JP5388322B2 - 燃料棒の健全性判定方法と判定手段 - Google Patents

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Description

本発明は燃料棒の健全性判定方法と判定手段に関し、特に加圧水型原子炉において第2回目以降の運転サイクルで燃やす高燃焼度燃料または混合酸化物燃料を使用した燃料棒の健全性判定方法と判定手段に関する。
軽水炉の運転は、化石燃料を使用するボイラや内燃機関と比較したとき、以下の様な特徴がある。
一旦運転が開始されれば、1年以上継続する当該運転サイクル中に停止することは困難である。
運転中に炉内の燃料を取出したり、交換したりすることは、不可能である。
運転に伴い、核分裂により生じた各種の物質が炉内に蓄積されていき、蓄積の如何が炉内の反応度と各燃料棒の反応度に大きな影響を与えるだけでなく、燃料棒の被覆管の耐食性等に悪影響を与える。
炉内の位置により中性子密度が相違する(中心部ほど密度が高くなる)ため、反応度が、ひいては各燃料棒の燃焼(厳密には「核分裂」であり、化石燃料の「燃焼」とは相違するが、慣行として「燃焼」を使用する。「燃やす」についても、同様である)度や発熱量が炉内の位置によって相違する。
特に、放射能を有するだけでなく、燃焼に伴い生じた核分裂物質が燃料棒の被覆管を腐食し、同じく核分裂物質により燃料棒の内圧が上昇し、また燃焼中は高温が作用し、冷却水流等に起因する振動等の外力も作用する等のため、燃焼の進行に伴い燃料ペレットが破損したり、さらには燃料棒の被覆管が損傷したりして、内部の放射性物質が漏洩する危険性が増大する。
これらの化石燃料との相違のため、例えば燃料棒の燃焼度については、累積燃焼度と単位時間当たりの燃焼度の両方から上限を設けている等、原子燃料に対する安全性についての要求はことのほか厳しい。
さらに、この安全性についての厳しい要求をハード面とソフト面の両方から充たすため、原子炉内への燃料の搬入そして装荷(配置)、炉外への搬出については、水平断面が正方形であり、さらに燃料棒が例えば17×17の正方行列状に配列された燃料集合体を単位としてなされるだけでなく、1サイクルの運転を通じて、場所的にも、時間的にも炉内の中性子分布が平坦であり、各燃料集合体や各燃料棒の燃焼度も一様となる様に、例えば以下に列記する様々な手段が講じられている。
炉内へ装荷される燃料を、燃料集合体を単位として3、4のバッチ(グループ)に分け、各バッチについても、炉内への搬入そして装荷、炉外への搬出等の管理を行なう。
1サイクルの運転終了毎に、古い(燃焼の進んだ)燃料集合体は炉内から取去り、新しい燃料集合体を搬入する。
新しい燃料集合体は反応度が高いため、原則として中性子密度が低い炉心の外周側に配置し、逆に古い燃料集合体は反応度が低いため、原則として中性子密度が高い炉心の中心寄りに配置する。
次の運転サイクルでも継続して燃やす燃料集合体は、炉心内の中性子分布を平坦とし、併せてその燃焼度を適切にするために、適切な位置への配置変え(シャッフリング)がなされる。この際、新しい燃料集合体を含めて、各燃料集合体の炉内での好ましいと思われる配置のパターンを経験に基づいて幾ケースか作成し、実際に各ケースについて炉心が成立するか否かは勿論のこと、その安全性や経済性をも計算し、比較評価することが行われている。
さらに、2サイクル以上、特に3サイクル以上燃やされる燃料集合体については、燃料棒の累積燃焼度が増加するため、燃料棒の内圧が一層上昇し、腐食性物質の蓄積も一層進むこととなるため、より慎重な比較評価、検討が必要となる。
そこで、各ケースの配置において、炉心や燃料棒の安全性を確保するために設定された以下に示す11項目の評価基準を充たしているか否かが確認され、充たしている場合にのみ次の運転サイクルでも継続して燃焼されることとなる(非特許文献1)。
11項目の評価基準とは、
1.反応度停止余裕
2.最大線出力密度
3.燃料集合体最高燃焼度
4.最大反応度添加率
5.F XY(最大燃料棒出力の全燃料棒の平均出力に対する比)
6.減速材温度係数
7.ドップラ係数
8.制御棒クラスタ落下時のワース
9.制御棒クラスタ落下時のF ΔH(最大出力の燃料棒に於ける線出力軸方向積分値の平均燃料棒出力に対する比)
10.制御棒クラスタ飛出事故時のワース
11.制御棒クラスタ飛出事故時のトータル出力ピーキング計数F
なお、経済性の評価は、本発明の趣旨に直接の関係がないため、説明を省略する。
