JP5378960B2 - 紡糸装置、不織布製造装置、不織布の製造方法及び不織布 - Google Patents

紡糸装置、不織布製造装置、不織布の製造方法及び不織布 Download PDF

Info

Publication number
JP5378960B2
JP5378960B2 JP2009266504A JP2009266504A JP5378960B2 JP 5378960 B2 JP5378960 B2 JP 5378960B2 JP 2009266504 A JP2009266504 A JP 2009266504A JP 2009266504 A JP2009266504 A JP 2009266504A JP 5378960 B2 JP5378960 B2 JP 5378960B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
gas
liquid
nonwoven fabric
spinning
columnar hollow
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2009266504A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2011111686A5 (ja
JP2011111686A (ja
Inventor
賢司 木村
隆明 天笠
康子 松林
裕子 原科
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Japan Vilene Co Ltd
Original Assignee
Japan Vilene Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Japan Vilene Co Ltd filed Critical Japan Vilene Co Ltd
Priority to JP2009266504A priority Critical patent/JP5378960B2/ja
Publication of JP2011111686A publication Critical patent/JP2011111686A/ja
Publication of JP2011111686A5 publication Critical patent/JP2011111686A5/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5378960B2 publication Critical patent/JP5378960B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Nonwoven Fabrics (AREA)
  • Spinning Methods And Devices For Manufacturing Artificial Fibers (AREA)

Description

本発明は紡糸装置、この紡糸装置を備えた不織布製造装置、前記不織布製造装置を用いる不織布の製造方法、及び前記製造方法により製造した不織布に関する。
不織布を構成する繊維の繊維径が小さいと、分離性能、液体保持性能、払拭性能、隠蔽性能、絶縁性能、或いは柔軟性など、様々な性能に優れているため、不織布を構成する繊維の繊維径は小さいのが好ましい。このような繊維径の小さい繊維からなる不織布の製造方法として、加熱溶融したポリマーを吐出するとともに、このポリマーに対して加熱ガスを吹き付けることにより引き伸ばして繊維化し、繊維を捕集して不織布とする、いわゆるメルトブロー法が知られている。このメルトブロー法は加熱ガス量が多く、その流速も不安定であることから、ポリマーの引き伸ばしが安定しない。その結果、不織布の繊維径分布が広く、品質が安定しないものであった。
例えば、メルトブロー法に使用できる紡糸装置として、図2に示すような「圧縮ガス流を用いることによってナノファイバの不織マットを形成する装置は、平行な間隔を設けた第1(12)、第2(22)及び第3(32)部材を含み、各々は、供給端部(14,24,34)及び対向出口端部(16,26,36)を有する。第2部材(22)は第1部材(12)に隣接する。第2部材(22)の出口端部(26)は、第1部材(12)の出口端部(16)を越えて延びる。第1(12)及び第2(22)部材は、第1供給スリット(18)を画成する。第3部材(32)は、第1部材(12)の第2部材(22)から反対側で第1部材(12)に隣接して位置する。第1(12)及び第3(32)部材は第1ガススリット(38)を画成し、第1(12)、第2(22)及び第3(32)部材の出口端部(16,26,36)はガスジェット空間(20)を画成する。圧縮ガス流を用いることによってナノファイバの不織マットを形成する方法も含まれる。」が提案されている(特許文献1)。この装置においては、平板状の第1、第2及び第3部材を平行に設けていることから、シート状の加熱溶融したポリマーに対して、加熱した圧縮ガスを作用させることができる。しかしながら、この装置で紡糸しても繊維形状になりにくく、ショット、或いはビーズ(粒子形状の樹脂)を多く含むものとなり、繊維形状にできたとしても太い繊維しか形成できないものであると考えられた。
同様の紡糸装置として、「センターチューブ、センターチューブに同心状かつ離間して位置する第1供給チューブ、第1供給チューブに同心状かつ離間して位置する中間ガスチューブ、中間ガスチューブに同心状かつ離間して位置する第2供給チューブを備え、センターチューブと第1供給チューブは第1環状コラムを形成し、中間ガスチューブと第1供給チューブは第2環状コラムを形成し、中間ガスチューブと第2供給チューブは第3環状コラムを形成し、第1ガスジェット空間がセンターチューブと第1供給チューブの下流側端部に形成され、第2ガスジェット空間が中間ガスチューブと第2供給チューブの下流側端部に形成されるように位置している、圧縮ガスを用いるナノファイバー製造装置。」が提案されている(特許文献2)。この製造装置は環状に吐出された加熱溶融したポリマーに対して、加熱した圧縮ガスを作用させることができる。しかしながら、紡糸が不安定で繊維形状になりにくく、ショット、或いはビーズ(粒子形状の樹脂)を多く含むものであった。
特表2005−515316号公報(要約、表1など) 米国特許第6520425号公報(要約、図2など)
本発明は上述のような問題点に鑑みてなされたものであり、繊維径が小さく、繊維径の揃った繊維を安定して紡糸できる紡糸装置、この紡糸装置を備えた、繊維径が小さく、繊維径の揃った繊維を含む不織布を製造できる製造装置、この不織布製造装置を用いた、繊維径が小さく、繊維径の揃った繊維を含む不織布の製造方法、及び繊維径が小さく、繊維径の揃った繊維を含む不織布を提供することを目的とする。
本発明の請求項1にかかる発明は、「加熱溶融したポリマーの紡糸液を吐出できる液吐出部を1箇所以上と、前記いずれの液吐出部よりも上流側に位置し、加熱ガスを吐出できるガス吐出部1箇所とを有する、次の条件を満足する紡糸装置。(1)液吐出部を端部とする液用柱状中空部(Hl)を有する、(2)ガス吐出部を端部とするガス用柱状中空部(Hg)を有する、(3)液用柱状中空部(Hl)を延長した液仮想柱状部(Hvl)とガス用柱状中空部(Hg)を延長したガス仮想柱状部(Hvg)とは2mm以下の距離で近接している、(4)液用柱状中空部(Hl)の吐出方向中心軸とガス用柱状中空部(Hg)の吐出方向中心軸とが平行である、(5)ガス用柱状中空部(Hg)の中心軸に対して垂直な平面で切断した時に、ガス用柱状中空部(Hg)の切断面の外周と液用柱状中空部(Hl)の切断面の外周との距離が最も短い直線を、1本だけ引くことができる」である。
本発明の請求項2にかかる発明は、「請求項1に記載の紡糸装置に加えて、繊維の捕集体を備えている不織布製造装置。」である。

