JP5380249B2 - 粒状組成物とそれを含有するたばこフィルタ - Google Patents

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Description

本発明は、香料が吸収保持された粒状組成物と、それを含有するたばこフィルタ、前記たばこフィルタを用いたたばこに関する。
たばこ製品には、一般に香喫味を向上させるために香料が添加されている。たばこに添加される主な香料は、ケーシングソースとしての第一香料と、トップフレーバーとしての第二香料とに分類される。何れの香料も、通常はたばこ製造の工程で葉たばこきざみに直接噴霧添加される。
たばこ葉にメントール等の香料をブレントした場合には、たばこの巻紙の黄変又は茶色の「しみ」が認識されることがある。「しみ」の存在は、品質の悪さ又は長すぎた貯蔵の証拠と考えられている。しかし実際には、紙巻きたばこを高湿度下に保管すると、数週間、時としては数日で「しみ」が発生することがある。特に、メントール入ブレンドは、紙巻きたばこのしみの傾向が更に強いことが知られている(特許文献1:特許第2660876号公報)。
また、第二香料を構成する成分の多くは、揮発性であるため製造熱や空気流によって揮散し易く、変質を受け易い。この問題を解決する方法としては、たばこの香料を封入した粒子をたばこの中ではなく、たばこ用フィルタの中に収納し、喫煙時に必要に応じて前記粒子を破壊して香料を揮散させるようにする方法が知られている。メントール等の油性香料の場合には、そのままの状態で用いてもよいが、多孔質粉末に吸収させ、粉末化して用いることが行われている。この多孔性の粉末としては、シクロデキストリン、セルロースゲル、活性炭、ゼオライト、無水ケイ酸、ケイソウ土等が適している。
特許文献2(特公平7−83701号公報)には、天然多糖類又はその誘導体からなる固体粒子中に香料が封入され(一次粒子)、且つ該粒子の表面が天然多糖類又はその誘導体の皮膜でコーティングされている(二次粒子)たばこ用香料粒子が開示されている。
この発明による香料粒子の第一の機能は、内部に含有させた香料を封入して揮散を防止することである。
一次粒子の場合、この機能はゲル化剤として用いた多糖類の封じ込め作用に起因する。また、油性香料をシクロデキストリン等の多孔質粉末に吸収させ、粉末化して用いる場合、この多孔質粉末によっても或る程度の弱い封じ込め作用が期待されるが、これはあくまで補助的なものにすぎない。
二次粒子の場合には、一次粒子の表面を更に多糖類による皮膜でコーティングするから、このコーティング皮膜による封じ込め作用が加わる。その結果、二次粒子における封じ込め作用は略完全で、粒子が破壊されない限り内部に封入された香料は全く匂わない。
特許文献3(第2709077号公報)には、たばこ用フィルタの内部に設けた収納空間内に香料を封入した固体粒子を収納してなり、フィルタの外側から通常の喫煙動作より大きい外力を加えることによって固体粒子が破壊され、封入されている香料を放出するたばこ用フィルタが開示されている。しかしながら、このような粒子を用いた場合には、喫煙時にはフィルタを外力により押し潰し、粒子を破壊して香料を蒸散させる必要があり、破壊できたか否かが確実ではなく、また喫煙時にいちいちフィルタを押し潰す必要があり煩雑である。
特許文献4(特許第3112468号公報)には、上記の問題点を改善するために、天然多糖類又はその誘導体からなる固体粒子中に、香料及び希釈剤としてカゼインが混合されて封入されてなるたばこ用香料粒子が開示されている。
特許文献5(WO95/20329号公報)には、香味発生媒体と、香味発生媒体とは物理的に分離されて設けられ、香味発生媒体を加熱してそれから香昧成分を放散させるための加熱源熱を備えた香喫味物品が開示されている。この技術の場合には、複雑なフィルタ構造を必要とする点で問題がある。
特許文献6(特開平11−178562号公報)には、製造が容易であり且つその加熱のためにヒータユニットに制約を受けることが少ない非燃焼型香味発生品が開示されている。非燃焼型香味発生品は、その外周面に複数の縦溝10を備えた棒状体8と、棒状体8の外周面を多い、縦溝10を軸方向貫通路14として形成するアウタラッパー12とからなり、このアウタラッパー12が香味発生シートから形成されている。しかしながら、このような構造のフィルタは構造が複雑になる問題を有している。
