JP5380668B2 - 生命現象予測装置、生命現象予測方法、および生命現象予測プログラム - Google Patents

生命現象予測装置、生命現象予測方法、および生命現象予測プログラム Download PDF

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Description

この発明は、分子間相互作用となる分子ペアの生命現象を予測する生命現象予測プログラム、生命現象予測装置、および生命現象予測方法に関する。なお、本明細書において、遺伝子やタンパク質を総称して分子と称す。
分子間相互作用は、遺伝子やタンパク質の機能を解明するために重要であるといわれている。近年、実験技術の向上やテキストマイニングの発達により、莫大な相互作用分子ペアを入手できるようになり、主に統計的な手法を使った解析が行われている。相互作用分子ペアには、フィードバックループ(Feedback‐Loop。以下、「FL」。)と呼ばれる生命現象が生じるものもある。FLについては、実験により、既に判明しているものもある(たとえば、下記非特許文献1を参照。)。
FLとは、一方の分子が他方の分子を活性化/抑制すると、他方の分子が一方の分子に活性化/抑制する現象である。このうち、一方の分子が他方の分子を活性化し、他方の分子が一方の分子を抑制する現象を、ネガティブフィードバックループ(Negative Feedback‐Loop。以下、「NFL」。)という。ヒートショックタンパクを例にすると、(1)まず、ヒートショック時、特定のタンパク質(転写因子)がDNA領域に作用し、修復タンパク質を大量に産出する。(2)修復後は、修復タンパク質が転写因子と相互作用することで転写を抑制する。
これとは逆に、一方の分子が他方の分子を活性化し、他方の分子が一方の分子を活性化する現象や、一方の分子が他方の分子を抑制し、その後、他方の分子が一方の分子を抑制する現象を、ポジティブフィードバックループ(Positive Feedback‐Loop。以下、「PFL」。)という。
Proc Natl Acad Sci USA. 2004 Apr 20;101(16):5934‐9
しかしながら、虫や動物、人間といった高等生物に関してはデータ量が著しく不足しているのが現状であり、実験によりこれら高等生物に関するFLを解析することは困難であるという問題があった。また、FLが判明したとしても、そのFLが活性化するものなのか抑制化するものなのかを判別することが困難であるという問題があった。さらに、既知の相互作用分子ペアが転写因子を含むモデルであるか否かを人手により検証すると膨大な時間を要するという問題があった。また、解析結果に対する信頼性の評価指標がないため、莫大な予測結果が出たときに検証することができないという問題があった。
この発明は、上述した従来技術による問題点を解消するため、既知のFL分子ペアの発現パターンに着目することにより、効率的かつ高精度な生命現象予測をおこなうことができる生命現象予測プログラム、生命現象予測装置、および生命現象予測方法を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するため、この生命現象予測装置、生命現象予測方法、および生命現象予測プログラムは、既知のフィードバックループ(以下、「FL」)となるFL分子ペアの時系列な発現量をあらわす発現パターンのデータベースにアクセス可能であり、予測対象分子ペアの発現パターンを取得し、前記データベースの中から比較対象となる既知のFL分子ペアの発現パターンを取得し、取得された予測対象分子ペアの発現パターンと、取得された既知のFL分子ペアの発現パターンとを比較することにより、前記予測対象分子ペアと前記既知のFL分子ペアの共通性を判断し、判断結果に基づいて、前記予測対象分子ペアを新規のFL分子ペアに決定し、決定結果を出力することを要件とする。
この生命現象予測装置、生命現象予測方法、および生命現象予測プログラムによれば、既知のFL分子ペアの発現パターンと同等の挙動をとる相互作用分子ペアを新規FL分子ペアに自動採用することができる。
この生命現象予測装置、生命現象予測方法、および生命現象予測プログラムによれば、効率的かつ高精度な生命現象予測をおこなうことができるという効果を奏する。
本実施の形態にかかる生命現象予測の概要を示す説明図である。 実施の形態にかかる生命現象予測装置のハードウェア構成を示すブロック図である。 相互作用DBの記憶内容を示す説明図である。 既知FLDBの記憶内容を示す説明図である。 既知FL分子ペアの勾配緩急テーブルの記憶内容を示す説明図である。 発現プロファイルDBの記憶内容を示す説明図である。 転写因子リストテーブルの記憶内容を示す説明図である。 阻害因子リストテーブルの記憶内容を示す説明図である。 生命現象予測装置の機能的構成を示すブロック図である。 既知NFL分子ペアの発現パターンを示す説明図である。 処理結果テーブルを示す説明図である。 各判断において不一致判断された場合の処理結果テーブルを示す説明図である。 本実施の形態にかかる生命現象予測装置による生命現象予測処理手順を示すフローチャートである。 図13に示した共通性判断処理(ステップS1304)の詳細な処理手順を示すフローチャートである。 ピーク位置判断処理手順を示すフローチャートである。 ピーク方向判断処理手順を示すフローチャート(前半)である。 ピーク方向判断処理手順を示すフローチャート(後半)である。 勾配緩急判断処理手順を示すフローチャートである。 FL分子ペア決定処理手順を示すフローチャートである。 NFL分子ペア決定処理手順を示すフローチャート(その1)である。 NFL分子ペア決定処理手順を示すフローチャート(その2)である。 NFL分子ペア決定処理手順を示すフローチャート(その3)である。 PFL分子ペア決定処理手順を示すフローチャートである。
以下に添付図面を参照して、この生命現象予測装置、生命現象予測方法、および生命現象予測プログラムの好適な実施の形態を詳細に説明する。この生命現象予測装置、生命現象予測方法、および生命現象予測プログラムでは、相互作用分子ペアと既知のFL分子ペアの発現パターンを比較し、ピークの位置、ピーク前後の勾配緩急、ピークの向きが同一である場合に、相互作用分子ペアを新規なFL分子ペアとして採用することで、生命現象解析に寄与する。
(生命現象予測の概要)
図1は、本実施の形態にかかる生命現象予測の概要を示す説明図である。図1では、既知のNFLを用いて説明する。なお、図1に示した各グラフの横軸は分子である遺伝子またはタンパク質の発現時間Tであり、縦軸はその発現量Eである。グラフ101は既知のNFL分子ペアである転写因子HSF1と阻害因子HSP70の発現パターンをあらわしている。
この既知のNFL分子ペアでは、熱ショック転写因子HSF1が皮膚上皮細胞のHSP70遺伝子を活性化していることを示している。転写因子HSF1の発現量は、16時間でトップピークとなる。阻害因子HSP70の発現量も、同じ16時間でボトムピークとなる。このように、FLでは、そのペアとなる分子の発現量は、同一時間帯でピークを迎えることとなる。
また、グラフ102は、予測対象分子ペアの発現パターンをあらわしている。予測対象分子ペアは、既存の分子間相互作用データベースから選ばれた相互作用分子ペアである。このグラフ102の発現パターンとグラフ101の発現パターンとを比較することで、予測対象分子ペアと既知のNFL分子ペアとの共通性を判断する。具体的には、以下の基準にしたがって判断する。
(1)両発現パターンのピーク位置の一致
(2)両発現パターンのピーク方向の一致
(3)両発現パターンのピーク位置前後における勾配の緩急パターンの一致
上記(1)では、予測対象分子ペアの発現パターンのピーク位置と既知のNFL分子ペアの発現パターンのピーク位置が同一時間帯であれば、一致するものとする。
上記(2)では、ピーク位置前後の勾配を計算する。これにより、発現パターンのピークの向きがトップピーク(上に凸)かボトムピーク(下に凸)であるかがわかる。
上記(3)では、ピーク位置前後の勾配の緩急を計算する。組み合わせとしては以下の5通りの緩急パターンがある。
・転写因子および阻害因子の発現パターンがともにピーク前に比べてピーク後に急勾配となる。
・転写因子および阻害因子の発現パターンがともにピーク後に比べてピーク前に急勾配となる。
・転写因子の発現パターンがピーク前に比べてピーク後に急勾配となり、阻害因子の発現パターンがピーク後に比べてピーク前に急勾配となる。
・阻害因子の発現パターンがピーク前に比べてピーク後に急勾配となり、転写因子の発現パターンがピーク後に比べてピーク前に急勾配となる。
・転写因子および阻害因子の発現パターンがともにピーク前後の勾配の緩急に差がない。
図1の例では、(A)において上記(1)の判断を実行する。この場合、予測対象分子ペアの発現パターンのピーク位置もそれぞれ16時間であるため、ピーク位置が一致する。また、(B)において上記(2)および(3)の判断を実行する。この場合、分子P1の出現パターンのピークがトップピーク、分子P2の出現パターンのピークがボトムピークであるため、既知のNFL分子ペアのピークの方向と一致する。
また、分子P1の出現パターンのピーク位置前後の緩急が同一ピーク方向となる転写因子HSF1の出現パターンのピーク位置前後の緩急と一致する。同様に、分子P2の出現パターンのピーク位置前後の緩急が同一ピーク方向となる阻害因子HSP70の出現パターンのピーク位置前後の緩急と一致する。したがって、予測対象分子ペアを、既知のNFL分子ペアと同種の新規なNFL分子ペア候補に採用する。
(A)および(B)により、新規採用されたNFL分子ペア候補(予測対象分子ペア)の発現パターンの挙動と既知のNFL分子ペアの発現パターンの挙動が同等であることが判明したが、転写因子HSF1に対応する分子P1が転写因子であるか否かが不明である。このため、さらに信頼性を高めるため、(C)において、転写因子リストテーブル110を用いて確認処理を実行する。転写因子リストテーブル110とは、転写因子の名称(または識別情報)を記述したテーブルである。分子P1が転写因子リストテーブル110にある場合、分子P1は転写因子であることが確定する。これにより、予測対象分子ペアがNFL分子ペアに採用される。
(生命現象予測装置のハードウェア構成)