近年加圧水型原子炉においては、ウラン235の濃縮度を以前より高くした高燃焼度燃料(以下、原則として「HBU燃料」と記す)やプルトニウム239を含む混合酸化物燃料(以下、原則として「MOX燃料」と記す)が用いられる様になってきている。しかし、これらの燃料を使用すれば、従来の濃縮度が比較的低いウラン235のみの燃料に比べて、燃料棒の内圧の上昇や燃料棒の被覆管の腐食等の条件が厳しくなる。さらに、これらの燃料を燃やす場合には、1サイクルの運転期間も従来の期間より長くなることが多いため、この面からも燃料棒の健全性に要求される基準が厳しくなる。
また、同じ燃料集合体であっても、各燃料棒のウランの濃縮度やプルトニウムの富化度が相違する。
また、MOX燃料はウラン燃料に比べて、核分裂で生じるヘリウム等の物質の量や種類が多少相違し、燃料ペレットもそのクリープ速度が大きく、熱伝導率や融点が低い等の物理的、機械的性質が多少相違する。
以上の他、原子炉の制御性に関係する事項、例えば毒物が反応度に寄与する程度等も多少相違してくる。
このため、HBU燃料やMOX燃料を2サイクル以上の運転サイクルで燃やす場合には、前記11項目の評価基準を充たしていることに加えて、さらに燃料棒の健全性について内圧等について所定の評価を行い、その基準値(以下、「目標値」と記す)をも充たしていることが好ましいとされている。
具体的には、例えば燃料諸元、運転圧力、冷却材の入口温度と流量、物性値、出力履歴等をインプットして、FPガスの放出量等を計算し、さらに燃料ペレットのリロケーション、熱膨張、熱変形、被覆管の応力、歪、クリープ変形、水素の吸収、腐食等を計算し、また被覆管と燃料ペレットとの相互作用等を評価し、その下で健全性を判定する(非特許文献2、同3、同4)。
このため、図4に概念的に示す様に、従来から用いられているウラン燃料を燃やす場合と比較して、HBU燃料やMOX燃料を燃やす場合には、燃料棒の健全性の評価の手順が増加する。
取替炉心検討会報告書、原子炉安全専門審査会、昭和52年5月 発電用軽水型原子炉の燃料設計手法について(原子炉安全基準専門部会報告書)、原子力安全委員会了承、昭和63年5月 発電用軽水型原子炉施設に用いられる混合酸化物燃料について(原子炉安全基準専門部会報告書)、原子力安全委員会了承、平成7年6月 NFK−8011改9「燃料棒性能解析コード(FPAC)」、原子燃料工業株式会社刊、平成17年11月
しかしながら、HBU燃料やMOX燃料を使用した燃料棒を、2サイクル以上燃やす際になされる健全性についての追加の評価は、当該運転サイクルにおける原子炉に評価対象の燃料棒を組み込んだ燃料集合体を実際に装荷するに先立って行なわれねばならない。そのため、目下N−1サイクル目を運転中とすると、次のNサイクル目は勿論のこと、さらに1サイクルあるいは2サイクル後の運転サイクル(N+1サイクル目、N+2サイクル目)における原子炉の炉心を対象にした燃料集合体の装荷パターンを幾ケースか机上で作成し(想定し)、作成したパターン毎に炉心計算を行って適切に炉心が成立することを確認し、各燃料集合体や各燃料棒の燃焼度等を求め、さらにその下で前記各要素やパラメータを評価し、健全性の有無を判定する場合がある。
これを、2サイクル燃やす燃料棒を対象とする評価を例にとって、もう少し具体的に説明する。
当該燃料棒が2サイクル目に燃やされるのは、原子炉の第N+2回目の運転サイクルであるとする。この場合、当該第N+2回目の運転サイクルは勿論のこと、それ以前の第N+1回目の運転サイクル、場合によっては第N回目の運転サイクルを対象として、当該燃料棒を組み込んだ燃料集合体やその燃料集合体と共に炉心に装荷されることとなるそれ以前の運転サイクルから炉心に装荷されている燃料集合体等を炉心のどの位置に配置するかについてのパターンを幾ケースか机上で作成し、その下で各ケースについて適切に炉心が成立するか否かを検討し、成立する場合には各燃料集合体や燃料棒について燃焼度等を計算でもとめ、もとめた燃焼度等を使用して当該燃料棒の安全性に関する各種の評価を行い、安全性の有無の判定を行う。
もう少し具体的に説明すると、1サイクル目の燃料棒出力がきまれば、当該燃料棒に対する2サイクル目の燃料棒出力の限界値が分かる。2サイクル目の燃料棒出力がこれ以下となるように2サイクル目の配置を工夫してしかも炉心特性が満足すれば、2サイクル目も問題なく運転できると判断できる。もし、2サイクル目の配置を検討して、炉心特性は満足するが、燃料棒健全性指標は限界値以下にすることができないのであれば2サイクル目の炉心は成立しないものとなるので、1サイクル目の燃料配置を工夫して当該燃料棒の出力を低下させておくなど1サイクル目の炉心にさかのぼって配置を工夫する。
指標が3サイクル燃焼を想定したものの場合においては、1サイクル目の出力で場合分けする。即ち、2サイクル用の指標が1サイクル目の出力毎に複数存在するというイメージである。このため、各1サイクル目の出力に対して2サイクル目出力がどの程度であれば3サイクル目の出力をこれ以下にすべきという限界値が設定される。
