JP5382430B2 - ねじ締め機 - Google Patents

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Description

本発明はねじ締め機に関し、特に摩擦クラッチを用いたねじ締め機にする。
従来、天井や壁に石膏ボード等の板材をネジ止めにより施工しているが、このネジ止めを行う工具としてねじ締め機がある。このねじ締め機は、特許文献1に示されるように、モータとモータにより駆動されてネジを締める先端工具との間に駆動系(モータ側)と従動系(先端工具側)との間の摩擦による伝達を行うクラッチ機構を備えている。この特許文献1に示されるねじ締め機は、クラッチ機構が切られた状態では摩擦が発生せずに先端工具に動力が伝達されない。またクラッチ機構が動作した状態では、摩擦が発生して先端工具に動力が伝達される。このクラッチ機構では、回転動作をする箇所があるため、複数の軸受が設けられ、この軸受部分にグリス等の潤滑剤が充填されている。
特開2009−083033号公報
また本件の出願人は、従来技術に鑑み、クラッチ機構として、従動側と駆動側とに複数のクラッチ板を用い、これらクラッチ板の間に発生する摩擦力によって動力を伝達する多板摩擦クラッチ機構を開発している。これらのクラッチ機構において、軸受部分の潤滑剤が摩擦部分に流入すると、動力を伝達させる状態(摩擦力を発生させる状態)において、クラッチ板に滑りが発生し、十分な動力伝達ができない場合があった。また動力を伝達させない状態(摩擦力を発生させない状態)において、潤滑剤により複数のクラッチ板が吸着し、動力が伝達される場合があった。よって本発明は伝達力低下の抑制及び意図しない動力伝達を防止したねじ締め機を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために本発明は、ハウジングと、回転駆動される出力軸部を備える駆動部と、該ハウジングに支持され該ハウジングとの間に潤滑剤を有する被支持部が規定されると共に回転駆動されてネジを締め付ける先端工具を装着可能な先端工具装着部と、該出力軸部と該先端工具装着部との間に介在し、該出力軸部の回転力を該先端工具装着部に伝達可能な摩擦クラッチ機構と、該摩擦クラッチ機構を収容する収容空間を画成する枠体と、該被支持部と該摩擦クラッチ機構との間に介在して該潤滑剤の該摩擦クラッチ機構への流入を阻止するシール部材と、を備え、該シール部材は該先端工具装着部に密着して装着されると共に該枠体に摺動可能に密接し該収容空間を閉塞しているねじ締め機を提供する。
この様な構成によると、被支持部とハウジングとの間に充填される潤滑剤が、摩擦クラッチ機構へと流入することが抑制される。よって摩擦クラッチ機構における潤滑剤による摩擦力低下が抑制される。また潤滑剤の流入による摩擦クラッチ機構での駆動側の部材と従動側の部材との間の吸着も抑制され、意図しない動力伝達が抑制される。また、潤滑剤を有する先端工具装着部側にシール部材が装着されるため、シール部材と先端工具装着部との間に摺動する箇所を設ける必要がない。故に、安易な構成でシール部材による被支持部と摩擦クラッチ機構との間のシール性を確保することができる。更に、摩擦クラッチ機構が密閉された空間に閉じこめられるため、ハウジング内において枠体周辺に飛散した潤滑剤が摩擦クラッチ機構に付着等することが抑制される。
上記構成のねじ締め機において、該摩擦クラッチ機構は、出力軸部により回転駆動される駆動部材と、一端で該先端工具装着部に固定され該先端工具装着部と同軸一体回転し他端に潤滑剤を有する軸受が装着されて該ハウジングに支持されるスピンドルと、該スピンドルの該先端工具装着部と該軸受との間に装着されて該スピンドルと同軸一体回転すると共に該駆動部材と接触して該駆動部材の回転力を該スピンドルに伝達可能な従動部材と、を有し、該軸受と該従動部材及び該駆動部材との間には、潤滑剤の該従動部材及び該駆動部材への流入を阻止するシール機構が介在していることが好ましい。
