JP5377529B2 - 芳香族化合物、該芳香族化合物を含有する有機電界発光素子 - Google Patents
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有機電界発光素子は蛍光性有機化合物を含む薄膜を、陽極と陰極間に挟持した構造を有し、該薄膜に電子および正孔(ホール)を注入して、再結合させることにより励起子(エキシントン)を生成させ、この励起子が失活する際に放出される光を利用して発光する素子である。有機電界発光素子は、数V〜数十V程度の直流の低電圧で発光が可能であり、また、蛍光性有機化合物の種類を選択することにより、種々の色(例えば、赤色、青色、緑色)の発光が可能である。このような特徴を有する有機電界発光素子は種々の発光素子、表示素子等への応用が期待されている。しかしながら、一般に、発光輝度が低く、実用上充分ではない。
発光輝度を向上させる方法として、発光層に、ホスト材料としてトリス(8−キノリノラート)アルミニウム等を使用し、ゲスト化合物(ドーパント)としてクマリン誘導体、ピラン誘導体を使用した有機電界発光素子が提案されている[非特許文献2参照]。また、発光層の材料として、アントラセン誘導体を用いた有機電界発光素子が提案されている(例えば、特許文献1、特許文献2参照)。また、発光層のゲスト化合物として、アントラセン誘導体を使用した有機電界発光素子が提案されている(例えば、特許文献3、特許文献4、特許文献5参照)。
しかしながら、これらの発光素子も充分な発光輝度、発光寿命を有しているとは言いがたい。
現在では、さらなる高輝度化、長寿命化が望まれており、高輝度発光する発光材料および輝度の減衰が少ない発光材料が望まれている。
2)一般式(1)(2)中、R 11 とR 21、 R 12 とR 22、 R 13 とR 23、 R 14 とR 24、 R 15 とR 25、 R 16 とR 26、 R 17 とR 27 は、それぞれ水素原子を表し、X 1 とX 2 はそれぞれ酸素原子を表す、芳香族化合物、
3):一対の電極間に、1)又は2)に記載の芳香族化合物を少なくとも1種含有する層を少なくとも一層挟持してなる有機電界発光素子、
4):前記芳香族化合物を含有する層が、発光層である3)記載の有機電界発光素子、
5):前記芳香族化合物を含有する層が、正孔注入輸送層である3)記載の有機電界発光素子、
6):発光層がホスト材料とドーパント材料より形成され、前記芳香族化合物が発光層ホスト材料として含有されている3)記載の有機電界発光素子、
7):前記一対の電極間に、さらに、正孔注入輸送層を有する3)〜6)のいずれかに記載の有機電界発光素子、
8):前記一対の電極間に、さらに、電子注入輸送層を有する3)〜7)のいずれかに記載の有機電界発光素子、
に関するものである。
本発明の芳香族化合物は一般式(1)で表される化合物である。
一般式(1)で表される芳香族化合物において、R1〜R8およびR11〜R17は、それぞれ独立に水素原子または置換基を表し、好ましくは、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、置換または未置換のアミノ基、エステル基、炭素数1〜10の直鎖、分岐または環状のアルキル基、炭素数1〜10の直鎖、分岐または環状のアルコキシ基、炭素数7〜20の置換または未置換のアラルキル基、炭素数7〜20の置換または未置換のアラルキルオキシ基、炭素数2〜20の置換または未置換の直鎖、分岐または環状のアルケニル基、炭素数4〜20の置換または未置換のアリール基または炭素数4〜20の置換または未置換のアリールオキシ基を表し、より好ましくは、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、置換または未置換のアミノ基、炭素数1〜8の直鎖、分岐または環状のアルキル基、炭素数1〜8の直鎖、分岐または環状のアルコキシ基、炭素数7〜16の置換または未置換のアラルキル基、炭素数7〜16の置換または未置換のアラルキルオキシ基、炭素数2〜10の置換または未置換の直鎖、分岐または環状のアルケニル基、炭素数4〜16の置換または未置換のアリール基または炭素数4〜16の置換または未置換のアリールオキシ基を表す。
また、R1〜R8およびR11〜R17の隣合う基は、それぞれ隣接する基と共に環を形成していてもよい。
R1〜R8およびR11〜R17の置換または未置換のアミノ基の具体例としては、例えば、アミノ基、N−メチルアミノ基、N−エチルアミノ基、N−n−プロピルアミノ基、N−iso−プロピルアミノ基、N−n−ブチルアミノ基、N−iso−ブチルアミノ基、N−sec−ブチルアミノ基、N−tert−ブチルアミノ基、N−n−ペンチルアミノ基、N−シクロペンチルアミノ基、N−n−ヘキシルアミノ基、N−シクロヘキシルアミノ基、N−ベンジルアミノ基、N−フェネチルアミノ基、N−フェニルアミノ基、N−(1−ナフチル)アミノ基、N−(2−ナフチル)アミノ基、N−(4−フェニルフェニル)アミノ基、N−(3−フェニルフェニル)アミノ基、N−(2−フェニルフェニル)アミノ基、N−(4−メチルフェニル)アミノ基、N−(2−メチルフェニル)アミノ基、N−(2−アントラニル)アミノ基、N−(9−アントラニル)アミノ基、N,N−ジメチルアミノ基、N,N−ジエチルアミノ基、N,N−ジ−n−プロピルアミノ基、N,N−ジ−iso−プロピルアミノ基、N,N−ジ−n−ブチルアミノ基、N,N−ジ−iso−ブチルアミノ基、N,N−ジ−sec−ブチルアミノ基、N,N−ジ−n−ペンチルアミノ基、N,N−ジシクロペンチルアミノ基、N,N−ジシクロヘキシルアミノ基、N,N−ジベンジルアミノ基、N,N−ジフェネチルアミノ基、N−メチル−N−エチルアミノ基、N−メチル−N−n−プロピルアミノ基、N−メチル−N−iso−プロピルアミノ基、N−メチル−N−n−ブチルアミノ基、N−メチル−N−tert−ブチルアミノ基、N−メチル−N−シクロペンチルアミノ基、N−メチル−N−シクロヘキシルアミノ基、N−メチル−N−ベンジルアミノ基、N−メチル−N−フェネチルアミノ基、N−エチル−N−tert−ブチルアミノ基、N−エチル−N−シクロヘキシルアミノ基、N−エチル−N−ベンジルアミノ基、N−iso−プロピル−N−シクロペンチルアミノ基、N−iso−プロピル−N−シクロヘキシルアミノ基、N−iso−プロピル−N−ベンジルアミノ基、N−tert−ブチル−N−シクロヘキシルアミノ基、N−tert−ブチル−N−ベンジルアミノ基、N−シクロペンチル−N−ベンジルアミノ基、N−シクロヘキシル−N−ベンジルアミノ基、N−メチル−N−フェニルアミノ基、N−エチル−N−フェニルアミノ基、N−シクロヘキシル−N−フェニルアミノ基、N,N−ジフェニルアミノ基、N,N−ジ(1−ナフチル)アミノ基、N,N−ジ(2−ナフチル)アミノ基、N,N−ジ(4−フェニルフェニル)アミノ基、N,N−(4−メチルフェニル)アミノ基、N,N−ジ(3−メチルフェニル)アミノ基、N−フェニル−N−(1−ナフチル)アミノ基、N−フェニル−N−(2−ナフチル)アミノ基、N−フェニル−N−(4−フェニルフェニル)アミノ基、N−フェニル−N−(4−メチルフェニル)アミノ基、N−(1−ナフチル)−N−(4’−フェニルフェニル)アミノ基、N−フェニル−N−(4−tert−ブチルフェニル)アミノ基、N−フェニル−N−(3−tert−ブチルフェニル)基を挙げることができる。