このため、この計算は、好ましい燃料集合体の配置パターンを決定すること等のためにある程度の試行錯誤が必要であり、また各配置パターンにおいても評価対象の燃料集合体(150体以上200体弱/炉心)や燃料棒(200本以上/燃料集合体)の数が多く、さらに評価に際しても複雑な計算を伴う燃料棒健全性評価コードを使用すること等のため、通常は数ケ月/炉心程度の時間がかかり、また多額のコストもかかる。
特に、各配置パターンを作成し、好ましいと思われた配置パターンを詳細に検討し、最終段階で判定結果が×となれば、初期段階からやり直す必要がある等のために多大なフィードバック作業が必要となる。
またこれらの計算は、当然原子炉の第N−1回目の運転サイクルや第N回目の運転サイクルあるいはそれら以前の運転サイクルにおける実際の測定値を加味したデータ等を使用して、原子炉の第N−1回目の運転サイクル中や第N回目の運転サイクル中あるいはそれら以前になされておくこととなる。しかし、何らかの理由で取替炉心の安全性評価を短期間で実施する必要が生じた際には、万が一評価に遅延が生じれば、原子炉停止期間の増大に伴う、高価な代替発電の必要が生じ、停止期間1日につき大きな損害が生じることとなる。このため、計算担当者にとって非常に厳しく、酷な作業となる。
これらのため、HBU燃料やMOX燃料を使用した燃料集合体あるいは燃料棒を第2回目以降の運転サイクルで燃やす際に、コストと時間をかけずに健全性を判定することが可能な方法の開発が望まれていた。
本発明は、以上の課題を解決することを目的としてなされたものであり、HBU燃料やMOX燃料を使用した燃料集合体あるいは燃料棒を第2回目以降の運転サイクルで燃やす際に、複雑な計算に換えて当該サイクル以前の運転サイクルまでの取替炉心解析等の結果得られた当該燃料棒の健全性に重要な影響、関係を持つ各種の項目(炉心計算から得られる出力履歴等)を、対応する規定値と比較する等により、健全性を判定することを可能にしたものである。以下、各請求項の発明を説明する。
請求項1に記載の発明は、
高燃焼度燃料または混合酸化物燃料を第2回目以降の運転サイクルで燃焼させるに際して、
当該サイクル以前の運転サイクルまでの取替炉心解析の結果得られた直接的な1次情報と、燃料棒健全性評価の基準として予め定められた燃料棒健全性指標とを比較することにより、燃料棒の健全性を判定することを特徴とする燃料棒の健全性判定方法である。
本請求項の発明においては、HBU燃料やMOX燃料を使用した燃料集合体あるいは燃料棒を第2回目以降、即ち第2回目または第3回目等の運転サイクルで燃やす際に、燃料棒についての健全性の判定を、複雑な計算に換えて、取替炉心解析の結果得られた情報のみと、燃料棒健全性指標とにより行うため、コストと時間をかけずに健全性を判定することが可能となる。
ここに、「取替炉心解析の結果得られた直接的な情報」とは、燃料棒の健全性指標の対象とする各種の項目について得られた情報、特に数値情報であり、例えば燃焼に晒されることによる履歴、具体的には出力履歴、晒された中性子束、累積燃焼度等、あるいはそれらを基に精々電卓を用いて計算した程度の情報であり、これらを用いてさらにCPUを使用して燃料棒内圧、被覆管腐食、熱応力、熱膨張等に関する複雑な計算を用いて得られる2次的な、あるいは間接的な情報ではないことを指す。
また、「取替炉心解析」とは、当該健全性評価の対象となっている運転サイクルにおける当該燃料棒の比燃料棒出力、最大出力、中性子束、最大中性子束等を、それ以前のサイクルにおける炉内の燃料集合体や燃料棒の各種パラメータの計算値、炉内出力やその出力分布の実測値等を使用して、当該判定の対象となっている運転サイクルにおける燃料集合体の配置のパターン毎に各種の計算(いわゆる炉心計算。即ち、炉心が成立するか否か、中性子の分布は平坦か否か、各燃料集合体の燃焼は適切か否か等の計算)がなされるがその際の解析、及びそれ以前のサイクルにおける使用の為なされた同様の解析等を指す。
また、「健全性を判定する」とは、当該項目について本指標の値と比較するのみで「健全でない」、「健全である」の何れかに断定する場合に限定されず、他の指標との関係で「健全である」、「健全でない」と判定されることもあり得ることを指す。即ち、指標の内容(指標が対象とする項目)によっては基準値を大幅に上回っておれば、健全でないと判定されるが、僅かに上回っているだけであり、他の指標ではかなり余裕がある場合等では、健全であると判定される様な場合があることを含む。
また、当該燃料棒を組み込んだ燃料集合体の配置、炉心の配置パターン等を変更すれば、燃料集合体の出力や燃料棒の比燃料棒出力等は変化するため、健全であると判定され、第2回目の運転サイクルで燃やされることもあり得る。