本発明の請求項3にかかる発明は、「請求項2に記載の不織布製造装置を用いる不織布の製造方法。」である。
本発明の請求項1にかかる発明は、液吐出部から吐出された加熱溶融したポリマーの紡糸液とガス吐出部から吐出された加熱ガスとは近接しており、平行であり、しかも加熱溶融したポリマーの紡糸液には加熱ガスおよび随伴気流による剪断力が1本の直線状に均一に作用するため、繊維径の小さい、繊維径の揃った繊維を紡糸できる。
本発明の請求項2にかかる発明は、前記紡糸装置に加えて、繊維の捕集体を備えているため、繊維径の小さい、繊維径の揃った繊維を含む不織布を製造することができる。
本発明の請求項3にかかる発明は、前記不織布製造装置を用いているため、繊維径の小さい、繊維径の揃った繊維を含む不織布を製造することができる。
本発明の請求項4にかかる発明は、前記製造方法により製造した不織布であるため、繊維径の小さい、繊維径の揃った繊維を含む不織布である。
(a) 紡糸装置の先端部を拡大した斜視図 (b) 平面Cでの切断図 従来の紡糸装置の断面図 比較例1において使用した液吐出ノズルとガス吐出ノズルの配置を表す横断面平面図 別の紡糸装置の先端部を拡大した斜視図 (a) ガス用柱状中空部の中心軸に対して垂直な平面で切断した時の切断平面図の一例(図4のC平面での切断平面図) (b) ガス用柱状中空部の中心軸に対して垂直な平面で切断した時の切断平面図の他例 (c) ガス用柱状中空部の中心軸に対して垂直な平面で切断した時の切断平面図の他例 (d) ガス用柱状中空部の中心軸に対して垂直な平面で切断した時の切断平面図の他例 (e) ガス用柱状中空部の中心軸に対して垂直な平面で切断した時の切断平面図の他例 (a) ガス用柱状中空部の中心軸に対して垂直な平面で切断した時の切断平面図の一例 (b) ガス用柱状中空部の中心軸に対して垂直な平面で切断した時の切断平面図の他例 (c) ガス用柱状中空部の中心軸に対して垂直な平面で切断した時の切断平面図の他例 本発明の不織布製造装置の模式的断面説明図 比較例2で使用したメルトブロー装置用ダイの模式的断面図
本発明の紡糸装置について、紡糸装置の先端部を拡大した斜視図である図1(a)、及び図1(a)におけるC平面切断図である図1(b)をもとに説明する。
本発明の紡糸装置は加熱溶融したポリマーの紡糸液を吐出できる液吐出部Elを一方の端部に有する液吐出ノズルNl1本と、加熱ガスを吐出できるガス吐出部Egを一方の端部に有するガス吐出ノズルNg1本の外壁面が当接し、ガス吐出ノズルNgのガス吐出部Egが液吐出部Elよりも上流側となる位置にある。なお、液吐出ノズルNlは液吐出部Elを端部とする液用柱状中空部Hlを有しており、ガス吐出ノズルNgはガス吐出部Egを端部とするガス用柱状中空部Hgを有している。また、前記液用柱状中空部Hlを延長した液仮想柱状部Hvlと前記ガス用柱状中空部Hgを延長したガス仮想柱状部Hvgとは、液吐出ノズルNlの壁厚とガス吐出ノズルNgの壁厚の和に相当する距離だけ離れて近接した状態にある。しかも前記液用柱状中空部Hlの吐出方向中心軸Alとガス用柱状中空部Hgの吐出方向中心軸Agとが平行である関係にある。更には、図1(b)にガス用柱状中空部Hgの中心軸に対して垂直な平面Cで切断した切断図を示すように、ガス用柱状中空部Hgの切断面の外形、液用柱状中空部Hlの切断面の外形ともに円形であり、これら外周間の距離が最も短い直線Lを、1本だけ引くことができる状態にある。
そのため、図1のような紡糸装置の液吐出ノズルNlに加熱溶融したポリマーの紡糸液を供給し、ガス吐出ノズルNgに加熱ガスを供給すると、加熱溶融したポリマーの紡糸液は液用柱状中空部Hlを通り液吐出部Elから液用柱状中空部Hlの軸方向に吐出されると同時に、加熱ガスはガス用柱状中空部Hgを通りガス吐出部Egからガス用柱状中空部Hgの軸方向に吐出される。この吐出された加熱ガスと吐出された加熱溶融したポリマーの紡糸液とは近接した状態にあり、加熱ガスの吐出方向と紡糸液の吐出方向とは平行関係にあり、しかも平面C上、吐出された加熱ガスと吐出された紡糸液とは最も近い点が1点、つまり、紡糸液は1本の直線状に加熱ガスおよび随伴気流による剪断作用を受けるため、細径化しながら液用柱状中空部Hlの軸方向に飛翔し、繊維化する。このように、紡糸液に対して均一に剪断作用を作用させることができるため、繊維径の揃った繊維を紡糸することができる。
液吐出ノズルNlは加熱溶融したポリマーの紡糸液を吐出できるものであれば良く、液吐出部Elの形状は特に限定するものではないが、液吐出部Elの形状は、例えば、円形、長円形、楕円形、多角形(例えば、三角形、四角形、六角形)であることができる。加熱ガス及び随伴気流の剪断作用を1本の直線状に受け、ショットやビーズ(粒子形状の樹脂)を生じにくいように、円形であるのが好ましい。なお、液吐出部Elの形状が多角形である場合には、多角形の1つの角をガス吐出ノズルNg側となるように配置することにより、加熱ガス及び随伴気流の剪断作用が1本の直線状となり、ショットやビーズ(粒子形状の樹脂)を生じにくくなる。つまり、ガス用柱状中空部Hgの中心軸に対して垂直な平面で切断した時に、ガス用柱状中空部Hgの切断面の外周と液用柱状中空部Hlの切断面の外周との距離が最も短い直線を、1本だけ引くことができる状態となり、吐出された紡糸液は加熱ガス及び随伴気流の剪断作用を1本の直線状に受け、ショットやビーズ(粒子形状の樹脂)を生じにくくなる。
また、液吐出部Elの大きさも特に限定するものではないが、0.03〜20mmであるのが好ましく、0.03〜0.8mmであるのがより好ましい。0.03mmよりも小さいと、粘度の高い紡糸液を吐出するのが困難になる傾向があり、20mmを超えると、吐出された紡糸液全体に剪断作用を働かせることが困難となり、ショットやビーズ(粒子形状の樹脂)を生じやすくなる傾向があるためである。
なお、液吐出ノズルNlの材質は特に限定するものではないが、加熱溶融したポリマーを吐出するため、金属製であるのが好ましい。また、金属製のチューブを用いることもできる。更に、図1においては、円柱状の液吐出ノズルNlを図示しているが、先端が傾斜を持って切断された鋭角ノズルを使用することもできる。この鋭角ノズルの場合、紡糸液の粘度が高い場合に有効である。このような鋭角ノズルを使用する場合、尖った側をガス吐出ノズル側とすると、加熱ガス及び随伴気流の剪断作用を受けやすく、安定して繊維化できる。
ガス吐出ノズルNgは加熱ガスを吐出できるものであれば良く、ガス吐出部Egの形状は特に限定するものではないが、ガス吐出部Egの形状は、例えば、円形、長円形、楕円形、多角形(例えば、三角形、四角形、六角形)であることができる。加熱ガス及び随伴気流の剪断作用を働きやすくするために、円形であるのが好ましい。なお、ガス吐出部Egの形状が多角形である場合には、多角形の1つの角を液吐出ノズルNl側となるように配置することにより、加熱ガス及び随伴気流の剪断作用が働きやすくなる。つまり、ガス用柱状中空部Hgの中心軸に対して垂直な平面で切断した時に、ガス用柱状中空部Hgの切断面の外周と液用柱状中空部Hlの切断面の外周との距離が最も短い直線を、1本だけ引くことができる状態となり、吐出された紡糸液は加熱ガス及び随伴気流の剪断作用を1本の直線状に受け、ショット、或いはビーズ(粒子形状の樹脂)を生じにくくなる。
また、ガス吐出部Egの大きさも特に限定するものではないが、0.03〜79mmであるのが好ましく、0.03〜20mmであるのがより好ましい。0.03mmよりも小さいと、吐出された紡糸液全体に剪断作用を働かせることが困難になる傾向があり、安定して繊維化することが困難になる傾向があるためで、79mmを超えると剪断作用を働かせるために十分な風速が必要で、多量の加熱ガスが必要となって不経済であるためである。なお、ガス吐出部Egの大きさは液吐出部Elの大きさと同じか、より大きいのが好ましい。加熱ガス及び随伴気流の剪断作用が働きやすいためである。
なお、ガス吐出ノズルNgの材質は特に限定するものではないが、加熱ガスを吐出するため、金属製であるのが好ましい。また、ガス吐出ノズルに替えて金属製チューブを用いることもできる。
ガス吐出ノズルNgはガス吐出部Egが液吐出部Elよりも上流側(紡糸液の供給側)となる位置に配置されているため、液吐出部周辺へ紡糸液が巻き上がるのを防止できる。そのため、液吐出部を汚すことなく、長時間の紡糸が可能である。なお、ガス吐出部Egと液吐出部Elとの距離は特に限定するものではないが、10mm以下であることが好ましく、5mm以下であることがより好ましい。10mmを超えると紡糸液に対する加熱ガス及び随伴気流の剪断力が不十分となり、繊維化しにくくなる傾向があるためである。ガス吐出部Egと液吐出部Elとの距離の差の下限は特に限定するものではなく、ガス吐出部Egと液吐出部Elとが一致していなければ良い。
液用柱状中空部Hlは紡糸液の通過経路であり、紡糸液の吐出時における形状を形作り、ガス用柱状中空部Hgは加熱ガスの通過経路であり、加熱ガスの吐出時における形状を形作る。
なお、液用柱状中空部Hlを延長した液仮想柱状部Hvlは液吐出部Elから吐出された紡糸液の吐出直後の飛翔経路であり、ガス用柱状中空部Hgを延長したガス仮想柱状部Hvgはガス吐出部Egから吐出された加熱ガスの吐出直後の噴出経路である。この液仮想柱状部Hvlとガス仮想柱状部Hvgとの距離は液吐出ノズルNlの壁厚とガス吐出ノズルNgの壁厚の和に相当しているが、この距離は2mm以下であることが好ましく、1mm以下であることがより好ましい。2mmを超えると加熱ガス及び随伴気流の剪断力が作用しにくく、繊維化しにくくなる傾向があるためである。
この液仮想柱状部Hvlとガス仮想柱状部Hvgのいずれも内部充実した柱状である。例えば、円柱状の液仮想部を中空円柱状のガス仮想部で覆った状態、又は円柱状のガス仮想部を中空円柱状の液仮想部で覆った状態であると、ガス仮想柱状部の中心軸に対して垂直な平面で切断した時に、液仮想部の切断面の外周とガス仮想部の切断面の内周、又はガス仮想部の切断面の外周と液仮想部の切断面の内周との距離が最も短い直線を無数に引くことができる結果、様々な点に加熱ガス及び随伴気流の剪断力が作用し、繊維化が不十分となり、ショット、或いはビーズ(粒子形状の樹脂)が多くなるためである。この「仮想柱状部」はノズルの内壁面を延長して形成される部分である。
更に、液用柱状中空部Hlの吐出方向中心軸Alとガス用柱状中空部Hgの吐出方向中心軸Agとが平行で、吐出された紡糸液に対して1本の直線状に加熱ガス及び随伴気流を作用させることができるため、安定して繊維を紡糸することができる。例えば、円柱状の液用中空部を中空円柱状のガス中空部で覆った状態、又は円柱状のガス中空部を中空円柱状の液用中空部で覆った状態であるように、これら中心軸が一致すると、加熱ガス及び随伴気流の剪断力を1本の直線状に作用させることができず、繊維化が不十分となり、ショット、或いはビーズ(粒子形状の樹脂)が多くなる。また、これら中心軸が交差又はねじれの位置にあると、加熱ガス及び随伴気流による剪断力が作用しないか、作用したとしても不均一であることから、安定して繊維を紡糸することができない。この「平行」であるとは、液用柱状中空部Hlの吐出方向中心軸Alとガス用柱状中空部Hgの吐出方向中心軸Agとが同一平面上に位置することができ、しかも平行であることを意味する。また、「吐出方向中心軸」とは吐出部の中心と仮想柱状部の横断面における中心とを結んでできる直線である。
