JP5390331B2 - 車両用ヘッドランプのオートレベリング装置 - Google Patents

車両用ヘッドランプのオートレベリング装置 Download PDF

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本発明は自動車等の車両の前方を照明するヘッドランプに関するものであり、特にヘッドランプの光照射方向が路面に対して一定角度となるように車両の傾き変化に応じてヘッドランプのランプ光軸を鉛直上下方向に自動制御する車両用ランプのオートレベリング装置に関するものである。
近年の自動車では走行安全性を高める目的の一つとして、ヘッドランプの光照射方向を適切に自動制御するヘッドランプシステムが提案されている。例えば、自動車の乗員や積載貨物の変化に伴う自動車のピッチ角(自動車の前後方向に沿った鉛直上下方向の傾き角)変化に対応してヘッドランプの光照射方向、すなわち鉛直上下方向のランプ光軸角(以下、レベリング角と称する)を変化制御し、自動車のピッチ角変化にかかわらず光照射方向が路面に対して一定角度となるように制御するオートレベリング装置がある。例えば、特許文献1には、自動車のピッチ角を検出し、検出したピッチ角に基づいて左右のヘッドランプのレベリング角を自動制御するオートレベリング装置において左右のヘッドランプのレベリング角を常に同じ角度に制御することで照明による視認性を改善し、またヘッドランプにおけるレベリング角の制御の頻度を低減することで消費電力の低減や駆動機構構成部材の劣化を防止する技術が提案されている。
このようなオートレベリング装置では、ピッチ角を検出するために自動車の前輪または後輪における車高の変化を検出し、この車高の変化からピッチ角を演算する手法がとられることがある。車高センサを前輪と後輪のそれぞれに配設すれば正確なピッチ角を得る上では有利であるが、その分構成が複雑化するとともにコスト高となる。このように前輪又は後輪のいずれかに車高センサを設けた場合に車両のピッチ角を正確に演算するために、予め車高とピッチ角との相関を定義する制御チャートを作成しておき、検出した車高を制御チャートに適用することで、当該車高に対応したピッチ角を演算する手法がとられている。
図3は自動車の後輪の車高に基づいてピッチ角を演算するための制御チャートの一例であり、第1制御線CL1と第2制御線CL2を組み合わせた制御チャートとして構成されている。横軸は基準車高を「0」にしたときの車高dHrであり、左側に向かって車高が減少して行く。すなわち、後輪の車高が減少して行くことにより、自動車の前部は上方に向けて傾斜されて行くことになる。縦軸は車高に対応したピッチ角Pθであり、上側に向かって数値が大きくなり、自動車の前部が上方に傾斜されて行く。通常のオートレベリング装置ではピッチ角変化を相殺するようにランプ光軸のレベリング角を制御しているので、このピッチ角はレベリング角とも言うことができる。この制御チャートは自動車が停車しているときの状態、いわゆるスタティック・レベリング制御に用いるものである。また、微小な車高変化に伴うピッチ角の変動に追従してレベリング角を制御すると、レベリング制御が頻繁に行われるようになるとともに、これに伴ってレベリング角が微小変動してヘッドランプの光照射方向が安定しない状態になる。これを避けるため、検出したピッチ角と前回に検出していたピッチ角との差をとり、このピッチ角差が予め設定した閾値よりも小さい場合にはレベリング角を変化せず、ピッチ角差が閾値以上になったときに検出したピッチ角に対応するレベリング角にレベリング制御を行うようにすることが考えられており、特許文献1でもこの閾値を利用したレベリング制御が行われている。
特開2001−191841号公報