図2は、実施の形態にかかる生命現象予測装置のハードウェア構成を示すブロック図である。図2において、生命現象予測装置は、CPU(Central Processing Unit)201と、ROM(Read‐Only Memory)202と、RAM(Random Access Memory)203と、磁気ディスクドライブ204と、磁気ディスク205と、光ディスクドライブ206と、光ディスク207と、ディスプレイ208と、I/F(Interface)209と、キーボード210と、マウス211と、スキャナ212と、プリンタ213と、を備えている。また、各構成部はバス200によってそれぞれ接続されている。
ここで、CPU201は、生命現象予測装置の全体の制御を司る。ROM202は、ブートプログラムなどのプログラムを記憶している。RAM203は、CPU201のワークエリアとして使用される。磁気ディスクドライブ204は、CPU201の制御にしたがって磁気ディスク205に対するデータのリード/ライトを制御する。磁気ディスク205は、磁気ディスクドライブ204の制御で書き込まれたデータを記憶する。
光ディスクドライブ206は、CPU201の制御にしたがって光ディスク207に対するデータのリード/ライトを制御する。光ディスク207は、光ディスクドライブ206の制御で書き込まれたデータを記憶したり、光ディスク207に記憶されたデータをコンピュータに読み取らせたりする。
ディスプレイ208は、カーソル、アイコンあるいはツールボックスをはじめ、文書、画像、機能情報などのデータを表示する。このディスプレイ208は、たとえば、CRT、TFT液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイなどを採用することができる。
インターフェース(以下、「I/F」と略する。)209は、通信回線を通じてLAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)、インターネットなどのネットワーク214に接続され、このネットワーク214を介して他の装置に接続される。そして、I/F209は、ネットワーク214と内部のインターフェースを司り、外部装置からのデータの入出力を制御する。I/F209には、たとえばモデムやLANアダプタなどを採用することができる。
キーボード210は、文字、数字、各種指示などの入力のためのキーを備え、データの入力をおこなう。また、タッチパネル式の入力パッドやテンキーなどであってもよい。マウス211は、カーソルの移動や範囲選択、あるいはウィンドウの移動やサイズの変更などをおこなう。ポインティングデバイスとして同様に機能を備えるものであれば、トラックボールやジョイスティックなどであってもよい。
スキャナ212は、画像を光学的に読み取り、生命現象予測装置内に画像データを取り込む。なお、スキャナ212は、OCR(Optical Character Reader)機能を持たせてもよい。また、プリンタ213は、画像データや文書データを印刷する。プリンタ213には、たとえば、レーザプリンタやインクジェットプリンタを採用することができる。
(各種データベース等の記憶内容)
つぎに、各種データベース等について説明する。各種データベース等は、図2に示したROM202、RAM203、磁気ディスク205および磁気ディスクドライブ204、光ディスク207および光ディスクドライブ206などの記憶装置によりその機能を実現する。
図3は、相互作用DB(データベース)の記憶内容を示す説明図である。相互作用DB300は、分子1および分子2をフィールドとして有し、レコードごとに、相互作用分子ペアとなる分子名が各フィールドに記憶されている。相互作用DB300は、生命現象予測装置内の記憶装置に記憶されていてもよく、生命現象予測装置外のサーバーに記憶されていてもよい。この場合、ネットワーク214を介して必要なレコードを取得することとなる。
図4は、既知FLDBの記憶内容を示す説明図である。既知FLDB400は、FL分子ペアID、分子1、分子2、FL種別、緩急型IDをフィールドとして有しており、レコードごとに、既知FL分子ペアに関する情報が記憶されている。FL分子ペアIDとは、既知FL分子ペアに一意に割り当てられた識別情報である。
分子1とは、活性化/抑制元となる分子であり、分子2とは、活性化/抑制先でかつ分子1に対して活性化/抑制する分子である。FL種別とは、既知FL分子ペアのFLの種別(NFLまたはPFL)を示している。たとえば、FL分子ペアID:0001の既知FL分子ペアFLの種別はNFLであるため、分子1であるHSF1が転写因子となり、分子2であるHSP70が阻害因子となる。また、PFLでは、ともに転写因子である場合と、ともに阻害因子である場合があるため、これらを識別するための識別子も付加されている。緩急型IDとは、ピーク位置前後の勾配の緩急種別を特定する識別情報である。
図5は、既知FL分子ペアの勾配緩急テーブルの記憶内容を示す説明図である。勾配緩急テーブル500は、緩急型ID、分子1の緩急、分子2の緩急をフィールドとして有しており、レコードごとに、緩急パターンが特定される。緩急型IDは、既知FLDB400に関連付けられている。分子1の緩急とは、既知FL分子ペアの分子1の発現パターンのピーク位置前後の勾配の緩急であり、分子2の緩急とは、既知FL分子ペアの分子2の発現パターンのピーク位置前後の勾配の緩急である。
また、Gbとは、ピーク位置前の発現パターンの勾配の絶対値であり、Gaとは、ピーク位置後の発現パターンの勾配の絶対値である。Gb<Gaの場合、ピーク前よりピーク後が急である。Gb>Gaの場合、ピーク後よりピーク前が急である。
図6は、発現プロファイルDBの記憶内容を示す説明図である。発現プロファイルDB600は、分子ごとに発現時間ごとの発現量を記憶する。レコードとなる各分子の発現時間ごとの発現量の時系列が、その分子の発現パターンとなる。
図7は、転写因子リストテーブル110の記憶内容を示す説明図である。転写因子リストテーブル110は、転写因子の名称(または識別情報)を記述したテーブルである。転写因子リストテーブル110は、たとえば、既存の遺伝子オントロジーDBに対し、「転写因子」、「転写活性」などのキーワードにより検索された因子を記憶する。
図8は、阻害因子リストテーブルの記憶内容を示す説明図である。阻害因子リストテーブル800は、阻害因子の名称(または識別情報)を記述したテーブルである。阻害因子リストテーブル800は、たとえば、既存の遺伝子オントロジーDBに対し、「阻害」、「抑制」などのキーワードにより検索された因子を記憶する。
(生命現象予測装置の機能的構成)
つぎに、生命現象予測装置の機能的構成について説明する。図9は、生命現象予測装置の機能的構成を示すブロック図である。生命現象予測装置900は、取得部901と、判断部902と、決定部903と、出力部904と、を含む構成である。この制御部となる機能(取得部901〜出力部904)は、具体的には、たとえば、図2に示したROM202、RAM203、磁気ディスク205、光ディスク207などの記憶領域に記憶されたプログラムをCPU201に実行させることにより、または、I/F209により、その機能を実現する。
取得部901は、予測対象分子ペアの時系列な発現量をあらわす発現パターンと既知のFLとなるFL分子ペアの時系列な発現量をあらわす発現パターンとを取得する機能を有する。具体的には、たとえば、予測対象分子ペアについては、CPUが、ユーザによるキーボード210やマウス211などの入力装置の入力操作により予測対象分子ペアの指定を受け付ける。この指定が受け付けられると、CPU201が、図6に示した発現プロファイルDB600にアクセスして、予測対象分子ペアの発現パターンを発現プロファイルDB600から抽出する。
これにより、予測対象分子ペアの(時系列な発現量をあらわす)発現パターンをCPU201が取得することができる。取得された予測対象分子ペアの発現パターンは、ROM202、RAM203、磁気ディスクドライブ204および磁気ディスク205、光ディスクドライブ206および光ディスク207などの記憶装置に保持される。
また、FL分子ペアについては、CPU201が、ユーザによるキーボード210やマウス211などの入力装置の入力操作により既知FL分子ペアの指定を受け付ける。この指定が受け付けられると、CPU201が、図6に示した発現プロファイルDB600にアクセスして、既知FL分子ペアの発現パターンを発現プロファイルDB600から抽出する。これにより、既知FL分子ペアの(時系列な発現量をあらわす)発現パターンをCPU201が取得することができる。取得された予測対象分子ペアの発現パターンは、ROM202、RAM203、磁気ディスクドライブ204および磁気ディスク205、光ディスクドライブ206および光ディスク207などの記憶装置に保持される。
また、予測対象分子ペアの発現パターンと既知FL分子ペアの発現パターンとは、連動して取得することとしてもよい。たとえば、上述のように、予測対象分子ペアの発現パターンを取得すると、この取得を契機としてCPU201が既知FLDB400にアクセスして既知FLDB400から任意の既知FL分子ペアを抽出する。この抽出を契機として、CPU201が、発現プロファイルDB600にアクセスすることで、上述したように、既知FL分子ペアの発現パターンを取得することができる。
同様に、既知FL分子ペアの発現パターンを取得すると、この取得を契機としてCPU201が相互作用DB300にアクセスして相互作用DB300から任意の予測対象分子ペアを抽出する。この抽出を契機として、CPU201が、発現プロファイルDB600にアクセスすることで、上述したように、予測対象分子ペアの発現パターンを取得することができる。
判断部902は、取得部901によって取得された予測対象分子ペアの発現パターンおよび既知のFL分子ペアの発現パターンを比較することにより、予測対象分子ペアと既知のFL分子ペアの共通性を判断する機能を有する。具体的には、たとえば、予測対象分子ペアの発現パターンと既知FL分子ペアの発現パターンが記憶装置に保持されたのを契機として、CPU201が記憶装置にアクセスして比較する。
また、予測対象分子ペアと既知のFL分子ペアとの共通性は、上述した(1)〜(3)の3点により判断し、その判断結果を、ROM202、RAM203、磁気ディスクドライブ204および磁気ディスク205、光ディスクドライブ206および光ディスク207などの記憶装置に保持する。
(1)両発現パターンのピーク位置の一致
(2)両発現パターンのピーク方向の一致
(3)両発現パターンのピーク位置前後における勾配の緩急パターンの一致