本発明の紡糸装置はガス用柱状中空部Hgの中心軸に対して垂直な平面で切断した時に、ガス用柱状中空部Hgの切断面の外周と液用柱状中空部Hlの切断面の外周との距離が最も短い直線を、1本だけ引くことができる(図1(b))。このようなガス用柱状中空部から吐出された加熱ガス及び随伴気流は、液用柱状中空部から吐出された紡糸液に対して、1本の直線状に作用し、剪断作用を発揮することができるため、ショット、或いはビーズ(粒子形状の樹脂)を生じることなく、安定して紡糸することができる。例えば、前記直線を2本引くことができる場合には、一方の点で作用する場合と他方の点で作用する場合とが交互になるなど、安定して剪断作用を発揮することができない結果、ショット、或いはビーズ(粒子形状の樹脂)を発生し、安定して紡糸することができない。
なお、図1(a)には図示していないが、液吐出ノズルNlは加熱溶融したポリマーの供給装置(例えば、押出し機、ヒーターにより加熱された金属製シリンジなど)に接続されており、ガス吐出ノズルNgは加熱ガスの供給装置(例えば、ヒーターに接続した圧縮機、ガスボンベ、ブロアなど)に接続されている。
図1においては、1組の紡糸装置しか描いていないが、2組以上の紡糸装置を配置することができる。2組以上の紡糸装置を配置することによって、生産性を高めることができる。
また、図1においては、液吐出ノズルNlとガス吐出ノズルNgとを固定した状態にあるが、前述のような関係を満たす限り、図1の態様に限定されない。例えば、段差を有する基材に対して液用柱状中空部Hlとガス用柱状中空部Hgを穿孔したものであっても良い。また、液吐出ノズルNlの液吐出部El及び/又はガス吐出ノズルNgのガス吐出部Egの位置を自由に調整できる機構を備えていることもできる。
本発明の別の紡糸装置について、液吐出部2箇所とガス吐出部1箇所とを有する紡糸装置の先端部を拡大した斜視図である図4及び図4におけるC平面切断図である図5(a)をもとに説明する。
この紡糸装置は加熱溶融したポリマーの紡糸液を吐出できる第1液吐出部Elを一方の端部に有する第1液吐出ノズルNlと、加熱溶融したポリマーの紡糸液を吐出できる第2液吐出部Elを一方の端部に有する第2液吐出ノズルNlとが、加熱ガスを吐出できるガス吐出部Egを一方の端部に有するガス吐出ノズルNgを挟むように外壁面が当接し、ガス吐出ノズルNgのガス吐出部Egが第1液吐出部El、第2液吐出部Elのいずれよりも上流側となる位置にある。なお、第1液吐出ノズルNlは第1液吐出部Elを端部とする第1液用柱状中空部Hlを有し、第2液吐出ノズルNlは第2液吐出部Elを端部とする第2液用柱状中空部Hlを有し、ガス吐出ノズルNgはガス吐出部Egを端部とするガス用柱状中空部Hgを有している。また、前記第1液用柱状中空部Hlを延長した第1液仮想柱状部Hvlと前記ガス用柱状中空部Hgを延長したガス仮想柱状部Hvgとは、第1液吐出ノズルNlの壁厚とガス吐出ノズルNgの壁厚の和に相当する距離だけ離れて近接した状態にあり、前記第2液用柱状中空部Hlを延長した第2液仮想柱状部Hvlと前記ガス用柱状中空部Hgを延長したガス仮想柱状部Hvgとは、第2液吐出ノズルNlの壁厚とガス吐出ノズルNgの壁厚の和に相当する距離だけ離れて近接した状態にある。しかも前記第1液用柱状中空部Hlの第1吐出方向中心軸Alとガス用柱状中空部Hgの吐出方向中心軸Agとが平行である関係にあり、前記第2液用柱状中空部Hlの第2吐出方向中心軸Alとガス用柱状中空部Hgの吐出方向中心軸Agとが平行である関係にある。更には、ガス用柱状中空部Hgの中心軸Agに対して垂直な平面で切断した時に、ガス用柱状中空部Hgの切断面の外形が円形であり、液用柱状中空部Hl、Hlの切断面の外形がいずれも円形であり、ガス用柱状中空部Hgの切断面の外周と液用柱状中空部Hl、Hlの切断面の外周との距離が最も短い直線L1、L2を、いずれの組み合わせにおいても、1本だけ引くことができる状態にある(図5(a)参照)。
そのため、図4のような紡糸装置の第1液吐出ノズルNl及び第2液吐出ノズルNlに加熱溶融したポリマーの紡糸液を供給し、ガス吐出ノズルNgに加熱ガスを供給すると、紡糸液は第1液用柱状中空部Hl、第2液用柱状中空部Hlをそれぞれ通り、第1液吐出部El、第2液吐出部Elから第1液用柱状中空部Hlの第1軸方向、第2液用柱状中空部Hlの第2軸方向にそれぞれ吐出されると同時に、加熱ガスはガス用柱状中空部Hgを通りガス吐出部Egからガス用柱状中空部Hgの軸方向に吐出される。この吐出された加熱ガスと吐出された各紡糸液とはいずれも近接した状態にあり、各液吐出部の直近においては、吐出ガスの中心軸Agと各吐出紡糸液の中心軸Al、Alとがいずれも平行関係にあり、しかもC平面上、吐出された加熱ガスと吐出された紡糸液とは、いずれの組み合わせにおいても最も近い点が1箇所であることから、つまり、いずれの紡糸液も1本の直線状に加熱ガスおよび随伴気流による剪断作用を受け、細径化しながら第1液用柱状中空部Hlの第1軸方向、第2液用柱状中空部Hlの第2軸方向にそれぞれ飛翔し、繊維化する。また、1つの加熱ガス流によって、2つの紡糸液を紡糸して繊維化することができ、加熱ガス量を減らすことができるためエネルギー的に有利である。なお、直接不織布を製造する場合には、加熱ガス量を減らすことができるため、集積した繊維の飛散を抑制し、地合いの均一な不織布を製造することができる。また、吸引装置を使用する場合、吸引装置を大型化する必要がないことからエネルギー的に有利であり、また、吸引装置の吸引力を強くする必要がないため、厚さの薄い不織布から厚い不織布まで製造することができる。
第1液吐出ノズルNl、第2液吐出ノズルNlは加熱溶融したポリマーの紡糸液を吐出できるものであれば良く、第1液吐出部El、第2液吐出部Elの外形は特に限定するものではなく、例えば、円形、長円形、楕円形、多角形(例えば、三角形、四角形、六角形)であることができる。加熱ガス及び随伴気流の剪断作用を1本の直線状に作用を受け、ショットやビーズ(粒子形状の樹脂)を生じにくいように、円形であるのが好ましい。つまり、第1液吐出ノズルNl、第2液吐出ノズルNlの外形が円形であると、ガス用柱状中空部Hgの中心軸Agに対して垂直な平面で切断した時に、ガス用柱状中空部Hgの切断面の外周と液用柱状中空部Hl、Hlの切断面の外周との距離が最も短い直線L1、L2を、いずれの組み合わせにおいても1本だけ引くことができる状態となりやすいため、吐出された紡糸液は加熱ガス及び随伴気流の剪断作用を1本の直線状に受け、ショットやビーズ(粒子形状の樹脂)を生じにくくなる。なお、第1液吐出部Elと第2液吐出部Elの外形は同じ外形であっても良いし、異なる外形であっても良いが、いずれも円形であるのが好ましい。
第1液吐出部El、第2液吐出部Elの形状が多角形である場合には、多角形の1つの角をガス吐出ノズルNg側となるように配置することにより、加熱ガス及び随伴気流の剪断作用を1本の直線状に受け、ショットやビーズ(粒子形状の樹脂)を生じにくくするのが好ましい。つまり、ガス用柱状中空部Hgの中心軸Agに対して垂直な平面で切断した時に、ガス用柱状中空部Hgの切断面の外周と第1液用柱状中空部Hl、第2液用柱状中空部Hlの切断面の外周との距離が最も短い直線(図5(a)〜(e)におけるL1、L2)を、いずれの組み合わせにおいても、1本だけ引くことができるように第1液吐出ノズルNl、第2液吐出ノズルNlを配置すると、紡糸液は加熱ガス及び随伴気流の剪断作用を1本の直線状に受け、安定して紡糸でき、ショットやビーズ(粒子形状の樹脂)を生じにくくなる。したがって、ガス吐出部Egの形状が円形であれば、多角形状の第1液吐出部El、第2液吐出部Elの辺をガス吐出ノズルNg側となるように配置することも可能である(図5(e)参照)。
また、第1液吐出部El及び第2液吐出部Elの大きさも特に限定するものではないが、いずれも0.01〜20mmであるのが好ましく、0.01〜2mmであるのがより好ましい。0.01mmよりも小さいと、粘度の高い紡糸液を吐出するのが困難になる傾向があり、20mmを超えると、加熱ガス及び随伴気流の作用を1本の直線状にするのが難しくなり、安定して紡糸できなくなる傾向があるためである。
なお、第1液吐出ノズルNl及び第2液吐出ノズルNlの材質は特に限定するものではないが、加熱溶融したポリマーを吐出することから金属製であるのが好ましい。また、金属製のチューブを用いることもできる。更に、図4においては、円柱状の第1液吐出ノズルNl及び第2液吐出ノズルNlを図示しているが、先端が傾斜を持って切断された鋭角ノズルを使用することもできる。この鋭角ノズルの場合、紡糸液の粘度が高い場合に有効である。このような鋭角ノズルを使用する場合、尖った側をガス吐出ノズル側とすると、加熱ガス及び随伴気流の剪断作用を受けやすく、安定して繊維化できる。
なお、図4においては、第1液吐出ノズルNlと第2液吐出ノズルNlの2本について図示しているが、液吐出ノズルは2本である必要はなく、3本以上であっても良い(図6参照)。この液吐出ノズルの本数が多ければ多いほど、加熱ガスを効率的に利用し、生産性良く紡糸することができる。
ガス吐出ノズルNgは加熱ガスを吐出できるものであれば良く、ガス吐出部Egの形状は特に限定するものではなく、例えば、円形、長円形、楕円形、多角形(例えば、三角形、四角形、六角形)であることができる。ガス吐出部に対して各液吐出部をどのように配置しても、各液吐出部から吐出された各紡糸液に、ガス吐出部から吐出された加熱ガスおよび随伴気流による剪断力をそれぞれ1本の直線状に作用させ、細径化した繊維を紡糸しやすいように、円形であるのが好ましい。なお、ガス吐出部Egの形状が多角形である場合には、多角形の1つの角を第1液吐出ノズルNl側となり、もう1つの角が第2液吐出ノズルNl側となるように配置することにより、加熱ガス及び随伴気流の剪断作用が働きやすくなる。つまり、前述の通り、ガス用柱状中空部Hgの中心軸Agに対して垂直な平面で切断した時に、ガス用柱状中空部Hgの切断面の外周と第1液用柱状中空部Hl、第2液用柱状中空部Hlの切断面の外周との距離が最も短い直線L1、L2を、いずれの組み合わせにおいても、1本だけ引くことができる状態となるように第1液吐出ノズルNl、第2液吐出ノズルNlを配置する(図5(c)〜(d)参照)と、紡糸液は加熱ガス及び随伴気流の剪断作用を1本の直線状に受け、ショットやビーズ(粒子形状の樹脂)を生じにくくなる。
また、ガス吐出部Egの大きさも特に限定するものではないが、0.01〜79mmであるのが好ましく、0.015〜20mmであるのがより好ましい。0.01mmよりも小さいと、吐出された各紡糸液全体に剪断作用を働かせることが困難になる傾向があり、安定して繊維化することが困難になる傾向があるためで、79mmを超えると剪断作用を働かせるために十分な風速が必要で、多量の加熱ガスが必要となって不経済であるためである。
なお、ガス吐出ノズルNgの材料は特に限定するものではないが、加熱ガスを吐出するため金属製であるのが好ましい。また、ガス吐出ノズルに替えて金属製チューブを用いることもできる。