なお、最終的に燃料棒が健全でないと判断されれば、当該燃料棒を組み込んだ燃料集合体は燃やされないこととなる。
また、たとえ本指標を充たしていても、当該燃料棒を組み込んだ燃料集合体を装荷したときに炉心が成立しなければ、燃やされないこととなる。
請求項2に記載の発明は、前記の燃料棒の健全性判定方法であって、
前記燃料棒健全性指標は、燃料棒の出力、燃料棒中性子束の少なくとも1つに対する指標を含むことを特徴とする燃料棒の健全性判定方法である。
本請求項の発明においては、燃料棒の出力、燃料棒中性子束の少なくとも1つに対する指標を含む。これら燃料棒の出力、燃料棒中性子束は、燃料棒内の核分裂により生じた腐食性物質による被覆管の腐食、ヘリウム等による内圧の上昇による被覆管の損傷、燃料ペレットの損傷等に直結する因子(項目)であるため、これらを健全性指標に含めることにより判定の信頼性が確実になる。
請求項3に記載の発明は、前記の燃料棒の健全性判定方法であって、
前記燃料棒の出力に対する指標は、サイクル平均値、最大値、重み付け平均値の少なくとも1つに対する指標を含むことを特徴とする燃料棒の健全性判定方法である。
本請求項の発明においては、前記燃料棒の出力に対する指標は、サイクル平均値、最大値、重み付け平均値の少なくとも1つに対する指標を含むため、判定の信頼性が一層高くなる。
即ち、燃料棒の出力として、サイクル平均値、最大値、重み付け平均値が各々健全性指標の値を大きく、あるいはある程度以上超えておれば、燃料棒内の燃焼が進んでいるため、燃料ペレットや被覆管はそれだけ高熱に晒され、核分裂生成物も溜まっており、被覆管のクリープによる変形や腐食、水素の吸収、ペレットのスウェリングや焼きしまり等の機械的損傷等も進んでいるため、健全でないと判定されたりする。
「最大値」を考慮する意義であるが、燃料棒出力や燃料棒中性子束や燃焼度においては、燃料棒出力のサイクル最大値について炉心計算で得られた値と指標の値を比較する場合には、間違いなく健全性は満たされるが、サイクル毎に燃料棒出力履歴の変動が大きい場合には指標が非常に保守性の高いもの(過大な安全評価)となり、燃料装荷パターン作成の自由度を著しく奪うこととなる。一方、サイクル平均値で比較する場合には健全性は概ね大丈夫であるが、確率は低いながらも実際には健全性が満たされない場合も存在することとなる。しかし、燃料装荷パターン作成に対する自由度は大きくなるので、経済性の高い配置を決定することができる。従って、実際は、これらの事項を考慮して炉心設計を行い、燃料棒の健全性を評価することとなる。
ここに、重み付けとは、健全性を満足できない危険度を考慮したものであり、重み付け平均値を用いるのは、ある運転サイクルにおける各指標のサイクル平均値等が同じであっても、健全性指標の内容(対象とする項目)によっては当該サイクルの前半における値が後半における値より大きく健全性に影響する場合もある。また、健全性指標の内容によっては、逆に当該サイクルの後半における値が前半における値より大きく健全性に影響する場合もある。
何れにしろ、燃料棒は厳しい使用環境に晒され、クリープ、腐食、水素の吸収等が大きく進行した後半のサイクルに、熱や腐食環境に晒された結果損傷する危険性がある。
このため、重み付け平均値を考慮して、炉心設計で得られた燃料棒出力の平均値と指標を比較する場合のリスクを低減させることにしたものである。
このため、項目によっては、サイクルの前半と後半で、あるいはそれ以前の運転サイクルで重み付けを行い、具体的には例えば3サイクル燃やす燃料では第1回目のサイクルと第2回目のサイクルで第2回目のサイクルを第1回目のサイクルより重要視する重み付けを行い、健全性に対する判定の信頼性を高める様にした。
請求項4の発明は、前記の燃料棒の健全性判定方法であって、
前記燃料棒中性子束に対する指標は、サイクル平均値、最大値、重み付け平均値の少なくとも1つに対する指標を含むことを特徴とする燃料棒の健全性判定方法である。
本請求項の発明においては、前記燃料棒中性子束に対する指標は、燃料の燃焼、中性子照射による被覆管、燃料ペレットの損傷等に大きな影響を与えるサイクル平均値、最大値、重み付け平均値の少なくとも1つに対する指標を含むため、これらが判定に反映されることとなり、判定の信頼性が一層高くなる。
なお、重み付けの意義は、請求項3の発明と同様である。
請求項5の発明は、前記の燃料棒の健全性判定方法であって、
前記燃料棒健全性指標は、燃料棒の燃焼度に関する指標を含むことを特徴とする燃料棒の健全性判定方法である。