(1)についてはピーク位置判断部905が、(2)についてはピーク方向判断部906が、(3)については勾配緩急判断部907が判断する。以下、ピーク位置判断部905、ピーク方向判断部906、および勾配緩急判断部907について説明する。
ピーク位置判断部905は、予測対象分子ペアの発現パターンのピーク位置とその比較対象である既知FL分子ペアの発現パターンのピーク位置とが一致するか否かを判断する機能を有する。具体的には、たとえば、CPU201が、発現パターンとなる時系列の発現量からピークとなる発現量を検出する。図1に示したグラフ101では、16時間で転写因子HSF1の発現量がピークとなり、同じく16時間で阻害因子HSP70の発現量がピークとなる。これにより、CPU201は、図1に示した既知NFL分子ペアの発現パターンのピーク位置=16時間を検出する。
一方、図1に示したグラフ102では、16時間で一方の分子P1の発現量がピークとなり、同じく16時間で他方の分子P2の発現量がピークとなる。これにより、CPU201は、図1に示した予測対象分子ペアの発現パターンのピーク位置=16時間を検出する。したがって、既知NFL分子ペアの発現パターンのピーク位置と予測対象分子ペアの発現パターンのピーク位置とは16時間で一致することとなる。
ピーク方向判断部906は、予測対象分子ペアの発現パターンのピークの向きと既知のFL分子ペアの発現パターンのピークの向きとが一致するか否かを判断する機能を有する。具体的には、たとえば、各発現パターンについてピーク位置を基準としてそのピークがトップピークであるかボトムピークであるかを判断する。ここで、ピーク方向の判断について、図10を用いて詳細に説明する。
図10は、既知NFL分子ペアの発現パターンを示す説明図である。図10のうち(A)はトップピークの発現パターン例を示しており、(B)はボトムピークの発現パターン例を示している。なお、図10において、点Pはピーク位置を示しており、点Pbはピーク前の発現位置を示しており、点Paはピーク後の発現位置を示している。
ピーク方向の判断に先立って、CPU201はピーク位置前後の勾配を計算する。ピーク前の勾配Gbは下記式(1)により算出され、ピーク後の勾配Gaは下記式(2)により算出される。
Gb=(e−eb)/(t−tb)・・・(1)
Ga=(ea−e)/(ta−t)・・・(2)
勾配Gbは、右肩上がりであればGb>0となり、右肩下がりであればGb<0となる。勾配Gaも、右肩上がりであればGa>0となり、右肩下がりであればGa<0となる。そして、CPU201は、勾配GbがGb>0でかつ勾配GaがGa<0の場合、その発現パターンのピークはトップピークであると判断し、勾配GbがGb<0でかつ勾配GaがGa>0の場合、その発現パターンのピークはボトムピークであると判断する。したがって、図10の(A)の発現パターンのピークはトップピークと判断され、(B)の発現パターンのピークはボトムピークと判断される。
勾配緩急判断部907は、予測対象分子ペアの発現パターンのピーク位置前後の勾配の緩急と既知のFL分子ペアの発現パターンのピーク位置前後の勾配の緩急とが一致するか否かを判断する機能を有する。具体的には、たとえば、CPU201が、予測対象分子ペアの発現パターンのピーク前の勾配の絶対値とピーク後の勾配の絶対値を計算し、その大小によってピーク位置前後の緩急パターンを特定する。
ここで、以降、勾配Gb,Gaの絶対値をそれぞれHb,Haとする。CPU201は、ある発現パターンにおいて、Hb<Haの場合、ピーク前よりもピーク後が急である緩急パターンと特定する。また、Hb>Haの場合、ピーク後よりもピーク前が急である緩急パターンと特定する。なお、Hb=Haの場合、ピーク前後において緩急に差はないため、緩急パターンは特定できない。この場合は、勾配緩急判断ができないため、NGとなる。
つづいて、特定された緩急パターンと比較対象の既知FL分子ペアの緩急パターンとを比較する。緩急パターンが一致する場合、予測対象分子ペアの発現パターンと比較対象の既知FL分子ペアの緩急パターンとに共通性があると判断される。
また、ピーク位置判断部905、ピーク方向判断部906、および勾配緩急判断部907は、並列に実行してもよく、また、順序を問わず直列に実行することとしてもよい。直列に実行する場合、ピーク位置判断部905の判断結果に応じてピーク方向判断部906および勾配緩急判断部907を実行することとしてもよい。この場合、ピーク位置が不一致であれば、ピーク方向判断部906および勾配緩急判断部907を実行しなくて済むため、処理速度の高速化を図ることができる。
また、ピーク位置判断部905、ピーク方向判断部906、および勾配緩急判断部907では、それぞれ判断結果を、ROM202、RAM203、磁気ディスクドライブ204および磁気ディスク205、光ディスクドライブ206および光ディスク207などの記憶装置に保持する。判断結果の保持については後述する。
決定部903は、判断部902によって判断された判断結果に基づいて、予測対象分子ペアを新規のFL分子ペアに決定する機能を有する。具体的には、たとえば、ピーク位置判断部905、ピーク方向判断部906、および勾配緩急判断部907による判断結果がすべて既知FL分子ペアと一致した場合、予測対象分子ペアをその比較対象である既知FL分子ペアと同種のFLに決定し、その結果をROM202、RAM203、磁気ディスクドライブ204および磁気ディスク205、光ディスクドライブ206および光ディスク207などの記憶装置に保持する。
ここで、判断部902および決定部903による判断結果および決定結果のデータ保持について説明する。このデータ保持では処理結果テーブルを用いる。
図11は、処理結果テーブルを示す説明図である。処理結果テーブル1100は、ROM202、RAM203、磁気ディスクドライブ204および磁気ディスク205、光ディスクドライブ206および光ディスク207などの記憶装置に記憶されている。処理結果テーブル1100は、予測対象分子ペア、比較対象(既知FL分子ペア)、ピーク位置判断、ピーク方向判断、勾配緩急判断、新規FL分子ペア決定といったフィールド項目を有し、予測対象分子ペアの分子名が書き込まれている。「比較対象」項目は、FL分子ペアID、FL種別、緩急型IDといったサブフィールド項目を有し、比較対象となる既知FL分子のFL分子ペアID、FL種別、緩急型IDが既知FLDB400から読み出されて書き込まれている。
また、ピーク位置判断、ピーク方向判断、および勾配緩急判断のアックフィールド項目には、それぞれ実行済みフラグと一致フラグが設定されている。実行済みフラグがONの場合は実行済み、OFFの場合は未実行を示す。また、一致フラグがONの場合は一致、OFFの場合は不一致を示す。また、新規FL分子ペア決定のフィールド項目には、実行済みフラグと採否フラグが設定されている。実行済みフラグがONの場合は実行済み、OFFの場合は未実行を示す。また、採否フラグがONの場合は採用、OFFの場合は不採用を示す。初期状態ではOFFである。
図11の(A)は初期状態をあらわしている。(B)では、まず、ピーク位置判断部905による判断が実行される。この場合、判断結果も一致したため、実行済みフラグおよび一致フラグがOFFからONにセットされる。ピーク方向判断部906は、ピーク位置判断の実行済みフラグおよび一致フラグがOFFからONにセットされたのを契機として実行される。
(C)では、ピーク方向判断部906による判断が実行される。この場合、判断結果も一致したため、実行済みフラグおよび一致フラグがOFFからONにセットされる。勾配緩急判断部907は、ピーク方向判断の実行済みフラグおよび一致フラグがOFFからONにセットされたのを契機として実行される。
(D)では、勾配緩急判断部907による判断が実行される。この場合、判断結果も一致したため、実行済みフラグおよび一致フラグがOFFからONにセットされる。決定部903は、ピーク位置判断、ピーク方向判断、および勾配緩急判断の実行済みフラグがすべてONにセットされたのを契機として実行される。
(E)では、決定部903の処理が実行される。この場合、ピーク位置判断、ピーク方向判断、および勾配緩急判断の一致フラグを参照する。この場合、すべてONであるため、実行済みフラグおよび採否フラグをOFFからONにセットすることで、予測対象分子ペアを新規FL分子ペアに決定する。ピーク位置判断、ピーク方向判断、および勾配緩急判断の一致フラグに1つでもOFFがある場合、採否フラグはOFFのままである。
図12は、各判断において不一致判断された場合の処理結果テーブル1100を示す説明図である。(B’)では、図11の(B)においてピーク位置判断において不一致と判断された状態を示している。この場合、ピーク位置判断の実行済みフラグのみがOFFからONにセットされる。一致フラグはOFFのままである。決定部903では、ピーク位置判断の実行済みフラグ:ONおよび一致フラグ:OFFを検知することで、ピーク方向判断および勾配緩急判断を実行せずに、新規FL分子ペア決定の実行済みフラグをOFFからONにする。採否グラフはOFFのままである。
(C’)では、図11の(C)においてピーク方向判断において不一致と判断された状態を示している。この場合、ピーク方向判断の実行済みフラグのみがOFFからONにセットされる。一致フラグはOFFのままである。決定部903では、ピーク方向判断の実行済みフラグ:ONおよび一致フラグ:ONを検知することで、勾配緩急判断を実行せずに、新規FL分子ペア決定の実行済みフラグをOFFからONにする。採否グラフはOFFのままである。
(D’)では、図11の(D)において勾配緩急判断において不一致と判断された状態を示している。この場合、勾配緩急判断の実行済みフラグのみがOFFからONにセットされる。一致フラグはOFFのままである。決定部903では、勾配緩急判断の実行済みフラグ:ONおよび一致フラグ:ONを検知することで、勾配緩急判断を実行せずに、新規FL分子ペア決定の実行済みフラグをOFFからONにする。採否フラグはOFFのままである。
また、決定部903は、より信頼度を高めるため、ピーク位置判断、ピーク方向判断、および勾配緩急判断においてすべて一致した場合、転写因子リストテーブル110や阻害因子リストテーブル800を用いることとしてもよい。転写因子リストテーブル110や阻害因子リストテーブル800を用いた決定処理は、検索部908により実行することができる。