ガス吐出ノズルNgはガス吐出部Egが第1液吐出部El及び第2液吐出部Elよりも上流側(紡糸液の供給側)となる位置に配置されているため、第1液吐出部El及び第2液吐出部Elの周辺へ紡糸液が巻き上がるのを防止できる。そのため、液吐出部を汚すことなく、長時間の紡糸が可能である。なお、ガス吐出部Egと第1液吐出部El又は第2液吐出部Elとの距離は特に限定するものではないが、10mm以下であることが好ましく、5mm以下であることがより好ましい。10mmを超えると第1液吐出部El又は第2液吐出部Elにおける加熱ガス及び随伴気流の剪断力が不十分となり、繊維化しにくくなる傾向があるためである。ガス吐出部Egと第1液吐出部El及び第2液吐出部Elとの距離の下限は特に限定するものではなく、ガス吐出部Egと第1液吐出部El及び第2液吐出部Elとが一致していなければ良い。
なお、ガス吐出部Egと第1液吐出部El又は第2液吐出部Elとの距離は同じであっても異なっていても良いが、同じであると、各紡糸液に対して同程度の剪断力を作用させることができ、安定して紡糸できるため好適である。
第1液用柱状中空部Hl及び第2液用柱状中空部Hlは紡糸液の通過経路であり、紡糸液の吐出時における形状を形作り、ガス用柱状中空部Hgは加熱ガスの通過経路であり、加熱ガスの吐出時における形状を形作る。本発明においては、第1液用柱状中空部Hl、第2液用柱状中空部Hl、ガス用柱状中空部Hgのいずれも柱状の紡糸液又は加熱ガスを形成できるため、加熱ガス及び随伴気流の剪断作用を各紡糸液に十分に作用させることができ、繊維化することができる。
なお、第1液用柱状中空部Hlを延長した第1液仮想柱状部Hvlは第1液吐出部Elから吐出された紡糸液の吐出直後の飛翔経路であり、第2液用柱状中空部Hlを延長した第2液仮想柱状部Hvlは第2液吐出部Elから吐出された紡糸液の吐出直後の飛翔経路であり、ガス用柱状中空部Hgを延長したガス仮想柱状部Hvgはガス吐出部Egから吐出された加熱ガスの吐出直後の噴出経路である。この第1液仮想柱状部Hvlとガス仮想柱状部Hvgとの距離は第1液吐出ノズルNlの壁厚とガス吐出ノズルNgの壁厚の和に相当し、第2液仮想柱状部Hvlとガス仮想柱状部Hvgとの距離は第2液吐出ノズルNlの壁厚とガス吐出ノズルNgの壁厚の和に相当しているが、これら距離は2mm以下であることが好ましく、1mm以下であることがより好ましい。2mmを超えると加熱ガス及び随伴気流の剪断力が作用しにくく、繊維化しにくくなる傾向があるためである。
この第1液仮想柱状部Hvl、第2液仮想柱状部Hvl、ガス仮想柱状部Hvgのいずれも内部充実した柱状である。例えば、円柱状の第1又は第2液仮想部を中空円柱状のガス仮想部で覆った状態、又は円柱状のガス仮想部を中空円柱状の第1又は第2液仮想部で覆った状態であると、ガス仮想柱状部Hvgの中心軸Agに対して垂直な平面で切断した時に、第1又は第2液仮想部の切断面の外周とガス仮想部の切断面の内周、又はガス仮想部の切断面の外周と第1又は第2液仮想部の切断面の内周との距離が最も短い直線を無数に引くことができる結果、紡糸液の様々な点で加熱ガス及び随伴気流の剪断力が作用し、繊維化が不十分となり、ショット、或いはビーズ(粒子形状の樹脂)が多くなるためである。この「仮想柱状部」はノズルの内壁面を延長して形成される部分である。
更に、第1液用柱状中空部Hlの第1吐出方向中心軸Alとガス用柱状中空部Hgの吐出方向中心軸Agとが平行であり、また、第2液用柱状中空部Hlの第2吐出方向中心軸Alとガス用柱状中空部Hgの吐出方向中心軸Agとが平行であるため、吐出された紡糸液に対して加熱ガス及び随伴気流が1本の直線状に作用し、安定して繊維を形成することができる。例えば、円柱状の第1又は第2液用中空部を中空円柱状のガス中空部で覆った状態、又は円柱状のガス中空部を中空円柱状の第1又は第2液用中空部で覆った状態であるように、これら中心軸が一致すると、加熱ガス及び随伴気流の剪断力を1本の直線状に作用させることができず、繊維化が不安定となり、ショット、或いはビーズ(粒子形状の樹脂)が多くなる。また、これら中心軸が交差又はねじれの位置にあると、加熱ガス及び随伴気流による剪断力が作用しないか、作用したとしても不均一であることから、安定して繊維を形成することができない。この「平行」であるとは、第1又は第2液用柱状中空部の吐出方向中心軸とガス用柱状中空部の吐出方向中心軸とが同一平面上に位置することができ、しかも平行であることを意味する。また、「吐出方向中心軸」とは吐出部の中心と仮想柱状部の横断面における中心とを結んでできる直線である。
本発明の紡糸装置はガス用柱状中空部Hgの中心軸Agに対して垂直な平面で切断した時に、ガス用柱状中空部Hgの切断面の外周と第1液用柱状中空部Hlの切断面の外周との距離が最も短い直線L1を1本だけ引くことができ、ガス用柱状中空部Hgの切断面の外周と第2液用柱状中空部Hlの切断面の外周との距離が最も短い直線L2を1本だけ引くことができる。このようなガス用柱状中空部Hgから吐出された加熱ガス及び随伴気流は、第1液用柱状中空部Hlから吐出された紡糸液と第2液用柱状中空部Hlから吐出された紡糸液のいずれに対しても1本の直線状に作用し、剪断作用を発揮することができるため、ショットやビーズ(粒子形状の樹脂)を生じることなく、安定して紡糸することができる。例えば、前記直線を2本引くことができる場合には、一方の点で作用する場合と他方の点で作用する場合とが交互になるなど、安定して剪断作用を発揮することができない結果、ショットやビーズ(粒子形状の樹脂)を発生し、安定して紡糸することができない。
なお、図4には図示していないが、第1液吐出ノズルNl及び第2液吐出ノズルNlは加熱溶融したポリマーを供給できる供給装置(例えば、押出し機、ヒーターにより加熱された金属製シリンジなど)に接続されており、ガス吐出ノズルNgは加熱ガスを供給できる供給装置(例えば、ヒーターに接続した圧縮機、ガスボンベ、ブロアなど)に接続されている。
図4においては、1組の紡糸装置しか描いていないが、2組以上の紡糸装置を配置することができる。2組以上の紡糸装置を配置することによって、生産性を更に高めることができる。
また、図4においては、第1液吐出ノズルNl、第2液吐出ノズルNl、及びガス吐出ノズルNgとを固定した状態にあるが、前述のような関係を満たす限り、図4の態様に限定されない。例えば、段差を有する基材に対して第1液用柱状中空部Hl、第2液用柱状中空部Hl、ガス用柱状中空部Hgを穿孔したものであっても良い。また、第1液吐出ノズルNlの第1液吐出部El、第2液吐出ノズルNlの第2液吐出部El、及び/又はガス吐出ノズルNgのガス吐出部Egの位置を自由に調整できる機構を備えていることもできる。
本発明の不織布製造装置は前述のような紡糸装置に加えて、繊維の捕集体を備えているため、繊維を捕集して不織布を製造することができる。本発明の不織布製造装置について、不織布製造装置の模式的断面説明図である図7を参照しながら説明する。
図7の不織布製造装置は前述のような2つの液吐出ノズルを有する紡糸装置1に加えて、紡糸された繊維を捕集できる捕集体3、捕集体3の下流側に位置し、紡糸された繊維を吸引できるサクション装置4を備えている。なお、紡糸装置1には加熱溶融したポリマーを第1液吐出ノズルNlへ供給できる第1紡糸液供給装置、及び同じ又は異なる加熱溶融したポリマーを第2液吐出ノズルNlへ供給できる第2紡糸液供給装置が接続され、加熱ガスをガス吐出ノズルNgへ供給できる加熱ガス供給装置が接続されている。
このような不織布製造装置の場合、紡糸液は第1紡糸溶液供給装置及び第2紡糸溶液供給装置によって、第1液吐出ノズルNl、第2液吐出ノズルNlへそれぞれ供給されると同時に、加熱ガス供給装置によって加熱ガスがガス吐出ノズルNgへ供給される。そのため、第1液吐出ノズルNl及び第2液吐出ノズルNlから吐出された紡糸液は、それぞれガス吐出ノズルNgから吐出された加熱ガスの剪断作用によって延伸され、繊維化するとともに、これら繊維は均一に混合しながら、捕集体3へ向かって飛翔し、この飛翔した繊維は直接、捕集体3上に集積し、不織布を形成する。
図7の不織布製造装置においては、1つのガス吐出ノズルに対して2つ以上の液吐出ノズルを配置した紡糸装置を使用しており、吐出ガス量を少なくすることができるため、集積した繊維の飛散を抑制して地合いの均一な不織布を生産性良く製造できる。また、加熱ガス量を減らすことができ、サクション装置4を大型化する必要がないためエネルギー的に有利である。
なお、この繊維を集積する際に、捕集体3の下流側にはサクション装置4が配置されているため、ガス吐出ノズルNgから吐出された加熱ガスは速やかに排出され、加熱ガスの作用によって不織布が乱れるということがない。
図7においては、コンベアからなる捕集体3であるが、捕集体3は繊維を直接集積できるものであれば良く、例えば、不織布、織物、編物、ネット、ドラム、ベルト或いは平板を捕集体として使用できる。また、図7においては、加熱ガスを吐出しているため、加熱ガスを吸引して捕集体上に繊維を集積しやすく、また集積した繊維が乱れないように、通気性の捕集体を使用し、捕集体の紡糸装置側とは反対面側にサクション装置4を設置するのが好ましい。なお、サクション装置4を使用しない場合には、捕集体は通気性である必要はない。
図7においては、捕集体3を紡糸装置1の第1液吐出ノズルNl及び第2液吐出ノズルNlからの吐出方向下側(重力の作用方向)に配置し、第1液吐出ノズルNl及び第2液吐出ノズルNlの吐出方向と捕集体3の捕集面とが直交する位置関係にあるが、第1液吐出ノズルNl及び第2液吐出ノズルNlからの吐出方向と捕集体3の捕集面とが平行である位置関係にあっても、第1液吐出ノズルNl及び第2液吐出ノズルNlからの吐出方向と捕集体3の捕集面とが交差する位置関係にあっても良い。なお、第1液吐出ノズルNl及び第2液吐出ノズルNlからの吐出方向は重力の作用方向と同じであっても、重力の作用方向と反対方向であっても、重力の作用方向と直交する方向であっても、重力の作用方向と交差する方向であっても良く、特に限定するものではない。
なお、捕集体3を紡糸装置1のガス吐出部Egと対向して配置、特に直角に配置する場合、捕集体3の捕集面と紡糸装置1の第1液吐出ノズルNl及び第2液吐出ノズルNlとの距離は、紡糸液の吐出量や加熱ガス流速によって変化するため特に限定するものではないが、10〜1000mmであるのが好ましい。10mm未満であると、加熱ガスなどの影響を受けて、捕集体上に集積した繊維が溶けてしまったり、或いは、繊維同士が溶着する傾向があるためであり、1000mmを超えると、加熱ガスの流れが乱れ、繊維が切れて飛散しやすくなる傾向があるためである。
サクション装置4は特に限定するものではないが、加熱ガス供給装置からのガス供給量、製造する不織布の厚さによって風速条件を調整できるものが好ましい。
なお、第1紡糸液供給装置又は第2紡糸液供給装置としては、例えば、押出し機、ヒーターにより加熱された金属製シリンジなどを挙げることができ、加熱ガス供給装置として、例えば、ヒーターに接続した圧縮機、ガスボンベ、ブロアなどを挙げることができる。
図7の不織布製造装置においては、紡糸装置1を1台だけ配置しているが、1台である必要はなく、2台以上配置することができる。2台以上配置することによって不織布の生産性を高めることができる。また、図7の不織布製造装置においては、1本のガス吐出ノズルに対して2本の液吐出ノズルを配置した紡糸装置1を使用しているが、1本のガス吐出ノズルに対して3本以上の液吐出ノズルを配置した紡糸装置を使用することもできる。
