JP5384331B2 - 表面プラズモン共鳴に基づくセンサ - Google Patents

表面プラズモン共鳴に基づくセンサ Download PDF

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Description

本発明は表面プラズモン共鳴に基づくセンサに関する。本発明の様々な実施形態によれば、そのようなセンサは、放射(電磁放射又は粒子)、電磁界、温度、加速度、又は化学物質及び/若しくは生物又はその部分の存在及び濃度のような、様々な環境条件を検出することができる。
本発明の第1の重要な用途は、電磁放射(たとえば、赤外線、x線)及び/又は粒子の熱検出である。
放射及び/又は粒子検出器は、2つの主なファミリ、すなわち量子(quantum)検出器と熱検出器とに分けることができる。熱検出器が量子検出器よりも大きく優れている点は、非常に広いスペクトル帯において機能することができることである。別の優れている点は、熱赤外線スペクトル領域(3〜5μm以上の波長)内であっても、極低温冷却をすることなく、多くの場合に室温において動作することができることである。
熱検出器は典型的には、検出されるべき入射放射又は粒子を吸収し、当該吸収の結果として温度上昇を受ける、エネルギー吸収体と、その温度上昇を検出する読取り手段とを備える。そのようなデバイスの感度は、エネルギー吸収体の熱分離、及びそのエネルギー吸収体の熱容量に大きく依存する。低い熱容量を有する、分離度が高いエネルギー吸収体を用いることによって最大感度が得られ、わずかな量のエネルギーが吸収されるだけでも大きな温度上昇が引き起こされることは容易に理解されよう。
一般的なタイプの熱放射検出器は非冷却マイクロボロメータであり、多くの場合に、撮像の用途で個々のピクセルから成る2次元アレイの形で製造される。マイクロボロメータは、薄膜吸収検出器と、「マイクロブリッジ構造」と呼ばれる、検出感度を高めるための熱分離構造とを備える。そのデバイスによって吸収される入射放射は、温度上昇を引き起こし、それはさらに、結果として薄膜の電気伝導率を変化させる。たとえば、米国特許第6,388,256号、及びJ. L. Tissot他による論文「320×240 microbolometer uncooled IRFPA development」(SPIE Vol. 4130, Infrared technology and Applications XXVI pp. 473-479, 2000)に、マイクロボロメータが記述されている。
マイクロボロメータタイプの検出器の主な制約は、入射放射によって引き起こされる温度変化を読み取るのに必要とされる電気的接続に起因する。複雑なピクセル相互接続及び読取り回路の製造は、数多くの用途を妨げるコストを発生させる。さらに、これらの電気的相互接続は、ピクセルと読取りシステムとの間の熱分離を劣化させ、結果として、検出器の熱感度を制限する。
電気的接続によってもたらされる熱結合を除去するために、光学読取り手段を有する熱検出器が開発されてきた。これらのデバイスでは、入射放射の吸収によって引き起こされる温度変化をモニタするために、光学技術が用いられている。たとえば、米国特許第5,929,440号は、可視光反射体及び赤外線吸収体から成る二材料マイクロカンチレバービームを備えるマイクロオプトメカニカル赤外線熱検出器を述べ、マイクロカンチレバービームの可視光反射体部分に可視光ビームが導かれ、検出される放射に赤外線吸収体部分がさらされる。赤外線吸収体によって吸収される赤外線放射は熱を生成し、その熱は温度を上昇させて、二材料マイクロカンチレバービームの撓みを引き起こす。撓みは、温度変化、及び、それを構成する2つの材料の熱膨張係数の差に比例する。さらに、マイクロカンチレバービームが撓むことによって、それに応じて、反射される可視光ビームが偏向し、それが光検出器によって検出される。
Yang Zhao他による論文「Optomechanical Uncooled Infrared Imaging System: Design, Microfabrication, and Performance」(Journal of Microelectromechanical Systems, vol. 11, no. 2, 04/2002)には、類似の装置が記述されている。しかしながら、この検出器では、マイクロカンチレバービームの2次元アレイによって可視光ビームの回折パターンを調べることによって、光学的な読取りが実行される。
マイクロカンチレバービームの撓みは、干渉手段によって、たとえば、フィゾー干渉計内の可動ミラーとして、上記マイクロカンチレバービームの反射部を用いることによって測定することもできる。
マイクロカンチレバービームの原理に基づく光学読取り手段を備える従来技術の熱検出器の性能は、一方では、撓みの効果を増幅するために長いカンチレバービームを必要とする熱感度と、他方では、可能な限り短いカンチレバービームを用いることを示唆する、空間分解能、応答時間、及び振動雑音への感度と、の間のトレードオフによって制限される。結果として、これらの検出器は通常、空間分解能が低い、熱機械的な振動への感度が高い(したがって、信号対雑音比が低い)、そして応答時間が長いという問題を抱えている。
さらに、可視スペクトル領域において高い反射性を達成するために、マイクロカンチレバービームは金属製の構成要素を含まなければならない。金属は、高い熱伝導性及び低いデバイ(Debye)温度を有するので、金属を使用することは、検出器の熱感度を下げる傾向がある。
光学的な読取りを用いる別のタイプの熱放射検出器は、金属−誘電体界面の反射率が温度にわずかに依存するという事実を利用する。S. V. Mitko他による論文「Fast Thermo-reflectance Bolometry」(Proceedings Symposium IEEE/LEOS Benelux Chapter, 2003, p. 177-180)に記述されている、そのような検出器では、可視光ビーム又は近赤外線光ビームが誘電体基板を通じて金属薄膜に導かれ、金属薄膜はx線又は粒子束にさらされる。反射した光強度の変動をモニタすることによって、金属薄膜の温度の上昇が検出される。熱反射率係数ξ=1/R・dR/dTは非常に小さい(概ね4×10-5)ので、そのようなデバイスの熱感度はかなり乏しい。ここで、Rは界面反射率の係数であり、Tは絶対温度である。
より広範には、本発明は、電磁界、温度、加速度、或いは化学物質及び/若しくは生物又はその一部の存在及び濃度のような、環境条件を検出するマイクロメカニカルセンサの分野に関する。
マイクロメカニカル加速度計及び振動計は、たとえば、以下の論文から理解される。
−Nin C. Loh他著「Sub-10 cm3 interferometric accelerometer with nano-g resolution」(Journal of micro-electromechanical systems, v.11, N.3, 2002)及び
−W. Vance Payne & Jon Geist著「Low Cost Digital Vibration Meter」(J. Res. Natl. Inst. Stand. Technol. 112, 115-128 (2007))。
マイクロメカニカル(生)化学センサは以下の文献から理解される。
−Florence Quist他著「Nano-mechanical Cantilever Motion Generated by a Surface-Confined Redox Reaction」(J. Phys. Chem. B, 107, 10691-10695, 2003.)
