JP5390333B2 - ヘッドランプシステム - Google Patents

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Description

本発明は自動車等の車両の前照灯(ヘッドランプ)に関し、特に車両の操舵角変化に追従してヘッドランプの照射方向を偏向制御するAFS(適応型照明システム:Adaptive Front-lighting System)に適用して好適なヘッドランプシステムに関するものである。
自動車の運転走行の安全性を高めるためにステアリングホイールの操舵角に追従してヘッドランプの照射方向を左右方向に偏向制御するAFSが提案されている。このシステムによれば、ヘッドランプの照射方向を直進方向のみではなく、運転者が操舵する方向、すなわち自動車が走行しようとする方向にヘッドランプの照射方向をスイブル制御することができ運転の安全性を高める上で有効である。また、ヘッドランプの照射方向の制御に関しては、自動車の乗員や積み荷の変化によって生じる自動車のピッチ角(自動車の前後が上下に傾倒する角度)変化に追従して照射方向を上下に制御するレベリング制御もある。
このようなスイブル制御においてはヘッドランプの光軸を左右方向に偏向する際の基準となる角度位置(以下、スイブル基準角度と称する)を設定し、このスイブル基準角度から操舵角の変化量に対応する角度だけ偏向する制御を行っている。また、レベリング制御においても同様にランプの光軸を上下方向に偏向する際の基準となる角度位置(以下、レベリング基準角度と称する)を設定し、このレベリング基準角度からピッチ角の変化量に対応する角度だけ偏向する制御を行っている。そのため、これらスイブル制御やレベリング制御を開始する際にはヘッドランプの光軸をスイブル基準角度およびレベリング基準角度に初期設定しておく必要がある
これらスイブル制御やレベリング制御を行うための駆動機構としてのアクチュエータの駆動源にはモータを採用しているため、スイブル基準角度やレベリング基準角度を初期設定する際にはモータを所定の回転位置に制御することが要求される。しかし、モータは複数回転動作されるため回転位置を所定の角度位置に制御することは困難である。また、ランプやこれを偏向動作する機構部において偏向角を検出する技術も提案されているが、このような機構部としてポテンショメータ等の機構が必要となり、アクチュエータやランプを小型化する際の障害になる。特許文献1では、スイブル制御の初期設定に際し、アクチュエータを左右のいずれかに突き当たる限界位置まで駆動し、その後所定の角度だけ反対方向に駆動することによってスイブル基準角度に初期設定する技術が提案されている。
特開2004−106770号公報 特開2008−94275号公報
特許文献1の技術は、初期設定を行う毎にアクチュエータを一方向に限界まで駆動し、その後に所定角度だけ反対方向に駆動するという動作を行う必要がある。そのため、初期設定に時間がかかるという問題がある。また、限界まで移動したきにランプが固定部に突き当たって大きな力が作用するため、この部分の機械的な強度を高めておく必要があり、システムの小型化、低コスト化の障害になる。さらに、ヘッドランプを点灯した状態で初期設定を行うと、その都度ヘッドランプの光照射範囲が左右に偏向されることになり、自車の乗員に違和感を生じさせるとともに、対向車や歩行者を眩惑してしまうおそれもある。
本発明の目的は、初期設定を迅速に行うとともに低コスト化を実現し、さらにヘッドランプを点灯している場合でも違和感や眩惑を生じさせることがないヘッドランプシステムを提供するものである。
本発明は、ランプ光軸の偏向が可能なヘッドランプと、ヘッドランプを偏向動作するためのアクチュエータと、アクチュエータを制御してヘッドランプを偏向制御するとともにランプ光軸を基準位置に設定可能な制御手段とを備えており、アクチュエータには偏向制御に伴って往復移動又は往復回動する可動部材の一部に設けられた磁石と、可動部材に臨んで配置され磁石が近接したときに検出出力を変化する磁気センサとを備え、アクチュエータは自身が移動してヘッドランプをレベリング偏向させるように構成され、可動部材はアクチュエータもしくはこれと一体的に移動する部材であり、制御手段は磁気センサの検出出力に基づいてランプ光軸の基準位置の設定を行うことを特徴とする。