また、図7の不織布製造装置においては、不織布を結合させるための装置を配置していないが、不織布を結合するための装置を配置することができる。例えば、バインダーを付与し、乾燥する装置、繊維同士を融着させることのできる熱処理装置、繊維同士を絡合させることのできる絡合装置、などを配置することができる。
更に、図7の不織布製造装置においては、ガス吐出ノズルから吐出された加熱ガスの作用のみによって繊維化しているが、加熱ガスの作用に加えて、電界を作用させることによって、繊維化を促進することができる。例えば、紡糸装置1の第1液吐出ノズルNl及び/又は第2液吐出ノズルNlに電圧を印加するとともに、捕集体3をアースすることによって、第1液吐出ノズルNl及び/又は第2液吐出ノズルNlと捕集体3との間に電界を形成すると、加熱ガスの剪断作用によって延伸されずショットやビーズ(粒子形状の樹脂)となりやすい紡糸液が、電界の作用によって引き伸ばされて繊維化することができる。また、電界の作用によって、繊維が帯電し、互いに反発することによって、繊維同士が結着した繊維束を形成せず、個々の繊維が分散した状態で捕集できるため、より繊維径の揃った不織布を製造できる。なお、このように第1液吐出ノズルNl及び/又は第2液吐出ノズルNlに電圧を印加する場合には、従来の静電紡糸法による電圧よりも低い電圧で良いため、静電紡糸法により形成した不織布よりも嵩高な不織布とすることができる。
なお、第1液吐出ノズルNl及び/又は第2液吐出ノズルNlに電圧を印加できる電源としては、例えば、直流高電圧発生装置やヴァン・デ・グラフ起電機を挙げることができる。また、印加極性は正であっても負であっても良い。なお、第1液吐出ノズルNl及び/又は第2液吐出ノズルNlではなく、第1液吐出ノズルNl及び/又は第2液吐出ノズルNl内に挿入したワイヤー等に印加しても良い。更には、捕集体3に対して印加し、第1液吐出ノズルNl及び/又は第2液吐出ノズルNlをアースしても良い。或いは、第1液吐出ノズルNl及び/又は第2液吐出ノズルNlと捕集体3との間に電界が形成されるように、双方に電圧を印加しても良い。また、コンベアの下流側に対向電極を配置し、対向電極をアース又は印加し、第1液吐出ノズルNl及び/又は第2液吐出ノズルNlとの間に電界を形成することもできる。
この第1液吐出ノズルNl及び/又は第2液吐出ノズルNlと捕集体3との間に生じる電位差は、紡糸液の種類、第1液吐出ノズルNl又は第2液吐出ノズルNlと捕集体3との距離などの紡糸条件によって変化するため、特に限定するものではないが、0.05〜1.5kV/cmであるのが好ましい。電位差が1.5kV/cmを超えると、加熱ガスの剪断作用による紡糸よりも静電紡糸法と同様の電圧による紡糸が支配的となるが、加熱ガスの作用も受けて不織布の地合いが悪くなる傾向があるためである。他方、0.05kV/cm未満であると、繊維の帯電が不十分あるいは弱いため、糸玉、繊維束、ショット、粒等、繊維以外のものも多く含む不織布となる傾向があるためである。
本発明の不織布の製造方法は前記不織布製造装置を用いる方法である。特には、紡糸装置のガス吐出部Egから流速100m/sec.以上の加熱ガスを吐出するのが好ましい。ガス吐出部Egから流速100m/sec.以上の加熱ガスを吐出することによって、ショットやビーズ(粒子形状の樹脂)の発生を抑え、繊維径の揃った細径化した繊維を含む不織布を効率的に製造することができるためである。より好ましくは流速150m/sec.以上の加熱ガスを吐出し、更に好ましくは流速200m/sec.以上の加熱ガスを吐出する。なお、加熱ガス流速の上限は捕集体上に集積した繊維を乱すことのない流速であれば良く、特に限定するものではない。
このような流速の加熱ガスを吐出するには、例えば、圧縮機からガス用柱状中空部Hgに加熱ガスを供給すれば良い。なお、加熱ガスの種類は特に限定するものではないが、空気、窒素ガス、アルゴンガスなどを使用することができ、これらの中でも空気であると経済的である。また、加熱ガスの加熱温度は紡糸液を構成するポリマーによって異なるため、特に限定するものではないが、紡糸液と加熱ガスとが接触する部分で、加熱溶融したポリマーの温度よりも100℃低い温度から、加熱溶融したポリマーの温度よりも100℃高い温度までの範囲の温度であるのが好ましい。加熱溶融したポリマーの温度よりも低い温度の加熱ガスの場合、冷却作用により繊維の固化を促進することができ、また、加熱溶融したポリマーの温度よりも高い温度の加熱ガスの場合、ポリマーの固化を抑制し、紡糸空間において、長い距離で紡糸液にガスの剪断力を作用させることができる。
なお、液吐出ノズルと捕集体3との間の繊維の飛翔空間に対して、冷却ガスなどを供給して繊維を冷却することにより、繊維の固化を促進することもできる。また、液吐出ノズルと捕集体3との間の繊維の飛翔空間に対して、加熱ガスなどを供給して繊維を加熱、保温することにより、繊維の固化を抑制することもできる。
本発明の製造方法に使用できる各紡糸液は加熱溶融した所望ポリマーであれば良く、特に限定するものではないが、例えば、ポリオレフィン系(ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリプロピレンーポリエチレン共重合体、ポリメチルペンテンなど)、ポリエステル系(脂肪族ポリエステル系、芳香族ポリエステル系)、アクリル系(ポリアクリロニトリル、共重合ポリアクリロニトリル)、セルロース系、ポリビニルアルコール、エチレンビニルアルコール、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリウレタン、ポリ乳酸、ポリアミド系(ナイロン6、ナイロン66、ナイロン12、ナイロン610)、ポリアセタール、全芳香族ポリアミド、フッ素系樹脂(ポリフッ化ビニリデン、共重合ポリフッ化ビニリデン)、ポリエーテルスルホン、ポリスルホンなどを使用することができる。
このポリマーの紡糸時の温度範囲はポリマーの融点から融点より200℃高い温度までの範囲であるのが好ましく、融点より20℃高い温度から融点より100℃高い温度までの範囲であるのがより好ましい。温度依存性を示すポリマーの場合、融点より200℃高い温度よりも高い温度では、ポリマーの熱分解が発生して紡糸が困難となるためである。また、紡糸時のポリマーにかかる剪断速度は、1〜10000s−1であるのが好ましく、剪断速度50〜5000s−1であるのがより好ましい。圧力依存性を示すポリマーの場合、剪断速度が1s−1未満であると、吐出が安定せず、10000s−1を超えると、高い吐出圧力が必要となり吐出が困難となる傾向があるためである。なお、上記の温度範囲および剪断速度範囲において、ポリマーの紡糸時の粘度が10〜10000mPa・sの範囲であるのが好ましく、20〜8000mPa・sの範囲であるのがより好ましい。粘度が10mPa・s未満であると、粘度が低すぎて曳糸性が悪く、繊維になりにくい傾向があり、粘度が10000mPa・sを超えると、紡糸液が延伸されにくく、繊維となりにくい傾向があるためである。したがって、溶融時に粘度が10000mPa・sを超える場合であっても、紡糸液自体又は液用柱状中空部を加熱することにより前記粘度範囲内に収まるのであれば、使用することができる。逆に、溶融時に粘度が10mPa・s未満であっても、紡糸液自体又は液用柱状中空部を冷却することにより前記粘度範囲内に収まるのであれば、使用することができる。本発明における「粘度」は、粘度測定装置を用い、紡糸時と同じ温度で測定した、シェアレート100s−1の時の値をいう。
なお、液吐出部El、El、Elからの紡糸液の吐出量は紡糸液の粘度やガス流速によって変化するため特に限定するものではないが、0.1〜100cm/時間であるのが好ましい。なお、液吐出部を2箇所以上有する場合、吐出量は同じであっても異なっていても良い。同じであれば、繊維径のより揃った繊維を紡糸することができる。
また、液吐出部を2箇所以上有する場合、液吐出部から2種以上の吐出条件で紡糸液を吐出して繊維化し、異なる種類の繊維が均一に混在する不織布を製造することもできる。例えば、図4のような紡糸装置における、第1液吐出ノズルNlと第2液吐出ノズルNlからの吐出条件を異なるようにすると、吐出された紡糸液に作用する加熱ガスは同じであるため、異なった種類の繊維を紡糸することができ、結果として異なった種類の繊維が均一に混在した地合いの優れる不織布を製造することができる。
この「2種以上の吐出条件」とは全く同一ではないことを意味し、例えば、液吐出部の外形が異なる、液吐出部の大きさが異なる、液吐出部のガス吐出部からの距離が異なる、紡糸液の吐出量が異なる、紡糸液の粘度が異なる、紡糸液構成ポリマーが異なる、紡糸液構成ポリマーが2種類以上である場合にはその配合比率が異なる、紡糸液に添加されている添加剤の種類及び/又は量が異なる、などのこれら1つ、又は2つ以上が異なる場合を例示できる。
本発明においては、前述のような紡糸装置を用いて繊維を紡糸し、集積して不織布を製造する以外に、紡糸され、飛翔する繊維に対して、粉体、繊維、及び/又は繊維集合体を供給し、これらを混合することによって、不織布に機能を付与することもできる。
例えば、粉体として、活性炭(例えば、水蒸気賦活炭、アルカリ処理活性炭、酸処理活性炭など)、無機粒子(例えば、二酸化マンガン、酸化鉄、酸化銅、酸化ニッケル、酸化コバルト、酸化亜鉛、チタン含有酸化物、ゼオライト、触媒担持セラミックス、シリカなど)、イオン交換樹脂、植物の種子などを挙げることができる。
繊維として、レーヨン、ポリノジック、キュプラなどの再生繊維、アセテート繊維などの半合成繊維、ナイロン繊維、ビニロン繊維、ビニリデン繊維、ポリ塩化ビニル繊維、ポリエステル繊維、アクリル繊維、ポリエチレン繊維、ポリプロピレン繊維、ポリウレタン繊維などの合成繊維、ガラス繊維、炭素繊維などの無機繊維、綿、麻などの植物繊維、羊毛、絹などの動物繊維などを挙げることができる。
繊維集合体として、前記同種又は異種繊維の集合体を挙げることができる。なお、繊維集合体の集合状態は特に限定するものではなく、例えば、繊維同士が絡んだ状態、繊維同士が接着した状態、繊維同士が融着した状態、繊維同士を撚って糸となった状態、などを挙げることができる。
本発明の不織布は上述の方法により製造された不織布である。したがって、繊維径が小さく、繊維径の揃った繊維を含む不織布である。なお、不織布を構成する平均繊維径は特に限定するものではないが、100〜2000nmであることができる。平均繊維径は200本の繊維径の算術平均値であり、この繊維径は、走査電子顕微鏡(SEM)により得た不織布表面の写真画像をもとに、そのスケールから算出して得られる値をいう。
本発明の不織布は繊維径の揃ったものであるが、繊維径のバラツキを示す指標の一つであるCV値が0.5以下、好ましくは0.45以下、更に好ましくは0.4以下の繊維径の揃った不織布である。このCV値は標準偏差値を平均繊維径で割った値である。なお、標準偏差値は繊維200本の繊維径の標準偏差値をいい、次の式により算出される値をいう。
標準偏差値={(nΣX−(ΣX))/n(n−1)}1/2
n:測定数(200本)、X:それぞれの繊維の繊維径(μm)
本発明の不織布の目付は0.5〜100g/mであることができ、厚さは1〜1000μmであることができる。目付は10cm角の不織布試料の重量から1mの重量に換算した値であり、厚さは圧縮弾性式厚み計により計測した値であり、具体的には5cmの荷重領域に3mm/sの速度で100gfの荷重をかけたときの値をいう。