特許文献1の閾値を利用したレベリング制御においては、閾値は車高の違い、すなわちピッチ角の違いにかかわらず一定の値に設定されている。制御チャートにおいては図3に示したように第2制御線CL2の傾きは第1制御線CL1の傾きよりも大きいものとなっている。したがって、例えば、図3において、車高Aから車高Bに車高が減少した場合には、第1制御線CL1を適用しての制御が行われるため演算されるピッチ角は0.10から0.12に変化される。その一方で、図3の車高Cから車高Dに車高が減少した場合には、第2制御線CL2を適用しての制御が行われるため、演算されるピッチ角は0.80から0.90に変化される。このとき、閾値が0.01に設定されているとすると、車高Aから車高Bでの変化ではピッチ角の差は0.02であり、車高Cから車高Dでの変化ではピッチ角の差は0.10であり、いずれも閾値よりも大きくレベリング制御が行われることになり、ヘッドランプのランプ光軸を下方に向ける制御を行うことになる。そしてこのレベリング制御ではこのピッチ角の差に追従したレベリング角だけランプ光軸を下方に向ける制御が行われるため、第1制御線CL1によるレベリング制御よりも第2制御線CL2によるレベリング制御の方がランプ光軸を下方に偏向する角度は大きくなってしまう。特に、第2制御線CL2は、後述するように実際の自動車におけるピッチ角よりも大きな角度に演算されるように定義されているため、第2制御線CL2に基づくレベリング制御では、ランプ光軸は適正なレベリング角度よりも極めて大きく下方に偏向されてしまい、自動車の前方の視認性が極端に低下してしまうおそれが生じる。なお、閾値を大きく設定するとピッチ角を演算する際に第1制御線CL1を適用した場合にピッチ角差が閾値以上にならなくなり、レベリング制御が動作されなくなるおそれがあるため、第1制御線CL1の傾きに対応した値に制限されることになる。
本発明の目的は、実際の車両における車高変化に追従した適正なランプ光軸のレベリング制御を実現することを可能にした車両用ヘッドランプのオートレベリング装置を提供するものである。
本発明は、車両の少なくとも前方を照明するヘッドランプと、当該車両の前輪又は後輪位置における車高を検出する車高センサと、車高センサの検出出力に基づいてヘッドランプのランプ光軸を上下に偏向制御するレベリング制御手段とを備え、レベリング制御手段は車高センサの検出出力に基づいて当該車両のピッチ角を演算する手段と、演算されたピッチ角に基づいてランプ光軸を偏向制御する手段とを備え、ピッチ角を演算する手段は、検出した車高から得られるピッチ角と前回ランプ光軸を偏向制御したときのピッチ角とのピッチ角差を算出し、このピッチ角差が設定された閾値以上のときには検出したピッチ角を出力するピッチ角算出手段と、検出した車高の変化に対応して閾値を変更する閾値変更手段を備え、当該閾値変更手段は、車高が所定の車高領域にあるときに閾値を変更することを特徴とする。
本発明においては、閾値変更手段は、車高が増加するときと減少するときとで閾値を変更するように構成する。
本発明によれば、車高の変化に対応してレベリング制御を行うための閾値を変更することで、同じピッチ角変化に対するヘッドランプのランプ光軸のレベリング制御特性が変化されることになり、特に車両の前部が上方に傾斜してゆく際にランプ光軸が大きく下方に向けて偏向制御されることが抑制され、車両の遠前方に向けて照射される光量が増加されて自車の前方の視認性が改善されることになる。特に、実際の車両の傾きとレベリング制御により演算される傾きとの間に差が生じやすい車高領域において閾値を変更するように構成することにより、実際の車両の傾斜に近い状態でのレベリング制御が実現できる。さらに、車高が増加する場合と減少する場合とで閾値を変更することで、車両の前部が下方に向けられるときにランプ光軸を迅速に上方に向けて偏向させることができ、この面からも自車の前方の視認性を改善することができる。
本発明を適用した自動車の概念構成図。 レベリングECUを含む全体構成を示すブロック図。 レベリング制御に用いられる車高とピッチ角の相関の制御チャートの一例。 実施形態1のピッチ角演算ないしレベリング制御のフローチャート。 実施形態1,2における閾値を説明する図。 実施形態2のピッチ角演算ないしレベリング制御のフローチャート。
(実施形態1)