この様な構成によると、軸受に充填される潤滑剤が、摩擦力を発生させる箇所である従動部材及び駆動部材へと流入することが抑制される。よって摩擦クラッチ機構における潤滑剤による摩擦力低下が抑制される。また潤滑剤の流入による従動部材と駆動部材との間の吸着も抑制され、意図しない動力伝達が抑制される。
上記構成のねじ締め機において、該ハウジングと該軸受との間には、該軸受が収容される軸受収容空間が形成される中間部材が介在し、該シール機構は該収容空間内に配置されて該中間部材に対する該スピンドルの回転を許容すると共に該収容空間を閉塞していることが好ましい。
また上記構成のねじ締め機において、該シール機構は、該スピンドルの該軸受と該従動部材及び該駆動部材との間において該スピンドルの周方向に亘って形成された一連の溝であってもよい。
また該シール機構は、該スピンドルの該軸受と該従動部材及び該駆動部材との間において該スピンドルの周方向に亘って設けられた一連の鍔部であってもよい。
また該ハウジングと該軸受との間には、該軸受が収容される軸受収容空間が形成される中間部材が介在し、該シール機構は、該中間部材の該軸受と該従動部材及び該駆動部材との間において該収容空間と該中間部材外とを連通する貫通孔であってもよい。
これらのような構成によると、好適に軸受から従動部材及び駆動部材へと流入する潤滑剤を阻止することができる。
本発明のねじ締め機によれば、潤滑剤のクラッチ部分への流入を抑制して摩擦力低下の抑制及び意図しない動力伝達を防止することができる。
本発明の実施の形態に係るねじ締め機の側面断面図。 本発明の実施の形態に係るねじ締め機の要部断面図。 本発明の実施の形態に係るねじ締め機の変形例に係る要部断面図。
以下、本発明の実施の形態について図1乃至図2に基づき説明する。図1に示されるねじ締め機1は、ハウジング2と、モータ3と、クラッチ部4と、先端工具装着部5とスプリングクラッチ機構6とから主に構成され、先端工具装着部5に先端工具であるビット10が装着されている。このねじ締め機1において、ビット10が取り付けられる位置を、前側とし、後述のハンドル21を後側として前後方向を規定する。
ハウジング2は、ねじ締め機1の外殻を成しており、その後端部分に把持部となるハンドル21を有している。ハンドル21にはトリガ21Aとスイッチ21Dが設けられており、トリガ21Aによりモータ3の駆動制御を行い、スイッチ21Dによりモータ3の回転方向(正転・反転)の制御を行っている。またハンドル21には図示せぬ外部電源に接続される電源コード21Bが設けられている。
モータ3はハウジング2内においてハンドル21の前側に設けられており、前後方向を軸方向とする出力軸部である回転軸部31を有している。回転軸部31は、ベアリング31Aでハウジング2に支持されており、その先端にピニオン32を有している。また回転軸部31の基端部分には同軸回転するファン33が固定されている。回転軸部31及び回転軸部31により回転駆動される部材において、ネジを締め込む方向の回転を正転と定義し、ネジを外す方向の回転を反転と定義する。
クラッチ部4は、図2に示されるように、クラッチドラム41とスプラインシャフト42と、駆動部材である10枚の第一クラッチプレート43と、従動部材である10枚の第二クラッチプレート44とワンウェイクラッチ45とから主に構成されている。中間部材であるクラッチドラム41は、前側に枠体状に構成されて第一クラッチプレート43及び第二クラッチプレート44を収容する空間が形成された収容部41Dを備えており、この筒状の収容部41Dの軸方向を回転軸方向として、図1に示されるようにベアリング47A及び軸受47Bを介してハウジング2に回転可能に支承されている。図1及び図2に示されるように、クラッチドラム41において、収容部41Dの後端に位置する部分の外周にはピニオン32と噛合するギア41Aが設けられており、収容部41Dの内部には、図2に示されるように、軸方向に延びる複数の凸部41Bが周方向に渡って均等配置されている。収容部41Dの内部において、図2に示されるように凸部41Bの後端部分となる位置には、壁部41Cが規定されており、壁部41Cの軸中心となる位置には、収容部41D内の空間に連通しワンウェイクラッチ45が収容される軸受収容空間41cが形成されている。またクラッチドラム41において、ベアリング47Aにより支持され、軸受収容空間41cの後側になる箇所には、図2に示されるように孔41aが形成され、孔41a内にはバネ46(図1、図2)が配置されている。
