JP5385927B2 - 床材 - Google Patents

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Description

本発明は、床材に関し、特に、木質の外観を有しながら畳のような感触を有する床材に関するものである。
畳は、タタミボードや発泡樹脂板等を畳床とし、イ草、紙、樹脂などからなる畳表を、当該畳床の表面に縫着やステープル等の針部材を用いた止着により固定することで、畳床と畳表とが一体化されている。畳表は張り替えが可能なので、畳表が古くなったり汚れたりした場合にはこれを適宜交換することで、畳の長期的使用が可能となり経済的である。また、畳は、伝統的な意匠や歩行感の良さが好まれて和室に使用されることが多いが、その意匠や歩行感のみならず、断熱性やクッション性などの機能についても評価が高い。
一方、木質フローリングも、その清潔感やデザイン性等が相俟って高い人気を博している。木質フローリングは、その意匠の多様性により様々な雰囲気を演出することが可能であることから、特に洋室で使用されることが多い。
このような畳の歩行感の良さ等と木質フローリングのデザイン性等を取り入れるべく、従来から、木質の外観を有しながら畳のような感触(踏み心地、座り心地等)を持った床材が開発されている。例えば、特許文献1には、厚み方向に縫着がなされた畳床を芯材とし、表面が突板で覆われた床材が開示されている。
実開昭62−131535号公報
しかしながら、上記特許文献1のものでは、突板と合板あるいは突板と畳床とを接着剤を用いて全面に亘って接着しているため、古くなったり汚れたりした突板のみを畳表のように交換することが困難であることから、畳の長所である更新性(畳表のみを更新しながら(取り替えながら)長期的使用が可能となるという特性)が失われるという問題がある。
そこで、畳の更新性と突板等の多様なデザイン性を維持すべく、接着剤を用いずに通常の畳表のように、突板などの端部のみを、畳床の周囲端部に、縫着又は針部材を用いた止着により固定することが考えられる。しかしながら、これらの固定方法では、薄い突板に必然的に針穴が生じるところ、かかる針穴が起点となって突板が割れたり裂けたりし易くなるという問題や、全面接着と異なり、周囲端部を間欠的に固定する縫着や止着では、縫着糸を縫い進めたり、ステープル等を刺し進めたりするのに伴って皺寄りが発生し易くなるという問題がある。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、畳床用芯材と化粧シートとを用いた床材において、化粧シートの取り替えが容易で、且つ、畳の歩行感の良さ等を維持しつつ化粧シートの裂けや皺寄りを抑える技術を提供することにある。
上記目的を達成するために本発明では、縫着や止着により畳床用芯材に間欠的に固定される表面材の裏側に、畳のクッション性を維持すべく畳床用芯材の撓み変形に追従できるような柔軟性と、化粧シートに皺寄りが生じないような剛性とを備えた裏面材を貼着するようにしている。
第1の発明は、畳床用芯材と、当該畳床用芯材の表面を覆うための化粧シートとを備え、当該化粧シートの端部が、当該畳床用芯材の幅方向及び/又は長手方向の端部に、縫着及び/又は針部材を用いた止着により間欠的に固定されて、当該畳床用芯材と当該化粧シートとが一体となっている床材を対象とする。
そして、上記化粧シートは、樹脂が塗布又は含浸された突板からなる表面材と裏面材とが貼着一体化されたものであり、上記裏面材は、上記畳床用芯材の撓み変形に追従できる程度の所定の柔軟性と、当該畳床用芯材に間欠的に固定されたときに上記化粧シートに皺が生じない程度の所定の曲げ剛性と、を兼ね備えていることを特徴とするものである。
本発明において、「針部材を用いた止着」とは、例えばステープルやピンといった針部材を、化粧シートと畳床用芯材とに突き刺すことで、タッカー留めやピン留め等をすることを意味する。