次に、本発明の実施例1を説明する。図1は本発明のオートレベリング装置を適用した自動車CARの概念的な構成図である。自動車CARの車体CBには前輪FWと後輪RWがサスペンション機構等により支持されており、乗員や荷物の積載状態が変化したときに車体CBの前後方向の傾き状態が変化され、車体CBのピッチ角が変化される。前記車体CBの前部の左右にはそれぞれヘッドランプHLが配設されている。ここではヘッドランプHLはランプボディ21と前面透明カバー22とでランプハウジング20が構成され、このランプハウジング20内にプロジェクタ型ランプ23が内装されている。このプロジェクタ型ランプ23は前後方向に傾倒可能なブラケット24に支持されており、レベリングアクチュエータ2によって傾倒角度が制御できるように構成されている。すなわち、レベリングアクチュエータ2は前記ランプボディ21の一部に固定され、レベリング制御信号が入力されたときに駆動ロッド2aを前後方向に進退移動する電磁ソレノイド構造あるいは電気モータ構造をしたアクチュエータとして構成されている。これにより、レベリングアクチュエータ2は入力されるレベリング制御信号によってブラケット24の傾倒角度を変化させ、これに支持されたプロジェクタ型ランプ23を前後方向に傾倒させ、これによりランプの光軸LAを上下方向に偏向制御して、いわゆるレベリング制御を行うようになっている。
前記レベリングアクチュエータ2には前記レベリング制御信号を生成して当該レベリングアクチュエータ2をレベリング制御する電子制御ユニットであるレベリングECU1が接続されている。このレベリングECU1には1つの車高センサSHが接続されている。この車高センサSHは前記した後輪RWの車軸をサスペンション支持している車体CBの一部に固定されており、乗員や荷物の積載状態が変化して車体CBが前後方向に傾斜したときに生じる後輪位置での車高を検出する。通常では無積載状態かつ運転者1名搭乗時の高さ位置を基準車高の「0」とし、この基準車高から低下した車高の変化値を車高dHrとして検出する。
前記レベリングECU1は、図2にブロック構成を示すように、前記車高センサSHで検出した後輪位置での車高dHrから車体CBの傾斜角、すなわちピッチ角Pθを演算するピッチ角演算部11と、演算したピッチ角Pθに基づいて前記ヘッドランプHLのランプ光軸LAの上下方向の偏向角を演算し、前記レベリングアクチュエータ2を制御するためのレベリング制御信号を出力するレベリング制御信号出力部12を備えている。さらに、前記ピッチ角演算部11は、検出した車高を図3に示した制御チャートに適用してピッチ角を算出するピッチ角算出部111と、このピッチ角の算出に際しての基準となる閾値を設定する閾値設定部112と、検出した車高に基づいて閾値設定部112に設定する閾値を変更制御する閾値制御部113とを備えている。
ここで、図3に示した制御チャートについて詳細に説明する。制御チャートは後輪RWにおける車高dHrと車体のピッチ角Pθとの相関を示すものであり、前記車高センサSHで検出した車高dHrを制御チャートに定義された第1制御線CL1と第2制御線CL2に適用することでピッチ角を得るものであることは前述した通りである。第1制御線CL1と第2制御線CL2は、実際の自動車における複数の異なる積載態様(ケース1〜6)におけるピッチ角の測定結果に基づいて定義されたものである。ここでは、ケース1は運転者が1人乗車した場合、ケース2は前席に2人乗車した場合、ケース3は運転者と後席に2人または3人乗車した場合、ケース4は定員乗車した場合、ケース5は定員が乗車して後部トランクに荷物を積載した場合、ケース6はケース5の荷物を後部トランクに規定一杯に積載した場合である。また、ここでは各ケースは乗員の体重や荷物の重量の違いにより生じるばらつきに対応して制御チャート上ではそれぞれ所要の範囲で示している。そして、第1制御線CL1はケース1を通りケース2に近接する直線ラインとして定義され、第2制御線CL2は車高dHrがほぼ−20mmの位置において第1制御線CL1に連結し、ケース6を通り、ケース3〜5に近接する直線ラインとして定義されている。また、前記制御チャートには閾値変更領域THCが設定されており、ここではケース6を含む第2制御線CL2のほぼ全域を閾値変更領域THCとして設定している。