本発明は、さらに、可動部材はヘッドランプをスイブル偏向させるための歯車機構の一部を含むことを特徴とする。
本発明によれば、ランプ光軸が基準角度位置にまで偏向制御されたときには磁気センサが磁石を検知して検出出力が変化されるので、制御手段は磁気センサの出力を検出するだけでヘッドランプの基準角度位置が認識でき、スイブル制御あるいはレベリング制御する際に行う初期設定が実現できる。そのため、特許文献1のように一方向に突き当たるまで偏向動作させ、その後に所定角度だけ反対方向に偏向動作させる作業は不要であり、極めて短い時間で初期設定を完了することができる。また、ランプを限界位置にまで移動させて突き当てたときの強度を補償するための構成を備える必要もなくシステムの小型化、低コスト化が実現できる。さらに、ランプを点灯した状態で初期設定を行っても、ランプの光照射範囲を左右に大きく偏向することはなく、自車の乗員に違和感を生じさせることや対向車や歩行者を眩惑することもない。
また、本発明はアクチュエータに設けた歯車の一部、あるいはアクチュエータ自身又はアクチュエータと一体的に移動する部材に磁石を設け、これら歯車やアクチュエータの移動領域内に磁気センサを設けるだけでよいので、既存のスイブル制御装置やレベリング制御装置の構成を変更することなくそのまま適用でき、汎用性の高いシステムが構築できる。
本発明のヘッドランプシステムを適用した自動車の概略構成図。 ヘッドランプの縦断面図。 ヘッドランプの要部の分解斜視図。 アクチュエータの内部構成を示す平面図。 スイブル機構部の要部の拡大斜視図とスイブル磁気センサの出力特性図。 レベリング機構部の要部の拡大斜視図とレベリング磁気センサの出力特性図。
(実施形態1)
次に、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。この実施形態1は本発明をスイブル制御とレベリング制御の両制御が可能な自動車のヘッドランプに適用したものであり、図1に自動車の概略構成を示している。自動車CARの前部の左右にヘッドランプHLが装備されており、これらのヘッドランプHLはランプ光軸LAを水平左右に偏向するスイブル制御と、ランプ光軸を鉛直上下に偏向するレベリング制御が可能に構成されている。前記ヘッドランプHLにはランプECU(電子制御ユニット)1が接続され、ランプECU1には自動車の操舵方向を検出するための操舵角センサSSと、自動車の車高を検出するための車高センサHSが接続されている。ここでは操舵角センサSSはステアリングホイールSWに関連付けられており、車高センサHSは自動車の前輪FWと後輪RWのうち、後輪RWに関連付けて構成されている。ランプECU1は、操舵角センサSSで検出される操舵角に応じてヘッドランプHLをスイブル制御し、ランプ光軸LAを操舵方向に追従させるためのスイブル制御部11と、車高センサHSで検出された車高に基づいて自動車CARのピッチ角(自動車の前後部の傾き角)を検出し、このピッチ角に応じてヘッドランプHLをレベリング制御し、ランプ光軸LAを路面に対して一定の角度に保持するためのレベリング制御部12とを備えている。
前記スイブル制御部11とレベリング制御部12はそれぞれスイブル制御、レベリング制御を行うのに先だってランプ光軸LAの初期設定を行う機能を有しており、この初期設定においては水平方向と鉛直方向の各基準角度としてスイブル基準角度とレベリング基準角度を認識する。これらの基準角度の認識を可能にするためにヘッドランプHLには後述するようにスイブル基準角度検出手段とレベリング基準角度検出手段が組み込まれている。
