JP5385891B2 - 水潤滑式水力発電装置 - Google Patents

水潤滑式水力発電装置 Download PDF

Info

Publication number
JP5385891B2
JP5385891B2 JP2010287981A JP2010287981A JP5385891B2 JP 5385891 B2 JP5385891 B2 JP 5385891B2 JP 2010287981 A JP2010287981 A JP 2010287981A JP 2010287981 A JP2010287981 A JP 2010287981A JP 5385891 B2 JP5385891 B2 JP 5385891B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
water
bearing
lubricated
water supply
filter
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2010287981A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2012136952A (ja
Inventor
初義 神代
弘晃 清瀬
好暁 大浜
孝尚 鈴木
英樹 長谷川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kawasaki Motors Ltd
Original Assignee
Kawasaki Jukogyo KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kawasaki Jukogyo KK filed Critical Kawasaki Jukogyo KK
Priority to JP2010287981A priority Critical patent/JP5385891B2/ja
Publication of JP2012136952A publication Critical patent/JP2012136952A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5385891B2 publication Critical patent/JP5385891B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E10/00Energy generation through renewable energy sources
    • Y02E10/20Hydro energy

Landscapes

  • Hydraulic Turbines (AREA)

Description

本発明は、水が通流する水管の中途に設けられ、水管内部を通流する水のエネルギで発電する水潤滑式の水力発電装置に関する。
近年、新しい発電方法の1つとして、ダムの河川維持放流水、小河川水、農業用水、工場排水などを利用した小水力発電が注目されている。この小水力発電としては、例えば、1000kW以下の小規模発電が可能な高低差のある河川維持放流や河川などでの発電方法として期待されている。
例えば、図9に示すように、上記ダムの河川維持放流水を利用して小水力発電を行う場合、ダム100の所定位置に河川維持放流口101が設けられ、その河川維持放流口101から水管102が下流方向のジェットフローゲート103まで設けられているので、その水管102の中途に小規模水力発電装置110を設けて発電される。この小規模水力発電装置110で発電に利用された水は、上記ジェットフローゲート103から河川へと放流される。
また、このように水管102の中途に水力発電装置110が設けられる場合、水力発電装置110の故障時等に河川維持放流を行うためのバイパスライン104が設けられている。バイパスライン104は、通常は上流側の弁105で閉じられているが、水力発電装置110が故障した場合等には、上記弁105が開放されるとともに、水力発電装置110の上流側及び下流側を弁106,107で閉じて、メンテナンスができるようにしている。なお、図では、バイパスライン104を水力発電木110の上方に記載しているが、通常、側方に設けられる。
このような小水力発電に用いられる水力発電装置110としては、低落差および小流量であっても効率良く発電できる構造とされ、例えば、1m〜20m程度の低落差、0.06m/s〜3m/s程度の流量に適用して2kW〜300kW程度の電力を得ることができるものが採用される。