スプラインシャフト42は、一端が先端工具装着部5に同軸回転可能に固定されており、他端が筒48を介してワンウェイクラッチ45により支持され、他端の端面がバネ46と当接して前側へと付勢されている。またスプラインシャフト42の表面において、クラッチドラム41内に曝される箇所には、図2に示されるように、軸方向に延びる複数の凸部42Aが周方向に渡って均等配置されている。
第一クラッチプレート43は、外周にクラッチドラム41の凸部41Bと噛合する凹部が形成され内部にスプラインシャフト42が貫通する孔が形成され、第二クラッチプレート44と接触する駆動部側接触面を備えて板状に構成されている。図1に示されるように、第一クラッチプレート43の凹部とクラッチドラム41の凸部41Bとが噛合するように第一クラッチプレート43がクラッチドラム41の内部に整列して装着された状態で、第一クラッチプレート43はクラッチドラム41に対して軸方向への移動は許容されるが周方向への回転は制限される。また10枚の第一クラッチプレート43のうち、最後端に位置する第一クラッチプレート43は壁部41Cに当接可能である。
第二クラッチプレート44は、直径がラッチドラム41の凸部41Bと干渉しない直径の円板状で、第一クラッチプレート43と接触する従動部側接触面を備えて構成され、中央部分にスプラインシャフト42が貫通しスプラインシャフト42の凸部42Aと噛合する凹部が形成された孔が穿孔されている。第二クラッチプレート44の凹部とスプラインシャフト42の凸部42Aとが噛合するように第二クラッチプレート44がスプラインシャフト42に装着された状態で、スプラインシャフト42に対して第二クラッチプレート44は、軸方向への移動は許容されるが周方向への回転は制限される。また10枚の第二クラッチプレート44のうち、最前端に位置する第二クラッチプレート44は、先端工具装着部5の後端部である後述の当接部53に当接可能である。
第一クラッチプレート43と第二クラッチプレート44とは、壁部41C位置から前側に向かって交互に並んで配置されている。第一クラッチプレート43と第二クラッチプレート44とはそれぞれ軸方向への移動が許容されているため、最も前側に位置する第二クラッチプレート44が先端工具装着部5の後端部に当接して後方へと付勢されることにより第一クラッチプレート43及び第二クラッチプレート44も後方側へと移動し、隣り合う第一クラッチプレート43の駆動部側接触面と第二クラッチプレート44の従動部側接触面との間に摩擦が発生する。この発生した摩擦により、クラッチドラム41とスプラインシャフト42とが第一クラッチプレート43と第二クラッチプレート44とを介して共回りして同軸に一体回転する。最も前側に位置する第二クラッチプレート44が後方へと付勢されない状態では、隣り合う第一クラッチプレート43と第二クラッチプレート44との間の摩擦は発生しないか発生しても僅かである為、クラッチドラム41とスプラインシャフト42との第一クラッチプレート43と第二クラッチプレート44とを介しての一体回転は抑制される。またそれぞれ10枚の第一クラッチプレート43と第二クラッチプレート44との間の摩擦力により動力の伝達を行っている為、それぞれ一枚当たりに掛かる摩擦力等の応力が低減され、クラッチ部4の高寿命化を図っている。尚、最も後端の第一クラッチプレート43は第一クラッチプレート43と共回りする壁部41Cに当接し、最も前端の第二クラッチプレート44は第二クラッチプレート44と共回りする当接部53と当接する為、最も後端の第一クラッチプレート43と壁部41Cとの間、及び最も前端の第二クラッチプレート44と先端工具装着部5との間に摩擦が発生することは無い。これにより、壁部41Cを備えるクラッチドラム41及び先端工具装着部5の耐久性を増している。
