JP5378926B2 - 放射線測定装置 - Google Patents

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本発明は放射線測定装置に関し、特に、三次元線源分布(三次元放射能分布)を測定する装置に関する。
三次元に広がる線源分布を画像化するために、あるいは、線源位置や放射線飛来方位を特定するために、通常、特定方向からの放射線のみの通過を許容するコリメータ(遮蔽材)が利用される。より具体的には、二次元センサアレイを利用する場合にはその前面側に格子状(グリッド状)のコリメータが設けられる。そのようなセンサアレイを回転等させて、各位置において検出データを取得すれば、線源分布を表わす三次元画像を再構成することが可能である。
特開2007−155332号公報 特開平11−142524号公報
上記のようなコリメータを利用した場合、実際にセンサの有感面に到達する放射線は非常に少なく、コリメータ構造によっては、例えば、0.01%の検出効率しか得られない。つまり、損失イベントが非常に多く生じて、検出感度が低下してしまうという問題がある。また、格子をなす仕切り壁として一定以上の厚みをもった遮蔽部材を利用しなければならないから、検出機構の高精細化が困難であるという問題がある。また、三次元画像を得るためには、センサユニットを回転等させる必要があり、大掛かりな機構を要するという問題がある。
特許文献1には、互いに指向特性の異なる3つのシンチレータブロックを利用して入射放射線の方位及びエネルギーを特定する技術が開示されている。しかし、奥行き方向の線源位置まで特定することはできないし、三次元放射能分布を求めることもできない。特許文献2には放射線の入射位置を特定する三次元検出器が開示されている。当該検出器は積み上げられた複数のシンチレータセルを有する。特許文献1及び特許文献2には、放射線飛来方向によって特異的な応答を示す、複数の凹部を有する検出構造体は開示されていない。
本発明の目的は、可動部材や大掛かりな機構を用いることなく、三次元線源分布を求められるようにすることにある。
本発明は、検出器群により構成された凹凸表面を有する検出構造体と、前記検出構造体について予め求められた応答関数を格納した記憶部と、前記応答関数を用いて、前記検出器群からの検出信号列に基づき、前記検出構造体で検出された放射線を放射している線源の三次元分布を演算する演算部と、を含むことを特徴とする。
上記構成によれば、検出構造体が、検出器群により構成された凹凸表面を有するので、線源の三次元分布の状態(孤立した1つの線源であってもよい)に応じて検出器群が異なる応答を示すことになる。逆に考えると、応答関数を予め特定しておけば、検出器群の検出信号列から、応答関数を用いて、線源の三次元分布を逆推知することが可能となる。実際に使用するために用意しておく応答関数は、線源の三次元分布から検出信号列を導出する関数であってもよいし、その逆関数であってもよい。いずれにしても線源の三次元分布が演算により特定される構成が用いられる。検出器列から線源の三次元分布を推定するために、公知の最適解探索法を利用することができ、その場合、逐次近似法として知られている最尤推定期待値最大化法を利用するのが望ましい。これは、最適解(正確には最適解とみなせるもの)を得るに当たって、解を求める演算を反復的に行うものであり、今回の解を求めるために前回の解が利用される点に特色を有するものである。今回の解と前回の解との乖離が所定値以下になった場合、今回の解をもってそれを最適解であるとみなせる。
本発明によれば、検出器やコリメータを回転させる必要はなく、検出構造体を動かさなくても演算により線源の分布を推定できるから、また、遮蔽部材主体の検出法ではないので(寧ろ遮蔽せずに放射線を取り込むことによる検出器応答を利用するものであるので)、装置の規模を縮小でき、装置の軽量化を図れ、検出効率がよいので高感度である、という各種の実用的利点を得られる。本発明に係る装置の用途として、核医学応用、超音波診断との併用、体表面汚染検出への適用、等が考えられる。