この水力発電装置に関する先行技術として、例えば、本出願人が先に出願した水力発電装置がある(例えば、特許文献1参照)。この水力発電装置では、円環状の固定子を水管外側に設け、外周に永久磁石を備え内周に複数のプロペラブレードを有する翼車を備えた円環状の回転子を、上記固定子の内側で回転するように設けている。そして、水の通流によってプロペラブレードを介して回転子を回転させることで、固定子側で発電させている。この水力発電装置では、上記円環状の回転子が、側面と円周面に相対しスラスト方向およびラジアル方向の荷重を支える水潤滑軸受によって支持されている。
また、他の先行技術として、水管内における水の通流によって回転するように構成され、筒状のランナによって周囲が囲繞されたプロペラブレードと、ランナの外周囲に設けられて一体回転する永久磁石と、この永久磁石に沿って設けられたステータとを備えた水力発電装置もある(例えば、特許文献2参照)。この水力発電装置では、上記ランナは、水の通流上流側端部と下流側端部とをそれぞれ水潤滑軸受により回転可能にラジアル支持され、少なくとも一方の水潤滑軸受は、下流側面に水が供給されてランナのスラスト軸受としても機能するように構成されている。
特開2006−189014号公報 特開2008−14246号公報
ところで、上記特許文献1,2に記載されている水力発電装置は、図10に示すように、水管内を通流する水Wを軸受給水口119から取出し、給水配管114を介してプロペラブレード111の軸受部112及び113に循環させて回転支持する構造となっている(この明細書及び特許請求の範囲の書類中では、水潤滑軸受に循環させる「水」を「循環水」ともいう)。この水潤滑式軸受112及び113は、油を使用しない軸受として水力発電装置110には有効であるが、給水配管114及び貫通穴123を設けて軸受部113及び112への連続給水ができるような構造にし、プロペラブレード111と一体的に回転するランナ115と、スラスト軸受部117及びラジアル軸受部116との間の軸受隙間に常に水膜を形成し、その水膜によってランナ115のスラスト力及びラジアル力を支持する必要がある。
この軸受構造では、プロペラブレード111よりも上流方向の上流側水管部分118に設けられた軸受給水口119から循環水Wを取出し、給水配管114を介してステータ120の冷却用として用いた後、下流側の負荷側軸受部113(図示する右側)へ供給して、さらに上流側の軸受部112にも貫通穴123及びキャン122の内側を通って循環水としている。
また、このような水潤滑式の軸受部に取出す水Wは、水管内を流れる水Wを取出しているため、水中の異物(この明細書及び特許請求の範囲の書類中における「異物」は、水管内の水とともに流れる木材、枯葉、紙、その他のゴミを全て含む)が軸受部に循環させられるおそれがある。そのため、主流からの取出し部である軸受給水口119には、給水配管114への大きな異物の取出しを防止するためのスリット(ルーバー)121が設けられ、大きな異物が軸受給水口119から取出されないようにしている。
一方、上記ダムにおける河川維持放流水や、小河川水、農業用水等には、例えば、台風等によって想定していたよりも多量の異物が水中に混入する場合がある。また、河川維持放流水の場合など、ダムの取水口125(図9)に設けられた異物除去網などを清掃した時などには多量の異物が水管内の水Wに入る場合がある。このような場合、上記した軸受給水口119のスリット121によって大部分の異物が取出されないように分離できるが、スリット121の隙間を通過する異物Tが水潤滑軸受113に供給する水Wの中に取込まれるおそれがある。
この異物Tは、多少の量であれば軸受部で破砕することができるが、許容範囲以上の異物Tが軸受給水口119から取出されると、ステータ120とランナ115との間や軸受部112,113の隙間に詰りを発生させるおそれがある。そして、軸受部112,113の隙間に異物Tが詰まると潤滑できなくなり、そのままの状態で回転を続けると回転翼が回転できなくなるおそれも生じる。
さらに、上記異物がステータ120とランナ115との間に入ると、ステータ120の内面をカバーしているキャン122を損傷するおそれがある。キャン122は、ステータ120の内面全面をカバーしているため、損傷して交換する場合は多くの時間と労力を要するとともに、水力発電装置110の稼働率を低下させてしまう。
なお、このような異物の問題を解決する対策として、大型フィルタを設置して異物を除去した浄水を軸受部に供給する方法も考えられるが、設備が大掛かりになり、大幅なコストの上昇とフィルタのメンテナンスに費用と時間を要することになり、小水力発電のメリットが失われてしまう。
また、上記特許文献1,2には、異物の大きさと軸受部の隙間との関係による異物の詰まりについて何ら記載されておらず、上記したように許容範囲以上の異物が水管内を流れた場合には上記したような問題を生じるおそれがある。