図2はヘッドランプHLの縦断面図であり、ここでは本出願人が提案している先願の特許文献2に記載のヘッドランプに本発明を適用した例を示している。なお、図2では特許文献2の構成の一部を簡略化した図としている。ヘッドランプHLは自動車CARの車体前部に固定的に装備されるランプハウジング2を備えており、このランプハウジング2内にプロジェクタ型ランプ3が内装されている。ランプハウジング2は前面を開口した容器状のランプボディ21と、このランプボディ21の開口に固定される前面透明カバー22とで構成される。プロジェクタ型ランプ(以下、単にランプと称する)は、楕円容器状をしたリフレクタ31と、集光レンズ32をリフレクタ31に保持させるためのレンズホルダ33と、光源としての放電バルブ34と、所要配光を得るためのシェード35を備えているが、このランプ自体の構造は既に知られている構成であるのでここでは説明は省略する。このランプ3にはランプハウジング2の内底部に配設した電源ユニット4が給電コード41により電気接続され、この電源ユニット4から電力の供給を受けて点灯するようになっている。
前記ランプ3は前記ランプハウジング2内に固定的に支持されたブラケット5に支持されている。ブラケット5はランプハウジング2内において固定的に支持されてはいるが、図には表れないエイミング機構によってブラケット5は自身の左右方向の姿勢と上下方向の姿勢が調整可能とされている。そのため、エイミング機構によってブラケット5の左右方向と上下方向の姿勢が変化されたときには、ブラケット5と共にランプ3も一体的に左右方向および水平方向の向きが変化され、ランプ3のランプ光軸LAはブラケット5の姿勢変化に追従して変化調整されるようになっている。なお、このブラケット5の姿勢変化に伴うランプ3のランプ光軸LAの変化調整はいわゆるエイミング調整であり、本発明におけるスイブル制御とレベリング制御とは異なる制御である。
前記ランプ3はブラケット5に対し、ランプ光軸LAを左右方向に偏向するスイブル動作と、ランプ光軸LAを上下方向に偏向するレベリング動作ができるように可動的に支持されている。すなわち、前記ランプ3の上側面の一部にほぼ垂直に向けて立設された支点軸部36は、ブラケット5の上縁部に設けた球軸受け51によって支持されている。この球軸受け51は支点軸部36を軸周り方向に回動可能に軸支持するとともに、少なくともランプ光軸LAに沿った前後方向に傾倒可能にする軸受けであり、これによりランプ3はブラケット5に対して、球軸受け51を中心にして水平方向に回動するとともに、この球軸受け51を支点にして振り子のように前後方向に揺動可能に支持されることになる。
また、前記ランプハウジング2内には、前記ブラケット5の下縁部に沿ってスイブル・レベリングアクチュエータ(以下、単にアクチュエータと称する)6が配設されている。図3はこのアクチュエータ6を含む前記ランプ3、ブラケット5の概略構成を示す分解斜視図である。アクチュエータ6は前記球軸受け51に支持された支点軸部36を軸心にしてランプ3を水平方向に回動し、ランプ光軸LAの水平方向の角度を変化制御するスイブル制御と、球軸受け51を支点にしてランプ3を前後方向に揺動し、ランプ光軸LAの垂直方向の角度を変化制御するレベリング制御を実行するものである。このアクチュエータ6は薄い箱型をしたケーシング61に後述する機構部が組み込まれており、このケーシング61の両側面にそれぞれ前後方向に延びるスライドレール62が一体に形成され、これらのスライドレール62はそれぞれ前記ブラケット5の下縁部の両側位置に設けられて前後方向に向けられた一対のレールガイド52に嵌合されている。アクチュエータ6はこれらスライドレール62とレールガイド52との嵌合によってブラケット5に支持されるとともに、スライドレール62がレールガイド52に沿って移動されることによりブラケット5に対して前後方向に相対的に移動できるようになっている。なお、特許文献2ではレールガイドはブラケットとは別体に形成されたサブブラケットに形成されており、このサブブラケットがブラケットに一体化されているが、ここではサブブラケットは設けておらず、ブラケットの一部にレールガイドを設けた構成としている。