第1の発明では、化粧シートの端部が、畳床用芯材の幅方向及び/又は長手方向の端部に、縫着及び/又は針部材を用いた止着により間欠的に固定されて、畳床用芯材と化粧シートとが一体となっていることから、縫着糸を切断したり、ステープルやピン等の針部材を引き抜いたりすることにより、化粧シートを畳床用芯材から容易に剥がすことができる一方、縫着又は止着により、新たな化粧シートを畳床用芯材に容易に取り付けることができる。このように、本発明の床材によれば、畳床用芯材の表面と化粧シートの裏面とを接着剤等で全面的に貼着していた従来の床材と異なり、化粧シートを容易に取り替えれるので、化粧シートを用いつつ畳の更新性を維持できる。加えて、表面材には多彩なバリエーションがあるところ、異なる表面材に取り替えることによって、かかる床材を用いる部屋の雰囲気を多様に変化させることができる。
また、突板からなる表面材には樹脂が塗布又は含浸されて、強度や柔軟性が付与されていることから、表面材として突板の割れ易いものを用いた場合にも、縫着や止着の際に不可避的に生じる針穴の周囲から、表面材が割れたり、裂けたりするのを抑えることができる。
さらに、裏面材は、畳床用芯材の撓み変形に追従できる程度の所定の柔軟性を備えていることから、取り扱い易いのみならず、表面材として突板を用いながらも、畳独特の歩行感の良さやクッション性などを維持することができる。
加えて、接着剤による全面的な接着と異なり、縫着や止着による間欠的な固定の際には化粧シートに皺寄りが生じ易いところ、本発明の裏面材は、畳床用芯材に間欠的に固定されたときに化粧シート(表面材)に皺が生じない程度の所定の曲げ剛性を備えていることから、かかる化粧シートの皺寄りを抑えることができる。特に、化粧シートを折り曲げて固定するといった、化粧シートに皺寄りが著しく生じ易くなる場合であっても、化粧シートに皺寄りが生じるのを抑えることができる。
第2の発明は、上記第1の発明において、上記化粧シートは、上記畳床用芯材の幅方向及び/又は長手方向の側面を覆うように折り曲げられていて、当該折り曲げられた部位が当該畳床用芯材の側面に間欠的に固定されていることを特徴とするものである。
第2の発明によれば、化粧シートは、畳床用芯材の側面を覆うように折り曲げられていて、当該折り曲げられた部位が畳床用芯材の側面に間欠的に固定されていることから、縫着糸や針部材が表面上からは露出せず、また、床材を敷き詰めた場合にはこれらを隠すことができので、畳縁のようなカバー材を不要とすることができる。さらに、畳床用芯材の側面を巻き込むように覆うことにより、畳床用芯材の側面からの吸湿や吸水を抑えることができる。
第3の発明は、上記第1又は第2の発明において、上記所定の曲げ剛性は、KES(Kawabata Evaluation System)による曲げ剛性測定値で1.96cN・cm/cm以上であることを特徴とするものである。
第3の発明によれば、KESによる曲げ剛性測定値が1.96cN・cm/cm以上の裏面材を用いることにより、畳床用芯材に固定されたときに皺が生じない程度の所定の曲げ剛性を容易に確保することができる。
第4の発明は、上記第1〜第3のいずれか1つの発明において、上記化粧シートの透湿抵抗値が、15m・h・mmHg/g以下であることを特徴とするものである。
第4の発明によれば、化粧シートの透湿抵抗値が15m・h・mmHg/g以下と低いことから、畳床用芯材と化粧シートとの間に湿気がこもらず、内部結露が抑えられるので、床材を長期的に使用することができるとともに、湿ったような感触が抑えられるので、床材を快適に使用することができる。
本発明に係る床材によれば、化粧シートの端部が、畳床用芯材の端部に、縫着又は針部材を用いた止着により間欠的に固定されて、畳床用芯材と化粧シートとが一体となっていることから、畳床用芯材の表面と化粧シートの裏面とを接着剤等で全面的に貼着していた従来の床材と異なり、化粧シートを容易に取り替えることができる。
また、突板からなる表面材には樹脂が塗布又は含浸されて、強度や柔軟性が付与されていることから、表面材として突板を用いた場合にも、縫着や止着の際に生じた針穴の周囲から、表面材が割れたり裂けたりするのを抑えることができる。
さらに、裏面材は、畳床用芯材の撓み変形に追従できる程度の所定の柔軟性と、畳床用芯材に固定されたときに化粧シートに皺が生じない程度の所定の曲げ剛性とを兼ね備えていることから、表面材として突板を用いながらも、畳独特の歩行感の良さや断熱性やクッション性などを維持することができるとともに、間欠的な固定の際に化粧シートに生じ易い皺寄りを抑えることができる。
