JP5387491B2 - 金属板の面歪みの評価方法、金属板の面歪みの評価値演算装置及びプログラム - Google Patents

金属板の面歪みの評価方法、金属板の面歪みの評価値演算装置及びプログラム Download PDF

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Description

本発明は、金属板の面歪みを評価する金属板の面歪みの評価方法、金属板の面歪みの評価値演算装置及びプログラムに関する。
プレス成形・塗装後の自動車用外板や塗装された建築用壁面パネル等、その表面が鏡面又は半鏡面をなす工業製品は、表面に「面歪み」と呼ばれる波打ち状の歪みがあると、その歪み量が微小であっても、表面に写る背景像が大きくゆがんで見えることにより、外観を著しく損なって品質上大きなダメージとなる。
数100mm〜数mのサイズの対象表面上の10μm〜100μm程度の凹凸を、レーザー変位計に代表される距離計を用いて定量的に形状計測することは難しいとされていた。そこで、光学的な視点から、対象表面上に写る背景のストライプパターン等の鏡像が面歪みによって歪んで見える現象を利用して、その歪みの程度から面歪みを評価する手法が知られている。
例えば特許文献1には、鏡面塗装パネルの表面に縞状画像を投影し、その縞状画像を直接目視によって評価する鏡面塗装パネルの歪み測定方法及びその測定装置が開示されている。
また、例えば特許文献2には、鏡面乃至半鏡面の測定対象表面に写った明暗パタンが面歪によって歪む現象を利用し、測定対象表面上に写った複数の明暗パタンの鏡像を撮影手段を用いて撮影し、撮影した画像を利用して面歪量を演算する面歪の測定装置及び方法が開示されている。
特開平11−153420号公報 特開2008−224341号公報
しかしながら、特許文献1に開示されている手法は、定性的な面歪み観察手法であり、面歪みの定量化に至っていない。
また、特許文献2に記載されている手法は、光学的手段を用いて面歪量を定量的に評価しているが、光学装置の構成が複雑になり投資効率上の問題がある。それに加え、光学的な計測値から間接的に面歪を評価することになるので、面歪の評価精度が、光学計測から実際の歪量に変換する精度に依存するという問題があった。
本発明は、上記のような点に鑑みてなされたものであり、評価対象の金属板の面歪みを直接的、定量的に評価できるようにすることを目的とする。
本発明の金属板の面歪みの評価方法は、金属板の面歪みを評価する金属板の面歪みの評価方法であって、測定装置により評価対象の金属板の表面形状を測定し、前記測定装置による計測値に基づく直交格子点上の値を用いて、下式(1)によりガウス曲率を計算し
Figure 0005387491
注目格子点上のガウス曲率の計算値をその周囲の格子点上のガウス曲率の計算値を用いてフィルタリングする手順を更に有し、前記フィルタリングされたガウス曲率の計算値に基づいて、前記金属板の面歪みを評価することを特徴とする。
本発明の金属板の面歪みの評価方法は、金属板の面歪みを評価する金属板の面歪みの評価方法であって、測定装置により評価対象の金属板の表面形状を測定し、前記測定装置による計測値に基づく直交格子点上の値を用いて、最大主曲率の方向を計算して、金属板の面歪みを評価することを特徴とする。
ここで、最大主曲率とは、曲率の絶対値が最も大きくなる方向の、曲率の絶対値をいう。
また、本発明の金属板の面歪みの評価方法の他の特徴とするところは、前記測定装置は前記評価対象の金属板の表面を二次元に走査して計測値を取得する点にある。又は、計算対象として有限要素法に基づく成形解析及び除荷解析後の形状データの計算値を用いることもできる。
また、本発明の金属板の面歪みの評価方法の他の特徴とするところは、前記測定装置による計測値又は有限要素法に基づく計算値を直交格子状に補間する手順を有する点にある。
本発明の金属板の面歪みの評価値演算装置は、金属板の面歪みを評価するための評価値を求める金属板の面歪みの評価値演算装置であって、測定装置により取得された評価対象の金属板の表面形状の計測値又は有限要素法に基づく成形解析及び除荷解析後の形状データの計算値を入力し、前記入力された値に基づく直交格子点上の値を用いて、下式(1)によりガウス曲率を計算する構成及び、
