジル {(5S)−5−{[(5−メトキシ−2−メチル−1H−インドール−3−イル)アセチル]アミノ}−5−[5−(2−ナフチル)−1H−イミダゾール−2−イル]ペンチル}カルバメート
DMF中、ステップ2から得られた生成物の撹拌溶液(0.5M)に、EDCI(1.5当量)、HOBt(1.5当量)、(5−メトキシ−2−メチル−1H−インドール−3−イル)酢酸(1.5当量)及びDIPEA(6当量)を加え、反応混合物をRTで16時間撹拌した。次いで、EtOAcを用いて希釈し、1N HCl、飽和食塩水を用いて洗浄し、乾燥させた。減圧下での溶媒の蒸発により、粗物質が得られ、これをシリカゲルでのフラッシュクロマトグラフィー(1:4〜1:3EtOAc/石油エーテル)によって精製すると、標題化合物が固体として得られた(77%)。
1H NMR(400MHz,DMSO−d6,300K)δ11.97(s,1H),10.59(s,1H),8.22(s,1H),7.96−7.76(m,4H),7.62(s,1H),7.53−7.38(m,2H),7.37−7.24(m,5H),7.19(bs,1H),7.13−7.05(m,1H),6.63−6.45(m,1H),4.98(s,2H),4.95−4.87(m,1H),3.66(s,3H),3.56−3.43(m,2H),2.96−2.87(m,2H),2.32(s,3H),1.96−1.70(m,2H),1.45−1.34(m,2H),1.35−1.15(m,2H).MS(ES+)C38H39N5O4必要値:629,実測値:630(M+H)+。
ステップ4:N−{(1S)−5−アミノ−1−[5−(2−ナフチル)−1H−イミダゾール−2−イル]ペンチル}−2−(5−メトキシ−2−メチル−1H−インドール−3−イル)アセトアミド
10%の炭素上Pd(17% w/w)に、MeOH中のステップ3から得られた生成物の撹拌溶液(0.2M)を加え、不均一な混合物を、RT、H2(g)下で、週末の間撹拌した。反応混合物を、セライトのパッドを通して濾過し、MeOHを用いて洗浄した。溶媒を蒸発させると、標題化合物が固体として得られた(94%)。
1H NMR(400MHz,DMSO−d6,300K)δ10.59(s,1H),8.28(d,J=8.3Hz,1H),8.21(s,1H),7.93−7.81(m,4H),7.59(s,1H),7.52−7.38(m,2H),7.10(d,J=8.5Hz,1H),7.06−6.98(m,1H),6.59(d,J=8.5Hz,1H),4.98−4.87(m,1H),3.68(s,3H),3.58−3.47(m,2H),2.44(d,J=6.3Hz,2H)2.33(s,3H),1.96−1.83(m,1H),1.83−1.70(m,1H),1.43−1.10(m,4H).MS(ES+)C30H33N5O2必要値:495、実測値:496(M+H)+。
ステップ5:2−((1S)−1−{[(5−メトキシ−2−メチル−1H−インドール−3−イル)アセチル]アミノ}−5−{[(メチルアミノ)カルボニル]アミノ}ペンチル)−5−(2−ナフチル)−1H−イミダゾール−3−イウムトリフルオロアセテート
DMF中の、ステップ4から得られた生成物及びDIPEA(2当量)の撹拌溶液(0.1M)に、メチルイソシアネート(1.1当量)を加えた。反応混合物をRTで一晩撹拌し、次いで、RP−HPLC(Waters SymetryPrep C18、7ミクロン、19×300mm;フロー:20mL/分;勾配:A:H2O+0.1% TFA;B:MeCN+0.1% TFA;70%A アイソクラティックで2分間、10% Aまで直線で14分間)によって精製すると、標題化合物が固体として得られた(36%)。
1H NMR(400MHz,DMSO−d6,300K)δ10.62(s,1H),8.59(bs,1H),8.32(s,1H),8,14(bs,1H),8.06(d,J=8.8Hz,1H),7.96(t,J=8.8Hz,2H),7.89(dd,J=8.4HzJ=1.6Hz,1H),7.62−7.56(m,2H),7.10(d,J=8.8Hz,1H),6.96(d,J=2.4Hz,1H),6.60(dd,J=8.4HzJ=2.4Hz,1H),5.86(bs,1H),5.66(bs,1H),5.05−4.96(m,1H),3.67(s,3H),3.59(d,J=11.2Hz,1H),3.51(d,J=11.2Hz,1H),2.94(bs,2H),2.30(s,3H),2.04−1.87(m,2H),1.43−1.17(m,4H).MS(ES+)C32H36N6O3必要値:552、実測値:553(M+H)+。
