JP5386108B2 - 荷電粒子ビーム描画装置および荷電粒子ビーム描画装置の描画データ転送方法 - Google Patents
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Description
パイプライン方式を用いて設計データのブロックから描画データのブロックを作成する装置が知られている(例えば、特許文献1参照。)。この特許文献1の装置によれば、プロセッサの直列接続段数が演算ユニット間で異なっているため、演算負荷の異なる設計データのブロックを高効率で演算することができる。
この第1の態様によれば、描画ブロックデータの並べ替えと偏向制御手段への転送が複数の並べ替え手段により行われるため、偏向制御手段への転送を高効率で行うことができ、スループットを向上させることができる。ところが、複数の並べ替え手段を設けると、偏向制御手段において描画ブロックデータの欠損が生じやすくなる。しかし、この第1の態様によれば、選択手段により選択された並べ替え手段から偏向制御手段に最初に転送する描画ブロックデータが設定手段により設定される。そして、設定手段により設定された描画ブロックデータが演算手段から並べ替え手段に入力されたときに、入力された描画ブロックデータ、もしくは、入力された描画ブロックデータを含み描画順が連続する複数の描画ブロックデータが、並べ替え手段から偏向制御手段に転送される。これにより、偏向制御手段における描画ブロックデータの欠損の発生を確実に防止することができる。
この第2の態様によれば、描画ブロックデータの並べ替えと偏向制御手段への転送が複数の並べ替え手段により行われるため、偏向制御手段への転送を高効率で行うことができ、スループットを向上させることができる。ところが、複数の並べ替え手段を設けると、偏向制御手段において描画ブロックデータの欠損が生じやすくなる。しかし、この第2の態様によれば、選択された並べ替え手段から偏向制御手段に最初に転送する描画ブロックデータが設定される。そして、設定された描画ブロックデータが並べ替え手段に入力されたときに、入力された描画ブロックデータ、もしくは、入力された描画ブロックデータを含み描画順が連続する複数の描画ブロックデータが、並べ替え手段から偏向制御手段に転送される。これにより、偏向制御手段における描画ブロックデータの欠損の発生を確実に防止することができる。
図1に示す電子ビーム描画装置100は、パターン描画を実行する描画部1を備えている。描画部1の電子銃2から発せられた電子ビーム(例えば、50kVに加速された電子ビーム)3は、S1アパーチャ4によって断面形状が矩形に成形される。S1アパーチャ4により成形された電子ビーム3は、投影レンズ6によりS2アパーチャ7上に投影される。このとき、S2アパーチャ7上のS1アパーチャ像の位置は、成形偏向器5により調整される。偏向制御回路15により成形偏向器5を駆動制御することによって、S1アパーチャ像とS2アパーチャ7の開口部との重なり具合が制御される。その結果、電子ビーム3の断面形状が矩形もしくは三角形に成形される。
なお、図示しないが、対物偏向器8は、試料10上のサブフィールド内での電子ビームの偏向を行う副偏向器と、フレーム内でサブフィールドの位置を制御する主偏向器とによって構成することができる。
DPM20は、オペレータによりパターンレイアウトが登録されると、このパターンレイアウトに対応する設計データを記憶装置17から読み出し、読み出した設計データを分散手段21に出力する。分散手段21は、入力された設計データを複数の設計ブロックデータに分散し、分散された各設計ブロックデータを空いている演算手段22に出力する。各演算手段22は、設計ブロックデータの演算処理(図形演算処理)を行うことで、描画ブロックデータDPB(Data Pass Block)を生成する。この演算処理には、圧縮された設計ブロックデータを展開する展開処理が含まれる。
図3及び図4は、本実施の形態において、データ処理部16で実行される描画ブロックデータ(DPB)の転送方法を説明するための図である。
図3(A)に示すように、DPB2,4,5がプールされているため、これらのDPB2,4,5が第1並べ替え手段24に出力される。
そして、図3(B)に示すように、DPB1がプールされると、DPB1が第1並べ替え手段24に出力される。
一方、DPB1,2と不連続のDPB4,5は、偏向制御回路15に転送されない。DPB4,5が転送されると、偏向制御回路15においてDPB3の欠損が生じてしまい、パターン抜けが発生してしまうためである。
なお、インターネット分野ではデータの欠損は許容されるが、電子ビーム描画装置100においてはDPBの欠損は許容されず確実に防止する必要がある。
DPB1,2の転送中に、DPB3がプールされると、このDPB3が第2並べ替え手段26に出力される。このように偏向制御回路15への転送開始タイミングで第1並べ替え手段24と第2並べ替え手段26とを交互に切り替えることにより、並べ替え手段24,26を効率的に利用することができ、スループットを向上させることができる。
第2並べ替え手段26に入力されたDPB3は、メモリ27に記憶される。この記憶されたDPB3は待ちDPBであるので、図3(D)に示すように、DPB3が第2並べ替え手段26から偏向制御回路15に転送される。このとき、第2並べ替え手段26のメモリ27にはDPB3と連続するDPBが記憶されていないため、DPB3のみが偏向制御回路15に転送される。
以上の動作を繰り返すことで、偏向制御回路15における欠損DPBの発生を防止しつつ、スループットを向上させることができる。
図5は、本実施の形態において、DPM20が実行するデータ転送制御ルーチンを示すフローチャートである。本ルーチンは、オペレータによりパターンレイアウトが登録された際に起動されるものである。