Figure 0005387491
注目格子点上のガウス曲率の計算値をその周囲の格子点上のガウス曲率の計算値を用いてフィルタリングする構成を更に有し、
前記フィルタリングされたガウス曲率の計算値に基づいて、前記金属板の面歪みを評価することを特徴とする。
本発明の金属板の面歪みの評価値演算装置は、金属板の面歪みを評価するための評価値を求める金属板の面歪みの評価値演算装置であって、測定装置により取得された評価対象の金属板の表面形状の計測値又は有限要素法に基づく成形解析及び除荷解析後の形状データの計算値を入力し、前記入力された値に基づく直交格子点上の値を用いて、最大主曲率の方向を計算する構成にしたことを特徴とする。
本発明の別のプログラムは、金属板の面歪みを評価するための評価値を求めるためのプログラムであって、測定装置により取得された評価対象の金属板の表面形状の計測値又は有限要素法に基づく成形解析及び除荷解析後の形状データの計算値を入力し、前記入力された計測値に基づく直交格子点上の値を用いて、下式(1)によりガウス曲率を計算する処理をコンピュータに実行させ
Figure 0005387491
注目格子点上のガウス曲率の計算値をその周囲の格子点上のガウス曲率の計算値を用いてフィルタリングする処理を更にコンピュータに実行させ、
前記フィルタリングされたガウス曲率の計算値に基づいて、最大主曲率の方向を計算する処理をコンピュータに実行させる。
本発明のプログラムは、金属板の面歪みを評価するための評価値を求めるためのプログラムであって、測定装置により取得された評価対象の金属板の表面形状の計測値又は有限要素法に基づく成形解析及び除荷解析後の形状データの計算値を入力し、前記入力された計測値に基づく直交格子点上の値を用いて、最大主曲率の方向を計算する処理をコンピュータに実行させる。
本発明によれば、評価対象の金属板の表面形状を測定し、直交格子点上の値を用いてガウス曲率又は最大主曲率方向を計算することにより、金属板の面歪みを直接的、定量的に評価することができる。
第1の実施形態に係る金属板の面歪みの評価値演算装置の機能構成を示す図である。 ガウス曲率の符号により識別される形状差異を説明するための図である。 評価対象の金属板及びその表面形状の測定方法を説明するための図である。 補間の概要を説明するための図である。 補間の概要を説明するための図である。 フィルタリングの概要を説明するための図である。 フィルタリングに用いられる重み係数の一例を示す図である。 第1の実施形態の手法で計算したガウス曲率のコンター図である。 第1の実施形態の手法で計算したガウス曲率のコンター図である。 検査範囲を説明するための図である。 第1の実施形態の手法で計算したガウス曲率の絶対値の総和と熟練工による面歪みの官能評価順位との関係を示す特性図である。 第1の実施形態の手法で有限要素法に基づく成形解析及び除荷解析後の形状データを対象として計算したガウス曲率の絶対値の総和と熟練工による面歪みの官能評価順位との関係を示す特性図である。 第2の実施形態に係る金属板の面歪みの評価値演算装置の機能構成を示す図である。 第2の実施形態の手法で計算した最大主曲率方向の変化の絶対値と熟練工による面歪みの官能評価順位との関係を示す特性図である。 第2の実施形態の手法で有限要素法に基づく成形解析及び除荷解析後の形状データを対象として計算した最大主曲率方向の変化の絶対値と熟練工による面歪みの官能評価順位との関係を示す特性図である。
以下、添付図面を参照して、本発明の好適な実施形態について説明する。
(第1の実施形態)
本発明の第1の実施形態は、評価対象の金属板の表面形状を測定し、ガウス曲率を計算して、金属板の面歪みを評価しようとするものである。ガウス曲率Kは下式(1)で計算することができ、ガウス曲率Kの符号により、図2(a)、(b)、(c)に示すように、楕円型(K>0)、放物型(K=0)、双曲型(K<0)に分けられ、形状差異を識別することができる。
Figure 0005387491
図1は、本発明を適用した第1の実施形態に係る金属板の面歪みの評価値演算装置の機能構成を示す図である。本実施形態では、図3に示すように、ドアハンドル用のエンボス部(凹部)1aが形成された自動車ドアパネル(鋼板)を評価対象の金属板1とする。このような金属板1では、特にエンボス部1aの周囲に面歪みが生じる傾向がある。