−Karin Y. Gfeller他著「Micromechanical oscillators as rapid biosensor for the detection of active growth of Escherichia coli」(Biosensors and Bioelectronics 21, 528-533, 2005.)
−H P Lang他著「An Artificial Nose Based on Microcantilever Array Sensors」(Journal of Physics: Conference Series 61, 663-667, 2007)
−A. Vidic他著「A new cantilever system for gas and liquid sensing」(Ultramicroscopy 97, 407-416, 2003.)
−M.K. Baller他著「A cantilever array-based artificial nose」(Ultramicroscopy 82, 19, 2000.)
−H.P. Lang他著「An artificial nose based on a micromechanical cantilever array」(Analytica Chimica Acta 393, 59-65, 1999.)
−Vincent Tabard-Cossa他著「Redox-lnduced Surface Stress of Polypyrrole-Based Actuators」(J. Phys. Chem. B, 109, 17531-17537, 2005.)
−Vincent Tabard-Cossa他著「A differential microcantilever-based system for measuring surface stress changes induced by electrochemical reactions」(Sensors and Actuators B 107, 233-241, 2005.)
マイクロメカニカル(電)磁界センサは以下の文献から理解される。
−Todd G. Ruskell他著「Field mapping with the magnetic resonance force microscope」(J. Appl. Phys., Vol. 86, No. 1, 1999.)
−S. Lee and Y. C. Lee著Near-field imaging of high-frequency magnetic fields with calorimetric cantilever probes」(Journal of applied physics 99, 08H306, 2006.)
従来技術から理解されるマイクロメカニカルセンサは、通常、2つの主な構成要素、すなわち、マイクロメカニカル振動子(ほとんどの場合にカンチレバーであるが、場合によっては、振動板のような異なる構造)と、当該マイクロメカニカル振動子の変位を検出するための読取り手段とを備える。マイクロメカニカルセンサは、環境条件に応答し、且つ当該環境条件に依存する上記マイクロメカニカル振動子の変位又は共振周波数を変更するようになっている検知素子を備える。
たとえば、(生)化学センサは、分子、又は生物(biological organisms)若しくはその部分を選択的に固着するようになっている検知素子を備えることができる。検出される物質を検知素子に固着することによって、マイクロメカニカル振動子の質量が増加し、したがって、その共振周波数が低くなる。したがって、振動板が時間と共に変位するのをモニタすることによって、及びその振動板の共振振動周波数の変化を観測することによって、標的となる物質を検出することができる。
検知素子を必要とすることなく、慣性によって引き起こされる振動子の変位を測定することによって、加速度及び振動をモニタすることができる。電磁界が機械力を及ぼす検知素子を備える振動子の準静的な変位を観測することによって、電磁界を検出することもできる。たとえば、上記のTodd G. Ruskell他による論文を参照されたい。
これらの全てのマイクロメカニカルセンサでは、非常に小さな変位、又は共振周波数シフトが検出されなければならないため、読取りは極めて重要(critical)である。マイクロメカニカルカンチレバーの変位を検出する従来の読取り手段は、以下の文献から理解される。
−L.Y. Beaulieu他著「Calibrating laser beam deflection systems for use in atomic force microscopes and cantilever sensors」(Applied physics letters 88, 083108, 2006)及び
−L.Y. Beaulieu他著「A complete analysis of the laser beam deflection systems used in cantilever-based systems」(Ultramicroscopy 107, 422-430, 2007)。
本発明の目的は、従来技術のデバイスに比べて、感度が改善され、信号対雑音比が改善されているマイクロメカニカルセンサ及び/又は熱放射検出器を提供することである。
本発明の別の目的は、熱振動雑音の影響を受けにくい熱放射検出器を提供することである。
本発明の別の目的は、従来技術のデバイスよりも応答が速い熱放射検出器を提供することである。
本発明の別の目的は、従来技術のデバイスに比べて、空間分解能が改善されている熱形撮像放射検出器(a thermal imaging radiation detector)を提供することである。
上記の目的のうちの少なくとも1つは、
放射検出器であって、
検出される入射放射を吸収し、当該吸収の結果として温度上昇を受ける、エネルギー吸収体と、
エネルギー吸収体の上記温度上昇を検出する光学読取り手段と
を備え、
上記光学読取り手段は、表面プラズモン共鳴を励起することによって光ビームを上記エネルギー吸収体に結合する入力結合手段を含み、表面プラズモン共鳴条件は、エネルギー吸収体の温度に依存し、
上記エネルギー吸収体は、誘電体層によって上記入力結合手段から分離される、
放射検出器によって達成される。
本発明による放射検出器では、エネルギー吸収体に読取り光ビームが導かれ、適当な結合手段によって、そのビームは、エネルギー吸収体の表面上でプラズモンを励起する。温度の変化が、表面プラズモン共鳴条件を変更し、それによって、エネルギー吸収体の照射された表面の(複素)反射係数に影響を及ぼす。この複素反射係数をモニタすることによって、温度の変化が高感度で検出され、したがって、エネルギー吸収体上に突き当たるエネルギー放射が高感度で検出される。
表面プラズモン共鳴を使用することによって、極めてわずかな温度変動であっても、反射係数を大きく変更することができる。後に示されるように、界面反射率は、約4×10-2/Kの温度依存性を示すことができ、それは、従来技術の熱反射ボロメータの場合よりも3桁大きい。これは、非常に高感度の熱検出器を得ることができることを意味する。したがって、小型化された感熱部を使用する場合であっても、満足のいく熱感度を達成することができ、それによって、空間分解能を高め、熱振動雑音の影響を受けにくくし、より速く応答することができる。