本発明の実施形態に係る床材を示す斜視図である。 床材の断面図である。 化粧シートが畳床用芯材の側面に間欠的に固定されている状態を模式的に説明する斜視図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、図2及び図3では、図を見易くするために、表面材15、接着剤7層及び裏面材25の厚さを誇張して表現している。また、図2及び図3中のハッチングは、領域を明確にするために施されたものであり、材質を表すものではない。
図1は、本実施形態に係る床材を示す斜視図であり、図2は、床材の断面図である。この床材1は、平板状の畳床用芯材3と、畳床用芯材3の表面を覆うための化粧シート5とを備えている。なお、図1中の符号9は、畳縁を示す。
−畳床用芯材−
平板状の畳床用芯材3は、化粧シート5を縫着又は止着可能なボード材料であればよいが、例えば、図2(a)に示すように、一般に畳床に使用される木質繊維板(タタミボード、以下「TB」という)23の複数枚の積層板、若しくは、図2(b)に示すように発泡樹脂板13(又はTB23)の単体板、又は、図2(c)に示すようにこれらの組合せの積層板であり、軽量且つ縫製可能となっている。畳床用芯材3として、積層板を用いる場合には、TB23と発泡樹脂板13とが接着剤による接着や縫着等によって一体化される。なお、必要に応じて、表面側に保護紙(図示せず)、裏面側に防水紙(図示せず)を設けてもよい。
発泡樹脂板13を構成する樹脂としては、例えば、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリプロピレン等の熱可塑性プラスチックの発泡体や、メラミン樹脂、フェノール樹脂等の熱硬化性プラスチックの発泡体を用いることができる。
−化粧シート−
上記化粧シート5は、樹脂が塗布又は含浸された表面材15と、当該表面材15を補強するための裏面材25とが接着剤7で貼着一体化されたものであり、畳床用芯材3に対して縫着又は針部材(例えば、ステープル、ピン)を用いた止着により固定可能となっている。換言すると、化粧シート5は、縫着糸やステープル等の針部材を貫通させて固定することができる程度の強度を有している。
この化粧シート5は、その端部が、畳床用芯材3の幅方向の端部3a及び/又は長手方向の端部3bに縫着又は止着により間欠的に固定されて、換言すると、縫着、タッカー留め、ピン留めなど、固定箇所同士が所定の間隔をあけて間欠的に固定される方法により固定されて、畳床用芯材3と一体となっている。このように、化粧シート5は、接着剤による貼着のような取り外しが困難な固定ではなく、また、畳床用芯材3表面の全面に亘って縫着して一体化するものではなく、一般的な畳表の縫着と同様に、幅方向の端部3a及び/又は長手方向の端部3bにおいてのみ縫着又は止着したものであることから、縫着糸11を解いたりステープルやピンを抜いたりすることで、容易に取り替えられるようになっている。その一方、縫着又は止着という簡単な作業により、新たな化粧シート5を畳床用芯材3に容易に取り付けることが可能になっている。すなわち、本実施形態の床材1によれば、畳床用芯材3の表面と化粧シート5の裏面とを接着剤7等で全面的に貼着していた従来の床材と異なり、化粧シート5を容易に取り替えられるので、化粧シート5を用いつつ畳の更新性を維持することができる。なお、固定方法は、縫着による固定でも、止着による固定でもよいし、縫着と止着による固定を組み合わせてもよい。
化粧シート5の端部を畳床用芯材3の幅方向及び/又は長手方向の端部3a,3bに縫着又は止着により固定する場合の具体例としては、図3に示すように、畳床用芯材3の長手方向の側面を覆うように化粧シート5を折り曲げて、当該折り曲げられた部位を畳床用芯材3の側面に縫着糸11で梯子縫いする場合が挙げられる。なお、化粧シート5の縫い方は梯子縫いに限定されるものではなく、例えば、千鳥縫いや台形縫いを採用してもよいし、化粧シート5の折り曲げられた部位をステープルやピンを用いて畳床用芯材3の側面に固定してもよい。
このように、化粧シート5の折り曲げられた部位を畳床用芯材3の側面に固定すれば、縫着糸11や針部材が表面上からは露出せず、また、床材1を敷き詰めた場合にはこれらを隠すことができので、畳縁9のようなカバー材を不要とすることができる。さらに、畳床用芯材3の側面を巻き込むように覆うことにより、畳床用芯材3の側面からの吸湿や吸水を抑えることができる。
化粧シート5と畳床用芯材3の側面とを縫着するには、通常の畳表を縫着するのと同様に行えばよい。例えば、畳床用芯材3の幅に合わせて、化粧シート5の幅方向の端部を長手方向に切断し、更に化粧シート5の長手方向の両端部を折り曲げながら切断した後、化粧シート5の長手方向一方側の端部を針で固定した上で、化粧シート5の長手方向他方側の端部を縫着糸11で縫い付けていく。その後、針で固定していた他方側の端部も縫い付けていく。なお、化粧シート5を折り曲げることなく、その幅方向の端部を畳床用芯材3の表面に縫着又は止着により固定してもよい。
また、図1に示す床材1では、その幅方向の両端部に畳縁9を設けているが、畳縁9を設けなくてもよい。幅方向の端部に畳縁9を付ける場合は、例えば、化粧シートを折り曲げることなく、畳縁9を縫い付けながら化粧シート5の幅方向の端部を固定していくが、畳縁9を付けない場合は、例えば、図3における長手方向の端部と同様に、幅方向の端部を折り曲げて、当該折り曲げた部位を畳床用芯材3の側面に縫い付ける。
さらに、化粧シート5の透湿抵抗値は、15m・h・mmHg/g以下が望ましい。これは、化粧シート5の透湿抵抗値が15m・h・mmHg/gを超えると、畳床用芯材3と化粧シート5との間で湿気がこもって、内部結露が発生し易くなり、畳床用芯材3として耐久性が低下するとともに、湿ったような感触となり快適性が低下するからである。なお、畳床用芯材3と化粧シート5との間の通気性をより高めるためには、化粧シート5の透湿抵抗値は10m・h・mmHg/g以下であることがより望ましい。
−表面材−
上記表面材15としては、突板の薄いシート状物を用いることができる。ここで、薄いシート状物とは、突板からなる厚さ0.01〜1.0mm程度のシートをいう。例えば、突板であれば天然突板または人工突板のどちらでも良く、更にその樹種は特に限定しない。このように、表面材15として多彩なバリエーションがある突板を用いれば、異なるデザインの突板を有する表面材15に取り替えることによって、かかる床材1を用いる部屋の雰囲気を多様に変化させることができる。
また、上述の如く、表面材15には樹脂が塗布又は含浸されており、これにより、突板からなる表面材15に強度や柔軟性が付与されていることから、表面材15として突板の割れ易いものを用いた場合にも、縫着や止着の際に不可避的に生じる針穴の周囲から、表面材15が割れたり、裂けたりするのを抑えることができる。
表面材15に塗布又は含浸する樹脂としては、UV硬化樹脂、ウレタン樹脂、アクリル樹脂、SBRなどを用いることができる。なお、これらの樹脂の中では、硬化が速いことから、連続シートとする場合の巻きにおけるブロッキング、及び、枚葉とする場合の積載におけるブロッキングを抑えることができる等、生産性が高いという点で、特にUV硬化樹脂が望ましい。
そうして、表面材15に樹脂を塗布又は含浸する方法としては、例えば、刷毛やスプレー、フローコーター、ディッピングといった既知の方法を用いてもよいし、オートクレーブ等の減圧加熱による方法を用いてもよい。なお、突板であれば、加熱乾燥で予め含水率調整をすることによって、樹脂含有バラつきの少ない表面材15を得ることができる。
樹脂の塗布量は、20〜80g/mがよく、望ましくは20〜60g/mがよい。これは、樹脂の塗布量が20g/mより少ないと、加工時における割れや破れを抑えるような強度や柔軟性が得られない一方、樹脂の塗布量が80g/mを超えると、透湿性が低下するとともに含浸硬化に時間がかかって生産性が低下するからである。また、樹脂の塗布量が80g/mを超えることは、経済性の低下や樹脂特有の照りによって外観上の自然観が損なわれてしまう点からも好ましくない。なお、必要に応じて別途2次加工処理(レーザーによる微細穴あけ加工等)を施して透湿性を向上させてもよい。また、樹脂を硬化させるには、用いる樹脂の特性に応じて処理すればよいが、UV硬化樹脂の場合は、塗布後にUV硬化装置に入れて樹脂を硬化させるのが望ましい。
−裏面材−
上記裏面材25としては、例えば、ニードルパンチ、フィルター、樹脂発泡体、織物を用いることができる。そうして、織物を用いる場合には、不織布や畳表(イ草、紙、樹脂などからなる織物)等を用いることができる。なお、裏面材25として畳表のような化粧性を有するものを使用すれば、化粧シート5を貼り替る場合に、裏面材25を表面側にして縫着及び/又は止着することによって、使用済みの化粧シート5を再利用することも可能である。