101は入力部であり、測定装置200により取得された金属板1の表面形状の計測値を入力する。測定装置200は接触式三次元形状測定装置を想定しているが、レーザー光等による非接触式三次元形状測定装置を使用してもよい。測定装置200は、金属板1の表面を二次元に走査して計測値を取得する。具体的には、図3の矢印に示すように、一つのv方向位置においてu方向の一定のピッチごとに金属板1の表面形状を測定し、これをv方向位置をずらしながら繰り返す。
102は補間部であり、測定装置200による計測値を直交格子状に補間する。式(1)によりガウス曲率を計算するには、図4(d)に示すように、u−v軸の二次元表面上で形状データが直交格子点上に並んでいる必要がある。しかしながら、実際は測定装置200の位置精度上、直交格子点からのずれが生じる場合がある。例えば図4(b)には、u方向の計測位置が直交格子点からずれている様子を示す。そこで、図4(c)、図5に示すように、計測位置間を直線補間し、直交格子点上にすべての形状データが並ぶように補間する。図4(c)において、点線が直交格子点の位置、グレーの○が実際の計測値、●が補間計算値を示す。
103はガウス曲率計算部であり、直交格子点上の値、すなわち測定装置200による計測値が直交格子点上にあればその計測値、測定装置200による計測値が直交格子点上になければ補間計算値を用いて、式(1)によりガウス曲率を計算する。式(1)´は、座標点(ui,uj)にあるガウス曲率K(i,j)〜(例えばK〜の表記は、Kの上に〜が付されているものとする)を計算する式であり、f〜は直交格子点上の値(測定装置200による計測値が直交格子点上にあればその計測値、測定装置200による計測値が直交格子点上になければ補間計算値)である。
Figure 0005387491
104はフィルタ部であり、図6に示すように、注目格子点(i,j)上のガウス曲率の計算値K(i,j)〜をその周囲の格子点上のガウス曲率の計算値を用いてフィルタリングする。図6に示すように、破線で囲った9点の計算格子に着目し、その中央点(注目格子点)に対し、図7に示すような重み設定を用いて、下式(2)により、中央点のガウス曲率の計算値を補正する。この補正をフィルタリングと呼び、ノイズの影響を低減させることができる。
Figure 0005387491
105は出力部であり、フィルタ部104によりフィルタリングされたガウス曲率の計算値を、金属板の面歪みを評価するための評価値として出力する。例えば、後述するように、金属板1の各部でのガウス曲率の計算値をコンター図で表わして不図示のディスプレイに画像出力する。
図2(a)、(c)に示したように、ガウス曲率が0より大きいか、0より小さいとき、金属板1の表面に凹凸が形成されていると考えられる。したがって、例えば金属板1の表面の一部を検査領域とし、その検査領域においてガウス曲率の絶対値の総和が大きければ、面歪みが発生していると評価することができる。本実施形態では、出力部105により出力される結果に基づいて人が面歪みを評価することを想定しているが、例えば所定の閾値を予め用意しておき、検査領域においてガウス曲率の絶対値の総和が閾値を超えている場合、その検査領域において面歪みが発生していると自動的に評価するような機能を持たせるようにしてもよい。
図8(a)、(b)に、本実施形態の手法で計算したガウス曲率のコンター図を示す。図8(a)は熟練工による官能検査で合格した鋼板のコンター図を、図8(b)は不合格となった鋼板のコンター図を示す。図8は、本来はガウス曲率が負に大きくなると赤色(図中の−8.6×10-7方向)、正に大きくなると黄色(図中の1.0×10-6方向)で表されており、その中間(橙色)であれば面歪みがない結果となる。なお、エンボス部は解析対象外としている。
図8(a)、(b)を比較すると、不合格の鋼板では、エンボス部の周囲のガウス曲率の絶対値が大きくなっていることが判る。また、官能検査で熟練工が指摘した面歪み発生箇所とも一致する。これらの結果より、本発明を適用して計算したガウス曲率が、面歪みの評価の有効な技術指標になっていることを示している。