図9において、検索部908は、比較対象が既知NFL分子ペアである場合、転写因子リストテーブル110または/および阻害因子リストテーブル800を用いる。そして、既知NFL分子ペアの転写因子の発現パターンと共通性のある分子を予測対象分子ペアから特定する。転写因子リストを用いる場合、図1に示した例では、グラフ101の転写因子HSF1の発現パターンと共通性のある分子を特定する。この特定は、ピーク方向によりおこなう。すなわち、分子P1の発現パターンと分子P2の発現パターンとを比較した場合、分子P1の発現パターンはトップピークであり、分子P2の発現パターンはボトムピークであるため、分子P1が転写因子HSF1の発現パターンと共通性のある分子であることがわかる。
同様に、阻害因子リストを用いる場合、図1に示した例では、グラフ101の阻害因子HSP70の発現パターンと共通性のある分子を特定する。この特定は、ピーク方向によりおこなう。すなわち、分子P1の発現パターンと分子P2の発現パターンとを比較した場合、分子P1の発現パターンはトップピークであり、分子P2の発現パターンはボトムピークであるため、分子P2が阻害因子HSP70の発現パターンと共通性のある分子であることがわかる。
比較対象が既知NFL分子ペアである場合、転写因子リストテーブル110を用いるときは、予測対象分子ペアのうち既知NFL分子ペアの中の転写因子と共通性のある分子を、転写因子リストテーブル110の中から検索する。ヒットした場合、既知NFL分子ペアの中の転写因子と共通性のある分子は転写因子であることが確定する。
このように、転写因子リストテーブル110を用いて検索することにより、予測対象分子ペア内の転写因子の存否をチェックすることができるため、決定部903による決定結果の信頼度の向上を図ることができる。
同様に、比較対象が既知NFL分子ペアである場合、阻害因子リストテーブル800を用いるときは、予測対象分子ペアのうち既知NFL分子ペアの中の阻害因子と共通性のある分子を、阻害因子リストテーブル800の中から検索する。ヒットした場合、既知NFL分子ペアの中の阻害因子と共通性のある分子は阻害因子であることが確定する。
このように、阻害因子リストテーブル800を用いて検索することにより、予測対象分子ペア内の阻害因子の存否をチェックすることができるため、決定部903による決定結果の信頼度の向上を図ることができる。
また、転写因子リストテーブル110および阻害因子リストテーブル800を用いて検索することにより、予測対象分子ペア内の転写因子および阻害因子の存否をチェックすることができる。したがって、転写因子リストテーブル110および阻害因子リストテーブル800のいずれか一方を用いた場合にくらべて、決定部903による決定結果の信頼度の向上を図ることができる。
また、検索部908は、比較対象が既知PFL分子ペアである場合、転写因子リストテーブル110または/および阻害因子リストテーブル800を用いる。PFLでは、両分子が転写因子のケースと両分子が阻害因子のケースがある。
転写因子リストテーブル110を用いて検索をおこなう場合、予測対象分子ペアの両分子のうちいずれか一方がヒットしたときは、予測対象分子ペアをその比較対象の既知PFL分子ペアと同種のPFL分子ペアに決定する。さらに、予測対象分子ペアの両分子がヒットしたときも、予測対象分子ペアをその比較対象の既知PFL分子ペアと同種のPFL分子ペアに決定する。この場合、予測対象分子ペアの両分子のうちいずれか一方がヒットしたときよりも信頼度が向上する。
阻害因子リストテーブル800を用いて検索をおこなう場合、予測対象分子ペアの両分子のうちいずれか一方がヒットしたときは、予測対象分子ペアをその比較対象の既知PFL分子ペアと同種のPFL分子ペアに決定する。さらに、予測対象分子ペアの両分子がヒットしたときも、予測対象分子ペアをその比較対象の既知PFL分子ペアと同種のPFL分子ペアに決定する。この場合、予測対象分子ペアの両分子のうちいずれか一方がヒットしたときよりも信頼度が向上する。
また、転写因子リストテーブル110および阻害因子リストテーブル800の両方を用いて検索することもできる。たとえば、転写因子リストテーブル110(または阻害因子リストテーブル800)を用いて検索をおこなう。予測対象分子ペアのうち少なくともいずれか一方の分子がヒットすれば、予測対象分子ペアをその比較対象の既知PFL分子ペアと同種のPFL分子ペアに決定する。
予測対象分子ペアのいずれもヒットしなかった場合、阻害因子リストテーブル800(または転写因子リストテーブル110)を用いて検索をおこなう。予測対象分子ペアのうち少なくともいずれか一方の分子がヒットすれば、予測対象分子ペアをその比較対象の既知PFL分子ペアと同種のPFL分子ペアに決定する。そして、予測対象分子ペアのいずれもヒットしなかった場合、NGとなる。
出力部904は、決定部903によって決定された決定結果を出力する機能を有する。具体的には、たとえば、決定部903によって新規採用決定された予測対象分子ペアやその発現パターン、該当するFL種別を出力する。また、比較対象となった既知FL分子ペアやその発現パターン、FL種別も出力することとしてもよい。この決定結果は、I/F209を介して外部のコンピュータに送信してもよく、ディスプレイ208に供給されて表示画面に表示してもよく、プリンタ213に供給されて印刷出力することとしてもよい。
(生命現象予測処理手順)
図13は、本実施の形態にかかる生命現象予測装置による生命現象予測処理手順を示すフローチャートである。まず、初期設定を実行する(ステップS1301)。この初期設定では、ユーザ操作による予測対象分子ペアの選択や、FL種別または種別が特定されたFL分子ペアの選択をおこなう。つぎに、取得部901により、予測対象分子ペアの発現パターンの取得(ステップS1302)と比較対象となる既知FL分子ペアの発現パターンの取得(ステップS1303)を実行する。取得順序は逆でもよく同時並行でもよい。
そして、判断部902により、共通性判断処理を実行し(ステップS1304)、決定部903によりFL分子ペア決定処理を実行する(ステップS1305)。最後に、出力部904により決定結果の出力処理を実行する(ステップS1306)。これにより、一連の生命現象予測処理手順を終了する。
図14は、図13に示した共通性判断処理(ステップS1304)の詳細な処理手順を示すフローチャートである。図14において、まず、ピーク位置判断部905により、ピーク位置判断処理を実行し(ステップS1401)、ピーク方向判断部906により、ピーク方向判断処理を実行し(ステップS1402)、勾配緩急判断部907により、勾配緩急判断処理を実行する(ステップS1403)。そして、FL分子ペア決定処理(ステップS1305)に移行する。図14では、ピーク位置判断処理、ピーク方向判断処理、勾配緩急判断処理の順に実行する例であるが、実行順序はこれには限定されない。また、並列に実行することとしてもよい。
図15は、ピーク位置判断処理手順を示すフローチャートである。まず、処理結果テーブル1100のピーク位置判断における実行済みフラグがOFFであるか否かを判断する(ステップS1501)。ONである場合(ステップS1501:No)、すでに実行済みであるため、ステップS1402に移行する。一方、OFFである場合(ステップS1501:Yes)、実行済みフラグがONである他の処理(ピーク方向判断処理または勾配緩急判断処理)があるか否かを判断する(ステップS1502)。
実行済みフラグがONである他の処理がある場合(ステップS1502:Yes)、当該他の処理の一致フラグがONであるか否かを判断する(ステップS1503)。その一致フラグがOFFである場合(ステップS1503:No)、ピーク位置判断処理を実行する必要がないため、ステップS1402に移行する。これにより、判断処理の高速化を図ることができる。
一方、ステップS1503において、当該他の処理の一致フラグがONである場合(ステップS1503:Yes)、ステップS1504に移行する。一方、ステップS1502において、実行済みフラグがONとなった他の処理がない場合(ステップS1502:No)、ピーク位置判断が最初に実行される判断処理となるため、ステップS1503を実行せずに、ステップS1504に移行する。
そして、ステップS1504において、予測対象分子ペアの発現パターンのピーク位置と比較対象である既知FL分子ペアの発現パターンのピーク位置とが一致するか否かを判断する(ステップS1504)。一致する場合(ステップS1504:Yes)、ピーク位置判断の一致フラグをONにして(ステップS1505)、その実行済みフラグもONにして(ステップS1506)、ステップS1402に移行する。一方、不一致の場合(ステップS1504:No)、その実行済みフラグのみONにして(ステップS1506)、ステップS1402に移行する。これにより、一連のピーク位置判断処理を終了する。
図16−1は、ピーク方向判断処理手順を示すフローチャート(前半)であり、図16−2は、ピーク方向判断処理手順を示すフローチャート(後半)である。図16−1において、まず、ピーク方向判断の実行済みフラグがOFFであるか否かを判断する(ステップS1601)。ONである場合(ステップS1601:No)、すでに実行済みであるため、ステップS1403に移行する。一方、OFFである場合(ステップS1601:Yes)、実行済みフラグがONである他の処理(ピーク位置判断処理または勾配緩急判断処理)があるか否かを判断する(ステップS1602)。
実行済みフラグがONである他の処理がある場合(ステップS1602:Yes)、当該他の処理の一致フラグがONであるか否かを判断する(ステップS1603)。その一致フラグがOFFである場合(ステップS1603:No)、ピーク方向判断処理を実行する必要がないため、ステップS1403に移行する。これにより、判断処理の高速化を図ることができる。
一方、ステップS1603において、当該他の処理の一致フラグがONである場合(ステップS1603:Yes)、ステップS1604に移行する。一方、ステップS1602において、実行済みフラグがONとなった他の処理がない場合(ステップS1602:No)、ピーク方向判断が最初に実行される判断処理となるため、ステップS1603を実行せずに、ステップS1604に移行する。
そして、ステップS1604において、予測対象分子ペアの発現パターンおよび比較対象である既知FL分子ペアの発現パターンのピーク位置前後の勾配を算出して(ステップS1604)、図16−2のステップS1605に移行する。