HBU燃料やMOX燃料を使用した燃料集合体あるいは燃料棒を第2回目以降の運転サイクルで燃やす際に問題となるのは、燃焼度が高くなることである。このため、本請求項の発明においては、前記燃料棒健全性指標は、燃料棒の燃焼度に関するものを含み、具体的には例えば累積燃焼度を含み、これにより燃料棒の燃焼度が、例えば累積燃焼度が許容値以上となることが防止され、判定の信頼性が一層確実となる。
請求項6の発明は、前記の燃料棒の健全性判定方法であって、
前記燃料棒健全性指標は、燃料の仕様を考慮された指標であることを特徴とする燃料棒の健全性判定方法である。
HBU燃料やMOX燃料を燃やす場合には、燃料集合体の位置、例えば外周部、によって燃料棒の濃縮度や富化度を変えている。また、毒物(可燃性毒物としてのガドリニア)を含む燃料棒の濃縮度や富化度は、他の燃料棒より低くしている。また、HBU燃料やMOX燃料は、通常の燃料に比べて物性値が変化する。特にMOX燃料は通常の燃料に比べて融点、熱伝導率等の物性値が多少低下する。これらのため、本請求項の発明においては、第2回目以降の運転サイクルにおける燃料棒健全性指標は、燃料の仕様を考慮した指標としている。即ち、指標の内容を、ウランの濃縮度、プルトニウムの富化度等に応じて変更し、健全性指標を用いた判定の信頼性の一層の向上を図っている。
また、毒物(可燃性毒物としてのガドリニア等)を含む燃料棒の濃縮度や富化度は、他の燃料棒より低くしているのが原則である。このため、燃料棒の健全性の判定に用いる前記各指標の値を、毒物(ガドリニア等)の含有率に応じて変更するため、判定の信頼性が一層向上する。
請求項7の発明は、
高燃焼度燃料または混合酸化物燃料を第2回目以降の運転サイクルで燃焼させる際に、請求項1ないし請求項6のいずれかに記載の燃料棒の健全性判定方法に基づいて健全性を判定するためのプログラムであって、
前記燃料棒健全性指標の値を記憶する記憶手段
前記取替炉心解析の結果得られた直接的な1次情報が入力される入力手段
前記入力手段にて入力された情報と前記記憶している燃料棒健全性指標の値とを比較して、燃料棒の健全性を判定し出力する出力手段としてコンピュータを機能させることを特徴とする燃料棒の健全性を判定するためのプログラムである。
本請求項の発明においては、高燃焼度燃料または混合酸化物燃料を第2回目以降の運転サイクルで燃焼させるに際して、本請求項の発明のプログラムを内蔵するパソコン等に、燃料棒の健全性に関係する各種の項目について、燃焼に晒された履歴を入力すれば、プログラムが予め記憶している燃料棒健全性指標の値と比較して、燃料棒の健全性を判定することとなる。
請求項8の発明は、
高燃焼度燃料または混合酸化物燃料を第2回目以降の運転サイクルで燃焼させる際に、請求項1ないし請求項6のいずれかに記載の燃料棒の健全性判定方法に基づいて健全性を判定する手段であって、
前記燃料棒健全性指標の値を記憶する記憶手段と、
前記取替炉心解析の結果得られた直接的な1次情報が入力される入力手段と、
前記入力手段にて入力された情報と前記記憶している燃料棒健全性指標の値とを比較して、燃料棒の健全性を判定し出力する出力手段とを有していることを特徴とする燃料棒の健全性判定手段である。
本請求項の発明においては、請求項7の発明を行うプログラムを内蔵したCPUやさらにかかるCPUに装着するメモリ等の物、さらにかかるプログラム等を用いて請求項7の発明を行う方法のいずれをも含む。
本請求項の発明の健全性判定手段により、複雑な計算を行うことなく、燃料棒の健全性が判定されることとなる。
本発明においては、HBU燃料やMOX燃料を使用した燃料集合体あるいは燃料棒を第2回目以降の運転サイクルで燃やす際に、コストと時間をかけずに健全性を判定することが可能となる。
以下、本発明をその最良の実施の形態に基づいて説明する。なお、本発明は、以下の実施の形態に限定されるものではない。本発明と同一および均等の範囲内において、以下の実施の形態に対して種々の変更を加えることが可能である。
(出力を基にした健全性判定方法)
第1回目と第2回目の運転サイクルにおける燃料棒の出力を基に、第2回目の運転サイクルにおける健全性の有無を判定するものである。本判定方法は、燃焼すればするほど、燃料棒の内圧が上昇し、被覆管腐食度が増加してくることを考慮したものである。
本実施の形態の健全性判定方法を、図1を参照しつつ説明する。図1は、本実施の形態の健全性判定方法の判定基準を示す図であり、第1回目の運転サイクルにおける燃料棒の出力(100%炉出力時の全燃料棒出力の平均を1.0とした場合の比燃料棒出力)を横(X)軸、第2回目のサイクル運転における燃料棒の出力(1サイクルの平均値)を縦(Y)軸とする直交座標系に、横軸上の出力と縦軸上の出力が所定値である点を通過する1/4円弧(中心は、出力0の原点)を描いたものである。