尚、スプラインシャフト42は、第一クラッチプレート43と第二クラッチプレート44とがベアリング47Aと後述のスプリングクラッチ機構6との間に位置するようにベアリング47Aと後述のスプリングクラッチ機構6とによりハウジング2に間接的に支持されている。よって摩擦が発生した際にスプラインシャフト42に負担がかかったとしても、スプラインシャフト42の両端が支持されている為、ひびりやぶれの発生は抑制される。
軸受であるワンウェイクラッチ45には潤滑剤であるグリスが充填されており、図2に示されるように壁部41Cの軸受収容空間41cに収容・装着されてスプラインシャフト42の後端部を筒48を介して支持しており、クラッチドラム41が反転した際に第一クラッチプレート43と第二クラッチプレート44とは別系統でスプラインシャフト42に動力を伝達し、クラッチドラム41が正転した際にはスプラインシャフト42に動力伝達不能に構成されている。第一クラッチプレート43と第二クラッチプレート44とにおいては、摩擦力が発生しない限り、クラッチドラム41からスプラインシャフト42に正転方向、反転方向の駆動力は伝達されない。しかしワンウェイクラッチ45は、反転方向においては常にクラッチドラム41からスプラインシャフト42へと駆動力を伝達している為、第一クラッチプレート43と第二クラッチプレート44との間に摩擦が発生しない場合においても先端工具装着部5を反転させることが可能になる。
またワンウェイクラッチ45においては、スプラインシャフト42の僅かな前後動を許容するように、スプラインシャフト42を支持している。
図2に示されるように、軸受収容空間41cにおいては、ワンウェイクラッチ45の前方、即ちワンウェイクラッチ45と第一クラッチプレート43及び第二クラッチプレート44との間に、シール機構であるシール部49が配置されている。シール部49はOリングから構成され、軸受収容空間41cにおいて、筒48と壁部41Cとの間を閉塞し、かつ壁部41Cに対して筒48の回転を許容している。この構成により、グリスの第一クラッチプレート43及び第二クラッチプレート44への流出を防ぐことができる。
図1においてクラッチドラム41と先端工具装着部5とを比較すると、回転軸と直交する方向の径がスプラインシャフト42に駆動力を伝達する駆動側であるクラッチドラム41が大径に構成されている。よってハウジング2において、先端工具装着部5側を細くすることができ、より狭い箇所における図示せぬネジの施工を可能にしている。また第一クラッチプレート43と一体回転するクラッチドラム41の慣性質量を大きくすることができる為、伝達位置において第一クラッチプレート43と第二クラッチプレート44との間に摩擦力が発生した際に、クラッチドラム41及びクラッチドラム41に接続されるモータ3の回転数の低下を抑制することができる。
図1に示されるように、先端工具装着部5は、主にソケット51と掛止部52と当接部53とから構成されている。ソケット51は、最前端にビット10が装着される装着孔51aが形成され、最後端でスプラインシャフト42に嵌合して接続されており、ハウジング2に設けられて軸受の役割を果たすスプリングクラッチ機構6で周方向に回転可能であると共に及び軸方向(前後方向)に移動可能に支持されている。ソケット51がスプラインシャフト42に嵌合して装着されていることにより、先端工具装着部5およびスプラインシャフト42に係る全長を短くすることができ、これによりねじ締め機1の全長を短くすることが可能になる。また図2に示されるように、ソケット51において、掛止部52の前側となる位置には、スプリングクラッチ機構6(図1)を介してハウジング2に支持される被支持部51Aが規定されており、被支持部51Aには、潤滑剤であるグリスが注油されている。