この裏面材25は、畳床用芯材3の撓み変形に追従できる程度の所定の柔軟性を備えている。これにより、裏面材25は、取り扱い易いのみならず、表面材15として突板を用いながらも、畳独特の歩行感の良さ(踏み心地など)やクッション性(座り心地等)を化粧シート5を介して使用者に伝えることができる。
さらに、この裏面材25は、畳床用芯材3に固定されたときに化粧シート5(表面材15)に皺が生じない程度の所定の曲げ剛性を備えている。具体的には、裏面材25として、その幅方向及び/又は長さ方向での曲げ剛性値が、KES(Kawabata Evaluation System)の曲げ剛性試験において1.96cN・cm/cm以上であるものを用いている。これは、裏面材25の曲げ剛性値が1.96cN・cm/cmよりも小さいと、化粧シート5を畳床用芯材3の端部3a,3bに間欠的に固定するときに、縫着糸11を縫い進めたり、ステープル等を刺し進めたりするのにともなって(引っ張り位置及び引っ張り方向の移動にともなって)、化粧シート5に皺寄りが発生してしまい、この皺が外観として残り、製品としての価値を損なってしまうからである。この皺寄りは、化粧シート5を曲げて縫着する場合に特に顕著に発生するが、裏面材25に一定以上の強度を持たせることで、かかる皺寄りの発生を抑えることができる。
−化粧シートの製造方法−
次に、化粧シート5の製造方法について説明する。化粧シート5は、表面材15である突板に樹脂を塗布又は含浸し、硬化させた後、かかる表面材15の裏面側に裏面材25を接着剤7で貼着することで得られる。もちろん、表面材15と裏面材25を接着剤7で貼着した後、表面材15に樹脂を塗布又は含浸し、硬化させて化粧シート5を作製してもよい。なお、樹脂を塗布又は含浸した後に、更に表面仕上げ用の塗料や樹脂を塗布してもよい。
表面材15と裏面材25とを一体化して化粧シート5とするには接着剤7を使用すればよい。この接着剤7としては、ビニルウレタンやエチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)など、水系接着剤が好ましい。
次に、具体的に実施した実施例について説明する。ただし、本発明の範囲は、これら実施例に限定されない。なお、実施例及び比較例の曲げ剛性は、KES(Kawabata Evaluation System)の曲げ特性試験に準じて測定した。
(実施例1)
先ず、畳床用芯材として、厚さ20mmのFPS(フォームド(発泡)ポリスチレン)積層板が厚さ15mmのTBで上下から挟まれたものを用意した。また、表面材として厚さ0.2mmの人工突板を用意し、かかる突板に、UV塗料を20g/m、上塗りとしてUV塗料を30g/m塗布して硬化させた。さらに、裏面材として厚さ2mm、曲げ剛性4.41cN・cm/cmのフィルター(ポリエステルレーヨン)を用意し、かかる裏面材を水性ビニルウレタン接着剤で突板の裏面に貼着して化粧シートを得た。この化粧シートの透湿抵抗値を測定したところ2.0m・h・mmHg/gであった。次いで、畳床用芯材の四周端部に化粧シートを縫着固定して床材を得た。このとき短辺では化粧シートを折り曲げてから縫着固定した。
(実施例2)
突板にUV塗料を45g/m、上塗りとしてUV塗料を30g/m塗布して硬化させたこと以外は、実施例1と同様にして床材を作製した。この化粧シートの透湿抵抗値を測定したところ9.0m・h・mmHg/gであった。
(実施例3)
曲げ剛性が1.96cN・cm/cmの裏面材を用いたこと以外は、実施例1と同様にして床材を作製した。
(実施例4)
曲げ剛性が1.96cN・cm/cmの裏面材を用いたこと以外は、実施例2と同様にして床材を作製した。
(実施例5)
四周(短辺、長辺)で化粧シートを折り曲げてから縫着固定したこと以外は、実施例4と同様にして床材を作製した。
参考例
表面材として、木目柄を印刷した厚さ0.03mmの印刷化粧紙を用意し、かかる印刷化粧紙に、UV塗料を45g/m、上塗りとしてUV塗料を30g/m塗布して硬化させたこと以外は、実施例5と同様にして床材を作製した。
(比較例1)
表面材への樹脂塗布を行わなかったこと以外は、実施例1と同様にして床材を作製した。