特許第2660876号公報 特公平7−83701号公報 第2709077号公報 特許第3112468号公報 WO95/20329号公報 特開平11−178562号公報
本発明は、香料を安定して吸収保持することができ、たばこフィルタに含有させたときには速やかに蒸散し、喫煙者に芳香を感じさせることができる粒状組成物と、それを含有するたばこフィルタを提供することを課題とする。
本発明は、課題の解決手段として、
粒状の酢酸セルロースに香料が吸収保持された複合体を含む粒状組成物であり、
前記香料を吸収保持する前の粒状の酢酸セルロースが、下記の要件を満たすものである粒状組成物を提供する。
(a)酢化度:40〜62.5%、
(b)粒度:90質量%以上の量が目開き(JIS Z 8801−1 2006)1.7〜0.15mmの範囲(但し、目開き1.7mmの篩を通過するが、0.15mmの篩は通過しない)である
(c)比表面積:0.1〜100m2/g
(d)嵩比重:0.1〜0.6
(e)リモネン吸収量:1〜50%
さらに本発明は、他の課題の解決手段として、上記の粒状組成物を含有するたばこフィルタと、それを用いたたばこを提供する。
本発明の粒状組成物は、香料を吸収保持している粒状の酢酸セルロースの酢化度、比表面積等の要件と、香料の保持量を異ならせることにより、香料の蒸散速度を変化させることができる。
メントール単独の場合の融解挙動を示すDSCチャート。 実施例2の複合体(B5)のメントールの融解挙動を示すDSCチャート。 実施例3の複合体(B10)のメントールの融解挙動を示すDSCチャート。
<粒状の酢酸セルロース>
本発明で用いる粒状の酢酸セルロースは、香料を吸収保持する前において、下記の(a)〜(e)の要件を満たすものである。
要件(a)
要件(a)は、酢化度が40〜62.5%であり、好ましくは43〜62%、より好ましくは50〜62%、さらに好ましくは55〜62%である。
酢化度を前記範囲にすることで、複合体をたばこフィルタに含有させたとき、香料の蒸散速度を高めることができる。酢化度を高くすることで、より香料の蒸散速度を高めることができるので好ましい。
要件(b)
要件(b)は、粒度が90質量%以上の量が目開き(JIS Z 8801−1 2006)1.7〜0.15mmの範囲(但し、目開き1.7mmの篩を通過するが、0.15mmの篩は通過しない)である。粒度は、好ましくは目開き1.0〜0.18mmの範囲、より好ましくは目開きが0.85〜0.25mmの範囲である。要件(b)は、各下限値の目開きの篩は通過するが、各上限値の目開きの篩は通過しないことを意味する。
粒度を前記範囲にすることにより、複合体をたばこフィルタに含有させたとき、配合が容易であり、さらに十分量の香料を配合することができるようになる。
要件(c)
要件(c)は、比表面積が0.1〜100m2/gであり、好ましくは1〜50m2/g、より好ましくは2〜25m2/g、さらに好ましくは2〜15m2/gである。
比表面積を前記範囲にすることにより、単位量当たりの香料の吸収保持量を増加させることができ、蒸散速度も高めることができる。
要件(d)
要件(d)は、嵩比重が0.1〜0.6であり、好ましくは0.3〜0.6である。嵩比重が前記範囲であると、香料を吸収保持させた後に嵩比重が増加した場合であっても、複合体の嵩比重が過度に大きくなることがなく、たばこフィルタへの配合が容易である。
要件(e)
要件(e)は、リモネン吸収量が1〜50%、好ましくは3〜40%、より好ましくは5〜30%である。
<香料>
香料は、たばこに配合される公知の各種香料を用いることができるが、粉末香料及び油性香料が適している。
粉末香料としては、甘草、葛草、甘茶、朴葉、カモミル、フェヌグリーク、クローブ、メントール、ハッカ、セージ、アニスシード、シンナモン、ハーブ等を粉末にしたものを挙げることができる。
油性香料としては、ラベンダー、シンナモン、カルダモン、セロリー、チョウジ、カスカリラ、ナッツメグ、サンダルウッド、ベルガモット、ゼラニウム、ハチミツエッセンス、ローズ油、バニラ、レモン、オレンジ、ハッカ、ケイ皮、キャラウエー、コニャック、ジャスミン、カモミル、メントール、カシヤ、イランイラン、セージ、スペアミント、フェンネル、ピメント、ジンジャ、アニス、コリアンダ、コーヒー等を挙げることができるが、これらの中でもメントールが好ましい。