前記アクチュエータ6は、前記ケーシング61にスイブル機構部7とレベリング機構部8を組み込んでいる。スイブル機構部7は後述するスイブルモータ71を駆動源とし、このスイブルモータ71の回転出力を減速してケーシング61の上面の一部に突出したスイブル出力軸72を回転駆動するように構成されている。このスイブル出力軸72は前記ランプ3の下側面の一部に設けられて下方に突出されたボス部37の下面に開口した係合凹部38に係合し、ランプ3をスイブル出力軸72に対して回転方向に一体的に連結させている。したがって、スイブル出力軸72が回転すると、ランプ3はこれと一体的に水平方向に回動され、ランプ光軸LAが水平方向に偏向制御されることになる。ただし、この係合凹部38とスイブル出力軸72との間には微小の余裕が確保されており、この余裕の範囲内でスイブル出力軸72は係合凹部38内で相対的に傾倒できるように構成されている。
また、レベリング機構部8は後述するレベリングモータ81を駆動源とし、このレベリングモータ81の回転を減速してケーシング61の上面の一部に突出したレベリング出力ピニオン82を回転駆動するように構成されている。このレベリング出力ピニオン82は前記ブラケット5の下縁部の一部に一体的に設けられ、自動車CARもしくはヘッドランプHLの前後方向に沿って水平に延長された固定ラック53に歯合されている。したがって、レベリング出力ピニオン82が回転すると、レベリング出力ピニオン82自身が固定ラック53と歯合しながら固定ラック53の延長方向に転動し、レベリング出力ピニオン82を支持しているアクチュエータ6はスライドレール62がガイドレール52に案内されながら前後方向に移動される。このアクチュエータ6の前後方向の移動によりスイブル出力軸72も一体に前後方向に移動されるため、スイブル出力軸72と係合凹部38との係合によってランプ3の下側部が前後方向に移動され、ランプ3は球軸受け51を支点にして前後方向に揺動され、ランプ光軸LA上下方向に偏向制御されることになる。
図4はアクチュエータ6の内部構成を概略的に示す平面図である。ケーシング61内は同図の左側のスイブル機構部7と、右側のレベリング機構部8とに区画されている。スイブル機構部7は駆動源として前記スイブルモータ71を有し、このスイブルモータ71の回転軸には駆動歯車73が固定されている。この駆動歯車73には複数の歯車、ここでは複合歯車として構成された3つの歯車74a,74b,74cで構成されるスイブル減速歯車列74の初段歯車74aが歯合され、またスイブル減速歯車列74の終段歯車74cは前記スイブル出力軸72と一体に形成されたセクタ歯車75に歯合されている。これによりスイブルモータ71の回転をスイブル減速歯車列74で減速してセクタ歯車75にまで伝達し、このセクタ歯車75の回転によりスイブル出力軸72を回転駆動するようになっている。このスイブル出力軸72の回転によってランプ3のスイブル制御が行われることは前述のとおりであり、このスイブル出力軸72の回転量はランプ3のスイブル角に対応しているため1回転(360度)を越えることがない角度であることは言うまでもない。
レベリング機構部8は駆動源として前記レベリングモータ81を有し、このレベリングモータ81の回転軸には駆動歯車83が固定されている。この駆動歯車には複合歯車として構成された3つの歯車84a,84b,84cで構成されるレベリング減速歯車列84の初段歯車84aが歯合され、またレベリング減速歯車列84の終段歯車84cは前記レベリングピニオン82と同軸に構成されている。これによりレベリングモータ81の回転をレベリング減速歯車列84で減速してレベリング出力ピニオン82にまで伝達し、当該レベリング出力ピニオン82を回転駆動するようになっている。このレベリング出力ピニオン82の回転によってランプ3のレベリング制御が行われることは前述のとおりである。したがって、レベリング出力ピニオン82が固定ラック35に沿って一往復移動したときにランプ3は上下方向に一往復の揺動が行われることになる。