以下に本発明の実施例を記載するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
(不織布製造装置の準備)
図1のような次の構成からなる紡糸装置を1台用意した。
(1) 紡糸液供給装置:金属製シリンジ
(2) 加熱ガス供給装置:圧縮機(圧縮エアをヒーターで加熱した金属製配管を通過させてエアを加熱)
(3) 液吐出ノズルNl:金属製
(3)−1 液吐出部El:0.3mm径(断面積:0.07mm)の円形
(3)−2 液用柱状中空部Hl:0.3mm径の円柱状
(3)−3 ノズル外径:0.55mm
(3)−4 ノズル本数:1本
(4) ガス吐出ノズルNg:金属製
(4)−1 ガス吐出部Eg:0.6mm径(断面積:0.28mm)の円形
(4)−2 ガス用柱状中空部Hg:0.6mm径の円柱状
(4)−3 ノズル外径:0.9mm
(4)−4 ノズル本数:1本
(4)−5 位置:ガス吐出部Egが液吐出部Elよりも5mm上流側に、ノズルの外壁面が当接するように配置
(5) 液仮想柱状部Hvlとガス仮想柱状部Hvgの距離:0.275mm
(6) 液吐出方向中心軸Alとガス吐出方向中心軸Ag:平行
(7) ガス用柱状中空部Hgの中心軸に対して垂直な平面で切断した時に、ガス用柱状中空部Hgの切断面の外周と液用柱状中空部Hlの切断面の外周との距離が最も短い直線の本数:1本
(8) 捕集体:ネット(30メッシュ)、加熱ガスの吐出方向中心軸Agと捕集面とが直角であるように配置
(8)−1 液吐出部Elとの距離:300mm
(9) 繊維吸引装置:サクションボックス(サクション口:80mm×350mm)
(不織布の製造)
前記不織布製造装置の金属製シリンジ内でポリプロピレン樹脂(MI=1500)を温度200℃で溶融させた(剪断速度:3145s−1、粘度:5000mPa・s)後、液吐出ノズルNlから0.5g/時間の量で、重力の作用方向へ吐出するとともに、ガス吐出ノズルNgから280℃に加熱した空気を4.5L/min.の量(吐出流速:265m/sec.)で吐出し、繊維化するとともに、サクションボックスで吸引(吸引量:10m/min.、風速:7m/sec.)し、繊維を捕集体(ネット)方向へ飛翔させ、速度2cm/min.で移動する捕集体上に集積させて、目付3g/m、厚さ20μmの不織布(平均繊維径:300nm)を製造した。この不織布の繊維径のCV値は0.4であり、繊維径バラツキが小さく、繊維径の揃った不織布であった。なお、従来のメルトブロー法により製造した不織布の繊維径のCV値は0.6〜0.9である。
(実施例2)
(不織布製造装置の準備)
図4のような次の構成からなる紡糸装置を1台用意した。
(1)−1 第1紡糸液供給装置:金属製シリンジ
(1)−2 第2紡糸液供給装置:金属製シリンジ
(2) 加熱ガス供給装置:圧縮機(圧縮エアをヒーターで加熱した金属製配管を通過させてエアを加熱)
(3) 液吐出ノズルNl:金属製
(3)−1 第1液吐出部El:0.3mm径(断面積:0.07mm)の円形
(3)−2 第1液用柱状中空部Hl:0.3mm径の円柱状
(3)−3 ノズル外径:0.55mm
(4) 第2液吐出ノズルNl:金属製
(4)−1 第2液吐出部El:0.3mm径(断面積:0.07mm)の円形
(4)−2 第2液用柱状中空部Hl:0.3mm径の円柱状
(4)−3 ノズル外径:0.55mm
(5) ガス吐出ノズルNg:金属製
(5)−1 ガス吐出部Eg:0.6mm径(断面積:0.28mm)の円形
(5)−2 ガス用柱状中空部Hg:0.6mm径の円柱状
(5)−3 ノズル外径:0.9mm
(5)−4 ノズル本数:1本
(5)−5 位置:ガス吐出部Egが第1液吐出部Elと第2液吐出部Elのいずれよりも5mm上流側に、ノズルの外壁面が当接するように配置
(6)−1 第1液仮想柱状部Hvlとガス仮想柱状部Hvgの距離:0.275mm
(6)−2 第1液吐出方向中心軸Alとガス吐出方向中心軸Ag:平行
(6)−3 ガス用柱状中空部Hgの中心軸Agに対して垂直な平面で切断した時に、ガス用柱状中空部Hgの切断面の外周と第1液用柱状中空部Hlの切断面の外周との距離が最も短い直線L1の本数:1本
(7)−1 第2液仮想柱状部Hvlとガス仮想柱状部Hvgの距離:0.275mm
(7)−2 第2液吐出方向中心軸Alとガス吐出方向中心軸Ag:平行
(7)−3 ガス用柱状中空部Hgの中心軸Agに対して垂直な平面で切断した時に、ガス用柱状中空部Hgの切断面の外周と第2液用柱状中空部Hlの切断面の外周との距離が最も短い直線L2の本数:1本
(8) 捕集体:ネット(30メッシュ)、加熱ガスの吐出方向中心軸Agと捕集面とが直角であるように配置
(8)−1 第1液吐出部El、第2液吐出部Elとの距離:300mm
(9) 繊維吸引装置:サクションボックス(サクション口:80mm×350mm)、捕集体の下流側に配置
(不織布の製造)
前記不織布製造装置の一方の金属製シリンジ(第1紡糸液供給装置)内でポリプロピレン樹脂(MI=1500)を温度230℃で溶融(剪断速度:3145s−1、粘度:4000mPa・s)させるとともに、他方の金属製シリンジ(第2紡糸液供給装置)内でポリプロピレン樹脂(MI=500)を温度230℃で溶融(剪断速度:3145s−1、粘度:7000mP・s)させた後、いずれの液吐出ノズルNl、Nlからも0.5g/時間の量で、重力の作用方向へ吐出するとともに、ガス吐出ノズルNgから280℃に加熱した空気を4.5L/min.の量(吐出流速:265m/sec.)で吐出し、繊維化するとともに、サクションボックスで吸引(吸引量:10m/min.、風速:7m/sec.)し、繊維を捕集体(ネット)方向へ飛翔させ、速度2cm/min.で移動する捕集体上に集積させて、太い繊維と細い繊維が混在した、目付6g/m、厚さ60μmの不織布を製造した。この不織布を構成する太い繊維は平均繊維径が900nmで、CV値0.4の繊維径の揃ったものであり、細い繊維は平均繊維径が200nmで、CV値0.45の繊維径の揃ったものであった。このように、この不織布は個々の繊維は繊維径が揃っているものの、2種類の繊維が混在していることによって繊維径分布の広いものであったため、エアフィルタなどの濾過材として使用すると、低圧力損失で高捕集効率を示すものであった。
(比較例1)
(不織布製造装置の準備)
図3のような液吐出ノズルとガス吐出ノズルの配置を有する、次の構成からなる紡糸装置を1台用意した。
(1) 紡糸液供給装置:金属製シリンジ
(2) 加熱ガス供給装置:圧縮機(圧縮エアをヒーターで加熱した金属製配管を通過させてエアを加熱)
(3) 液吐出ノズルNl:金属製
(3)−1 液吐出部:0.3mm径(断面積:0.07mm)の円形
(3)−2 液用柱状中空部:0.3mm径の円柱状
(3)−3 ノズル外径:0.55mm
(3)−4 ノズル本数:1本
(4) ガス吐出ノズルNg:金属製
(4)−1 ガス吐出部:0.8mm径(断面積:0.27mm)の円形
(4)−2 ガス用柱状中空部:0.8mm径の円柱状
(4)−3 ノズル外径:1.0mm
(4)−4 ノズル本数:1本
(4)−5 位置:ガス吐出部が液吐出部よりも5mm上流側の位置で、液吐出ノズルと同心円状に配置、結果として、ガス吐出部は内径0.55mm、外径0.8mmの中空円形状となる(図3参照)
(5)液仮想柱状部とガス仮想柱状部の距離:0.125mm
(6)液吐出方向中心軸とガス吐出方向中心軸:一致
(7)ガス用柱状中空部の中心軸に対して垂直な平面で切断した時に、ガス用柱状中空部の切断面の内周と液用柱状中空部の切断面の外周との距離が最も短い直線の本数:無数
(8)捕集体:ネット(30メッシュ)、加熱ガスの吐出方向中心軸と捕集面とが直角であるように配置
(8)−1 液吐出部との距離:300mm
(9) 繊維吸引装置:サクションボックス(サクション口:80mm×350mm)
(不織布の製造)
前記不織布製造装置の金属製シリンジ内でポリプロピレン樹脂(MI=1500)を温度200℃で溶融させた(剪断速度:3145s−1、粘度:5000mPa・s)後、液吐出ノズルNlから0.5g/時間の量で、重力の作用方向へ吐出するとともに、ガス吐出ノズルNgから280℃に加熱した空気を4.5L/min.の量(吐出流速:265m/sec.)で吐出し、繊維化するとともに、サクションボックスで吸引(吸引量:10m/min.、風速:7m/sec.)し、繊維を捕集体(ネット)方向へ飛翔させ、速度2cm/min.で移動する捕集体上に集積させて、目付3g/m、厚さ20μmの不織布(平均繊維径:500nm、CV値:0.8)を製造したが、紡糸が安定せず、ショットやビーズが多く、また、繊維径バラツキが大きい不織布であった。
(比較例2)
樹脂液吐出孔の列に対して直交する方向における模式的断面図である、図8に示すようなメルトブロー装置用ダイを用意した。
メルトブロー装置用ダイ:金属製
樹脂供給装置:押し出し機
加熱ガス供給装置:圧縮機(圧縮エアをヒーターで加熱)
樹脂液吐出孔径:直径0.2mmの円形の吐出孔(El)が一列に配列
樹脂:ポリプロピレン樹脂(MI=1500)、温度200℃における剪断速度3145s−1、粘度5000mPa・s
ダイ温度:200℃
エア温度:280℃
エア流量:2.5L/min.
エアスリット(Eg):0.5mm
エアスリット幅:300mm
エア流速:278m/sec.
樹脂吐出量:0.5g/h/hole
捕集体:サクションシリンダ(パンチメタル板)、樹脂液の吐出方向中心軸と捕集面とが直角であるように配置、吐出孔と捕集面との距離は300mm
繊維吸引装置:サクションシリンダを用いて、吸引量50m/min.、風速20m/sec.で吸引
次いで、ポリプロピレン樹脂を温度200℃で溶融させた後、吐出孔Elから重力の作用方向へ吐出するとともに、エアスリットEgから加熱空気を吐出し、繊維化するとともに、サクションシリンダで吸引し、繊維を捕集体方向へ飛翔させ、捕集体上に集積させて、目付10g/m、厚さ100μmの不織布(平均繊維径:2000nm、CV値:0.9)を製造した。この不織布構成繊維は太く、繊維径のバラツキが大きく、しかもショットやビーズが多いものであった。
本発明の不織布はエアフィルタ、液体濾過フィルタの用途に好適に使用できる。
Nl 液吐出ノズル
Nl 第1液吐出ノズル
Nl 第2液吐出ノズル
Ng ガス吐出ノズル
El 液吐出部
El 第1液吐出部
El 第2液吐出部
Eg ガス吐出部
Hl 液用柱状中空部
Hl 第1液用柱状中空部
Hl 第2液用柱状中空部
Hg ガス用柱状中空部
Hvl 液仮想柱状部
Hvl 第1液仮想柱状部
Hvl 第2液仮想柱状部
Hvg ガス仮想柱状部
Al 吐出方向中心軸(液)
Al 第1吐出方向中心軸(液)
Al 第2吐出方向中心軸(液)
Ag 吐出方向中心軸(加熱ガス)
C ガス用柱状中空部の中心軸に対して垂直な平面
外周間の距離が最も短い直線
L1 直線
L2 直線
12 第1部材
22 第2部材
32 第3部材
14、24、34 供給端部
16、26、36 対向出口端部
18 第1供給スリット
38 第1ガススリット
20 ガスジェット空間
1 紡糸装置
2 飛翔空間
3 捕集体
4 サクション装置