望ましくは、前記凹凸表面は、前方に開口した複数の凹部を含み、前記演算部によって前記検出構造体の前方に存在する線源の三次元分布が演算される。各凹部の形状として、井戸状又はスリット状が考えられる。凹部間の構造部分(望ましくは検出器集合体として構成された仕切部分)を、放射線の透過がある程度見込まれるように構成するのが望ましい。従来法では、凹部を絞り込むことにより分解能があげられていたが、本発明においては、逆に、放射線が広い範囲で(ある程度多くの検出器で)検出されるように検出構造体の形態が定められる。そのためには前方に向いた凹凸が有利であると思われ、それは複数の凹部の形成に他ならない。凹部であれば、放射線入射角度によって、その底面に直接的に達する放射線の量が異なり、また凹部内の立側面に到達する放射線の量が異なることになる。いずれにしても、本発明によれば、放射線を遮蔽するのではなく、できるだけ多くを放射線を検出できるから、検出効率を高められ、高分解能も実現可能である。
望ましくは、前記各凹部は底面及び立側面を有し、前記各凹部の底面は少なくとも1つの検出器により構成され、且つ、前記各凹部の立側面は前後方向に並ぶ複数の検出器により構成される。検出器としては半導体検出器を利用するのが望ましいが、他の検出器(シンチレータ検出器)を利用することも可能である。
望ましくは、前記立側面は複数の側面からなり、前記各側面は前後方向に並ぶ複数の検出器により構成される。望ましくは、前記検出構造体にはX方向及びY方向に配列された複数の角柱状凹部が設けられ、これにより前記検出器構造体が格子状形態を有する。望ましくは、前記検出構造体は、前後方向であるZ方向に並ぶ、前方ユニット、中間ユニット及び後方ユニットにより構成され、前記前方ユニットは、X方向に整列した複数のスリット状凹部を有し、前記中間ユニットは、Y方向に整列した複数のスリット状凹部を有し、前記後方ユニットは、X方向及びY方向に広がった平板状の形態を有する。
望ましくは、前記検出構造体は、線源の三次元分布の変化に応じて前記検出信号列の内容が変化する三次元形態を有する。望ましくは、前記応答関数は、前記検出構造体の前方に存在する線源の三次元分布を変化させた場合における線源の三次元分布と検出信号列との関係を規定する関数である。望ましくは、前記応答関数が放射線エネルギーごとに用意され、放射線エネルギーに対応した応答関数が利用される。望ましくは、前記演算部は最尤推定期待値最大化法に基づいて前記線源の分布を推定演算する。
本発明によれば、可動部材や大掛かりな機構を用いることなく、三次元線源分布を求められる。
検出構造体の働きを示すための説明図である。 線源位置の三次元配列と検出セルの三次元配列の関係を示す図である。 特定の線源位置からの放射線の検出を示す図である。 応答関数を説明するための図である。 三次元線源分布画像を示す図である。 複数の井戸が焦点に向けられた検出構造体変形例を示す図である。 格子状の検出構造体を示す図である。 階層型の検出構造体を示す図である。 図8に示した検出構造体の側面図である。 放射線測定装置の構成例を示す図である。 放射線測定装置の他の構成例を示す図である。
以下、本発明の好適な実施形態を図面に基づいて説明する。
まず図1乃至図5を用いて三次元線源分布の推定原理について説明する。図1には検出構造体10が示されている。この検出構造体10は、実際には三次元の凹凸形状を有するが、図1においては、二次元の構造体として示されている。この検出構造体10は、複数の凹部15を有するものである。各凹部15の開口は前方(図1において上方)を向いている。具体的には、検出構造体10は、底面壁に相当する水平に広がった底ユニット12と、仕切あるいは立壁に相当する複数の壁ユニット14と、を有する。複数の壁ユニット14を平行配列することも可能であるが、この例では、複数の壁ユニット14が格子状に配列されている(後に説明する図7参照)。図1に示す検出構造体10は、複数の角柱状井戸16を有している。
底ユニット12は二次元配列された複数の検出器(以下、セルという)Sの集合体として構成されている。セル間には隙間があってもよいが、相互に密接していた方が望ましい。各壁ユニット14も二次元配列された複数のセルSの集合体として構成されている。各壁ユニット14の一方面と他方面のそれぞれに面状検出器としてのセルを背中合わせに配置してもよいし、各壁ユニット14の厚みがセル1個の厚みに相当してもよい。その場合、セルとしては自分の前側及び後側から入射する放射線に感度を有するものを用いるのが望ましい。両者の感度は必ずしも同じでなくてよい。各セルの感度も同一にする必要はない。なお、壁ユニット14においては、少なくとも前後方向に複数セルを配列するのが望ましい。壁ユニット14を構成する各セルについては、放射線を完全に遮蔽せずに、ある程度放射線を透過するものを利用するのが望ましい。