図9(a)〜(f)は、本実施形態の手法で計算した6種類の鋼板のガウス曲率のコンター図を示す。鋼板(1)のみが熟練工による官能検査で合格した鋼板であり、鋼板(2)〜鋼板(6)は不合格となった鋼板である。なお、鋼板(1)が図8(a)に示した鋼板、鋼板(6)が図8(b)に示した鋼板である。エンボス部の周囲のガウス曲率の大きさを、合格品の鋼板(1)と不合格品の鋼板(2)〜鋼板(6)とで比較すると、鋼板(1)のガウス曲率が鋼板(2)〜鋼板(6)のガウス曲率と比較して明らかに小さな値を示すことが判る。
図11には、図10に示すエンボス部の上側及び下側の検査領域でのガウス曲率の絶対値の総和を計算し、熟練工による面歪みの官能評価順位との対応関係を調査した結果を示す。図11(a)がエンボス部の上側の検査領域での結果を、図11(b)がエンボス部の下側の検査領域での結果を示す。図11(a)、(b)の横軸がガウス曲率の絶対値の総和を、縦軸が官能評価順位(1〜8の数値で表し、1が合格、2以上が不合格)である。ガウス曲率の絶対値の総和が大きくなると、官能評価順位も悪くなる傾向が見られ、両者の間に良好な対応関係があることが判る。
また、本実施形態と同じ形状で有限要素法解析モデルを作成し、実施形態で用いた6種の鋼板から得た応力−ひずみ関係を入力し、実施形態と同一条件での成形解析及びスプリングバック解析(除荷解析)を行った。有限要素法の解析は市販の動的陽解法ソフトウェアPAMSTAMPを用いて実施した。図12には、スプリングバック計算結果について図10に示すエンボス部の上側及び下側の検査領域でのガウス曲率の絶対値の総和を計算し、熟練工による面歪みの官能評価順位との対応関係を調査した結果を示す。図12(a)がエンボス部の上側の検査領域での結果を、図12(b)がエンボス部の下側の検査領域での結果を示す。図12(a)、(b)の横軸がガウス曲率の絶対値の総和を、縦軸が官能評価順位(1〜8の数値で表し、1が合格、2以上が不合格)である。図11の横軸に比べガウス曲率の絶対値は少し異なるが、ガウス曲率の絶対値の総和が大きくなると、官能評価順位も悪くなる傾向が見られ、両者の間に良好な対応関係があることが判る。
(第2の実施形態)
以下、本発明の第2の実施形態について説明する。ここでも図3に示したドアハンドル用のエンボス部(凹部)1aが形成された自動車ドアパネル(鋼板)を評価対象の金属板1とする。
図13は、本発明を適用した第2の実施形態に係る金属板の面歪みの評価値演算装置の機能構成を示す図である。101は入力部であり、測定装置200により取得された金属板1の表面形状の計測値を入力する。測定装置200は接触式三次元形状測定装置を想定しているが、レーザー光等による非接触式三次元形状測定装置を使用してもよい。測定装置200は、金属板1の表面を二次元に走査して計測値を取得する。具体的には、図3の矢印に示すように、一つのv方向位置においてu方向の一定のピッチごとに金属板1の表面形状を測定し、これをv方向位置をずらしながら繰り返す。
102は補間部であり、測定装置200による計測値を直交格子状に補間する。各評価点で正確に最大主曲率の方向を計算するには、図4(d)に示すように、u−v軸の二次元表面上で形状データが直交格子点上に並んでいる必要がある。しかしながら、実際は測定装置200の位置精度上、直交格子点からのずれが生じる場合がある。例えば図4(b)には、u方向の計測位置が直交格子点からずれている様子を示す。そこで、図4(c)、図5に示すように、計測位置間を直線補間し、直交格子点上にすべての形状データが並ぶように補間する。図4(c)において、点線が直交格子点の位置、グレーの○が実際の計測値、●が補間計算値を示す。
106は最大主曲率方向計算部であり、直交格子点上の値、すなわち測定装置200による計測値が直交格子点上にあればその計測値、測定装置200による計測値が直交格子点上になければ補間計算値を用いて、最大主曲率の方向θを計算する。最大主曲率の方向は図3に示したu−v平面において基準u軸からの角度θで数値化する。
104はフィルタ部であり、図6に示すように、注目格子点(i,j)上の最大主曲率方向の計算値θをその周囲の格子点上の最大主曲率方向の計算値を用いてフィルタリングする。図6に示すように、破線で囲った9点の計算格子に着目し、その中央点(注目格子点)に対し、図7に示すような重み設定を用いて、上式(2)により、中央点の最大主曲率方向の計算値を補正する。この補正をフィルタリングと呼び、ノイズの影響を低減させることができる。