さらに、本発明の好都合な実施形態では、検出器の感熱部は、いかなる金属製の部品も含まないことによって、さらにデバイスの感度を高める。いずれの場合においても、(通常小さな)エネルギー吸収体を(大きな)結合手段から熱分離するのに誘電体を使用することによって、非常に満足のいく感度を達成することができる。
本発明の特定の実施形態では、検出器の放射吸収部は、表面プラズモンをサポートする導電層と、誘電体層とを少なくとも含む、多層構造を備える。温度変動は、誘電体層の厚みの変動、又は導電層の誘電率の変化のいずれかを引き起こすことができる。
第1の事例では、検出器は、感熱二材料(さらに一般的には、多材料)マイクロカンチレバービームを備えることができ、厚みが変化する誘電体層は、実際には、当該二材料カンチレバーに隣接して配置される間隙であり、当該カンチレバーが湾曲することによって、当該間隙の幅の変化が引き起こされる。従来技術のデバイスの場合とは異なり、そのカンチレバーは、可視光を正反射する必要はなく、したがって、完全に誘電体から形成することができる。さらに、表面プラズモン共鳴を利用することによって与えられる高感度によって、従来技術のデバイスよりも小型のカンチレバーを使用することができる。
第2の事例では、そのデバイスの感熱部は、表面プラズモンをサポートする導電層である。本発明のこの第2の実施形態による検出器は、いかなる可動部品も備えないため、感温性がより良好である第1の実施形態による検出器よりも、はるかに応答を速くすることができる。
表面プラズモンの励起は、従来技術から既知である結合技法、すなわち、クレッチマン−レーサー(Kretschmann-Raether)配置若しくはオットー配置のいずれかである誘電体プリズム、又は体積格子若しくは表面レリーフ格子によって実現することができる。
本発明は、撮像に適用するための個々の検出器と、そのような個々の検出器の2次元アレイとの両方を対象とする。
二材料カンチレバービームを含む種類の放射検出器は、本発明の別の態様によるマイクロメカニカルセンサの具体的な実施形態と見なすことができる。
そのようなセンサは、
マイクロメカニカル振動子(より詳細には、カンチレバービームの形をとる)と、
当該マイクロメカニカル振動子の変位を検出する光学読取り手段と
を備え、
当該光学読取り手段は、表面プラズモン共鳴を励起することによって、光ビームを導電性表面に結合する入力結合手段を含み、表面プラズモン共鳴条件は、上記マイクロメカニカル振動子の変位に依存する。
本発明によれば、たとえばカンチレバービームによって光を正反射する代わりに、表面プラズモン共鳴(SPR)に基づく読取り技法を使用することで、従来技術のマイクロメカニカルセンサよりもはるかに高い感度を達成することができる。実際に、マイクロメカニカル振動子がごくわずかに変位するだけでも、プラズモンによって引き起こされる反射損を非常に強く変化させることができ、したがって、強い反射率信号を引き起こすことができる。同様に、反射率信号の信号対雑音比が高められることによって、わずかな変位又は周波数シフトも測定することができる。
本発明のセンサの様々な実施形態によれば:
上記マイクロメカニカル振動子は、或る間隙だけ上記入力結合手段から離隔して配置されることができ、上記表面プラズモン共鳴条件は、上記間隙の厚みに依存する。これは、本発明のカンチレバーに基づく熱放射検出器を参照しながら既に説明されているのと同じ動作原理である。
上記入力結合手段は、導電層によって覆われる表面を有する誘電体を含むことができ、当該入力結合手段は、上記導電層内で表面プラズモンを励起するようになっている。
代替的には、上記入力結合手段は、上記間隙によって上記マイクロメカニカル振動子から分離される誘電体表面を有する誘電体を含むことができ、当該マイクロメカニカル振動子は、好ましくは入力結合手段に向かって配置される表面上に導電層を含み、当該入力結合手段は、上記導電層内で表面プラズモンを励起するようになっている。
上記マイクロメカニカル振動子は、環境条件を検知すると共に、当該環境条件に基づく当該マイクロメカニカル振動子の変位又は共振周波数を変更するようになっている、検知層のような、少なくとも1つの検知素子を含むことができる。
上記で説明されたように、上記検知素子は、以下とすることができる:
検出される分子を固着し、それによって、上記マイクロメカニカル振動子の質量又は剛性を変更するか、又はその変位を引き起こすようになっている化学検知素子。
微生物又はその一部を固着し、それによって、上記マイクロメカニカル振動子の質量又は剛性を変更するか、又はその変位を引き起こすようになっている生物検知素子。
電磁界の中に入れられるときに力を受け、それによって、上記マイクロメカニカル振動子の変位を引き起こすようになっている電磁界検知素子。
又は、その温度が基準温度から逸脱するときに熱膨張差を受け、それによって、上記マイクロメカニカル振動子(すなわち、熱放射検出器において用いられる二材料又は多材料ビーム)の変位を引き起こすようになっている熱検知素子。この事例では、センサは、入射放射を吸収し、それによって、上記熱検知素子を加熱するための放射吸収素子をさらに含むことができる。
また本発明は、検知デバイスであって、そのようなマイクロメカニカルセンサを含み、導電性表面に対して少なくともTM偏光の成分を有する偏光された光ビームを生成し、それを、当該導電性表面に結合するように上記入力結合手段に導く光放射源をさらに含む、検知デバイスも対象とする。
その検知デバイスはさらに、上記入力結合手段によって上記導電性表面に結合される上記光ビームの反射された部分を検出する光検出器を備えることができる。
その検知デバイスは、上記光ビームの上記反射された部分の強度から上記マイクロメカニカル振動子の変位を求める信号処理手段をさらに備えることができる。当該信号処理手段はさらに、上記光ビームの上記反射された部分の時間と共に変化する強度から、上記マイクロメカニカル振動子の振動周波数を求めるようになっていることができる。
そのデバイスは、上記マイクロメカニカル振動子の振動モードを励起する手段をさらに備えることができる。そのようになっている手段は、原子間力顕微鏡(AFM)の分野から理解される。
本発明は、個々のマイクロメカニカルセンサから成る1次元アレイ又は2次元アレイを含む分析デバイスも対象とし、個々のセンサはそれぞれ、異なる環境条件を検知する異なる検知素子を備える。
本発明のさらなる特徴及び利点は、添付の図面と共に取り上げられる、以下の説明から明らかになるであろう。
表面プラズモンを励起するクレッチマン−レーサー技法の概略図である。 表面プラズモン共鳴、又はその付近における光入射角への誘電体−金属界面の複素反射係数の係数の依存性を示す図である。 表面プラズモン共鳴、又はその付近における光入射角への誘電体−金属界面の複素反射係数の位相の依存性を示す図である。 本発明の第1の実施形態による検出器の概略図である。 図2Aの検出器のエネルギー吸収体部内の間隙の幅への誘電体−金属界面の複素反射係数の係数の依存性を示す図である。 図2Aの検出器のエネルギー吸収体部内の間隙の幅への誘電体−金属界面の複素反射係数の位相の依存性を示す図である。 本発明の第2の実施形態による検出器の概略図である。 本発明の第3の実施形態による検出器の概略図である。 本発明の第4の実施形態による検出器の概略図である。 本発明の第5の実施形態による撮像検出器の概略図である。 本発明の第6の実施形態によるマイクロメカニカルセンサの概略図である。 本発明の第7の実施形態によるマイクロメカニカルセンサの概略図である。