図5(a)は前記スイブル機構部7のセクタ歯車75の一部を拡大した概略斜視図である。前記セクタ歯車75は金属のような透磁性のある材料ではなく、例えば樹脂のような非透磁性のある材料を成形した構成である。このセクタ歯車75にはスイブル減速歯車列74の終段歯車74cが歯合されているが、このセクタ歯車75の一部には歯面に沿った方向の一部に小型の永久磁石(マグネット)76が埋設されている。例えば、セクタ歯車75の下面の一部に凹部を形成し、この凹部内に永久磁石76を圧入し、あるいは挿入して接着剤等により固定している。一方、前記ケーシング61の内底面には前記セクタ歯車75が回動されたときにこれに伴って永久磁石76が移動される移動軌跡に臨む位置で永久磁石76に近接する位置にリードスイッチ、あるいはホール素子等のように磁気を検出して電気的にオン・オフ動作するスイブル磁気センサ77が配設されている。このスイブル磁気センサ77は図1に示したランプECU1のスイブル制御部11に電気接続されている。これにより、図5(b)に示すように、永久磁石76がスイブル磁気センサ77に近接していない位置にセクタ歯車75が回動位置されているときにはスイブル磁気センサ77はオフ状態であるが、セクタ歯車75が回動して永久磁石76がスイブル磁気センサ77の直上位置にまで回動されたときにはスイブル磁気センサ77はオン状態となり、このオン信号をスイブル制御部11は検出することが可能になる。
図6(a)は前記レベリング機構部8のレベリング出力ピニオン82と、これに歯合する固定ラック53の一部を拡大した概略斜視図である。前記レベリング出力ピニオン82は特に材質が限定されることはないが、このレベリング出力ピニオン82の一部、ここではレベリング出力ピニオン82の軸部には小型の永久磁石86が埋設されている。また、前記固定ラック53の延長方向の一部に臨む位置には前記レベリング出力ピニオン82が固定ラック53に歯合しながら移動されたときに永久磁石86に近接する位置にリードスイッチ、あるいはホール素子からなるレベリング磁気センサ87が配設されている。例えば、前記ブラケット5の一部に固定支持される。このレベリング磁気センサ87は図1に示したランプECU1のレベリング制御部12に電気接続されている。これにより、図6(b)に示すように、永久磁石86がレベリング磁気センサ87に近接していない位置にレベリング出力ピニオン82が移動されているときにはレベリング磁気センサ87はオフ状態であるが、レベリング出力ピニオン82が移動して永久磁石86がレベリング磁気センサ87の直上位置にまで移動されたときにはレベリング磁気センサ87はオン状態となり、このオン信号をレベリング制御部12は検出することが可能になる。
以上の構成のヘッドランプシステムの動作を説明する。運転席においてステアリングホイールSWが操作され、操舵角センサSSから操舵角が検出されると、ランプECU1のスイブル制御部11はランプ光軸LAを操舵方向に追従させるためのスイブル制御信号を生成し、このスイブル制御信号に基づいてスイブル・レベリングアクチュエータ6のスイブル機構部7を制御する。すなわち、スイブル制御部11では検出した操舵角に対応するスイブル偏向角を求め、このスイブル偏向角と初期設定されているスイブル基準角との差を演算し、この差に相当する角度だけランプ光軸LAが水平方向に偏向動作されるようにスイブルモータ71の回転方向と回転数を制御する。スイブルモータ71の回転はスイブル減速歯車列74を介して減速され、セクタ歯車75を所要角度だけ回動する。このセクタ歯車75の回動により、スイブル出力軸72が一体に回動され、このスイブル出力軸72と回転方向に一体的に連結されているランプ3を水平方向に回動する。これにより、ランプ3のランプ光軸LAは操舵方向に追従して向けられるようにスイブル制御される。