図16−2において、処理結果テーブル1100にアクセスして、比較対象のFL種別がNFLかPFLかを判断する(ステップS1605)。NFLである場合(ステップS1605:NFL)、比較対象の転写因子とピーク方向が一致する分子が予測対象分子ペアにあるか否かを判断する(ステップS1606)。ない場合(ステップS1606:No)、ステップS1616に移行する。
一方、ある場合(ステップS1606:Yes)、比較対象の阻害因子とピーク方向が一致する残余分子が予測対象分子ペアにあるか否かを判断する(ステップS1607)。ない場合(ステップS1607:No)、ステップS1616に移行する。一方、ある場合(ステップS1607:Yes)、ピーク方向判断の一致フラグをONにして(ステップS1608)、ステップS1616に移行する。
一方、ステップS1605において、比較対象のFL種別がPFLであると判断された場合(ステップS1605:PFL)、そのPFLが転写因子によるFLか阻害因子によるFLか否かを判断する(ステップS1609)。転写因子によるPFLである場合(ステップS1609:転写)、比較対象の一方の転写因子とピーク方向が一致する分子が予測対象分子ペアにあるか否かを判断する(ステップS1610)。一致する分子がない場合(ステップS1610:No)、ステップS1616に移行する。
一方、一致する分子がある場合(ステップS1610:Yes)、残余分子が、比較対象の他方の転写因子とピーク方向が一致するか否かを判断する(ステップS1611)。不一致の場合(ステップS1611:No)、ステップS1616に移行する。一方、一致する場合(ステップS1611:Yes)、ピーク方向判断の一致フラグをONにして(ステップS1612)、ステップS1616に移行する。
一方、ステップS1609において、阻害因子によるPFLであると判断された場合(ステップS1609:阻害)、比較対象の一方の阻害因子とピーク方向が一致する分子が予測対象分子ペアにあるか否かを判断する(ステップS1613)。一致する分子がない場合(ステップS1613:No)、ステップS1616に移行する。
一方、一致する分子がある場合(ステップS1613:Yes)、残余分子が、比較対象の他方の阻害因子とピーク方向が一致するか否かを判断する(ステップS1614)。不一致の場合(ステップS1614:No)、ステップS1616に移行する。一方、一致する場合(ステップS1614:Yes)、ピーク方向判断の一致フラグをONにして(ステップS1615)、ステップS1616に移行する。ステップS1616では、ピーク方向判断の実行済みフラグをONして(ステップS1616)、ステップS1403に移行する。これにより、一連のピーク方向判断処理を終了する。
図17は、勾配緩急判断処理手順を示すフローチャートである。まず、勾配緩急判断の実行済みフラグがOFFか否かを判断する(ステップS1701)。ONである場合(ステップS1701:No)、すでに実行済みであるため、ステップS1305に移行する。一方、OFFである場合(ステップS1701:Yes)、実行済みフラグがONである他の処理(ピーク位置判断処理またはピーク方向判断処理)があるか否かを判断する(ステップS1702)。
実行済みフラグがONである他の処理がある場合(ステップS1702:Yes)、当該他の処理の一致フラグがONであるか否かを判断する(ステップS1703)。その一致フラグがOFFである場合(ステップS1703:No)、勾配緩急判断処理を実行する必要がないため、ステップS1305に移行する。これにより、判断処理の高速化を図ることができる。
一方、ステップS1703において、当該他の処理の一致フラグがONである場合(ステップS1703:Yes)、ステップS1704に移行する。一方、ステップS1702において、実行済みフラグがONとなった他の処理がない場合(ステップS1702:No)、勾配緩急判断が最初に実行される判断処理となるため、ステップS1703を実行せずに、ステップS1704に移行する。
ステップS1704において、予測対象分子ペアの発現パターンのピーク位置前後の勾配の絶対値を算出して、予測対象分子ペアの発現パターンの緩急パターンを特定する(ステップS1704)。そして、処理結果テーブル1100における比較対象の緩急型IDを手掛かりとしてその緩急パターンを勾配緩急テーブル500から引き、緩急パターンが一致するか否かを判断する(ステップS1705)。
一致する場合(ステップS1705:Yes)、勾配緩急判断の一致フラグをONにして(ステップS1706)、その実行済みフラグをONにして(ステップS1707)、ステップS1305に移行する。一方、不一致の場合(ステップS1705:No)、その実行済みフラグのみをONにして(ステップS1707)、ステップS1305に移行する。
図18は、FL分子ペア決定処理手順を示すフローチャートである。まず、共通性があるか否かを判断する(ステップS1801)。具体的には、処理結果テーブル1100のピーク位置判断、ピーク方向判断、および勾配緩急判断の一致フラグがすべてONであるか否かを判断する。すべて一致の場合、共通性があり、それ以外は共通性がない。
共通性があると判断された場合(ステップS1801:Yes)、FL種別候補である予測対象分子ペアのFL種別がNFLかPFLかを判断する(ステップS1802)。この判断は、処理結果テーブル1100における比較対象の既知FL分子ペアのFL種別により判断する。
NFLである場合(ステップS1802:NFL)、NFL分子ペア決定処理を実行して(ステップS1803)、ステップS1306に移行する。一方、PFLである場合(ステップS1802:PFL)、PFL分子ペア決定処理を実行して(ステップS1804)、ステップS1306に移行する。一方、ステップS1801において、共通性なしと判断された場合(ステップS1801:No)、ステップS1306に移行する。
図19は、NFL分子ペア決定処理手順を示すフローチャート(その1)である。図19は、転写因子リストテーブル110のみを使用した場合のフローチャートである。まず、比較対象の転写因子と同一ピーク方向の分子を予測対象分子ペアから抽出する(ステップS1901)。つぎに、転写因子リストテーブル110から抽出分子を検索する(ステップS1902)。
そして、検索された場合(ステップS1903:Yes)、採否フラグをONにすることで予測対象分子ペアを新規なNFL分子ペアに決定して(ステップS1904)、その実行済みフラグをONにする(ステップS1905)。そして、ステップS1306に移行する。一方、検索されなかった場合(ステップS1903:No)、その実行済みフラグのみをONにする(ステップS1905)。そして、ステップS1306に移行する。
図20は、NFL分子ペア決定処理手順を示すフローチャート(その2)である。図20では、阻害因子リストテーブル800のみを使用した場合のフローチャートである。まず、比較対象の阻害因子と同一ピーク方向の分子を予測対象分子ペアから抽出する(ステップS2001)。つぎに、阻害因子リストテーブル800から抽出分子を検索する(ステップS2002)。そして、検索された場合(ステップS2003:Yes)、採否フラグをONにすることで予測対象分子ペアを新規なNFL分子ペアに決定して(ステップS2004)、その実行済みフラグをONにする(ステップS2005)。そして、ステップS1306に移行する。一方、検索されなかった場合(ステップS2003:No)、その実行済みフラグのみをONにする(ステップS2005)。そして、ステップS1306に移行する。
図21は、NFL分子ペア決定処理手順を示すフローチャート(その3)である。図21では、転写因子リストテーブル110および阻害因子リストテーブル800を使用した場合のフローチャートである。まず、比較対象の転写因子と同一ピーク方向の分子を予測対象分子ペアから抽出する(ステップS2101)。つぎに、転写因子リストテーブル110から抽出分子を検索する(ステップS2102)。そして、検索されなかった場合(ステップS2103:No)、その実行済みフラグのみをONにする(ステップS2108)。
一方、検索された場合(ステップS2103:Yes)、比較対象の阻害因子と同一ピーク方向の分子を予測対象分子ペアから抽出する(ステップS2104)。つぎに、阻害因子リストテーブル800から抽出分子を検索する(ステップS2105)。そして、検索された場合(ステップS2106:Yes)、採否フラグをONにすることで予測対象分子ペアを新規なNFL分子ペアに決定して(ステップS2107)、その実行済みフラグをONにする(ステップS2108)。そして、ステップS1306に移行する。一方、検索されなかった場合(ステップS2106:No)、その実行済みフラグのみをONにする(ステップS2108)。そして、ステップS1306に移行する。
図22は、PFL分子ペア決定処理手順を示すフローチャートである。まず、予測対象分子ペアのPFL種別が転写因子によるPFLか阻害因子によるPFLかを判断する(ステップS2201)。この判断は、処理結果テーブル1100における比較対象の既知FL分子ペアのFL種別により判断する。転写因子によるPFLである場合(ステップS2201:転写)、転写因子リストテーブル110から両予測対象分子を検索する(ステップS2202)。両予測対象分子が検索された場合(ステップS2203:Yes)、採否フラグをONにすることで、予測対象分子ペアを転写因子による新規PFLペアに決定する(ステップS2204)。そして、ステップS2208に移行する。一方、検索されなかった場合(ステップS2203:No)、採否フラグをOFFのままでステップS2208に移行する。
一方、ステップS2201において、阻害因子によるPFLであると判断された場合(ステップS2201:阻害)、阻害因子リストテーブル800から両予測対象分子を検索する(ステップS2205)。両予測対象分子が検索された場合(ステップS2206:Yes)、採否フラグをONにすることで、予測対象分子ペアを阻害因子による新規PFLペアに決定する(ステップS2207)。そして、ステップS2208に移行する。一方、検索されなかった場合(ステップS2206:No)、採否フラグをOFFのままでステップS2208に移行する。ステップS2208では、FLペア決定の実行済みフラグをONにして(ステップS2208)。ステップS1306に移行する。これにより、一連のPFL分子ペア決定処理を終了する。