図面において、類似の参照番号は類似の機構を指している。
表面プラズモンは、金属薄膜のような導体の表面に沿って伝搬する自由電子の量化された振動(「固有モード(eigenmodes)」)である。表面プラズモンは、自由に伝搬する電磁放射には結合しない。したがって、プラズモンと光子との間の波数ベクトル(wave vector)が一致しないことに起因して、いかなる波長及び入射角であっても、単に導体の表面に光ビームを照射するだけでは、表面プラズモンを励起することはできない。しかしながら、プラズモンは、2つの誘電体媒質間の界面における全反射によって生成されるエバネッセント波(evanescent waves)とは結合する。これは、クレッチマン−レーサー結合技法の基礎であり、それが、ここで図1Aを参照しながら説明される。
誘電体プリズム101は、その底面101’が、プラズモンをサポートすることができる金属薄膜102上に位置するように配置される。光ビーム103は、プリズム101の側面101’上に入射され、屈折され、入射角θiで底面101’’に突き当てられる。古典的な電気力学によれば、光ビーム103は誘電体101−金属102の界面において反射され、反対側の側面101’’’を通じてプリズム101から出射し、その間、エバネッセント波104が金属102内に引き起こされることを示すことができる。光ビーム103が、金属表面102に対して横波の磁界成分(TM成分)を有する場合、入射角θiの共鳴値θRが存在し、その場合、金属薄膜の表面に対して平行な入射光ビームの波数ベクトルの成分は、表面プラズモン波の波数ベクトルに等しく、したがって、エバネッセント波104が、プリズム101の反対側にある金属薄膜102−自由空間界面102’においてプラズモン波を励起することができる。表面プラズモン共鳴(SPR)条件θi=θRの達成は、反射される光の強度の狭く且つ深い最小値として観測することができ、急激な位相シフトを伴う。図1B及び図1Cは、表面プラズモン共鳴の位置、又はその付近における入射角θiの関数として、反射係数r=ρ×eの係数ρの依存性及び位相ψの依存性を定性的(qualitatively)に示す。
その技法は最も広く用いられるが、唯一の技法ではない。オットー技法は、薄い(通常、数十ナノメートルの)空隙がプリズムと金属表面との間に介在し、それによって、光がプリズム−空気界面において内部全反射を受けると言う点でのみクレッチマン−レーサー方式と異なる。オットー方式では、プラズモンは、プリズムに向かって配置される金属表面上で引き起こされる。他の表面プラズモン励起方法は、プリズムの代わりに誘電体体積格子を使用し、回折格子の形を成す金属表面又は薄膜を照らすことを含む。
プラズモンの物理学への一般的な手引きは、Ch. Kittel著「Introduction to Solid State Physics」(3rd edition, John Wiley and Sons, New York 1996, chapter 8)に見出すことができる。表面プラズモン共鳴及びプラズモン−光結合技法に関するさらに具体的な情報は、H. Raether著の論文「Surface Plasmons on smooth and rough surfaces and on gratings」(Springer tracts in modern physics, vol. 111, Springer-Verlag Berlin Heidelberg New York, 1988, p. 5-40)、及びA. Otto著の論文「The surface polariton resonance in attenuated total reflection」(in Polaritons, Pergamon press, New York, 1974, p. 117-121)に見出すことができる。
図2Aは、本発明の第1の実施形態による、クレッチマン−レーサーSPR構成に基づく表面プラズモン共鳴熱検出器の概略図を示す。その検出器は、垂直偏波(TM)偏光の光源201と、ガラスプリズム202と、プリズムの底面202’上に配置される多層構造203と、光検出器204とを備える。多層構造203は、プリズム202の底面202’上に蒸着される高導電性の金属(たとえば、銀、金、銅、アルミニウム)の金属薄膜2031と、当該金属薄膜2031から距離dに配置され、検出される入射放射にさらされる放射吸収表面2033’を有する、二材料マイクロカンチレバービーム2033と、を備える。薄膜2031とマイクロカンチレバービーム2031との間の間隙2032は、光学的な観点から、多層構造203の誘電体層を構成する。間隙2032は、中空にする、すなわち空気を満たすことができるか、又は任意の他の適当な気体媒質で満たすことができる。金属薄膜2031の厚みは、一般的に10〜100nmから成り、検出器の動作を最適化するように注意深く決定される。
光源201によって放射される、TM偏光の可視光ビーム又は近赤外線光ビーム2011は、プリズム202の第1の側面202’’によって屈折され、表面プラズモン共鳴θi=θRを満たす入射角θiで底面202’に突き当てられる。結果として、プラズモンが金属薄膜2031内で励起される。ガラス−金属界面によって反射される光は、反対側の側面202’’’を通じてプリズムから出射し、光検出器204に達し、それによって、ガラス−金属界面の反射率R=|ρ|2を測定することができ、したがって、その反射係数の係数ρを測定することができる。この反射率は、金属薄膜2031及びプリズム202の光学的特性から予測される反射率よりも低い。なぜなら、入射する光エネルギーの一部が、プラズモン生成過程によって吸収されるためである。
検出される放射RADがマイクロカンチレバービーム2033に突き当たるとき、その放射は吸収され、そのエネルギーが熱に変換される。結果として、上記マイクロカンチレバービーム2033は、温度上昇を受けて、その二材料構造に起因して撓み、したがって、空気で満たされた間隙2032の幅が量Δzだけ変更される(図示される事例では増加する)。その量は温度上昇に比例し、したがって、吸収される放射のエネルギーに比例する。
適当な境界条件によるマクスウエルの方程式の解に基づく数値シミュレーションの助けを借りて、表面プラズモン共鳴角θRが、ガラスプリズム202の特性及び金属薄膜2031の特性に依存するだけでなく、多層構造203全体の光学的特性の関数であることを示すことができる。これは、マイクロカンチレバービーム2033が熱に起因して撓むことによって、表面プラズモン共鳴角θRが変更され、それによって、共鳴条件θi=θRがもはや満たされなくなることを意味する。これは、表面反射率の増加を引き起こし、それが光検出器204によってモニタされる。
