JP5387066B2 - 高炉の炉内ガス流分布推定方法、高炉の炉内ガス流分布推定装置及び高炉の炉内ガス流分布推定プログラム - Google Patents
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本発明の目的は、上記事実を考慮し、炉頂部内の炉内ガスの流量を直接測定することなく、炉頂部内の炉内ガスのガス温度、高炉内の原料高さ及び炉内ガスの総ガス流量の測定値に基づいて、炉頂部内を流れる炉内ガスのガス流分布を推定できる高炉の炉内ガス流分布推定方法、高炉の炉内ガス流分布推定装置及び高炉の炉内ガス流分布推定プログラムを提供することにある。
図1には、本発明の実施形態に係る高炉の炉内ガス流分布推定方法(以下、単に「ガス流分布推定方法」)が適用される高炉設備が示されている。この高炉設備10は全体として円筒状に形成された高炉本体12を備えている。高炉本体12内には、装入原料Mを構成する鉄鉱石Ore、コークスCoke等が積層状態で装入されており、この装入原料の上表面より上側の部分が炉頂部14とされている。炉頂部14の上端には炉口16が開口している。
操業中の高炉設備10では、集合ホッパ18内の鉄鉱石やコークス等の装入原料Mが旋回シュート20を通して高炉本体12内に間欠的に装入される。また高炉本体12では、羽口(図示省略)から吹き込まれた高温の空気がコークスCoke等との反応により還元性の炉内ガスとなり、装入原料M間の隙間を通って炉頂部14内へ流入し、炉頂部14から高炉本体12の外部へ排出される。このようなプロセスにおいて、高温の炉内ガスは、装入原料Mとの間で熱交換を行なうため、装入原料Mが高炉本体12内へ装入されると、その直後から熱交換の影響により炉頂部14内を流れる炉内ガス及び装入原料の温度がそれぞれ変化(下降及び上昇)する。
図3(A)の新たな装入原料MNWが装入される直前の状態では、前回の装入原料MOLが炉内ガスGにより十分に昇温され略均熱状態になりつつある。これにより、炉頂部14内を流れる炉内ガスのガス温度が定常状態(平衡温度)に近づきつつある状態になる。図3(B)の新たな装入原料が装入された直後の状態では、略常温の装入原料MNWが前回の装入原料MOL上に積層された結果、炉内ガスGから装入原料MNWへ熱が移動することにより、図3(A)の状態と比較し、炉頂部14内を流れる炉内ガスGのガス温度が急峻に低下する。
図4のグラフには、装入原料及び炉内ガスが図3(A)の状態から図3(C)の状態に移行する際の炉内ガス及び装入原料の温度推移が示されている。この図4を参照しつつ、本実施形態のガス流分布推定方法の基本原理を説明する。
Vg:単位面積当たりの炉内ガス質量流量(kg/m2・sec)
Cg:ガス比熱(J/kg・K)
Cs:固体比熱(J/kg・K)
Tg1:サンプリング時刻t1におけるガス温度TGM(K)
Tg2:サンプリング時刻t2におけるガス温度TGM(K)
ΔTg1:サンプリング時刻t1におけるガス温度TGTとガス温度TGLとの温度差(K)
ΔTg2:サンプリング時刻t2におけるガス温度TGTとガス温度TGLとの温度差(K)
Ts1:サンプリング時刻t1における今回の装入原料Mの温度(K)
Ts2:サンプリング時刻t2における今回の装入原料Mの温度(K)
h:伝熱係数(J/m2・sec・K)
a:装入原料Mの単位容積当りの粒子表面積(m2/m3)
ΔZ:今回の装入原料Mの層高さ(m)
S:炉頂部の断面積(m2)
ρ:装入原料Mの密度(kg/m3)
ΔS:微小面積(m2)
ΔtINT:微小時間(sec)
Δt:サンプリング時間(sec)=t2-t1とする。
このように求められた、haを(4)式に代入して、温度センサ281〜286(ガス測定点)におけるガス流量を求める。これによって、炉頂部14内における炉内ガスの流量分布を算出する。実際の演算においては、炉頂部14の装入原料Mのレベル高さの全領域において上記計算を可能とするため、次の(a)〜(g)の仮定を設ける。
(b)炉頂ゾンデ22の温度センサ281〜286の特性(時定数)はすべて同一とする。
(c)装入原料Mが装入された後の装入原料Mの温度上昇は向流伝熱による温度上昇のみとする。
(d)装入原料Mの蒸発潜熱は考慮しない。
(e)同一のタイミング(チャージ)で装入される装入原料Mは、粒径、かさ密度、比熱は同一である。すなわち、計算の対象期間においては、装入原料Mの粒径、かさ密度、比熱は変化しない。
(f)装入原料Mの高さ計測後の装入原料Mの流れ込み等の移動は考慮しない。
(g)装入原料Mにおける半径方向に沿った伝導伝熱は考慮しない。
ステップS102にて、ガス流分布推定部44は原料装入信号の入力を判断すると、ステップS102にて、ループカウント数Kに“1”を設定すると共に、原料装入信号の入力時を基準として所定時刻としてサンプリング時刻t1を設定する。