105は出力部であり、フィルタ部104によりフィルタリングされた最大主曲率方向の計算値を、金属板の面歪みを評価するための評価値として出力する。例えば、金属板1の各部での最大主曲率の計算値をコンター図で表わしてディスプレイに画像出力する。
本来自動車のドアパネル等の外表面は平面ではなく、もともと意図された設計上の曲率を有する。しかしながら、その曲率は曲率半径で数千から数万mm程度の緩やかな曲率であり、曲率方向の変化はほとんどないか、あっても非常に小さい。したがって、最大主曲率方向を評価し、その変化が大きい場合は表面に凹凸が形成されていると考えられる。例えば金属板1の表面の一部断面を検査断面とし、その検査断面において最大主曲率方向の変化の絶対値が大きければ、面歪みが発生していると評価することができる。本実施形態では、出力部105により出力される結果に基づいて人が面歪みを評価することを想定しているが、例えば所定の閾値を予め用意しておき、検査断面において最大主曲率方向の変化の絶対値が閾値を超えている場合、その検査断面において面歪みが発生していると自動的に評価するような機能を持たせるようにしてもよい。
図14には、図10に示すエンボス部のv=35の断面(上側)及びv=−35の断面(下側)の検査領域での最大主曲率方向の変化の絶対値を計算し、熟練工による面歪みの官能評価順位との対応関係を調査した結果を示す。図14(a)がエンボス部の上側の検査領域での結果を、図14(b)がエンボス部の下側の検査領域での結果を示す。図14(a)、(b)の横軸が最大主曲率方向の変化の絶対値を、縦軸が官能評価順位(1〜8の数値で表し、1が合格、2以上が不合格)である。最大主曲率方向の変化の絶対値が大きくなると、官能評価順位も悪くなる傾向が見られ、両者の間に良好な対応関係があることが判る。
また、本実施形態と同じ形状で有限要素法解析モデルを作成し、実施形態で用いた6種の鋼板から得た応力−ひずみ関係を入力し、実施形態と同一条件での成形解析及びスプリングバック解析(除荷解析)を行った。有限要素法の解析は市販の動的陽解法ソフトウェアPAMSTAMPを用いて実施した。図15には、スプリングバック計算結果について図10に示すエンボス部のv=35の断面(上側)及びv=−35の断面(下側)の検査領域での最大主曲率方向の変化の絶対値を計算し、熟練工による面歪みの官能評価順位との対応関係を調査した結果を示す。図15(a)がエンボス部の上側の検査領域での結果を、図12(b)がエンボス部の下側の検査領域での結果を示す。図15(a)、(b)の横軸が最大主曲率方向の変化の絶対値を、縦軸が官能評価順位(1〜8の数値で表し、1が合格、2以上が不合格)である。図14の横軸に比べ最大主曲率方向の変化の絶対値は少し異なるが、最大主曲率方向の変化の絶対値が大きくなると、官能評価順位も悪くなる傾向が見られ、両者の間に良好な対応関係があることが判る。
以上述べたように、本発明を適用した手法により、100mm〜数mのサイズの対象表面上の10μm〜100μm程度の凹凸の発生位置及び程度を定量的に評価することができる。これにより、プレス加工に供する素材金属板の加工性の評価、プレス成形用金型の劣化状況の評価、製品金属板の検査等を精度良く行うことができ、製品金属板の歩留まり向上、品質の向上に寄与する。
なお、本発明の金属板の面歪みの評価値演算装置は、複数の機器から構成されるシステムに適用しても、一つの機器からなる装置に適用してもよい。
また、本発明の目的は、上述した機能を実現するコンピュータプログラムをシステム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(CPU若しくはMPU)が実行することによっても達成され、この場合、コンピュータプログラム自体が本発明を構成することになる。以上、本発明を種々の実施形態と共に説明したが、本発明はこれらの実施形態にのみ限定されるものではなく、本発明の範囲内で変更等が可能である。
101 入力部
102 補間部
103 ガウス曲率計算部
104 フィルタ部
105 出力部
106 最大主曲率方向計算部
200 測定装置

Claims (10)