既に説明されているように、表面プラズモン共鳴角は、ガラス−金属界面反射係数の係数ρに影響を及ぼすだけでなく、その位相ψにも影響を及ぼす。結果として、光ビーム2011の反射される部分の位相をモニタすることによって、マイクロカンチレバービーム2033の熱に起因する撓みを検出することもでき、実際に、これによって、さらに高い感度を達成することができる。この理由によって、図2Aの検出器は、光ビーム2011の位相変化を、光検出器204によって直に測定することができる強度変化に変換する干渉デバイス205も備える。そのような干渉デバイスの一例は、J. W. Goodman著の書籍「Introduction to Fourier Optics」(McGraw-Hill, 1968, chapter 7-1)において記述されるように、ゼルニケデフェージングプレート(a Zernike dephasing plate)を含む空間フィルタリング配列によって構成される。
図2B及び図2Cはそれぞれ、入射角θiが、θRによって示される、Δz=0の場合の共鳴値において固定されるときの、ガラス−金属界面の複素反射係数の振幅ρ及び位相ψのΔzへの定性的な依存性を示す。表面プラズモン共鳴は、高感度であるため、10-2〜10-1nm程度の小さなΔzの値でも、反射係数にかなりの変動を引き起こすことができる。実用的な用途の場合、測定分解能は約1〜2nmであり、それは既に、カンチレバービームの最小限検出可能な撓みが、読取り光ビームの波長の概ね何分の1かの大きさであり、すなわち数十又は数百ナノメートルである従来技術のマイクロオプトメカニカル熱検出器の場合よりもはるかに小さい。
カンチレバービームのサイズが一定に保持される場合には、カンチレバービームの垂直方向への撓みの測定分解能が小さくなるほど、従来技術の検出器よりもエネルギー分解能を高めることができる。所与のエネルギー分解能の場合に、表面プラズモン共鳴によって、より短いカンチレバービームを使用することができ、延いては、振動及び熱による揺らぎに対する検出器の感度が低減されると共に、その応答が速くなる。
光源201は、レーザのような単色の可視放射体又は近赤外線放射体によって構成され、オプションで偏光子を設けられることが好ましい。光検出器204は、フォトダイオード、光電子増倍管、電荷結合素子及び感光性シートから選択することができる。吸収されるエネルギーによって引き起こされる温度変動を大きくするために、高いデバイ温度及び低い熱伝導度を有する誘電性断熱体、たとえば、酸化シリコン、ケイ酸塩ガラス、窒化シリコン(Si34)だけから形成される二材料マイクロカンチレバービームを使用することが好ましい。
上記で説明されたように、表面プラズモン共鳴は、空気を満たされた空隙2032の厚みの極めてわずかな変動も感知し、それによって、従来技術のマイクロオプトメカニカル熱検出器の場合よりも、短いカンチレバービーム2033を使用することができる。これは、ピクセルを小さくできることを意味し、したがって、撮像の用途において達成可能な空間分解能を、従来技術の検出器を用いることによって実現可能である空間分解能よりも高くすることができることを意味する。
図3に示される本発明の第2の実施形態は、表面プラズモンを励起するために入射光ビーム2011をガラス−金属界面に結合するのに用いられる入力結合手段の性質、及び上記光ビームの反射された部分を光検出器204に結合するのに用いられる出力結合手段の性質によってのみ、第1の実施形態と異なる。第1の実施形態では、これらの入力結合手段及び出力結合手段は、誘電体プリズム202の対向する側面202’’及び202’’’によって構成されたが、第2の実施形態では、それらの結合手段は、その上側表面上に金属薄膜2031が蒸着される体積格子(a volume grating)302の2つの対向する側面3021、3022によって構成される。
本発明のこの実施形態は、結合手段として体積格子を使用することによって、デバイスを小型化することができるようになり、それは高解像度の撮像の用途にとって特に有用であるため、注目に値する。
図4に示される本発明の第3の実施形態もまた、入力結合手段及び出力結合手段の性質によってのみ区別される。この第3の実施形態では、透明支持板4022内に構築されるレリーフ格子4021上にコーティングされる単一の金属レリーフ格子402が、入力結合系及び出力結合系の両方の役割を果たす。金属コーティング402は、結合手段の構成要素だけでなく、表面プラズモンをサポートする多層構造403の導電層も構成する(多層構造403は、図2A及び図3の多層構造203に対応するが、それは、平坦でない層402を含むため、異なる参照番号によって示される)。別の言い方をすると、金属レリーフ格子402は、上記で説明された実施形態では全く別個の構成要素である、光結合手段及び多層構造503に同時に属する。
図において明らかであるように、光ビーム2011は、透明支持板4022の背面に突き当たり、その厚みを通じて伝搬し、反射において作用する金属レリーフ格子402によって回折し(回折次数m=−1、0及び1が示される)、それによって同じ格子402上で表面プラズモン共鳴を励起する。たとえば、次数m=−1又は1の回折した光は、光検出器204によって検出される。好都合に、格子402は、検出のために用いられる所与の回折次数mmaxに関して回折エネルギーを最大にするために設計される。
この第3の実施形態は、入力機能及び光結合機能のいずれもが、プラズモンサポート導電層でもある単一の構成要素によって達成されるという理由から、デバイスを単純化し、さらに小型化できるようにするので興味深い。
本発明の第1、第2及び第3の実施形態は、その光結合手段によってのみ互いに区別される、同じデバイスの変形と見なすことができるが、図5に示される第4の実施形態は、かなり異なる仕組みに基づいて動作する。
この実施形態では、第1の実施形態の場合と同様に、その底面502’上に放射吸収多層構造503が配置される誘電体(ガラス)プリズム502の2つの対向する側面502’’、502’’’によって、入力結合手段及び出力光結合手段が構成される。しかしながら、第1の実施形態とは異なり、多層構造503は、プリズム底面502’とプラズモンをサポートする薄い金属層5032との間に配置される空気を満たされた間隙5031を含み、薄い金属層が、検出される放射束RADに直にさらされる。可視又は近赤外線のTM偏光された光ビーム2011が、プリズムの入力結合面502’’に突き当たり、屈折して、その後、底面502’に突き当たり、ガラス−空気界面において内部全反射を受けて、出力結合面502’’’を介してプリズムから出射する。光ビーム2011の入射角θiが適当に選択される場合には、ガラス−空気界面上のエバネッセント波が、オットー結合機構を介して、金属薄膜5032内に表面プラズモンを励起し、この結果として、反射率が1よりもはっきりと小さくなる。その厚みが概ね50nm〜5μmで構成される間隙5031は、界面において内部全反射が生じることができるように、プリズム502よりも低い屈折率を有する固体誘電体層によって置き換えることができることは理解されよう。
プラズモンをサポートする金属薄膜5032を放射RADによって加熱することによって、その誘電率の変化が決定され、したがって表面プラズモン共鳴条件の変化が決定される。したがって、上記金属薄膜5032の温度が上昇するとき、共鳴入射角θRが、光ビーム2011の実効入射角θiとは異なるようになり、プラズモン生成効率が低下する。上記で説明された実施形態の場合と同様に、これは、ガラス−多層構造界面の複素反射係数の振幅ρ及び位相ψの急激な変化を決定し、それは光学手段によってモニタすることができる。
この第4の実施形態は、いかなる可動部品も含まないため、注目に値する。結果として、それは、上記で説明されたデバイスよりも、速い応答を示し、熱振動雑音に対してはるかに影響を受けにくい。