このように、本実施の形態によれば、分子間相互作用のある予測対象分子ペアの発現パターンと既知FL分子ペアの発現パターンを比較し、ピークの位置、ピーク前後の勾配緩急、ピークの向きが同一である場合に、予測対象分子ペアを新規NFL分子ペアとして採用する。すなわち、発現パターンの共通性に着目しているため、分子間相互作用のある分子ペアのうちどの分子ペアがどのようなフィードバックループを構成するかを効率的かつ高精度に予測することができ、生命現象解析に寄与することができる。
また、本実施の形態では、分子間相互作用、既知FL、発現プロファイル(発現パターン)、転写因子リストテーブル110、阻害因子リストテーブル800といった情報を用いているため、既存の情報の流用で予測することができる。換言すれば、特殊な情報を事前に用意する必要がなく、効率的な予測をおこなうことができる。
また、転写因子リストテーブル110や阻害因子リストテーブル800により、共通性ありと判断された予測対象分子ペアに転写因子や阻害因子が含まれているか否かをチェックすることができる。このように、発現パターンの共通性と転写因子/阻害因子の存否確認という2重の処理をおこなっている。したがって、転写因子/阻害因子が存在しない分子ペアをNFL分子ペアに採用するなどの誤った予測を防止することができ、予測結果の信頼性の向上を図ることができる。
以上説明したように、本実施の形態によれば、既知のFL分子ペアの発現パターンに着目することにより、効率的かつ高精度な生命現象予測をおこなうことができるという効果を奏する。
なお、本実施の形態で説明した生命現象予測方法は、予め用意されたプログラムをパーソナル・コンピュータやワークステーション等のコンピュータで実行することにより実現することができる。このプログラムは、ハードディスク、フレキシブルディスク、CD−ROM、MO、DVD等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録され、コンピュータによって記録媒体から読み出されることによって実行される。またこのプログラムは、インターネット等のネットワークを介して配布することができる。
上述した実施の形態に関し、さらに以下の付記を開示する。
(付記1)予測対象分子ペアの時系列な発現量をあらわす発現パターンと既知のフィードバックループ(以下、「FL」)となるFL分子ペアの時系列な発現量をあらわす発現パターンとを取得する取得手段と、
前記取得手段によって取得された予測対象分子ペアの発現パターンおよび既知のFL分子ペアの発現パターンを比較することにより、前記予測対象分子ペアと前記既知のFL分子ペアの共通性を判断する判断手段と、
前記判断手段によって判断された判断結果に基づいて、前記予測対象分子ペアを新規のFL分子ペアに決定する決定手段と、
前記決定手段によって決定された決定結果を出力する出力手段と、
を備えることを特徴とする生命現象予測装置。
(付記2)前記判断手段は、
前記予測対象分子ペアの発現パターンのピーク位置と前記既知のFL分子ペアの発現パターンのピーク位置とが一致するか否かを判断するピーク位置判断手段と、
前記予測対象分子ペアの発現パターンのピークの向きと前記既知のFL分子ペアの発現パターンのピークの向きとが一致するか否かを判断するピーク方向判断手段と、
前記予測対象分子ペアの発現パターンのピーク位置前後の勾配の緩急と前記既知のFL分子ペアの発現パターンのピーク位置前後の勾配の緩急とが一致するか否かを判断する勾配緩急判断手段と、を備え、
前記決定手段は、
前記ピーク位置判断手段、前記勾配緩急判断手段、および前記ピーク方向判断手段によって判断された判断結果に基づいて、前記予測対象分子ペアを前記新規のFL分子ペアに決定することを特徴とする付記1に記載の生命現象予測装置。
(付記3)前記ピーク方向判断手段は、
前記ピーク位置判断手段によって一致すると判断された場合、前記予測対象分子ペアの発現パターンのピークの向きと前記既知のFL分子ペアの発現パターンのピークの向きとが一致するか否かを判断し、
前記勾配緩急判断手段は、
前記ピーク位置判断手段によって一致すると判断された場合、前記予測対象分子ペアの発現パターンのピーク位置前後の勾配の緩急と前記既知のFL分子ペアの発現パターンのピーク位置前後の勾配の緩急とが一致するか否かを判断し、
前記決定手段は、
前記ピーク方向判断手段および前記勾配緩急判断手段によって判断された判断結果に基づいて、前記予測対象分子ペアを前記新規のFL分子ペアに決定することを特徴とする付記2に記載の生命現象予測装置。
(付記4)前記取得手段は、
データベースの中から比較対象となる既知のネガティブフィードバックループ(以下、「NFL」)となるNFL分子ペアの発現パターンを取得し、
前記決定手段は、
前記判断手段によって前記既知のNFL分子ペアと共通性ありと判断された場合、前記予測対象分子ペアのうち、前記既知のNFL分子ペアの中の転写因子の発現パターンと共通性のある分子を、既知の転写因子が記述された転写因子リストテーブルの中から検索する検索手段を備え、
前記検索手段によって検索された場合、前記予測対象分子ペアを前記新規のFL分子ペアに決定することを特徴とする付記1〜3のいずれか一つに記載の生命現象予測装置。
(付記5)前記取得手段は、
データベースの中から比較対象となる既知のネガティブフィードバックループ(以下、「NFL」)となるNFL分子ペアの発現パターンを取得し、
前記決定手段は、
前記判断手段によって前記既知のNFL分子ペアと共通性ありと判断された場合、前記予測対象分子ペアのうち、前記既知のNFL分子ペアの中の阻害因子の発現パターンと共通性のある分子を、既知の阻害因子が記述された阻害因子リストテーブルの中から検索する検索手段を備え、
前記検索手段によって検索された場合、前記予測対象分子ペアを前記新規のFL分子ペアに決定することを特徴とする付記1〜3のいずれか一つに記載の生命現象予測装置。
(付記6)前記取得手段は、
データベースの中から比較対象となる既知のネガティブフィードバックループ(以下、「NFL」)となるNFL分子ペアの発現パターンを取得し、
前記決定手段は、
前記判断手段によって前記既知のNFL分子ペアと共通性ありと判断された場合、前記予測対象分子ペアのうち、前記既知のNFL分子ペアの中の転写因子の発現パターンと共通性のある分子を、既知の転写因子が記述された転写因子リストテーブルの中から検索するとともに、前記予測対象分子ペアのうち、前記既知のNFL分子ペアの中の阻害因子の発現パターンと共通性のある分子を、既知の阻害因子が記述された阻害因子リストテーブルの中から検索する検索手段を備え、
前記検索手段によっていずれも検索された場合、前記予測対象分子ペアを前記新規のFL分子ペアに決定することを特徴とする付記1〜3のいずれか一つに記載の生命現象予測装置。
(付記7)前記取得手段は、
前記データベースの中から比較対象となる既知のポジティブフィードバックループ(以下、「PFL」)となるPFL分子ペアの発現パターンを取得し、
前記決定手段は、
前記判断手段によって前記既知のPFL分子ペアと共通性ありと判断された場合、前記予測対象分子ペアを、既知の転写因子が記述された転写因子リストテーブルの中から検索する検索手段を備え、
前記検索手段によっていずれも検索された場合、前記予測対象分子ペアを前記新規のPFL分子ペアに決定することを特徴とする付記1〜3のいずれか一つに記載の生命現象予測装置。
(付記8)前記取得手段は、
前記データベースの中から比較対象となる既知のポジティブフィードバックループ(以下、「PFL」)となるPFL分子ペアの発現パターンを取得し、
前記決定手段は、
前記判断手段によって前記既知のPFL分子ペアと共通性ありと判断された場合、前記予測対象分子ペアを、既知の阻害因子が記述された阻害因子リストテーブルの中から検索する検索手段を備え、
前記検索手段によっていずれも検索された場合、前記予測対象分子ペアを前記新規のPFL分子ペアに決定することを特徴とする付記1〜3のいずれか一つに記載の生命現象予測装置。
(付記9)入力装置、出力装置および記憶装置を備えるコンピュータが、
前記入力装置により、またはデータベースから、予測対象分子ペアの時系列な発現量をあらわす発現パターンと既知のフィードバックループ(以下、「FL」)となるFL分子ペアの時系列な発現量をあらわす発現パターンとを取得して前記記憶装置に記憶する取得工程と、
前記取得工程によって取得された予測対象分子ペアの発現パターンおよび既知のFL分子ペアの発現パターンを比較することにより、前記予測対象分子ペアと前記既知のFL分子ペアの共通性を判断して、その判断結果を前記記憶装置に記憶する判断工程と、
前記判断工程によって判断された判断結果に基づいて、前記予測対象分子ペアを新規のFL分子ペアに決定して、その決定結果を前記記憶装置に記憶する決定工程と、
前記出力装置により、前記決定工程によって決定された決定結果を出力する出力工程と、
を実行することを特徴とする生命現象予測方法。
(付記10)前記コンピュータが、
前記判断工程において、
前記予測対象分子ペアの発現パターンのピーク位置と前記既知のFL分子ペアの発現パターンのピーク位置とが一致するか否かを判断して、その判断結果を前記記憶装置に記憶するピーク位置判断工程と、
前記予測対象分子ペアの発現パターンのピークの向きと前記既知のFL分子ペアの発現パターンのピークの向きとが一致するか否かを判断して、その判断結果を前記記憶装置に記憶するピーク方向判断工程と、
前記予測対象分子ペアの発現パターンのピーク位置前後の勾配の緩急と前記既知のFL分子ペアの発現パターンのピーク位置前後の勾配の緩急とが一致するか否かを判断して、その判断結果を前記記憶装置に記憶する勾配緩急判断工程と、を実行し、
前記決定工程において、
前記ピーク位置判断工程、前記勾配緩急判断工程、および前記ピーク方向判断工程によって判断された判断結果に基づいて、前記予測対象分子ペアを前記新規のFL分子ペアに決定して、その決定結果を前記記憶装置に記憶することを特徴とする付記9に記載の生命現象予測方法。
(付記11)前記コンピュータが、
前記ピーク方向判断工程において、
前記ピーク位置判断工程によって一致すると判断された場合、前記予測対象分子ペアの発現パターンのピークの向きと前記既知のFL分子ペアの発現パターンのピークの向きとが一致するか否かを判断して、その判断結果を前記記憶装置に記憶し、
前記勾配緩急判断工程において、
前記ピーク位置判断工程によって一致すると判断された場合、前記予測対象分子ペアの発現パターンのピーク位置前後の勾配の緩急と前記既知のFL分子ペアの発現パターンのピーク位置前後の勾配の緩急とが一致するか否かを判断して、その判断結果を前記記憶装置に記憶し、
前記決定工程は、