  1. 金属板の面歪みを評価する金属板の面歪みの評価方法であって、
    測定装置により評価対象の金属板の表面形状を測定し、前記測定装置による計測値に基づく直交格子点上の値を用いて、下式(1)によりガウス曲率を計算し
    Figure 0005387491
    注目格子点上のガウス曲率の計算値をその周囲の格子点上のガウス曲率の計算値を用いてフィルタリングする手順を更に有し、
    前記フィルタリングされたガウス曲率の計算値に基づいて、前記金属板の面歪みを評価することを特徴とする金属板の面歪みの評価方法。
  2. 金属板の面歪みを評価する金属板の面歪みの評価方法であって、
    測定装置により評価対象の金属板の表面形状を測定し、前記測定装置による計測値に基づく直交格子点上の値を用いて、最大主曲率の方向を計算して、金属板の面歪みを評価することを特徴とする金属板の面歪みの評価方法。
  3. 前記測定装置は前記評価対象の金属板の表面を二次元に走査して計測値を取得することを特徴とする請求項1又は2に記載の金属板の面歪みの評価方法。
  4. 前記直交格子点上の値が有限要素法に基づく成形解析及び除荷解析後の形状データの計算値を用いることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の金属板の面歪みの評価方法。
  5. 前記測定装置による計測値を直交格子状に補間する手順を有することを特徴とする請求項3又は4に記載の金属板の面歪みの評価方法。
  6. 注目格子点上の最大主曲率の計算値をその周囲の格子点上の最大主曲率の計算値を用いてフィルタリングする手順を更に有し、
    前記フィルタリングされた最大主曲率の計算値に基づいて、前記金属板の面歪みを評価することを特徴とする請求項に記載の金属板の面歪みの評価方法。
  7. 金属板の面歪みを評価するための評価値を求める金属板の面歪みの評価値演算装置であって、
    測定装置により取得された評価対象の金属板の表面形状の計測値又は有限要素法に基づく成形解析及び除荷解析後の形状データの計算値を入力し、前記入力された値に基づく直交格子点上の値を用いて、下式(1)によりガウス曲率を計算する構成及び、
    Figure 0005387491
    注目格子点上のガウス曲率の計算値をその周囲の格子点上のガウス曲率の計算値を用いてフィルタリングする構成を更に有し、
    前記フィルタリングされたガウス曲率の計算値に基づいて、前記金属板の面歪みを評価することを特徴とする金属板の面歪みの評価値演算装置。
  8. 金属板の面歪みを評価するための評価値を求める金属板の面歪みの評価値演算装置であって、
    測定装置により取得された評価対象の金属板の表面形状の計測値又は有限要素法に基づく成形解析及び除荷解析後の形状データの計算値を入力し、前記入力された値に基づく直交格子点上の値を用いて、最大主曲率の方向を計算する構成にしたことを特徴とする金属板の面歪みの評価値演算装置。
  9. 金属板の面歪みを評価するための評価値を求めるためのプログラムであって、
    測定装置により取得された評価対象の金属板の表面形状の計測値又は有限要素法に基づく成形解析及び除荷解析後の形状データの計算値を入力し、前記入力された計測値に基づく直交格子点上の値を用いて、下式(1)によりガウス曲率を計算する処理をコンピュータに実行させ
    Figure 0005387491
    注目格子点上のガウス曲率の計算値をその周囲の格子点上のガウス曲率の計算値を用いてフィルタリングする処理を更にコンピュータに実行させ、
    前記フィルタリングされたガウス曲率の計算値に基づいて、最大主曲率の方向を計算する処理をコンピュータに実行させるためのプログラム。
  10. 金属板の面歪みを評価するための評価値を求めるためのプログラムであって、
    測定装置により取得された評価対象の金属板の表面形状の計測値又は有限要素法に基づく成形解析及び除荷解析後の形状データの計算値を入力し、前記入力された計測値に基づく直交格子点上の値を用いて、最大主曲率の方向を計算する処理をコンピュータに実行させるためのプログラム。
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