掛止部52は、図2に示されるようにソケット51の後端側であってスプラインシャフト42との接続箇所近傍位置に配置されている。掛止部52の前面部分には、スプリングクラッチ機構6に掛止可能な爪が設けられており、ソケット51(先端工具装着部5)が前方に位置するときのみスプリングクラッチ機構6(図1)に掛止し、ソケット51(先端工具装着部5)が後方に位置するときはスプリングクラッチ機構6(図1)から離間するように構成されている。
ソケット51の最後端部分には、最前側の第二クラッチプレート44と当接可能な当接部53が設けられている。先端工具装着部5が後方位置に移動することにより当接部53が第二クラッチプレート44に当接して第二クラッチプレート44を第一クラッチプレート43に押し付ける。
また先端工具装着部5において、当接部53と掛止部52との間には、該先端工具装着部5の周方向に亘って形成された一連の環状溝5aが形成されており、環状溝5aには、ゴム製のシール部材56が環状溝5a内に密着して装着されている。シール部材56は、中心に環状溝5aに装着される開口が形成された略円板状の基部56Aと、基部56Aの外周部分から後方へ向けて延出されたスカート部56Bとから構成されており、スカート部56Bの内径が収容部41Dの外形と略同じになるように構成されている。スカート部56Bの後端部分には、リップ部56Cが規定されており、リップ部56Cは収容部41Dの外周と摺動可能に密接している。よって収容部41D内に形成される空間は、シール部材56により閉塞されるので、収容部41D内にグリスが侵入することが防止される。
また図1に示されるようにソケット51のスプリングクラッチ機構6前側位置にはソケット51周辺に充填されている図示せぬグリスの外部への流出を防止する第二シール部材54が設けられており、ソケット51及び第二シール部材54の周囲にはカバー55が設けられている。カバー55は着脱容易に構成されており、その先端部分からビット10の先端が僅かに露出するように構成されている。この状態において先端工具装着部5は前方位置に配置されている。
先端工具装着部5は、先端に装着されたビット10が図示せぬネジに当接する反力によって前方位置から後方位置へと後退することにより、第一クラッチプレート43と第二クラッチプレート44との間に摩擦を発生させている。しかし図示せぬネジが締め込まれて図示せぬ被加工部材に埋没した状態ではそれ以上ネジを締める必要がない為、カバー55の先端部分が図示せぬ被加工部材と当接してビット10へのネジからの反力を打ち消し、第一クラッチプレート43と第二クラッチプレート44との間の摩擦を低減してビット10への動力の伝達を遮断している。
スプリングクラッチ機構6は、図1に示されるように、装着部61と、座部62及びスプリング部63とから構成されている。装着部61は軸受け等に用いられるメタル素材から略筒状に構成されてソケット51の被支持部51Aを摺動可能に支持しており、第一スプリング装着部を有し、ハウジング2に圧入により固定されている。よって装着部61はハウジング2に対して回転不能に構成される。装着部61においてスプリング部63が装着される第一スプリング装着部は、外形がスプリング部63を構成するスプリングの内径と略同じか僅かに大径に構成されてスプリング部63の前端が装着されている。
座部62は略筒状に構成され、第二スプリング装着部を備えている。この第二スプリング装着部は、外形がスプリング部63を構成するスプリングの内径と略同じか僅かに大径に構成されてスプリング部63の後端が装着されている。また座部62の後端部には、先端工具装着部が先方に位置した状態でのみ掛止部52の爪が掛止する被掛止部が設けられている。
スプリング部63は、鋼線を密に巻回して構成されており、その巻回方向が正転方向となるように構成されている。ここで正転方向とは、スプリング部63を装着部61の第一スプリング装着部と座部62の第二スプリング装着部とに嵌合した状態で装着部61から座部62に向かう方向で正転する方向である。よって装着部61に対して座部62が正転した際に、第一スプリング装着部及び第二スプリング装着部に嵌合したスプリング部63が正転方向に回転しその内径が小さくなる。内径が小さくなることにより第一スプリング装着部及び第二スプリング装着部とスプリング部63との摩擦が増大し、座部62がスプリング部63を介して装着部61に対して正転することが不能になる。また逆に装着部61に対して座部62が反転方向に回転した場合は、スプリング部63の内径が拡開するため、座部62はスプリング部63で回転を妨げられることなく装着部61に対して反転することができる。