図2A、図3又は図4に示される種類の構造を有する単一のデバイスにおいて、熱力学及び熱光学効果を組み合わせることもでき、その場合、二材料カンチレバービーム2033は、その誘電率が温度に依存する材料を少なくとも含む。2つの効果間の相乗効果が、検出器のスペクトル帯域幅を広げ、その感度を高め、且つ/又はそのサイズをさらに小さくすることができるようにし、それは、高い空間分解能の撮像の用途において特に好都合である。
表面プラズモン共鳴に基づく熱検出器は、撮像の用途において非常に好都合に用いることができる。その構造が単純であることによって、それぞれが1つのピクセルを構成する、そのような検出器から成る大きな(たとえば、1000×1000、電気的な読取りマイクロボロメータで実現可能な大きさよりもはるかに大きい)2次元アレイを構築することができる。上記で説明されたように、本発明による検出器は、電気光学読取りを用いる従来技術の熱検出器よりも著しく小さくすることができる。これによって、撮像の用途において、はるかに大きな空間分解能を達成することができるようになる。
本発明による撮像検出器の概略的な構造が図6に示される。光源601が、表面プラズモン共鳴に基づく熱検出器の2次元アレイ600の全てのピクセルを同時に照射する、コリメート(collimate)された読取り光ビーム6011を生成する。入射角は、全ての個々の検出器(ピクセル)に対して同じでなければならないので、読取り光ビーム6011のコリメーションは重要である。到来する放射又は粒子束RADの2次元空間分布は、アレイ600の照射される表面の、空間的に変化する反射率変動を引き起こし、したがって、撮像光検出器604、通常CCD2次元アレイに導かれる、反射される光の空間変調を引き起こす。要するに、表面プラズモン共鳴デバイスは、到来する放射又は粒子束の空間分布を、反射される光ビームの空間分布に変換し、それは従来の手段によって容易に検出することができる。
選択的に、光学像を処理するために、熱検出器アレイ600とCCDアレイ604との間に空間フィルタリング手段605を介在させることができる。
2次元アレイは、上記で説明された任意の種類の検出器に基づくことができる。入力/出力結合手段として格子を用いる検出器(図3及び図4)は、一般的に、その縮小された寸法に起因して、プリズムを用いる検出器よりも好ましい。
本発明の第1の実施形態及び第4の実施形態による熱検出器の理論的な性能を測定するために、数値シミュレーションが実行された。そのシミュレーションは、放射吸収多層構造の光学的特性を計算するためにフレネル行列法を利用する(G. J. Sprokel著「The reflectivity of a liquid crystal cell in a surface plasmons experiment」(Mol. Cryst. Liq Cryst., Vol. 68, No. 4, 1981, p. 39-45)を参照されたい)。
以下のパラメータによって特徴付けられる、図2Aに示される種類のデバイスに関して第1のシミュレーションが実行された。
プリズム202の屈折率:1.500
空隙2032の厚み: 500nm
金属層2031:
厚み: 32nm
組成: 銀
デバイ温度: 225K
質量密度: 10.5g/cm2
原子量: 107.87g/mole
抵抗の温度係数: 4100ppm/K
誘電率: −18.2+0.5i
カンチレバー2033:
組成: 金/Si34
厚み: 50nm/50nm
ピクセルサイズ: 70μm×10μm
周囲温度: 18℃
この第1のシミュレーションの結果は以下のとおりである。
SPR角θR: 45°30’
熱分解能: 0.013K
エネルギー分解能: 0.001nJ
カンチレバービームの金の金属層をSiO2層で置き換えることによって、第2のシミュレーションが実行された。空隙2032及び金属層2031の厚みは、以下のように、わずかに変更されている。
空隙2032の厚み: 885nm
金属層2031の厚み: 43nm
他の全てのパラメータは変更されていない。
第2のシミュレーションの結果は以下のとおりである。
SPR角θR: 43°23’
熱分解能: 3×10-4
エネルギー分解能: 1.8×10-5nJ
予測されるように、全て誘電体のカンチレバーを使用することによって、デバイスのエネルギー分解能が概ね2桁だけ改善される。
ピクセルサイズを小さくするとともに、金の金属層を使用し、他の全てのパラメータを第1のシミュレーションに対して変更しないままにすることによって、第3のシミュレーションが実行された。
ピクセルサイズ: 25μm×10μm
金属層2031:
厚み: 42nm
組成: 金
デバイ温度: 165K
質量密度: 19.32g/cm2
原子量: 196.97g/mole
抵抗の温度係数: 3800ppm/K
誘電率: −11.54+1.2i
この第3のシミュレーションの結果は以下のとおりである。
SPR角θR: 46°15’
熱分解能: 0.23K
エネルギー分解能: 0.001nJ
銀を金で置き換えることによって、カンチレバー長を70nmから25nmに小さくすることができ、それによって、撮像の用途において、さらに良好な空間分解能が可能になることがわかる。これは、カンチレバービームの長さが、表面プラズモンの伝搬長に少なくとも等しくなければならず、銀よりも金において、より短いという事実に起因する。金が銀よりも優れているさらなる点は、化学的安定性がより大きいことである。他方、銀によって、より良好なエネルギー分解能を達成することができる。
以下のパラメータによって特徴付けられる、図5に示される種類のデバイス(第4の実施形態)に関して第4のシミュレーションが実行された。
プリズム502の屈折率:1.500
空隙5031の厚み: 1010nm
金属層5032:
厚み: 130nm
組成: 銀(第1の例と同じ物理的特性)
ピクセルサイズ: 70μm×10μm
周囲温度: 18℃
この第4のシミュレーションの結果は以下のとおりである。
SPR角θR: 43°28’
熱による反射率の変動: 4%/K
熱分解能: 0.087K
エネルギー分解能: 0.02nJ
エネルギー分解能は、カンチレバービームの原理に基づくデバイスの場合ほど良好ではない。しかしながら、可動部品がないことによって、より速く動作することができ、機械的な振動に対する感度が低減される。
金の金属層と、より小さなピクセルサイズとを用いて、同じ種類のデバイスに関して第5のシミュレーションが実行された。
空隙5031の厚み: 590nm
金属層5032:
厚み: 130nm
組成: 金(第2の例と同じ物理的特性)
ピクセルサイズ: 25μm×10μm
他の全てのパラメータは第3の例と同じである。
この第5のシミュレーションの結果は以下のとおりである。
SPR角θR: 44°25’
熱による反射率の変動: 3.8%/K
熱分解能: 0.2K
エネルギー分解能: 0.08nJ
銀の代わりに金を用いることによって、ピクセルサイズを小さくすることができるが、これは、エネルギー分解能を犠牲にしてのみ得られる。
図7に示されるように、本発明の第6の実施形態によるマイクロメカニカルセンサは概ね、図2Aの熱検出器と同じ構造に基づく。誘電体プリズム202が、光ビーム2011を、その表面202を覆う導電層2031に結合する。従来技術から知られているように、適当な条件が満たされるとき、クレッチマン−レーサー結合によって、層2031内でSPRが励起される。本発明の好ましい形態では、層2031は銀又は金から形成される。