上述したように、この待ちDPBとは、偏向制御回路15に転送されていないDPBのうち最小番号のDPB(すなわち、最初に描画するDPB)である。このステップ104では、例えば、図3(A)に示すように、選択された第1並べ替え手段24において、DPB1が待ちDPB(W)として設定される。
なお、このステップ104の処理は、上記本発明の第1の態様における「設定手段」に対応する。
上記ステップ122では、例えば、図3(C)に示すように、DPB1,2を転送している第1並べ替え手段24とは異なる第2並べ替え手段26が選択される。これにより、プールされたDPBを切り替え後の第2並べ替え手段26に出力可能となると共に、第2並べ替え手段26においてDPBの並べ替えが可能となる。
その後、上記ステップ104では、上記ステップ122で切り替えられた並べ替え手段において、待ちDPBが設定される。例えば、図3(C)に示すように、第2並べ替え手段26においてDPB3が待ちDPBと設定される。その後、上記ステップ106以降の処理を実行する。
また、本実施の形態では、偏向制御回路15への描画ブロックデータの転送を行っている並べ替え手段24,26とは異なる並べ替え手段26,24が、演算手段22からの描画ブロックデータの出力先として選択手段23により選択される。これにより、一方の並べ替え手段から偏向制御回路15に描画ブロックデータを転送している間に、演算手段22から他方の並べ替え手段に描画ブロックデータを出力することができ、他方の並べ替え手段において描画ブロックデータの並べ替えを行うことができる。よって、スループットを向上させることができる。
また、本実施の形態では、選択手段23により選択された並べ替え手段24,26において、偏向制御回路15に未だ転送されていないDPBのうち番号が最小のDPBが待ちDPBとして設定される。そして、この待ちDPBが選択された並べ替え手段24,26に入力されると、待ちDPBもしくは待ちDPBを含む連続番号のDPBが偏向制御回路15に出力される。これにより、偏向制御回路15において欠落DPBの発生を確実に防止することができる。
また、上記実施の形態では並べ替え手段を2つ設けているが、本発明はこれに限られるものではなく、並べ替え手段を3つ以上設けてもよい。
1 描画部
5 成形偏向器
8 対物偏向器
10 試料
15 偏向制御回路
16 データ処理部
17 記憶装置
20 DPM
21 分散手段
22 演算手段
23 選択手段
24 第1並べ替え手段
25,27 メモリ
26 第2並べ替え手段
30 制御計算機
Claims (5)
- ブロック単位に分散された設計データである設計ブロックデータを演算してブロック単位の描画データである描画ブロックデータを生成する複数の演算手段と、
前記複数の演算手段により生成された描画ブロックデータを描画順に並べ替えて、偏向器を制御する偏向制御手段に転送する複数の並べ替え手段と、
前記複数の演算手段により生成された描画ブロックデータの出力先として、前記複数の並べ替え手段から1つの並べ替え手段を選択する選択手段と、
前記選択手段により選択された並べ替え手段から前記偏向制御手段に最初に転送する描画ブロックデータを設定する設定手段とを備え、
前記選択手段により選択された並べ替え手段は、前記設定手段により設定された描画ブロックデータが前記演算手段から入力されたときに、入力された描画ブロックデータ、もしくは、入力された描画ブロックを含み描画順が連続する複数の描画ブロックデータを前記偏向制御手段に転送することを特徴とする荷電粒子ビーム描画装置。 - 請求項1に記載の荷電粒子ビーム描画装置において、
前記選択手段は、前記偏向制御手段への描画ブロックデータの転送を開始する際に、並べ替え手段を切り替えることを特徴とする荷電粒子ビーム描画装置。 - ブロック単位に分散された設計データである複数の設計ブロックデータを演算してブロック単位の描画データである複数の描画ブロックデータを生成し、生成された複数の描画ブロックデータを複数の並べ替え手段により描画順に並べ替えて偏向制御手段に転送する荷電粒子ビーム描画装置における描画データの転送方法であって、
前記複数の設計ブロックデータを複数の演算手段に分配するステップと、
前記複数の演算手段により生成された描画ブロックデータの出力先として、前記複数の並べ替え手段から1つの並べ替え手段を選択するステップと、
選択された並べ替え手段から前記偏向制御手段に最初に転送する描画ブロックデータを設定するステップと、
前記複数の演算手段により生成された描画ブロックデータを選択された並べ替え手段に
出力するステップと、
設定された描画ブロックデータが選択された並べ替え手段に入力されたときに、入力された描画ブロックデータ、もしくは、入力された描画ブロックデータを含み描画順が連続する複数の描画ブロックデータを前記偏向制御手段に転送するステップとを含むことを特徴とする荷電粒子ビーム描画装置の描画データの転送方法。 - 請求項3に記載の荷電粒子ビーム描画装置における描画データの転送方法において、
前記偏向制御手段への前記描画ブロックデータの転送を開始する際に、選択された並べ替え手段を別の並べ替え手段に切り替えるステップを更に含むことを特徴とする荷電粒子ビーム描画装置の描画データ転送方法。 - 請求項3又は4に記載の荷電粒子ビーム描画装置の描画データ転送方法において、
前記複数の演算手段により生成された前記描画ブロックデータをプールするステップを更に含み、
設定された前記描画ブロックデータを選択された前記並べ替え手段に入力できるように、プールされた前記描画ブロックデータを選択された前記並べ替え手段に出力することを特徴とする荷電粒子ビーム描画装置の描画データ転送方法。
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