Claims (3)

  1. 加熱溶融したポリマーの紡糸液を吐出できる液吐出部を1箇所以上と、前記いずれの液吐出部よりも上流側に位置し、加熱ガスを吐出できるガス吐出部1箇所とを有する、次の条件を満足する紡糸装置。
    (1)液吐出部を端部とする液用柱状中空部(Hl)を有する
    (2)ガス吐出部を端部とするガス用柱状中空部(Hg)を有する
    (3)液用柱状中空部(Hl)を延長した液仮想柱状部(Hvl)とガス用柱状中空部(Hg)を延長したガス仮想柱状部(Hvg)とは2mm以下の距離で近接している
    (4)液用柱状中空部(Hl)の吐出方向中心軸とガス用柱状中空部(Hg)の吐出方向中心軸とが平行である
    (5)ガス用柱状中空部(Hg)の中心軸に対して垂直な平面で切断した時に、ガス用柱状中空部(Hg)の切断面の外周と液用柱状中空部(Hl)の切断面の外周との距離が最も短い直線を、1本だけ引くことができる
  2. 請求項1に記載の前記紡糸装置に加えて、繊維の捕集体を備えている不織布製造装置。
  3. 請求項2に記載の不織布製造装置を用いる不織布の製造方法。
JP2009266504A 2009-11-24 2009-11-24 紡糸装置、不織布製造装置、不織布の製造方法及び不織布 Active JP5378960B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009266504A JP5378960B2 (ja) 2009-11-24 2009-11-24 紡糸装置、不織布製造装置、不織布の製造方法及び不織布