マイクロメートル又はサブマイクロメートル幅の間隙2032だけ離隔して、カンチレバービーム206が層2031上に配置される。既に説明されているように、SPRに関する条件は、数ある要因の中でも、間隙2032の幅によって強く影響を及ぼされる。図7及び図8において、カンチレバービーム206の厚み及び間隙2031の幅は、他の構成要素のサイズに対して著しく誇張されていることを考慮に入れることが重要である。
カンチレバービーム206は、その端部によって、支持構造2060に固定され、その支持構造は、たとえばシリコンから形成される主層又は構造層2061と、圧電層2062と、検知層2063とを備える。
圧電層2062は、原子間力顕微鏡(AFM)の分野から理解されるように、カンチレバービーム206の振動の屈曲モードを励起するために用いられる。この層は、対象となる環境パラメータを検出するのに、共鳴周波数シフトを観測する必要があるときにのみ必要である。カンチレバーの準静的な変位又は撓みしか検出されない場合には、圧電層を省くことができる。
検知層2063は、環境条件を検知するように、且つ当該環境条件に応じた上記マイクロメカニカル振動子の変位又は共振周波数を変更するようになっている。本発明の異なる実施形態によれば、検知層2063はいくつかの異なる形をとることができる。
たとえば、層2063は、化学物質を選択的に吸収又は吸着し、取り込み、それによって、カンチレバービーム206を撓ませる。この用途に適している検知層は、上記で参照された、M. K. Baller他及びH. P. Lang他による論文によって記述される。
化学物質又は生物の吸収又は吸着は、カンチレバーの質量を増加させ、したがって、その共振周波数を減少させる。そのような検出方式は、化学検知の分野では、上記で参照されたA. Vidic他による論文によって、また生物検知の分野では、K. Y. Gfeller他による論文によって述べられている。
化学物質の吸収又は吸着は、F. Qusit他及びV. Tabard-Cossa他によって述べられているように、表面応力を引き起こすことによって、カンチレバーを曲げることもできる。
代替的には、層2063は磁性層とすることができる。不均一な磁界内に入れられるとき、そのような層は、カンチレバーを撓ませる力を受ける。磁界を検出するようになっている検知層は、上記で参照されたL. Y. Beaulieu他による論文によって記述される。
これらは単に非限定的な例であることは理解されたい。
図2Aの熱放射検出器は、図5のセンサの特定の実施形態と見なすことができ、二材料カンチレバー2033を構成する2つの層のうちの一方が、温度検知層として機能する。
検知層2063は本発明の不可欠な特徴ではない。そのカンチレバー206が構造層2061のみを含むデバイスは、加速度計又は振動検出器として用いることができる。実際には、この場合には、検出される「環境パラメータ」は、カンチレバービームそのものに作用し、(時間と共に)その撓みを引き起こす慣性力である。
本発明のデバイスは、所定の周波数の振動、すなわちソナーによって引き起こされる振動を検知するのに用いることができる。好都合に、この場合、マイクロメカニカル振動子は、当該振動の周波数に合わせることができる。
表面プラズモン共鳴は、それだけでは、間隙2032の幅を測定することができるようにするだけであり、したがって、カンチレバービーム206の変位又は撓みを検出することができるようにするだけである。しかしながら、場合によっては、検知層2063は、マイクロメカニカル振動子の変位を引き起こすのではなく、その振動周波数のシフトのみを引き起こす。当該シフトは、時間と共に変化する変位をモニタすることによって測定することができる。この場合であっても、SPR検出を使用することは、検知デバイスの感度及び信号対雑音比を改善するのに役に立つ。
図7において、カンチレバー206の振動周波数を測定する信号処理手段は、符号7によって示される。
図8は、本発明のセンサの異なる実施形態を示しており、プリズム202の「上側」表面202’上ではなく、カンチレバービーム206の「下側」表面上に導電層2064が設けられている。この検出器は、オットーSPR結合方式に基づいており、一方、図7の検出器は、クレッチマン−レーサー結合を使用する。それは別として、2つのセンサの動作は基本的には同じである。
代替的な実施形態では、導電層2064は、カンチレバービーム206の「上側」表面上に配置することができるか、又はその構造内に埋め込むことができる。しかしながら、一般的には、結合手段202に向かって配置されるカンチレバーの表面上に導電層を配置することが好ましい。
本発明のセンサは、図7及び図8に示される実施形態には限定されない。詳細には、プリズム202の代わりに、図3及び図4に示される結合手段を用いることができる。さらに、これらのセンサの1次元又は2次元のアレイを形成し、図6に示されるシステムに類似の「撮像」システムにおいて用いることができる。そのようなセンサアレイは、単一の小型化されたデバイスで、且つ一度の動作で、多数の化学的/生物学的分析を実行することができるようにするため、化学的及び生物学的な技法において特に有用である。たとえば、上記で参照された、M. K. Baller他及びH. P. Lang他による論文を参照されたい。
より広範には、本発明によるセンサアレイは、複数の異なる化学的、生物学的及び/又は物理的環境条件を同時に検知するために異なる検知層を設けられる複数のセンサを含むことができる。
同じ環境条件を検知するために同等の検知層を有するセンサアレイは、空間分解能で検出を実行するのに役に立つことがある。たとえば、化学センサのアレイを用いて、ガス流出の空間分布をモニタすることができる。
マイクロメカニカル振動子は、カンチレバービームとは異なる形をとることができることは理解されたい。たとえば、上記で参照されたN. C. Loh他による論文は、全く異なる構造を有するマイクロメカニカル振動子を記述している。
マイクロメカニカル振動子の振動を励起する手段も異なる形、たとえば、静電アクチュエータ又は磁性アクチュエータの形をとることができる。しかしながら、圧電アクチュエータが特に好都合である。
最後に、検知素子は、振動子表面の大きな部分をコーティングする層の形をとる必要はない。いくつかの実施形態では、小型化された検知素子を、たとえば、振動するカンチレバービームの先端に配置することができる。

Claims (28)

  1. 放射検出器であって、
    検出される入射放射(RAD)を吸収し、該吸収の結果として温度上昇を受ける、エネルギー吸収体(2033、5032)と、
    前記エネルギー吸収体(2033、5032)の前記温度上昇を検出する光学読取り手段と
    を備え、
    前記光学読取り手段は、表面プラズモン共鳴を励起することによって光ビーム(2011、611)を前記エネルギー吸収体(2033、5032)に結合する入力結合手段(202、3021、402、502)を含み、表面プラズモン共鳴条件は、前記エネルギー吸収体(2033、5032)の温度に依存し、