このような特有の構造をもった検出構造体に対して、その前方に存在するある線源位置18からの放射線が図1に示すように検出される。線源位置18が変わると、放射線の検出状況(複数のセルからの複数の検出信号の内容)も当然に変化する。従来の格子状コリメータを利用した場合には、そこで大部分の放射線が遮蔽されてしまっていたが、図1に示す構成では、検出構造体に到達する放射線をほとんどすべて検出することが可能である。理想的な検出方式と言っても過言ではない。
なお、放射線としてγ線を検出する場合、セルとしてシンチレータを用いるのであれば、NaI(Tl)、CsI(Tl)、BGO、LSOなどのシンチレータ材料を利用することが可能である。但し、シンチレータを利用する場合、光電変換が煩雑となるので、セルとして半導体センサを用いるのがよい。具体的にはSi、CdTe、CZT等のタイプの半導体検出器が用いられる。勿論、各種の半導体センサを利用することができる。
図2の(A)には、線源位置の三次元配列が示されている。図2の(B)には検出構造体10が示されている。(A)において、数字は線源位置(三次元座標)を表している。(B)において、数字はセル番号を表している。以下において、線源位置はj(jは例えば1〜20)で表され、セル番号はi(iは例えば1〜19)で表される。図3には、一例として12番の線源位置に放射能が存在している場合において、そこから放出される放射線がどのように検出されるのかが表されている。ここでは、1番、4番、7番、9番、10番、16番…のセルにおける放射線検出が明示されている。もちろん、他のセルでも放射線が検出される。
図4において、個々の線源位置に対する、個々のセルの応答を表したものが応答関数tijである。それはiとjの組み合わせの個々に対する個別応答を要素とするものである。λjは線源分布を示し、yiは応答分布(検出信号列)を表している。最尤推定期待値最大化法を用いて線源分布λjを推定する場合、以下のような計算が実行される。
Figure 0005378926

上記計算式において、λjの右肩に付記されているn,n+1は、それぞれ反復回数を示している。nにより前回の演算値が特定され、n+1により今回の演算値が特定される。このような計算を反復的に実行し、終了条件が満たされた時点の演算値をもって、演算結果として三次元線源分布が推定される。終了条件は、例えば、差分である|λn−λn-1|が所定値εよりも小さくなった場合に、最適解とみなす、といったものである。反復回数が所定数以上になっても最適解を見出せない場合にはエラー処理を適用してもよい。応答関数tijは、一般には実験により求められる。なお、図4においては、図3に示した1番、4番、7番、9番、10番、16番…のセルの応答が例示されている。
図5の(C)には上記演算によって推定された線源の三次元分布を表す画像20が示されている。ここでは二次元的に表現されている。濃度は存在確率又は分布を示す。ここで、線源分布画像20を例示の1〜20番よりも更に細かく分割した場合、jをその分増やした状態で応答関数tijを定義し直すと、細かくしたjに対する検出器セルiのそれぞれの応答が異なれば、jを細かくした分だけ精細な画像を得ることができる。つまり画像解像度は検出器セルiの数やコリメータ格子間等で物理的に規定されてしまう従来装置の制約が本手法には無い。なお、図5の(B)は、図2の(B)及び図3の(B)と同様、検出構造体10を模式的に示している。
図6には図1に示した検出構造体の変形例が示されている。この検出構造体22は、複数の仕切壁24を有し、その間が井戸28であるが、各仕切壁24及び各井戸28は所定の焦点位置に向けられている。検出構造体としては各種の変形例が想定され得る。いずれにしても測定対象へ向いた凹凸形状を有しているものを利用するのが望ましい。但し、その形状の設計に当たっては規則性、対称性を寧ろ崩してもよい。
図7には格子型検出構造体30が示されている。底面ユニット32は、X−Z平面上に整列配置された複数のセルSで構成される。その上側にはマトリクス状に配列された複数の仕切壁34、36が設けられている。それらも複数のセルSの集合体として構成される。検出構造体30は、前方に開いた複数の井戸を有し、その底面及び各立側面には複数のセルSが設けられている。なお、各仕切壁34,36は厚み方向に1個のセルによって構成されてもよいし、背中合わせの2個のセルによって構成されてもよい。