アセチルオキシ基、エチルカルボニルオキシ基、n−プロピルカルボニルオキシ基、n−ブチルカルボニルオキシ基、tert−ブチルカルボニルオキシ基、シクロヘキシルカルボニルオキシ基、ベンジルカルボニルオキシ基、フェニルカルボニルオキシ基、1−ナフチルカルボニルオキシ基、2−ナフチルカルボニルオキシ基を挙げることができる。
2−フェニルチオエチル基、2−(4’−メトキシフェニルチオ)エチル基、2−(2’−フェニルオキシエチルチオ)エチル基、3−(2’−フェニルチオエチルチオ)プロピル基、
R1〜R8およびR11〜R17の置換または未置換のアラルキル基の具体例としては、ベンジル基、α−メチルベンジル基、α−エチルベンジル基、フェネチル基、α−メチルフェネチル基、β−メチルフェネチル基、α,α−ジメチルベンジル基、α,α−ジメチルフェネチル基、4−メチルフェネチル基、4−メチルベンジル基、3−メチルベンジル基、2−メチルベンジル基、4−エチルベンジル基、2−エチルベンジル基、4−イソプロピルベンジル基、4−tert−ブチルベンジル基、2−tert−ブチルベンジル基、4−tert−ペンチルベンジル基、4−シクロヘキシルベンジル基、4−n−オクチルベンジル基、4−tert−オクチルベンジル基、4−アリルベンジル基、4−ベンジルベンジル基、4−フェネチルベンジル基、4−フェニルベンジル基、4−(4’−メチルフェニル)ベンジル基、4−メトキシベンジル基、2−メトキシベンジル基、2−エトキシベンジル基、4−n−ブトキシベンジル基、4−n−ヘプチルオキシベンジル基、
4−n−デシルオキシベンジル基、4−n−テトラデシルオキシベンジル基、4−n−ヘプタデシルオキシベンジル基、
4−ヒドロキシベンジル基、3−ヒドロキシベンジル基、2−ヒドロキシベンジル基、4−ヒドロキシ−3−メトキシベンジル基、4−フルオロベンジル基、2−フルオロベンジル基、4−クロロベンジル基、3−クロロベンジル基、2−クロロベンジル基、3,4−ジクロロベンジル基、2−フルフリル基、ジフェニルメチル基、1−ナフチルメチル基、2−ナフチルメチル基などの置換基を有していてもよいアラルキル基を挙げることができる。
R1〜R8およびR11〜R17の置換または未置換の直鎖、分岐または環状のアルケニル基の具体例としては、ビニル基、2−フェニルビニル基、2,2−ジフェニルビニル基、2,2,1−トリフェニルビニル基、2−(4’−N,N−ジメチルアミノフェニル)ビニル基、2,2−ビス(4’−N,N−ジメチルアミノフェニル)ビニル基、2−(4’−N,N−ジフェニルアミノフェニル)ビニル基、2−(4’−メトキシフェニル)ビニル基、2−(4’−メチルフェニル)ビニル基、2−(3’−メチルフェニル)ビニル基、2−n−プロペニル基、2−n−ブテニル基、2−メチル−2−ヘキセニル基、1−シクロヘキセニル基などの置換または未置換の直鎖、分岐鎖または環状のアルケニル基を挙げることができる。
4−メチルフェニル基、3−メチルフェニル基、2−メチルフェニル基、4−エチルフェニル基、3−エチルフェニル基、2−エチルフェニル基、4−n−プロピルフェニル基、4−イソプロピルフェニル基、2−イソプロピルフェニル基、4−n−ブチルフェニル基、4−イソブチルフェニル基、4−sec−ブチルフェニル基、2−sec−ブチルフェニル基、4−tert−ブチルフェニル基、3−tert−ブチルフェニル基、2−tert−ブチルフェニル基、4−n−ペンチルフェニル基、4−イソペンチルフェニル基、4−tert−ペンチルフェニル基、4−n−ヘキシルフェニル基、4−n−ヘプチルフェニル基、4−n−オクチルフェニル基、4−(2’−エチルヘキシル)フェニル基、4−tert−オクチルフェニル基、4−n−ノニルフェニル基、4−n−デシルフェニル基、4−n−ドデシルフェニル基、4−n−テトラデシルフェニル基、4−n−ヘキサデシルフェニル基、4−n−オクタデシルフェニル基、4−シクロペンチルフェニル基、4−シクロヘキシルフェニル基、4−(4’−tert−ブチルシクロヘキシル)フェニル基、4−(4’−メチルシクロヘキシル)フェニル基、3−シクロヘキシルフェニル基、2−シクロヘキシルフェニル基、4−エチル−1−ナフチル基、6−n−ブチル−2−ナフチル基、
5−インダニル基、1,2,3,4−テトラヒドロ−5−ナフチル基、1,2,3,4−テトラヒドロ−6−ナフチル基、
2−メトキシ−1−ナフチル基、4−メトキシ−1−ナフチル基、4−n−ブトキシ−1−ナフチル基、5−エトキシ−1−ナフチル基、6−エトキシ−2−ナフチル基、6−n−ブトキシ−2−ナフチル基、6−n−ヘキシルオキシ−2−ナフチル基、7−メトキシ−2−ナフチル基、7−n−ブトキシ−2−ナフチル基、
4−トリフルオロメチルフェニル基、3−トリフルオロメチルフェニル基、2−トリフルオロメチルフェニル基、3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル基、
4−トリフルオロメチルオキシフェニル基、
4−フェニルフェニル基、3−フェニルフェニル基、2−フェニルフェニル基、4−(4’−メチルフェニル)フェニル基、4−(4’−エチルフェニル)フェニル基、4−(4’−イソプロピルフェニル)フェニル基、4−(4’−tert−ブチルフェニル)フェニル基、4−(4’−n−ヘキシルフェニル)フェニル基、4−(4’−n−オクチルフェニル)フェニル基、
4−(4’−メトキシフェニル)フェニル基、4−(4’−エトキシフェニル)フェニル基、4−(4’−n−ブトキシフェニル)フェニル基、2−(2’−メトキシフェニル)フェニル基、4−(4’−フルオロフェニル)フェニル基、4−(4’−クロロフェニル)フェニル基、3−メチル−4−フェニル基、2−メトキシ−5−フェニルフェニル基、3−メトキシ−4−フェニルフェニル基、
4−アリルオキシメチルフェニル基、4−(2’−アリルオキシエチルオキシ)フェニル基、
4−アセチルフェニル基、3−アセチルフェニル基、2−アセチルフェニル基、4−エチルカルボニルフェニル基、2−エチルカルボニルフェニル基、4−n−ブチルカルボニルフェニル基、4−n−ヘキシルカルボニルフェニル基、4−n−オクチルカルボニルフェニル基、4−シクロヘキシルカルボニルフェニル基、4−アセチル−1−ナフチル基、6−アセチル−2−ナフチル基、6−n−ブチルカルボニル−2−ナフチル基、4−アリルカルボニルフェニル基、4−ベンジルカルボニルフェニル基、4−(4’−メチルベンジル)カルボニルフェニル基、4−フェニルカルボニルフェニル基、4−(4’−メチルフェニル)カルボニルフェニル基、4−(4’−クロロフェニル)カルボニルフェニル基、4−フェニルカルボニル−1−ナフチル基、
4−フェニルカルボニルオキシフェニル基、4−(4’−メチルフェニル)カルボニルオキシフェニル基、4−(2’−メチルフェニル)カルボニルオキシフェニル基、4−(4’−クロロフェニル)カルボニルオキシフェニル基、4−(2’−クロロフェニル)カルボニルオキシフェニル基、4−フェニルカルボニルオキシ−1−ナフチル基、6−フェニルカルボニルオキシ−2−ナフチル基、7−フェニルカルボニルオキシ−2−ナフチル基、
4−ベンジルチオフェニル基、3−ベンジルチオフェニル基、2−ベンジルチオフェニル基、4−(4’−クロロベンジルチオ)フェニル基、4−フェニルチオフェニル基、3−フェニルチオフェニル基、2−フェニルチオフェニル基、4−(4’−メチルフェニルチオ)フェニル基、4−(3’−メチルフェニルチオ)フェニル基、4−(4’−メトキシフェニルチオ)フェニル基、4−(4’−クロロフェニルチオ)フェニル基、2−エチルチオ−1−ナフチル基、4−メチルチオ−1−ナフチル基、6−エチルチオ−2−ナフチル基、6−フェニルチオ−2−ナフチル基、