上記構成のねじ締め機1を使用してネジを施工する際には、ビット10を図示せぬネジの頭に合わせた状態で、ビット10を図示せぬネジに押し付け、トリガ21Aを引く。ビット10を押しつけることにより、スプリングクラッチ機構6に対してソケット51が後方位置へと移動するため、座部62の被掛止部に掛止部52の爪が掛止することはない。よってスプリングクラッチ機構6によりソケット51の回転が規制されることはなく、ソケット51は正転・反転することができる。またビット10を押し付けた反力により、ソケット51がクラッチドラム41側へと移動し、当接部53が第二クラッチプレート44に当接し、第一クラッチプレート43と第二クラッチプレート44との間に摩擦を発生させる。これによりクラッチドラム41とスプラインシャフト42とを共回り可能にし、モータ3からの正転方向の出力をソケット51及びビット10に伝達することができる。この時に、第一クラッチプレート43と第二クラッチプレート44との間の摩擦が徐々に大きくなる為、クラッチドラム41とスプラインシャフト42とが共回りし始める際に発生する衝撃を大幅に抑制し、騒音を低減することが可能となっている。
尚、シール部49とシール部材56とによりワンウェイクラッチ45と被支持部51Aとのグリスがそれぞれ第一クラッチプレート43及び第二クラッチプレート44に付着することが防がれているため、グリスの付着による第一クラッチプレート43と第二クラッチプレート44との間の摩擦力の低下は抑制される。またグリスは一般に粘着性を備えているため、グリスが第一クラッチプレート43と第二クラッチプレート44とに付着すると、当接部53が第二クラッチプレート44に当接していない状態であっても、第一クラッチプレート43と第二クラッチプレート44とが密着して動力が伝達されるおそれがある。しかし本実施の形態では、シール部49とシール部材56とによりグリスが第一クラッチプレート43と第二クラッチプレート44とに付着することが抑制されているため、当接部53が第二クラッチプレート44に当接していない状態においては、第一クラッチプレート43と第二クラッチプレート44とが密着することは防がれ、動力伝達が抑制される。従って、またビット10への押し付け強さに応じて第一クラッチプレート43と第二クラッチプレート44との間の摩擦力が変化する為、使用者が押し付ける力を加減することにより、ビット10の回転を容易に制御することができる。
ネジの施工が終わり、ビット10をネジから放した状態では、バネ46の付勢力により、スプラインシャフト42及びソケット51は前方位置へと移動する。これにより当接部53と第二クラッチプレート44との当接が解消し、第一クラッチプレート43と第二クラッチプレート44との間の摩擦が小さくなり、モータ3からの出力がソケット51に伝達されることが抑制される。
ネジを打ち間違えた際に図示せぬ被加工部材から図示せぬネジを外すときは、スイッチ21Dを反転側にして、モータ3を反転させる。この時に、図示せぬネジの頭が図示せぬ被加工部材から突出していれば、ビット10が図示せぬネジに当接した反力により先端工具装着部5が後方位置へと移動し、当接部53が第二クラッチプレート44に当接して第一クラッチプレート43と第二クラッチプレート44との間の摩擦が発生し、ビット10に反転方向の駆動力が伝達されて好適に図示せぬネジを外すことができる。