前記ピーク方向判断工程および前記勾配緩急判断工程によって判断された判断結果に基づいて、前記予測対象分子ペアを前記新規のFL分子ペアに決定して、その決定結果を前記記憶装置に記憶することを特徴とする付記10に記載の生命現象予測方法。
(付記12)前記コンピュータが、
前記取得工程において、
前記データベースの中から比較対象となる既知のネガティブフィードバックループ(以下、「NFL」)となるNFL分子ペアの発現パターンを取得して前記記憶装置に記憶し、
前記決定工程において、
前記判断工程によって前記既知のNFL分子ペアと共通性ありと判断された場合、前記予測対象分子ペアのうち、前記既知のNFL分子ペアの中の転写因子の発現パターンと共通性のある分子を、既知の転写因子が記述された転写因子リストテーブルの中から検索して、その検索結果を前記記憶装置に記憶する検索工程を実行し、
前記検索工程によって検索された場合、前記予測対象分子ペアを前記新規のFL分子ペアに決定して、その決定結果を前記記憶装置に記憶することを特徴とする付記9〜11のいずれか一つに記載の生命現象予測方法。
(付記13)前記コンピュータが、
前記取得工程において、
前記データベースの中から比較対象となる既知のネガティブフィードバックループ(以下、「NFL」)となるNFL分子ペアの発現パターンを取得して前記記憶装置に記憶し、
前記決定工程において、
前記判断工程によって前記既知のNFL分子ペアと共通性ありと判断された場合、前記予測対象分子ペアのうち、前記既知のNFL分子ペアの中の阻害因子の発現パターンと共通性のある分子を、既知の阻害因子が記述された阻害因子リストテーブルの中から検索して、その検索結果を前記記憶装置に記憶する検索工程を実行し、
前記検索工程によって検索された場合、前記予測対象分子ペアを前記新規のFL分子ペアに決定して、その決定結果を前記記憶装置に記憶することを特徴とする付記9〜11のいずれか一つに記載の生命現象予測方法。
(付記14)前記コンピュータが、
前記取得工程において、
前記データベースの中から比較対象となる既知のネガティブフィードバックループ(以下、「NFL」)となるNFL分子ペアの発現パターンを取得して前記記憶装置に記憶し、
前記決定工程において、
前記判断工程によって前記既知のNFL分子ペアと共通性ありと判断された場合、前記予測対象分子ペアのうち、前記既知のNFL分子ペアの中の転写因子の発現パターンと共通性のある分子を、既知の転写因子が記述された転写因子リストテーブルの中から検索するとともに、前記予測対象分子ペアのうち、前記既知のNFL分子ペアの中の阻害因子の発現パターンと共通性のある分子を、既知の阻害因子が記述された阻害因子リストテーブルの中から検索して、その検索結果を前記記憶装置に記憶する検索工程を実行し、
前記検索工程によっていずれも検索された場合、前記予測対象分子ペアを前記新規のFL分子ペアに決定して、その決定結果を前記記憶装置に記憶することを特徴とする付記9〜11のいずれか一つに記載の生命現象予測方法。
(付記15)前記コンピュータが、
前記取得工程において、
前記データベースの中から比較対象となる既知のポジティブフィードバックループ(以下、「PFL」)となるPFL分子ペアの発現パターンを取得して前記記憶装置に記憶し、
前記決定工程において、
前記判断工程によって前記既知のPFL分子ペアと共通性ありと判断された場合、前記予測対象分子ペアを、既知の転写因子が記述された転写因子リストテーブルの中から検索して、その検索結果を前記記憶装置に記憶する検索工程を実行し、
前記検索工程によっていずれも検索された場合、前記予測対象分子ペアを前記新規のPFL分子ペアに決定して、その決定結果を前記記憶装置に記憶することを特徴とする付記9〜11のいずれか一つに記載の生命現象予測方法。
(付記16)前記コンピュータが、
前記取得工程において、
前記データベースの中から比較対象となる既知のポジティブフィードバックループ(以下、「PFL」)となるPFL分子ペアの発現パターンを取得して前記記憶装置に記憶し、
前記決定工程において、
前記判断工程によって前記既知のPFL分子ペアと共通性ありと判断された場合、前記予測対象分子ペアを、既知の阻害因子が記述された阻害因子リストテーブルの中から検索して、その検索結果を前記記憶装置に記憶する検索工程を実行し、
前記検索工程によっていずれも検索された場合、前記予測対象分子ペアを前記新規のPFL分子ペアに決定して、その決定結果を前記記憶装置に記憶することを特徴とする付記9〜11のいずれか一つに記載の生命現象予測方法。
(付記17)入力装置、出力装置および記憶装置を備えるコンピュータを、
前記入力装置により、またはデータベースから、予測対象分子ペアの時系列な発現量をあらわす発現パターンと既知のフィードバックループ(以下、「FL」)となるFL分子ペアの時系列な発現量をあらわす発現パターンとを取得して前記記憶装置に記憶する取得手段、
前記取得手段によって取得された予測対象分子ペアの発現パターンおよび既知のFL分子ペアの発現パターンを比較することにより、前記予測対象分子ペアと前記既知のFL分子ペアの共通性を判断して、その判断結果を前記記憶装置に記憶する判断手段、
前記判断手段によって判断された判断結果に基づいて、前記予測対象分子ペアを新規のFL分子ペアに決定して、その決定結果を前記記憶装置に記憶する決定手段、
前記出力装置により、前記決定手段によって決定された決定結果を出力する出力手段、
として機能させることを特徴とする生命現象予測プログラム。
(付記18)前記コンピュータを、
前記判断手段において、
前記予測対象分子ペアの発現パターンのピーク位置と前記既知のFL分子ペアの発現パターンのピーク位置とが一致するか否かを判断して、その判断結果を前記記憶装置に記憶するピーク位置判断手段、
前記予測対象分子ペアの発現パターンのピークの向きと前記既知のFL分子ペアの発現パターンのピークの向きとが一致するか否かを判断して、その判断結果を前記記憶装置に記憶するピーク方向判断手段、
前記予測対象分子ペアの発現パターンのピーク位置前後の勾配の緩急と前記既知のFL分子ペアの発現パターンのピーク位置前後の勾配の緩急とが一致するか否かを判断して、その判断結果を前記記憶装置に記憶する勾配緩急判断手段、として機能させ、
前記決定手段は、
前記ピーク位置判断手段、前記勾配緩急判断手段、および前記ピーク方向判断手段によって判断された判断結果に基づいて、前記予測対象分子ペアを前記新規のFL分子ペアに決定して、その決定結果を前記記憶装置に記憶することを特徴とする付記17に記載の生命現象予測プログラム。
(付記19)前記ピーク方向判断手段は、
前記ピーク位置判断手段によって一致すると判断された場合、前記予測対象分子ペアの発現パターンのピークの向きと前記既知のFL分子ペアの発現パターンのピークの向きとが一致するか否かを判断して、その判断結果を前記記憶装置に記憶し、
前記勾配緩急判断手段は、
前記ピーク位置判断手段によって一致すると判断された場合、前記予測対象分子ペアの発現パターンのピーク位置前後の勾配の緩急と前記既知のFL分子ペアの発現パターンのピーク位置前後の勾配の緩急とが一致するか否かを判断して、その判断結果を前記記憶装置に記憶し、
前記決定手段は、
前記ピーク方向判断手段および前記勾配緩急判断手段によって判断された判断結果に基づいて、前記予測対象分子ペアを前記新規のFL分子ペアに決定して、その決定結果を前記記憶装置に記憶することを特徴とする付記18に記載の生命現象予測プログラム。
(付記20)前記取得手段は、
前記データベースの中から比較対象となる既知のネガティブフィードバックループ(以下、「NFL」)となるNFL分子ペアの発現パターンを取得して前記記憶装置に記憶し、
前記コンピュータを、前記決定手段において、
前記判断手段によって前記既知のNFL分子ペアと共通性ありと判断された場合、前記予測対象分子ペアのうち、前記既知のNFL分子ペアの中の転写因子の発現パターンと共通性のある分子を、既知の転写因子が記述された転写因子リストテーブルの中から検索して、その検索結果を前記記憶装置に記憶する検索手段として機能させ、
前記決定手段は、
前記検索手段によって検索された場合、前記予測対象分子ペアを前記新規のFL分子ペアに決定して、その決定結果を前記記憶装置に記憶することを特徴とする付記17〜19のいずれか一つに記載の生命現象予測プログラム。
(付記21)前記取得手段は、
前記データベースの中から比較対象となる既知のネガティブフィードバックループ(以下、「NFL」)となるNFL分子ペアの発現パターンを取得して前記記憶装置に記憶し、
前記コンピュータを、前記決定手段において、
前記判断手段によって前記既知のNFL分子ペアと共通性ありと判断された場合、前記予測対象分子ペアのうち、前記既知のNFL分子ペアの中の阻害因子の発現パターンと共通性のある分子を、既知の阻害因子が記述された阻害因子リストテーブルの中から検索して、その検索結果を前記記憶装置に記憶する検索手段として機能させ、
前記決定手段は、
前記検索手段によって検索された場合、前記予測対象分子ペアを前記新規のFL分子ペアに決定して、その決定結果を前記記憶装置に記憶することを特徴とする付記17〜19のいずれか一つに記載の生命現象予測プログラム。
(付記22)前記取得手段は、
前記データベースの中から比較対象となる既知のネガティブフィードバックループ(以下、「NFL」)となるNFL分子ペアの発現パターンを取得して前記記憶装置に記憶し、
前記コンピュータを、前記決定手段において、
前記判断手段によって前記既知のNFL分子ペアと共通性ありと判断された場合、前記予測対象分子ペアのうち、前記既知のNFL分子ペアの中の転写因子の発現パターンと共通性のある分子を、既知の転写因子が記述された転写因子リストテーブルの中から検索するとともに、前記予測対象分子ペアのうち、前記既知のNFL分子ペアの中の阻害因子の発現パターンと共通性のある分子を、既知の阻害因子が記述された阻害因子リストテーブルの中から検索して、その検索結果を前記記憶装置に記憶する検索手段として機能させ、
前記決定手段は、
前記検索手段によっていずれも検索された場合、前記予測対象分子ペアを前記新規のFL分子ペアに決定して、その決定結果を前記記憶装置に記憶することを特徴とする付記17〜19のいずれか一つに記載の生命現象予測プログラム。
(付記23)前記取得手段は、
前記データベースの中から比較対象となる既知のポジティブフィードバックループ(以下、「PFL」)となるPFL分子ペアの発現パターンを取得して前記記憶装置に記憶し、
前記コンピュータを、前記決定手段において、