そこで、本発明は、水潤滑軸受の潤滑水を水車本体の上流部から取出す構成において、潤滑水中に軸受部で問題となる異物が混入しないようにした水潤滑式水力発電装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明は、水が通流する水管の中途に設置し、該水管と内部が連通する水車本体を備えた水潤滑式水力発電装置であって、前記水車本体は、該水車本体内を通流する水によって回転するプロペラブレードと、該プロペラブレードの外周囲に設けられたランナと、前記ランナの外周囲に設けられて該ランナと一体回転する永久磁石と、を有する回転翼と、前記回転翼の永久磁石外方に設けられたステータとを備え、前記回転翼は、前記ランナの上流部と下流部とをラジアル支持及びスラスト支持する水潤滑軸受により回転可能に支持され、前記水潤滑軸受は、前記水車本体の上流部に設けた軸受給水口から取出される水を給水配管を介して該水潤滑軸受に下流側から供給し、前記回転翼との間に水膜を形成して軸受として機能するように構成され、前記軸受給水口は、前記水潤滑軸受と回転翼との隙間よりも細かい目開きを有するフィルタ材を具備したフィルタ部を備え、前記フィルタ部は、前記水車本体の内表面と同一面となるように内表面が形成された前記フィルタ材を前記軸受給水口に取付けるフィルタ取付部材と、該フィルタ取付部材を、側方から取外し又は取付けできるように、下端を前記水車本体に固定するフィルタ固定部材と上端を前記給水配管に固定する固定具とを具備したフィルタ接続構造と、を有している。この明細書及び特許請求の範囲の書類中における「フィルタ材」は、所定の大きさの開口を有するメッシュ状のフィルタ材や、所定の大きさの開口を有する板状のフィルタ材等を含む。これにより、軸受給水口から水潤滑軸受に取込まれる水中の異物がフィルタ材で除去されるので、水潤滑軸受と回転翼との間に供給される水は、この水潤滑軸受と回転翼との隙間よりも大きい異物が確実に除去された水となり、水潤滑軸受部分において異物の詰まり等を生じることを確実に防止することができる。従って、ステータとランナとの隙間に異物が詰まるのを防止し、ランナやキャン及びステータ等に問題が生じるのを未然に防ぐことができる。さらに、フィルタ材の内表面が水車本体の内表面と同一面であるため、フィルタ材の内表面に異物が付着したとしても、その異物が水車本体内を通る水によって洗い流されるようにできる。しかも、フィルタ材に異物が詰まったとしても、フィルタ固定部材を外してフィルタ取付部材を水車本体から取外すことにより、フィルタ材を外して容易に掃除又は交換することができる。
また、前記給水配管に流量監視機器を設け、該流量監視機器で監視している流量が所定の流量を下回ると回転翼を停止させるように構成されていてもよい。このようにすれば、フィルタ材に異物が詰まった場合や、軸受隙間に異物が堆積して水潤滑軸受部に所定の潤滑水流量が得られない場合でも、回転翼を迅速に停止させることができる。従って、水潤滑軸受への流量不足時に即時停止させて、潤滑水不足による回転翼への影響を最小限に食い止めることができる。上記流量監視機器としては、例えば、電磁流量計が利用でき、この電磁流量計で給水配管中の流量を常時監視することで、詰まりによる流量低下を生じたことを迅速に検知して自動的に回転翼を停止させることができる。
また、前記軸受給水口は、前記水車本体の水平方向両側方よりも上方位置に配置されていてもよい。このようにすれば、水車本体内を流れる土砂等の重い異物が軸受給水口から取出されないようにすることができる。
また、前記軸受給水口は、前記水車本体の上流部に複数個配設され、前記給水配管は、前記複数個の軸受給水口から取出される水を前記水潤滑軸受と前記回転翼との間に供給するように構成されていてもよい。このようにすれば、1つの軸受給水口に異物が詰まって取出す循環水量が減ったとしても、他の軸受給水口から取出した循環水を水潤滑軸受に供給して、長期間の安定運用ができる。
本発明によれば、回転翼を支持する水潤滑式軸受部分に大きな異物が入り込まないようにでき、異物の多い使用条件であっても安定した運用ができる水潤滑式水力発電装置を提供することが可能となる。
本発明の一実施形態に係る水力発電装置を上流側から示す斜視図である。 図1に示す水力発電装置を下流側から示す斜視図である。 図1に示す水力発電装置の上部を一部断面した斜視図である。 図1に示す水力発電装置における構成を示す図面であり、(a) は上半部を示す縦断面図であり、(b) は(a) に示すIV部の拡大断面図である。 図4(a) に示す水力発電装置の軸受流量監視と自動停止させる制御の一例を示すグラフである。 図1に示す水力発電装置の軸受給水口を示す縦断面図である。 (a) は図6に示すA−A断面図であり、(b) は図6に示すB−B断面図である。 図6に示す軸受給水口のフィルタ材交換時の分解図である。 河川維持放流水を利用した小規模水力発電の概要を示す側面図である。 従来の水力発電装置における構成の上半部を示す縦断面図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。以下の実施形態では、ダムの河川維持放流水によって発電する水力発電装置1を例に説明する。また、水力発電装置1の軸中心方向を「内方向」、半径方向外方向を「外方向」という。さらに、回転翼の軸受部における半径方向を「ラジアル方向」、それと直交する方向を「スラスト方向」という。図中の矢印Wは、水Wの流れ方向を示す。