図8には、スタック型検出構造体40が示されている。検出構造体40は、前後方向であるZ方向に並ぶ、前方ユニット46、中間ユニット44及び後方ユニット42により構成される。前方ユニット46は、X方向に整列した複数の仕切壁50を有し、つまり、X方向に整列した複数のスリット状凹部54を有する。各仕切壁50はY方向に伸長したプレート状部材である。中間ユニット42は、Y方向に整列した複数の仕切壁48を有し、つまり、Y方向に整列した複数のスリット状凹部52を有する。各仕切壁48はX方向に伸長したプレート状部材である。後方ユニット42は、X方向及びY方向に広がった平板状の形態を有する。各ユニット42,44,46はいずれも複数のセルの集合体として構成されている。図8においては図面簡略化のため個々のセルは明示していない。
図9には、図8に示した検出器構造体40の垂直断面が示されている。前方ユニット46において各仕切壁は上下方向(Z方向)に並んだ複数のセルSyで構成され、各セルSyはY方向に伸長した長方形を有している。同様に、中間ユニット44において各仕切壁は上下方向(Z方向)に並んだ複数のセルSxで構成され、各セルSxはX方向に伸長した長方形を有している。後方ユニット42は二次元配列された複数の四角形セルSaにより構成されている。この例において、各長方形セルをシンチレータで構成し、その端部に個別的に光検出器(光電子増倍管)を接続するようにしてもよい。シンチレータファイバ等の利用も考えられる。各四角形セルについても個別的に光り検出器を接続するようにしてもよい。もちろん、各セルを半導体検出器で構成することもできる。
図10には実施形態に係る放射線測定装置の全体構成がブロック図として示されている。検出器構造体50は複数のセルSの集合体である。その例を図7、図8等に示した。複数のセルからの検出信号が複数のプリアンプ52を介して複数のコンパレータ(比較器又は波高弁別器)64へ入力され、それらの出力が複数のセレクタ66を介して複数のカウンタ68へ入力される。各セレクタ66は所定のエネルギーウインド内のパルスを通過させるものである。各カウンタ68は放射線の計数を行う。複数のカウンタ68を利用して演算された複数のカウント値は演算部70へ出力される。当該演算部は具体的には最尤推定期待値最大化演算部である。それに対しては終了条件が予め指定されている。
一方、複数のプリアンプ52の出力はマルチプレクサ54にも入力されている。マルチプレクサ54は、入力信号を順番に選択して出力する。その出力信号がアナログ信号からデジタル信号へ変換され、それがエネルギー判定部58へ出力される。エネルギー判定部58は、順次入力される信号に基づいて放射線エネルギーを判定(推定)し、そのエネルギーに対応した応答関数が利用されるようにする。具体的には、メモリ60には、複数のエネルギーに対応した複数の応答関数62が用意されており、現在検出されている放射線のエネルギーに適する応答関数62を選択的に使用することができる。各セレクタは、判定されたエネルギー(区分)に相当するパルスを通過させる。これにより外来ノイズ等に影響されない三次元分布推定演算を実現することができる。
すなわち、最尤推定期待値最大化演算部70は、エネルギー選択条件下での検出信号列(カウント値列)に基づいて、選択された応答関数62を利用して、線源の三次元分布を推定演算する。その演算結果が符号72で示されている。そのような三次元分布が必要に応じて表示される。
図11には、他の構成例が示されている。なお、図10に示した構成と同様の構成には同一符号を付しその説明を省略する。この構成例では、各セルSごとに複数のエネルギーに対応したカウンタ列68が設けられている。カウンタ列68は、複数のエネルギーに対応した複数のカウンタ70により構成されている。各セレクタ66はエネルギーを順番に選択するものであり、つまり選択されたエネルギーに対応する波高値を有するパルスが当該エネルギーに対応するカウンタで計数される。この構成はシングルチャンネルアナライザに相当するものであるが、マルチチャンネルアナライザに相当する構成を採用してもよい。一方、メモリ60上には複数のエネルギーに対応した複数の応答関数62が格納されている。最尤推定期待値最大化演算部群72は、複数のエネルギーに対応した複数の最尤推定期待値最大化演算部74で構成される。各最尤推定期待値最大化演算部74は、自己が担当するエネルギーに対応した入力信号列及び応答関数に基づいて最尤推定期待値最大化演算を繰り返し実行し、最終的に担当エネルギーについての線源の三次元分布を演算する。すなわち、結果として、複数のエネルギーに対応した複数の三次元分布が得られる。この一連の処理が並列的に実行されてもよいし時分割で実行されてもよい。