実施例2
2−((1S)−1−{[3−(ジメチルアンモニオ)プロパノイル]アミノ}−5−{[(メチルアミノ)カルボニル]アミノ}ペンチル)−5−(2−ナフチル)−1H−イミダゾール−3−イウムビス(トリフルオロアセテート)
ステップ1:tert−ブチル {(1S)−5−アミノ−1−[5−(2−ナフチル)−1H−イミダゾール−2−イル]ペンチル}カルバメート
10%の炭素上Pd(20%w/w)に、MeOH中の実施例1ステップ1から得られた生成物の撹拌溶液(0.2M)を加え、不均一な混合物を、RT、H2(g)下で一晩撹拌した。次いで、反応混合物をセライトのパッドを通して濾過し、MeOHを用いて洗浄した。溶媒を蒸発させると、標題化合物が固体として得られた(95%)。
1H NMR(400MHz,DMSO−d6,300K)δ8.22(s,1H),7.93−7.79(m,4H),7.58(s,1H),7.51−7.37(m,2H),7.12(d,J=8.3Hz,1H),4.68−4.56(m,1H),1.91−1.79(m,2H),1.48−1.18(m,6H),1.40(s,9H).MS(ES+)C23H30N4O2必要値:394、実測値:395(M+H)+。
ステップ2:tert−ブチル {(1S)−5−{[(メチルアミノ)カルボニル]アミノ}−1−[5−(2−ナフチル)−1H−イミダゾール−2−イル]ペンチル}カルバメート
0℃のDCM/DMF(2:1)中の、ステップ1から得られた生成物の撹拌溶液(0.18M)に、メチルイソシアネート(1当量)を加えた。反応混合物を0℃で1時間撹拌した。次いで、NaHCO3(飽和溶液)を加え、EtOAcで抽出した。合わせた有機層を乾燥させた。溶媒を蒸発させると、粗物質が得られ、これをシリカゲルでのフラッシュクロマトグラフィー(95:5DCM/MeOH)によって精製すると、標題化合物が固体として得られた(63%)。
1H NMR(400MHz,DMSO−d6,300K)δ11.84(1H,s),8.24(s,1H),7.96−7.78(s,4H),7.61(s,1H),7.52−7.37(m,2H),7.08(d,J=8.1Hz,1H),5.82(bs,1H),5.62(bs,1H),4.68−4.54(m,1H),3.01−2.99(m,2H),1.92−1.68(m,2H),1.45−1.15(m,6H),1.40(s,9H).MS(ES+)C25H33N5O3必要値:451、実測値:452(M+H)+。
ステップ3:2−((1S)−1−アンモニオ−5−{[(メチルアミノ)カルボニル]アミノ}ペンチル)−5−(2−ナフチル)−1H−イミダゾール−3−イウムビス(トリフルオロアセテート)
ステップ2から得られた生成物を、0℃でTFA/DCM(1:1)に溶解し、得られた溶液(0.18M)を、0℃で3時間30分撹拌した。減圧下で溶媒を除去すると、標題化合物が固体として得られた(100%)。
1H NMR(400MHz,DMSO−d6,300K)δ8.60(s,3H),8.31(s,1H),7.94(s,1H),8.00−7.87(m,4H),7.58−7.46(m,2H),4.54−4.43(m,1H),2.96(t,J=7.2Hz,2H),2.03−1.90(m,2H),1.45−1.13(m,4H).MS(ES+)C20H25N5O必要値:351、実測値:352(M+H)+。
ステップ4:2−((1S)−1−{[3−(ジメチルアンモニオ)プロパノイル]アミノ}−5−{[(メチルアミノ)カルボニル]アミノ}ペンチル)−5−(2−ナフチル)−1H−イミダゾール−3−イウムビス(トリフルオロアセテート)
DMF/DCM(2:1)中のステップ3から得られた生成物の撹拌溶液(0.05M)に、HATU(1.1当量)、DIPEA(3当量)及び2−カルボキシ−N,N−ジメチルエタンアミニウムクロリド(1当量)を加え、反応混合物をRTで一晩撹拌した。次いで、濃縮し、RP−HPLC(Waters SymetryPrep C18、7ミクロン、19×300mm;フロー:20mL/分;勾配:A:H2O+0.1%TFA;B:MeCN+0.1% TFA;80%Aアイソクラティックで2分、30% Aまで直線で14分)によって精製すると、標題化合物が無色のオイルとして得られた(26%)。