このスイブル制御における初期設定は前述したようにランプ光軸LAを水平方向の所定の角度位置に設定しておくことである。この実施形態1では、セクタ歯車75に対向配置したスイブル磁気センサ77の出力を検出するだけでよい。すなわち、図5(b)に示したように、永久磁石76がスイブル磁気センサ77に対向する位置にセクタ歯車75が回動したときにのみスイブル磁気センサ77はオンとなる。したがって、ランプ光軸LAが所定の基準角度位置に偏向されたときに永久磁石76がスイブル磁気センサ77に対向位置するように永久磁石76、あるいはスイブル磁気センサ77の配設位置を設計しておけば、スイブル制御部11においてはスイブル磁気センサ77がオンしたときを検出すればこの位置はランプ光軸LAが基準角度位置に設定されたときとなり、これでランプ光軸LAを初期設定することが可能になる。セクタ歯車75はランプ3と一体に回動しており、回動角度、すなわちスイブル角度は1回転(360度)よりも小さい角度であるので、セクタ歯車75が往復回動しても片道の回動時には永久磁石76は一回だけスイブル磁気センサ77に対向位置されるのみであり、スイブル磁気センサ77からは一回だけオンされるためオン状態の検出は容易である。
一方、自動車CARの乗員や積載荷物の変化等によって車高センサHSから検出される車高が変化されると、ランプECU1のレベリング制御部12は自動車CARのピッチ角を演算し、このピッチ角に基づいてランプ光軸LAが路面に対して一定の角度を維持するためのレベリング制御信号を生成し、このレベリング制御信号に基づいてスイブル・レベリングアクチュエータ6のレベリング機構部8を制御する。すなわち、レベリング制御部12では演算したピッチ角の変化を相殺するレベリング偏向角を求め、このレベリング偏向角と初期設定されているレベリング基準角との差を演算し、この差を「0」にする角度だけランプ光軸LAが上下方向に偏向動作されるようにレベリングモータ81の回転方向と回転数を制御する。レベリングモータ81の回転はレベリング減速歯車列84を介して減速され、レベリング出力ピニオン82を所要角度だけ回動する。このレベリング出力ピニオン82の回動により、レベリング出力ピニオン82は固定ラック53に歯合されながら固定ラック53の延長方向に移動される。すなわち、スイブル・レベリングアクチュエータ6自体が固定ラック53の延長方向に移動されるため、これと一体にスイブル出力軸72も移動されることになり、これと係合する係合凹部38を介してランプ3の下側部の係合ボス37を前後に揺動する。これにより、ランプ3のランプ光軸LAは路面に対して一定の角度となるようにレベリング制御される。
このレベリング制御における初期設定は前述したようにランプ光軸LAを自動車CARの車体に対して上下方向の所定の角度位置に設定しておくことである。この実施形態1では、固定ラック35に沿設したレベリング磁気センサ87の出力を検出するだけでよい。すなわち、図6(b)に示したように、永久磁石86がレベリング磁気センサ87に対向する位置にまでレベリング出力ピニオン82が移動したときにのみレベリング磁気センサ87はオンとなる。したがって、ランプ光軸LAが車体に対して所定の基準角度に向けられているときに永久磁石86、すなわちレベリング出力ピニオン82がレベリング磁気センサ87に対向するようにレベリング磁気センサ87の位置を設計しておけば、レベリング制御部12においてレベリング磁気センサ87がオンしたときを検出すればこの位置はランプ光軸LAが当該基準角度位置に設定されたときとなり、これでランプ光軸LAを初期設定することが可能になる。レベリング出力ピニオン82はランプ3の揺動と一体に往復移動するものであるので、レベリング出力ピニオン82が往復移動しても片道の移動時には永久磁石86は一回だけレベリング磁気センサ87に対向位置されるのみであり、レベリング磁気センサ87からは一回だけオンされるためオン状態の検出は容易である。
以上のように、実施形態1ではスイブル制御部11における初期設定と、レベリング制御部12における初期設定はいずれにおいても磁気センサ77,87の出力を検出し、磁気センサ77,87がオンになる偏向角度となるようにスイブル制御とレベリング制御を行うだけでよい。したがって、従来のようにランプを一方向に突き当たるまで偏向動作させ、その後に所定角度だけ反対方向に偏向動作させる作業は不要であり、極めて短い時間で初期設定を完了することができる。また、ランプを限界位置にまで移動させて突き当てたときの強度を補償するための構成を備える必要もなくシステムの小型化、低コスト化が実現できる。さらに、ランプを点灯した状態で初期設定を行っても、ランプの光照射範囲を左右に大きく偏向することはなく、自車の乗員に違和感を生じさせることや対向車や歩行者を眩惑してしまうこともない。