図1,2に示すように、この実施形態の水力発電装置1は、水管102(図9)の中途に設置される水車本体2を有し、この水車本体2は内径が水管102と同径に形成されている。また、水車本体2は、上流側水管部分3と発電機本体部分4と下流側水管部分5とから構成されている。水力発電装置1は、上流側水管部分3と下流側水管部分5の端部に設けられたフランジ6,7を水管102に設けられたフランジ(図示略)と結合することで、水管102の中途に設けられる。
図3に示すように、上記水車本体2の上流側内周面には、周方向に等間隔で配設された複数のガイドベーン10が固定されている。これらのガイドベーン10の中心位置には、筒状のボス11が設けられている。また、ボス11は、ガイドベーン10の下流方向に延び、その外周囲には、所定の隙間を保って軸流型に湾曲する複数枚のプロペラブレード15を有する回転翼17が配設されている。プロペラブレード15は、ボス11の周囲に等間隔で配置されており、ボス11とは非接触で回転するようになっている。
上記ガイドベーン10は、プロペラブレード15の傾きに対して逆方向に傾いて湾曲する軸流型をなしており、水流がプロペラブレード15に適切な角度で効率良く当たるように形成されている。
上記プロペラブレード15は、発電機本体部分4の内方に位置し、円筒状の上記ランナ16の内周面に固定されている。これにより、プロペラブレード15が回転すると、ランナ16が一体的に回転するようになっている。ランナ16には、水車本体2の内径と同径のランナショルダ18が上流方向及び下流方向に突設されている。ランナ16の外周面側には、永久磁石19が配設されている。
回転翼17は、このランナ16とランナショルダ18の上流側と下流側とに配設された上流側水潤滑軸受30及び下流側水潤滑軸受31によって支持されている。これらの水潤滑軸受30,31は、ランナショルダ18の外周面をラジアル支持するとともに、ランナ16の前後方向支持面をスラスト支持するように構成されている(詳細は後述する)。
また、ランナ16に設けられた永久磁石19の外方周囲には、所定の隙間を開けてステータ20(「ステータコア(積層鉄芯)」及び「ステータコイル」を含む)が設けられている。ステータ20の内周面はキャン21によって覆われており、外周側は発電機カバー22で覆われている。
そして、この図3及び図4(a) に示すように、上記水車本体2の内部を流れる水Wから上記水潤滑軸受30,31に循環水Wを取出す軸受給水口40が、上記水車本体2の上流側水管部分3に設けられている。この軸受給水口40は、水車本体2の水平方向両側方よりも上方位置(この例では、上流側水管部分3の頂部)に配置されている。このように軸受給水口40を上方位置に配置することにより、水車本体2内を流れる土砂等の重い異物Tが軸受給水口40から取込まれないようにしている。
この軸受給水口40に接続された給水配管41は、上流側水管部分3から取出した循環水Wを、上記ステータ20の周囲に設けられた発電機カバー22の周囲に供給して、発電機カバー22を通じてステータ20が発電時に発生する熱を効率的に除去している。その後、この循環水Wが給水配管41によって、下流側水潤滑軸受31に下流方向から供給されている。
下流側水潤滑軸受31の下流側端面には、凹部32が全周に形成されており、この凹部32に上記給水配管41から循環水Wが供給されている。そして、この凹部32に供給された水Wが、貫通穴33から下流側水潤滑軸受31とランナ16との隙間Sに供給されて水膜が形成されるようになっている。このように、下流側水潤滑軸受31の凹部32に供給された循環水Wを下流側水潤滑軸受31の上流側端面(スラスト軸受面)に供給して水膜を形成している。
上記凹部32に供給された循環水Wは、下流側水潤滑軸受31から上流方向に離間した軸受給水口40から取出されるので静圧が作用しており、この静圧が作用している循環水Wによって形成される水膜は、下流側水潤滑軸受31のスラスト対抗力の発生に十分な水圧を保ち、ランナ16に作用する大きな下流方向のスラスト力を下流側水潤滑軸受31で支持している。
また、この水潤滑軸受30,31とランナショルダ18との間にも循環水Wが供給されて水膜が形成され、ランナショルダ18の外周面(ラジアル軸受面)に形成された水膜でラジアル方向の力が支持されている。