図示せぬネジの頭が図示せぬ被加工部材から突出していない場合(ネジが被加工部材に埋没している場合)はカバー55が邪魔になり、ビット10が図示せぬネジに当接したとしても充分な反力が得られず先端工具装着部5は前方位置に留まり、第一クラッチプレート43と第二クラッチプレート44との間に充分な摩擦が発生しない場合がある。この場合においては、第一クラッチプレート43と第二クラッチプレート44とを介してクラッチドラム41からスプラインシャフト42へと動力を伝達することができないが、反転方向の駆動力であるためワンウェイクラッチ45を介してクラッチドラム41からスプラインシャフト42へと動力を伝達することは可能になっている。
ビット10に充分な反力が得られない場合は、ソケット51が後方位置へと移動しないため、座部62の被掛止部に掛止部52の爪が掛止し、ソケット51と座部62とが一体回転する構成を採る。この場合に、座部62は、装着部61に対して反転可能なため、スプリングクラッチ機構6がソケット51の反転を妨げることはない。よってモータ3を反転させた際にビット10にネジによる反力が得られない場合であっても、好適に図示せぬネジを外すことができる。
またビット10に反力が得られない状態、たとえばビット10に何も当接していない状態でトリガ21Aを引いた場合では、先端工具装着部5が前方位置にあるため第一クラッチプレート43と第二クラッチプレート44との間に付勢力が働かず、第一クラッチプレート43と第二クラッチプレート44との間に過度の摩擦は発生しない。しかしこの状態においても第一クラッチプレート43と第二クラッチプレート44とが僅かに当接する場合があるため、この場合に第一クラッチプレート43と第二クラッチプレート44との間に摩擦力が発生してスプラインシャフト42や先端工具装着部5に回転力が伝達される。しかし上述のようにビット10に反力が得られない場合には座部62の被掛止部が掛止部52の爪に掛止されて先端工具装着部5と座部62とが一体回転する構成を採り、かつ座部62は装着部61に対して正転できないため、ソケット51がクラッチ部4と共回りすることが抑制される。
本発明は上述した実施の形態に限定されず、特許請求の範囲に記載された範囲で種々の変形や改良が可能である。例えば図3に示されるように、ワンウェイクラッチ45と第一クラッチプレート43及び第二クラッチプレート44との間に、シール機構を構成する、シール溝148a、フランジ148A、及び貫通孔141dを備えていてもよい。
シール溝148aは、筒148のワンウェイクラッチ45より前側の位置に、筒148の周方向に亘って形成された一連の溝であり、ワンウェイクラッチ45から筒148の表面を伝わってくるグリスを遮断している。
フランジ148Aは、筒148の最前端位置に、筒148の周方向に亘って設けられた一連の鍔部であり、ワンウェイクラッチ45から筒148の表面を伝わってくるグリスを遮断している。
貫通孔141dは、壁部41Cにおいて、軸受収容空間41cとクラッチドラム41外とを連通させると共に、シール溝148a及びフランジ148Aの外周近傍に位置するように、複数形成されている。クラッチドラム41と共にワンウェイクラッチ45が回転するため、ワンウェイクラッチ45に充填されたグリスにも遠心力がかかり、軸受収容空間41c内面に付着する。この状態で収容部41D側にグリスが移動すると第一クラッチプレート43及び第二クラッチプレート44にグリスが付着するおそれがあるが、貫通孔141dを設けることにより、貫通孔141dからグリスがクラッチドラム41外に排出され、収容部41D側にグリスが移動することが抑制される。また貫通孔141dのクラッチドラム41外側となる開口をギア41A近傍とすることにより、貫通孔141dから排出されたグリスをギア41Aに注油することができ、効率的にグリスの再利用を測ることができる。
これらシール機構を構成するシール溝148a、フランジ148A、及び貫通孔141dにおいては、必ずしもすべてを備える必要は無く、いずれか一の構成を備えていれば、シール機構として機能する。
上記の実施の形態及び変形例においては、筒48、148にシール機構を備えており、間接的にスピンドルであるスプラインシャフト42にシール機構を配したが、これに限らず、スプラインシャフト42をワンウェイクラッチ45で回転可能に支持すると共にスプラインシャフト42に直接上述のシール機構を配してもよい。