前記ピッチ角演算部11を詳細に説明する。前記ピッチ角算出部111は、検出された車高dHrを図3の制御チャートに適用することでピッチ角Pθnを算出する一方、前回の演算で得られたピッチ角Pθfとのピッチ角差ΔPθを算出し、このピッチ角差ΔPθを閾値設定部112に設定されている閾値THと比較する。そして、ピッチ角差ΔPθが閾値THよりも小さいときには前回のピッチ角Pθf、すなわち前回偏向制御したときのピッチ角をそのまま保持し、当該ピッチ角差ΔPθが閾値以上であるときに今回算出したピッチ角Pθnを出力するように構成されている。前記閾値設定部112は第1の閾値TH1と、これよりも値の大きな第2の閾値TH2を設定することが可能に構成されている。前記閾値変更部113は検出した車高dHrが前記制御チャートにおける閾値変更領域THC内の車高であるか否かを判定し、閾値変更領域THCに存在していないときには閾値設定部112において第1の閾値TH1を設定し、閾値変更領域THCに存在しているときには第2の閾値TH2を設定するように動作する。
このオートレベリング装置におけるレベリング制御動作の概略を図4のフローチャートを参照して説明する。自動車CARが停車しているときに自動車の乗員数の変化や積載荷物の変化等によって車体CBが傾斜すると後輪RWにおける車高が変化し、車高センサSHは車高dHrを検出する(S11)。車体ピッチ角演算部11は、検出した車高dHrに基づいてピッチ角Pθnを演算する(S12)。このピッチ角Pθnの演算処理においては、先ずピッチ角算出部111は検出した車高dHrを制御チャートに適用することで一義的にピッチ角Pθnを算出する(S21)。そして算出したピッチ角Pθnと前回算出して記憶しているピッチ角Pθfとの差ΔPθを算出する(S22)。また、これと並行して閾値変更部113は検出した車高dHrが制御チャートの閾値変更領域THCに存在しているか否かを判定する(S26)。車高dHrが閾値変更領域THCに存在していないときには閾値設定部112に閾値THとして第1の閾値TH1を設定する(S27)。一方車高dHrが閾値変更領域THCに存在しているときには閾値設定部112に閾値THとして第2の閾値TH2を設定する(S28)。その上で、ピッチ角算出部111はステップS22で算出したピッチ角差ΔPθを閾値設定部112に設定されている閾値THと比較し、ピッチ角差ΔPθが閾値THよりも小さいときには前回のピッチ角Pθfをそのまま保持するため、レベリング制御は行わない。当該ピッチ角差ΔPθが閾値TH以上であるときには今回算出したピッチ角Pθnをピッチ角として出力する(S25)。
レベリング制御信号出力部12は、ピッチ角演算部11から出力されるピッチ角Pθに基づいてヘッドランプHLのランプ光軸LAの上下方向の偏向角を演算し、これをレベリング制御信号として前記レベリングアクチュエータ2に出力する(S13)。これによりレベリングアクチュエータ2はレベリング制御信号に基づいてブラケット24を傾動してプロジェタク型ランプ23のランプ光軸LAを上下方向に偏向するレベリング制御を実行する(S14)。
前記制御チャートでは、第1制御線CL1に比較して第2制御線CL2の傾き角度が大角度に定義されている。そのため、同じ車高dHrの変化でも第2制御線CL2による制御は第1制御線CL1による制御よりもピッチ角Pθの変化は大きくなっている。すなわち図3を参照して説明したように、車高Aから車高Bに変化する場合と車高Cから車高Dに変化した場合とでは、同じ車高変化量(=5mm)でも、前者のピッチ角差ΔPθは0.02であり、後者のピッチ角差ΔPθは0.1となる。そのため、閾値設定部112に設定する閾値THを一定の0.01とした場合には、ピッチ角演算部11で演算して出力されるピッチ角Pθは前者と後者のいずれも今回演算した演算値が出力されることになり、前者では0.12となり後者では0.90となる。