さらに、下流側水潤滑軸受31に供給された循環水Wは、ランナ16の外周面とステータ20のキャン21の内周面との隙間Sから上流側水潤滑軸受30にも供給される。そして、上流側水潤滑軸受30でも、ランナ16及びランナショルダ18との間に水膜を形成し、ラジアル方向の力及びスラスト方向の力を支持している。
これら上流側水潤滑軸受30及び下流側水潤滑軸受31の潤滑に利用された水は、水車本体2の内方に排出されて下流方向へと流される。
なお、上記水潤滑軸受30,31は、例えば、ステンレス製で形成され、その軸受面がセラミック製で形成される。これにより、水潤滑軸受30,31に供給される水に異物が混入したとしても、軸受面で粉砕して水と一緒に排出してしまうことができる。しかし、上記したように、多量の異物が流入した場合には破砕されずに詰まりを生じるおそれがある。その上、回転翼17のランナ16と固定側であるステータ20のキャン21との隙間Sよりも大きな異物Tが混入した場合、樹脂等で形成されるキャン21を傷付けてしまうおそれもある。
そこで、上記軸受給水口40に、上記回転翼17のランナ16と固定側のキャン21との隙間Sよりも大きい異物Tを除去するフィルタ部50が設けられている。このフィルタ部50に設けられるフィルタ材51は、ランナ16とキャン21との隙間Sよりも小さい目開きのメッシュ等が利用される。このように、軸受給水口40に目開き(「メッシュサイズ」ともいう)の細かいフィルタ材51を取付けることにより、給水配管41へ大きい異物Tが取出されるのを防止している。つまり、フィルタ材51により、上記水潤滑軸受30,31と回転翼17との隙間Sに詰まるような大きさの異物Tを、上記軸受給水口40で予め除去している。
図4(b) に示すように、この実施形態のフィルタ材51は、板材に所定の目開きの開口穴52を設けたものが採用されている。また、フィルタ材51は、内表面が水車本体2の内表面と同一面となるように形成されている。このようにすれば、フィルタ材51の内表面に異物Tが付着したとしても、その異物Tが水車本体2内を通る水Wによって洗い流され易いようにできる。
また、この実施形態では軸受給水口40を1つ設けているが、複数個の軸受給水口40を設けることで、1つの軸受給水口40に異物Tが詰まって取出し水量が減ったとしても、他の軸受給水口40から十分な循環水Wを取出すようにできる。
さらに、上記給水配管41には、途中に流量監視機構である電磁流量計42が設けられている。この電磁流量計42により、給水配管41内を流れる流量(水量)を監視している。電磁流量計42を設けることにより、上記フィルタ材51に異物Tが詰まって軸受給水口40から水Wが取出せなくなったことを給水配管41内の流量低下で自動的に検知し、その給水配管41内の流量低下で異物Tの詰り等が発生したと判断して水力発電装置1を停止させるような制御を自動的に行うことができる。
図5は、上記電磁流量計42による流量監視と水力発電装置1の自動停止とを行う制御の一例を示すグラフである。横軸には経過時間を示し、縦軸には軸受に供給される水量Vを示している。この例では、流量変化を時間軸で監視し、給水配管41内の水量Vが所定の閾値(図示する一点鎖線)を下回ったら、フィルタ材51に異物Tの詰り等が発生したと判断して水力発電装置1を停止させる信号が発せられるようにしている。この閾値としては、水潤滑軸受30,31に応じて問題の生じない水量Vに設定すればよい。
このように、水力発電装置1の運転中に水潤滑軸受30,31への水量低下を流量監視機構で検知して、優先的に水力発電装置1を停止する運転プログラムとすることにより、回転翼17の軸受部分に水量低下による問題が生じる前に水力発電装置1を即時停止させて、問題が生じるのを未然に防ぐ運用ができるようにしている。
さらに、図6及び図7(a),(b) に示すように、上記フィルタ部50は、フィルタ材51を簡単に取外すことができるフランジ接続構造となっている。この例では、フィルタ材51を固定するフィルタ取付部材54と、このフィルタ取付部材54を水車本体2に固定するフィルタ固定部材53とを有している。具体的には、水車本体2の上部にフランジ材56を固定し、このフランジ材56にピン61で回動可能に支持されたフィルタ固定部材53を設けている。このフィルタ固定部材53の上部には、所定長さのフィルタ取付部材54を取付け、その上部に給水配管41を接続するような構造としている。フィルタ取付部材54の上端と給水配管41とは、図7(a) に示すように、固定具60で固定されるようになっている。また、フィルタ取付部材54の下端は、図7(b) に示すように、フィルタ固定部材53のボルト57で固定されるようになっている。