1H NMR(400MHz,DMSO−d6,300K)δ8.89(bs,1H),8.33(s,1H),8.12−7.99(m,2H),7.99−7.87(m,3H),7.62−7.51(m,2H),5.89(bs,1H),5.69(bs,1H),5.08−4.97(m,1H),3.30(t,J=7.2Hz,2H),2.98(bs,2H),2.77(s,6H),2.76−2.66(m,1H),2.05−1.83(m,2H)1.48−1.20(m,4H).MS(ES+)C25H34N6O2必要値:450、実測値:451(M+H)+。
実施例3
2−((1S)−5−{[(ヒドロキシアミノ)カルボニル]アミノ}−1−{[(5−メトキシ−2−メチル−1H−インドール−3−イル)アセチル]アミノ}ペンチル)−5−(2−ナフチル)−1H−イミダゾール−3−イウムトリフルオロアセテート
0℃のDCM/DMF(3:1)中の、実施例1ステップ4から得られた生成物及びEt3N(1当量)の撹拌溶液(0.04M)に、トリホスゲン(0.33当量)を加えた。反応混合物を0℃で1時間撹拌し、次いで、O−(tert−ブチルジメチルシリル)ヒドロキシルアミン(大過剰)を加え、得られた反応混合物をRTで一晩撹拌した。TFA/水(1:1)を加え、混合物をさらに4時間撹拌した後、溶媒を濃縮すると、粗生成物が得られ、これをRP−HPLC(Waters SymetryPrep C18、7ミクロン、19×300mm;フロー:20mL/分;勾配:A:H2O+0.1% TFA;B:MeCN+0.1% TFA;80% Aアイソクラティックで2分間、20% Aまで直線で14分)によって精製すると、標題化合物が固体として得られた(40%)。
1H NMR(400MHz,DMSO−d6,300K)δ1HNMR(400MHz,DMSO−d6,300K)δ10.61(s,1H),8.60(bs,1H),8.51(bs,1H),8.33(s,1H),8.25(bs,1H),8.07(d,J=9.2Hz,1H),7.97(t,J=9.2Hz,2H),7.88(dd,J=8.4HzJ=1.6Hz,1H),7.64−7.56(m,2H),7.10(d,J=8.4Hz,1H),6.69(d,J=6.0Hz,1H),6.60(t,J=8.4Hz,1H),6.59(dd,J=8.4HzJ=2.4Hz,1H),5.06−4.97(m,1H),3.67(s,3H),3.59(d,J=15.6Hz,1H),3.51(d,J=15.6Hz,1H),3.02(q,J=6.4Hz,2H),2.31(s,3H),2.06−1.90(m,2H),1.50−1.16(m,4H).MS(ES+)C31H34N6O4必要値:554、実測値:555(M+H)+。
実施例4
2−{(1S)−1−{[(5−メトキシ−2−メチル−1H−インドール−3−イル)アセチル]アミノ}−5−[(1−オキシドピリジン−2−イル)アミノ]ペンチル}−5−(2−ナフチル)−1H−イミダゾール−3−イウムビス(トリフルオロアセテート)
1−ブタノール中の、実施例1ステップ4から得られた生成物の撹拌溶液(0.02M)に、NaHCO3(4当量)及び2−ブロモピリジン−1−オキシド(2当量)を加えた。反応混合物を、100℃に48時間加熱した。冷却した後、飽和食塩水で希釈し、EtOAcで抽出した。合わせた有機層を乾燥させた。溶媒を蒸発させると粗生成物が得られ、これをRP−HPLC(Waters X−TERRA MS C18、5ミクロン、19×100mm;フロー:20mL/分;勾配:A:H2O+0.1% TFA;B:MeCN + 0.1% TFA;80% A アイソクラティックで1分、20% Aまで直線で9分)によって精製すると、標題化合物が固体として得られた(4%)。
1H NMR(400MHz,DMSO−d6,300K)δ10.63(s,1H),8.64(d,J=6.6Hz,1H),8.33(s,1H),8.18(d,J=6.6Hz,1H),8.14(s,1H),8.05(d,J=8.8Hz,1H),8.05−7.85(m,3H),7.73−7.53(m,3H),7.50−7.36(m,1H),7.10(d,J=8.8Hz,1H),6.99(s,1H),6.86(d,J=8.3Hz,1H),6.75−6.55(m,2H),5.13−5.00(m,1H),3.66(s,3H),3.62−3.47(m,2H),3.25−3.13(m,2H),2.31(s,3H),2.02−1.92(m,2H),1.62−1.48(m,2H),1.46−1.20(m,2H).MS(ES+)C35H36N6O3必要値:588、実測値:589(M+H)+。
以下の実施例は、実施例1から3に記載される手順に従って調製した。