<粒状組成物>
本発明の粒状組成物は、粒状の酢酸セルロースに香料が吸収保持された複合体と、必要に応じて配合される他の成分を含むものである。
複合体中の香料の含有率は1〜50質量%が好ましく、より好ましくは3〜25質量%である。
他の成分としては、本発明の課題を解決できる範囲内にて、上記の特許文献1〜6に記載されたものを含有することができる。
本発明の粒状組成物は、例えば、必要に応じて香料成分を加熱溶融させた状態にて、香料と粒状の酢酸セルロースが十分に接触できるように撹拌混合する方法を適用して製造することができる。
<たばこフィルタ>
本発明のたばこフィルタは、喫煙者に香料成分に芳香を感じさせる観点から、粒状の酢酸セルロースに香料が吸収保持された複合体を1〜50質量%含むものが好ましい。
表1に示す各項目の測定方法は以下のとおりである。
(a)酢化度
酢化度は、ASTM:D−817−91(セルロースアセテートなどの試験方法)の酢化度の測定法に準じて測定した。
まず、乾燥した酢酸セルロース1.9gを精秤し、アセトンとジメチルスルホキシドとの混合溶媒(容量比4:1)150mlに溶解した後、1N−水酸化ナトリウム水溶液30mlを添加し、25℃で2時間ケン化する。次に、フェノールフタレイン溶液を指示薬として添加し、1N−硫酸で過剰の水酸化ナトリウムを滴定した後、下記式にしたがって酢化度を算出する。なお、同様の方法により、ブランク試験を行う。
酢化度(%)=〔6.005×(B−A)×F〕/W
(式中、Aは試料の滴定に要した1N−硫酸のml数、Bはブランク試験の滴定に要した1N−硫酸のml数、Fは1N−硫酸の濃度ファクター、Wは試料重量を示す)。
(b)90質量%以上の量の粒度
粒度の測定は、株式会社伊藤製作所製電磁振動式ふるい分器MS−200を用いて、振幅2mm、時間2分で行った。
(c)比表面積
BET法(窒素ガス使用)にて求めた。
(d)嵩比重
嵩比重(ρ)は、あらかじめ質量(Wg)を測定した試料約150ml程度を300mlのメスシリンダーに充填し、実験台上に水平に敷いた厚さ1mmのゴムシートの上に置く。次に、前記メスシリンダーの底をできるだけ水平に保った状態で、約10mmの高さからおおむね垂直に10回自由落下させた後、メスシリンダーのメモリで正確な容積(Vml)を測定し、次式により計算した。
ρ=W/V
(e)リモネン吸収量(質量%)
三角フラスコに粒状の酢酸セルロース10gを入れ、そこにD-リモネン(和光純薬試薬1級)を添加したとき、粒状の酢酸セルロースが吸収し切れずに、フラスコがD-リモネンで濡れ始めるまでの添加量(xg)を測定し、x/(10+x)×100で求めた。
(メントール蒸散速度)
複合体(粒状組成物)のメントール蒸散速度を示差熱熱重量同時測定装置(DSC)(エスアイアイナノテクノロジー社製 EXSTAR6200)を用いて評価した。
表1に記載の量のサンプルをアルミニウムパンに取り、蓋をしないで、300ml/minの窒素流速下、表1記載の設定温度で一定に保ったときの質量減少速度をメントールの蒸散速度とし、測定に供した試料1mgあたりと試料に含まれるメントール1mgあたりに換算した。
(メントールの融解挙動)
メントール単独と複合体中に含まれるメントールの融解挙動を示唆走査熱量分析計(メトラー・トレド社製,DSC-600E)を用いて評価した。評価試料10mg程度をアルミパンに取り、0℃から100℃まで、20℃/minの速度で昇温したときのメントールの融解挙動を評価した。窒素流速は50ml/minで評価した。
実施例1<粒状組成物>
ダイセル化学工業社製の酢酸セルロースLT-55(酢化度60.8%)を篩分けで分級し、粒状の酢酸セルロース(A)を得た。粒度は、目開き1.0mmの篩を通過し、目開き0.425mmの篩を通過しないものを「1.0〜0.425」と表示した。以下の実施例でも同様である。
L(-)-メントール(和光純薬試薬特級)5質量部を部容器に取り、80℃で加温し完全に溶融させたところへ、粒状の酢酸セルロース(A)を100質量部添加し、溶融したL(-)-メントールが(A)に完全に吸収されるまで、加温したまま攪拌した。その後、攪拌したまま室温まで冷却し、複合体(A5)を得た。
実施例2<粒状組成物>
ダイセル化学工業社製の酢酸セルロースL−40粒状タイプ(酢化度55.6%)を篩分けで分級し、粒状の酢酸セルロース(B)を得た。
L(-)-メントール(和光純薬試薬特級)5質量部を容器に取り、80℃で加温し完全に溶融させたところへ、粒状の酢酸セルロース(B)を100質量部添加し、溶融したL(-)-メントールがBに完全に吸収されるまで、加温したまま攪拌した。その後、攪拌したまま室温まで冷却し、複合体(B5)を得た。複合体(B5)のメントールの融解挙動を示すDSCチャートを図2に示す。
実施例3、4<粒状組成物>
L(-)-メントールの量を、それぞれ10質量部、20質量部とした以外は実施例2と同様にして、複合体(B10)と(B20)を得た。複合体(B10)のメントールの融解挙動を示すDSCチャートを図3に示す。
実施例5<粒状組成物>
ダイセル化学工業社製の酢酸セルロースLM−80(酢化度52.0%)を篩分けで分級し、粒状の酢酸セルロース(C)を得た。
L(-)-メントール5質量部を容器に取り、80℃で加温し完全に溶融させたところへ、(C)を100質量部添加し、溶融したL(-)-メントールが(C)に完全に吸収されるまで、加温したまま攪拌した。その後、攪拌したまま室温まで冷却し、複合体(C5)を得た。
実施例6、7<粒状組成物>
L(-)-メントールの量を、それぞれ10質量部、20質量部とした以外は実施例5と同様にして、複合体(C10)と(C20)を得た。
実施例8<粒状組成物>
ダイセル化学工業社製の酢酸セルロースLL−10(酢化度44.3%)を篩分けで分級し、粒状の酢酸セルロース(D)を得た。
L(-)-メントール5質量部を容器に取り、80℃で加温し完全に溶融させたところへ、粒状の酢酸セルロース(D)を100質量部添加し、溶融したL(-)-メントールが(D)に完全に吸収されるまで、加温したまま攪拌した。その後、攪拌したまま室温まで冷却し、複合体(D5)を得た。
実施例9<粒状組成物>
L(-)-メントールの量を10質量部とした以外は実施例9と同様にして、複合体(D10)を得た。
実施例10<たばこフィルタ>
断面Y字状のフィラメント(3.0デニール)で構成されたセルロースアセテート繊維のトウ(トータルデニール37000)を幅約25cmに開繊し、たばこ煙用チャコールフィルター製造用巻上げ機(ドイツ,ハウニ社製,KDF2/AC1/AF1)の活性炭粉末添加装置を用いて開繊した。
開繊したトウ100質量部に対して、実施例1の複合体(A5)100質量部をフィルタ巻上げ時に均一に散布し、紙巻装置に供給した後、巻取紙を用いてトウを巻上げ速度400m/分で巻上げ、フィルタロッドを得た。
得られたフィルタロッドをカッターで長さ100mmに切断した。得られたフィルタをさらに長さ20mmに切断し、フィルタサンプルを作製した。
実施例11<たばこフィルタ>
複合体(A5)の代わりに、複合体(B20)をトウ100質量部に対し70質量部使用した以外は実施例10と同様にして、たばこサンプルを作製した。通気抵抗を測定したところ通気抵抗値は170mmWGであった。この煙草サンプルを喫煙してみたところ、さわやかなメントールの清涼感が得られた。
実施例12
実施例10のたばこフィルタを用いてたばこを製造した。
市販の煙草[ピース・ライト・ボックス(登録商標)(日本たばこ産業株式会社製)]のセルロースジアセテート捲縮繊維トウのフィルタ本体(25mm)の末端から20mmの部分をカミソリで切断した。
長片(すなわち、タバコ葉充填片)側のフィルタ部に、ガラス管(長さ20mm,内径8mm)を長片の残存フィルタ長に相当する長さ(5mm)だけ(タバコ葉充填の端部まで)挿入し、これらをシールテープで結束した。
さらに、このガラス管の挿入によって突出した長さ15mmのガラス管の空間に上記フィルタサンプル(長さ20mm)をガラス管内の空間に相当する長さ(15mm)だけ挿入し、これらをシーリングテープにて結束して、たばこサンプルを作製した。
通気抵抗を測定した(測定方法:イギリスCERULEAN社製QTM−6を用いて、空気流速17.5ml/secの条件で測定した。)ところ通気抵抗値は172mmWGであった。この煙草サンプルを喫煙してみたところ、さわやかなメントールの清涼感が得られた。
実施例13
実施例11のたばこフィルタを用いてたばこを製造した。
市販の煙草[ピース・ライト・ボックス(登録商標第2122839号)(日本たばこ産業株式会社製)]のセルロースジアセテート捲縮繊維トウのフィルタ本体(25mm)の末端から14mmの部分をカミソリで切断した。長片(すなわち、タバコ葉充填片)側のフィルタ部にガラス管(長さ20mm,内径8mm)を、長片の残存フィルタ長に相当する長さ(11mm)だけ(タバコ葉充填の端部まで)挿入し、これらをシーリングテープにて結束した。
このガラス管の挿入によって突出した長さ9mmのガラス管の空間に、実施例6の複合体(C10)の60mgを充填した。次に先に切断した短片(すなわち、長さ14mmのフィルタ部(110mg))を用いてガラス管の開放端に栓をした。そして、このガラス管とフィルタの接続部分にもシーリングテープを巻いて密閉した。従って、セルロースジアセテート捲縮繊維トウのフィルタの長さは25mmとなる。また、フィルタ間の延長された部分には煙草一本当たり60mgの複合体が充填されている。このたばこサンプルの通気抵抗は175mmWGであった。この煙草サンプルを喫煙してみたところ、さわやかなメントールの清涼感が得られた。
Figure 0005380249
Figure 0005380249
Figure 0005380249
表1〜表3は、それぞれメントール蒸散速度の測定温度が近似したものを実施例ごとにまとめたものである。表1〜表3から、酢化度、比表面積、メントールの含有量等を変えることにより、メントールの蒸散速度が変化されていることが確認できる。
図1(対照;メントール単独)と、図2(実施例2;複合体B5)、図3(実施例3;複合体B10)のメントールの融解挙動を示すDSCチャートから明らかなとおり、図1はシングルピークであるのに対し、図2、図3では、2つのピークがあった。このように2つのピークが生じたのは、酢化度、比表面積、メントールの含有量等を異ならせることにより、酢酸セルロースと相互作用するメントールの量が変化して、メントールの蒸散速度に影響を与えたものと考えられる。他の実施例においても、同様に測定したところ、2つのピークが確認された。

Claims (13)

  1. 粒状の酢酸セルロースに香料が吸収保持された複合体を含む粒状組成物であり、
    前記香料を吸収保持する前の粒状の酢酸セルロースが、下記の要件を満たすものである粒状組成物。
    (a)酢化度:40〜62.5%、
    (b)粒度:90質量%以上の量が目開き(JIS Z 8801−1 2006)1.7〜0.15mmの範囲(但し、目開き1.7mmの篩を通過するが、0.15mmの篩は通過しない)である
    (c)比表面積:0.1〜100m2/g
    (d)嵩比重:0.1〜0.6
    (e)リモネン吸収量:1〜50%
  2. 要件(a)の酢化度が43〜62%である請求項1記載の粒状組成物。
  3. 要件(a)の酢化度が50〜62%である請求項1記載の粒状組成物。
  4. 要件(a)の酢化度が55〜62%である請求項1記載の粒状組成物。
  5. 要件(c)の比表面積が1〜50m2/gである請求項1〜4のいずれか1項記載の粒状組成物。
  6. 要件(c)の比表面積が2〜25m2/gである請求項1〜4のいずれか1項記載の粒状組成物。
  7. 要件(c)の比表面積が2〜15m2/gである請求項1〜4のいずれか1項記載の粒状組成物。
  8. 要件(e)のリモネン吸収量が3〜40%である請求項1〜7のいずれか1項記載の粒状組成物。
  9. 要件(e)のリモネン吸収量が5〜30%である請求項1〜7のいずれか1項記載の粒状組成物。
  10. 複合体中の香料の含有率が1〜50質量%である請求項1〜9のいずれか1項記載の粒状組成物。
  11. 複合体中の香料の含有率が3〜25質量%である請求項1〜9のいずれか1項記載の粒状組成物。
  12. 請求項1〜11のいずれか1項記載の粒状組成物を含有するたばこフィルタ。
  13. 請求項12のたばこフィルタを用いたたばこ。
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