そして、判定対象の燃料棒の第1回目の運転サイクルにおける出力と第2回目の運転サイクルにおける出力から定まる点を図1にプロットしたときに、当該プロットした点が横軸と縦軸と円弧で囲まれた範囲、以下この範囲を健全範囲と呼ぶ、内にあれば、第2回目の運転サイクルにおける健全性が、本第1回目と第2回目の運転サイクルにおける燃料棒の出力を基に定めた評価方法の目標値を満たしていると判定する。
以下、本実施の形態の判定方法における評価例を、図2を参照しつつ説明する。判定対象の燃料棒は、MOX燃料を含む燃料棒であり、燃料集合体に17×17の行列状に配列されている。なお、一部の燃料棒に換えてシンブル管が組み込まれているが、これは本発明の趣旨に直接の関係がないので、説明は省略する。
燃料集合体が装荷されるPWRは、ループ数は3であり、装荷される燃料集合体は157体であり、1運転サイクルの期間は13.5ヶ月である。
図2は、このPWRの1/4炉心図に、判定対象の燃料棒を組み込んだ燃料集合体が、第1回目と第2回目の運転サイクルで、炉内でどの位置に配置されるのかを示す図である。
図2の0は炉の中心であり、各升目は装荷される燃料集合体の升目に対応し、各升目位置には図では横方向にAからH、縦方向には8から15の座標を示してある。また、1Aは第1回目の運転サイクルで燃料棒Aを装荷した位置であり、2Aは第2回目の運転サイクルで燃料棒Aを装荷する位置であり、2’Aは第2回目の運転サイクルで燃料棒Aを比較のために仮想的に装荷する位置である。同じく、1Bは第1回目の運転サイクルで燃料棒Bを装荷した位置であり、2Bは第2回目の運転サイクルで燃料棒Bを装荷する位置であり、2’Bは第2回目の運転サイクルで燃料棒Bを比較のために仮想的に装荷する位置である。
これらの場合の、燃料棒Aと同Bの出力を、図1上にプロットした様子を、図3に示す。図3において、AとBの矢印で示す2個の○印は、各々燃料棒Aと同Bを、第2回目の運転サイクルで2Aと2Bに示す位置に装荷した場合をプロットしたものである。また、AとBの矢印で示す2個の×印は、各々燃料棒Aと同Bを、第2回目の運転サイクルで2’Aと2’Bに示す位置に装荷した場合をプロットしたものである。
図3に示す様に、第2回目の運転サイクルで、燃料棒AとBを各々炉心の外周の2Aと2Bの位置に装荷した場合には出力が健全範囲内に入っているが、中性子密度が高い炉心の内部側の2’Aと2’Bの位置に装荷した場合には、出力が高くなるため共に出力が健全範囲内に入っていないのが判る。
燃料棒Aと同Bについて、各々2Aの位置と2Bの位置に装荷した後第2回目のサイクル運転で燃やす場合の健全性が、背景技術欄で説明した目標値を充たしているか否かを評価した。その結果、充たしていることが判明した。
同じく、燃料棒Aと同Bについて、各々2’Aの位置と2’Bの位置に装荷した後第2回目の運転サイクルで燃やす場合の健全性が、背景技術欄で説明した目標値を充たしているか否かを評価した。その結果、充たしていないことが判明した。
以上の結果、第1回目と第2回目の運転サイクルにおける燃料棒の出力から定まる点を図1にプロットしたときに、当該プロットした点が安全範囲に入っているか否かで健全性の目標値を充たしているか否かを判定する方法は、信頼性がおけることが判明した。
なお、第3回目の運転における健全性を判定する場合には、1サイクル目の出力毎に場合分けされた2回目の燃料棒出力をx軸、3回目の燃料棒出力をy軸とする円弧で判定することとなる。
(最大値の考慮)
本実施の形態の健全性判定方法は、第1回目の運転サイクルと第2回目の運転サイクルの運転における出力だけでなく、両方のサイクルにおける出力の最大値が、平均値に対して所定の範囲以下であるか否かを評価するものである。即ち、1運転サイクルの出力の平均値が同じであっても、最大出力が大きければ燃料被覆管は短時間といえども高温に晒され、腐食環境も厳しくなること、運転中の出力変動が大きければ平均出力だけで健全性を判断することは完全ではないと思われることを考慮したものである。
このため、第1回目の運転サイクルにおける燃料棒の最大出力を一方の軸、第2回目の運転サイクルにおける燃料棒の最大出力を他方の軸とする直交座標系に、評価対象の燃料棒の第1回目の運転サイクルの最大出力と第2回目の運転サイクルの最大出力から定まる点をプロットしたときに、当該プロットした点が、第1回目の運転サイクルにおける最大出力と第2回目の運転サイクルにおける最大出力が共に所定値である点を通過する1/4円弧と前記一方の軸と前記他方の軸に囲まれた範囲内にあれば、健全性に対する目標値を充たしていると判定する様にしたものである。
本実施の形態の健全性判定方法は、充分信頼性がおけるだけでなく、余裕を持って安全側に判定することが出来ることが判明した。
(重み付け平均値の考慮)