    前記エネルギー吸収体(2033、5032)は、誘電体層(2032、5031)によって前記入力結合手段(202、3021、402、502)から分離され
    前記エネルギー吸収体(2033、5032)を前記入力結合手段(202、3021、402、502)から分離する前記誘電体層(2032、5031)は間隙である
    ことを特徴とする、放射検出器。
  2. 前記エネルギー吸収体(2033、5032)と、表面プラズモンをサポートする導電層(2031、402、532)と、前記誘電体層(2032、5031)とを少なくとも含む多層構造(203、403、503)を備える、請求項1記載の放射検出器。
  3. 前記導電層(2031、402、532)は、金及び銀から選択される材料から形成される、請求項に記載の放射検出器。
  4. 前記多層構造(203、403、503)は、前記エネルギー吸収体(2033、5032)の少なくとも一部の温度変動に応じて厚みが変化する誘電体層(2032)を含む、請求項2又は3に記載の放射検出器。
  5. 前記エネルギー吸収体(2033、5032)は、温度変動に応じて撓むようになっている多材料カンチレバー(2033)をさらに含み、厚みが変化する前記誘電体層(2032)は、前記多材料カンチレバー(2033)を前記入力結合手段(202、3021、402)から分離する前記間隙(2032)を含み、それによって、前記多材料カンチレバー(2033)の撓みが、前記間隙(2032)の幅の変化を引き起こす、請求項1に従属するときの請求項4に記載の放射検出器。
  6. 前記多材料カンチレバーは二材料カンチレバーである、請求項に記載の放射検出器。
  7. 前記多材料カンチレバー(2033)の少なくとも1つの表面(2033’)は、検出される入射放射(RAD)又は粒子束を吸収すると共に、該吸収の結果として、温度上昇を受けるようになっている、請求項又はに記載の放射検出器。
  8. 前記多材料カンチレバー(2033)は誘電体材料のみから形成される、請求項のいずれか一項に記載の放射検出器。
  9. 前記入力結合手段(202、3021、402)は、
    その上に前記多層構造(203)の導電層(2031)が配置されている、クレッチマン−レーサー構成の誘電体プリズム(202)、
    その上に前記多層構造(203)の導電層(2031)が配置されている、誘電体体積格子(3021)、及び
    基板(4021)上に配置される導電性レリーフ格子(402)であって、前記エネルギー吸収体の前記多層構造(203)の導電層を構成する導電性レリーフ格子(402)
    から選択される、請求項〜8のいずれか一項に記載の放射検出器。
  10. 前記間隙(2032)は、
    前記多材料カンチレバー(2033)と、
    前記誘電体プリズム(202)、体積格子(3021)、又は基板(4021)上に配置される前記導電層(2031)と
    の間に配置される、請求項に記載の放射検出器。
  11. 前記多層構造(2033、5032)は、前記エネルギー吸収体(2033、5032)の少なくとも一部の温度変動に応じて誘電率が変化する層を含む、請求項1〜10のいずれか一項に記載の放射検出器。
  12. 温度変動に応じて誘電率が変化する前記層は、前記多材料カンチレバー(2033)の一部である、請求項〜10のいずれか一項に従属するときの請求項11に記載の放射検出器。
  13. 誘電率が変化する前記層は、表面プラズモンをサポートする導電層(5032)である、請求項11に記載の放射検出器。
  14. 誘電率が変化する前記導電層(5032)は、検出される入射放射(RAD)を吸収するようになっていると共に、該吸収の結果として温度上昇を受け、前記誘電体層(5031)によって前記入力結合手段(502)から分離される、請求項13に記載の放射検出器。
  15. 前記入力結合手段は、オットー構成の誘電体プリズム(502)を含み、該誘電体プリズム(502)と、誘電率が変化する前記導電層(5032)との間に誘電体層(5031)が配置される、請求項13又は14に記載の放射検出器。
  16. 熱放射検出器の2次元アレイ(600)を含む、請求項1〜15のいずれか一項に記載の放射検出器。
  17. 前記エネルギー吸収体(2033、5032)の結合面に対して少なくともTM偏光の成分を有する偏光ビーム(2011、611)を生成し、該ビームを、前記エネルギー吸収体(2033、5032)に結合するように前記入力結合手段(202、3021、402、502)に誘導する光放射源(201、601)をさらに備える、請求項1〜16のいずれか一項に記載の放射検出器
  18. 前記光放射源(201、601)は可視光放射源又は近赤外線放射源である、請求項17に記載の放射検出器
  19. 前記光放射源(201、601)はレーザである、請求項17又は18に記載の放射検出器
  20. 前記光ビーム(611)はコリメートされたビームであり、
    前記光放射源(601)は、該ビームを前記2次元アレイ(600)の全ての熱放射検出器に同時に誘導するようになっている、請求項1に従属するときの請求項17〜19のいずれか一項に記載の放射検出器。
  21. 前記入力結合手段によって前記エネルギー吸収体(2033、5032)に結合される前記光ビーム(2011、611)の反射された部分を検出する、光検出器(204)又は光検出器アレイ(604)をさらに備える、請求項1〜20のいずれか一項に記載の放射検出器
  22. 前記光検出器(204)又は前記光検出器アレイ(604)は、フォトダイオード、フォトダイオードの2次元アレイ、光電子増倍管、光電子増倍管の2次元アレイ、電荷結合素子、電荷結合素子の2次元アレイ、及び感光性シートから選択される、請求項21に記載の放射検出器
  23. 前記反射されたビームを前記放射検出器(204)又は光検出器アレイ(604)に光学的に結合する出力結合手段(202’’’、3022、402、502’’’)をさらに備える、請求項21又は22に記載の放射検出器
  24. 前記出力結合手段は、誘電体プリズム(202、502)の1つの表面(202’’’、502’’’)を含み、該プリズムの異なる表面(202’’、502’’)は前記入力結合手段を構成するか、又は該入力結合手段に属する、請求項23に記載の放射検出器
  25. 単一の格子(402)が、前記入力結合手段及び前記出力結合手段の両方に属する、請求項23に記載の放射検出器。
  26. 前記エネルギー吸収体(2033、5032)の温度上昇によって引き起こされる、前記入力結合手段によって前記エネルギー吸収体(2033、5032)に結合される光ビーム(2011、611)の反射された部分の位相の変化を、その強度の変化に変換する干渉手段(205)をさらに備える、請求項1〜25のいずれか一項に記載の放射検出器
  27. 前記入力結合手段によって前記エネルギー吸収体(2033、5032)に結合される光ビーム(611)の反射された部分によって搬送される放射像を処理する空間フィルタリング(605)手段をさらに備える、請求項1に従属するときの請求項17〜26のいずれか一項に記載の放射検出器。
  28. 前記エネルギー吸収体(2033、5032)は、赤外線電磁放射を吸収するようになっている、請求項1〜27のいずれか一項に記載の放射検出器
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