従来装置はコリメータを利用しているため、放射線のエネルギーが高くなるにつれてコリメータを通過してしまう割合が増加し、画像がボケて解像度が劣化するという現象があった。そこで、高エネルギーに対応するため、コリメータ壁の厚さを厚くする手法が取られていたが、壁が厚いコリメータではコリメータ格子が粗くなるため、やはり解像度が、壁が薄い場合に比べると劣化してしまう。そのため従来では放射線のエネルギー帯に合わせて、例えば低・中・高の様に専用コリメータを使い分けていた。しかしながらコリメータは放射線を遮へいするために鉛やタングステンなどの重金属で出来ており、測定エネルギーに合わせて交換するには、重たく、非常な苦労が伴っていた。またエネルギー帯を分けているため、一度に異なるエネルギー帯を高精度に測定することは困難であった。これに対して本手法は、放射線のエネルギーによって、内部に保存されている応答関数を切り替えるだけなので、簡便に広範囲のエネルギーを高精度に測定することが可能となる。
以上のように、実施形態に係る放射線測定装置によれば、放射線飛来位置に応じて応答特性が異なる形態をもった検出構造体を使って線源の三次元分布を推定演算することができる。かかる装置は高感度、高分解能、軽量であり、測定エネルギー範囲も広いものである。上記の原理を、同時計数法、核医学用途、コンプトンカメラ等に応用することができ、また上記装置と超音波診断装置との組み合わせ等も考えられる。幅広い応用が可能である。
10 検出構造体、14 仕切壁、15 凹部、16 井戸。

Claims (8)

  1. 検出器群により構成された凹凸表面を有する検出構造体と、
    前記検出構造体について予め求められた応答関数を格納した記憶部と、
    前記応答関数を用いて、前記検出器群からの検出信号列に基づき、前記検出構造体で検出された放射線を放射している線源の三次元分布を演算する演算部と、
    を含み、
    前記凹凸表面は、前記線源側である前方に開口した複数の凹部を含み、
    前記演算部によって前記検出構造体の前方に存在する前記線源の三次元分布が演算される、
    ことを特徴とする放射線測定装置。
  2. 請求項記載の装置において、
    前記各凹部は底面及び立側面を有し、
    前記各凹部の底面は少なくとも1つの検出器により構成され、且つ、前記各凹部の立側面は前記前方とは反対側の非線源側を後方とした場合における前後方向に並ぶ複数の検出器により構成された、
    ことを特徴とする放射線測定装置。
  3. 請求項記載の装置において、
    前記立側面は複数の側面からなり、
    前記各側面は前記前後方向に並ぶ複数の検出器により構成された、
    ことを特徴とする放射線測定装置。
  4. 請求項2又は3記載の装置において、
    前記検出構造体には、前記前後方向であるZ方向に対して垂直なX方向及びY方向に配列された複数の角柱状凹部が設けられ、これにより前記検出器構造体が格子状形態を有する、
    ことを特徴とする放射線測定装置。
  5. 請求項2又は3記載の装置において、
    前記検出構造体は、前記前後方向であるZ方向に並ぶ、前方ユニット、中間ユニット及び後方ユニットにより構成され、
    前記前方ユニットは、前記Z方向に垂直なX方向に整列した複数のスリット状凹部を有し、
    前記中間ユニットは、前記Z方向及び前記X方向に垂直なY方向に整列した複数のスリット状凹部を有し、
    前記後方ユニットは、前記X方向及び前記Y方向に広がった平板状の形態を有する、
    ことを特徴とする放射線測定装置。
  6. 請求項記載の装置において、
    前記応答関数は、前記検出構造体の前方に存在する線源の三次元分布を変化させた場合における線源の三次元分布と検出信号列との関係を規定する関数である、
    ことを特徴とする放射線測定装置。
  7. 請求項記載の装置において、
    前記記憶部は前記応答関数放射線エネルギーごとに記憶し
    前記演算部は前記記憶部に記憶された複数の応答関数の内で前記検出構造体で検出される放射線の放射線エネルギーに対応した応答関数利用する
    ことを特徴とする放射線測定装置。
  8. 請求項1乃至のいずれか1項に記載の装置において、
    前記演算部は最尤推定期待値最大化法に基づいて前記線源の三次元分布を推定演算する、
    ことを特徴とする放射線測定装置。
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