4−ピロリジノフェニル基、4−ピペリジノフェニル基、4−モルフォリノフェニル基、4−(N−エチルピペラジノ)フェニル基、4−ピロリジノ−1−ナフチル基、
4−アミノフェニル基、3−アミノフェニル基、2−アミノフェニル基、
4−(N−メチルアミノ)フェニル基、3−(N−メチルアミノ)フェニル基、4−(N−エチルアミノ)フェニル基、2−(N−イソプロピルアミノ)フェニル基、4−(N−n−ブチルアミノ)フェニル基、2−(N−n−ブチルアミノ)フェニル基、4−(N−n−オクチルアミノ)フェニル基、4−(N−n−ドデシルアミノ)フェニル基、4−(N−ベンジルアミノ)フェニル基、4−(N−フェニルアミノ)フェニル基、2−(N−フェニルアミノ)フェニル基、
4−(N,N−ジメチルアミノ)フェニル基、3−(N,N−ジメチルアミノ)フェニル基、4−(N,N−ジエチルアミノ)フェニル基、2−(N,N−ジメチルアミノ)フェニル基、2−(N,N−ジエチルアミノ)フェニル基、4−(N,N−ジ−n−ブチルアミノ)フェニル基、4−(N,N−ジ−n−ヘキシルアミノ)フェニル基、4−(N−シクロヘキシル−N−メチルアミノ)フェニル基、4−(N,N−ジエチルアミノ)−1−ナフチル基、4−(N−ベンジル−N−フェニルアミノ)フェニル基、4−(N,N−ジフェニルアミノ)フェニル基、4−〔N−フェニル−N−(4−メチルフェニル)アミノ〕フェニル基、4−〔N,N−ジ(3’−メチルフェニル)アミノ〕フェニル基、4−〔N,N−ジ(4’−メチルフェニル)アミノ〕フェニル基、4−〔N,N−ジ(4’−メトキシフェニル)アミノ〕フェニル基、2−(N,N−ジフェニルアミノ)フェニル基、
4−ヒドロキシフェニル基、3−ヒドロキシフェニル基、2−ヒドロキシフェニル基、4−メチル−3−ヒドロキシフェニル基、6−メチル−3−ヒドロキシフェニル基、2−ヒドロキシ−1−ナフチル基、8−ヒドロキシ−1−ナフチル基、4−ヒドロキシ−1−ナフチル基、1−ヒドロキシ−2−ナフチル基、6−ヒドロキシ−2−ナフチル基、4−シアノフェニル基、2−シアノフェニル基、4−シアノ−1−ナフチル基、6−シアノ−2−ナフチル基などの置換または未置換のアリール基を挙げることができる。
一般式(1)で表される芳香族化合物において、nは1〜4の整数を表し、好ましくは、1〜3を表す。
一般式(1)で表される芳香族化合物において、Arは置換または未置換の芳香族炭化水素基、あるいは、置換または未置換の芳香族複素環基を表し、
ここで、置換または未置換とは、「直鎖、分岐または環状のアルキル基、直鎖、分岐または環状のアルコキシ基、直鎖、分岐または環状のアルキル基で単置換されたまたは2置換されたアミノ基、アリール基、アリール基で単置環または2置換されたアミノ基、あるいは、直鎖、分岐または環状のアルキル基とアリール基で置換されたアミノ基などの置換基で置換された、または、未置換の」を意味し、好ましくは、「炭素原子数1〜30の直鎖、分岐または環状のアルキル基、炭素原子数1〜30の直鎖、分岐または環状のアルコキシ基、炭素原子数1〜30の直鎖、分岐または環状のアルキル基で単置換されたまたは2置換されたアミノ基、核炭素数が3〜20のアリール基、核炭素数が3〜20のアリール基で置換されたアミノ基、あるいは、炭素数1〜30の直鎖、分岐または環状のアルキル基と核炭素数が3〜20のアリール基で置換されたアミノ基などの置換基で置換された、または、未置換の」を意味する。
好ましくは、核炭素数が6〜30の置換または未置換の芳香族炭化水素基、あるいは核炭素数が3〜30の置換または未置換の芳香族複素環基を表し、より好ましくは、核炭素数が6〜20の置換または未置換の芳香族炭化水素基、あるいは、核炭素数が3〜20の置換または未置換の芳香族複素環基を表す。
Arの具体例としては、R1〜R8およびR11〜R17の置換または未置換のアリールで具体例として挙げた置換または未置換のアリール基および、以下の一般式(2)〜(10)で表される基を挙げることができる。
R21〜R27、R31〜R39、R41〜R47、R51〜R57、R61〜R69、R71〜R79、R81〜R89、R91〜R99およびR101〜R109は、それぞれ独立に水素原子または置換基を表し、好ましくは、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、置換または未置換のアミノ基、エステル基、炭素数1〜10の直鎖、分岐または環状のアルキル基、炭素数1〜10の直鎖、分岐または環状のアルコキシ基、炭素数7〜20の置換または未置換のアラルキル基、炭素数7〜20の置換または未置換のアラルキルオキシ基、炭素数2〜20の置換または未置換の直鎖、分岐または環状のアルケニル基、炭素数4〜20の置換または未置換のアリール基または炭素数4〜20の置換または未置換のアリールオキシ基を表し、これらの置換基の具体例としては、R1〜R8およびR11〜R17の具体例として挙げた置換基を上げることができる。
また、一般式(2)において、X2は酸素原子または硫黄原子を表す。
一般式(1)で表される芳香族化合物において、Arは好ましくは、一般式(2)〜(10)で表される基であり、より好ましくは、一般式(2)、(3)、(5)、(6)、(10)で表される基であり、さらに好ましくは、一般式(2)で表される基である。
一般式(1)で表される芳香族化合物において、X2は酸素原子または硫黄原子を表し、好ましくは酸素原子を表す。
本発明の一般式(1)で表される芳香族化合物の具体例としては、例えば、以下に示す化合物(化5〜化11)を挙げることができるが、本発明はこれらの具体例に限定されるものではない。
一般式(1)で表される芳香族化合物の製造(化12)
すなわち、一般式(A)で表される化合物に一般式(B)で表される化合物をパラジウム触媒〔例えば、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム、トリtert−ブチルホスフィン/酢酸パラジウム〕および塩基(例えば、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等の無機塩基、トリエチルアミン、ピリジン等の有機塩基)の存在下に反応させることで一般式(1)で表される化合物を製造することができる。
また、一般式(1)で表される芳香族化合物は、例えば以下の工程(化13)に従い製造することもできる。
すなわち、一般式(C)で表されるアントラキノン誘導体に一般式(D)で表される有機金属試薬を作用させ、一般式(E)で表される化合物を得る。その後、一般式(E)で表される化合物に一般式(F)で表される有機金属試薬を作用させ、一般式(G)で表される化合物を製造する。一般式(G)で表される化合物をヨウ化水素または臭化水素で処理し、脱水芳香族化することにより、一般式(1)で表される芳香族化合物を製造することができる。
例えば、発光層に使用する化合物の正孔注入機能、正孔輸送機能および/または電子注入機能、電子輸送機能が良好な場合には、発光層が正孔注入輸送層および/または電子注入輸送層を兼ねた型の素子構成として一層型の素子構成とすることができる。また、発光層が正孔注入機能および/または正孔輸送機能に乏しい場合には発光層の陽極側に正孔注入輸送層を設けた二層型の素子構成、発光層が電子注入機能および/または電子輸送機能に乏しい場合には発光層の陰極側に電子注入輸送層を設けた二層型の素子構成とすることができる。さらには発光層を正孔注入輸送層と電子注入輸送層で挟み込んだ構成の三層型の素子構成とすることも可能である。