実施形態1では、スイブル機構部7において永久磁石76をセクタ歯車75に設けているが、スイブルモータ71からセクタ歯車75に至る歯車機構のうち、ランプ光軸LAを水平左右に偏向する際に1回転以上しない歯車であればいずれの歯車に永久磁石を配設してもよい。1回転以上する歯車では複数の回転位置においてスイブル磁気センサがオン状態となり、初期設定が煩雑になってしまうためである。
また、レベリング機構部8においてはレベリング出力ピニオン82に永久磁石86を設けているが、スイブル・レベリングアクチュエータ6の一部であればいずれの箇所に永久磁石を配設してもよい。スイブル・レベリングアクチュエータ6の前後方向の移動に伴って永久磁石86が移動され、この移動位置をブラケット5に設けたレベリング磁気センサ87で検出することで初期設定が実現できるからである。
実施形態1では、磁気センサとしてオン・オフ動作するセンサ用いており、磁気センサのオン・オフを検出して基準角度位置を求めているが、磁気により電流や電圧が変化する素子や、当該素子を組み込んだICを磁気センサに用いることも可能である。この場合には、スイブル制御部あるいはレベリング制御部では磁気センサの検出出力の最大、最小を検出することにより基準位置を求めるようにする。
また、磁気センサのオン・オフ動作や検出出力に検出幅が存在する場合、すなわち実施形態1のようにオン動作時とオフ動作時とのタイミング間に幅が存在している場合には、両タイミングの中間タイミングを基準角度位置に設定すればよい。また、磁気センサの検出出力にヒステリシスが生じている場合、すなわち永久磁石が一方向に移動する場合と反対方向に移動する場合とでオン・オフのタイミングや検出出力の変化タイミングにずれが生じるような場合には、ヒステリシスの中間位置を基準角度位置に設定すればよい。
実施形態1ではスイブル制御とレベリング制御の両方を備えたヘッドランプに本発明を適用しているが、いずれか一方の制御のみを備えたヘッドランプについても本発明を同様に適用することが可能である。また、スイブル制御部とレベリング制御部はアクチュエータ内に、あるいはアクチュエータと一体に配設してもよい。
本発明はスイブル制御又はレベリング制御のようにランプ光軸を偏向制御するヘッドランプを備えたヘッドランプシステムに採用することが可能である。
1 ランプECU
2 ランプハウジング
3 ランプ(プロジェクタ型ランプ)
4 電源ユニット
5 ブラケット
6 アクチュエータ(スイブル・レベリングアクチュエータ)
7 スイブル機構部
8 レベリング機構部
11 スイブル制御部
12 レベリング制御部
75 可動部材(セクタ歯車)
76 永久磁石
77 スイブル磁気センサ
82 可動部材(レベリング出力ピニオン)
86 永久磁石
87 レベリング磁気センサ

Claims (2)

  1. ランプ光軸の偏向が可能なヘッドランプと、前記ヘッドランプを偏向動作するためのアクチュエータと、前記アクチュエータを制御して前記ヘッドランプを偏向制御するとともにランプ光軸を基準位置に設定可能な制御手段とを備え、前記アクチュエータには偏向制御に伴って往復移動又は往復回動する可動部材の一部に設けられた磁石と、前記可動部材に臨んで配置され前記磁石が近接したときに検出出力を変化する磁気センサとを備え、前記アクチュエータは自身が移動して前記ヘッドランプをレベリング偏向させるように構成され、前記可動部材は前記アクチュエータもしくはこれと一体的に移動する部材であり、前記制御手段は前記磁気センサの検出出力に基づいて前記ランプ光軸の基準位置の設定を行うことを特徴とするヘッドランプシステム。
  2. 前記可動部材は前記ヘッドランプをスイブル偏向させるための歯車機構の一部を含むことを特徴とする請求項1に記載のヘッドランプシステム。
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