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009266504A JP5378960B2 (ja) 2009-11-24 2009-11-24 紡糸装置、不織布製造装置、不織布の製造方法及び不織布

Publications (3)

Publication Number Publication Date
JP2011111686A JP2011111686A (ja) 2011-06-09
JP2011111686A5 JP2011111686A5 (ja) 2012-10-25
JP5378960B2 true JP5378960B2 (ja) 2013-12-25

Family

ID=44234248

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2009266504A Active JP5378960B2 (ja) 2009-11-24 2009-11-24 紡糸装置、不織布製造装置、不織布の製造方法及び不織布

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5378960B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2017110057A1 (ja) 2015-12-21 2017-06-29 パナソニックIpマネジメント株式会社 繊維集合体

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011111689A (ja) * 2009-11-24 2011-06-09 Japan Vilene Co Ltd イオン交換不織布及びその製造方法
KR20110059541A (ko) * 2009-11-27 2011-06-02 니혼바이린 가부시기가이샤 방사 장치, 부직포 제조 장치, 부직포의 제조 방법 및 부직포
JP2015003974A (ja) * 2013-06-20 2015-01-08 Dic株式会社 接着材及び接着性不織布

Family Cites Families (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH07145542A (ja) * 1993-11-18 1995-06-06 Kuraray Co Ltd ポリアミドメルトブローン不織布の製造方法
US6695992B2 (en) * 2002-01-22 2004-02-24 The University Of Akron Process and apparatus for the production of nanofibers

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2017110057A1 (ja) 2015-12-21 2017-06-29 パナソニックIpマネジメント株式会社 繊維集合体

Also Published As

Publication number Publication date
JP2011111686A (ja) 2011-06-09

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5487086B2 (ja) 紡糸装置、不織布製造装置、不織布の製造方法
JP5294708B2 (ja) 紡糸装置、不織布製造装置及び不織布の製造方法
KR101593022B1 (ko) 방사 장치, 부직포 제조 장치 및 부직포의 제조 방법
US20170009380A1 (en) Multi-nozzle gas-assisted electrospinning apparatuses
JP5647498B2 (ja) 不織布製造装置、不織布の製造方法及び不織布
JP5378960B2 (ja) 紡糸装置、不織布製造装置、不織布の製造方法及び不織布
JP2012224946A (ja) ナノファイバーを用いたフィルター製造方法
JP5253319B2 (ja) 不織布製造装置及び不織布の製造方法
JP4994312B2 (ja) 紡糸装置及び不織布製造装置
JP5305961B2 (ja) 極細繊維不織布
JP5653775B2 (ja) 不織布製造装置、不織布の製造方法及び不織布
JP5475496B2 (ja) 紡糸装置、不織布製造装置、不織布の製造方法及び不織布
JP5305960B2 (ja) 極細繊維不織布の製造方法、及びその製造装置
JP2011012372A (ja) 不織布製造装置及び不織布の製造方法
JP5253362B2 (ja) 不織布製造装置及び不織布の製造方法
JP5253340B2 (ja) 不織布製造装置及び不織布の製造方法
JP5253361B2 (ja) 不織布製造装置及び不織布の製造方法
JP5004898B2 (ja) 不織布の製造方法
JP5410898B2 (ja) 紡糸装置、不織布製造装置及び不織布の製造方法
JP6150921B2 (ja) 接着剤吹き付け方法
JP5647472B2 (ja) 不織布製造装置、不織布の製造方法及び不織布
JP2011111689A (ja) イオン交換不織布及びその製造方法
JP3931098B2 (ja) 繊維ウエブ製造方法、その製造装置及びそれを含む不織布
JP2017082346A (ja) ナノファイバー不織布及びそれを用いた吸音材
JP2013174026A (ja) 繊維集合体の製造方法及びその製造装置

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20120906

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20120906

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20130626

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20130709

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20130820

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20130822

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20130910

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20130926

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5378960

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150