また、正孔注入輸送層、電子注入輸送層および発光層のそれぞれの層は、一層構造であっても多層構造であってもよく、正孔注入輸送層および電子注入輸送層は、それぞれの層において、注入機能を有する層と輸送機能を有する層を別々に設けて構成することもできる。
本発明の有機電界発光素子において、一般式(1)で表される芳香族化合物は、正孔注入輸送層および/または発光層の構成成分として使用することが好ましく、発光層の構成成分として使用することがより好ましい。
本発明の有機電界発光素子において、一般式(1)で表される芳香族化合物は、単独で使用してもよく、また複数併用してもよい。
本発明の有機電界発光素子は基板1に支持されていることが好ましく、基板としては、特に限定されるものではないが、透明ないし半透明である基板が好ましく、材質としては、ソーダライムガラス、ボロシリケートガラス等のガラスおよびポリエステル、ポリカーボネート、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリアクリレート、ポリメチルメタクリレート、ポリプロピレン、ポリエチレン等の透明性高分子が挙げられる。また、半透明プラスチックシート、石英、透明セラミックスあるいはこれらを組み合わせた複合シートからなる基板を使用することもできる。さらに、基板に、例えば、カラーフィルター膜、色変換膜、誘電体反射膜を組み合わせて、発光色をコントロールすることもできる。
陽極2としては、仕事関数の比較的大きい金属、合金または導電性化合物を電極材料として使用することが好ましい。陽極に使用する電極材料としては、例えば、金、白金、銀、銅、コバルト、ニッケル、パラジウム、バナジウム、タングステン、酸化インジウム(In2O3)、酸化錫(SnO2)、酸化亜鉛、ITO(インジウム・チン・オキサイド:Indium Tin Oxide)、ポリチオフェン、ポリピロールなどを挙げることができる。これらの電極材料は単独で使用してもよく、あるいは複数併用してもよい。
陽極は、これらの電極材料を、例えば、蒸着法、スパッタリング法等の方法により、基板の上に形成することができる。
陽極の厚みは使用する電極材料の材質にもよるが、一般に、5〜1000nm程度、より好ましくは、10〜500nm程度に設定する。
正孔注入輸送層3は、陽極からの正孔(ホール)の注入を容易にする機能、および注入された正孔を輸送する機能を有する化合物を含有する層である。
正孔注入輸送層は、一般式(1)で表される芳香族化合物、または他の正孔注入輸送機能を有する化合物(例えば、フタロシアニン誘導体、トリアリールアミン誘導体、トリアリールメタン誘導体、オキサゾール誘導体、ヒドラゾン誘導体、スチルベン誘導体、ピラゾリン誘導体、ポリシラン誘導体、ポリフェニレンビニレンおよびその誘導体、ポリチオフェンおよびその誘導体、ポリ−N−ビニルカルバゾールなど)を少なくとも1種使用して形成することができる。
正孔注入輸送機能を有する化合物は、単独で使用してもよく、または複数併用してもよい。
一般式(1)で表される芳香族化合物と他の正孔注入機能を有する化合物を併用する場合、正孔注入輸送層中に占める一般式(1)で表される芳香族化合物の含有量は、好ましくは、0.1重量%以上、より好ましくは、0.5〜99.9重量%、さらに好ましくは3〜97重量%である。
発光層は、一般式(1)で表される芳香族化合物をホスト材料として、一般式(1)で表される芳香族化合物以外の発光機能を有する化合物を少なくとも1種ゲスト材料として使用して形成することができ、また、一般式(1)で表される芳香族化合物以外の発光機能を有する化合物を少なくとも1種ホスト材料として、一般式(1)で表される芳香族化合物をゲスト材料として使用して形成することもできる。
一般式(1)で表される芳香族化合物をホスト材料として、他の発光機能を有する化合物(ゲスト材料)と併用する場合、発光層中に占める一般式(1)で表される芳香族化合物の含有率は、好ましくは、99.9〜80重量%であり、より好ましくは、99.9〜90重量%である。
ホスト材料は、単独で使用してもよく、複数併用してもよい。
また、ゲスト材料は単独で使用してもよく、複数併用してもよい。
ホスト材料を複数併用する場合、本発明の一般式(1)で表される芳香族化合物のホスト材料全体に占める割合は、好ましくは、99〜10重量%であり、より好ましくは90〜20重量%である。
電子注入輸送層に使用される電子注入輸送機能を有する化合物としては、例えば、有機金属錯体、オキサジアゾール誘導体、トリアゾール誘導体、トリアジン誘導体、ペリレン誘導体、キノリン誘導体、キノキサリン誘導体、ジフェニルキノン誘導体、フェナントロリン誘導体、ニトロ置換フルオレノン誘導体、チオピランジオキサイド誘導体などを挙げることができる。また、有機金属錯体としては、例えば、トリス(8−キノリノラート)アルミニウム等の有機アルミニウム錯体、ビス(10−ベンゾ[h]キノリノラート)ベリリウム等の有機ベリリウム錯体、5−ヒドロキシフラボンのベリリウム塩、5−ヒドロキシフラボンのアルミニウム塩等を挙げることができる。好ましくは、有機アルミニウム錯体であり、より好ましくは、置換または未置換の8−キノリノラート配位子を有する有機アルミニウム錯体である。置換または未置換の8−キノリラート配位子を有する有機アルミニウム錯体としては、例えば、一般式(a)〜一般式(c)で表される化合物を挙げることができる。
(Q)3−Al (a)
(式中、Qは置換または未置換の8−キノリノラート配位子を表す)
(Q)2−Al−O−L’ (b)
(式中、Qは置換または未置換の8−キノリノラート配位子を表し、O−L’はフェノラート配位子を表し、L’はフェニル基を有する炭素数6〜24の炭化水素基を表す)
(Q)2−Al−O−Al−(Q)2 (c)
(式中、Qは置換または未置換の8−キノリノラート配位子を表す)
ビス(2−メチル−8−キノリノラート)(フェノラート)アルミニウム、ビス(2−メチル−8−キノリノラート)(2−メチルフェノラート)アルミニウム、ビス(2−メチル−8−キノリノラート)(3−メチルフェノラート)アルミニウム、ビス(2−メチル−8−キノリノラート)(4−メチルフェノラート)アルミニウム、ビス(2−メチル−8−キノリノラート)(2−フェニルフェノラート)アルミニウム、ビス(2−メチル−8−キノリノラート)(3−フェニルフェノラート)アルミニウム、ビス(2−メチル−8−キノリノラート)(4−フェニルフェノラート)アルミニウム、ビス(2−メチル−8−キノリノラート)(2,3−ジメチルフェノラート)アルミニウム、ビス(2−メチル−8−キノリノラート)(2,6−ジメチルフェノラート)アルミニウム、ビス(2−メチル−8−キノリノラート)(3,4−ジメチルフェノラート)アルミニウム、ビス(2−メチル−8−キノリノラート)(3,5−ジメチルフェノラート)アルミニウム、ビス(2−メチル−8−キノリノラート)(3,5−ジ−tert−ブチルフェノラート)アルミニウム、ビス(2−メチル−8−キノリノラート)(2,6−ジフェニルフェノラート)アルミニウム、ビス(2−メチル−8−キノリノラート)(2,4,6−トリフェニルフェノラート)アルミニウム、ビス(2−メチル−8−キノリノラート)(2,4,6−トリメチルフェノラート)アルミニウム、ビス(2−メチル−8−キノリノラート)(2,4,5,6−テトラメチルフェノラート)アルミニウム、ビス(2−メチル−8−キノリノラート)(1−ナフトラート)アルミニウム、ビス(2−メチル−8−キノリノラート)(2−ナフトラート)アルミニウム、ビス(2,4−ジメチル−8−キノリノラート)(2−フェニルフェノラート)アルミニウム、ビス(2,4−ジメチル−8−キノリノラート)(3−フェニルフェノラート)アルミニウム、ビス(2,4−ジメチル−8−キノリノラート)(4−フェニルフェノラート)アルミニウム、ビス(2,4−ジメチル−8−キノリノラート)(3,5−ジメチルフェノラート)アルミニウム、ビス(2,4−ジメチル−8−キノリノラート)(3,5−ジ−tert−ブチルフェノラート)アルミニウム、
ビス(2−メチル−8−キノリノラート)アルミニウム−μ−オキソ−ビス(2−メチル−8−キノリノラート)アルミニウム、ビス(2,4−ジメチル−8−キノリノラート)アルミニウム−μ−オキソ−ビス(2,4−ジメチル−8−キノリノラート)アルミニウム、ビス(2−メチル−4−エチル−8−キノリノラート)アルミニウム−μ−オキソ−ビス(2−メチル−4−エチル−8−キノリノラート)アルミニウム、ビス(2−メチル−4−メトキシ−8−キノリノラート)アルミニウム−μ−オキソ−ビス(2−メチル−4−メトキシ−8−キノリノラート)アルミニウム、ビス(2−メチル−5−シアノ−8−キノリノラート)アルミニウム−μ−オキソ−ビス(2−メチル−5−シアノ−8−キノリノラート)アルミニウム、ビス(2−メチル−5−トリフルオロメチル−8−キノリノラート)アルミニウム−μ−オキソ−ビス(2−メチル−5−トリフルオロメチル−8−キノリノラート)アルミニウムを挙げることができる。
陰極6としては、比較的仕事関数の小さい金属、合金または導電性化合物を電極材料として使用することが好ましい。陰極に使用する電極材料としては、例えば、リチウム、リチウム−インジウム合金、ナトリウム、ナトリウム−カリウム合金、カルシウム、マグネシウム、マグネシウム−銀合金、マグネシム−インジウム合金、インジウム、ルテニウム、チタニウム、マンガン、イットリウム、アルミニウム、アルミニウム−リチウム合金、アルミニウム−カルシウム合金、アルミニウム−マグネシウム合金、グラファイト薄を挙げることができる。これらの電極材料は単独で使用してもよく、また複数併用してもよい。
また、電子注入効率を向上させる、またはリークやショートによる欠陥を防止する目的で、陰極と電子注入輸送層との間に絶縁性薄膜層を挿入することも可能である。
絶縁層材料に用いられる材料としては、例えば、フッ化リチウム、酸化リチウム、フッ化セシウム、酸化セシウム、フッ化マグネシウム、フッ化カルシウム、酸化カルシウム、酸化アルミニウム、窒化アルミニウム、酸化チタン、酸化珪素、酸化ゲルマニウム、窒化珪素、窒化硼素、酸化モリブデン、酸化ルテニウム、酸化バナジウム等が挙げられ、これらは単独で使用してもよく、複数混合系や、積層系で使用してもよい。
陰極はこれらの電極材料を、例えば、蒸着法、スパッタリング法、イオン蒸着法、イオンプレーティング法、クラスターイオンビーム法により電子注入輸送層の上に形成することができる。
また、本発明の有機電界発光素子は、正孔注入輸送層、発光層および電子注入輸送層の少なくとも一層中に、一重項酸素クンチャーを含有していてもよい。一重項酸素クエンチャーとしては、特に限定されるものではないが、例えば、ルブレン、ニッケル錯体、ジフェニルイソベンゾフランが挙げられ、好ましくは、ルブレンである。
一重項酸素クエンチャーが含有されている層としては、特に限定されるものではないが、好ましくは、発光層または正孔注入輸送層であり、より好ましくは、正孔注入輸送層である。尚、正孔注入輸送層に一重項酸素クエンチャーを含有させる場合、正孔注入輸送層中に均一に含有させてもよく、正孔注入輸送層と隣接する層(例えば、発光層、発光機能を有する電子注入輸送層)の近傍に含有させてもよい。
一重項酸素クエンチャーの含有量としては、含有される層(例えば、正孔注入輸送層)を構成する全体量の0.01〜50重量%、好ましくは、0.05〜30重量%、より好ましくは、0.1〜20重量%である。
溶液塗布法により各層を形成する場合、各層を形成する成分あるいはその成分とバインダー樹脂等とを、溶媒に溶解または分散させて塗布液とする。溶媒としては、例えば、有機溶媒(ヘキサン、オクタン、デカン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、1−メチルナフタレン等の炭化水素系溶媒、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系溶媒、ジクロロメタン、クロロホルム、テトラクロロメタン、ジクロロエタン、トリクロロエタン、テトラクロロエタン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、クロロトルエン等のハロゲン化炭化水素系溶媒、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸アミル、乳酸エチル等のエステル系溶媒、メタノール、プロパノール、ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、シクロヘキサノール、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、エチレングリコール等のアルコール系溶媒、ジブチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメトキシエタン、アニソール等のエーテル系溶媒、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、1−メチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、ジメチルスルホキシド等の極性溶媒)、水を挙げることができる。溶媒は単独で使用してもよく、また複数併用してもよい。正孔注入輸送層、発光層、電子注入輸送層の各層の成分を溶媒に分散させる場合には、分散方法として、例えば、ボールミル、サンドミル、ペイントシェーカー、アトライター、ホモジナイザー等を使用して微粒子状に分散する方法を使用することができる。
正孔注入輸送層、発光層、電子注入輸送層等の各層の膜圧は、特に限定されるものではないが、通常、5nm〜5μmとする。
本発明の有機電界発光素子は、陽極の表面に界面層(中間層)を設けることもできる。界面層の材質としては、有機リン化合物、ポリシラン、芳香族アミン誘導体、フタロシアニン誘導体、フルオロカーボン系ポリマー等を挙げることができる。
さらに、電極、例えば、陽極はその表面を、酸、アンモニア/過酸化水素、UVオゾン、あるいはプラズマで処理して使用することもできる。
10−ブロモ−9−フェニルアントラセン6.2g(18.5mmol)、ジベンゾフラン−4−ボロン酸4.9g(23mmol)、炭酸ナトリウム4.0g、トルエン150mlおよび水75mlよりなる混合物にテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム0.9gを添加し、83℃に加熱し、同温度で12時間加熱攪拌した。その後、反応混合物を室温に冷却し、生成した固体をロ別し、トルエン、メタノール、水で洗浄し、その後、トルエンから2回再結晶し、目的とする例示化合物A−1の化合物を3.2g得た。さらにこの化合物を340℃、1×10−4Paの条件で昇華精製した。
FD−MS:420(M+)
元素分析:計算値(%);C,91.40;H,4.79
分析値(%);C,91.4;H,4.8
実施例1において、10−ブロモ−9−フェニルアントラセン6.2g(18.5mmol)を使用する代わりに、10−ブロモ−9−(2’−フェニルフェニル)アントラセン7.6g(18.5mmol)を使用した以外は、実施例1に記載の操作に従い、例示化合物A−2の化合物を2.8g得た。さらにこの化合物を340℃、1×10−4Paの条件で昇華精製した。
FD−MS:496(M+)
元素分析:計算値(%);C,91.91;H,4.87
分析値(%);C,91.9;H,4.9
実施例1において、10−ブロモ−9−フェニルアントラセン6.2g(18.5mmol)を使用する代わりに、10−ブロモ−9−(3’−フェニルフェニル)アントラセン7.6g(18.5mmol)を使用した以外は、実施例1に記載の操作に従い、例示化合物A−3の化合物を2.5g得た。さらにこの化合物を350℃、2×10−4Paの条件で昇華精製した。
FD−MS:496(M+)
元素分析:計算値(%);C,91.91;H,4.87
分析値(%);C,91.9;H,4.9
実施例1において、10−ブロモ−9−フェニルアントラセン6.2g(18.5mmol)を使用する代わりに、10−ブロモ−9−(4’−フェニルフェニル)アントラセン7.6g(18.5mmol)を使用した以外は、実施例1に記載の操作に従い、例示化合物A−4の化合物を3.1g得た。さらにこの化合物を350℃、2×10−4Paの条件で昇華精製した。
FD−MS:496(M+)
元素分析:計算値(%);C,91.91;H,4.87
分析値(%);C,91.9;H,4.9
実施例1において、10−ブロモ−9−フェニルアントラセン6.2g(18.5mmol)を使用する代わりに、10−ブロモ−9−(ナフタレン−1’−イル)アントラセン7.1g(18.5mmol)を使用した以外は、実施例1に記載の操作に従い、例示化合物A−5の化合物を3.4g得た。さらにこの化合物を360℃、2×10−4Paの条件で昇華精製した。
FD−MS:470(M+)
元素分析:計算値(%);C,91.89;H,4.71
分析値(%);C,91.9;H,4.7
実施例1において、10−ブロモ−9−フェニルアントラセン6.2g(18.5mmol)を使用する代わりに、10−ブロモ−9−(ナフタレン−2’−イル)アントラセン7.1g(18.5mmol)を使用した以外は、実施例1に記載の操作に従い、例示化合物A−9の化合物を3.8g得た。さらにこの化合物を380℃、2×10−4Paの条件で昇華精製した。
FD−MS:470(M+)
元素分析:計算値(%);C,91.89;H,4.71
分析値(%);C,91.9;H,4.7
実施例1において、10−ブロモ−9−フェニルアントラセン6.2g(18.5mmol)を使用する代わりに、10−ブロモ−9−(ナフタレン−2’−イル)アントラセン7.1g(18.5mmol)を使用した以外は、実施例1に記載の操作に従い、例示化合物A−12の化合物を3.2g得た。さらにこの化合物を380℃、2×10−4Paの条件で昇華精製した。
FD−MS:520(M+)
元素分析:計算値(%);C,92.28;H,4.66
分析値(%);C,92.3;H,4.7
実施例1において、10−ブロモ−9−フェニルアントラセン6.2g(18.5mmol)を使用する代わりに、10−ブロモ−9−(ピレン−1’−イル)アントラセン8.5g(18.5mmol)を使用した以外は、実施例1に記載の操作に従い、例示化合物A−15の化合物を3.6g得た。さらにこの化合物を420℃、2×10−4Paの条件で昇華精製した。
FD−MS:544(M+)
元素分析:計算値(%);C,92.62;H,4.44
分析値(%);C,92.6;H,4.4
実施例1において、10−ブロモ−9−フェニルアントラセン6.2g(18.5mmol)を使用する代わりに、10−ブロモ−9−(9’,9’−ジメチル−9’Hフルオレン−2’−イル)アントラセン8.3g(18.5mmol)を使用した以外は、実施例1に記載の操作に従い、例示化合物A−17の化合物を3.6g得た。さらにこの化合物を380℃、2×10−4Paの条件で昇華精製した。
9,10−ジブロモアントラセン6.2g(18.5mmol)、ジベンゾフラン−4−ボロン酸8.03g(37.9mmol)、炭酸ナトリウム8.0g、トルエン150mlおよび水75mlよりなる混合物にテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム1.2gを添加し、83℃に加熱し、同温度で10時間加熱攪拌した。その後、反応混合物を室温に冷却し、生成した固体をロ別し、トルエン、メタノール、水で洗浄し、その後、トルエンから2回再結晶し、目的とする例示化合物A−40の化合物を3.2g得た。さらにこの化合物を360℃、1×10−4Paの条件で昇華精製した。
FD−MS:510(M+)
元素分析:計算値(%);C,89.39;H,4.34
分析値(%);C,89.4;H,4.3
9,9’−ジブロモ−10,10’−ビアントリル6.0g(11.7mmol)、ジベンゾフラン−4−ボロン酸5.0g(23.6mmol)、炭酸ナトリウム5.0g、トルエン5gおよび水50mgよりなる混合物に、アルゴン気流下、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム0.15gを添加し、83℃で、11時間加熱攪拌した。その後、反応混合物を室温に冷却し生成した固体をロ別した。得られた固体をトルエンから2回再結晶し、目的とする例示化合物B−2の化合物を3.0g得た。
この化合物をさらに、430℃、2×10−4Paの条件で昇華精製した。
FD−MS:686(M+)
元素分析:計算値(%);C,90.94;H,4.40
分析値(%);C,90.9;H,4.4
(1)9,10−ビス(アントラセン−9’−イル)−9,10−ジヒドロアントラセン−9,10−ジオールの製造
9−ブロモアントラセン20g(78mmol)、テトラヒドロフラン500mlよりなる混合物を−68℃に冷却し、n−ブチルリチウム60ml(2.6mol/リットル)を30分間かけて滴下し、その後−68℃で1時間30分間攪拌した。この混合物にアントラキノン8.1g(39mmol)およびテトラヒドロフラン800mlよりなる懸濁液を50分間かけて添加した。反応混合物を3時間−68で攪拌した後、室温まで昇温した。反応混合物を一晩放置した後、水600mlを添加し、さらに濃塩酸20mlを添加して生成した固体をロ別し目的物10.35gを得た。
(2)9,10−ビス(アントラセン−10’−イル)アントラセンの製造
9,10−ビス(アントラセン−9’−イル)−9,10−ジヒドロアントラセン−9,10−ジオール10g(17.8mmol)、酢酸200mlよりなる混合物を105℃に加熱攪拌し、加熱下にヨウ化水素(57%水溶液)28mlを添加し、同温度で8時間加熱攪拌した。その後反応混合物を室温に冷却し、50%ホスフィン酸溶液84mlを添加し、生成した固体をロ別し、目的物9.0gを得た。
(3)9,10−ビス(9’−ジブロモアントラセン−10’−イル)アントラセンの製造
9,10−ビス(アントラセン−10’−イル)アントラセン8.9g(16.8mmol)、テトラヒドロフラン800、無水塩化鉄1.0gよりなる混合物にN−ブロモスクシンイミド28.2gを室温、攪拌下、分割添加した。その後室温で14時間攪拌し、生成した固体をロ別した。得られた固体をさらにテトラヒドロフランで洗浄し、目的物を11.0g得た。
(4)例示化合物C−1の製造
9,10−ビス(9’−ジブロモアントラセン−10’−イル)アントラセン4.0g(5.8mmol)、ジベンゾフラン−4−ボロン酸3.7g(17mmol)、炭酸ナトリウム2.5g、トルエン200mlおよび水100mlよりなる混合物に、アルゴン気流下、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム0.5gを添加し、83℃に加熱し、7時間加熱攪拌した。生成した固体をロ別し、トルエンおよびメタノールで洗浄し、1,2,3,4−テトラヒドロナフタレンで熱スラッジし、目的とする例示化合物C−1を2.2g得た。さらにこの化合物を460℃、1×10−4Paで昇華精製した。
FD−MS:862(M+)
元素分析:計算値(%);C,91.85;H,4.44
分析値(%);C,91.9;H,4.4
実施例12の(1)において、アントラキノンを使用する代わりに、ビアントロンを使用した以外は、実施例12に記載の操作に従い、例示化合物D−1を1.7g得た。
さらにこの化合物を510℃、1×10−4Paで昇華精製した。
FD−MS:1039(M+)
元素分析:計算値(%);C,92.46;H,4.46
分析値(%);C,92.5;H,4.5
厚さ150nmのITO透明電極(陽極)を有するガラス基板を、中性洗剤、セミコクリーン(フルウチ化学製)、超純水、アセトン、イソプロパノールを用いて超音波洗浄した。この基板を窒素ガスを用いて乾燥し、さらにUV/オゾン洗浄した後、蒸着装置の基板ホルダーに固定し、蒸着槽を1×10−5Paに減圧した。先ず、ITO透明電極上に、銅フタロシアニンを0.3nm/secの蒸着速度で20nmの厚さに蒸着し、正孔注入層を形成した。次に、4,4’−ビス(N−フェニル−N−1”−ナフチルアミノ)−1,1’−ビフェニルを蒸着速度0.3nm/secで20nmの厚さに蒸着し、正孔輸送層を形成した。次に、正孔注入輸送層の上に発光層として、例示化合物A−1の化合物と下記の化合物D−1を蒸着速度0.3nm/secと0.03nm/secで異なる蒸着源から30nmの厚さに共蒸着し発光層を形成した、さらに、発光層の上にトリス(8−キノリノラート)アルミニウムを蒸着速度0.2nm/secで15nmの厚さに蒸着し、電子注入輸送層を形成した。その上に、リチウムフルオライドを蒸着速度0.2nm/secで0.5nmの厚さに蒸着し、最後に陰極としてアルミニウムを蒸着速度2.0nm/secで100nmの厚さに蒸着して有機電界発光素子を作製した。尚、蒸着は、蒸着槽の減圧状態を保ったまま実施した。作製した有機電界発光素子に直流電圧を印加し、室温、乾燥雰囲気下、50mA/cm2の定電流密度で連続駆動させた。初期には、電圧値は5.4Vであり、輝度6200cd/m2の青色の発光が確認された。輝度の半減期は1720時間であった。
実施例14において、発光層の形成に際して例示化合物A−1の化合物を使用する代わりに、例示化合物A−2の化合物を使用した以外は、実施例14に記載の操作に従い、有機電界発光素子を作成した。作成した有機電界発光素子に直流電圧を印加し、室温、乾燥雰囲気下、50mA/cm2の定電流密度で連続駆動させた。初期には、電圧値は5.1Vであり、輝度6600cd/m2の青色の発光が確認された。輝度の半減期は1840時間であった。
有機電界発光素子の作成
比較のため、実施例14において、発光層の形成に際して例示化合物A−1の化合物を使用する代わりに、下記の化合物H−1を使用した以外は、実施例14に記載の操作に従い、有機電界発光素子を作成した。作成した有機電界発光素子に直流電圧を印加し、室温、乾燥雰囲気下、50mA/cm2の定電流密度で連続駆動させた。初期には、電圧値は5.4Vであり、輝度1800cd/m2の発光が見られたが、発光色は緑色であった。また、連続駆動中12時間で短絡が生じ、輝度の半現値を測定することは出来なかった。
比較のため、実施例14において、発光層の形成に際して例示化合物A−1の化合物を使用する代わりに、下記の化合物H−2を使用した以外は、実施例14に記載の操作に従い、有機電界発光素子を作成した。作成した有機電界発光素子に直流電圧を印加し、室温、乾燥雰囲気下、50mA/cm2の定電流密度で連続駆動させた。初期には、電圧値は5.3Vであり、輝度2900cd/m2の青色発光が観察された。輝度の半減値は24時間と短かかった。
比較のため、実施例14において、発光層の形成に際して例示化合物A−1の化合物を使用する代わりに、下記の化合物H−3を使用した以外は、実施例14に記載の操作に従い、有機電界発光素子を作成した。作成した有機電界発光素子に直流電圧を印加し、室温、乾燥雰囲気下、50mA/cm2の定電流密度で連続駆動させた。初期には、電圧値は5.6Vであり、輝度3600cd/m2の青色発光が観察された。輝度の半減値は310時間と短かかった。
実施例14において、発光層の形成に際して例示化合物A−1の化合物を使用する代わりに、例示化合物A−3の化合物を使用した以外は、実施例14に記載の操作に従い、有機電界発光素子を作成した。作成した有機電界発光素子に直流電圧を印加し、室温、乾燥雰囲気下、50mA/cm2の定電流密度で連続駆動させた。初期には、電圧値は5.2Vであり、輝度5700cd/m2の青色の発光が確認された。輝度の半減期は1640時間であった。
実施例14において、発光層の形成に際して例示化合物A−1の化合物を使用する代わりに、例示化合物A−4の化合物を使用した以外は、実施例14に記載の操作に従い、有機電界発光素子を作成した。作成した有機電界発光素子に直流電圧を印加し、室温、乾燥雰囲気下、50mA/cm2の定電流密度で連続駆動させた。初期には、電圧値は5.4Vであり、輝度6400cd/m2の青色の発光が確認された。輝度の半減期は2180時間であった。
実施例14において、発光層の形成に際して例示化合物A−1の化合物を使用する代わりに、例示化合物A−9の化合物を使用した以外は、実施例14に記載の操作に従い、有機電界発光素子を作成した。作成した有機電界発光素子に直流電圧を印加し、室温、乾燥雰囲気下、50mA/cm2の定電流密度で連続駆動させた。初期には、電圧値は4.8Vであり、輝度5600cd/m2の青色の発光が確認された。輝度の半減期は1920時間であった。
実施例14において、発光層の形成に際して例示化合物A−1の化合物を使用する代わりに、例示化合物A−12の化合物を使用した以外は、実施例14に記載の操作に従い、有機電界発光素子を作成した。作成した有機電界発光素子に直流電圧を印加し、室温、乾燥雰囲気下、50mA/cm2の定電流密度で連続駆動させた。初期には、電圧値は4.9Vであり、輝度5400cd/m2の青色の発光が確認された。輝度の半減期は2350時間であった。
実施例14において、発光層の形成に際して例示化合物A−1の化合物を使用する代わりに、例示化合物A−40の化合物を使用した以外は、実施例14に記載の操作に従い、有機電界発光素子を作成した。作成した有機電界発光素子に直流電圧を印加し、室温、乾燥雰囲気下、50mA/cm2の定電流密度で連続駆動させた。初期には、電圧値は5.2Vであり、輝度5300cd/m2の青色の発光が確認された。輝度の半減期は1960時間であった。
実施例14において、発光層の形成に際して例示化合物A−1の化合物を使用する代わりに、例示化合物B−2の化合物を使用した以外は、実施例14に記載の操作に従い、有機電界発光素子を作成した。作成した有機電界発光素子に直流電圧を印加し、室温、乾燥雰囲気下、50mA/cm2の定電流密度で連続駆動させた。初期には、電圧値は4.9Vであり、輝度5400cd/m2の青色の発光が確認された。輝度の半減期は2280時間であった。
比較のため、実施例14において、発光層の形成に際して例示化合物A−1の化合物を使用する代わりに、下記の化合物H−4を使用した以外は、実施例14に記載の操作に従い、有機電界発光素子を作成した。作成した有機電界発光素子に直流電圧を印加し、室温、乾燥雰囲気下、50mA/cm2の定電流密度で連続駆動させた。初期には、電圧値は5.6Vであり、輝度3400cd/m2の青緑発光が観察された。輝度の半減値は112時間と短かかった。
比較のため、実施例14において、発光層の形成に際して例示化合物A−1の化合物を使用する代わりに、下記の化合物H−5を使用した以外は、実施例14に記載の操作に従い、有機電界発光素子を作成した。作成した有機電界発光素子に直流電圧を印加し、室温、乾燥雰囲気下、50mA/cm2の定電流密度で連続駆動させた。初期には、電圧値は5.6Vであり、輝度4500cd/m2の青緑発光が観察された。輝度の半減値は42時間と短かかった。
実施例14において、発光層の形成に際して例示化合物A−1の化合物を使用する代わりに、例示化合物C−1の化合物を使用した以外は、実施例14に記載の操作に従い、有機電界発光素子を作成した。作成した有機電界発光素子に直流電圧を印加し、室温、乾燥雰囲気下、50mA/cm2の定電流密度で連続駆動させた。初期には、電圧値は5.1Vであり、輝度5600cd/m2の青色の発光が確認された。輝度の半減期は2480時間であった。
厚さ150nmのITO透明電極(陽極)を有するガラス基板を、中性洗剤、セミコクリーン(フルウチ化学製)、超純水、アセトン、イソプロパノールを用いて超音波洗浄した。この基板を窒素ガスを用いて乾燥し、さらにUV/オゾン洗浄した後、蒸着装置の基板ホルダーに固定し、蒸着槽を1×10−5Paに減圧した。先ず、ITO透明電極上に、4,4’,4”−トリス〔N−(3”−メチルフェニル)−N−フェニルアミノ〕トリフェニルアミンを蒸着速度0.1nm/secで、50nmの厚さに蒸着し、正孔注入層を形成した。次いで、4,4’−ビス〔N−フェニル−N−(1−ナフチル)アミノ〕、蒸着速度0.2nm/secで20nmの厚さに蒸着し、正孔輸送層を形成した。さらに、その上に例示化合物A−17で表される化合物と例示化合物D−1で表される化合物を0.2nm/secおよび0.2nm/secで異なる蒸着源から、40nmの厚さに共蒸着して発光層を形成した。次いで、その上にトリス(8−キノリノラート)アルミニウムを蒸着速度0.2nm/secで50nmの厚さに蒸着し、電子注入輸送層を形成した。さらに、その上に、陰極としてマグネシウムと銀を蒸着速度0.2nm/secで200nmの厚さに共蒸着(重量比10:1)して陰極とし、有機電界発光素子を作製した。作製した有機電界発光素子に直流電圧を印加し、乾燥雰囲気下、50mA/cm2の定電流密度で連続駆動させた。初期には、6.4V、輝度1450cd/m2の青色の発光が確認された。輝度の半減期は450時間であった。
厚さ150nmのITO透明電極(陽極)を有するガラス基板を、中性洗剤、セミコクリーン(フルウチ化学製)、超純水、アセトン、イソプロピルアルコールを用いて超音波洗浄した。この基板を窒素ガスを用いて乾燥し、さらにUV/オゾン洗浄した後、蒸着装置の基板ホルダーに固定し、蒸着槽を1×10−5Paに減圧した。先ず、ITO透明電極上に、ポリ(チオフェン−2,5−ジイル)を蒸着速度0.1nm/secで、20nmの厚さに蒸着し、第1正孔注入輸送層を形成した。蒸着槽を大気圧下に戻した後、再び蒸着槽を1×10−5Paに減圧した。次いで、例示化合物A−5の化合物とルブレンを、異なる蒸着源から、蒸着速度0.2nm/secで55nmの厚さに共蒸着(重量比10:1)し、第2正孔注入輸送層を兼ね備えた発光層を形成した。減圧状態を保ったまま、次に、その上にトリス(8−キノリノラート)アルミニウムを蒸着速度0.2nm/secで50nmの厚さに蒸着し、電子注入輸送層を形成した。減圧状態を保ったまま、さらに、その上に、陰極としてマグネシウムと銀を蒸着速度0.2nm/secで200nmの厚さに共蒸着(重量比10:1)して陰極とし、有機電界発光素子を作製した。作製した有機電界発光素子に直流電圧を印加し、乾燥雰囲気下、50mA/cm2の定電流密度で連続駆動させた。初期には、5.5V、輝度5600cd/m2の黄色の発光が確認された。この素子は1000時間後でも輝度低下が10%以下であった。
厚さ150nmのITO透明電極(陽極)を有するガラス基板を、中性洗剤、セミコクリーン(フルウチ化学製)、超純水、アセトン、エタノールを用いて超音波洗浄した。この基板を窒素ガスを用いて乾燥し、さらにUV/オゾン洗浄した後、蒸着装置の基板ホルダーに固定し、蒸着槽を1×10−5Paに減圧した。先ず、ITO透明電極上に、例示化合物A−15を蒸着速度0.1nm/secで、20nmの厚さに蒸着し、第1正孔注入輸送層を形成した。次いで、例示化合物A−12の化合物とルブレンを、異なる蒸着源から、蒸着速度0.2nm/secで55nmの厚さに共蒸着(重量比10:1)し、第2正孔注入輸送層を兼ね備えた発光層を形成した。次に、その上にトリス(8−キノリノラート)アルミニウムを蒸着速度0.2nm/secで50nmの厚さに蒸着し、電子注入輸送層を形成した。さらに、その上に、陰極としてマグネシウムと銀を蒸着速度0.2nm/secで200nmの厚さに共蒸着(重量比10:1)して陰極とし、有機電界発光素子を作製した。尚、蒸着は、蒸着槽の減圧状態を保ったまま実施した。作製した有機電界発光素子に直流電圧印加し、乾燥雰囲気下、50mA/cm2の定電流密度で連続駆動させた。初期には、6.1V、輝度5400cd/m2の黄色の発光が確認された。この素子は1000時間後でも輝度の低下が10%以下であった。
2:陽極
3:正孔注入輸送層
3a:正孔注入輸送成分
4:発光層
4a:発光成分
5:電子注入輸送層
5”:電子注入輸送層
5a:電子注入輸送成分
6:陰極
7:電源
Claims (8)
- 一般式(1)で表される芳香族化合物。
- 前記一般式(1)(2)中、R 11 とR 21、 R 12 とR 22、 R 13 とR 23、 R 14 とR 24、 R 15 とR 25、 R 16 とR 26、 R 17 とR 27 は、それぞれ水素原子を表し、X 1 とX 2 はそれぞれ酸素原子を表す、請求項1記載の芳香族化合物。
- 一対の電極間に、請求項1又は2に記載の芳香族化合物を少なくとも1種含有する層を少なくとも一層挟持してなる有機電界発光素子。
- 前記芳香族化合物を含有する層が、発光層である請求項3記載の有機電界発光素子。
- 前記芳香族化合物を含有する層が、正孔注入輸送層である請求項3記載の有機電界発光素子。
- 発光層がホスト材料とドーパント材料より形成され、
前記芳香族化合物が発光層ホスト材料として含有されている請求項3記載の有機電界発光素子。 - 前記一対の電極間に、さらに、正孔注入輸送層を有する請求項3〜6のいずれか一項に記載の有機電界発光素子。
- 前記一対の電極間に、さらに、電子注入輸送層を有する請求項3〜7のいずれか一項に記載の有機電界発光素子。
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