このように、いずれの場合も今回演算されたピッチ角でレベリング制御が行われることになるため第2制御線CL2によるレベリング制御では、ランプ光軸LAが適正角度よりも大きく下方に向けられてしまうという問題が生じる。この点については前述しているが、これを詳しく説明する。第2制御線CL2が適用される車高領域にはケース3〜5が存在しているが、これらケース3〜5は車高に対する実際のピッチ角と、第2制御線CL2を適用して演算されるピッチ角の誤差は大きなものとなっている。すなわち、制御チャートにおいてケース3〜5と第2制御線CL2との縦軸方向のずれ量が大きくなっている。これは、自動車の前部が最も上方に向けられるケース6の場合でもヘッドランプHLのランプ光軸LAが上方を向いて他車を眩惑することがないように第2制御線CL2を定義しているためである。そのため、例えば、ケース4に相当する車高Cから車高Dに変化した場合、実際にはピッチ角は0.60から0.70に変化しているのにもかかわらず、ピッチ角演算部11で演算されるピッチ角は前述したように0.80から0.90に変化したものが採用され、このピッチ角が出力されることになる。そのため、実際のピッチ角の0.70に対して0.20だけ大きなピッチ角Pθとして演算されてしまい、このピッチ角Pθに基づいて前述したレベリング制御を行うとヘッドランプLのランプ光軸LAは鉛直下方に大きな角度で偏向されてしまい、その結果自動車の遠前方に向けて照射される光量が低減され、自車の前方の視認性が低下してしまうことになる。
このような問題に対し、実施形態1のピッチ角演算部11の動作について図4を再度参照して具体例で説明すると、例えば、ケース4の場合、図3の車高C(=−50mm)から車高D(−55mm)に車高が減少したとすると、ピッチ角算出部111は検出した車高Dを第2制御線CL2に適用してピッチ角Pθnとして0.90を算出する(S21)。次いで、前回算出した車高Cのときのピッチ角Pθfの0.80との差を計算し、ピッチ角差ΔPθとして0.10を算出する(S22)。一方、閾値変更部113は検出した車高Dが閾値変更領域THC、ここではほぼ車高−20mmからほぼ−70mmの範囲に入っているか否かを判定する(S27)。この場合では車高Dは閾値変更領域THCに入っているので閾値設定部112の閾値THを第2閾値TH2に設定する(S28)。
ここで、図5は実施形態1における閾値THを説明する図である。図5(a)は図3の制御チャートであり、この制御チャートの横軸の車高dHrに沿って第1閾値TH1と第2閾値TH2を設定している。図5(b)のように、閾値変更領域THCの領域では第2閾値TH2として0.15に設定し、それ以外の領域を第1閾値TH1として0.01に設定している。したがって、ステップS28においては、閾値設定部112の閾値は0.15に設定される。
次いで、ピッチ角算出部111は算出したピッチ角差ΔPθの0.10を第2閾値TH2の0.15と比較する(S23)。従来では閾値が一定、例えば第1閾値TH1の0.01であったためピッチ角差ΔPθは閾値THよりも大きくなり、出力するピッチ角は今回演算されたピッチ角Pθnの0.90であったが、閾値THが第2閾値TH2の0.15と大きな値に設定変更されたため、ピッチ角差ΔPθは第2閾値TH2よりも小さくなり、出力するピッチ角は前回のピッチ角Pθfの0.80のままである。この結果、従来では実際のピッチ角の0.70に対して0.20だけ大きなピッチ角として出力されてレベリング制御されていたものが、ここでは出力されるピッチ角は0.80のままで変化されないためレベリング制御は行われず、ヘッドランプHLのランプ光軸LAは実際のピッチ角よりも0.1だけ大きなピッチ角でのレベリング制御に保持されてランプ光軸LAは従来よりも鉛直下方に偏向されることはなく、自動車の遠前方に向けて照射される光量が低減されず、自車の前方の視認性が改善されることになる。
なお、図3において車高Aから車高Bに変化した場合には、第1制御線CL1を適用してピッチ角は0.10から0.12に変化し、ピッチ角差ΔPθは0.01となる。この場合には、車高Bは閾値変更領域THCに存在していないため、図4では閾値変更部113は閾値設定部112に閾値THとして第1閾値TH1を設定することになる(S26,S27)。第1閾値TH1は0.01であるので、ピッチ角差ΔPθは閾値THよりも大きく、したがってピッチ角演算部11からはピッチ角Pθとして今回演算されたピッチ角Pθnの0.12が出力される。しかし、この車高での第1制御線CL1はケース2に近い領域を通っており、ケース2では実際にはピッチ角は0.09から0.11に変化しているのに過ぎないため、出力される0.12は実際のピッチ角の0.11との差が僅かであり、ヘッドランプHLのランプ光軸LAが下方にレベリング制御されても自動車の前方の視認性が極端に低下されることはない。