図6に示すように、より具体的な構造としては、フィルタ取付部材54の下端にはフランジ部55が設けられており、このフランジ部55と上記水車本体2の上面に設けられたフランジ材56との間にフィルタ材51の上部とパッキン62とを挟んで設ける。そして、フィルタ取付部材54のフランジ部55を、フィルタ固定部材53のボルト57でフランジ材56に固定することにより、フランジ部55とフランジ材56との間でフィルタ材51を保持している。この状態で、フィルタ材51の内表面が、水車本体2の内表面と同一面に保持されている。また、フィルタ取付部材54の上端にはフランジ58が設けられ、上記給水配管41に設けられたフランジ43とがパッキン59を挟んで固定具60で固定されている。この固定具60は、締付けることでフランジ58,43を密接させるようになっている。
このようにしてフィルタ取付部材54を介してフィルタ材51を取付けるフィルタ接続構造によれば、フィルタ固定部材53と固定具60とを外せば、フィルタ取付部材54を側方から取外し又は取付けすることができる。
図8に示すように、フィルタ材51が詰まった時の確認時には、フィルタ固定部材53のボルト57を緩めてフィルタ固定部材53をフィルタ取付部材54から外すとともに、固定具60を外せば、フィルタ取付部材54を横方向に取外すことができる。これにより、フィルタ材51の上方に空間を形成することができ、フィルタ材51を上方に取外すことが容易にできる。従って、フィルタ材51に異物Tが詰まった場合でも、水力発電装置1を水管102に固定した状態でフィルタ材51を容易に取外して、清掃又は交換を行うことができる。
このような水力発電装置1によれば、水車本体2内に流れる水Wがガイドベーン10によって方向が調整されると共に増速され、この水Wでプロペラブレード15が効率良く回転させられる。そして、このプロペラブレード15と一体的にランナ16が回転させられ、ランナ16に固定された永久磁石19が、ステータ20(ステータコア)に対して回転させられ、これによってステータ20で発電することができる。
一方、上記軸受給水口40から取出される循環水Wは、フィルタ部50によって大きな異物Tが除去されるので、水潤滑軸受30,31に供給される循環水W中にはランナ16とキャン21との隙間S等、水潤滑軸受30,31と回転翼17との隙間Sに詰まるような大きさの異物Tはなく、水潤滑軸受30,31とランナ16及びランナショルダ18との間に供給した循環水Wで形成した水膜で安定した水潤滑軸受30,31の機能を保ち、水力発電装置1を安定して運用することができる。
以上のように、上記水力発電装置1によれば、軸受給水口40に設けられたフィルタ部50によって水潤滑軸受30,31とランナ16及びキャン21との隙間(潤滑部隙間)Sよりも大きな異物Tが流入するのを防ぐので、異物の多い使用条件であっても、フィルタ部50を通過した異物Tは軸受部を通過し、水力発電装置1の安定した継続運転ができる。また、軸受給水口40から取出された水中に小さな異物Tが混入した場合でも、キャン21やランナ16等を傷付けることなく排出することができる。
しかも、水中の異物Tでフィルタ材51に詰まりを生じたとしても、水潤滑軸受30,31の潤滑水量が所定量以下になると水力発電装置1を自動的に停止させることができ、回転翼17に問題を生じる前に水力発電装置1を停止させることで安定した運用が可能となる。
また、軸受給水口40を水車本体2の上部に設けることにより、土砂等の重たい異物Tが水潤滑軸受30,31に入ることがないようにして、水力発電装置1の安定した運転を可能としている。
さらに、大掛かりな自動ストレーナ等を設置することなく異物Tを除去でき、さらに別途きれいな潤滑水Wを供給するように構成する必要もないため、設備費用を抑えた水潤滑式水力発電装置1を構成することができる。
なお、上記実施形態では、フィルタ部50をフランジ接続構造として簡単に取外せるようにしているが、他の構造で取付けるようにしてもよく、上記実施形態に限定されるものではない。
また、上述した実施形態は一例を示しており、本発明の要旨を損なわない範囲での種々の変更は可能であり、本発明は上述した実施形態に限定されるものではない。
本発明に係る水潤滑式水力発電装置は、小水力発電を行いたいダムの河川維持放流部や、小河川、農業用水路、工場排水路などにおいて利用できる。
1 水力発電装置
2 水車本体
3 上流側水管部分
4 発電機本体部分
5 下流側水管部分
15 プロペラブレード
16 ランナ
17 回転翼
18 ランナショルダ
19 永久磁石
20 ステータ
21 キャン
30 水潤滑軸受(上流側)
31 水潤滑軸受(下流側)
32 凹部
33 貫通穴
40 軸受給水口
41 給水配管
42 電磁流量計
43 フランジ
50 フィルタ部
51 フィルタ材
52 開口穴
53 フィルタ固定部材
54 フィルタ取付部材
55 フランジ部
56 フランジ材
58 フランジ
60 固定具
102 水管
S 隙間
T 異物(ゴミ)
W 循環水(水)
V 水量