前記判断手段によって前記既知のPFL分子ペアと共通性ありと判断された場合、前記予測対象分子ペアを、既知の転写因子が記述された転写因子リストテーブルの中から検索して、その検索結果を前記記憶装置に記憶する検索手段として機能させ、
前記決定手段は、
前記検索手段によっていずれも検索された場合、前記予測対象分子ペアを前記新規のPFL分子ペアに決定して、その決定結果を前記記憶装置に記憶することを特徴とする付記17〜19のいずれか一つに記載の生命現象予測プログラム。
(付記24)前記取得手段は、
前記データベースの中から比較対象となる既知のポジティブフィードバックループ(以下、「PFL」)となるPFL分子ペアの発現パターンを取得して前記記憶装置に記憶し、
前記コンピュータを、前記決定手段において、
前記判断手段によって前記既知のPFL分子ペアと共通性ありと判断された場合、前記予測対象分子ペアを、既知の阻害因子が記述された阻害因子リストテーブルの中から検索して、その検索結果を前記記憶装置に記憶する検索手段として機能させ、
前記決定手段は、
前記検索手段によっていずれも検索された場合、前記予測対象分子ペアを前記新規のPFL分子ペアに決定して、その決定結果を前記記憶装置に記憶することを特徴とする付記17〜19のいずれか一つに記載の生命現象予測プログラム。
110 転写因子リストテーブル
300 相互作用DB
400 既知FLDB
500 勾配緩急テーブル
600 発現プロファイルDB
800 阻害因子リストテーブル
900 生命現象予測装置
901 取得部
902 判断部
903 決定部
904 出力部
905 ピーク位置判断部
906 ピーク方向判断部
907 勾配緩急判断部
908 検索部
1100 処理結果テーブル

Claims (9)

  1. 予測対象分子ペアの時系列な発現量をあらわす発現パターンと既知のフィードバックループ(以下、「FL」)となるFL分子ペアの時系列な発現量をあらわす発現パターンとを取得する取得手段と、
    前記取得手段によって取得された予測対象分子ペアの発現パターンおよび既知のFL分子ペアの発現パターンを比較することにより、前記予測対象分子ペアと前記既知のFL分子ペアの共通性を判断する判断手段と、
    前記判断手段によって判断された判断結果に基づいて、前記予測対象分子ペアを新規のFL分子ペアに決定する決定手段と、
    前記決定手段によって決定された決定結果を出力する出力手段と、
    を備えることを特徴とする生命現象予測装置。
  2. 前記判断手段は、
    前記予測対象分子ペアの発現パターンのピーク位置と前記既知のFL分子ペアの発現パターンのピーク位置とが一致するか否かを判断するピーク位置判断手段と、
    前記予測対象分子ペアの発現パターンのピークの向きと前記既知のFL分子ペアの発現パターンのピークの向きとが一致するか否かを判断するピーク方向判断手段と、
    前記予測対象分子ペアの発現パターンのピーク位置前後の勾配の緩急と前記既知のFL分子ペアの発現パターンのピーク位置前後の勾配の緩急とが一致するか否かを判断する勾配緩急判断手段と、を備え、
    前記決定手段は、
    前記ピーク位置判断手段、前記勾配緩急判断手段、および前記ピーク方向判断手段によって判断された判断結果に基づいて、前記予測対象分子ペアを前記新規のFL分子ペアに決定することを特徴とする請求項1に記載の生命現象予測装置。
  3. 前記ピーク方向判断手段は、
    前記ピーク位置判断手段によって一致すると判断された場合、前記予測対象分子ペアの発現パターンのピークの向きと前記既知のFL分子ペアの発現パターンのピークの向きとが一致するか否かを判断し、
    前記勾配緩急判断手段は、
    前記ピーク位置判断手段によって一致すると判断された場合、前記予測対象分子ペアの発現パターンのピーク位置前後の勾配の緩急と前記既知のFL分子ペアの発現パターンのピーク位置前後の勾配の緩急とが一致するか否かを判断し、
    前記決定手段は、
    前記ピーク方向判断手段および前記勾配緩急判断手段によって判断された判断結果に基づいて、前記予測対象分子ペアを前記新規のFL分子ペアに決定することを特徴とする請求項2に記載の生命現象予測装置。
  4. 入力装置、出力装置および記憶装置を備えるコンピュータが、
    前記入力装置により、またはデータベースから、予測対象分子ペアの時系列な発現量をあらわす発現パターンと既知のフィードバックループ(以下、「FL」)となるFL分子ペアの時系列な発現量をあらわす発現パターンとを取得して前記記憶装置に記憶する取得工程と、
    前記取得工程によって取得された予測対象分子ペアの発現パターンおよび既知のFL分子ペアの発現パターンを比較することにより、前記予測対象分子ペアと前記既知のFL分子ペアの共通性を判断して、その判断結果を前記記憶装置に記憶する判断工程と、
    前記判断工程によって判断された判断結果に基づいて、前記予測対象分子ペアを新規のFL分子ペアに決定して、その決定結果を前記記憶装置に記憶する決定工程と、
    前記出力装置により、前記決定工程によって決定された決定結果を出力する出力工程と、
    を実行することを特徴とする生命現象予測方法。
  5. 前記コンピュータが、
    前記判断工程において、
    前記予測対象分子ペアの発現パターンのピーク位置と前記既知のFL分子ペアの発現パターンのピーク位置とが一致するか否かを判断して、その判断結果を前記記憶装置に記憶するピーク位置判断工程と、
    前記予測対象分子ペアの発現パターンのピークの向きと前記既知のFL分子ペアの発現パターンのピークの向きとが一致するか否かを判断して、その判断結果を前記記憶装置に記憶するピーク方向判断工程と、
    前記予測対象分子ペアの発現パターンのピーク位置前後の勾配の緩急と前記既知のFL分子ペアの発現パターンのピーク位置前後の勾配の緩急とが一致するか否かを判断して、その判断結果を前記記憶装置に記憶する勾配緩急判断工程と、を実行し、
    前記決定工程において、
    前記ピーク位置判断工程、前記勾配緩急判断工程、および前記ピーク方向判断工程によって判断された判断結果に基づいて、前記予測対象分子ペアを前記新規のFL分子ペアに決定して、その決定結果を前記記憶装置に記憶することを特徴とする請求項4に記載の生命現象予測方法。
  6. 前記コンピュータが、
    前記ピーク方向判断工程において、
    前記ピーク位置判断工程によって一致すると判断された場合、前記予測対象分子ペアの発現パターンのピークの向きと前記既知のFL分子ペアの発現パターンのピークの向きとが一致するか否かを判断して、その判断結果を前記記憶装置に記憶し、
    前記勾配緩急判断工程において、
    前記ピーク位置判断工程によって一致すると判断された場合、前記予測対象分子ペアの発現パターンのピーク位置前後の勾配の緩急と前記既知のFL分子ペアの発現パターンのピーク位置前後の勾配の緩急とが一致するか否かを判断して、その判断結果を前記記憶装置に記憶し、
    前記決定工程は、
    前記ピーク方向判断工程および前記勾配緩急判断工程によって判断された判断結果に基づいて、前記予測対象分子ペアを前記新規のFL分子ペアに決定して、その決定結果を前記記憶装置に記憶することを特徴とする請求項5に記載の生命現象予測方法。
  7. 入力装置、出力装置および記憶装置を備えるコンピュータを、
    前記入力装置により、またはデータベースから、予測対象分子ペアの時系列な発現量をあらわす発現パターンと既知のフィードバックループ(以下、「FL」)となるFL分子ペアの時系列な発現量をあらわす発現パターンとを取得して前記記憶装置に記憶する取得手段、
    前記取得手段によって取得された予測対象分子ペアの発現パターンおよび既知のFL分子ペアの発現パターンを比較することにより、前記予測対象分子ペアと前記既知のFL分子ペアの共通性を判断して、その判断結果を前記記憶装置に記憶する判断手段、
    前記判断手段によって判断された判断結果に基づいて、前記予測対象分子ペアを新規のFL分子ペアに決定して、その決定結果を前記記憶装置に記憶する決定手段、
    前記出力装置により、前記決定手段によって決定された決定結果を出力する出力手段、
    として機能させることを特徴とする生命現象予測プログラム。
  8. 前記コンピュータを、
    前記判断手段において、
    前記予測対象分子ペアの発現パターンのピーク位置と前記既知のFL分子ペアの発現パターンのピーク位置とが一致するか否かを判断して、その判断結果を前記記憶装置に記憶するピーク位置判断手段、
    前記予測対象分子ペアの発現パターンのピークの向きと前記既知のFL分子ペアの発現パターンのピークの向きとが一致するか否かを判断して、その判断結果を前記記憶装置に記憶するピーク方向判断手段、
    前記予測対象分子ペアの発現パターンのピーク位置前後の勾配の緩急と前記既知のFL分子ペアの発現パターンのピーク位置前後の勾配の緩急とが一致するか否かを判断して、その判断結果を前記記憶装置に記憶する勾配緩急判断手段、として機能させ、
    前記決定手段は、
    前記ピーク位置判断手段、前記勾配緩急判断手段、および前記ピーク方向判断手段によって判断された判断結果に基づいて、前記予測対象分子ペアを前記新規のFL分子ペアに決定して、その決定結果を前記記憶装置に記憶することを特徴とする請求項7に記載の生命現象予測プログラム。
  9. 前記ピーク方向判断手段は、
    前記ピーク位置判断手段によって一致すると判断された場合、前記予測対象分子ペアの発現パターンのピークの向きと前記既知のFL分子ペアの発現パターンのピークの向きとが一致するか否かを判断して、その判断結果を前記記憶装置に記憶し、
    前記勾配緩急判断手段は、
    前記ピーク位置判断手段によって一致すると判断された場合、前記予測対象分子ペアの発現パターンのピーク位置前後の勾配の緩急と前記既知のFL分子ペアの発現パターンのピーク位置前後の勾配の緩急とが一致するか否かを判断して、その判断結果を前記記憶装置に記憶し、
    前記決定手段は、
    前記ピーク方向判断手段および前記勾配緩急判断手段によって判断された判断結果に基づいて、前記予測対象分子ペアを前記新規のFL分子ペアに決定して、その決定結果を前記記憶装置に記憶することを特徴とする請求項8に記載の生命現象予測プログラム。
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