本実施の形態の健全性判定方法は、第1サイクルと第2サイクルの運転における出力だけでなく、サイクル前半と後半の運転における出力に重み付けを行なって、健全性を評価するものである。即ち、サイクル前半と後半では、出力等が同じであっても前半は影響する時間が長くなること、後半は被覆管等がかなり劣化しかけていること等のために、項目によっては一方が他方より厳しく作用するため、重み付けを行なうものである。本実施の形態の健全性判定方法は、前記平均値を基に健全性を判定する方法に比べて、より信頼性の高い判定方法であることが判明した。
(中性子束を基にした健全性判定方法)
本実施の形態の健全性判定方法は、第1回目と第2回目の運転サイクルにおいて燃料棒が晒された中性子束を基に、第2回目の運転サイクルにおける健全性を評価するものである。中性子束は、特に炉心平均中性子束は、燃料棒出力と相関があること、その他燃料棒被覆管を構成する物質と核反応したり衝突したりすることにより被覆管の腐食や割れを進行させることを考慮したものである。
このため、図1と同様に、第1回目の運転サイクルにおいて燃料棒が晒される中性子束の強度を横軸、第2回目の運転サイクルにおいて燃料棒が晒される中性子束の強度(1サイクルの平均値)を縦軸とする直交座標系に、横軸上の強度と縦軸上の強度が所定の値である点を通過する1/4円弧を描く。
そして、評価対象の燃料棒の第1回目と第2回目の運転サイクルにおける中性子束の強度から定まる点を図1と同様にプロットしたときに、当該プロットした点が横軸と縦軸と前記1/4円弧で囲まれた範囲、以下この範囲を健全範囲と呼ぶ、内にあれば、第2回目の運転サイクルにおける健全性が、本第1回目と第2回目の運転サイクルにおける燃料棒が晒される中性子束の強度を基に定めた評価方法の目標値を満たしていると判定する。
本実施の形態の健全性判定方法でも、充分信頼性がおけることが判明した。
(最大値の考慮)
本実施の形態の健全性判定方法は、第1サイクルと第2サイクルの運転において燃料棒が晒される中性子束の平均値だけでなく、中性子束の最大値が所定値以下であるか否かを判定の対象とするものである。即ち、1サイクル当たりの運転中の中性子束の平均値が同じであっても、最大値が大きければ燃料棒の最大燃焼度が大きくなること、このため燃料被覆管はダメージを受けやすいことを考慮したものである。
このため、図1と同様に、第1回目の運転サイクルにおいて燃料棒が晒される中性子束の最大強度を横軸、第2回目の運転サイクルにおいて燃料棒が晒される中性子束の最大強度を縦軸とする直交座標系に、横軸上の強度と縦軸上の強度が所定値である点を通過する1/4円弧を描く。
そして、評価対象の燃料棒の第1回目と第2回目の運転サイクルにおける燃料棒がさらされる最大中性子束から定まる点を図1と同様にプロットしたときに、当該プロットした点が横軸と縦軸と前記1/4円弧で囲まれた範囲、以下この範囲を健全範囲と呼ぶ、内にあれば、第3回目の運転サイクルにおける健全性が、本第1回目と第2回目の運転サイクルにおける燃料棒が晒される最大中性子束の強度を基に定めた評価方法の目標値を満たしていると判定する。
本実施の形態の健全性判定方法は、充分信頼性がおけるだけでなく、余裕をもって安全側に判定することが出来ることが判明した。
(重み付け平均値の考慮)
本実施の形態の健全性判定方法は、第1サイクルと第2サイクルの運転中における燃料棒が晒される中性子束の平均値だけでなく、サイクルの運転中における燃料棒が晒される中性子束に重み付けを行なって、健全性を評価するものである。即ち、第1サイクルの運転は第2サイクルの運転に比べて、またサイクル前半と後半では、燃料棒が晒される中性子束の平均値が同じであっても、健全性に対する影響が相違することを考慮したものである。
本実施の形態の健全性判定方法は、前記中性子束の平均値を基に健全性を判定する方法に比べて、より信頼性の高い判定方法であることが判明した。
(燃焼度を基にした健全性判定方法)
本実施の形態の健全性判定方法は、第1回目と第2回目の運転サイクルまでの燃料棒の累積燃焼度で健全性が目標値を充たしているか否かを判定するものである。即ち、HBU燃料、MOX燃料に限らず、原子炉で燃やされる燃料には、燃料の核分裂に伴う燃料棒内部の圧力上昇、核分裂で発生した物質による燃料棒被覆管の腐食、炉内に装荷中に晒される中性子束と温度の他に、燃料ペレットとの機械的接触、支持格子(支持グリッド)との機械的接触等の、理論と運転経験から考えられるあらゆる損傷原因を考慮して、予め最大許容燃焼度が定められている。従って、3度のサイクル運転で燃やしても、当該運転終了時の累積燃焼度がこの最大許容燃焼度に対して所定の余裕があれば、あるいは、第2回目までのサイクル運転での累積燃焼度が最大許容燃焼度に所定の余裕があれば、燃料棒の健全性の目標値は充分であると判定する。