Claims (4)

  1. 水が通流する水管の中途に設置し、該水管と内部が連通する水車本体を備えた水潤滑式水力発電装置であって、
    前記水車本体は、該水車本体内を通流する水によって回転するプロペラブレードと、該プロペラブレードの外周囲に設けられたランナと、前記ランナの外周囲に設けられて該ランナと一体回転する永久磁石と、を有する回転翼と、
    前記回転翼の永久磁石外方に設けられたステータとを備え、
    前記回転翼は、前記ランナの上流部と下流部とをラジアル支持及びスラスト支持する水潤滑軸受により回転可能に支持され、
    前記水潤滑軸受は、前記水車本体の上流部に設けた軸受給水口から取出される水を給水配管を介して該水潤滑軸受に下流側から供給し、前記回転翼との間に水膜を形成して軸受として機能するように構成され、
    前記軸受給水口は、前記水潤滑軸受と回転翼との隙間よりも細かい目開きを有するフィルタ材を具備したフィルタ部を備え
    前記フィルタ部は、前記水車本体の内表面と同一面となるように内表面が形成された前記フィルタ材を前記軸受給水口に取付けるフィルタ取付部材と、該フィルタ取付部材を、側方から取外し又は取付けできるように、下端を前記水車本体に固定するフィルタ固定部材と上端を前記給水配管に固定する固定具とを具備したフィルタ接続構造と、を有していることを特徴とする水潤滑式水力発電装置。
  2. 前記給水配管に流量監視機器を設け、該流量監視機器で監視している流量が所定の流量を下回ると回転翼を停止させるように構成されている請求項1に記載の水潤滑式水力発電装置。
  3. 前記軸受給水口は、前記水車本体の水平方向両側方よりも上方位置に配置されている請求項1又は2に記載の水潤滑式水力発電装置。
  4. 前記軸受給水口は、前記水車本体の上流部に複数個配設され、
    前記給水配管は、前記複数個の軸受給水口から取出される水を前記水潤滑軸受と前記回転翼との間に供給するように構成されている請求項1〜のいずれか1項に記載の水潤滑式水力発電装置。
JP2010287981A 2010-12-24 2010-12-24 水潤滑式水力発電装置 Expired - Fee Related JP5385891B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010287981A JP5385891B2 (ja) 2010-12-24 2010-12-24 水潤滑式水力発電装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010287981A JP5385891B2 (ja) 2010-12-24 2010-12-24 水潤滑式水力発電装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2012136952A JP2012136952A (ja) 2012-07-19
JP5385891B2 true JP5385891B2 (ja) 2014-01-08