以上の具体例の説明はケース4ないしその近傍におけるピッチ角の演算について説明しているが、ケース3あるいはケース5ないしその近傍におけるピッチ角の演算はもとより、閾値変更領域THC内におけるピッチ角の演算であれば同様にして行われるものである。また、実施形態1では第2制御線CL2のほぼ全域を閾値変更領域THCとして設定した例を示しているが、第2制御線CL2との実際のピッチ角の誤差が相対的に大きなケース5、あるいはケース4,5を含む領域についてのみ閾値変更領域THCとして設定するようにしてもよい。
(実施形態2)
実施形態1では、第2制御線CL2の領域においては、車高が減少方向に変化して自動車の前部が上方に傾斜して行く場合と、その反対に車高が増加方向に変化して自動車の前部が下方に傾斜して行く場合のいずれの場合でも閾値設定部112の閾値THを第2閾値TH2に設定している。そのため、車高が増加して自動車の前部が下方に傾斜して行く場合にもヘッドランプHLのランプ光軸LAを鉛直上方に向けて偏向する際の偏向角度が抑制されることになり、自車の遠前方領域の視認性が低下するおそれがある。実施形態2ではこのことを解消したものであり、図示は省略するが、図2に示した実施形態1の閾値変更部113には車高変化方向、すなわち車高が減少したか、あるいは増加したかを検出する機能を備えさせている。これは車高センサSHから出力される車高dHrの変化を監視するように構成することで容易に実現できる。
図6は実施形態2のレベリング制御のフローのうち、ピッチ角演算ステップS12のフローを示している。なお、図4と同一符号は同一工程である。図3を再度参照すると、例えば、車高Cから車高Dに変化して車高が減少する場合は図4に示した実施形態1のステップS21〜S29で説明した動作と同じである。一方、これとは反対に車高Dから車高Cに変化して車高が増加する場合でも基本的な動作は同じであり、ピッチ角算出部111は検出した車高Cを第2制御線CL2に適用してピッチ角Pθnとして0.80を算出する(S21)。次いで、前回算出した車高Dのときのピッチ角Pθfの0.90との差を算出し、ピッチ角差ΔPθの0.10を算出する(S22)。次いで、閾値変更部113は検出した車高Cが閾値変更領域THCに入っているか否かを判定する(S26)。閾値変更領域THCに入っていないと判定したときには、閾値設定部112の閾値として第1閾値TH1に設定する(S27)。ここでは0.01に設定する。
一方、閾値変更領域THCに入っていると判定したときには、実施形態1とは異なる動作をする。すなわち、閾値変更部112は車高dHrの変化から車高が増加したか減少したかを判定する(S30)。車高が減少しているときには自動車の後輪部が下方に移動して自動車の前部が上方に傾斜している状態であり、増加しているときには自動車の前部が下方に傾斜している状態である。そして、車高が減少しているときには閾値設定部112の閾値THとして、大きな値の閾値、ここでは第2閾値TH2の0.15に設定する(S28)。また、増加しているときには閾値THとして第2閾値TH2よりも小さな値の第3閾値TH3の0.05に設定する(S29)。
すなわち、この実施形態2では図5(c)に示すように、制御チャートの閾値変更領域THCでは、車高が減少するときには実施形態1と同様に第2閾値TH2に設定するが、車高が増加するときには第2閾値TH2よりも小さい第3閾値TH3に設定する。なお、第3閾値TH3は第2閾値TH2よりも小さい閾値であれば、例えば、第1閾値TH1に設定するようにしてもよい。
そして、ピッチ角算出部111は算出したピッチ角差ΔPθの0.10を第3閾値TH3の0.05と比較し(S23)、ピッチ角差は第3閾値TH3よりも大きいので出力するピッチ角は今回演算したピッチ角Pθnの0.80となる(S25)。したがって、出力されたピッチ角に基づいて行われるレベリング制御ではヘッドランプのランプ光軸が上方に向けて偏向されることになり、自動車の遠前方に向けて照射される光量が増加され、自車の前方の視認性が改善される。このように車高が増加する際の第3閾値TH3を車高が減少する際の第2閾値TH2よりも小さく設定することにより、車高が増加するときには減少するときよりも少ない車高変化で出力するピッチ角を変化させることになるので、車高の減少に対してランプ光軸のレベリング制御を迅速に対応させることが可能になる。すなわち、自動車の前部が下方に向けて傾斜されるときにヘッドランプのランプ光軸を迅速に上方に向けて変更制御させることが可能になり、自車の前方の視認性を高めることが可能になる。車高が減少する際には閾値を大きくしてランプ光軸が下方に偏向制御されにくくし、前方の視認性を確保することは実施形態1と同じである。
実施形態1,2では、制御チャートの制御線が第1制御線CL1と第2制御線CL2の2つの制御線で構成されている例を示しているが、第3制御線ないしそれ以上の制御線が定義される制御チャートでのレベリング制御においても本発明を同様に適用することができる。この場合には、制御チャート上における各制御線の特性傾きの違いに応じてそれぞれ異なる3つ以上の閾値を選択あるいは切り替えて設定するように構成してもよい。これは実施形態2においても同様である。
実施形態1,2における説明では、車高センサで検出した車高の値をそのまま制御チャートに適用してピッチ角を算出しているが、実際には所定時間の間に複数回の車高の検出を行い、これら複数の検出値を平均した値を車高として制御チャートに適用してピッチ角を算出するようにしてもよい。すなわち、実際の自動車においては、自動車の車室内における座席位置を前後に変化させるシートポジションの変更、シートバックの傾きを変化させたときの乗員の姿勢変化等によって車高が変化する場合があるが、平均値をとることでこれらの要因による車高の変化を解消し、正確なピッチ角を演算して適正なレベリング制御を実現することができる。
あるいは、車高センサを左右の後輪のそれぞれに配設し、これら車高センサの各検出値を平均した値を車高として制御チャートに適用してもよい。これは、自動車が停車している路面での凹凸等の要因により自動車が左右方向に傾斜している場合でも自動車のピッチ角を正確に演算し、適正なレベリング制御を実現することが可能になる。また、車高センサを前輪の一方、あるいは左右両方に備え、これら車高センサで検出した車高からピッチ角を演算するオートレベリング装置として構成してもよい。
本発明は車高センサを利用して車両のピッチ角を演算し、得られたピッチ角に基づいてヘッドランプの光軸を鉛直上下方向に制御する構成のオートレベリング装置について採用することが可能である。
1 レベリングECU
2 レベリングアクチュエータ
11 ピッチ角演算部
12 レベリング制御信号出力部
111 ピッチ角算出部
112 閾値設定部
113 閾値変更部
SH 車高センサ
HL ヘッドランプ
LA ランプ光軸
CAR 自動車
CB 車体
RW 後輪
CL1 第1制御線
CL2 第2制御線
THC 閾値変更領域
TH 閾値

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  1. 車両の少なくとも前方を照明するヘッドランプと、当該車両の前輪又は後輪位置における車高を検出する車高センサと、前記車高センサの検出出力に基づいて前記ヘッドランプのランプ光軸を上下に偏向制御するレベリング制御手段とを備え、前記レベリング制御手段は前記車高センサの検出出力に基づいて当該車両のピッチ角を演算して出力する手段と、演算されたピッチ角に基づいて前記ランプ光軸を偏向制御する手段とを備え、前記ピッチ角を演算する手段は、検出した車高から得られるピッチ角と前回ランプ光軸を偏向制御したときのピッチ角とのピッチ角差を算出し、このピッチ角差が設定された閾値以上のときには検出したピッチ角を出力するピッチ角算出手段と、前記検出した車高の変化に対応して前記閾値を変更する閾値変更手段を備え、当該閾値変更手段は、車高が所定の車高領域にあるときに前記閾値を変更することを特徴とする車両用ヘッドランプのオートレベリング装置。
  2. 前記閾値変更手段は、車高が増加するときと減少するときとで閾値を変更することを特徴とする請求項1に記載の車両用ヘッドランプのオートレベリング装置。
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