また被支持部51Aはスプリングクラッチ機構6を介してハウジング2に支持されていたが、これに限らず直接ハウジング2に支持されていてもよい。
1・・ねじ締め機 2・・ハウジング 3・・モータ 4・・クラッチ部
5・・先端工具装着部 5a・・環状溝 6・・スプリングクラッチ機構
10・・ビット 21・・ハンドル 21A・・トリガ 21B・・電源コード
21D・・スイッチ 31・・回転軸部 31A・・ベアリング 32・・ピニオン
33・・ファン 41・・クラッチドラム 41A・・ギア 41B・・凸部
41C・・壁部 41D・・収容部 41a・・孔 41c・・軸受収容空間
42・・スプラインシャフト 42A・・凸部 43・・第一クラッチプレート
44・・第二クラッチプレート 45・・ワンウェイクラッチ 46・・バネ
47A・・ベアリング 47B・・軸受 48・・筒 49・・シール部
51・・ソケット 51A・・被支持部 51a・・装着孔 52・・掛止部
53・・当接部 54・・第二シール部材 55・・カバー 56・・シール部材
56A・・基部 56B・・スカート部 56C・・リップ部 61・・装着部
62・・座部 63・・スプリング部 141d・・貫通孔 148・・筒
148A・・フランジ 148a・・シール溝

Claims (6)

  1. ハウジングと、
    回転駆動される出力軸部を備える駆動部と、
    該ハウジングに支持され該ハウジングとの間に潤滑剤を有する被支持部が規定されると共に回転駆動されてネジを締め付ける先端工具を装着可能な先端工具装着部と、
    該出力軸部と該先端工具装着部との間に介在し、該出力軸部の回転力を該先端工具装着部に伝達可能な摩擦クラッチ機構と、
    該被支持部と該摩擦クラッチ機構との間に介在して該潤滑剤の該摩擦クラッチ機構への流入を阻止するシール部材と、
    該摩擦クラッチ機構を収容する収容空間を画成する枠体と、を備え
    該シール部材は該先端工具装着部に密着して装着されると共に該枠体に摺動可能に密接し該収容空間を閉塞していることを特徴とするねじ締め機。
  2. 該摩擦クラッチ機構は、該出力軸部により回転駆動される駆動部材と、一端で該先端工具装着部に固定され該先端工具装着部と同軸一体回転し他端に潤滑剤を有する軸受が装着されて該ハウジングに支持されるスピンドルと、該スピンドルの該先端工具装着部と該軸受との間に装着されて該スピンドルと同軸一体回転すると共に該駆動部材と接触して該駆動部材の回転力を該スピンドルに伝達可能な従動部材と、を有し、
    該軸受と該従動部材及び該駆動部材との間には、潤滑剤の該従動部材及び該駆動部材への流入を阻止するシール機構が介在していることを特徴とする請求項1に記載のねじ締め機。
  3. 該ハウジングと該軸受との間には、該軸受が収容される軸受収容空間が形成される中間部材が介在し、
    該シール機構は該軸受収容空間内に配置されて該中間部材に対する該スピンドルの回転を許容すると共に該軸受収容空間を閉塞していることを特徴とする請求項2に記載のねじ締め機。
  4. 該シール機構は、該スピンドルの該軸受と該従動部材及び該駆動部材との間において該スピンドルの周方向に亘って形成された一連の溝であることを特徴とする請求項2に記載のねじ締め機。
  5. 該シール機構は、該スピンドルの該軸受と該従動部材及び該駆動部材との間において該スピンドルの周方向に亘って設けられた一連の鍔部であることを特徴とする請求項2に記載のねじ締め機。
  6. 該ハウジングと該軸受との間には、該軸受が収容される軸受収容空間が形成される中間部材が介在し、
    該シール機構は、該中間部材の該軸受と該従動部材及び該駆動部材との間において該軸受収容空間と該中間部材外とを連通する貫通孔であることを特徴とする請求項2に記載のねじ締め機。
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