Family

ID=46674564

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2010287981A Expired - Fee Related JP5385891B2 (ja) 2010-12-24 2010-12-24 水潤滑式水力発電装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5385891B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN111255608B (zh) * 2020-03-23 2021-06-01 绍兴盖科生物科技有限公司 一种可以自动清理轮扇背水侧水垢的水轮机
JP7492677B2 (ja) * 2020-07-31 2024-05-30 株式会社リコー 水車発電機

Family Cites Families (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH01318764A (ja) * 1988-06-17 1989-12-25 Toshiba Eng Co Ltd 水車主軸封水装置
JPH0371170U (ja) * 1989-11-14 1991-07-18
JPH11210611A (ja) * 1998-01-27 1999-08-03 Toshiba Corp 水中軸受装置
JP4440546B2 (ja) * 2003-01-10 2010-03-24 レール・リキード−ソシエテ・アノニム・プール・レテュード・エ・レクスプロワタシオン・デ・プロセデ・ジョルジュ・クロード ガス供給ライン構造
JP4948924B2 (ja) * 2006-07-06 2012-06-06 川崎重工業株式会社 水力発電機
JP2010014046A (ja) * 2008-07-04 2010-01-21 Toyota Motor Corp 可変圧縮比エンジン

Also Published As

Publication number Publication date
JP2012136952A (ja) 2012-07-19

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN107420246B (zh) 水力机械
JP4948924B2 (ja) 水力発電機
CN102606484A (zh) 一种核电站用的上充泵
JP5385891B2 (ja) 水潤滑式水力発電装置
NO334130B1 (no) Anordning ved løpehjul for hydraulisk strømningsmaskin
CN202597113U (zh) 一种核电站用的上充泵
EP2378113A2 (en) Tidal current power generator having an impeller-type rotating blade
JP6071281B2 (ja) 水潤滑式水力発電装置
WO2009120088A1 (en) Method and device for reduction of wear in a water turbine
CN109667698A (zh) 一种海水淡化泵和透平一体机透平流量调节装置
JP6196468B2 (ja) 水力発電装置
KR20110006357A (ko) 이물질 유입이 가능한 잠수형 수차 발전기
US20120031518A1 (en) Novel designs and assembly methods for conduit used in harnessing hydrokinetic energy
CN111828227A (zh) 一种增设过滤部件的卧式水轮机组
JP2013100687A (ja) 取水装置
JP5032702B2 (ja) 流体機械、ならびにそうした機械を内蔵するエネルギー変換設備
KR20110006349A (ko) 수차 발전기
JP4139568B2 (ja) 立型バルブ水車
KR20120110270A (ko) 수로 내에 설치되는 횡류형 수류수차
JP6700660B2 (ja) 回転軸機構およびポンプ
CN216617989U (zh) 一种防缠绕半开式叶轮机构
KR101463063B1 (ko) 하수를 이용한 발전장치
JP2007032338A (ja) プロペラ水車
KR20120105709A (ko) 에너지집약장치를 갖는 항력형 수류수차
JP3172190U (ja) 水力発電施設および水力発電装置

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20130129

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20130205

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20130326

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20130910

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20131004

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5385891

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees