JP5379388B2 - 画像形成装置 - Google Patents
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従って、例えば、ジャムに対処する場合には、開閉カバーを開けることで、その開口から装置内に手を入れて詰まった転写紙を簡単に取り除く事ができる。
しかしながら、そのような作業の際に、像担持体の表面に手や紙や他物が触れると、像担持体表面の乱れや損傷によって画像形成不良の原因になりかねないので、それを防止するために、前記開閉カバーの開状態においては、像担持体カバーが前記保護状態となるように設けられている。そして、開閉カバーの閉状態においては、像担持体カバーが転写紙の搬送を妨げないように前記退避状態となるように構成されている。
従来の画像形成装置においては、図10に示すように、矩形形状のフレーム20にシート材21を張設した矩形形状の像担持体カバーの一例としてのドラムカバー22を、像担持体の一例としての感光体ドラム3の上方に、感光体ドラムの軸芯Xに平行な回転軸芯X1周りに揺動自在な状態に設置しておき、開閉カバーの開閉にリンクさせて図中の(あ)と(い)との間にわたってドラムカバー22が揺動する事によって前記保護状態と退避状態とに切り替わるように構成されたものがあった(例えば、特許文献1参照)。
また、別の画像形成装置としては、図11に示すように、開閉カバーに一端部を接続し、他端部を巻取付勢力を作用させた状態で繰り出し自在な巻き取りローラ23に接続したストラップ24を、像担持体の一例としての感光体ドラム3の両端部側に各別に設け、両ストラップ24の内の感光体ドラム3への対応部に、両ストラップ24にわたる状態に可撓性を備えたシート材25を設けて像担持体カバーの一例としてのドラムカバー26を構成し、開閉カバーの開閉にリンクさせて図中の(う)と(え)との間にわたってドラムカバー26がスライド移動する事によって前記保護状態と退避状態とに切り替わるように構成されたものがあった(例えば、特許文献2参照)。
また、上述した従来の画像形成装置の内、後者のものによれば、ストラップも像担持体カバーも可撓性を有しているから、屈曲経路に沿ってでもスライド移動でき、画像形成装置内の僅かな隙間であってもその部分に像担持体カバーの移動経路を設定することができ、前記前者の画像形成装置における問題点は解消できるようになったものの、例えば、ジャムに対処する際に手等が前記保護状態にある像担持体カバーに当たった場合、像担持体カバーそのものが撓み易く、保護機能が低くなり易い問題点があり、これを防止するためには、予め、像担持体の表面から、相当量の離隔距離を開けて像担持体カバーを位置させておく必要があり、何れにしても、像担持体カバーの移動経路を設定する上での制約が多く、画像形成装置のコンパクト化を図り難い問題点がある。
前記像担持体カバーにおける前記退避状態から前記保護状態へのスライド移動方向の前方縁部と後方縁部とのほぼ全長にわたる状態にそれぞれ前方フレームと後方フレームとが取り付けてあり、前記像担持体カバーのスライド移動中に移動方向に沿った張力を前記前方フレームと前記後方フレームとを介して前記像担持体カバーに付加する張力付加機構が設けてあり、
前記前方フレームの両端部に前記スライド移動方向に突設した突設片を備えると共に、
前記張力付加機構は、一端部を前記開閉カバーに取り付けて他端部を前記突設片に取り付けた一対のアーム部材と、一端部を前記後方フレームに取り付けると共に他端部を前記装置本体の固定側に前記後方フレームの長手方向に沿って取り付けた一対の弾性部材付き帯状体とを備えているところにある。
また、像担持体カバーにおける前記両状態間のスライド移動方向の前方縁部と後方縁部とのほぼ全長にわたる状態にフレームがそれぞれ取り付けてあり、前記像担持体カバーのスライド移動中に移動方向に沿った張力を前記像担持体カバーに付加する張力付加機構が設けてあり、前記張力付加機構は、前記前方縁部に取り付けられた前方フレームと、前記後方縁部に取り付けられた後方フレームとを介して前記像担持体カバーに張力を付加するように構成してあるから、前記張力付加機構によって付加されるスライド移動方向に沿った張力を、前記可撓性のシート材で形成された像担持体カバーの全幅にわたって分散して作用させることができ、像担持体カバーをシワのよらない状態に張ったまま移動させることができる。従って、より小さな隙間にも像担持体カバーを引っ掛けることなく移動させたり収納する事が可能となる。
更には、像担持体カバーに張力を作用させた状態を維持できるから、仮に、ジャムに対処する際に手等が前記保護状態にある像担持体カバーに当たった場合でも、像担持体カバーそのものが撓み難く、良好な状態で保護機能を発揮することができる。
その結果、像担持体カバーとしての保護機能を良好に発揮できながら、画像形成装置内での像担持体カバー配置計画の自由性を向上できるようになり、画像形成装置の総合的なコンパクト化を叶えることが可能となる。
また、例えば、開閉カバーの開方向への動きを終端部で規制するエンドストッパーを前記フレーム側に設けるような場合、そのエンドストッパーによって開閉カバーの終端位置を規制することができるが、その場合でも、例えば、開閉カバーの開操作中に手が離れて、自重によって勢いよく開閉カバーが開くような事態が発生する事があり、その急激な開方向への移動を終端位置で停止させる際には大きな衝撃力が発生することになる。
しかし、本発明の特徴構成によれば、一端部を開閉カバーに取り付けてあるアーム部材の他端部を、前記前方フレームに取り付けてあるから、例えば、前記エンドストッパーを、前方フレームに対して作用するように設けるだけで、前記衝撃力の大半は、開閉カバーからアーム部材を介して前方フレームまで伝達されることになる。しかし、その後続の像担持体カバーや後方フレームや弾性部材付き帯状体には殆ど伝わることが無く、負荷を軽減する事が可能となる。その結果、像担持体カバーが破れるのを未然に防止でき、像担持体の保護機能を維持することが可能となる。
また、像担持体に他物が触れ難いように、前記像担持体カバーの移動経路を自由に且つ正確に設定(例えば、縦配置や横配置や傾斜配置や曲線配置等)できるから、より像担持体に対する防護効果や遮光効果を向上させることが可能となる。
前記画像形成装置1は、図に示してあるように、給紙カセット、給紙トレイ等の用紙収納手段に収納した転写紙Pをピックアップコロによって1枚ずつ取り出し、中間コロを経てレジストローラにまで搬送した後、レジストローラによって所定のタイミングで転写部2に給紙し、転写部2で像担持体の一例としての感光体ドラム3に作成されたトナー画像を転写紙Pに転写後、定着部4に搬送するように構成されており、これら一連の転写紙Pの搬送路5が、装置本体1A内で縦方向に設定された所謂「縦搬送形式」の装置として構成してある。
また、装置本体1Aにおいて、前記搬送路5に近いハウジングの片側壁部分には、内部に通じる開閉カバー6が設けてあり、例えば、ジャム処理や保守点検などの際に、この開閉カバー6を開いて簡単に実施できるように構成されている。
即ち、前記ドラムカバー7は、前記開閉カバー6の開操作に伴って、前記感光体ドラム3の前記搬送路5側に移動して前記感光体ドラム3を保護する保護状態となる一方(図5参照)、前記開閉カバー6の閉操作に伴って、前記感光体ドラム3の前記搬送路5側から退避する退避状態となるように構成されている(図3参照)。
そして、カバー移動機構8は、前記開閉カバー6の開閉動作に対応して前記ドラムカバー7を、前記保護状態と前記退避状態とにドラムカバー表面に沿ってスライド移動させるように構成されている。
前記ドラムカバー7は高分子量ポリエチレン製で、可撓性を有する矩形形状のシート材で形成してあり、幅寸法(感光体ドラムの長さ方向に沿う方向における寸法)が前記感光体ドラム3の長さとほぼ等しい(又は、少し長い)値に設定してあると共に、長さ寸法(感光体ドラムの径方向に沿う方向における寸法)が感光体ドラム3の外径の約2倍程度の値に設定してある。
そして、図2、図3に示すように、前記ドラムカバー7における前記退避状態から保護状態におけるスライド移動方向の前方縁部7aと後方縁部7bとには、ほぼ全幅にわたる状態にフレーム9がそれぞれ取り付けてある。又、ドラムカバー7における前方縁部7aと後方縁部7bとには、図6〜図8に示すように、フレーム9における第1壁部15の係止爪18が嵌入可能な係合孔17が、その幅方向に沿って複数設けられている。
また、第1壁部15においては、ドラムカバー7の端部に設けられる係合孔17に嵌入可能な係止爪18が設けられていると共に、第2壁部16においては、各第1壁部15の係止爪18の対向する位置に、少なくとも係止爪18の先端部が収容され得る収容凹部19がそれぞれ設けられている。
このとき、ドラムカバー7の端部は、第1壁部15の係止爪18と第2壁部16の収容凹部19との間に挿入され、係止爪18のテーパー面を乗り越えると、ドラムカバー7の各係合孔17に、各第1壁部15の係止爪18がそれぞれ嵌入して係止され、取付けが完了する。
第1係合部93a及び第2係合部92bの突設先端部は、感光体ドラム3の両端側に位置する装置本体1A側の固定フレーム112、113に各別に形成されている縦スライドガイド溝10a、横スライドガイド溝10b(カバー移動機構)にそれぞれ係合され、案内支持されている。第1係合部93a及び第2係合部92bは、スライドガイド溝10の長手方向に沿ってスライド移動が自在である。
感光体ドラム3の両端側の縦スライドガイド溝10aには、前記前方縁部7aに取り付けられた前フレーム9aの両端部がそれぞれ嵌合されている。
一方、横スライドガイド溝10bには、前記後方縁部7bに取り付けられた後フレーム9bの両端部がそれぞれ嵌合されている。
従って、この帯状体12のスプリング機能によって、後フレーム9bを後方側(前フレーム9aとは反対方向側)に引き寄せており、その引っ張り力は、前端側が開閉カバー6に取り付けられているドラムカバー7に作用し、常に、ドラムカバー7を弛まない状態に保持することができる。
そして、開閉カバー6の開操作に伴って、ドラムカバー7が前方側にスライド移動する際には、前記帯状体12のスプリング部12aが伸びることで、ドラムカバー7のスライド移動を許容しながら張力を維持するように構成されている(図5参照)。開閉カバー6を終端部まで開操作した状態では、前記ドラムカバー7が感光体ドラム3の前面を覆う状態になり、この状態を前述の保護状態という。
また、開閉カバー6の閉操作に伴っては、後フレーム9bをスプリング部12aの縮まろうとする力で引き戻し、ドラムカバー7のスライド移動を許容しながら張力を維持するものである。このように、開閉カバー6を完全に閉まるまで閉操作した状態では、前記ドラムカバー7が感光体ドラム3の上方の隙間にスライド移動によって退避する状態になり、この状態を前述の退避状態という(図3参照)。
前記リンクアーム11と、帯状体12とで本発明に係わる張力付加機構Tが構成されている。
尚、前記退避状態のドラムカバー7の下面に沿う状態に、左右一対のシートガイド13が配置されており、前記開閉カバー6の開閉操作に伴ってスライド移動するドラムカバー7は、シートガイド13の前端部の曲面に沿った屈曲経路として案内され、装置内の僅かな隙間であってもスライド移動して保護・退避状態への切り替えが可能となる。
また、ドラムカバーが衝撃性の高い素材で構成されていることに加えて、張力を作用させた状態が維持されているから、仮に、ジャムに対処する際に手等が前記保護状態にあるドラムカバーに当たった場合でも、ドラムカバーそのものが撓み難く、良好な状態で保護機能を発揮することができる。
その結果、ドラムカバーとしての保護機能を良好に発揮できながら、画像形成装置内でのドラムカバー配置計画の自由性を向上できるようになり、画像形成装置の総合的なコンパクト化を叶えることが可能となる。
以下に他の実施の形態を説明する。
また、画像形成装置1は、所謂「縦搬送形式」のものを例に挙げたが、それ以外の搬送形式のものであってもよく、要するに、ドラムカバーを使用するものであればよい。更に、搬送路として、主搬送路と副搬送路とを備えた両面印刷タイプの画像形成装置であってもよいことは勿論である
〈2〉 また、ドラムカバーは、先の実施形態で説明したポリエチレン製のものに限るものではなく、例えば、他の合成樹脂シート(例えば、ポリスチレンシート、ポリエステルシート、ポリプロピレンシート等)や、布や紙や金属シート(例えば、アルミニウムシート、ステンレスシート等)等であってもよく、それらを含めてドラムカバーと言う。また、ドラムカバーの厚さは0.2mm〜0.4mmであることが望ましい。
〈3〉 前記スライドガイド部10は、溝形状に限るものではなく、例えば、レール形状であってもよく、それらを総称してスライドガイド部という。また、スライドガイド部10に、そのものの誘導経路の形状や位置を変更できるガイド変更手段を備えてあれば、ドラムカバーのスライド経路を、適宜変更する事ができる。その結果、例えば、ジャム処理の際に取り除き難い位置に紙が詰まっているような場合でも、前記ガイド変更手段によってスライドガイド部10の位置を変更すれば、ドラムカバーの位置や姿勢を、詰まった紙を取り除き易い状態に変更でき、ジャム処理やメンテナンス作業をより効率的に実施することが可能となる。
図9に示すように、開閉カバー6は、その下縁部を、装置本体1Aのハウジングに対して枢支連結されており、その枢支軸芯周りに揺動操作することで、開状態と閉状態とに切り替えることができる。開閉カバー6を開いた状態で支持する帯体Vが、開閉カバー6の裏面部分と、装置本体1Aの固定部分とにわたって取り付けられている。一方、中間搬送装置Sも、開閉カバー6と同様に、その下縁部を、装置本体1Aのハウジングに対して枢支連結されており、揺動開閉カバー6の開閉操作に連動して、枢支軸芯周りに揺動し、開状態と閉状態とに切り替わる。そして、前記開閉カバー6は、上述のように帯体Vによって所定の開角度を維持できるように支持されているのに対して、中間搬送装置Sは、前フレーム9aにわたる左右一対のリンクアーム11によって所定の開角度を維持できるように支持されている。そして、中間搬送装置Sの開角度は、揺動開閉カバー6の開角度より小さくなるように、帯体Vとリンクアーム11の長さが設定されている構成としてもよい。
このような構成を採用することによって、開閉カバー6と中間搬送装置Sとを開いた状態で、一対の搬送路5の何れもが開放されることになり、紙詰まり除去やメンテナンスが、より簡単に迅速に実施することができるようになる。
3 像担持体としての感光体ドラム
5 搬送路
6 開閉カバー
7 像担持体カバーとしてのドラムカバー
7a 前方縁部
7b 後方縁部
8 カバー移動機構
9 フレーム
9a 前フレーム(前方フレームに相当)
9b 後フレーム(後方フレームに相当)
10 スライドガイド溝(スライドガイド部に相当)
11 リンクアーム(アーム部材に相当)
12 スプリング付き帯状体(弾性部材付き帯状体の一例)
P 転写紙
T 張力付加機構
Claims (3)
- 装置本体の内部に通じる開閉カバーの裏側に、転写紙を搬送する搬送路が設けてあると共に、その搬送路に面した奥側に像担持体が設けてあり、前記開閉カバーの開操作に伴って、前記像担持体の前記搬送路側に移動して前記像担持体を保護する保護状態となる一方、前記開閉カバーの閉操作に伴って、前記像担持体の前記搬送路側から退避する退避状態となる可撓性を有するシート材で形成された像担持体カバーが設けてあり、前記開閉カバーの開閉動作に対応して前記像担持体カバーを前記保護状態と前記退避状態とに像担持体カバー表面に沿ってスライド移動させるカバー移動機構が設けられている画像形成装置であって、
前記像担持体カバーにおける前記退避状態から前記保護状態へのスライド移動方向の前方縁部と後方縁部とのほぼ全長にわたる状態にそれぞれ前方フレームと後方フレームとが取り付けてあり、前記像担持体カバーのスライド移動中に移動方向に沿った張力を前記前方フレームと前記後方フレームとを介して前記像担持体カバーに付加する張力付加機構が設けてあり、
前記前方フレームの両端部に前記スライド移動方向に突設した突設片を備えると共に、
前記張力付加機構は、一端部を前記開閉カバーに取り付けて他端部を前記突設片に取り付けた一対のアーム部材と、一端部を前記後方フレームに取り付けると共に他端部を前記装置本体の固定側に前記後方フレームの長手方向に沿って取り付けた一対の弾性部材付き帯状体とを備えた画像形成装置。 - 前記カバー移動機構には、前記前方フレーム及び前記後方フレームの端部を嵌合させてスライド移動方向に誘導させるスライドガイド部が備えられている請求項1に記載の画像形成装置。
- 前記像担持体カバーは、ポリエチレン製である請求項1または2に記載の画像形成装置。
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