(比較例2)
曲げ剛性が1.76cN・cm/cmの裏面材を用いたこと以外は、実施例2及び4と同様にして床材を作製した。
(比較例3)
曲げ剛性が1.76cN・cm/cmの裏面材を用いたこと、及び、短辺では化粧シートを折り曲げてから縫着固定したこと以外は、参考例と同様にして床材を作製した。
上記実施例1〜5、参考例及び比較例1〜3の床材をそれぞれ作製した際の、表面材に生じた皺及び亀裂の抑制効果を比較した。その結果を表1に示す。
Figure 0005385927
この試験結果について考察すると、先ず、表面材にUV塗料を塗布していない比較例1では、縫着の際に亀裂が発生したのに対し、UV塗料を塗布したこと以外は、比較例1と同じ条件で作製された実施例1では、縫着の際に亀裂が発生しなかった。このことから、縫着固定の際に生じる針穴が起点となって突板や化粧紙が割れたり裂けたりすることを抑えるには、表面材に裏面材を貼着するだけでは足りず、表面材に樹脂を塗布又は含浸するのが有効であることが分かった。
また、表面材にUV塗料を20g/m塗布した実施例1及び3では、化粧シートの透湿抵抗値が2.0m・h・mmHg/gであったのに対し、表面材にUV塗料を45g/m塗布した実施例2及び4〜5、参考例では、化粧シートの透湿抵抗値が9.0m・h・mmHg/gであった。このことから、表面材に塗布又は含浸させる樹脂の量を調整することにより、化粧シートの透湿抵抗値を容易に調整可能であることが分かった。
さらに、各々裏面材の曲げ剛性が1.96cN・cm/cm以上である実施例1〜5、参考例では、縫着固定の際に皺寄りが発生しなかったのに対し、曲げ剛性が1.96cN・cm/cm未満の裏面材を用いたこと以外は、実施例5及び参考例とそれぞれ同じ条件で作製された比較例2及び比較例3では、化粧シートに亀裂は入らなかったものの、皺寄りが発生した。このことから、裏面材の曲げ剛性が1.96cN・cm/cm以上であれば、畳床用芯材に間欠的に固定されたときに、化粧シートに皺が生じない程度の所定の曲げ剛性を確保できることが確認された。
また、皺寄りは化粧シートを曲げて縫着する場合に特に顕著に発生するが、実施例4と実施例5とを比較すれば明らかなように、裏面材の曲げ剛性が1.96cN・cm/cm以上であれば、化粧シートの短辺のみを折り曲げた場合も、化粧シートの短辺のみならず長辺を折り曲げた場合も、皺寄りが発生しないことが分かった。
以上のことから、本発明の皺及び亀裂の抑制効果が確認できた。
以上説明したように、本発明は、畳床用芯材と、当該畳床用芯材の表面を覆うための化粧シートとを備えた床材等について有用である。
1 床材
3 畳床用芯材
3a 幅方向の端部
3b 長手方向の端部
5 化粧シート
15 表面材
25 裏面材

Claims (4)

  1. 畳床用芯材と、当該畳床用芯材の表面を覆うための化粧シートとを備え、当該化粧シートの端部が、当該畳床用芯材の幅方向及び/又は長手方向の端部に、縫着及び/又は針部材を用いた止着により間欠的に固定されて、当該畳床用芯材と当該化粧シートとが一体となっている床材であって、
    上記化粧シートは、樹脂が塗布又は含浸された突板からなる表面材と裏面材とが貼着一体化されたものであり、
    上記裏面材は、上記畳床用芯材の撓み変形に追従できる程度の所定の柔軟性と、当該畳床用芯材に間欠的に固定されたときに上記化粧シートに皺が生じない程度の所定の曲げ剛性と、を兼ね備えていることを特徴とする床材。
  2. 請求項1記載の床材において、
    上記化粧シートは、上記畳床用芯材の幅方向及び/又は長手方向の側面を覆うように折り曲げられていて、当該折り曲げられた部位が当該畳床用芯材の側面に間欠的に固定されていることを特徴とする床材。
  3. 請求項1又は2記載の床材において、
    上記所定の曲げ剛性は、KES(Kawabata Evaluation System)による曲げ剛性測定値で1.96cN・cm/cm以上であることを特徴とする床材。
  4. 請求項1〜3のいずれか1つに記載の床材において、
    上記化粧シートの透湿抵抗値が、15m・h・mmHg/g以下であることを特徴とする床材。
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