本実施の形態の健全性判定方法でも、充分信頼性がおけることが判明した。
(燃料の仕様を考慮した健全性判定方法)
本実施の形態の健全性判定方法は、ウランの濃縮度やプルトニウムの富化度、ガドリニア等の可燃性毒物の組成と含有量、被覆管等を含む燃料棒や燃料ペレットの材質や重量や密度等の燃料仕様によって健全性が目標値を充たしているか否かの指標が相違するため、それを考慮して判定に利用するものである。
即ち、HBU燃料とMOX燃料のいずれであるかにより、核分裂により生じる腐食性物質が相違し、燃料棒内部の圧力上昇が相違する。
また、可燃性毒物の種類により、中性子を吸収することにより発生する物質が相違し、さらに中性子束の分布も相違してくる。
材質や重量により、核分裂性物質そのものの量や、ペレットの熱伝導率や強度が相違してくる。
このような理由により、燃料の仕様によって健全性指標が相違する。さらには、被覆管の材質によっても健全性指標が相違する。
これらのため、燃料の健全性のより一層正確な判定あるいは健全性を充たしつつ可能な限り限界に近い使用を可能とする、即ち経済的な燃料の使用が可能となる評価を行うために、燃料の仕様を無視した安全側の指標を用いた評価を行うのではなく、実際に近い指標を評価に反映させるものである。
本判定方法によれば、判定の信頼性をより一層高くできることが判明した。
第1回目と第2回目の運転サイクルにおける燃料棒の出力の健全範囲を示す図である。 前記図1の信頼性を確認するために行なった、実施例と比較例における燃料棒の第1回目と第2回目の炉内の装荷位置を示す図である。 実施例と比較例における燃料棒の出力を、図1にプロットした図である。 従来のウラン燃料と比較して、HBU燃料及びMOX燃料の燃料棒健全性評価の手順が増加する様子を概念的に示す図である。

Claims (8)

  1. 高燃焼度燃料または混合酸化物燃料を第2回目以降の運転サイクルで燃焼させるに際して、
    当該サイクル以前の運転サイクルまでの取替炉心解析の結果得られた直接的な1次情報と、燃料棒健全性評価の基準として予め定められた燃料棒健全性指標とを比較することにより、燃料棒の健全性を判定することを特徴とする燃料棒の健全性判定方法。
  2. 前記燃料棒健全性指標は、燃料棒の出力、燃料棒中性子束の少なくとも1つに対する指標を含むことを特徴とする請求項1に記載の燃料棒の健全性判定方法。
  3. 前記燃料棒の出力に対する指標は、サイクル平均値、最大値、重み付け平均値の少なくとも1つに対する指標を含むことを特徴とする請求項2に記載の燃料棒の健全性判定方法。
  4. 前記燃料棒中性子束に対する指標は、サイクル平均値、最大値、重み付け平均値の少なくとも1つに対する指標を含むことを特徴とする請求項2または請求項3に記載の燃料棒の健全性判定方法。
  5. 前記燃料棒健全性指標は、燃料棒の燃焼度に関する指標を含むことを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の燃料棒の健全性判定方法。
  6. 前記燃料棒健全性指標は、燃料の仕様を考慮された指標であることを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれかに記載の燃料棒の健全性判定方法。
  7. 高燃焼度燃料または混合酸化物燃料を第2回目以降の運転サイクルで燃焼させる際に、請求項1ないし請求項6のいずれかに記載の燃料棒の健全性判定方法に基づいて健全性を判定するためのプログラムであって、
    前記燃料棒健全性指標の値を記憶する記憶手段
    前記取替炉心解析の結果得られた直接的な1次情報が入力される入力手段
    前記入力手段にて入力された情報と前記記憶している燃料棒健全性指標の値とを比較して、燃料棒の健全性を判定し出力する出力手段としてコンピュータを機能させることを特徴とする燃料棒の健全性を判定するためのプログラム。
  8. 高燃焼度燃料または混合酸化物燃料を第2回目以降の運転サイクルで燃焼させる際に、請求項1ないし請求項6のいずれかに記載の燃料棒の健全性判定方法に基づいて健全性を判定する手段であって、
    前記燃料棒健全性指標の値を記憶する記憶手段と、
    前記取替炉心解析の結果得られた直接的な1次情報が入力される入力手段と、
    前記入力手段にて入力された情報と前記記憶している燃料棒健全性指標の値とを比較して、燃料棒の健全性を判定し出力する出力手段とを有していることを特徴とする燃料棒の健全性判定手段。
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