また、ガス流分布推定部44は、ステップS112にて、ループカウント数Kが“2”であるか否かを判断し、ループカウント数Kが“2”ではない場合(K=1である場合)、ステップS114にて、ループカウント数Kに“1”を加算すると共に、ステップS102で設定されたサンプリング時刻をt1からt2に変更した後、制御ルーチンをステップS104にリターンする。この場合、ガス流分布推定部44は、サンプリング時刻t2についてステップS104〜ステップS108の処理を再度実行することにより、サンプリング時刻t2における、ガス測定点毎のガス温度TGM、ガス測定点にそれぞれ対応する高さ測定点毎の原料高さRMM及び総ガス流量GTLを取り込み、これらのデータをサンプリング時刻t2に対応付けて内部メモリに一時記憶する。
しかし、次回の装入原料Mの装入までの期間中に、2回以上に亘ってガス流分布推定処理を実行することも可能であり、その場合には、前回のサンプリング時刻t2を新しいサンプリング時刻t1とすると共に、新しいサンプリング時刻t2を再設定することにより、2回目以降のガス流分布推定処理を実行する。これにより、今回の装入原料Mの装入から、次回の装入原料Mまでの期間中における、サンプリング周期Δt毎のガス流分布の推移を把握することが可能になる。
また本実施形態では、炉頂部14内を流れる総ガス流量GTLを炉内ガス用ダストキャッチャ(図示省略)の出口側に配置されたガス流量計32により測定していたが、総ガス流量GTLは、炉口16から排出される炉内ガスを構成する各成分の比率を測定することによっても算出することができる。この場合には、総ガス流量GTLは、下記(6)式により求めることができる。
a:装入原料M中の炭素量(kg/ton)
b:石灰石中の炭素量(kg/ton)
C:装入原料M及び石灰石以外の装入物に含まれる炭素量(kg/ton)
f:銑鉄中に入ることで消費される炭素量(kg/ton)
g:ガス灰中に逃げる炭素量(kg/ton)
j:炉内ガスに含まれるCO2(wt%)
k:炉内ガスに含まれるCO(wt%)
l:炉内ガスに含まれるCH4(wt%)である。
12 高炉本体
14 炉頂部
16 炉口
18 集合ホッパ
20 旋回シュート
22 炉頂ゾンデ
24E 東端部
25W 西端部
26S 南端部
27N 北端部
28 温度センサ
30 プロフィール計
32 ガス流量計
34 ガス流分布推定装置
36 ガス温度測定部
38 原料高さ測定部
40 ガス流量測定部
42 データ入出力部
44 ガス流分布推定部
G 炉内ガス
GTL 総ガス流量
M、MNW、MOL 装入原料
t1、t2 サンプリング時刻
Claims (3)
- 高炉の炉頂部内を流れる炉内ガスのガス温度を、該炉頂部の半径方向に沿ってそれぞれ異なる複数のガス測定点にて測定するガス温度測定ステップと、
高炉内における前記ガス測定点に対応する高さ測定点における装入原料の原料高さを測定する原料高さ測定ステップと、
前記炉頂部内を流れる炉内ガスの総ガス流量を測定する炉内ガス流量測定ステップと、
前記ガス温度測定ステップ、前記原料高さ測定ステップ及び前記炉内ガス流量測定ステップを、高炉内への原料装入後かつ次回原料装入前における2以上のサンプリング時刻にそれぞれ実行し、これら2以上の前記サンプリング時刻に測定された複数の前記ガス温度及び前記原料高さ並びに前記総ガス流量に基づいて、複数の前記ガス測定点を流れる前記炉内ガスのガス流分布を推定するガス流量分布推定ステップと、
を有することを特徴とする高炉の炉内ガス流分布推定方法。 - 高炉の炉頂部内を流れる炉内ガスのガス温度を、該炉頂部の半径方向に沿ってそれぞれ異なる複数のガス測定点にて測定するガス温度測定手段と、
高炉内における前記ガス測定点に対応する高さ測定点における装入原料の原料高さを測定する原料高さ測定手段と、
前記炉頂部内を流れる炉内ガスの総ガス流量を測定する炉内ガス流量測定手段と、
前記ガス温度測定手段による前記ガス温度の測定、前記原料高さ測定手段による前記原料高さの測定及び前記炉内ガス流量測定手段による前記総ガス流量の測定を、高炉内への原料装入後かつ次回原料装入前における2以上のサンプリング時刻にそれぞれ実行し、これら2以上の前記サンプリング時刻に測定された複数の前記ガス温度及び前記原料高さ並びに前記総ガス流量に基づいて、複数の前記ガス測定点を流れる前記炉内ガスのガス流分布を推定するガス流量分布推定手段と、
を有することを特徴とする高炉の炉内ガス流分布推定装置。 - 高炉の炉頂部内を流れる炉内ガスのガス温度を、該炉頂部の半径方向に沿ってそれぞれ異なる複数のガス測定点にて測定するガス温度測定ステップと、
高炉内における前記ガス測定点に対応する高さ測定点における装入原料の原料高さを測定する原料高さ測定ステップと、
前記炉頂部内を流れる炉内ガスの総ガス流量を測定する炉内ガス流量測定ステップと、
前記ガス温度測定ステップ、前記原料高さ測定ステップ及び前記炉内ガス流量測定ステップを、高炉内への原料装入後かつ次回原料装入前における2以上のサンプリング時刻にそれぞれ実行し、これら2以上の前記サンプリング時刻に測定された複数の前記ガス温度及び前記原料高さ並びに前記総ガス流量に基づいて、複数の前記ガス測定点を流れる前記炉内ガスのガス流分布を推定するガス流量分布推定ステップと、をコンピュータに実行させることを特徴とする高炉の炉内ガス流分布推定プログラム。
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